JP5666191B2 - 水中集魚灯 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された発明は、指向性を備え,面状に配置されるn個(n≧3)の光源部によって形成される発光部が、光透過性を有する筐体内に設置された構造であり、n個の発光部のうちの少なくとも2個の発光部は同一平面上に配置されず、かつ、任意の2個の発光部から互いに干渉しないように光が放射され、この光によって筐体の周囲にn対(≧3)の光の濃淡部が形成されるものである。
このような構造の水中集魚灯においては、筐体の周囲に形成された光の濃部領域にプランクトン等の餌料生物及びそれに群がる小型魚類が引き寄せられるとともに、この小型魚類を捕食するために、大型の魚類等が光の淡部領域に隠れるべく、集まってくる。すなわち、本発明の水中集魚灯によれば、大小の魚類を筐体の周囲に効率よく集めることができる。
特許文献2に開示された発明は、光ファイバーを備えた光照射手段を用いて海面を照射し、あるいはその光照射手段を海中に垂れ下げて海中を照射することによって、海面や海中に光照射域と非照射域を形成し、非照射域と光照射域との境界近傍の非照射域側に釣漁手段を下ろして釣漁をすることを特徴とする。
このような方法によれば、例えば、イカ類が光照射域では興奮して釣り針の餌に反応し難い場合でも、非照射領域ではその興奮が収まるため、イカ類を釣り上げることができる。
このような構造の水中集魚灯においては、筐体の周方向に対して設置されるn個の発光部のうち、任意の2個の発光部から放射される光は互いに干渉されることなく、筐体の周方向にn対の光の濃淡部を形成するという作用を有する。また、筐体の長手方向に対して少なくとも2段に配置される発光部によってそれぞれ「光の濃淡部」が形成される。そして、これらの領域は、水深方向に見た場合に、一方の「光の濃部」に対して他方の「光の淡部」が重なるように形成される。
このような構造の水中集魚灯では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、端部側光源が筐体の端部から光を遠方へ照射するとともに、中央側光源が筐体の中央部から光をその近辺へ照射するという作用を有する。また、端部側光源に中央側光源よりも指向角度の小さい光源を用いることで、端部側光源によって狭い範囲に光が集中するように照射され、中央側光源によって広い範囲に光が拡散するように照射されるという作用を有する。
このような構造の水中集魚灯では、請求項2に記載の発明の作用と同様に、端部側光源によって強い光が照射され、それよりも弱い光が中央側光源によって照射されるという作用を有する。
このような構造の水中集魚灯を点灯させるとともに、下端発光部が下方に向くように水中に沈めた場合、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、下端発光部によって筐体の下方へ光が照射されるという作用を有する。
このような構造の水中集魚灯においては、請求項4に記載の発明の作用に加えて、下端中心光源と下端周囲光源のうち、指向角度の小さい発光部から強い光が遠方へ照射されるとともに、他方の発光部から弱い光が筐体の下端の近辺に照射されるという作用を有する。
図1(a)及び図1(b)はそれぞれ本実施例の水中集魚灯の側面図及び底面図である。なお、図1(b)は図1(a)の拡大図となっている。図2(a)及び図2(b)はそれぞれ図1(a)のA−A線矢視断面及びB−B線矢視断面の拡大図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、水中集魚灯1は、光透過性を有し,上下に筐体3b及び環状体3cがそれぞれ取り付けられた円筒状の筐体3aと、筐体3aに収容される端部側光源2a,中央側光源2b及び下端中心光源2c,下端周囲光源2dと、図示しないバッテリから端部側光源2a,中央側光源2b及び下端中心光源2c,下端周囲光源2dに電力を供給するケーブル5と、端部側光源2a,中央側光源2b及び下端中心光源2c,下端周囲光源2dの発光状態を制御する制御部(図示せず)とを備え、端部側光源2a,中央側光源2b及び下端中心光源2c,下端周囲光源2dを光源として、その側方及び長手方向へ光を照射可能に構成されている。また、筐体3a,3bは、内部に水が浸入しないように連結部分等がシール材で密封された水密構造となっている。ただし、水中集魚灯1を特に水深の深い場所で使用する場合には、水密構造に加えて筐体3a,3bをさらに耐圧構造とすることが望ましい。
なお、図1(b)には下端中心光源2cとして1個の表面実装型LED6bが示されているが、これに限らず、下端中心光源2cは複数の表面実装型LED6bによって構成されていても良い。また、表面実装型LED6bの代わりに複数の砲弾型LED6aを下端中心光源2cとして基板4cの略中心に設置するとともに、その周囲に複数の表面実装型LED6bを下端周囲光源2dとして設置することもできる。ただし、一般に表面実装型LED6bは砲弾型LED6aに比べて広い設置スペースを要する。従って、基板4cのサイズを大きくできない場合には、本実施例に示した構成とすることが望ましい。
一方、下端発光部13cは筐体3aの下方に対して光を照射可能に、筐体3aの下端に設置された基板4c上の下端中心光源2c及び下端周囲光源2dによって面状に形成されている。また、基板4a,4bの裏側には筐体3aの略中心を通るように棒状の放熱部材(図示せず)が設置されており、基板4a,4bの表側には、前述したように砲弾型LED6a及び表面実装型LED6bが設置されている。なお、放熱部材は基板4a〜4cに接触することなく、その上端のみが筐体3bに接触している。
水中集魚灯1を点灯させて水中に沈めると、図3及び図4に示すように、発光部13a,13b(図1(a)参照)により筐体3aの側方に発光領域7a,7b及び発光領域8a,8bがそれぞれ形成され、下端発光部13c(図1(a)参照)により筐体3aの下方に発光領域9a,9bが形成される。なお、発光領域7a,8aは端部側光源2aによって形成され、発光領域9aは下端周囲光源2dによって形成される。また、発光領域7b,8bは中央側光源2bによって形成され、発光領域9bは下端中心光源2cによって形成される。そして、既に述べたように、端部側光源2a及び下端周囲光源2dによって照射される光は、中央側光源2b及び下端中心光源2cによって照射される光よりも狭い範囲に集中し、かつ遠方に到達する。従って、発光領域7a,8a及び発光領域9aは発光領域7b,8b及び発光領域9bよりも明るく、かつ遠方まで形成される。すなわち、水中集魚灯1では、筐体3aの両端の近傍から端部側光源2aにより強い光が狭い範囲に集中して遠方まで照射されるとともに、それよりも弱い光が中央側光源2bにより筐体3aの略中央部から近辺に拡散するように照射される。また、筐体3aの下方に向けて下端周囲光源2dにより強い光が狭い範囲に集中して遠方へ照射されるとともに、それよりも弱い光が下端中心光源2cにより筐体3aの下端の近辺に拡散するように照射される。
図5及び図6は水中集魚灯1の側面の発光状態を上面から見た場合の概念図である。なお、図5(a)は発光部13aの発光状態を上面から見た場合を示し、図5(b)は発光部13bの発光状態を上面から見た場合を示している。また、図6は図5(a)と図5(b)を重ねて表示したものである。さらに、図1乃至図4に示した構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、筐体3aの周方向に対して設置される3個の発光部13a,13b(図1参照)から放射される光は互いに干渉されることなく、周方向に対して均等に15°の指向角度をもって発光領域7a,8aを形成し、90°の指向角度をもって発光領域7b,8bを形成する。このとき、前述したように発光領域7a,7b及び発光領域8a,8bが「光の濃部」となり、その周囲の領域が「光の淡部」となる。すなわち、水中集魚灯1では、3組の発光部13a,13bによって筐体3aの周方向にそれぞれ3対の「光の濃淡部」が形成される。なお、「光の淡部」のうち、「光の濃部」との境目に近い領域10a〜10d及び領域11a〜11dは、大型魚類の潜伏可能な領域となる。
図7乃至図11は水中集魚灯1を点灯させるタイミングを示したタイミングチャートである。これらの図では、筐体3a内で周方向に設置される3組の発光部13a,13bに設置される端部側光源2a及び中央側光源2bのうち、発光部13aに設置される端部側光源2a及び中央側光源2bをそれぞれU01〜U03及びMU1〜MU3と表し,発光部13bに設置される端部側光源2a及び中央側光源2bをそれぞれL01〜L03及びML1〜ML3と表している。また、タイミングチャートのハイレベルとローレベルは、これらの光源が点灯した状態と消灯した状態をそれぞれ示している。なお、これらの図は端部側光源2a及び中央側光源2bを点灯させるタイミングの一部を示しており、実際には図に示されたパターンが所定の時間繰り返される。
Claims (5)
- 光透過性を有する筐体と、
指向性を有する複数の光源によって面状に形成され,前記筐体の側方へ光を放射可能に前記筐体内の周方向及び長手方向に配置される複数の発光部と、
を備え、
前記面状に形成される複数の発光部は、
前記筐体の周方向及び長手方向のいずれの方向についても一の発光部と他の発光部が同一平面上に配置されることがなく,かつ,前記筐体の周方向に対してn個(n≧2)配置されるとともに,前記筐体の長手方向に対して少なくとも2段に配置され、
前記光源の指向角度は360/n[°]よりも小さいことを特徴とする水中集魚灯。 - 前記光源は、
前記筐体の端部側に配置される端部側光源と、
この端部側光源よりも指向角度が大きく,前記筐体の中央部に配置される中央側光源の2種類からなることを特徴とする請求項1に記載の水中集魚灯。 - 前記端部側光源は、前記中央側光源よりも前記光源の配置密度が高いことを特徴とする請求項2に記載の水中集魚灯。
- 指向性を有する複数の光源によって面状に形成され、前記筐体の下方へ光を照射可能に前記筐体の下端に設置される下端発光部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水中集魚灯。
- 前記下端発光部は、
前記筐体の中心に設置される下端中心光源と、
この下端中心光源の周囲に設置される下端周囲光源からなり、
前記下端中心光源と前記下端周囲光源は指向角度が異なることを特徴とする請求項4に記載の水中集魚灯。
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