以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の実施形態に係る情報処理システム
3.本発明の実施形態に係るプログラム
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る情報処理システム(以下、「情報処理システム1000」と示す場合がある。)の構成について説明する前に、本発明の実施形態に係る利益確保アプローチについて説明する。
以下では、小売店(サービス提供場所の一例)において商品が第1期間と第2期間とに分けて販売されるものとして説明する。ここで、本発明の実施形態に係る第1期間とは、定価または定価に準じた価格で商品が販売される期間(例えばプロパー期間)である。本発明の実施形態に係る第1期間における定価に準じた価格とは、定価から第1値引幅で値引きされた価格をいう。また、本発明の実施形態に係る第1値引幅とは、第1期間において商品を売り切るために設定される、定価から値引かれる値引幅である。本発明の実施形態に係る第1値引幅の決定方法については、後述する。また、本発明の実施形態に係る第2期間とは、第1期間後の期間であって、第1値引幅よりも値引幅が大きい第2値引幅で値引きされた価格で商品が販売される期間である。第2期間は、商品を売り切るために定価から大幅な値引きを行って商品が販売される期間(例えばバーゲン期間)に該当する。
また、本発明の実施形態に係る第1値引幅、第2値引幅は、例えば、値引きを行う金額を示すが、本発明の実施形態に係る第1値引幅、第2値引幅は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る第1値引幅、第2値引幅は、定価からの割引率を示していてもよい。つまり、本発明の実施形態に係る「値引き」には、「割引き」が含まれる。
また、以下では、本発明の実施形態に係る小売店として、現実世界における店舗を例に挙げて説明するが、本発明の実施形態に係る小売店は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る小売店は、ネットワーク上の仮想店舗であってもよい。
[利益確保アプローチの概要]
上述したように、従来の技術に係るポイントサービスを採用したとしても、商品の価格そのものが下がる訳ではない。そのため、従来の技術に係るポイントサービスを採用したとしても、第1期間(例えばプロパー期間)における商品の販売力が向上するとは限らず、小売店がより多くの利益(例えば、粗利など。)を確保することができない恐れがある。
そこで、情報処理システム1000では、情報処理システム1000を構成する管理装置(以下、「管理装置100」と示す場合がある。)が、小売店が一定の利益を確保することが可能な商品の値引幅(第1期間における第1値引幅)を、商品ごと、および/または、商品の組合せごとに設定する。また、管理装置100は、情報処理システム1000を構成する情報処理装置(以下、「情報処理装置200」と示す場合がある。)から送信されるクーポン情報生成要求が受信された場合には、当該クーポン情報生成要求が示す商品(または商品の組合せ)に適用される値引幅を示す情報を含むクーポン情報(データ)を生成する。そして、管理装置100は、生成したクーポン情報をクーポン情報生成要求を送信した情報処理装置200へ送信する。
ここで、本発明の実施形態に係るクーポン情報生成要求とは、管理装置100にクーポン情報を生成させるための一種の命令である。クーポン情報生成要求には、上記命令の内容を示す情報に加え、例えば、1または2以上の商品を示す商品識別情報が含まれる。なお、本発明の実施形態に係るクーポン情報生成要求に含まれる情報は、上記商品識別情報に限られない。例えば、クーポン情報生成要求には、ユーザを特定する情報(例えば、会員番号を示すデータ)などが含まれていてもよい。
上記のように、情報処理システム1000では、管理装置100が、小売店が一定の利益を確保することが可能な第1値引幅を、商品ごと、および/または、商品の組合せごとに設定し、設定した第1値引幅での定価からの値引きを可能とするクーポン情報を情報処理装置200へ提供する。ここで、情報処理装置200のユーザ(以下、単に「ユーザ」と示す場合がある。)は、管理装置100が生成したクーポン情報を小売店で使用することによって、値引きがされた金額で購入を所望する商品を購入することができる。よって、商品購入金額が変わらない従来の技術に係るポイントサービスが適用される場合よりも、より第1期間(例えば、プロパー期間)における商品の販売力を向上させることが可能となる。
また、クーポン情報が示す値引幅は、小売店が一定の利益を確保することが可能なものであるので、第1期間において、定価での販売に加え、クーポン情報が使用されることによる商品の値引き販売を行ったとしても、小売店は、一定以上の利益を確保することができる可能性が高くなる。
したがって、管理装置100が、上記のように第1値引幅を、商品ごと、および/または、商品の組合せごとに設定し、クーポン情報を情報処理装置200へ提供することによって、小売店により多くの利益を確保させることが可能な情報処理システム1000を実現することができる。
[情報処理システム1000の概要と、ユースケース]
次に、上述した利益確保アプローチを適用可能な情報処理システム1000の概要と、ユースケースとについて説明する。
〔1〕情報処理システム1000の概要
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000の一例を示す説明図である。図1を参照すると、情報処理システム1000は、管理装置100と、情報処理装置200と、リーダ/ライタ300と、POS装置400(Point Of Sales device)とを有する。
ここで、図1では、情報処理システム1000が1つの管理装置100を有する構成を示しているが、情報処理システム1000の構成は、上記に限られない。例えば、情報処理システム1000は、管理装置100を、後述する管理装置100の機能が複数の装置で実現された装置群(例えば、サーバ群)で実現してもよい。
また、図1では、1つの情報処理装置200を示しているが、情報処理システム1000の構成は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000は、ユーザごとの複数の情報処理装置200(一のユーザが情報処理装置200を複数所有する場合も含む。)を有していてもよい。また、図1では、情報処理装置200として携帯電話を示しているが、本発明の実施形態に係る情報処理装置200が、携帯電話に限られないことは、言うまでもない。
また、図1では、リーダ/ライタ300とPOS装置400とが別体の装置として表されているが、情報処理システム1000の構成は、上記に限らない。例えば、本発明の実施形態に係るPOS装置は、リーダ/ライタ300が有する機能を有する、すなわち、図1に示すリーダ/ライタ300とPOS装置400とが一体の装置として実現されてもよい。また、図1では、あるサービス提供場所(例えば小売店の店舗など)にリーダ/ライタ300とPOS装置400とが設置される例を示しているが、当該サービス提供場所に本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300とPOS装置400とが複数設置されていてもよい。また、図1では、リーダ/ライタ300としてサイネージ端末を示しているが、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300が、サイネージ端末に限られないことは、言うまでもない。
管理装置100と、情報処理装置200、POS装置400それぞれとは、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)接続される。ここで、本発明の実施形態に係る接続とは、例えば、通信可能な状態にある(または、通信可能な状態にさせる)ことをいう。ネットワーク500としては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)や無線MAN(WMAN;Wireless Metropolitan Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられる。
また、情報処理装置200とリーダ/ライタ300とは、例えば13.56MHzなどの所定周波数の搬送波を用いたNFC(Near Field Communication)による通信(非接触通信)を行う。より具体的には、情報処理装置200とリーダ/ライタ300とは、例えば、リーダ/ライタ300が搬送波信号をのせた搬送波(磁界)を送信し、搬送波をアンテナで受信した情報処理装置200が負荷変調によって受信した搬送波信号に対する応答信号を返信することにより、リーダ/ライタ300と情報処理装置200とは通信を行う。情報処理装置200とリーダ/ライタ300とが、上記のようなNFCによる非接触通信を行うことによって、例えばクーポン情報や電子マネーなど、データの改竄が問題となるデータの送受信や更新を安全に行うことができる。また、情報処理装置200とリーダ/ライタ300とが上記のようなNFCによる非接触通信を行う場合には、ユーザは、情報処理装置200をリーダ/ライタ300に近づける操作(いわゆる、タッチ操作やかざす操作。)を行えば、情報処理装置200にリーダ/ライタ300との間の通信を行わせることが可能となる。したがって、情報処理装置200とリーダ/ライタ300とが、上記のようなNFCによる非接触通信を行うことによって、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000における情報処理装置200とリーダ/ライタ300との間の通信は、NFCによる非接触通信に限られない。例えば、情報処理装置200とリーダ/ライタ300とは、IEEE802.15.1を用いた無線通信や、IEEE802.11bなどの無線LAN(Wireless Local Area Network)を用いた無線通信、LANなどによる有線通信によって、通信を行うことも可能である。以下では、情報処理装置200とリーダ/ライタ300とがNFCによる通信を行う場合を例に挙げて、ユースケースや、情報処理装置200、リーダ/ライタ300の構成例について説明する。
〔2〕ユースケース
図2〜図7それぞれは、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000におけるユースケースを説明するための説明図である。ここで、図2〜図5、図7は、情報処理装置200の表示画面に表示される画面の一例を示している。図2〜図5、図7に示す画面は、例えば、アプリケーションが実行されることによって表示される画面であってもよいし、Webページにアクセスすることにより表示される画面であってもよい。また、図7A、図7Bは、リーダ/ライタ300の表示画面に表示される画面の一例を示している。以下、図2〜図7を適宜参照して、情報処理システム1000におけるユースケースの一例について説明する。また、以下では、ユースケースの一例として、ユーザが、例えば服飾ブランド「Boutique XYZ」の商品を、本発明の実施形態に係るクーポン情報を利用して購入する場合を例に挙げて説明する。なお、本発明の実施形態に係るユースケースは、ユーザがアパレルを購入する場合に限られず、例えばユーザが食品や雑貨など様々な商品を購入するケースであってもよい。
〔2−0〕ユーザが行う事前作業
図2に示す服飾ブランド「Boutique XYZ」のメニュー画面において、ユーザが図2のAに示す項目を選択すると、情報処理装置200の表示画面には、例えば図3に示すような画面が表示される。ユーザが図3に示す画面の各項目に入力を行うことによって、入力された値などに応じたデジタルマネキン(図3のE)が生成される。
〔2−1〕クーポン情報の取得
ユーザが図2のBに示す項目を選択すると、情報処理装置200の表示画面には、例えば図4Aに示すような画面が表示される。図4Aに示す画面には、図3で生成したデジタルマネキン(図4AのF)と、ユーザが購入可能な商品の一覧(図4AのG)が表示され、ユーザがアパレル(商品)を選択すると、選択されたアパレルがデジタルマネキンに着せられる。また、ユーザが商品を選択すると、選択された商品に応じた値引幅が画面に表示される(図4AのH)。ここで、図4Aでは、複数の商品がユーザにより選択され、選択された商品の組合せに応じた割引率が、値引幅として表示されている例を示している。なお、図4Aでは示していないが、ユーザにより1つの商品が選択された場合には、選択された当該商品に応じた値引幅が表示画面に表示されることとなる。
図4Aに示すように、ユーザの選択に応じた値引幅が表示画面に表示されることによって、例えば、ユーザに商品を選択する楽しみを与えることが可能となる。したがって、情報処理システム1000では、ユーザの商品の選択に応じた値引幅を示す情報をユーザに対して提示することによってユーザの購買意欲を刺激し、第1期間における商品の販売力の向上を図ることができる。なお、ユーザの選択に応じた値引幅が表示される画面が、図4Aに示す例に限られないことは、言うまでもない。
例えばユーザにより図4AのIに示すボタンが押下されると、情報処理装置200は、選択された商品を示す商品識別情報(例えば、商品ID)が含まれるクーポン情報生成要求を生成する。そして、情報処理装置200は、生成したクーポン情報生成要求を管理装置100に送信し、当該クーポン情報生成要求に応じて管理装置100から送信されるクーポン情報を受信する。また、上記クーポン情報生成要求の生成、送信、および、クーポン情報の受信の間には、情報処理装置200の表示画面には、例えば図4Bに示すような画面が表示される。
また、管理装置100から送信されたクーポン情報を所定の記憶場所に正常に記録すると、情報処理装置200は、例えば図4Cに示す画面を表示させて、ユーザにクーポン情報の使用が可能であることを視覚的に通知する。なお、クーポン情報が所定の記憶場所に正常に記録された場合におけるユーザへの通知方法は、上記視覚的な通知方法に限られない。例えば、情報処理装置200は、クーポン情報が所定の記憶場所に正常に記録された旨を音声(音楽も含む。)で聴覚的にユーザに通知してもよい。
ここで、本発明の実施形態に係るクーポン情報が記録される所定の記憶場所としては、例えば、情報処理装置200が備える、耐タンパ性を有するICチップ内の記録媒体(後述する内部メモリ)が挙げられる。上記ICチップ内の記録媒体にクーポン情報が記録されることによって、クーポン情報の改竄を防止することが可能となる。なお、本発明の実施形態に係るクーポン情報が記録される所定の記憶場所は、上記に限られない。例えば、情報処理装置200は、特段の耐タンパ性を有さない記録媒体にクーポン情報を記録することも可能である。上記の場合、情報処理装置200は、例えばクーポン情報を暗号化して記録してもよい。
情報処理システム1000では、ユーザが例えば図4Aに示す画面を操作することによって、ユーザにより選択された商品に対応するクーポン情報が情報処理装置200に記憶される。なお、本発明の実施形態に係るクーポン情報の取得方法は、上記の例に限られない。例えば、ユーザは、購入済みの商品と新たに購入する商品との組合せを確認した上で商品を選択し、選択された商品に対応するクーポン情報を情報処理装置200に記憶させることも可能である。
例えばユーザが図2のCに示す項目を選択すると、情報処理装置200の表示画面には、例えば図5に示すような画面が表示される。図5に示す画面には、図3で生成したデジタルマネキン(図5のJ)と、ユーザが購入可能な商品の一覧(図5のK)と、ユーザが購入済みの商品の一覧(図5のL)が表示され、ユーザが購入済みのアパレル(商品)と購入を所望するアパレル(商品)をそれぞれ選択すると、選択されたアパレルが図4Aと同様にデジタルマネキンに着せられる。また、ユーザが購入を所望する商品を選択すると、選択された商品に応じた値引幅が図4Aと同様に画面に表示される。ここで、図5では、1つの商品がユーザにより選択され、選択された商品に応じた割引率が、値引幅として表示されている例を示している。
図5に示す画面において、例えばユーザにより図4AのHに相当するボタンが押下されると、情報処理装置200は、選択された商品を示す商品識別情報が含まれるクーポン情報生成要求を生成する。そして、情報処理装置200は、生成したクーポン情報生成要求を管理装置100に送信し、当該クーポン情報生成要求に応じて管理装置100から送信されるクーポン情報を受信する。また、管理装置100から送信されたクーポン情報を所定の記憶場所に正常に記録すると、情報処理装置200は、例えば図4Cに示す画面を表示させて、ユーザにクーポン情報の使用が可能であることを視覚的に通知する。よって、ユーザが例えば図5に示す画面を操作する場合であっても、ユーザにより選択された商品に対応するクーポン情報を情報処理装置200に記憶させることが可能である。
〔2−2〕クーポン情報の使用
ユーザが図2のCに示す項目を選択すると、情報処理装置200の表示画面には、例えば図6に示すように、上記(2−1)において記録されたクーポン情報の内容が表示される画面が表示される。ここで、図6では、情報処理装置200に2つのクーポン情報が記憶されている例を示している。
ユーザが小売店(サービス提供場所)において、リーダ/ライタ300に対して、図6に示す2つのクーポン情報が記憶された情報処理装置200をかざすと、情報処理装置200とリーダ/ライタ300との間で通信が行われ、情報処理装置200に記憶されたクーポン情報がリーダ/ライタ300によって読み出される。そして、リーダ/ライタ300の表示画面には、例えば図7Aに示すように、読み出したクーポン情報の内容が、ユーザが選択可能な態様で表示される。ここで、図7Aは、リーダ/ライタ300の表示画面を表示する表示デバイスが、表示とユーザ操作とが可能なタッチスクリーンである場合を示しており、また、“6%OFF”のクーポン情報が、ユーザにより選択されている例を示している。
また、ユーザによりクーポン情報が選択されている状態で図7Aに示す確定ボタンが押下されると、選択されているクーポン情報が示す商品の値引きが適用され、例えば図7Bに示す画面が表示される。そして、ユーザは、クーポン情報が示す商品の値引きが適用された状態で、商品を購入することが可能となる。
情報処理システム1000では、例えば上記のようなユースケースにおいて、本発明の実施形態に係るクーポン情報の利用がなされる。ここで、ユーザは、クーポン情報を小売店で使用することによって、値引きがされた金額で所望する商品を購入することができるので、情報処理システム1000では、第1期間における商品の販売力の向上が図られる。また、クーポン情報が示す値引幅は、小売店が一定の利益を確保することが可能なものであるので、上記ユースケースのように、第1期間においてユーザによりクーポン情報が使用されたとしても、小売店は、一定以上の利益を確保することができる可能性が高い。
また、情報処理システム1000では、小売店における売上げに関する情報が、POS装置400(小売店に備えられるサーバ(図示せず)であってもよい。)から管理装置100へとネットワーク500を介して送信される。ここで、本発明の実施形態に係る売上げに関する情報としては、例えば、商品が購入された時間の情報や、購入された小売店の情報(例えば店舗IDを示すデータ)、購入したユーザを示す情報(例えば会員番号やユーザIDを示すデータ)、ユーザが購入した商品を示す情報(例えば商品識別IDを示すデータ)、適用された値引きを示す情報(例えばクーポンIDを示すデータ)、売上金額の情報などが挙げられる。上記売上げに関する情報は、例えば、ユーザが商品を購入した時点で管理装置100へ送信されてもよいし、特定の時間に管理装置100へ送信されてもよい(いわゆる、バッチ処理。)。
売上げに関する情報が小売店から管理装置100へと送信されることによって、管理装置100は、いつ、どこで、誰が、どの商品を購入し、売上がどの位あったのかを把握することができ、また、管理装置100は、どのクーポン情報が使用されたのかも把握することができる。よって、情報処理システム1000では、例えば、管理装置100が、商品の購入頻度やクーポン情報の使用回数などに応じてユーザをランク付けし、商品(または商品の組合せ)に対応する第1値引幅に加えてランクに応じた値引幅がさらに加算された値引幅を示すクーポン情報を生成することも可能となる。例えば、管理装置100が、上記のようにユーザの購入頻度などに応じて値引幅が調整されたクーポン情報を生成することによって、ユーザは購入頻度が増えてランクが上がるほどより安い価格で商品を購入することが可能となるので、いわゆるリピータとなるユーザが増加する効果が期待される。したがって、例えば、管理装置100がユーザの購入頻度などに応じて値引幅が調整されたクーポン情報を生成することによって、第1期間(プロパー期間)における商品の販売力の向上を図ることができる。
[利益確保アプローチに係る処理の具体例]
次に、上述した本発明の実施形態に係る利益確保アプローチに係る処理について、より具体的に説明する。図8は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000における利益確保アプローチに係る処理の一例を説明するための説明図である。ここで、図8は、情報処理システム1000を構成する装置のうち、管理装置100と情報処理装置200との間における処理を示している。
(1)値引幅決定処理(S100)
管理装置100は、第1期間に定価で商品を販売した場合の売上げに関する値(以下、「第1売上値」と示す場合がある。)と、第1期間に設定された第1値引幅で値引きを行って商品を販売した場合の売上げに関する値(以下、「第2売上値」と示す場合がある。)とをそれぞれ試算する。そして、管理装置100は、試算結果が所定の条件を満たしている場合、または、試算後に所定のユーザ操作(例えば、第1値引幅の決定を指示する、管理装置100のユーザによるユーザ操作)が検出された場合に、当該試算結果に対応す値引幅を、商品の第1値引幅として決定する。より具体的には、管理装置100は、例えば下記の(1−1)の処理、および(1−2)の処理を行うことによって、第1期間において商品を売り切るために設定する第1値引幅を決定する。
(1−1)試算処理
管理装置100は、値引幅を決定する対象の商品を示す商品情報と、商品の販売実績を示す情報と、設定された第1値引幅の候補(第1値引幅候補)を示す第1値引幅情報と、設定された第2値引幅を示す第2値引幅情報とを用いて、第1期間に定価で商品を販売した場合の売上げに関する値(第1売上値)と、第1期間に設定された第1値引幅で値引きを行って商品を販売した場合の売上げに関する値(第2売上値)とをそれぞれ試算する。
また、管理装置100は、試算した第1売上値と第2売上値とを用いることによって、第1期間において商品が定価で販売された場合に対して、第1期間において商品が第1値引幅で値引きを行って販売された場合に改善される売上げに関する値(以下、「第3売上値」と示す場合がある。)をさらに試算することも可能である。より具体的には、管理装置100は、例えば試算した第2売上値から第1売上値を減算することによって、第3売上値を試算する。管理装置100が改善される売上げに関する値を示す第3売上値をさらに試算することによって、試算に用いた第1値引幅(すなわち、第1値引幅の候補となる値引幅)の効果がさらに明確となる。よって、(1−1)の処理(試算処理)における試算結果は第1値引幅を決定するためのより明確な指標となるので、例えば、第1値引幅の決定を指示するユーザ操作(所定のユーザ操作の一例)を行う管理装置100のユーザにおける、決定のための判断を補助することが可能となる。
ここで、本発明の実施形態に係る商品情報としては、例えば、商品の定価、粗利、および販売目標数量(例えば販売する商品の総数)を示す情報が挙げられるが、商品情報は、上記に限られない。例えば、本発明の商品情報としては、商品を識別するための識別番号(例えば品番)や、商品名を示す情報など、商品に関する様々な情報が挙げられる。また、本発明の実施形態に係る販売実績を示す情報としては、例えば、商品の販売数や、商品の販売を行う販売期間の日数(販売日数)、現時点において経過した日数(現時販売日数)などを示す情報が挙げられる。また、本発明の実施形態に係る第1売上値、第2売上値としては、例えば、商品の売上の試算値や、粗利の試算値、第1期間(例えばプロパー期間)において販売された商品の割合を示す消化率の試算値などが挙げられる。
図9は、本発明の実施形態に係る管理装置100における試算処理の一例を示す説明図である。ここで、図9は、管理装置100が、一の商品に対して第1売上値、第2売上値、および第3売上値を試算する場合を示している。なお、図9では、一の商品に対して第1売上値、第2売上値、および第3売上値を試算する場合を示しているが、管理装置100は、図9に示される試算を商品ごとに行うことによって、商品ごとに第1売上値、第2売上値、および第3売上値の試算を行うことが可能である。
図9に示すMは、商品情報の一例であり、商品の定価(図9に示す“プロパー価格”)、粗利、販売目標数量(図9に示す“投入累計数”)を含む。また、図9に示すNは、販売実績を示す情報の一例であり、販売数(図9に示す“販売累計数”)や、商品の販売を行う販売期間の日数(図9に示す“販売日数”)、現時点において経過した日数(図9に示す“現在販売日数”)を含む。管理装置100は、例えば、記憶部(後述する)に記憶された商品情報、または、商品に関する情報を管理する情報管理サーバ(図示せず)などの外部装置から取得した商品情報を用いて、図9のMに示す各項目に値を入力する。また、管理装置100は、例えば、各小売店のPOS装置400から送信される上記売上げに関する情報を記憶部(後述する)に記憶し、記憶部(後述する)に記憶された上記売上げに関する情報を用いて、図9のNに示す各項目に値を入力する。なお、管理装置100は、上記情報管理サーバ(図示せず)などの外部装置から販売実績を示す情報を取得し、取得した販売実績を示す情報を用いて図9のNに示す各項目に値を入力してもよい。つまり、図9のM、Nそれぞれに示す各項目の値は、試算処理を行う時点において予め規定された値である。
以下、図9を参照して、本発明の実施形態に係る管理装置100における試算処理の一例について説明する。
(1−1−1)商品を定価で販売した場合における、第1期間に係る各値の試算処理
管理装置100は、例えば、販売実績の情報(図9に示すN)に基づいて、第1期間において商品を定価で引き続き販売した場合に見込まれる販売予測を示す各値(図9に示すO)を算出する。より具体的には、管理装置100は、例えば、図9に示す“販売累計数”、“販売日数”、および“現在販売日数”に基づいて、残りの販売日数で販売が見込まれる見込み販売数を算出して、算出した見込み販売数と“販売累計数”の値とを加算することによって、図9に示す“販売数見込”の値を算出する。また、管理装置100は、算出した“販売数見込”の値と、図9に示す“投入累計数”の値とを用いて、図9に示す“消化指数”の値を算出する。
販売予測を示す各値(図9に示すO)を算出すると、管理装置100は、算出した販売予測を示す各値(図9に示すO)を用いて、第1期間における“売上見込”、および“粗利見込”を算出する。
また、管理装置100は、商品情報と販売実績を示す情報とを用いて、現時点における実際の売上(図9に示す“現在売上”)と、現時点おける実際の粗利(図9に示す“現在粗利”)を算出してもよい。より具体的には、管理装置100は、例えば、“プロパー価格”の値と“販売累積数”の値とを乗算して“現在売上”の値を算出し、“粗利”の値と“販売累積数”の値とを乗算して“現在粗利”の値を算出する。
(1−1−2)商品を定価で販売した場合における、第2期間に係る各値の試算処理
管理装置100は、“投入累計数”の値から算出した第1期間における販売予測を示す“販売数見込”の値を減算することによって、第2期間(例えばバーゲン期間)に販売を行わなければならない商品数の予測値(図9のPに示す“在庫予測数”)を算出する。
管理装置100は、設定された第2値引幅の値(図9に示すQ)と“プロパー価格”の値とを用いて、第2期間における販売価格(図9に示す第2期間における“提供価格”)を算出する。また、管理装置100は、算出した“提供価格”の値と“原価”の値とを用いて、第2期間における“粗利”の値を算出する。そして、管理装置100は、算出した“提供価格”の値および“在庫予測数”の値(図9のP)と、算出した“提供価格”の値および第2期間における“粗利”の値とをそれぞれ乗算することによって、第2期間における“売上見込”、および“粗利見込”を算出する。
ここで、管理装置100は、例えば予め規定された値を、図9のQに示す第2値引幅の値として設定するが、管理装置100が設定する第2値引幅の値は、上記に限られない。例えば、管理装置100は、管理装置100のユーザのユーザ操作に応じて管理装置100が備える操作部(後述する)から伝達される操作信号や、ユーザ操作に応じてリモート・コントローラなどの外部操作装置(図示せず)から送信される外部操作信号に基づいて、ユーザ操作に応じた値を第2値引幅の値として設定することも可能である。
(1−1−3)第1売上値の試算(第1期間において商品を定価で販売した場合の売上値の試算)
管理装置100は、上記(1−1−1)の処理の結果と、(1−1−2)の処理の結果とを用いて第1売上値(図9に示すR)を試算する。ここで、第1売上値としては、例えば、第1期間において商品を定価で販売した場合における総売上げの値(図9のRに示す“売上試算”)や、第1期間において商品を定価で販売した場合における総粗利の値(図9のRに示す“粗利試算”)、商品を定価で全て販売した場合の売上げに対する当該総売上げの値の割合を示す値(図9のRに示す“プロパー消化率”)が挙げられる。なお、本発明の実施形態に係る第1売上値が、上記の値に限られないことは、言うまでもない。
より具体的には、管理装置100は、例えば、上記(1−1−1)の処理において試算した第1期間における“売上見込”の値と、上記(1−1−2)の処理において試算した第2期間における“売上見込”の値とを加算することによって、図9のRに示す“売上試算”の値を算出する。また、管理装置100は、上記(1−1−1)の処理において試算した第1期間における“粗利見込”の値と、上記(1−1−2)の処理において試算した第2期間における“粗利見込”の値とを加算することによって、図9のRに示す“粗利試算”の値を算出する。また、管理装置100は、図9のMに示す“プロパー価格”の値と“投入累計数”の値とを乗算することによって、商品を定価で全て販売した場合の売上げを示す値(図9のRに示す“プロパー試算”)を算出し、“プロパー試算”の値と図9のRに示す“売上試算”とを用いて“プロパー消化率”の値を算出する。
管理装置100は、例えば、上記(1−1−1)の処理の結果と、上記(1−1−2)の処理の結果を用いることによって、第1期間において商品を定価で販売した場合の売上値である第1売上値を算出する。
(1−1−4)商品を設定された第1値引幅で値引いて販売した場合における、第1期間に係る各値の試算処理
管理装置100は、設定された第1値引幅の値(図9のSに示す“値引率”)と図9のMに示す“プロパー価格”の値とを用いて、第1期間における値引き後の販売価格(図9に示す値引きシミュレーションにおける“マークダウン価格”)を算出する。ここで、(1−1)の処理(試算処理)における、設定された第1値引幅の値とは、第1期間において実際に定価から値引かれる第1値引幅の候補となる値引幅を示す値である。以下では、(1−1)の処理(試算処理)において設定される第1値引幅の候補を、「第1値引幅候補」と示す。
管理装置100は、例えば、管理装置100のユーザのユーザ操作に応じて管理装置100が備える操作部(後述する)から伝達される操作信号や、ユーザ操作に応じてリモート・コントローラなどの外部操作装置(図示せず)から送信される外部操作信号に基づいて、ユーザ操作に応じた値を、第1値引幅候補の値(図9のSに示す“値引率”の値)として設定する。なお、管理装置100における第1値引幅候補の設定方法は、上記に限られない。例えば、管理装置100は、予め規定された初期値を第1値引幅候補の値(図9のSに示す“値引率”の値)として設定してもよい。また、管理装置100は、後述する(1−2)の処理(第1値引幅決定処理)において、(1−1)の処理(試算処理)における試算結果が所定の条件を満たしていないと判断した場合には、当該試算結果に対応する第1値引幅候補の値を再設定することも可能である。
また、管理装置100は、算出した“マークダウン価格”の値と“原価”の値とを用いて、設定された第1値引幅候補を用いて値引きを行った場合の“粗利”の値を算出する。そして、管理装置100は、算出した“マークダウン価格”の値および現時点における在庫数(図9に示す“店舗総在庫数”)と、算出した“マークダウン価格”の値および設定された第1値引幅候補を用いて値引きを行った場合の“粗利”の値とをそれぞれ乗算することによって、設定された第1値引幅候補を用いて値引きを行った場合における“売上見込”、および“粗利見込”を算出する。
(1−1−5)第2売上値の試算(第1期間において商品を第1値引幅で値引きを行って販売した場合の売上値の試算)
管理装置100は、上記(1−1−1)の処理の結果と、(1−1−4)の処理の結果とを用いて第2売上値(図9に示すT)を試算する。ここで、第2売上値としては、例えば、第1期間において商品を第1値引幅で値引きを行って販売した場合における、総売上げの値(図9のTに示す“売上試算”)や総粗利の値(図9のTに示す“粗利試算”)と、商品を定価で全て販売した場合の売上げに対する当該総売上げの値の割合を示す値(図9のTに示す“プロパー消化率”)とが挙げられる。なお、本発明の実施形態に係る第2売上値が、上記の値に限られないことは、言うまでもない。
より具体的には、管理装置100は、例えば、上記(1−1−1)の処理において算出した“現在売上”の値と、上記(1−1−4)の処理において試算した第1期間において商品を第1値引幅で値引きを行って販売した場合における“売上試算”の値とを加算することによって、図9のTに示す“売上試算”の値を算出する。また、管理装置100は、例えば、上記(1−1−1)の処理において算出した“現在粗利”の値と、上記(1−1−4)の処理において試算した第1期間において商品を第1値引幅で値引きを行って販売した場合における“粗利見込”の値とを加算することによって、図9のTに示す“粗利試算”の値を算出する。また、管理装置100は、図9のMに示す“プロパー価格”の値と“投入累計数”の値とを乗算することによって、商品を定価で全て販売した場合の売上げを示す値(図9のTに示す“プロパー試算”)を算出し、“プロパー試算”の値と図9のTに示す“売上試算”とを用いて“プロパー消化率”の値を算出する。
管理装置100は、例えば、上記(1−1−1)の処理の結果と、上記(1−1−4)の処理の結果を用いることによって、第1期間において商品を第1値引幅で値引きを行って販売した場合の売上値である第2売上値を算出する。
(1−1−6)第3売上値の試算
上記(1−1−3)の処理によって第1売上値が試算され、上記(1−1−5)の処理によって第2売上値が試算されると、管理装置100は、試算した第1売上値および第2売上値を用いて第3売上値を算出する。
より具体的には、管理装置100は、例えば、図9のTに示す“売上試算”の値から図9のRに示す“売上試算”の値を減算することによって、設定した第1値引幅候補により改善される売上の値(図9のUに示す“[改善値]売上試算”)を算出する。また、管理装置100は、例えば、図9のTに示す“粗利試算”の値から図9のRに示す“粗利試算”の値を減算することによって、設定した第1値引幅候補により改善される粗利の値(図9のUに示す“[改善値]粗利試算”)を算出する。また、管理装置100は、例えば、図9のTに示す“プロパー消化率”の値から図9のRに示す“プロパー消化率”の値を減算することによって、設定した第1値引幅候補により改善される、第1期間において販売された商品の割合を示す消化率の値(図9のUに示す“[改善値]プロパー消化率”)を算出する。
管理装置100は、(1−1)の処理(試算処理)として例えば上記(1−1−1)の処理〜(1−1−6)の処理を商品ごとに行うことによって、例えば、第1売上値、第2売上値、第3売上値などの各種試算値を商品ごとに算出することができる。なお、本発明の実施形態に係る試算処理、および試算される値が、上記に限られないことは、言うまでもない。
(1−2)第1値引幅決定処理
上記(1−1)の処理(試算処理)において各種試算値が算出されると、管理装置100は、(1−1)の処理(試算処理)において試算に用いた第1値引幅候補を、第1値引幅として決定するか否かを判定する。
(1−2−1)第1の決定方法
管理装置100は、例えば、上記(1−1)の処理(試算処理)における試算結果が所定の条件を満たしているか否かを判定する。ここで、本発明の実施形態に係る上記所定の条件としては、例えば、図9のTに示す“プロパー消化率”の値が80%などの所定の閾値以下(または、所定の閾値未満。以下、同様とする。)とならないことや、図9のUに示す“[改善値]売上試算”や“[改善値]粗利試算”が所定の閾値以上(または所定の値より大きい。以下、同様とする。)となることなどが挙げられる。なお、本発明の実施形態に係る上記所定の条件は、上記に限られない。例えば、管理装置100は、図9に示す値引きシミュレーションにおいて試算された“粗利率”が所定の閾値以下とならないことなど、上記(1−1)の処理(試算処理)において算出された様々な試算結果を用いた条件を、上記所定の条件として設定することが可能である。
そして、管理装置100は、上記試算結果が所定の条件を満たしていると判定した場合に、当該試算結果に対応する第1値引幅候補を、当該試算結果に対応する商品の第1値引幅として決定する。
また、管理装置100は、上記試算結果が所定の条件を満たしていないと判定した場合には、第1値引幅を再設定して、上記(1−1)の処理(試算処理)を再度行う。
(1−2−2)第2の決定方法
管理装置100は、上記第1の決定方法のように、所定の条件を満たすか否かの判定結果に基づいて第1値引幅を決定することに限られない。例えば、設定された第1値引幅候補を第1値引幅として決定することを示す、所定のユーザ操作が検出された場合には、管理装置100は、試算結果に対応する第1値引幅候補を当該試算結果に対応する商品の第1値引幅として決定する。また、管理装置100は、上記所定のユーザ操作が検出された場合には、上記第1の決定方法に係る判定結果によらずに、試算結果に対応する第1値引幅候補を当該試算結果に対応する商品の第1値引幅として決定してもよい。
より具体的には、管理装置100は、例えば、ユーザ操作に応じて操作部(後述する)から伝達される所定の操作信号や、ユーザ操作に応じて外部操作装置(図示せず)から送信される所定の外部操作信号を検出した場合に、試算結果に対応する第1値引幅候補を当該試算結果に対応する商品の第1値引幅として決定する。
管理装置100は、例えば、上記第1の決定方法、および/または、上記第2の決定方法を用いることによって、(1−1)の処理(試算処理)において試算に用いた第1値引幅候補を、第1値引幅として決定する。なお、本発明の実施形態に係る第1値引幅の決定に係る処理が、上記第1の決定方法、および/または、上記第2の決定方法を用いる処理に限られないことは、言うまでもない。
管理装置100は、例えば、上記(1−1)の処理(試算処理)、および(1−2)の処理(第1値引幅決定処理)を商品ごと行うことによって、第1期間において商品を売り切るために設定する第1値引幅を商品ごとに決定することができる。
(2)マスタ情報生成処理(S102)
再度図8を参照して、情報処理システム1000における利益確保アプローチに係る処理の一例について説明する。ステップS100において商品ごとの第1値引幅が決定されると、管理装置100は、商品の第1値引幅を示す情報と、商品に関する情報とが対応付けて記録された商品マスタ情報を生成する。ここで、本発明の実施形態に係る商品マスタ情報の生成とは、商品マスタ情報の新規に作成すること、または、作成されている商品マスタ情報を更新することをいう。
図10は、本発明の実施形態に係る商品マスタ情報の一例を示す説明図である。ここで、図10は、商品ごとに第1値引幅の情報が商品に関する情報と対応付けらている商品マスタ情報の一例を示している。以下では、図10に示す商品マスタ情報を「アイテムマスタ情報」と示す場合がある。また、図10に示す例では、例えば、“割引率”の値が第1値引幅に該当し、“品番”、“アイテム名”、“プロパー価格”、“原価”の値が商品に関する情報に対応する値に該当する。
管理装置100は、例えば、記憶部(後述する)に記憶された商品情報、または、情報管理サーバ(図示せず)などの外部装置から取得した商品情報と、上記(1)の処理(割引幅決定処理)の処理結果とを用いて図10に示すアイテムマスタ情報を生成する。より具体的には、管理装置100は、例えば、商品情報に含まれる商品ごとの各種情報と、決定した第1値引幅の値とを図10のVに示すように商品ごとに記録する。また、管理装置100は、図10に示すように、各商品の“プロパー価格”(定価)の値、“原価”の値、第1値引幅の値を用いて、値引後の価格(図10に示す“マークダウン価格”)や粗利(図10に示す“粗利額”)、粗利率などを商品ごとに算出して、算出した価をアイテムマスタ情報に記録してもよい。
例えば図10に示すようなアイテムマスタ情報を生成することによって、管理装置100は、一の商品に係るクーポン情報生成要求が受信された場合には、当該クーポン情報生成要求が示す商品に適用される値引幅を示す情報を含むクーポン情報を生成するすることができる。
なお、本発明の実施形態に係る管理装置100が生成する商品マスタ情報は、図10に示すアイテムマスタ情報に限られない。例えば、管理装置100は、商品ごと、および/または、複数の商品の組合せに対応する第1値引幅の情報と、商品に関する情報と、生成されるクーポンに関する情報とが対応付けらている商品マスタ情報(以下、「セット値引クーポンマスタ情報」と示す場合がある。)を生成することもできる。
図11は、本発明の実施形態に係る商品マスタ情報の一例を示す説明図であり、セット値引クーポンマスタ情報の一例を示している。図11のWに示すように、管理装置100は、例えば、商品の組合せを示す情報と、当該商品の組合せに対応する第1値引幅(図11の“値引率”)が対応付けて記録されたセットアイテムマスタ情報を生成する。また、図11では、商品の組合せを「カセット」と示している。
ここで、管理装置100は、例えば図10に示すアイテムマスタ情報に記録された値(例えば、“プロパー価格”と“マークダウン価格”など)を用いて、商品の組合せに対応する第1値引幅を算出する。なお、セットアイテムマスタ情報に記録される第1値引幅の値は、上記のように算出された値に限られない。例えば、管理装置100は、管理装置100のユーザのユーザ操作に応じて操作部(後述する)から伝達される操作信号や、ユーザ操作に応じて外部操作装置(図示せず)から送信される外部操作信号に基づいて、ユーザ操作に応じた値を商品の組合せに対応する第1値引幅の値として設定することも可能である。
また、管理装置100は、図11に示すように、商品の組合せ(カセット)を識別する情報(図11に示す“アイテム名”、図11に示す“クーポンID”)や、クーポンの生成日(図11に示す“クーポン生成日”)、生成されたクーポンを識別する情報(図11に示す“クーポン生成No.”)、生成されたクーポンの有効期限を示す情報(図11に示す“有効期限”)など、生成するクーポン情報に係る情報が記録されていてもよい。管理装置100は、例えば、“クーポンID”の値と、“クーポン生成日”の値とを用いて、“クーポン生成No.”を生成する。また、図11に示すようにセットアイテムマスタ情報に“有効期限”を設け、その値として例えば1[W]〜4[W]ほどの値を設定し、有効期限が過ぎた“クーポンNo.”に係るデータを削除することによって、管理装置100は、セットアイテムマスタ情報のデータ容量を調整することができる。
管理装置100は、(2)の処理(マスタ情報生成処理)において、例えば図10や図11に示す情報を、商品マスタ情報として生成(または更新)する。なお、本発明の実施形態に係る商品マスタ情報は、図10や図11に示す例に限られない。例えば、管理装置100は、図10に示すアイテムマスタ情報に、さらに図11に示す生成するクーポン情報に係る情報が記録された商品マスタ情報を生成することもできる。また、図11では、商品の組合せごとに“有効期限”の値が設定されているが、“有効期限”の値の設定は、上記に限られず、例えば、管理装置100は、“クーポンNo.”ごとに“有効期限”の値を設定することも可能である。また、管理装置100は、例えば図11に示す“有効期限”が設けられないセットアイテムマスタ情報を生成してもよい。上記の場合、情報処理システム1000では、例えば、リーダ/ライタ300などの小売店側の装置における処理ロジックでクーポン情報の有効期限を管理することが可能である。
(3)クーポン発行処理(S104)
再度図8を参照して、情報処理システム1000における利益確保アプローチに係る処理の一例について説明する。情報処理装置200から送信されるクーポン情報生成要求が受信されると、管理装置100は、クーポン情報生成要求が示す商品に対応するクーポン情報を生成し、生成したクーポン情報をクーポン情報生成要求を送信した情報処理装置200へ送信する。
ここで、管理装置100が生成するクーポン情報に含まれるデータとしては、例えば、図11に示す“クーポンNo.”の値の中の、クーポン情報生成要求が示す商品に対応する値が挙げられるが、管理装置100が生成するクーポン情報は、上記に限られない。例えば、管理装置100は、図11に示すように“有効期限”が設けられている場合には、クーポン情報生成要求示す商品に対応する“クーポンNo.”の値に対応する、“有効期限”の値をさらにクーポン情報に含めてもよい。
また、管理装置100は、例えば、ユーザを識別するための情報が含まれるクーポン情報を生成することもできる。より具体的には、管理装置100は、例えば、受信したクーポン情報生成要求にユーザを特定する情報(例えば、会員番号を示すデータ)が含まれている場合には、記憶する(または、外部装置から取得した)ユーザ情報から、当該ユーザを特定する情報が示すユーザに対応するユーザを識別するための情報を抽出する。そして、管理装置100は、抽出した上記ユーザを識別するための情報が含まれるクーポン情報を生成する。
図12は、本発明の実施形態に係るユーザ情報の一例を示す説明図である。ユーザ情報には、例えば“会員No.”のようにユーザの識別に用いられる情報や、“顧客名”や“性別”、“年齢”のようなユーザの識別を補足する情報、その他ユーザの嗜好を示す情報などの様々な情報(図12に示す“任意1”、“任意2”…)が含まれる。管理装置100は、例えば、受信したクーポン情報生成要求に含まれる会員番号を示すデータ(ユーザを特定する情報の一例)と合致するデータを“会員No.”の中から検索してユーザを特定する。そして、管理装置100は、例えば、特定されたユーザに対応する情報の中から、“会員No.”とその他の任意の情報を抽出して、抽出された情報が含まれるクーポン情報を生成する。
管理装置100が、上記のようにユーザを識別するための情報が含まれるクーポン情報を生成することによって、情報処理システム1000では、小売店において「誰が」クーポン情報を使用したのかを特定することが可能となる。
次に、情報処理システム1000におけるクーポン発行処理について、情報処理装置200側の処理を例に挙げて説明する。図13は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000におけるクーポン発行処理の一例を説明するための流れ図である。ここで、図13は、情報処理装置200におけるクーポン発行処理の一例を示しており、例えば、ユーザが図4Aに示す画面に対して操作を行う場合における情報処理装置200の処理の一例を示している。
情報処理装置200は、商品が選択されたか否かを判定する(S200)。ステップS200において商品が選択されたと判定されない場合には、情報処理装置200は、商品が選択されたと判定されるまで処理を進めない。
また、ステップS200において商品が選択されたと判定された場合には、情報処理装置200は、例えば図4AのHに示すように、管理装置100において生成されるクーポン情報が示す値引幅(第1値引幅)を表示する(S202)。
より具体的には、情報処理装置200は、ステップS200において商品が選択されたと判定された場合には、選択された商品を示す商品識別情報を管理装置100へ送信する。また、管理装置100は、商品識別情報が受信された場合には、例えば図11に示す商品マスタ情報の中から、商品識別情報が示す商品に対応する第1値引幅(図11の例では、さらに、商品識別情報の受信日に対応する第1値引幅)を示す第1値引幅の情報を、情報処理装置200へ送信する。そして、情報処理装置200は、管理装置100から送信された上記第1値引幅の情報が示す第1値引幅を、画面に表示する。
ステップS202において値引幅(第1値引幅)を表示すると、情報処理装置200は、クーポンの発行を管理装置100へ要求するか否かを判定する(S204)。ここで、情報処理装置200は、例えばユーザにより図4AのIに示すボタンが押下された場合に、クーポンの発行を管理装置100へ要求すると判定する。また、情報処理装置200は、例えばユーザにより図4AのIに示すボタンに対する操作以外の操作が行われた場合には、クーポンの発行を管理装置100へ要求すると判定しない。
ステップS204においてクーポンの発行を管理装置100へ要求すると判定されない場合には、情報処理装置200は、ステップS200からの処理を繰り返す。
また、ステップS204においてクーポンの発行を管理装置100へ要求すると判定された場合には、情報処理装置200は、クーポン情報生成要求を生成して、生成したクーポン情報生成要求を管理装置100へ送信する(S206)。このとき、情報処理装置200は、例えば図4Bに示す画面を表示する。
管理装置100は、ステップS206において情報処理装置200から送信されたクーポン情報生成要求を受信し、受信したクーポン情報生成要求に基づいて例えば上記のように、クーポン情報を生成する。そして、管理装置100は、生成したクーポン情報を情報処理装置200へ送信する。
ステップS206においてクーポン情報生成要求を管理装置100へ送信すると、情報処理装置200は、クーポン情報が受信されたか否かを判定する(S208)。
ステップS208においてクーポン情報が受信されたと判定されない場合には、情報処理装置200は、クーポン情報が受信されたと判定されるまで処理を進めない。なお、ステップS206においてクーポン情報生成要求を送信してから所定の時間(予め規定された時間、またはユーザにより設定された時間)が経過してもクーポン情報が受信されたと判定されない場合、情報処理装置200は、例えば、クーポン情報生成要求を管理装置100へ再送信してもよい。また、上記の場合における情報処理装置200における処理は、上記に限られない。例えば、ステップS206においてクーポン情報生成要求を送信してから所定の時間が経過してもクーポン情報が受信されたと判定されない場合には、情報処理装置200は、図13に示すクーポン発行処理を終了して、ユーザにクーポンが発行されなかった旨をユーザに通知してもよい(いわゆる、タイムアウト)。
また、ステップS208においてクーポン情報が受信されたと判定された場合には、情報処理装置200は、受信されたクーポン情報を所定の記憶場所に記録する(S210)。そして、ステップS210の処理が正常に完了すると、情報処理装置200は、例えば図4Cに示す画面を表示させて、ユーザにクーポン情報の使用が可能であることを視覚的に通知する。
情報処理装置200は、例えば図13に示す処理を行うことによって、管理装置100にクーポン情報生成要求を送信し、当該クーポン情報生成要求に応じて生成されたクーポン情報を所定の記憶場所に記録する。よって、情報処理装置200のユーザは、情報処理装置200に記憶されたクーポン情報を小売店で使用することによって、購入を所望する商品を、値引きされた価格で購入することが可能となる。なお、本発明の実施形態に係る情報処理装置200におけるクーポン発行処理が、図13に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
情報処理システム1000では、例えば図8に示す処理が行われることによって、クーポン情報が情報処理装置200に記憶される。よって、情報処理システム1000では、例えば上述したユースケースのようなユーザによるクーポン情報の利用を実現することができる。ここで、ユーザは、クーポン情報を小売店で使用することによって、値引きがされた金額で所望する商品を購入することができるので、情報処理システム1000では、第1期間における商品の販売力の向上が図られる。また、クーポン情報が示す値引幅は、上記(1)の処理(値引幅決定処理)で決定されたものであるので、第1期間においてユーザによりクーポン情報が使用されたとしても、小売店は、一定以上の利益を確保することができる可能性が高い。
したがって、例えば図8に示す処理が行われることによって上述した利益確保アプローチを実現することができるので、小売店により多くの利益を確保させることができる。
(本発明の実施形態に係る情報処理システム)
次に、上述した本発明の実施形態に係る利益確保アプローチに係る処理を行うことが可能な、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する各装置の構成について説明する。
[管理装置100]
図14は、本発明の実施形態に係る管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。管理装置100は、例えば、通信部102と、記憶部104と、制御部106と、操作部108と、表示部110とを備える。
また、管理装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory。図示せず)や、RAM(Random Access Memory。図示せず)、リモート・コントローラなどの外部操作装置(図示せず)から送信される外部操作信号を受信する受信部(図示せず)などを備えていてもよい。管理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により上記各構成要素間を接続する。
ROM(図示せず)は、制御部106が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部106により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。また、受信部(図示せず)としては、例えば赤外線ポート(infrared communication port)などが挙げられる。なお、本発明の実施形態に係る管理装置100では、例えば、通信部102が受信部(図示せず)の役目を果たしてもよい。
〔管理装置100のハードウェア構成例〕
図15は、本発明の実施形態に係る管理装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図15を参照すると、管理装置100は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、入出力インタフェース158と、操作入力デバイス160と、表示デバイス162と、通信インタフェース164とを備える。また、管理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス166で各構成要素間を接続する。
MPU150は、MPU(Micro Processing Unit)や、制御機能を実現するための各種回路が集積された集積回路などで構成され、管理装置100全体を制御する制御部106として機能する。また、MPU150は、管理装置100において、後述する値引幅候補設定部120、試算処理部122、値引幅決定部124、情報管理部126、およびクーポン情報生成部128としての役目を果たすこともできる。
ROM152は、例えばMPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、また、RAM154は、例えばMPU150により実行されるプログラムなどを一次的に記憶する。
記録媒体156は、管理装置100における記憶手段であり、記憶部104として機能する。記録媒体156には、例えば、ユーザ情報や、商品マスタ情報、アプリケーションなどが記憶される。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられる。また、記録媒体156は、管理装置100から着脱可能であってもよい。
入出力インタフェース158は、例えば、操作入力デバイス160や、表示デバイス162を接続する。操作入力デバイス160は、操作部108として機能し、また、表示デバイス162は、表示部110として機能する。ここで、入出力インタフェース160としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、各種処理回路などが挙げられる。また、操作入力デバイス160は、例えば、管理装置100上に備えられ、管理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。操作入力デバイス160としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。また、表示デバイス162は、例えば、管理装置100上に備えられ、管理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。表示デバイス162としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられる。なお、入出力インタフェース158が、管理装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することも可能であることは、言うまでもない。また、表示デバイス162は、例えばタッチスクリーンなどのように、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。
通信インタフェース164は、管理装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部102として機能する。ここで、通信インタフェース164としては、例えば、通信アンテナおよびRF(Radio Frequency)回路(無線通信)や、LAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。なお、本発明の実施形態に係る通信インタフェース164は、上記に限られず、例えば、ネットワーク500に対応する構成をとることができる。
管理装置100は、例えば図14に示す構成によって、上述した利益確保アプローチに係る処理を行う。なお、本発明の実施形態に係る管理装置100のハードウェア構成は、図14に示す構成に限られない。例えば、管理装置100は、図14に示す操作デバイス160や表示デバイス162を備えない構成であってもよい。また、管理装置100は、例えば、同一の通信方式または相異なる通信方式で外部装置と通信を行う、複数の通信インタフェース164を備えていてもよい。
再度図14を参照して、管理装置100の構成の一例について説明する。通信部102は、管理装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)、情報処理システム1000を構成する情報処理装置200それぞれや、各サービス提供場所に備えられているPOS装置400などの外部装置と無線/有線で通信を行う役目を果たす。ここで、通信部102としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)やLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。
記憶部104は、管理装置100が備える記憶手段である。ここで、記憶部104としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられる。
また、記憶部104は、例えば、ユーザ情報や、商品マスタ情報、アプリケーションなどを記憶する。ここで、図14では、ユーザ情報130、アイテムマスタ情報132(商品マスタ情報の一例)、およびセット値引クーポンマスタ情報134(商品マスタ情報の一例)が記憶部104に記憶されている例を示している。なお、ユーザ情報130、アイテムマスタ情報132、およびセット値引クーポンマスタ情報134それぞれは、例えば、RDB(Relational DataBase)などのデータベース形式で各種データが管理されていてもよい。
制御部106は、例えば、MPUなどで構成され、管理装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部106は、値引幅候補設定部120と、試算処理部122と、値引幅決定部124と、情報管理部126と、クーポン情報生成部128とを備え、本発明の実施形態に係る利益確保アプローチに係る処理を主導的に行う役目を果たす。また、制御部106は、通信部102における通信を制御する通信制御部(図示せず)を備えていてもよい。
値引幅候補設定部120、試算処理部122、および値引幅決定部124は、例えば上記(1)の処理(値引幅決定処理)を主導的に行う役目を果たす。
値引幅候補設定部120は、第1値引幅候補を設定する。より具体的には、値引幅候補設定部120は、例えば、操作部102から伝達されるユーザ操作に応じた操作信号や、受信部(図示せず)から伝達されるユーザ操作に応じた外部操作信号に基づいて、当該ユーザ操作に対応する第1値引幅候補を設定する。なお、値引幅候補設定部120における第1値引幅候補の設定方法は、上記に限られない。例えば、値引幅候補設定部120は、ROMなどに記録された規定値を第1値引幅候補として設定してもよい。また、値引幅候補設定部120は、値引幅決定部124から再設定命令が伝達された場合には、当該再設定命令に応じて、設定している第1値引幅候補の値を変更して再設定する。
また、値引幅候補設定部120は、第2値引幅を設定する。ここで、値引幅候補設定部120は、例えば、例えば、操作部102から伝達されるユーザ操作に応じた操作信号に基づく値や、ROMなどに記録された規定値を第2値引幅として設定する。
試算処理部122は、上記(1−1)(試算処理)を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、試算処理部122は、例えば、商品情報と、商品の販売実績を示す情報と、値引幅候補設定部120が設定した第1値引幅候補を示す第1値引幅情報と、第2値引幅を示す第2値引幅情報とを用いて、第1売上値や、第2売上値、第3売上値などの売上げに関する各種値を試算する。
値引幅決定部124は、上記(1−2)の処理(第1値引幅決定処理)を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、値引幅決定部124は、例えば、試算処理部122における試算結果が所定の条件を満たしているか否かを判定する。そして、値引幅決定部124は、上記試算結果が上記所定の条件を満たしていると判定した場合に、試算処理部122における試算結果に対応する第1値引幅候補(すなわち、試算に用いられた第1値引幅候補)を、商品の第1値引幅として決定する。
また、値引幅決定部124は、試算処理部122における試算結果が所定の条件を満たしていないと判定した場合には、例えば再設定命令を値引幅候補設定部120に伝達することによって、値引幅候補設定部120に第1値引幅候補を再設定させる。上記によって、試算処理部122は、試算処理部122において再設定された第1値引幅候補を用いて売上げに関する値を再試算することとなる。なお、値引幅決定部124は、例えば操作部108から伝達される所定のユーザ操作が検出された場合には、上記所定の条件についての判定結果によらず、試算処理部122における試算結果に対応する第1値引幅候補を、商品の第1値引幅として決定してもよい。
情報管理部126は、上記(2)の処理(マスタ情報生成処理)を主導的に行い、商品マスタ情報を生成する役目を果たす。ここで、情報管理部126が生成する商品マスタ情報としては、例えば、図10に示すアイテムマスタ情報や、図11に示すセット値引クーポンマスタ情報などが挙げられる。
情報管理部126は、例えば、記憶部104に商品マスタ情報が記憶されていない場合には、商品マスタ情報を新規に作成して、作成した商品マスタ情報を記憶部104に記録する。また、情報管理部126は、例えば、記憶部104に商品マスタ情報が記憶されている場合には、記憶されている商品マスタ情報を更新する。
また、情報管理部126は、例えばユーザ情報などのように記憶部104に記憶されている様々な情報(データ)を管理する役目を果たしていてもよい。
クーポン情報生成部128は、上記(3)の処理(クーポン発行処理)を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、クーポン情報生成部128は、例えば、通信部102が受信したクーポン情報生成要求と、記憶部104に記憶されている商品マスタ情報とに基づいて、クーポン情報を生成する。ここで、クーポン情報生成部128は、例えば、商品マスタ情報の中から、クーポン情報生成要求に含まれる商品識別情報が示す商品と合致する商品、または、商品識別情報が示す商品の組合せと合致する商品を特定する。そして、クーポン情報生成部128は、特定した商品、または、特定した商品の組合せに対応付けられた第1値引幅を示す情報に基づいて、クーポン情報を生成する。
そして、クーポン情報生成部128は、通信部102に、生成したクーポン情報を情報処理装置200(クーポン情報生成要求を送信した情報処理装置200)へと送信させる。
また、クーポン情報生成部128は、通信部102において商品識別情報が受信された場合には、記憶部104に記憶されている商品マスタ情報の中から、当該商品識別情報が示す商品が示す商品と合致する商品、または、商品識別情報が示す商品の組合せと合致する商品を特定する。そして、クーポン情報生成部128は、通信部102に、特定した商品、または、特定した商品の組合せに対応付けられた第1値引幅を示す情報を、情報処理装置200(商品識別情報を送信した情報処理装置200)へと送信させる。クーポン情報生成部128が上記の処理を行うことによって、情報処理装置200では、例えば図4AのHに示すように、管理装置100から送信された上記第1値引幅の情報が示す値引幅(第1値引幅)が、画面に表示されることとなる。
制御部106は、例えば、値引幅候補設定部120、試算処理部122、値引幅決定部124、情報管理部126、およびクーポン情報生成部128を備えることによって、上記(1)の処理(値引幅決定処理)〜(3)の処理(クーポン発行処理)を行う。したがって、制御部106は、例えば、値引幅候補設定部120、試算処理部122、値引幅決定部124、情報管理部126、およびクーポン情報生成部128を備えることによって、上述した本発明の実施形態に係る利益確保アプローチに係る処理を実現することができる。なお、本発明の実施形態に係る制御部106の構成が、図14に示す例に限られないことは、言うまでもない。
操作部108は、ユーザによる操作を可能とする管理装置100が備える操作手段である。管理装置100は、操作部108を備えることによって、ユーザ操作を可能とし、例えば第1値引幅候補の設定などのユーザが所望する処理をユーザ操作に応じて行うことができる。ここで、操作部108としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクタ、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。
表示部110は、管理装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な画面を表示する。表示部110の表示画面に表示される画面としては、例えば、図9に示すような試算処理に係る試算結果が表示される画面や、所望する動作を管理装置100に対して行わせるための操作画面などが挙げられる。また、表示部110としては、例えば、液晶ディスプレイやOLEDディスプレイなどが挙げられる。なお、管理装置100は、表示部110を、タッチスクリーンで構成することもできる。上記の場合には、表示部110は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
管理装置100は、例えば図14に示す構成によって、上述した本発明の実施形態に係る利益確保アプローチに係る処理を実現することができる。したがって、管理装置100は、例えば図14に示す構成によって、小売店が一定の利益を確保することが可能な商品の値引幅が設定されたクーポン情報を生成し、小売店により多くの利益を確保させることができる。なお、本発明の実施形態に係る管理装置100の構成が、図14に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
[情報処理装置200、リーダ/ライタ300]
次に、情報処理装置200とリーダ/ライタ300の構成について説明する。以下では、13.56MHzなどの所定周波数の搬送波(以下、単に「搬送波」とよぶ場合がある。)を用いた非接触通信を行うことが可能な、情報処理装置200とリーダ/ライタ300との構成を例に挙げて、情報処理装置200とリーダ/ライタ300の構成について説明する。
図16は、本発明の実施形態に係る情報処理装置200およびリーダ/ライタ300の構成の一例を示す説明図である。ここで、図16では、リーダ/ライタ300と接続されるPOS装置400を併せて示している。
〔情報処理装置200の構成〕
情報処理装置200は、通信アンテナ202と、ICチップ204と、MPU206と、ROM208と、RAM210と、記録媒体212と、入出力インタフェースと214と、操作入力デバイス216と、表示デバイス218と、通信インタフェース220とを備える。また、情報処理装置200は、例えば、データの伝送路としてのバス222で各構成要素間を接続する。
通信アンテナ202は、リーダ/ライタ300などの外部装置から送信された搬送波を受信し、ICチップ204における処理の処理結果に基づく応答信号を送信する。以下では、情報処理装置200が、リーダ/ライタ300から送信された搬送波を処理する場合を例に挙げて説明する。
通信アンテナ202は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)L1と、所定の静電容量をもつキャパシタC2とからなる共振回路で構成され、搬送波の受信に応じて電磁誘導により誘起電圧を生じさせる。そして、通信アンテナ202は、所定の共振周波数で誘起電圧を共振させた受信電圧を出力する。ここで、通信アンテナ202における共振周波数は、例えば、13.56MHzなど搬送波の周波数に合わせて設定される。通信アンテナ202は、上記構成により、搬送波を受信し、また、ICチップ204が備える負荷変調部234(後述する)において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。
ICチップ204は、受信された搬送波に基づいて搬送波信号を復調して処理し、負荷変調によって応答信号を通信アンテナ202から送信させる。
<ICチップ204の構成例>
ICチップ204は、キャリア検出部224と、検波部226と、レギュレータ228と、復調部230と、データ処理部232と、負荷変調部234とを備える。なお、図16では示していないが、ICチップ204は、例えば、過電圧や過電流がデータ処理部232に印加されることを防止するための保護回路(図示せず)をさらに備えていてもよい。ここで、保護回路(図示せず)としては、例えば、ダイオード等で構成されたクランプ回路が挙げられる。
また、ICチップ204は、ROM236、RAM238、内部メモリ240、UART242などを備える。データ処理部232と、ROM236、RAM238、内部メモリ240、UART242とは、例えば、データの伝送路としてのバス244によって接続される。
キャリア検出部224は、通信アンテナ202から伝達される受信電圧に基づいて、例えば、矩形の検出信号を生成し、当該検出信号をデータ処理部232へ伝達する。また、データ処理部232は、伝達される上記検出信号を、例えば、データ処理のための処理クロックとして用いる。ここで、上記検出信号は、通信アンテナ202から伝達される受信電圧に基づくものであるので、リーダ/ライタ300から送信される搬送波の周波数と同期することとなる。したがって、ICチップ204は、キャリア検出部224を備えることによって、リーダ/ライタ300との間の処理を、リーダ/ライタ300と同期して行うことができる。
検波部226は、通信アンテナ202から出力される受信電圧を整流する。ここで、検波部226は、ダイオードD1と、キャパシタC2で構成することができるが、検波部226の構成は、上記に限られない。
レギュレータ228は、受信電圧を平滑、定電圧化し、データ処理部232へ駆動電圧を出力する。ここで、レギュレータ228は、例えば、受信電圧の直流成分を駆動電圧として用いる。
復調部230は、受信電圧に基づいて搬送波信号を復調し、搬送波に含まれる搬送波信号に対応するデータ(例えば、ハイレベルとローレベルとの2値化されたデータ信号)を出力する。ここで、復調部230は、例えば、受信電圧の交流成分をデータとして出力する。
データ処理部232は、レギュレータ228から出力される駆動電圧を電源として駆動し、復調部230において復調されたデータの処理を行う。ここで、データ処理部232は、例えば、MPUで構成することができるが、データ処理部232の構成は、上記に限られない。
また、データ処理部232は、リーダ/ライタ300への応答に係る負荷変調を制御する制御信号を処理結果に応じて選択的に生成する。そして、データ処理部232は、制御信号を負荷変調部234へと選択的に出力する。
また、データ処理部232は、復調部230において復調されたデータに含まれる命令や、UART242を介してICチップ204の外部の構成要素(例えばMPU206)から伝達される命令に基づいて、内部メモリ240に記憶されたデータの読出しや、当該データの更新などを行う。
負荷変調部234は、例えば、負荷ZとスイッチSW1とを備え、データ処理部232から伝達される制御信号に応じて負荷Zを選択的に接続する(有効化する)ことによって負荷変調を行う。ここで、負荷Zは、例えば、所定の抵抗値を有する抵抗で構成されるが、負荷Zの構成は、上記に限られない。また、スイッチSW1は、例えば、pチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)や、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、スイッチSW1の構成は、上記に限られない。
ROM236は、データ処理部232が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM238は、データ処理部232により実行されるプログラム、演算結果、実行状態などを一時的に記憶する。
内部メモリ240は、ICチップ204が備える記憶手段であり、例えば耐タンパ性を有する。内部メモリ240に記憶されたデータは、例えばデータ処理部232により読み出され、また、データ処理部232によって、内部メモリ240に対するデータの新規書込みや、記憶されているデータの更新が行われる。
また、内部メモリ240には、例えば、管理装置100から取得されたクーポン情報や、電子バリュー、アプリケーションデータなど様々なデータが記憶される。ここで、図16では、内部メモリ240にクーポン情報246が記憶されている例を示している。
UART242は、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)などで構成され、ICチップ204の外部の構成要素との間の通信インタフェースとしての役割を果たす。図16では、UART242がバス222に接続される例を示している。
ICチップ204は、上記のような構成によって、通信アンテナ202が受信した搬送波信号を処理し、負荷変調によって通信アンテナ202から応答信号を送信させることができる。
MPU206は、情報処理装置200全体を制御する制御部(図示せず)として機能する。また、MPU206は、ICチップ204が備えるデータ処理部232と共に、上述した情報処理システム1000の情報処理装置200における各種処理を主導的に行う役目を果たす。
ROM208は、MPU206が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、また、RAM210は、MPU206により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
記録媒体212は、情報処理装置200における記憶部(図示せず)として機能し、例えば、各種アプリケーションや当該アプリケーションに係るデータなど、様々なデータを記憶する。ここで、記録媒体212としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられる。
入出力インタフェース214は、例えば、操作入力デバイス216や、表示デバイス218を接続する。ここで、入出力インタフェース214としては、例えば、USB端子や、DVI端子、HDMI端子、および各種処理回路などが挙げられる。なお、入出力インタフェース214は、情報処理装置200の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできることは、言うまでもない。
操作入力デバイス216は、情報処理装置200における操作部(図示せず)として機能する。操作入力デバイス216は、例えば、情報処理装置200上に備えられ、情報処理装置200の内部で入出力インタフェース214と接続される。操作入力デバイス216としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。
表示デバイス218は、例えば、図2〜図6のような本発明の実施形態に係る利益確保アプローチに係る画面や、ユーザが所望の操作を行うための操作画面などの各種画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)として機能する。表示デバイス218は、例えば、情報処理装置200上に備えられ、情報処理装置200の内部で入出力インタフェース214と接続される。表示デバイス218としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどが挙げられるが、表示デバイス218は、上記に限られない。例えば、表示デバイス218は、タッチスクリーンなどのように、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。上記の場合、表示デバイス218は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
通信インタフェース220は、所定周波数の搬送波を用いた非接触通信による通信路とは異なる他の通信路にて外部装置と通信を行うための、情報処理装置200が備える通信手段である。通信インタフェース220は、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)管理装置100などの外部装置と通信を行うための通信部(図示せず)として機能する。ここで、通信インタフェース220としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)などが挙げられるが、通信インタフェース220は、上記に限られない。例えば、通信インタフェース220は、ネットワーク500に対応する構成をとることができる。
情報処理装置200は、例えば図16に示す構成によって、上述した情報処理システム1000の情報処理装置200における各種処理(例えば、上述したユースケースに係る処理や、図13に示す処理)を行う。なお、本発明の実施形態に係る情報処理装置200の構成は、図16に示す構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理装置200は、図16に示すICチップ204を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
〔リーダ/ライタ300〕
リーダ/ライタ300は、例えば、搬送波信号生成部302と、搬送波送信部304と、復調部306と、制御部308とを備える。また、リーダ/ライタ300は、例えばPOS装置400などの外部装置と接続され、外部装置から送信された送信命令に応じて搬送波信号を送信する。以下では、リーダ/ライタ300がPOS装置400と接続されている場合を例に挙げてリーダ/ライタ300の構成について説明する。
また、リーダ/ライタ300は、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、レジスタ(register;図示せず)、通信を暗号化するための暗号化回路(図示せず)、記憶部(図示せず)、外部装置や他の回路と接続するための接続インタフェース(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、各種画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)などを備えてもよい。ここで、リーダ/ライタ300は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。
ROM(図示せず)は、制御部308が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、RAM(図示せず)は、制御部308により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。また、レジスタ(図示せず)は、制御部308における演算結果や実行状態を保持する。
記憶部(図示せず)は、例えば、リーダ/ライタ300において用いられるアプリケーション、データなどを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモが挙げられる。また、接続インタフェースとしては、例えば、UARTや、LAN端子および送受信回路などが挙げられる。
操作部(図示せず)としては、例えば、ボタンや、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。また、表示部(図示せず)としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどが挙げられるが、表示部(図示せず)は、上記に限られない。例えば、表示部(図示せず)は、タッチスクリーンなどのように、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。上記の場合、表示部(図示せず)は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。また、リーダ/ライタ300は、リーダ/ライタ300の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や表示デバイスと接続されてもよい。
搬送波信号生成部302は、制御部308からの搬送波信号生成命令を受け、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。ここで、図16では、搬送波信号生成部302として交流電源が示されているが、本発明の実施形態に係る搬送波信号生成部302は、上記に限られない。例えば、搬送波信号生成部302は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調する変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)とをさらに備えて構成することができる。なお、搬送波信号生成部302が生成する搬送波信号には、例えば、情報処理装置200に対する各種処理命令や、処理させるデータを含めることができるが、搬送波信号生成部302が生成する搬送波信号は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る搬送波信号は、情報処理装置200に対して電力供給を行う搬送波を搬送波送信部304に発生させるための信号であってもよい。
搬送波送信部304は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)L2を備え、搬送波信号生成部302が生成した搬送波信号に応じた搬送波を送信する。また、搬送波送信部304は、情報処理装置200からの応答信号を受信することもできる。つまり、搬送波送信部304は、リーダ/ライタ300において通信アンテナとしての役目を果たす。ここで、図16では、搬送波送信部304がコイルL2で構成されている例を示しているが、本発明の実施形態に係る搬送波送信部304は、上記に限られず、例えば、さらにキャパシタを備えることにより共振回路を構成してもよい。
復調部306は、例えば、搬送波送信部304のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、情報処理装置200から送信された応答信号を復調する。なお、復調部306における応答信号の復調手段は、上記に限られず、例えば、搬送波送信部304のアンテナ端における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
制御部308は、例えばMPUなどで構成され、リーダ/ライタ300全体を制御する。また、制御部308は、例えば、復調部306が復調したデータをPOS装置400へ送信する、または、復調部306が復調したデータに基づいて搬送波信号生成命令を生成するなど、様々な処理を行うことができる。
リーダ/ライタ300は、例えば図16に示す構成によって、搬送波を送信し、情報処理装置200から送信される応答信号を復調する。なお、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300の構成が、図16に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
情報処理装置200とリーダ/ライタ300とは、例えば図16に示す構成によって、搬送波を用いた非接触通信を行うことが可能である。よって、情報処理装置200に記憶されているクーポン情報をリーダ/ライタ300へ送信して、当該クーポン情報をリーダ/ライタ300に処理させることが可能であるので、例えば上記〔2−2〕に示したようなユースケース(クーポン情報の使用)を実現することができる。
[POS装置400]
POS装置400は、例えば図15に示すような、管理装置100と同様のハードウェア構成をとる。上記構成によって、POS装置400は、例えば、リーダ/ライタ300から取得したクーポン情報を用いた販売価格の算出などの販売に係る処理や、売上げに関する情報をネットワーク500を介して管理装置100へ送信するなどの各種処理を行うことができる。なお、POS装置400の構成が図15に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
以上のように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000は、例えば、管理装置100と、1または2以上の情報処理装置200と、各小売店(サービス提供場所の一例)に設置される装置(リーダ/ライタ300、POS装置400)を有する。管理装置100は、上記(1)の処理(値引幅決定処理)を行うことによって、小売店が一定の利益を確保することが可能な第1値引幅を、商品ごと、および/または、商品の組合せごとに決定する。また、管理装置100は、(2)の処理(マスタ情報生成処理)を行うことによって、決定した第1値引幅の情報と商品に関する情報とが対応付けて記録された商品マスタ情報を生成する。そして、管理装置100は、上記(3)の処理(クーポン発行処理)を行うことによって、情報処理装置200から送信されたクーポン情報生成要求に対応するクーポン情報を生成して、生成したクーポン情報を情報処理装置200へ送信する。ここで、情報処理装置200のユーザは、管理装置100が生成したクーポン情報を小売店で使用することによって、値引きがされた金額で所望する商品を購入することができる。よって、商品購入金額が変わらない従来の技術に係るポイントサービスが適用される場合よりも、より第1期間(例えば、プロパー期間)における商品の販売力を向上させることが可能となる。また、クーポン情報が示す値引幅は、小売店が一定の利益を確保することが可能なものであるので、第1期間においてクーポン情報が使用されることによる商品の値引き販売を行ったとしても、小売店は、一定以上の利益を確保することができる可能性が高くなる。
したがって、管理装置100が、上記のように第1値引幅を、商品ごと、および/または、商品の組合せごとに設定し、クーポン情報を情報処理装置200へ提供することによって、小売店により多くの利益を確保させることが可能な情報処理システム1000を実現することができる。
また、情報処理システム1000では、小売店における売上げに関する情報が、POS装置400(小売店に備えられるサーバ(図示せず)であってもよい。)から管理装置100へとネットワーク500を介して送信される。売上げに関する情報が小売店から管理装置100へと送信されることによって、管理装置100は、いつ、どこで、誰が、どの商品を購入し、売上がどの位あったのかを把握することができ、また、管理装置100は、どのクーポン情報が使用されたのかも把握することができる。よって、情報処理システム1000では、例えば、管理装置100が、商品の購入頻度やクーポン情報の使用回数などに応じてユーザをランク付けし、商品(または商品の組合せ)に対応する第1値引幅に加えてランクに応じた値引幅がさらに加算された値引幅を示すクーポン情報を生成することも可能となる。例えば、管理装置100が、上記のようにユーザの購入頻度などに応じて値引幅が調整されたクーポン情報を生成することによって、ユーザは購入頻度が増えてランクが上がるほどより安い価格で商品を購入することが可能となるので、リピータとなるユーザが増加する効果が期待される。したがって、例えば、管理装置100がユーザの購入頻度などに応じて値引幅が調整されたクーポン情報を生成することによって、情報処理システム1000では、第1期間(プロパー期間)における商品の販売力の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する構成要素として管理装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、サーバ(Server)やPC(Personal Computer)などのコンピュータなど、様々な機器に適用することができる。また、本発明の実施形態は、例えば、複数のサーバからなるサーバ群であってもよい。
また、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する構成要素として情報処理装置200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、携帯電話などの携帯型通信装置、映像/音楽再生装置(または映像/音楽記録再生装置)、携帯型ゲーム機など、様々な機器に適用することができる。
また、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する構成要素としてリーダ/ライタ300を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、リーダ/ライタ機能を有するサイネージ端末や、リーダ/ライタ機能を有する様々な機器に適用することができる。なお、情報処理装置200とリーダ/ライタ300とが、NFCによる非接触通信以外の通信を行う構成である場合には、本発明の実施形態は、例えば、リーダ/ライタ機能を有していないサイネージ端末など、リーダ/ライタ機能を有していない様々な機器に適用することが可能である。
さらに、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する構成要素としてPOS装置400を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、サーバやPCなどのコンピュータなど、様々な機器に適用することができる。
(本発明の実施形態に係るプログラム)
[管理装置に係るプログラム]
コンピュータを、本発明の実施形態に係る管理装置として機能させるためのプログラム(例えば、上記(1)の処理(値引幅決定処理)〜(3)の処理(クーポン発行処理)を実現するためのプログラム)によって、小売店が一定の利益を確保することが可能な商品の値引幅が設定されたクーポン情報を生成し、小売店により多くの利益を確保させることができる。
[情報処理装置に係るプログラム]
コンピュータを、本発明の実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラム(例えば、上述したユースケースに係る処理や、図13に示す処理)によって、小売店により多くの利益を確保させることが可能な情報処理システム1000を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明の実施形態に係る管理装置は、図14に示す値引幅候補設定部120、試算処理部122、値引幅決定部124、情報管理部126、およびクーポン情報生成部128を個別に備える(例えば、それぞれを個別の処理回路で実現する)ことができる。
また、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る管理装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)と、本発明の実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)とが提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記プログラムをそれぞれ記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。