JP5665089B2 - プリオンタンパク質構造変換抑制剤及びその利用 - Google Patents

プリオンタンパク質構造変換抑制剤及びその利用 Download PDF

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Description

本発明は、感染型プリオンの生成を抑制することができる新規な化合物、当該化合物を有効成分として含むプリオンタンパク質構造変換抑制剤、プリオン病の予防・治療剤、及び前記化合物を用いてプリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする方法に関する。
プリオン病とは、異常型プリオンタンパク質の脳への蓄積が引き起こすとされている疾患の総称であって、例えば、羊のスクレイピー、ウシ海綿状脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病、GSS、FFI、クールー、変異型ヤコブ病などの神経変性疾患などが知られている。また、プリオン病は、正常型プリオン(PrPC)が構造変換し、アミロイド前駆体特殊構造(PrP*)を経由して感染型プリオン(PrPSc)を生成し、感染型プリオンが体内で正常型プリオンと結合して、正常型プリオンは感染型プリオンに次々に変換されて症状が進行すると考えられている。
正常型構造のプリオンタンパク質に結合して構造変換を阻害する活性を有する化合物を抗プリオン薬の開発に利用することが示唆されているが、その薬理効果は 証されていない(非特許文献1)。また、現在まで、マウス(非特許文献2))、ハムスター(非特許文献3)、ウシ(非特許文献4)、ヒト(非特許文献5)に関してNMRによる三次元構造決定が行われている。また、これまで、プリオンタンパク質の構造変換に関連して、プリオン中間体が観測されている(非特許文献6、7、8)。近年、高圧NMR法により、プリオンのフォールディング中間体PrP*が同定され、その構造の特徴が明らかになった。PrP*においてはヘリックスBとCが変性しているが、へリックスAは保たれている。また、PrP*は生理的条件下で1%存在していることが分かっている(非特許文献9)。
上記知見に基づき、本発明者らは、正常型プリオンの構造体におけるA-S 2ループとヘリックスBのC端側との間にある結合ポケットを焦点に当てたドッキングシミュレーションにより、正常型プリオンタンパク質との結合を介して構造変換を抑制し、フォールディング中間体PrP*の生成を強く抑制する化合物のスクリーニングを行い、そのような化合物として2−ピロリジン−1−イル−N−[4−[4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチルアミノ)−ベンジル]−フェニル]−アセタミドを得ている(特許文献1、非特許文献10)。さらに、本発明者らは、2−ピロリジン−1−イル−N−[4−{4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチルアミノ)−ベンジル}−フェニル]−プロピオンアミドも得ている(特許文献2)。
特開2005−120002号公報 特開2009−13126号公報
V.Perrier et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 97, 6073-6078(2000) R.Riek et al., Nature, 382, 180-182(1996) T.L.James et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 94, 10086-10091(1997) F.LopezGarcia, R.Zahn, R.Riek, K.Wuthrick, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 97, 8334-8339(2000) L.Calzolai et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 97, 8340-8345(2000) H.Zhang et al., Biochemistry 36, 3543-53(1997) S.Hornemann, R.A.Glockshuber, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 95, 6010-6014(1998) A.C.Apetri, W.K.Surewicz, Biol.Chem. 277, 44589-44592(2002) K.Kuwata et al.,Biochemistry 41, 12277-12283(2002) K.Kuwata et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 104, 11921(2007)
これらの化合物は、正常型プリオンと結合して構造変換を抑制しうるものの、依然として抗プリオン活性が不十分である。
本発明の一つの目的は、正常型プリオンタンパク質への結合を介して感染型プリオンタンパク質の生成を抑制することができる新規化合物、当該新規化合物を含むプリオンタンパク質構造変換抑制剤、及びプリオン病の予防・治療剤を提供することにある。本発明の他の一つの目的は、プリオンタンパク質の構造変換抑制効果に優れた化合物を効率よくスクリーニングする方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する化合物群が、プリオンタンパク質の正常型から感染型への構造変換を抑制可能であり、プリオン病の発病や進行の防止に優れた効果を発揮することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 0005665089

(式中、Xは炭素原子又は窒素原子を示す。R1、R2は同一又は異なって、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい複素環式基、置換基を有してもよいアミノ基、又は互いに結合してへテロ原子を含んでいてもよい炭化水素環を示す。R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、又は置換若しくは無置換アミノ基を示す。R7〜R14は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、又は置換若しくは無置換アミノ基を示す。ただし、R1及びR2の少なくとも一方は水素原子以外の基を示す。)で表される化合物を提供する。
前記式(1)中、好ましくは、R1及びR2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は又は互いに結合してへテロ原子を含んでいてもよい炭化水素環を示す。
より好ましくは、R1及びR2は、一方が水素原子であり他方が置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基を示すか又は互いに結合して脂環式炭化水素環を示す。
また、R3〜R6は、いずれも水素原子であることが好ましい。
前記式(1)中、R1及びR2は、一方が水素原子であり他方が置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基を示すか又は互いに結合して脂環式炭化水素環を示すものであってもよい。
本化合物は、下記式(2a)〜(2c)から選択されるいずれかであってもよい。
Figure 0005665089
また、本化合物は、下記式(3a)〜(3g)から選択されるいずれかであってもよい。
Figure 0005665089
さらに、本化合物は、下記式(4)であってもよい。
Figure 0005665089
さらにまた、本化合物は、下記式(5)であってもよい。
Figure 0005665089
下記式(2a)及び(2b)から選択されるいずれかであってもよい。
Figure 0005665089
本発明によれば、上記本発明の化合物を有効成分として含むプリオンタンパク質構造変換抑制剤が提供される。
さらに、本発明によれば、上記本発明の化合物を有効成分として含むプリオン病の予防・治療用医薬組成物を提供する。前記プリオン病には、例えば、羊のスクレイピー、ウシ海綿状脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病、GSS、FFI、クールーおよび変異型ヤコブ病等が含まれる。
また、本発明によれば、上記本発明の化合物及び/又はその誘導体を用い、正常型プリオンタンパク質とのドッキングシミュレーションにより予測される結合強さに基づき、プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする方法を提供する。さらに、本発明によれば、NMRを用いて前記正常型プリオンタンパク質の脆弱部位を特定し、NMRを用いて当該特定した脆弱部位に対する前記化合物又は誘導体の結合性に関する情報を取得し、前記結合性に関する情報に基づき、プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする、方法が提供される。
なお、本願明細書中、「正常型プリオンタンパク質」とは、正常な細胞に発現している感染性を有しないプリオンタンパク質を意味しており、「感染型プリオンタンパク質」とは、正常型プリオンタンパク質とアミノ酸配列は同一であるが、立体構造が異なり、感染性を有するプリオンタンパク質を意味している。また、「プリオンに感染する」とは、感染型プリオンタンパク質に感染している状態を意味している。
本発明の化合物の他の例を示す構造式である。 本発明の化合物のさらに他の例を示す構造式である。 本発明の化合物のさらに他の例を示す構造式である。 本発明の化合物のさらに他の例を示す構造式である。 本発明の化合物のさらに他の例を示す構造式である。 本発明の化合物のさらに他の例を示す構造式である。
本発明の化合物は、良好な抗プリオン活性を有している。これらの化合物の良好な抗プリオン活性は、プリオンタンパク質と強固な結合による、プリオンタンパク質の構造変換を抑制することによるものと考えられる。こうした化合物は、正常型プリオンの構造変換に起因する感染型プリオンの生成を抑制する作用を奏するプリオンタンパク質構造変換抑制剤として有用である。本発明の化合物は、上記作用を奏するため、プリオン病の発症や症状の進行の防止効果に優れたプリオン病の予防・治療剤を提供することができる。また、本発明のスクリーニング方法によれば、上記化合物を用いるため、プリオンタンパク質の構造変換を抑制する効果に優れた化合物を効率よく得ることができる。
以下、本発明の実施形態につき、詳細に説明する。
本発明の化合物は、前記式(1)で表される。式(1)中、Xは炭素原子又は窒素原子を示す。なお、Xが窒素原子の場合には、R1のみが存在するものとする。
1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい複素環式基、置換基を有してもよいアミノ基、又は互いに結合してへテロ原子を含んでいてもよい炭化水素環を示す。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルなどの炭素数1〜20(好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜4)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが複数結合した基が挙げられる。脂肪族炭化水素基として、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ビニル、アリル、エチニル、1−プロピニル基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜8)程度の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、ノルボルニル、アダマンチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基などの炭素数3〜20(好ましくは3〜15)程度の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基、橋架け炭素環式基等)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜14程度の単環式、多環式(縮合環式基、集合環式基を含む)の芳香族炭化水素基などが挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。また、芳香族炭化水素基としては、フェニル基などの芳香族炭化水素基にシクロペンタンなどの脂環式炭化水素やフラン、ピロールなどの複素環が縮合したものも包含される(連結部位は芳香族炭化水素基にある)。
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した基として、例えば、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、4−メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基として、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル等のアラルキル基;2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル基などが挙げられる。
これらの炭化水素基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。置換基として、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、複素環式基(ピロリジノ基、ピロリジノ基、モルホリノ基、イミダゾイル基、インドール基などの窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む3〜20員程度の複素環式基など)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシ−カルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基など)、置換若しくは無置換カルバモイル基(カルバモイル基;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等のモノ又はジ−炭化水素基置換カルバモイル基など)、シアノ基、アシル基(ホルミル、アセチル、プロピオニル基等の脂肪族アシル基;シクロヘキサンカルボニル基等の脂環式アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基;アセトアセチル基など)、ニトロ基、硫黄酸基(スルホン酸基、スルフィン酸基)、硫黄酸エステル基(スルホン酸エステル基、スルフィン酸エステル基)、ヒドロキシル基、置換オキシ基(アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、メルカプト基、置換チオ基(メチルチオ、エチルチオ基等のC〜Cアルキルチオ基;シクロヘキシルチオ基等のシクロアルキルチオ基;フェニルチオ基等のアリールチオ基;アセチルチオ基等のアシルチオ基など)、置換若しくは無置換アミノ基(アミノ基、モノ又はジC〜Cアルキルアミノ基など)、オキソ基、及びこれらが適当な連結基を必要に応じて介して複数結合された基(ピロリジンアセトアミド基)などが挙げられる。
炭化水素基が、芳香族炭化水素基のときには、置換基としては、特に、炭素数が1〜4程度の低級アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子から選択される1種又は2種以上とすることができる。
前記カルボキシル基、硫黄酸基、ヒドロキシル基、メルカプト基は保護基で保護されていてもよい。保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
複素環式基には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン、テトラヒドロフラン、オキサゾール、イソオキサゾールなどの5員環、4−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホリンなどの6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−オキソ−4H−クロメン、クロマン、イソクロマンなどの縮合環など)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員環、4−オキソ−4H−チオピランなどの6員環、ベンゾチオフェンなどの縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジンなどの6員環、インドール、インドリン、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリンなどの縮合環など)などが挙げられる。複素環式基には、複素環にベンゼンなどの芳香族環が縮合した縮合環式基も含まれる(連結部位は複素環式基にある)。これらの複素環式基は、置換基(例えば、前記炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基、及び上記に例示の炭化水素基)を有していてもよい。
アミノ基としては、鎖状又は環状の第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基が挙げられる。アミノ基は、置換基(例えば、前記炭化水素基や有していてもよい置換基と同様の基及び上記に例示の炭化水素基)を有していてもよい。
式(1)において、RとRとは、互いに結合して環構造を形成していてもよい。こうした環構造としては、へテロ原子を含んでいてもよい炭化水素環が挙げられる。炭化水素環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などの3〜15員(好ましくは4〜12員、さらに好ましくは5〜8員)程度の非芳香族性炭素環(シクロアルカン環、シクロアルケン環、橋かけ炭素環)などが挙げられる。これらの環は、置換基(例えば、前記炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基)を有していてもよく、また他の環(複素環、非芳香族性環又はフェニル基などの芳香族性環)の1又は2以上が縮合していてもよい。
また、ヘテロ原子を含む炭化水素環(複素環)としては、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン、テトラヒドロフラン、オキサゾール、イソオキサゾールなどの5員環、4−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホリンなどの6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−オキソ−4H−クロメン、クロマン、イソクロマンなどの縮合環など)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員環、4−オキソ−4H−チオピランなどの6員環、ベンゾチオフェンなどの縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジンなどの6員環、インドール、インドリン、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリンなどの縮合環など)などが挙げられる。これらの複素環は、置換基(例えば、前記炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基)を有していてもよく、また他の環(非芳香族性環又はフェニル基などの芳香族性環)の1又は2以上が縮合していてもよい。
本発明においては、式(1)中R1及びR2の少なくとも一方は水素原子以外の基を示す。すなわち、R1及びR2は、一方が水素原子であるとき他方は水素原子以外で上記各種基から選択されるいずれかの基を示す。したがって、本発明の化合物の誘導体には、2−ピロリジン−1−イル−N−[4−[4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチルアミノ)−ベンジル]−フェニル]−アセタミド及び2−ピロリジン−1−イル−N−[4−{4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチルアミノ)−ベンジル}−フェニル]−プロピオンアミドは含まれない。また、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ上記各種から選択されるいずれかの基を示す。特に、R1及びR2のうち一方が水素原子で他方が水素原子以外の基である化合物が好ましく用いられる。水素原子以外の基として、好ましくは、脂肪族炭化水素環、芳香族環が挙げられる。また、水素原子以外の基としては、グリシン以外のアミノ酸の側鎖部位及びその誘導体が好ましく用いられる。ここで、アミノ酸の側鎖部位とは、アミノ酸のα炭素に結合する水素、アミノ基、カルボキシル基以外の官能基を意味しており、例えばアラニンにおけるメチル基、バリンにおけるイソプロピル基、アスパラギン酸におけるカルボキシメチル基、グルタミンにおけるカルバモイルエチル基、フェニルアラニンにおけるベンジル基等が挙げられる。なかでも、C〜C12脂肪族炭化水素基、肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基、及びこれらの誘導体、特にメチル基、及びベンジル基等が好ましい。
式(1)におけるR7〜R14は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、及び置換若しくは無置換アミノ基を示し、これらは、上記に例示のものを用いることができる。なかでも、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、又は置換チオ基等が好ましく、特に、水素原子、C〜Cアルキル基、ヒドロキシル基、C〜Cアルキルオキシ基等が好ましく用いられる。
ここで、置換オキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC〜Cアルコキシ−カルボニル基;シクロヘキシルオキシカルボニル基等のシクロアルキルオキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。置換若しくは無置換カルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基;メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル基等のモノ又はジ−炭化水素基置換カルバモイル基などが挙げられる。硫黄酸基として、スルホン酸基、スルフィン酸基が挙げられる。硫黄酸エステル基として、スルホン酸エステル基(スルホン酸C〜Cアルキルエステル基等)、スルフィン酸エステル基(スルフィン酸C〜Cアルキルエステル基等)が挙げられる。置換オキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ基等のC〜Cアルコキシ基;シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ基等のアシルオキシ基(C〜Cアシルオキシ基等)などが挙げられる。置換チオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ基等のC〜Cアルキルチオ基;シクロヘキシルチオ基等のシクロアルキルチオ基;フェニルチオ基等のアリールチオ基;アセチルチオ基等のアシルチオ基(C〜Cアシルチオ基等)などが挙げられる。また、置換若しくは無置換アミノ基としては、例えば、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ基等のモノ又はジC〜Cアルキルアミノ基;アミジノ基;グアニジノ基等が挙げられる。
本発明の好ましい化合物としては、例えば、前記式(1)中、R1及びR2の一方が水素原子であり、他方がそれぞれ置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基若しくは芳香族炭化水素又はR1及びR2が互いに結合して炭化水素環を形成し、R7〜R14が、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、又は置換チオ基(好ましくは全てが水素原子である)である化合物が挙げられる。本発明の化合物として代表的な例として、前記式(2)で表される化合物の例を実施例及び図1〜6に示す。
本発明の化合物は、例えば、以下の方法で合成することができる。本発明の化合物は、式(1)中のX及びR1及びR2に関し、特徴構造を導入するものであるため、多様な化合物が簡易に合成されうる。式(1)においてXが炭素原子であり、R3〜R14が水素原子である化合物を、以下のスキームに従って合成することができる。なお、以下のスキームにおけるR1及びR2は、式(1)におけるのと同義である。
Figure 0005665089
すなわち、ステップ1に示すように、R1及びR2に対応する置換基を有するアルデヒド又はケトンとアニリン及びアニリン酸塩との反応により、ベンジル位に置換基を有する4,4’−ジアミノジフェニルメタン(化合物a)を合成することができる。また、ステップ2に示すように、ジクロロメタン中、ピリジン及びDMAP存在下、化合物aと臭化ブロモアセチルとの反応からビス(2−ブロモアセトアミド)(化合物b)を合成できる。さらに、ステップ3に示すように、THF中炭酸カリウム存在下、化合物bとピロリジンとの反応から本発明の化合物(化合物c)を合成できる。
式(1)中における、R1〜R14につき、種々の基を導入する場合には、必要に応じ公知の方法で適当な保護基の導入と、適時における脱保護が実施される。
ステップ1〜3における各化合物の使用量は、特に限定されず、当業者であれば適宜設定することができる。ステップ1〜3における各反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いられる。
各反応の温度は、化合物の種類、反応の種類などに応じて、例えば0〜150℃、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは40〜80℃程度の範囲から選択でき、反応の種類によっては常温で行うことも可能である。各反応は常圧又は加圧下で行うことができる。反応時間は、反応温度及び圧力に応じて、例えば30分〜48時間程度の範囲から適当に選択できる。反応終了後、反応生成物は、例えば、液性調整、濾過、濃縮、晶析、洗浄、再結晶、抽出、蒸留、昇華精製、カラムクロマトグラフィー等の一般的な分離精製手段により分離精製できる。
本発明の化合物は、正常型プリオンタンパク質に強固に結合して、構造変換を阻止する作用があると考えられる。このため、本発明の化合物は、正常型プリオンタンパク質の構造変換抑制剤やプリオン病の予防・治療剤の有効成分として有用である。本発明の化合物は、また、食品や飲料に添加して利用することもできる。ここで、本発明におけるプリオン病とは、正常型プリオンタンパク質が構造変換して生成される感染型プリオンタンパク質により引き起こされる疾患であって、例えば、羊のスクレイピー、ウシ海綿状脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病、GSS、FFI、クールーおよび変異型ヤコブ病等が含まれる。
本発明のプリオンタンパク質構造変換抑制剤及びプリオン病の予防・治療剤は、上記本発明の化合物を有効成分として含み、さらに、薬学的に許容される他の成分を含んでいてもよい。これらの薬剤は、ヒト、ウシ、ヒツジ、ウマ等の哺乳類などの動物に利用できる。前記薬学的に許容される成分としては、例えば、主に固形剤に用いられる賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、主に液剤に用いられる溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが挙げられ、さらに防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などを用いることもできる。
剤形としては、例えば、水、生理食塩水等の希釈液又は分散媒に有効量の化合物を溶解、分散、乳化させた注射剤、クリーム、軟膏、飲料剤、エアロゾル、皮膚ゲル、点眼剤、点鼻剤等の液剤;錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、錠剤、除法剤、坐薬等の固形剤などを用いることができ、これらは有効成分がリポソームや徐放性材料等に封入された封入体や担体に担持された担持体などの形態であってもよい。
薬剤の投与は、経口、非経口のいずれであってもよく、動脈内、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、直腸内へ、又は経呼吸、経皮、経鼻、経眼等による全身又は局所への投与等の方法により行うことができる。また、本発明の薬剤は、脳室内ポンプによって脳へ直接的に投与することもできる。
本発明のプリオンタンパク質構造変換抑制剤及びプリオン病の予防・治療剤の投与量は、それぞれ有効成分である化合物の種類や投与方法、さらに投与対象の種、年齢、体重、症状、薬物特性、病歴などに応じて異なるが、例えば、1回あたり体重1kg当たり数μgから数十mgの範囲であり、毎週数回から1日数回投与することができる。
薬理活性試験は、正常型プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を評価できる方法であれば特に限定されないが、例えば、被検物質の存在下、プリオン感染細胞が生成する感染型プリオンタンパク質の生成を検出する手段を用いることができる。前記プリオン感染細胞は、プリオンに感染しうる細胞に、公知の方法でプリオンを感染させることにより生成できる。感染型プリオンタンパク質の検出は、特定のタンパク質を検出可能な公知の方法を用いることができ、好ましくは定量的な検出方法が用いられる。前記定量的な検出方法としては、例えば抗体、核酸、これらの類似体(ペプチド、PNAなど)等の特定のタンパク質を認識する手段と、蛍光体や放射線等で標識したタンパク質のイメージ解析手段(ELISA、ECL-plusウェスタンブロッティング等)等の認識されたタンパク質を定量化する手段とを組み合わせて行われる場合が多い。
薬理活性試験の具体例としては、マウス神経細胞株にプリオンを感染させ、次いで種々の濃度で被検物質(薬剤)を添加した培地で一定期間培養した後、タンパク質を回収して感染型プリオンタンパク質を抗体等で検出し、イメージ解析等により定量化する方法等を利用できる。上記試験において、感染型プリオンタンパク質の生成量が少ないほど、プリオンタンパク質の構造変化抑制活性に優れ、プリオン病の治療・予防に高い効果を奏すると評価できる。
本発明の化合物の抗プリオン活性は、後述する実施例における有効率(1μM)に基づけば、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。また、同様に実施例に記載のIC50に基づけばIC50は好ましくは1.5μM以下であり、より好ましくは1μM以下であり、さらに好ましくは、0.7μM以下であり、一層好ましくは0.6μM以下であり、最も好ましくは0.5μM以下である。
本発明の化合物は、また、当該化合物をベースとして、上記医薬用途により最適化された化合物を効率よくスクリーニングする方法に利用することができる。スクリーニングは、in vivo、in vitro、in silico等による公知の手法を利用できる。特に本発明では、in silicoスクリーニング(バーチャルスクリーニング)で得られた候補化合物について、in vitro及び/又はin vivoスクリーニングを行う方法を用いると、優れた薬理効果を発揮しうる化合物を効率よく選別でき好ましい。前記in silicoスクリーニグには、例えば、後述のドッキングシミュレーションを用いたスクリーニング法が好ましく用いられる。
本発明の方法は、上記本発明の化合物及び/又はその誘導体を用い、正常型プリオンタンパク質とのドッキングシミュレーションにより予測される結合強さに基づき、プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする方法である。スクリーニングには、通常、ライブラリが用いられるが、当該ライブラリは、本発明の誘導体で構成されていても良く、ソフトウェア等を用いてコンピューター上で作成された公知乃至未知の化合物であってもよく、市販のものを利用することもできる
前記本発明の化合物の誘導体には、例えば、本発明の化合物に公知の置換基を導入等することにより部分的に改変された化合物等が含まれる。このような置換基としては、例えば上記に例示のものを利用できる。但し、本発明の化合物の誘導体には、2−ピロリジン−1−イル−N−[4−[4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチルアミノ)−ベンジル]−フェニル]−アセタミド及び2−ピロリジン−1−イル−N−[4−{4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチルアミノ)−ベンジル}−フェニル]−プロピオンアミドは含まれない。上記本発明の化合物の誘導体でライブラリを構成して、本発明の化合物の構造を用いたリード化合物の最適化に利用することができる。以下、ドッキングシミュレーションに用いる本発明の化合物、その誘導体、及びライブラリを「被検物質」と総称する場合がある。なお、本発明によれば、本発明の化合物及び/又はその誘導体と、プリオンに感染した細胞と、感染型プリオンタンパク質を検出する手段とを含んだキットの形態を採ることもできる。こうしたキットは、プリオンタンパク質の構造変換を抑制する化合物のスクリーニングの他、同化合物を用いた試験、評価、研究等に利用できる。
ドッキングシミュレーションは、一般に、被検物質及び正常型プリオンタンパク質の各立体構造情報に基づき、ドッキングシミュレーション用ソフトウェアプログラムによりコンピューター上で実施される。前記立体構造情報は、公知のタンパク質に関してはProtein Data Bank(PDB)などの公知のデータベースの登録情報として入手でき、新規物質に関しては汎用のプログラム等を用いてモデリングする等の方法により個別に作成することができる。
本発明の被検物質の立体構造情報は、例えばCambridgeSoft社製のChemOffice等のモデリングソフトウェアを用いて作成することができる。例えば、ChemOfficeを用いてGUI上の手動操作で個別にモデリングした後、ChemOfficeに付属の半経験的分子モデリングアプリケーションCSMOPACでAM1法を用いてエネルギーの最小化を行うことにより立体構造情報を作成することができる。こうして得られた情報に、さらに、電荷の付加や水素原子の削除などの処理を施すことにより、タンパク質との相互作用をより精度良く解析することができる。具体的には、MQEq法(修正電荷平衡法:Chem-Bio Info. J. 1, 35-40(2001)等)を用いて電荷を付加した。本発明の化合物及びライブラリ化合物の立体構造情報は、公知の方法で得ることができ、上記方法に限定されない。
プリオンタンパク質の立体構造情報は、Protein Data Bank(PDB)より入手可能であり、例えば、正常型マウスプリオンタンパク質の立体構造情報は、NMRにより構造決定された登録情報PDB code 1AG2を利用できる。さらに、電荷の付加や水素原子の削除などの処理を、AutoDockTools(Scripps Research Institute社製)を用い、Amber United-atom modelに従って行うことができる。
ドッキングシミュレーションによる結合強さの予測は、例えば、正常型プリオンタンパク質に存在する結合ポケットに焦点を当てて、被検物質と正常型プリオンタンパク質との結合自由エネルギーを予測し、当該エネルギーが低いほど両者の結合が強いと評価する方法により行うことができる。例えば、特開2005−120002号公報や特開2009−13126号公報に開示される方法を利用できる。
前記結合ポケットとしては、例えば、A-S2ループとヘリックスBのC端側との間にある結合ポケットを用いることができ、「結合ポケットに焦点を当てる」とは、当該結合サイトを中心に十分な大きさのグリッドボックスを設定することを意味している。グリッドボックスのサイズは特に限定されないが、例えば45Å×45Å×30Åのサイズに設定できる。
ドッキングシミュレーション用ソフトウェアプログラムとしては、ドッキングシミュレーション用途の一又は複数のソフトウェアプログラムを組み合わせて利用することができ、例えば、DOCK、AutoDock、GOLDなどの公知のものを利用できる。例えば、前記AutoDockによれば、正常型プリオンタンパク質の位置を固定し、化合物の構造変化のみ考慮したフレキシブルドッキング法による自動ドッキングシミュレーションを行うことができる。
より詳細には、AutoDockを用いた自動ドッキングシミュレーションは、ライブラリと正常型プリオンタンパク質について、ラマルク的遺伝的アルゴリズムによって最適な結合状態を探索し、一つの化合物に対して、1回当たり数千万のドッキングモードを評価する方法を複数回繰り返し行い、最も低い自由エネルギーを当該化合物とプリオンタンパク質との結合自由エネルギーと予測する。一方、本発明の化合物と正常型プリオンタンパク質について、上記と同様の方法で結合自由エネルギーを予測する。こうして得られた結合自由エネルギーの値が低いものほど結合が強い、すなわち、プリオンタンパク質の構造変化を抑制する効果に優れていると評価することができる。
スクリーニングの指標となる結合自由エネルギーは、適宜設定することができるが、好ましくは、−14.00kcal/mol未満であり、より好ましくは、同−14.00kcal/mol以上、−13.00kcal/mol未満であり、さらに好ましくは同−13.00kcal/mol以上、−12.00kcal/mol未満である。一層好ましくは、2−ピロリジン−1−イル−N −[4−{4−(2−ピロリジン−1−イル−アセチルアミノ)−ベンジル}− フェニル]−プロピオンアミド(-11.43 kcal/mol)(特開2009−13126号公報に記載)よりも低い結合自由エネルギーを指標とする。
さらに、これらの化合物又はその誘導体を、プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする方法に用いて、正常型プリオンタンパク質とのドッキングシミュレーションにより予測される結合強さに基づき、プリオン病の治療・予防剤の有効成分の探索に利用することもできる。
また、本発明においては、NMRを用いて前記正常型プリオンタンパク質の脆弱部位を特定し、NMRを用いて当該特定した脆弱部位に対する前記化合物又は誘導体の結合性に関する情報を取得し、前記結合性に関する情報に基づき、プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする、方法が有効である。すなわち、正常プリオンタンパク質につき、NMRにより脆弱部位を特定する。NMRによるタンパク質の脆弱部位の特定は、例えば、緩和時間等の緩和挙動の測定により可能である。緩和時間等を測定することで、マイクロ秒からミリ秒の速さで運動する原子を特定することができる。脆弱部位としては、例えば、マイクロ秒からミリ秒の速さで運動する原子が複数集合している部位が挙げられる。
次いで、NMRを用いて、当該特定した脆弱部位に対する前記化合物又は誘導体の結合性に関する情報を取得する。例えば、正常プリオンタンパク質と本発明の化合物等の被験化合物とを接触させた状態で、NMRを測定し、既に特定した脆弱部位に対応する化学シフトに着目し、脆弱部位に被験化合物が結合したかどうかを判定する。当業者であれば、脆弱部位に対応していた化学シフトの変化から、被験化合物が結合したかどうかを容易に判定することができる。こうして脆弱部位に結合すると判定される被験化合物は、正常プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する可能性がある化合物として、スクリーニングされる。
さらに、こうした構造変換抑制活性を有する可能性のある被験化合物を、ウイルス感染細胞等を用いた抗ウイルス活性試験を行うことで、正常プリオンタンパク質の構造変換抑制活性及び抗ウイルス活性に高い化合物が高い確度でスクリーニングされる。本発明に包含される化合物は、こうしたスクリーニングに基づき得られたものである。また、本発明の化合物及びその誘導体に関し、こうしたスクリーニング方法を実施することで一層構造変換抑制活性及び抗ウイルス活性に優れた化合物をスクリーニングすることができる。
以上説明したように、本発明の化合物は、プリオンタンパク質と結合する公知の化合物と比較して、正常型プリオンタンパク質との結合が良好で、上記試験により優れた薬理活性を発揮することができる。そのため、本発明の化合物は、それ自体をプリオンタンパク質構造変換抑制剤やプリオン病の予防・治療剤の有効成分として利用できるだけでなく、当該化合物の誘導体からなるライブラリを作成することにより、さらなる薬理効果、生体適合性等に優れた薬剤の開発に好ましく利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下の実施例において、得られた化合物の評価は以下のようにして行った。
(評価試験)
[培養細胞]
マウス視床下部神経細胞系列GT1は、マウスプリオンに感染しうる。化合物の抗プリオン作用を評価する目的で、我々はGTFK-1細胞系列を用いた(N. Nishida et al., J. Virol, 74, 320-325 (2000))。これらはGSS由来の(O. Milhavet et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 97, 13937-13942 (2000))マウス適合プリオンFukuoka-1株である。
[プリオン感染細胞の化合物処理]
GT1-7細胞は、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むDMEM培地(Invitrogen社製)で培養した。3〜4日ごとに、細胞をトリプシン処理し、1:5に希釈して継代した。安定にFukuoka-1または22L株に感染したGT1-7細胞については、O.Milhavet et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 97, 13937-13942 (2000)に記載されている。化合物のストック溶液は、10mMのDMSO中に調製し室温で保存した。使用前に、化合物を培地で希釈した。対照細胞を溶媒のみを含む(0.1%)培地で処理した。約2×10の細胞を6ウェルプレートの各ウェルに入れ、15時間後に化合物を添加して薬剤処理を開始した。72時間のインキュベーションの後に、細胞を回収した。
[感染型プリオンタンパク質の定量]
回収した細胞を、1×Triton/DOC溶解バッファー(0.5% TritonX-100, 0.5% deoxycholic acid, 150mM NaCl, 50mM Tris HCl[pH7.5])150μl中に溶解させた。タンパク質濃度をBCAプロテインアッセイキット(Pierce社製)で測定し、各細胞溶解液を2mg/mlに標準化した。感染型プリオンタンパク質の産生を分析するため、タンパク質1mgあたり20μgの濃度のプロテイナーゼKを用いて30分間37℃で消化した。消化を阻害剤AEBSF(3mM)で止めた後、サンプルについて15% ポリアクリルアミドゲルを用いてSDS-PAGEを行った。次いで、タンパク質をPVDF膜(Immobilon-P, ミリポア社製)に転写した。ウェスタンブロットによるタンパク質のバンド検出に、抗マウスPrP抗体M-20(SANTA CRUZ社製)を一次抗体として用いた。バンドのシグナルはSuper Signal(Pierce社製)で可視化し、曝露およびシグナルの定量は、膜をLAS-1000 UVmini(富士フイルム社製)でスキャンすることにより行った。
なお、評価にあたっては、化合物を添加しないときのProteinaseK耐性プリオンタンパク質のバンド量を100%とし、化合物添加時のProteinaseK耐性プリオンタンパク質のバンド量をその濃度での有効率(%)とし、有効率が50%となるときの化合物濃度をIC50と定義した。
アニリン塩酸塩 648 mg(5.00 mmol)をアニリン 1.397 g(15.0 mmol)に溶解させた。この溶液を溶液Aとする。溶液Aにピバルアルデヒド 431 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。反応混合物にクロロホルム(10 mL)を加えた後、有機層を水酸化ナトリウム水溶液(5 mol/L, 10 mL)、水(10 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し4,4’-ネオペンチリデンジアニリンを白色固体として543 mg(2.13 mmol, 収率43%)得た。
ピリジン47 mg(0.60 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン0.6 mg(0.005 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解させた。この溶液を溶液Bとする。溶液Bに4,4’-ネオペンチリデンジアニリン64 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。反応溶液を水(10 mL)で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、N,N’-(ネオペンチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として116 mg得た。
炭酸カリウム(138 mg, 1.0 mmol)とピロリジン(54 mg, 0.75 mmol)をTHF(2.5 mL)に25 °Cで加えた。この溶液を溶液Cとする。溶液CにN,N’-(ネオペンチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)116 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。反応混合物にクロロホルム(5 mL)を加えた後、有機層を水(5 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製しN,N’-(ネオペンチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色固体として95 mg(0.20 mmol, 収率79%)得た。N,N’-(ネオペンチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の質量分析、核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<質量分析>
MS (EI): 476 (M+).
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.00 (s, 9H, CH3), 1.84 (br, 8H, CH2), 2.67 (br, 8H, NCH2), 3.26 (s, 4H, C(O)CH2), 3.66 (s, 1H, CH), 7.36 (d, J = 8.1 Hz, 4H, Ar-H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 4H, Ar-H), 9.02 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-(ネオペンチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1 μM)は65%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにフェニルアセトアルデヒド 601 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(2-フェニルエチリデン)ジアニリンを無色オイルとして194 mg(0.67 mmol, 収率13%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(2-フェニルエチリデン)ジアニリン72 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として111 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(2-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)111 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を無色オイルとして82 mg(0.16 mmol, 収率64%)得た。N,N’-[(2-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ1.83 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.66 (br, 8H, NCH2), 3.24 (s, 4H, C(O)CH2), 3.32 (d, J = 7.8 Hz, 2H, CH2), 4.19 (t, J = 7.8 Hz, 1H, CH), 7.01 (d, J = 7.3 Hz, 2H, Ar-H), 7.12-7.18 (m, 7H, Ar-H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 9.02 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(2-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は75%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにシクロペンタンカルボクスアルデヒド 491 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(シクロペンチルメチレン)ジアニリンを淡黄色粘性固体として201 mg(0.75 mmol, 収率15%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(シクロペンチルメチレン)ジアニリン67 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(シクロペンチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として118 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(シクロペンチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)118 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(シクロペンチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を黄色オイルとして95 mg(0.19 mmol, 収率77%)得た。
N,N’-[(シクロペンチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.10-1.17 (m, 2H, CH2), 1.52-1.67 (m, 7H, CH2), 1.84 (quint, J = 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.66 (br, 8H, NCH2), 3.25 (s, 4H, C(O)CH2), 3.52 (d, J = 11.2 Hz, 1H, CH), 7.22 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 9.00 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(シクロペンチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は46%、IC50は0.68 ± 0.08μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにシクロヘキサンカルボクスアルデヒド 561 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(シクロヘキシルメチレン)ジアニリンを黄色固体として556 mg(1.98 mmol, 収率40%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(シクロヘキシルメチレン)ジアニリン70 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。析出した固体を濾取した後、固体をジクロロメタン(5 mL)で洗浄し、N,N’-[(シクロヘキシルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として91 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(シクロヘキシルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)91 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(シクロペンチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として75 mg(0.15 mmol, 収率60%)得た。
N,N’-[(シクロヘキシルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 0.84 (q, J= 3.3 Hz, 2H, CH2), 1.12-1.24 (m, 4H, CH2), 1.59-1.67 (m, 4H, CH2), 1.83 (quint, J = 3.2 Hz, 8H, CH2), 2.00-2.08 (m, 1H, CH), 2.67 (br, 8H, NCH2), 3.24 (s, 4H, C(O)CH2), 3.43 (d, J= 11.0 Hz, 1H, CH), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 4H, Ar-H), 7.45 (d, J = 8.4 Hz, 4H, Ar-H), 8.99 (br, 2H, NH).
13C NMR: δ 24.0 (NCH2CH2), 26.3 (CH2), 26.5 (CH2), 32.0 (CH2), 41.2 (CH), 54.5 (NCH2), 58.3 (CH), 59.7 (C(O)CH2), 119.7 (Ar), 128.5 (Ar), 135.5 (Ar), 140.3 (Ar), 169.0 (C=O).
従ってN,N’-[(シクロヘキシルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1 μM)は37%、IC50は0.47 ± 0.20 μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにシクロヘプタンカルボクスアルデヒド 631 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(シクロへプチルメチレン)ジアニリンを黄色粘性固体として776 mg(2.64 mmol, 収率53%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(シクロへプチルメチレン)ジアニリン74 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例4と同様にしてN,N’-[(シクロヘキシルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として124 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(シクロへプチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)124 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(シクロペンチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として100 mg(0.19 mmol, 収率77%)得た。
N,N’-[(シクロへプチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.08-1.16 (m, 2H, CH2), 1.35-1.61 (m, 10H, CH2), 1.83 (quint, J= 3.2 Hz, 8H, CH2), 2.29-2.35 (m, 1H, CH), 2.65 (br, 8H, NCH2), 3.24 (s, 4H, C(O)CH2), 3.53 (d, J= 11.0 Hz, 1H, CH), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 4H, Ar-H), 7.44 (d, J = 8.2 Hz, 4H, Ar-H), 8.99 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(シクロへプチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は37%、IC50は0.56 ± 0.33 μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにベンズアルデヒド 531 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(フェニルメチレン)ジアニリンを白色固体として686 mg(2.50 mmol, 収率50%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(フェニルメチレン)ジアニリン69 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(フェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として123 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(フェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)123 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(フェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を無色オイルとして109 mg(0.22 mmol, 収率87%)得た。
N,N’-[(フェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.69 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 5.49 (s, 1H, CH), 7.05-7.10 (m, 6H, Ar-H), 7.19-7.27 (m, 3H, Ar-H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 4H, Ar-H), 9.07 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(フェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は45%、IC50は0.97 ± 0.17μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに2-メトキシベンズアルデヒド 681 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(2-メトキシフェニルメチレン)ジアニリンを黄色オイルとして584 mg(1.92 mmol, 収率38%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(2-メトキシフェニルメチレン)ジアニリン76 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として128 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(2-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)128 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として115 mg(0.22 mmol, 収率87%)得た。
N,N’-[(2-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.84 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.26 (s, 4H, C(O)CH2), 3.71 (s, 3H, CH3), 5.85 (s, 1H, CH), 6.83-6.87 (m, 3H, Ar-H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 4H, Ar-H), 7.21 (ddd, J = 3.2, 5.9, 8.3 Hz, 1H, Ar-H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 4H, Ar-H), 9.04 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(2-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は40%、IC50は0.58 ± 0.01μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに3-メトキシベンズアルデヒド 681 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(3-メトキシフェニルメチレン)ジアニリンを淡黄色オイルとして604 mg(1.98 mmol, 収率40%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(3-メトキシフェニルメチレン)ジアニリン76 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(3-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡紫色固体として134 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(3-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)134 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(3-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色固体として104 mg(0.20 mmol, 収率79%)得た。
N,N’-[(3-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (br, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.26 (s, 4H, C(O)CH2), 3.73 (s, 3H, CH3), 5.45 (s, 1H, CH), 6.65 (s, 1H, Ar-H), 6.69 (d, J = 7.1 Hz, 1H, Ar-H), 6.75 (dd, J = 2.2, 8.0 Hz, 1H, Ar-H), 7.07 (d, J = 8.3 Hz, 4H, Ar-H), 7.19 (t, J = 7.8 Hz, 1H, Ar-H), 7.48 (d, J = 8.3 Hz, 4H, Ar-H), 9.06 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(3-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は76%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに4-メトキシベンズアルデヒド 681 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(4-メトキシフェニルメチレン)ジアニリンを黄色オイルとして612 mg(2.01 mmol, 収率40%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(4-メトキシフェニルメチレン)ジアニリン76 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(4-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡紫色固体として135 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(4-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)135 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(4-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色固体として113 mg(0.21 mmol, 収率86%)得た。
N,N’-[(4-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (br, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 3.78 (s, 3H, CH3), 5.44 (s, 1H, CH), 6.81 (d, J = 8.6 Hz, 2H, Ar-H), 7.00 (d, J = 8.6 Hz, 2H, Ar-H), 7.06 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 9.06 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(4-メトキシフェニルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は58%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに2-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド 871 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-[2-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジアニリンを白色固体として265 mg(0.77 mmol, 収率15%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-[2-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジアニリン86 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[2-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡紫色固体として131 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-{[2-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)131 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[2-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色粘性固体として118 mg(0.21 mmol, 収率83%)得た。
N,N’-{[2-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.69 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 5.93 (s, 1H, CH), 7.01 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.21 (d, J= 7.6 Hz, 1H, Ar-H), 7.32 (t, J = 7.6 Hz, 1H, Ar-H), 7.43-7.49 (m, 5H, Ar-H), 7.68 (d, J = 7.6 Hz, 1H, Ar-H), 9.09 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-{[2-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は51%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド 871 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-[3-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジアニリンを黄色オイルとして234 mg(0.68 mmol, 収率14%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-[3-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジアニリン86 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[3-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡紫色固体として134 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-{[3-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)134 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[3-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を黄色粘性固体として122 mg(0.22 mmol, 収率86%)得た。
N,N’-{[3-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (quint, J= 3.1 Hz, 8H, CH2), 2.69 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 5.53 (s, 1H, CH), 7.05 (d, J = 8.4 Hz, 4H, Ar-H), 7.28 (s, 1H, Ar-H), 7.38 (br, 1H, Ar-H), 7.40 (d, J = 7.8 Hz, 1H, Ar-H), 7.47-7.52 (m, 5H, Ar-H), 9.10 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-{[3-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は57%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド 871 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジアニリンを白色固体として301 mg(0.88 mmol, 収率18%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジアニリン86 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡紫色固体として135 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-{[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)135 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]白色固体として126 mg(0.22 mmol, 収率89%)得た。
N,N’-{[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.86 (quint, J= 3.0 Hz, 8H, CH2), 2.71 (br, 8H, NCH2), 3.30 (s, 4H, C(O)CH2), 5.53 (s, 1H, CH), 7.04 (d, J = 8.3 Hz, 4H, Ar-H), 7.21 (d, J= 7.9 Hz, 2H, Ar-H), 7.51 (d, J = 8.3 Hz, 4H, Ar-H), 7.52 (d, J = 7.9 Hz, 2H, Ar-H), 9.13 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-{[4-(トリフルオロメチル)フェニルメチレン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は72%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに2-ピリジンカルボクスアルデヒド 536 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(2-ピリジルメチレン)ジアニリンを黄色粘性固体として435 mg(1.58 mmol, 収率32%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(2-ピリジルメチレン)ジアニリン69 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。反応溶液から溶媒を留去しN,N’-[(2-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を含む黄色粘性固体を得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(2-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を含む黄色粘性固体を25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。反応混合物にクロロホルム(5 mL)を加えた後、有機層を水酸化ナトリウム水溶液(2 mol/L, 10 mL)、水(5 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製しN,N’-[(2-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を黄色オイルとして61 mg(0.12 mmol, 収率49%)得た。
N,N’-[(2-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.84 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.67 (br, 8H, NCH2), 3.26 (s, 4H, C(O)CH2), 5.63 (s, 1H, CH), 7.08 (d, J = 7.8 Hz, 1H, Ar-H), 7.11-7.14 (m, 5H, Ar-H), 7.50 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.59 (dd, J = 1.8, 7.6 Hz, 1H, Ar-H), 8.58 (m, 1H, Ar-H), 9.05 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(2-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は69%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに3-ピリジンカルボクスアルデヒド 536 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(3-ピリジルメチレン)ジアニリンを黄色粘性オイルとして478 mg(1.74 mmol, 収率35%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(3-ピリジルメチレン)ジアニリン69 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例13と同様にしてN,N’-[(3-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を含む黄色粘性固体を得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(3-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を含む黄色粘性固体を25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例13と同様にしてN,N’-[(3-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色オイルとして55 mg(0.11 mmol, 収率44%)得た。
N,N’-[(3-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.86 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.71 (br, 8H, NCH2), 3.29 (s, 4H, C(O)CH2), 5.49 (s, 1H, CH), 7.05 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.21 (dd, J = 4.7, 7.8 Hz, 1H, Ar-H), 7.37-7.40 (m, 1H, Ar-H), 7.51 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 8.41 (d, J = 2.0 Hz, 1H, Ar-H), 8.47 (dd, J = 1.3, 4.8 Hz, 1H, Ar-H), 9.09 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(3-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は61%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに4-ピリジンカルボクスアルデヒド 536 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(4-ピリジルメチレン)ジアニリンを黄色固体として496 mg(1.80 mmol, 収率36%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(4-ピリジルメチレン)ジアニリン69 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例13と同様にしてN,N’-[(4-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を含む黄色粘性固体を得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(4-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を含む黄色粘性固体を25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例13と同様にしてN,N’-[(4-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を黄色固体として52 mg(0.10 mmol, 収率42%)得た。
N,N’-[(4-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 5.43 (s, 1H, CH), 7.02 (d, J = 6.1 Hz, 2H, Ar-H), 7.04 (d, J= 8.7 Hz, 4H, Ar-H), 7.51 (d, J = 8.7 Hz, 4H, Ar-H), 8.49 (d, J = 6.1 Hz, 2H, Ar-H), 9.13 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(4-ピリジルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は65%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに4-フェニルベンズアルデヒド 911 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(4-フェニルベンジリデン)ジアニリンを白色固体として661 mg(1.89 mmol, 収率38%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(4-フェニルベンジリデン)ジアニリン88 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(4-フェニルベンジリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として139 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(4-フェニルベンジリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)139 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(4-フェニルベンジリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として128 mg(0.22 mmol, 収率89%)得た。
N,N’-[(4-フェニルベンジリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.84 (br, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.26 (s, 4H, C(O)CH2), 5.52 (s, 1H, CH), 7.11 (d, J = 8.3 Hz, 4H, Ar-H), 7.16 (d, J = 7.6 Hz, 2H, Ar-H), 7.31 (t, J = 7.6 Hz, 1H, Ar-H), 7.41 (t, J = 7.6 Hz, 2H, Ar-H), 7.49-7.52 (m, 6H, Ar-H), 7.57 (d, J = 7.6 Hz, 2H, Ar-H), 9.06 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(4-フェニルベンジリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は67%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに1-ナフトアルデヒド 781 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(1-ナフチルメチレン)ジアニリンを白色固体として524 mg(1.62 mmol, 収率32%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(1-ナフチルメチレン)ジアニリン81 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として122 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(1-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)122 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として107 mg(0.20 mmol, 収率78%)得た。
N,N’-[(1-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.84 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 6.20 (s, 1H, CH), 6.94 (d, J = 7.3 Hz, 1H, Ar-H), 7.06 (d, J= 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.33-7.44 (m, 3H Ar-H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.74 (d, J= 8.1 Hz, 1H, Ar-H), 7.84 (d, J = 8.3 Hz, 1H, Ar-H), 7.94 (d, J = 8.3 Hz, 1H, Ar-H), 9.08 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(1-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は47%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに2-ナフトアルデヒド 781 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(2-ナフチルメチレン)ジアニリンを白色固体として501 mg(1.54 mmol, 収率31%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(2-ナフチルメチレン)ジアニリン81 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として115 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(2-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)115 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として91 mg(0.17 mmol, 収率67%)得た。
N,N’-[(2-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.84 (quint, J= 3.2 Hz, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.26 (s, 4H, C(O)CH2), 5.64 (s, 1H, CH), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 4H, Ar-H), 7.27 (dd, J = 1.6, 8.4 Hz, 1H, Ar-H), 7.42 (d, J = 6.3 Hz, 1H, Ar-H), 7.43 (d, J= 6.1 Hz, 1H, Ar-H), 7.45 (br, 1H, Ar-H), 7.50 (d, J = 8.4 Hz, 4H, Ar-H), 7.70 (dd, J = 3.4, 5.8 Hz, 1H, Ar-H), 7.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H, Ar-H), 7.79 (dd, J = 3.4, 5.8 Hz, 1H, Ar-H), 9.08 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(2-ナフチルメチレン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は66%であった。
Figure 0005665089
ピリジン71 mg(0.90 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン1.0 mg(0.008 mmol)をジクロロメタン(15 mL)に溶解させた。この溶液に4,4’,4”-メチリデントリス(ベンゼンアミン)72 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル167 mg(0.83 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。析出した固体を濾取した後、固体をジクロロメタン(5 mL)で洗浄し、N,N’N”-(メチリデントリ-4,1-フェニレン)トリス(2-ブロモアセトアミド)を赤紫色固体として207 mg得た。
炭酸カリウム(207 mg, 1.5 mmol)とピロリジン(80 mg, 1.1 mmol)をTHF(2.5 mL)に25 °Cで加えた。この溶液にN,N’N”-(メチリデントリ-4,1-フェニレン)トリス(2-ブロモアセトアミド)207 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。反応混合物にクロロホルム(5 mL)を加えた後、有機層を水(5 mL)で洗浄した。実施例1と同様にしてN,N’N”-(メチリデントリ-4,1-フェニレン)トリス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として59 mg(0.094 mmol, 収率38%)得た。
N,N’N”-(メチリデントリ-4,1-フェニレン)トリス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (quint, J= 3.1 Hz, 12H, CH2), 2.68 (br, 12H, NCH2), 3.26 (s, 6H, C(O)CH2), 5.46 (s, 1H, CH), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 6H, Ar-H), 7.48 (d, J= 8.4 Hz, 6H, Ar-H), 9.07 (br, 3H, NH).
13C NMR (CDCl3): δ 24.1 (CH2), 54.6 (NCH2), 55.2 (CH), 59.7 (C(O)CH2), 119.6 (Ar), 129.9 (Ar), 136.0 (Ar), 139.7 (Ar), 169.1 (C=O).
従ってN,N’N”-(メチリデントリ-4,1-フェニレン)トリス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は48%、IC50は0.46 ± 0.10μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにアセトン 290 mg(5.00 mmol)を加え、56 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(1-メチルエチリデン)ジアニリンを淡黄色固体として68 mg(0.30 mmol, 収率6%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(1-メチルエチリデン)ジアニリン57 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-メチルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として103 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(1-メチルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)103 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-メチルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色粘性固体として85 mg(0.19 mmol, 収率76%)得た。
N,N’-[(1-メチルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.65 (s, 6H, CH3), 1.85 (quint, J = 3.4 Hz, 8H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 7.19 (d, J = 8.7 Hz, 4H, Ar-H), 7.46 (d, J = 8.7 Hz, 4H, Ar-H), 9.06 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(1-メチルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は50%、IC50は0.76 ± 0.08μM (n = 2)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Bに4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン84 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として121 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)121 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として94 mg(0.17 mmol, 収率68%)得た。
N,N’-[(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.87 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.70 (br, 8H, NCH2), 3.29 (s, 4H, C(O)CH2), 7.35 (d, J = 8.7 Hz, 4H, Ar-H), 7.59 (d, J = 8.7 Hz, 4H, Ar-H), 9.20 (br, 2H, NH).
13C NMR: δ 23.9 (CH2), 54.5 (NCH2), 59.4 (C(O)CH2), 63.7 (heptet, J = 25.5 Hz, C), 118.9 (Ar), 124.1 (q, J = 287.0 Hz, CF3), 128.5 (Ar), 130.8 (Ar), 138.2 (Ar), 169.2(C=O).
従ってN,N’-[(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は58%、IC50は0.82 ± 0.11μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに3-ペンタノン 431 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(1-エチルプロピリデン)ジアニリンを黄色オイルとして208 mg(0.82 mmol, 収率16%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(1-エチルプロピリデン)ジアニリン64 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-エチルプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として80 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(1-エチルプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)80 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-エチルプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色固体として60 mg(0.13 mmol, 収率50%)得た。
N,N’-[(1-エチルプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の質量分析、核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<質量分析>
MS (EI): 556 (M+).
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 0.61 (t, J= 7.3 Hz, 6H, CH3), 1.85 (quint, J= 3.2 Hz, 8H, CH2), 2.07 (q, J= 7.3 Hz, 4H, CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 7.12 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 9.06 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(1-エチルプロピリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は50%、IC50は0.72 ± 0.02μM (n = 2)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにアセトフェノン 601 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(1-フェニルエチリデン)ジアニリンを淡黄色固体として372 mg(1.29 mmol, 収率26%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(1-フェニルエチリデン)ジアニリン72 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色固体として133 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)133 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として77 mg(0.15 mmol, 収率50%)得た。
N,N’-[(1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.85 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.14 (s, 3H, CH3), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 7.05-7.10 (m, 6H, Ar-H), 7.18-7.27 (m, 3H, Ar-H), 7.46 (d, J = 8.8 Hz, 4H, Ar-H), 9.08 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は49%、IC50は0.66 ± 0.17μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに2,2,2-トリフルオロアセトフェノン 871 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチリデン)ジアニリンを淡紫色固体として776 mg(2.27 mmol, 収率45%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチリデン)ジアニリン86 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡紫色固体として134 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)134 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビスビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡紫色粘性固体として108 mg(0.19 mmol, 収率77%)得た。
N,N’-[(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.86 (quint, J= 3.3 Hz, 8H, CH2), 2.69 (br, 8H, NCH2), 3.28 (s, 4H, C(O)CH2), 7.10-7.16 (m, 6H, Ar-H), 7.29-7.33 (m, 3H, Ar-H), 7.53 (d, J = 8.8 Hz, 4H, Ar-H), 9.15 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は55%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに2,2,2,4’-テトラフルオロアセトフェノン 961 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-[2,2,2-トリフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)エチリデン]ジアニリンを白色固体として734 mg(2.04 mmol, 収率41%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-[2,2,2-トリフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)エチリデン]ジアニリン90 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[2,2,2-トリフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)エチリデン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡黄色固体として135 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-{[2,2,2-トリフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)エチリデン]ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)135 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{[2,2,2-トリフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)エチリデン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として95 mg(0.16 mmol, 収率65%)得た。
N,N’-{[2,2,2-トリフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)エチリデン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.86 (br, 8H, CH2), 2.70 (br, 8H, NCH2), 3.29 (s, 4H, C(O)CH2), 7.00 (t, J= 8.7 Hz, 2H), 7.08-7.14 (m, 6H, Ar-H), 7.54 (d, J = 8.8 Hz, 4H, Ar-H), 9.19 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-{[2,2,2-トリフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)エチリデン]ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は46%、IC50は0.51 ± 0.14μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Bに4,4’-(シクロヘキシリデン)ジアニリン67 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例4と同様にしてN,N’-(シクロヘキシリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として102 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-(シクロヘキシリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)102 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-(シクロヘキシリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として95 mg(0.19 mmol, 収率78%)得た。
N,N’-(シクロヘキシリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.47-1.55 (m, 6H, CH2), 1.84 (quint, J = 3.1 Hz, 8H, CH2), 2.22-2.23 (br, 4H, CH2), 2.66 (br, 8H, NCH2), 3.25 (s, 4H, C(O)CH2), 7.22 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 9.01 (br, 2H, NH).
13C NMR: δ 22.8 (CH2), 24.0 (NCH2CH2), 26.3 (CH2), 37.1 (CH2), 45.5 (C), 54.5 (NCH2), 59.7 (C(O)CH2), 119.4 (Ar), 127.6 (Ar), 135.0 (Ar), 144.4 (Ar), 169.1 (C=O).
従ってN,N’-(シクロヘキシリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は37%、IC50は1.09 ± 0.17μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにシクロヘプタノン 561 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(シクロヘプチリデン)ジアニリンを黄色粘性固体として478 mg(1.70 mmol, 収率34%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(シクロヘプチリデン)ジアニリン70 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-(シクロヘプチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡黄色固体として105 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-(シクロヘプチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)105 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-(シクロヘプチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として82 mg(0.16 mmol, 収率65%)得た。
N,N’-(シクロヘプチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.57 (br, 4H, CH2), 1.68 (br, 4H, CH2), 1.85 (br, 8H, NCH2CH2), 2.25-2.27 (m, 4H, CH2), 2.71 (br, 8H, NCH2), 3.30 (s, 4H, C(O)CH2), 7.12 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 9.10 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-(シクロヘプチリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は68%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに2-アダマンタノン 751 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン)ジアニリンを淡紫色固体として689 mg(2.16 mmol, 収率43%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン)ジアニリン80 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例4と同様にしてN,N’-{(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン)ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として109 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-{(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン)ジ-4,1-フェニレン}ビス(2-ブロモアセトアミド)109 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-{(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン)ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を白色固体として67 mg(0.12 mmol, 収率50%)得た。
N,N’-{(トリシクロ[3.3.1.13.7]デシリデン)ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.67 (br, 4H, CH2), 1.70 (br, 2H, CH2), 1.72 (br, 2H, CH2), 1.74 (br, 2H, CH2), 1.82 (quint, J = 3.2 Hz, 8H, NCH2CH2), 2.01 (br, 2H, CH), 2.03 (br, 2H, CH), 2.68 (br, 8H, NCH2), 3.22 (s, 4H, C(O)CH2), 7.35 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.42 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 8.96 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-{(トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン)ジ-4,1-フェニレン}ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は48%、IC50は0.66 ± 0.09μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aに1-インダノン 661 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(2,3-ジヒドロ-1H-1-インデニリデン)ジアニリンを黄色オイルとして86 mg(0.29 mmol, 収率6%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(2,3-ジヒドロ-1H-1-インデニリデン)ジアニリン75 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2,3-ジヒドロ-1H-1-インデニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を黄色粘性固体として128 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(2,3-ジヒドロ-1H-1-インデニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)128 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(2,3-ジヒドロ-1H-1-インデニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色オイルとして81 mg(0.15 mmol, 収率62%)得た。
N,N’-[(2,3-ジヒドロ-1H-1-インデニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.84 (quint, J= 3.2 Hz, 8H, NCH2CH2), 2.68 (br, 8H, NCH2), 2.77 (t, J= 6.6 Hz, 2H, CH2), 2.87 (t, J= 6.6 Hz, 2H, CH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 7.03 (d, J = 6.8 Hz, 1H, Ar-H), 7.12 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.15-7.27 (m, 3H, Ar-H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 9.09 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(2,3-ジヒドロ-1H-1-インデニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は69%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Aにα-テトラロン 731 mg(5.00 mmol)を加え、100 °C で 1 時間撹拌した後、140 °C で48 時間撹拌した。実施例1と同様にして4,4’-(3,4-ジヒドロ-1(2H)-ナフタレニリデン)ジアニリンを淡紫色固体として142 mg(0.45 mmol, 収率9%)得た。
実施例1の溶液Bに4,4’-(3,4-ジヒドロ-1(2H)-ナフタレニリデン)ジアニリン79 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(3,4-ジヒドロ-1(2H)-ナフタレニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)を淡黄色固体として122 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-[(3,4-ジヒドロ-1(2H)-ナフタレニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス(2-ブロモアセトアミド)122 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-[(3,4-ジヒドロ-1(2H)-ナフタレニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色粘性固体として85 mg(0.16 mmol, 収率63%)得た。
N,N’-[(3,4-ジヒドロ-1(2H)-ナフタレニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.63 (br, 2H, CH2), 1.85 (br, 8H, NCH2CH2), 2.55 (br, 2H, CH2), 2.69 (br, 8H, NCH2), 2.86 (t, J= 6.6 Hz, 2H, CH2), 3.27 (s, 4H, C(O)CH2), 6.66 (d, J = 7.8 Hz, 1H, Ar-H), 6.98-7.03 (m, 5H, Ar-H), 7.12-7.14 (m, 2H, Ar-H), 7.45 (d, J= 8.8 Hz, 4H, Ar-H), 9.08 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-[(3,4-ジヒドロ-1(2H)-ナフタレニリデン)ジ-4,1-フェニレン]ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1μM)は61%であった。
Figure 0005665089
実施例1の溶液Bに4,4’-(9-フルオレニリデン)ジアニリン87 mg(0.25 mmol)を25 °Cで加えた後、0 °Cで臭化ブロモアセチル111 mg(0.55 mmol)を加え、反応混合物を25 ℃で3時間撹拌した。実施例4と同様にしてN,N’-(9-フルオレニリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)を白色固体として78 mg得た。
実施例1の溶液CにN,N’-(9-フルオレニリデンジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ブロモアセトアミド)78 mgを25 °Cで加え、反応混合物を60 ℃で12時間撹拌した。実施例1と同様にしてN,N’-(9-フルオレニリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]を淡黄色固体として74 mg(0.13 mmol, 収率52%)得た。
N,N’-(9-フルオレニリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]の核磁気共鳴スペクトルの結果は以下の通りであった。
<核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒、TMS内部標準)>
1H NMR: δ 1.81 (quint, J= 3.0 Hz, 8H, CH2), 2.64 (br, 8H, NCH2), 3.23 (s, 4H, C(O)CH2), 7.15 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.24 (t, J = 7.6 Hz, 2H, Ar-H), 7.34 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 7.6 Hz, 2H, Ar-H), 7.41 (d, J = 8.5 Hz, 4H, Ar-H), 7.74 (d, J = 7.6 Hz, 2H, Ar-H), 9.02 (br, 2H, NH).
従ってN,N’-(9-フルオレニリデンジ-4,1-フェニレン)ビス[2-(1-ピロリジニル)アセトアミド]は、以下の構造式を有する化合物であることが確認された。この化合物の有効率(1 μM)は43%、IC50は0.99 ± 0.25μM (n = 3)であった。
Figure 0005665089
これらの実施例から明らかなように、実施例で合成した化合物の有効率(1μM)は37%以上76%以下であった。これまでに報告されている抗プリオン化合物の活性を、実施例と同様にしてFukuoka-1株持続感染GT1-7細胞で評価したところ、特許文献2に記載の化合物は、1μMでの有効率が67%であり、IC50が1.40±0.08μMであり、キナクリンのIC50が1.11±0.08μM、コンゴーレッドのIC50が5.5μM、CP60の有効率が10μMで94%、D−ペニシラミンの有効率が10μMで96%、エタラボン誘導体の有効率が10μMで93%であることから、実施例の化合物は、いずれも、有効な化合物であることがわかった。
また、特に、実施例3〜7、17、19、20、22、23、25、26、28及び31は、有効率(1μM)が50%以下であり、良好な抗プリオン活性を有していることがわかった。なかでも、実施例4、5、7及び26は、有効率(1μM)が40%以下であった。

Claims (13)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005665089
    (式中、Xは炭素原子を示す。R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい複素環式基、置換基を有してもよいアミノ基、又は互いに結合してヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素環を示す(ただし、R 1、R2がいずれも水素原子又は置換されていてもよい直鎖状、置換されていてもよい分岐状アルキル基若しくはR1及びR2が互いに結合し2価の単環式炭化水素基を示す場合及び1、R2が、一方が水素原子で他方が置換されていてもよい直鎖状若しくは分岐状アルキル基を示す場合を除く)。R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、又は置換若しくは無置換アミノ基を示す。R7〜R14は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、又は置換若しくは無置換アミノ基を示す。ただし、R1及びR2の少なくとも一方は水素原子以外の基を示す。)で表される化合物。
  2. 前記式(1)中、R1及びR2は、一方が水素原子又は置換基を有していてもよい直鎖状の脂肪族炭化水素基であり、他方が置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記式(1)において、R1及びR2は、一方が水素原子であり他方が置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基を示す、請求項1に記載の化合物。
  4. 下記式(2a)〜(2c)から選択されるいずれかである、請求項3に記載の化合物。
    Figure 0005665089
  5. 下記式(2a)及び(2b)から選択されるいずれかである、請求項4に記載の化合物。
    Figure 0005665089
  6. 下記式(3a)〜(3f)から選択されるいずれかである、請求項2に記載の化合物。
    Figure 0005665089
  7. 下記式(4b)及び(4c)から選択されるいずれかである、請求項に記載の化合物。
    Figure 0005665089
  8. 上記式(1)中、R1及びR2は、一方が水素原子であり、他方が、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい複素環式基、置換基を有してもよいアミノ基、又は互いに結合してヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素環を示す。R3〜R6は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、又は置換若しくは無置換アミノ基を示す。R7〜R14は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環式基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、又は置換若しくは無置換アミノ基を示す。ただし、R1及びR2の少なくとも一方は水素原子以外の基を示す、請求項1に記載の化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有する、プリオンタンパク質構造変換抑制剤。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有する、プリオン病の予防・治療剤。
  11. 前記プリオン病が、羊のスクレイピー、ウシ海綿状脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病、GSS、FFI、クールーおよび変異型ヤコブ病からなる群から選択される少なくとも1種である請求項10記載のプリオン病の予防・治療剤。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の化合物を用い、正常型プリオンタンパク質とのドッキングシミュレーションにより予測される結合強さに基づき、プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする方法。
  13. NMRを用いて前記正常型プリオンタンパク質の脆弱部位を特定し、
    NMRを用いて当該特定した脆弱部位に対する請求項1〜8のいずれかに記
    載の化合物の結合性に関する情報を取得し、
    前記結合性に関する情報に基づき、プリオンタンパク質の構造変換抑制活性を有する化合物をスクリーニングする、方法。
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