JP5667382B2 - 半導体基材の状態測定方法及び状態測定装置 - Google Patents

半導体基材の状態測定方法及び状態測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基材の結晶状態を測定する方法及び装置に関する。
従来から、半導体基材の結晶状態を測定する技術として、走査型電子顕微鏡によるカソードルミネッセンス法が用いられている。カソードルミネッセンス法では、電子銃により発生させた高エネルギー電子を高真空環境下に置かれた半導体基材に衝突させて基材の発光状態を検出することにより、基材表面の結晶状態を観測するようにしている。
また、非特許文献1には、高真空環境下で電子銃により発生させた高エネルギー電子を半導体基材に衝突させ、これにより基材から生じる光の波長と発光強度との関係に基づいて、半導体基材の結晶欠陥の量を把握できることが開示されている。この文献では、半導体基材として、窒化ガリウム上に窒化ガリウムインジウムの薄膜を形成した窒化物半導体が用いている。そして、この半導体基材に高エネルギー電子を衝突させた場合に、結晶欠陥が少ない領域では、基材のバンドギャップに対応する波長での発光強度が他の波長での発光強度よりも高くなることが開示されている。また、結晶欠陥の多い領域では、結晶欠陥が少ない領域に比して、バンドギャップに対応する波長での発光強度が低くなるとともに、この波長よりも長い波長における発光強度が高くなることが開示されている。
スン・ナム・リー(Sung−Nam Lee)、外5名,「マスクレス格子エピタキシャル過成長a面窒化ガリウム上に成長したa面インジウム窒化ガリウムマルチ量子壁の特性(Characterization of a−plane InGaN multiple−quantum wells on maskless epitaxially overgrown a−plane GaN)」,応用物理レター(Applied Physics Letters),(米国),アメリカ物理学会(American Institute of Physics),2008年3月19日,第92巻,第11号,p.111106−111108
ところで、半導体基材をプラズマ環境下において処理する場合がある。しかしながら、従来の方法では、高真空環境下でしか半導体基材の結晶欠陥を測定することはできないため、半導体基材のプラズマ処理後に結晶欠陥を測定することはできても、半導体基材のプラズマ処理中に基材の結晶欠陥を測定することができない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマ環境下で半導体基材の結晶状態を測定することができる方法及び装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、半導体基材の状態測定方法であって、プラズマ発生手段によってチャンバ内にプラズマを発生させ、前記チャンバ内に配置された陰極に負電圧を印加し、前記チャンバ内に配置された基材ホルダー電極により保持された半導体基材における前記陰極から発生する電子の衝突による発光態様に基づいて前記半導体基材における電子のエネルギー分布状態を測定し、前記半導体基材の発光態様に応じて、前記半導体基材の結晶欠陥の相対量を検出する。
上記構成によれば、プラズマが発生するチャンバ内に陰極を配置し、その陰極に負電圧を印加することにより、プラズマ中で高エネルギー電子を発生させる。高エネルギー電子が半導体基材に衝突すると、半導体基材はその基材の結晶欠陥の状態に応じて発光する。したがって、この発光態様を測定することにより、半導体基材の結晶欠陥の状態を測定することができる。
ここうでいう相対量とは、半導体基材に占める結晶欠陥の相対的な量、すなわち、結晶欠陥の発生割合を意味する。また、発光態様に応じて検出する方法としては、例えば、所定波長における発光強度や所定の波長範囲における発光強度に基づいて結晶状態を検出する方法等が挙げられる。
半導体基材に高エネルギー電子を衝突させた場合、基材表面の結晶欠陥が少ない領域では、バンドギャップに対応した波長における発光強度が高くなる。また、結晶欠陥が多い領域では、結晶欠陥が少ない領域に比して、バンドギャップに対応する波長での発光強度が低くなるとともに、この波長よりも長い波長における発光強度が高くなる。
したがって、請求項に記載の発明によるように、前記半導体基材のバンドギャップに対応した波長、及び前記半導体基材のバンドギャップに対応した波長よりも長い波長の少なくとも一方に応じて、前記結晶欠陥の相対量を検出するといった態様を採用することができる。
請求項に記載の発明では、前記陰極に印加する負電圧の大きさを制御することにより、前記半導体基材の結晶欠陥の検出深さを制御する。
陰極への負電圧を変化させることで、高エネルギー電子のエネルギー状態を定量的に制御することができる。従って、高エネルギー電子が半導体基材に侵入する深さを制御でき、結晶欠陥の深さ方向分布を測定することができる。
請求項に記載の発明は、半導体基材の状態測定装置であって、チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記チャンバ内で半導体基材を保持する基材ホルダー電極と、前記チャンバ内において前記基材ホルダー電極に対応して配置される陰極と、前記陰極に負電圧を印加する電源と、前記陰極から発生する電子の衝突による前記半導体基材の発光態様に基づいて、前記半導体基材における電子のエネルギー分布状態を測定する測定手段と、前記半導体基材の発光態様に応じて、前記半導体基材の結晶欠陥の相対量を検出する検出部とを備える。
上記構成によれば、陰極に負電圧を印加することにより、プラズマ中で高エネルギー電子を発生させ、この高エネルギーが半導体基材に衝突による半導体基材の発光態様に基づいて、半導体基材における電子のエネルギー分布状態を測定し、半導体基材の発光態様に応じて、半導体基材の結晶欠陥の相対量を検出することにより、半導体基材の結晶状態を測定することができる。
本発明によれば、プラズマ環境下で半導体基材の結晶状態を測定することができる。
実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す模式図。 プラズマ中で半導体基材の発光状態を測定する検証装置を示す模式図。 半導体基材の発光状態の測定において、陰極に対する電圧の印加態様を示すタイミングチャート。 半導体基材の発光状態の測定において、半導体基材から発光する光の波長と発光強度との関係を示すグラフ。 半導体基材の発光状態の測定において、陰極に印加する電圧と半導体基材の発光強度との関係を示すグラフ。
以下、本発明に係る半導体基材の状態測定装置を誘導結合プラズマ(ICP:Inductively coupled plasma)方式のプラズマエッチング装置に適用した一実施形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置10を示す模式図であり、チャンバ11についてはその断面構造を示している。このプラズマエッチング装置10では、窒化ガリウムからなる半導体基材Aのエッチングが行われるとともに、この基材Aのエッチング処理中に基材表面の結晶欠陥の測定が行われる。
図1に示すように、プラズマエッチング装置10は、円筒形のチャンバ11を備えている。チャンバ11の側面は石英管12で構成され、石英管12の両端は金属製の上端蓋13及び下端蓋14により閉塞されている。石英管12には、高周波コイル15がその外周に沿って配置されている。高周波コイル15は、配線15aを介して高周波電源16に接続されている。また、図示を省略するが、上端蓋13には、エッチングガスを導入するガス導入ポートが形成され、下端蓋14には真空ポンプに連なる排気ポートが形成されている。本実施形態では、高周波コイル15、高周波電源16及びガス導入ポート、排気ポート等によりプラズマ発生手段が構成されている。
プラズマエッチング装置10のチャンバ11内には、基材ホルダー電極20と陰極21とが対向して配置されている。基材ホルダー電極20と陰極21とは例えばアルミニウムからなる。基材ホルダー電極20は、上端蓋13を貫通する金属製の支持棒20aと配線20bを介して高周波バイアス電源20cに接続されている。また、基材ホルダー電極20は、プラズマエッチング装置10によりエッチング処理が施される半導体基材Aを、図示しない係止部によって保持している。陰極21は、下端蓋14を貫通する金属製の支持棒21aと配線21bを介して高圧パルス電源22に接続されている。なお、上端蓋13及び支持棒20aと、下端蓋14及び支持棒21aとは、間に絶縁体からなるリング等(図示略)を介在させることにより、絶縁されている。
プラズマエッチング装置10は、半導体基材Aの基材表面の発光強度を測定するための測定手段として分光計23を備えている。分光計23にはファイバ24が接続されている。ファイバ24の先端は、石英管12の外周近傍に設けられており、半導体基材Aが発光すると、その光がファイバ24を通じて、分光計23の図示しない受光素子によって受光される。分光計23は受光素子が受光した光の波長毎の発光強度を測定する。
プラズマエッチング装置10は、分光計23と高周波バイアス電源20cと高圧パルス電源22の制御を行う制御部25を備えている。制御部25は、高周波バイアス電源20cと高圧パルス電源22を制御して、基材ホルダー電極20と陰極21に印加する電圧及び周期を制御するとともに、分光計23の動作開始及び停止を制御する。また、制御部25は検出部26と表示部27とを備えている。上記分光計23は、発光強度の測定結果に対応した信号を検出部26に出力する。検出部26は、入力される測定結果に応じて半導体基材Aの結晶欠陥の状態を検出する。表示部27は、検出部26の検出結果を表示する。
上記のように構成されたプラズマエッチング装置10は、以下のように動作する。
まず、半導体基材Aのエッチング処理を説明する。プラズマエッチング装置10では、チャンバ11内に、ガス導入ポートを通じて、プラズマを発生させるためのアルゴン等の希ガスがエッチングガスとして導入される。この状態で、高周波電源16によって、高周波コイル15に13.56MHzの高周波の電圧が印加されると、チャンバ11内にプラズマが発生する。図1において、破線で囲まれる領域Rには、プラズマが発生しており、以下では、この破線Rで囲まれる領域をプラズマ発生領域Rという。このようにして、プラズマが発生することにより、半導体基材Aにエッチング処理が施される。また、図示しない真空ポンプにより、プラズマ中の分子、エッチング生成物等が排気される。
次に、上記エッチング処理中における半導体基材Aの表面の結晶欠陥状態の測定について説明する。エッチング処理が開始されると、制御部25の制御により、高周波バイアス電源20c、高圧パルス電源22及び分光計23が動作を開始する。高周波バイアス電源20cは、基材ホルダー電極20に所定周波の電圧を印加する。高圧パルス電源22は、陰極21に所定周期で間欠的に負の高電圧(例えば−10[kV])を印加する。これにより、プラズマ発生領域Rの陽イオンiが陰極21に引き寄せられ、陰極21から電子(二次電子)e1が放出される。電子e1は、陰極21とプラズマ発生領域Rとの間の領域であるシースS間の電位差により加速され、高エネルギー電子e2となる。高エネルギー電子e2は、基材ホルダー電極20に保持された半導体基材Aに衝突する。
エッチング処理中の半導体基材Aは、直接遷移型の半導体である窒化ガリウムからなるため、高エネルギー電子e2の衝突により光を放出する。すなわち、半導体基材Aに高エネルギー電子e2が衝突することにより、価電子帯の電子が励起されて伝導帯に遷移し、その後伝導帯の電子が価電子帯のホールと再結合する際に、再結合のエネルギーが光子となって放出される。
ここで、半導体基材Aにおいて結晶欠陥が存在している部位では、電子が価電子帯よりも高エネルギー準位の欠陥準位に位置している。そのため、結晶欠陥が存在している部位では、高エネルギー電子e2の衝突により、伝導帯と欠陥準位とのエネルギー差に応じた光が放出される。したがって、図1に示すように、半導体基材Aは、表面に結晶欠陥が存在しない部位では、この基材Aのバンドギャップに応じたエネルギーhνの光を放出し、このエネルギーhν(バンドギャップ)に対応した波長の光を放出する。一方、半導体基材Aは、表面に結晶欠陥が存在する部位では、このバンドギャップよりも小さいエネルギーhν’の光を放出し、このエネルギーhν’に対応した波長(バンドギャップに対応した波長よりも長い波長)の光を放出する。
すなわち、半導体基材Aの結晶欠陥が少ないほど、バンドギャップに対応した波長での発光強度が高くなり、半導体基材Aの結晶欠陥が多いほど、バンドギャップに対応した波長よりも長い波長での発光強度が高くなる。したがって、これらの少なくとも一方の波長の発光強度を測定することにより、半導体基材Aにおける電子のエネルギー分布状態(バンドギャップ電子状態)、換言すれば半導体基材Aの結晶状態を測定することができる。
そこで、本実施形態では、分光計23の受光素子が半導体基材Aから放出される光を受光し、分光計23は、半導体基材Aから放出される光の波長毎の発光強度を測定し、この測定結果に応じた信号を制御部25の検出部26に出力する。検出部26は、上記の結晶欠陥と波長との関係に基づいて、分光計23の測定結果において半導体基材Aのバンドギャップに対応した波長の発光強度が高い場合には、結晶欠陥の相対量が少ない旨を検出し、半導体基材Aのバンドギャップに対応した波長の発光強度が低い場合には、結晶欠陥の相対量が多い旨を検出する。なお、分光計23には、半導体基材A表面全体の光が受光されるため、検出部26は、結晶欠陥の相対量として、基材表面における欠陥の平均的な発生状況を検出することとなる。制御部25の表示部27は、検出部26で検出した半導体基材Aの結晶欠陥の相対量を表示する。
これにより、例えばプラズマエッチング装置10では、表示部27の表示に基づいて半導体基材Aのエッチング終了時期等を設定することができる。すなわち、半導体基材Aのエッチングの進行に伴って半導体基材Aの表面の結晶欠陥が多くなる場合には、この結晶欠陥の相対量が半導体基材Aがデバイス材料として許容される結晶欠陥の相対量を超える前に、エッチングを終了するといった対策をとることができる。これにより、デバイス材料としての品質を満たした半導体基材Aの歩留まりを向上させることができる。
(プラズマ環境下での半導体基材の発光態様の測定)
次に、上記プラズマエッチング装置10の開発にあたって、本発明者らが行った検証について図2〜5を参照して説明する。本検証では、プラズマ環境下で高エネルギー電子の衝突による半導体基材の発光態様が実際に測定できるか否かを検証した。また、半導体基材の発光態様を測定するのに適した陰極21への印加電圧値を検証した。
図2に検証装置30を示す。検証装置30は、上記プラズマエッチング装置10の構成と概ね同じであるため、同じ構成については、同じ符号を用い、その説明を適宜省略する。本検証では、チャンバ11内の基材ホルダー電極31に検証用の半導体基材Bを保持させ、基材Bとして、厚さ2μmの窒化ガリウムが形成されているサファイア基板を用いた。検証装置30では、基材ホルダー電極31をチャンバ11の外周(石英管12)側に向かってに傾斜させることにより、分光計23に接続されるファイバ32により半導体基材Bで発生する光を取り込みやすくした。
また、検証装置30には、ラングミュアプローブ33を設けた。ラングミュアプローブ33では、金属探針34がプローブ電源装置35に接続されている。金属探針34は石英管12を貫通して、その先端がプラズマ発生領域R内に位置している。ラングミュアプローブ33は、プローブ電源装置35によって金属探針34に電圧を印加して得られる電圧電流特性から電子密度等のプラズマ特性を検出する。なお、本検証では、上記実施形態と同様に、高周波電源16による高周波コイル15の印加電圧を13.56MHzとした。
図3は、高圧パルス電源22による陰極21への電圧の印加態様を示す。図3に示すように、本検証では、2〔ms〕毎に75〔μs〕間、負の高電圧−E〔kV〕を印加した。具体的には、印加電圧の大きさとしては、−3.0〔kV〕,−5.5〔kV〕,−7.5〔kV〕及び−10〔kV〕の4つの値を採用した。また、プラズマを発生させるための高周波電源16も、この高圧パルス電源22による電圧の印加態様に基づいて、高周波コイル15に周期的に電圧を印加するようにした。
図4は、分光計23で測定された半導体基材Bの発光態様を示している。図4において、実線A、破線B、一点鎖線C及び二点鎖線Dは、それぞれ、陰極21の印加電圧を−3.0〔kV〕,−5.5〔kV〕,−7.5〔kV〕及び−10〔kV〕とした場合に、分光計23が測定した半導体基材Bの光の波長と発光強度との関係を示している。本検証では、図4に示すように、陰極21に印加する負電圧の絶対値を大きくするほど、半導体基材Bの発光強度が高くなることが確認された。また、半導体基材Bの窒化ガリウムのバンドギャップに対応した波長(375nm)付近での波長の発光強度と、それ以外の波長領域での発光強度との差異が、陰極21に印加する負電圧の絶対値を大きくするほど顕著になることが確認された。
図5は、図4に示した半導体基材Bの発光態様の測定結果において、印加電圧に対する所定の波長範囲(375±2nm)の発光強度を示しており、−3.0〔kV〕における発光強度を基準値「0」としている。本検証では、図5に示すように、陰極21に印加する負電圧の絶対値が大きいほど、すなわち、高エネルギー電子e2が有するエネルギーが高くなるほど、発光強度が高くなることが確認された。また、陰極21に印加する負電圧の絶対値が所定の閾値(−7〔kV〕程度)を超えると、半導体基材Bの発光強度が急激に高くなり、半導体基材Bの発光強度は、陰極21に印加する電圧に対して非線形的に高くなることが確認された。
以上のようにして、本検証では、プラズマ環境下で高エネルギー電子e2の衝突による半導体基材の発光態様が実際に測定できることを確認することができた。また、陰極21に印加すべき負電圧の絶対値が所定の閾値を超えると基材の発光強度が急激に高くなり、基材のバンドギャップに対応した波長も顕著に観測されることを確認することができた。したがって、本検証により、上記実施形態のプラズマエッチング装置10においても、プラズマ処理中の高エネルギー電子e2の衝突により半導体基材Aの発光態様を測定することにより基材Aの表面の結晶状態を検出することができることを実証することができた。また、実際の装置10において、半導体基材Aを測定する場合には、陰極21に印加する負電圧として、バンドギャップに対応する波長と他の波長との発光強度の差異が顕著となる所定の閾値以上の電圧を印加することで、半導体基材Aの結晶状態の測定がより適切に行えることが確認された。
(他技術との比較)
次に、半導体基材の結晶状態を測定する他の技術と、本実施形態のプラズマエッチング装置10との比較を行う。半導体基材の状態を測定する装置としては、従来技術に例示した走査型電子顕微鏡を用いた方法の他に、XPS(X−ray photoelectron spectroscopy)、エリプソメータを用いた方法、DLTS(DeepLevel Transient Spectroscopy)及びDLOS(Deep Level Optical Spectroscopy)等が挙げられる。
まず、走査型電子顕微鏡を用いた方法では、上記した通り、プラズマ処理中の基材の結晶状態を測定することができない。
また、XPSは、試料にX線を照射することによって生じる光エネルギーを測定することにより、試料を構成する原子の内殻電子の状態を測定するものであり、半導体基材の結晶欠陥の測定には適用しにくい。また、XPSは、高真空環境でないと試料の測定を行うことができない。したがって、XPSでは、半導体基材の結晶状態を測定することが難しいとともに、プラズマ環境下で試料の状態を測定することができない。
エリプソメータを用いた方法では、半導体基材に光を入射させ、反射光の偏光状態の変化に基づいて、基材の屈折率や膜厚を求めることができるが、基材表面の結晶欠陥を測定することは難しい。また、プラズマ環境下でこの方法を適用しようとすると、装置構成が複雑となる可能性があり、プラズマ処理装置への実現化が難しい。
DLTSは、半導体基材に熱的なエネルギーを与えることにより得られる電気的な信号の変化を測定することにより、半導体基材の結晶状態を把握するものであり、DLOSは半導体基材に光のエネルギーを与えることにより得られる電気的な信号の変化を測定することにより、半導体基材の結晶状態を把握する方法である。これらの方法は、電気的な信号を測定するにあたりプラズマがノイズとなるため、プラズマ環境下での半導体基材の状態の測定には適用することができない。
以上のように、半導体基材の状態を測定するための他の技術では、プラズマ環境下で半導体基材の状態を測定することができない。したがって、これらの技術をプラズマエッチング中の半導体基材の状態を測定する装置に適用することは難しい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態のプラズマエッチング装置10では、プラズマが発生するチャンバ11内に、基材ホルダー電極20と陰極21とが配置される。そして、基材ホルダー電極20には、半導体基材Aを保持させるとともに、陰極21には高圧パルス電源22によって負の高電圧を印加して、高エネルギー電子e2を発生させる。これにより、高エネルギー電子e2の衝突により半導体基材Bの発光態様を分光計23によって測定することにより、半導体基材Bの結晶状態を測定することができる。
(2)本実施形態のプラズマエッチング装置10では、半導体基材Aとして窒化ガリウムをエッチングするようにしている。窒化ガリウムは、直接遷移型の半導体であるため、高エネルギー電子が衝突により光を放出する。したがって、分光計23による発光態様の測定を適切に行うことができる。
(3)本実施形態では、検出部26が、半導体基材Aの表面の結晶欠陥の相対量を検出するようにしている。具体的には、検出部26は、半導体基材Aのバンドギャップに対応した波長における発光強度が低いほど、基材表面の結晶欠陥の相対量が多いと検出するようにしている。したがって、プラズマエッチング装置10の使用者等が、分光計23による測定結果を分析することなく、半導体基材Aの表面の結晶欠陥の相対量を検出することができる。
(4)本実施形態では、制御部25の表示部27が、検出部26の検出結果を表示するようにしている。したがって、表示部27の表示に基づいて、半導体基材Aの表面の結晶欠陥がデバイスに要求される許容量を超える前に、基材Aのエッチング処理の終了時期を設定する等の対策をとることができる。したがって、デバイス材料としての品質を満たした半導体基材Aの歩留まりを向上させることができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように適宜変形してもよい。
・上記実施形態のプラズマエッチング装置10は、検出部26によって検出した半導体基材Aの結晶欠陥の相対量を表示部27により表示するようにしている。しかしながら、プラズマエッチング装置は、表示部を備えない構成であってもよい。この場合、検出部が検出した基材表面の結晶欠陥の結晶状態に応じて、高周波電源16による高周波コイル15の電圧の印加の継続及び停止を制御することで、半導体基材の表面の結晶欠陥の相対量を所望の許容値に抑えるようにしてもよい。
・上記実施形態のプラズマエッチング装置10では、検出部26が、半導体基材Aのバンドギャップに対応した波長における発光強度が低いほど、結晶欠陥の量が多いと検出するようにしている。しかしながら、検出部は、半導体基材のバンドギャップに対応した波長よりも長い波長における発光強度が高いほど、結晶欠陥の相対量が多いと検出するようにしてもよい。また、検出部は、半導体基材のバンドギャップに対応した波長と、この波長よりも長い波長での双方の発光強度に基づいて、結晶欠陥の量を検出するようにしてもよい。また、所定波長(単一波長)での発光強度に基づいて結晶欠陥の相対量を検出してもよいし、所定の波長領域での発光強度に基づいて結晶欠陥の相対量を検出するようにしてもよい。
・上記実施形態のプラズマエッチング装置10は、検出部26を備え、分光計23の測定結果に基づいて半導体基材の結晶状態を検出するようにしている。しかしながら、プラズマエッチング装置は、検出部を備えない構成であってもよい。この場合には、分光計の測定結果が表示され、エッチング装置の使用者等がこの測定結果に基づいて半導体基材の結晶状態を判断するようにしてもよいし、分光計の測定結果に基づいて高周波電源による電圧の印加が制御されるようにしてもよい。
・上記実施形態のプラズマエッチング装置10では、窒化ガリウムからなる半導体基材Aをエッチング処理している。しかしながら、半導体基材は、窒化ガリウム以外の半導体材料からなるものであってもよい。特に、半導体基材の発光態様を測定するといった観点からは、半導体基材は直接遷移型の半導体が好ましく、例えば、酸化亜鉛等が例示される。また、間接遷移型の半導体基材であってもよい。
・上記実施形態では、半導体基材の結晶欠陥の相対量を測定するようにしている。しかしながら、結晶欠陥の相対量の検出に代わって、またはこれに加えて、半導体基材の発光態様に基づいて、結晶欠陥の深さ方向の分布状況を測定するようにしてもよい。具体的には、陰極に印加する負電圧の大きさを制御することにより、高エネルギー電子のエネルギー状態を定量的に制御することができるため、半導体基材の結晶状態の検出深さを制御することができる。したがって、検出深さを制御することで、結晶欠陥の深さ方向の分布状況を測定することができる。
・上記実施形態のプラズマエッチング装置10は、基材の発光態様を測定する測定手段として分光計23を用いている。しかしながら、測定手段としては、分光計以外のものを用いるようにしてもよい。例えば、バンドギャップに応じた波長の光又はその波長よりも長波長の光のみを選択的に透過させるバンドパスフィルターと受光素子とを用いて、これらの波長の発光強度を測定するようにしてもよい。また、バンドギャップに応じた波長の光又はその波長よりも長波長の光のみを選択的に受光する受光素子を用いてこれらの波長の発光強度を測定するようにしてもよい。この場合でも、半導体基材の状態を測定することができる。
・プラズマエッチング装置10の構成は、上記した構成に限定されず、各部材の形状、材質及び配置態様等を適宜変更するようにしてもよい。また、本発明の半導体基材の状態測定方法及び装置を、プラズマエッチング装置10以外の装置に適用してもよく、例えばプラズマによって基材に成膜を行う装置に適用してもよい。なお、成膜を行う装置に適用した場合には、例えば成膜の進行に伴って基材表面の結晶欠陥が低減する場合がある。したがって、この装置では、半導体基材の発光態様の測定に基づいて基材表面の欠陥が許容値まで低減されたか否かを判定し、この判定に基づき成膜処理を終了するようにしてもよい。さらに、これらの処理以外を行うプラズマ発生装置において、本発明の方法及び装置を適用するようにしてもよいし、単にプラズマ中で半導体基材の結晶状態を測定する装置に適用してもよい。
10:プラズマエッチング装置、11:チャンバ、12:石英管、15:高周波コイル、16:高周波電源、20,31:基材ホルダー電極、21:陰極、22:高圧パルス電源、23:分光計、25:制御部、26:検出部、27:表示部、30:検証装置、33:ラングミュアプローブ。

Claims (4)

  1. プラズマ発生手段によってチャンバ内にプラズマを発生させ、
    前記チャンバ内に配置された陰極に負電圧を印加し、
    前記チャンバ内に配置された基材ホルダー電極により保持された半導体基材における前記陰極から発生する電子の衝突による発光態様に基づいて、前記半導体基材における電子のエネルギー分布状態を測定し、
    前記半導体基材の発光態様に応じて、前記半導体基材の結晶欠陥の相対量を検出する
    ことを特徴とする半導体基材の状態測定方法。
  2. 前記半導体基材のバンドギャップに対応した波長、及び前記半導体基材のバンドギャップに対応した波長よりも長い波長の少なくとも一方に応じて、前記結晶欠陥の相対量を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体基材の状態測定方法。
  3. 前記陰極に印加する負電圧の大きさを制御することにより、前記半導体基材の結晶欠陥の検出深さを制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体基材の状態測定方法。
  4. チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記チャンバ内で半導体基材を保持する基材ホルダー電極と、
    前記チャンバ内において前記基材ホルダー電極に対応して配置される陰極と、
    前記陰極に負電圧を印加する電源と、
    前記陰極から発生する電子の衝突による前記半導体基材の発光態様に基づいて、前記半導体基材における電子のエネルギー分布状態を測定する測定手段と、
    前記半導体基材の発光態様に応じて、前記半導体基材の結晶欠陥の相対量を検出する検出部とを備える
    ことを特徴とする半導体基材の状態測定装置。
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