以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の実施形態に係る情報処理システム
3.本発明の実施形態に係るプログラム
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る情報処理システム(以下、「情報処理システム1000」という。)の構成について説明する前に、本発明の実施形態に係る販売促進施策を享受可能とする時間の短縮化アプローチについて説明する。ここで、本発明の実施形態に係る販売促進施策とは、例えば、決済事業者や流通事業者などのサービス事業者(以下、単に「事業者」という。)がサービスの利用促進や商品の販売促進のために行う施策を指す。
ここで、事業者が行う販売促進施策としては、例えば、ユーザのサービス利用履歴の情報を用いることによって所定の条件を満たしたユーザが販売促進施策を享受できるものや、特定の組織に属しているユーザが販売促進施策を享受できるものなどが挙げられる。ここで、所定の条件を満たしたユーザに対して販売促進施策の享受を可能とする販売促進施策としては、例えば、以下の(a)〜(c)が挙げられる。また、特定の組織に属しているユーザが販売促進施策を享受可能な販売促進施策としては、例えば、会員への割引クーポンの配信や、会員がサービスを利用するごとに利用額に応じたポイントを付与することなどが挙げられる。
(a)サービスへの入会(契約)、サービスの利用を対象とした販売促進施策
・例:販売促進施策期間中、「○○」に入会して「XX」を一回以上使うともれなく「□□」がユーザにプレゼントされる
(b)特定の決済方法、特定のサービス、特定のサービス提供場所の利用を対象とした販売促進施策
・例:販売促進施策期間中、「○○」を使って、「△△」で累計〜円以上利用すると、「□□」が抽選で〜名に当たる
(c)特定の決済方法、特定のサービス、特定の利用日を対象とした販売促進施策
・例:毎月11日、22日に「○○」を使って「△△」で買い物をすると「YY」となる
以下では、上記のような事業者が行う販売促進施策のうち、ユーザのサービス利用履歴の情報(以下、「履歴情報」という。)を用いることによって所定の条件を満たすと判定されたユーザに対して販売促進施策の享受を可能とするものを対象として説明する。また、以下では、ユーザが所有する情報処理装置とリーダ/ライタ(または、リーダ/ライタ機能を有する装置。以下同様とする。)との通信によって、当該ユーザが本発明の実施形態に係る販売促進施策を享受する場合を例に挙げて説明するが、上記に限られない。
また、以下では、本発明の実施形態に係る履歴情報として、ユーザの購買に基づく決済に係る履歴情報を例として説明するが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る履歴情報は、特定の場所や店舗をユーザが訪れた履歴が記録されたものであってもよい。
[本発明の実施形態に係るアプローチ]
上述したように、従来の技術のようにサーバなどの施策管理装置において販売促進施策の提供に関する処理を一元的に行う場合には、販売促進施策を享受可能とする時間の短縮化は望めない。
また、従来の技術のように施策管理装置が販売促進施策の提供に関する処理を一元的に行う場合において、販売促進施策を享受可能とする時間の短縮化を図るための一の方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
・決済事業者や流通事業者など複数の事業者が、それぞれの処理を連携して行うことが可能なシステムをそれぞれ構築する
しかしながら、上記方法を実現するためには、例えば、流通事業者は、即時に売上計上を可能にするシステムや、ユーザに対して即時に販売促進施策を提供可能とするシステムを構築する必要がある。また、上記方法を実現するためには、決済事業者は、例えば、決済データを即時に分析、抽出、確定可能なシステムを構築する必要がある。つまり、上記のようなシステムの構築を複数の決済事業者、流通事業者を含めて実現するためには、膨大なシステム投資が必要となる。したがって、上記方法は、販売促進施策を享受可能とする時間の短縮化を図ることはできるが、コストの面で新たな問題を生じさせてしまう。
そこで、本発明の実施形態では、従来の技術のように施策管理装置が販売促進施策の提供に関する処理を一元的に行うのではなく、販売促進施策を享受するユーザが所有する情報処理装置それぞれにおいて販売促進施策の提供に関する処理を行わせる。つまり、本発明の実施形態では、従来の技術のように一元的に販売促進施策の提供に関する処理を行うのではなく、情報処理装置ごとに分散して販売促進施策の提供に関する処理を行う。ここで、本発明の実施形態に係る販売促進施策の提供に関する処理とは、例えば、販売促進施策を享受可能であるか否かの判定処理や、処理に用いる情報の外部装置からの取得処理、販売促進施策を享受可能な状態に設定する処理などが挙げられる。
より具体的には、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、例えば、記憶する履歴情報と、販売促進施策情報とに基づいて、当選条件に関する判定を行うことが宣言された宣言済販売促進施策に対応する当選条件を満たしているかを判定する。ここで、本発明の実施形態に係る販売促進施策情報とは、例えば、販売促進施策の内容および販売促進施策を享受するための当選条件の情報が販売促進施策ごとに記録された情報をいう。なお、本発明の実施形態に係る販売促進施策情報に含まれる情報は、上記に限られない。
そして、当選条件を満たしていると判定された場合には、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、例えば、リーダ/ライタから読み書き可能なICチップの内部メモリ(後述する)に、上記宣言済販売促進施策を享受するための当選施策情報を記録する。
上記のように内部メモリに当選施策情報が記録されることによって、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、リーダ/ライタとの通信によって、当選施策情報に対応する販売促進施策の享受に関する処理を行うことができる。
上述したように、本発明の実施形態では、本発明の実施形態に係る情報処理装置それぞれが、記憶する履歴情報と販売促進施策情報とに基づいて、本発明の実施形態に係る販売促進施策の提供に関する処理を個別に行う。ここで、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、自装置に記憶される情報を用いて販売促進施策の提供に関する処理を行うので、従来の技術のように販売促進施策を享受可能な施策対象ユーザを確定するために一定以上の時間を必要とはしない。したがって、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、情報処理装置を販売促進施策を享受可能な状態とする時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明の実施形態では、本発明の実施形態に係る情報処理装置ごとに分散して販売促進施策の提供に関する処理が行われる。したがって、本発明の実施形態では、上記販売促進施策を享受可能とする時間の短縮化を図るための一の方法のようなシステム構築に係る膨大なコスト増が生じることを防止することができる。
[情報処理システム1000の概要]
次に、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現可能な本発明の実施形態に係る情報処理システム1000の構成の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000の概要を説明する説明図である。ここで、図1では、1つの情報処理装置100に着目した場合における構成例を示しており、その他の情報処理装置については省略している。以下では、1つの情報処理装置100に着目して説明し、その他の情報処理装置については、情報処理装置100と同様の機能、構成を有することができるため説明を省略する。
情報処理システム1000は、情報処理装置100と、施策管理サーバ200と、リーダ/ライタ300と、事業者サーバ400A、400B、…(以下、総称して「事業者サーバ400」という。)を有する。ここで、図1では、1つのリーダ/ライタ300が示されているが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタは、店舗などサービスが提供される場所にそれぞれ設置される。以下では、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタを総称して「リーダ/ライタ300」とよぶ。
情報処理装置100と施策管理サーバ200、事業者サーバ400それぞれとは、例えばネットワーク500で接続される。ここで、ネットワーク500としては、例えば、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)や無線MAN(WMAN;Wireless Metropolitan Area Network)などの無線ネットワーク、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられるが、上記に限られない。
また、情報処理装置100とリーダ/ライタ300とは、例えば、13.56MHzなど特定の周波数の磁界(以下、「搬送波」という。)を用いて非接触式に通信を行う。
情報処理装置100は、耐タンパ性を有するICチップを備え、搬送波を用いた第1の通信路によってリーダ/ライタ300と非接触式に通信を行う。また、情報処理装置100は、例えばネットワーク500を介した第2の通信路(第1の通信路とは異なる通信路)によって、施策管理サーバ200や事業者サーバ400などの外部装置と通信を行う。情報処理装置100は、情報処理システム1000において、販売促進施策を享受するユーザが所有する装置に相当する。上述したように、以下では、情報処理装置100とリーダ/ライタ300との通信に係る処理によってユーザが販売促進施策を享受する場合を例に挙げて説明する。ここで、図1では、情報処理装置100として、携帯電話を示しているが、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が、携帯電話などの携帯型通信装置に限られないことは、言うまでもない。情報処理装置100における処理の具体例については、後述する。
施策管理サーバ200は、販売促進施策情報や、補助情報など販売促進施策に関する様々な情報を管理し、情報処理装置100からの情報取得要求に応じて各種情報を情報処理装置100に提供する。上記補助情報とは、販売促進施策の提供に関する処理において補助的に用いられる情報である。上記補助情報としては、例えば、変換テーブルやリーダ/ライタテーブル、情報を外部装置取得するための取得先情報などが挙げられるが、上記に限られない。ここで、上記変換テーブルには、例えば、情報処理装置100が履歴情報や販売促進施策情報などの各種情報を統一的に扱うための情報の変換に用いる対応情報が記録される。上記リーダ/ライタテーブルには、例えば、リーダ/ライタ300それぞれを識別するリーダ/ライタIDおよび設置場所を示す設置場所IDなどが記録される。また、取得先情報としては、例えば、各事業者サーバのIP(Internet Protocol)アドレスやポート番号などが挙げられるが、上記に限られない。情報処理装置100は、施策管理サーバ200から補助情報を取得することによって、最新の情報に基づいて販売促進施策の提供に関する処理を行うことができ、また、処理を行うために不足している情報がある場合には、外部装置から情報を取得することができる。よって、情報処理装置100のユーザは、例えば、新規店舗に新たに設置されたリーダ/ライタ300において販売促進施策を享受することができ、また、リーダ/ライタ300が設置された場所が変更された場合においても販売促進施策を享受することができる。
また、施策管理サーバ200は、情報処理装置100が備えるICチップが有する内部メモリのメモリ管理を行うこともできる。施策管理サーバ200が行う内部メモリのメモリ管理としては、例えば、内部メモリの領域の発行(領域生成)や、領域の削除や、内部メモリへの情報の書き込み制御などが挙げられるが、上記に限られない。
なお、図1では、1つの施策管理サーバ200を示してるが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000は、上記販売促進施策に関する情報の管理を行うサーバと、上記情報処理装置100が備えるICチップが有する内部メモリのメモリ管理を行うサーバなど、複数の装置で構成されてもよい。つまり、施策管理サーバ200は、システム(施策管理システム)として構成されてもよい。
事業者サーバ400は、例えば決済事業者が所有するサーバなど、事業者が所有する情報管理装置であり、サービスに関する履歴情報を記憶する。上記サービスに関する履歴情報には、例えば、決済処理など情報処理装置100とリーダ/ライタ300との間において行われる通信に係る処理の処理結果などが記録されるが、上記に限られない。また、事業者サーバ400は、情報処理装置100から送信される情報取得要求に応じて、情報取得要求が要求する情報(後述する不足履歴情報)を、情報処理装置100へ送信する。なお、図1では、各事業者システムが1つの事業者サーバ400で構成される例を示しているが、上記に限られない。
リーダ/ライタ300は、例えば店舗などサービスが提供される場所に設置される。例えば、ユーザにより情報処理装置100がリーダ/ライタ300にかざされた場合(情報処理装置100が第1通信路による通信が可能な範囲に移動された場合)には、情報処理装置100と通信を行う。そして、リーダ/ライタ300は、情報処理装置100の内部メモリに当選施策情報が記録されている場合には、当該当選施策情報を読出し、当該当選施策情報を決済処理などに用いる。また、リーダ/ライタ300は、上記当選施策情報を用いて処理を行った場合には、情報処理装置100に当選施策情報を削除させる削除命令を送信することによって、情報処理装置100の内部メモリに記憶された当選施策情報を情報処理装置100に削除させる。
本発明の実施形態に係る情報処理システム1000は、例えば、図1に示す構成を有する。図1に示す構成により、情報処理装置100は、施策管理サーバ200や事業者サーバ400などの外部装置から処理に用いる情報を適宜取得し、取得した各種情報と自装置に記憶された履歴情報とに基づいて、販売促進施策の提供に関する処理を行うことができる。また、情報処理システム1000では、情報処理装置100とリーダ/ライタ300との通信に係る処理において当選施策情報が用いられる。よって、情報処理装置100のユーザは、当選施策情報に対応する販売促進施策を享受することができる。
[情報処理装置100における処理の具体例]
次に、本発明の実施形態に係る販売促進施策を享受可能とする時間の短縮化アプローチを実現することが可能な情報処理装置100の処理について、より具体的に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における販売促進施策の提供に関する処理の一例を示す流れ図である。ここで、図2は、情報処理装置100における処理の流れの全体を示している。また、以下では、情報処理装置100がICチップ内の内部メモリに1つの当選施策情報を記憶可能な場合を例に挙げて説明する。
情報処理装置100は、初期設定が行われているか否かを判定する(S100)。ここで、情報処理装置100は、例えば、ICチップが備える内部メモリ内に当選施策情報を格納するための販売促進領域が存在するか否かに基づいてステップS100の判定を行うことができる。
ステップS100において初期設定が行われていると判定された場合には、情報処理装置100は、処理を進める。また、ステップS100において初期設定が行われていると判定されない場合には、情報処理装置100は、初期設定処理を行う(S102)。
〔初期設定処理〕
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における初期設定処理の一例を示す流れ図である。
情報処理装置100は、処理アプリケーションの送信を施策管理サーバ200に要求する(S200)。ここで、上記処理アプリケーションとは、例えば、情報処理装置100が、販売促進施策の提供に関する処理を行うために用いるソフトウェアである。また、情報処理装置100は、例えば、処理アプリケーションの送信を要求する情報取得要求を第2の通信路を用いて施策管理サーバ200に送信することによって、ステップS200の処理を行う。ステップS200の処理によって、情報処理装置100は、処理アプリケーションを施策管理サーバ200から取得することができる。
情報処理装置100は、販売促進領域の発行(生成)を施策管理サーバ200に要求する(S202)。情報処理装置100は、例えば、販売促進領域の発行を要求する領域発行要求を第2の通信路を用いて施策管理サーバ200に送信することによって、ステップS202の処理を行う。情報処理装置100は、例えば、ステップS202に係る情報取得要求に応じて施策管理サーバ200から送信される領域発行命令に基づいて、内部メモリに販売促進領域を生成する。ここで、施策管理サーバ200から送信される領域発行命令に基づいて内部メモリに生成される販売促進領域は、例えば、事業者ごとのサービスに依存しない共通のメモリ領域とすることができる。
情報処理装置100は、補助情報の送信を施策管理サーバ200に要求する(S204)。情報処理装置100は、例えば、補助情報の送信を要求する情報取得要求を第2の通信路を用いて施策管理サーバ200に送信することによって、ステップS204の処理を行う。ステップS204の処理によって、情報処理装置100は、補助情報を施策管理サーバ200から取得することができる。
そして、情報処理装置100は、ステップS204の処理によって取得された補助情報を記憶する(S206)。ここで、情報処理装置100は、ICチップ外に設けられる他の記憶部(例えば、後述する記憶部106)に取得された補助情報を記憶するが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、取得された補助情報をICチップ内の内部メモリに記憶することもできる。
図4、図5それぞれは、本発明の実施形態に係る補助情報の一例を示す説明図である。ここで、図4は、販売促進施策が実施される店舗を示す施策実施店舗テーブルの一例を示している。図4に示すように、施策実施店舗テーブルは、例えば、販売促進施策を識別するための「施策コード」と、販売促進施策を実施する事業者を識別するための「事業者コード」と、販売促進施策が実施可能な店舗を示す「店舗コード」の情報を含む。情報処理装置100は、例えば図4に示す施策実施店舗テーブルを補助情報として取得することによって、どの販売促進施策が、どの事業者により提供され、また販売促進施策をどの店舗で享受可能であるかを認識することができる。
また、図5は、リーダ/ライタテーブルの一例を示している。図5に示すように、リーダ/ライタテーブルは、例えば、「事業者コード」と、「店舗コード」と、リーダ/ライタを識別するための「RWID」(リーダ/ライタID。以下、同様とする。)の情報を含む。情報処理装置100は、例えば図5に示すリーダ/ライタテーブルを補助情報として取得することによって、どの事業者が、どの店舗に、どのリーダ/ライタを設置しているのかを認識することができる。
情報処理装置100は、例えば、図4、図5に示すような補助情報を施策管理サーバ200から取得することによって、新たに提供された販売促進施策や、新規店舗に新たに設置されたリーダ/ライタ、設置場所が変更されたリーダ/ライタに対応することができる。なお、本発明の実施形態に係る補助情報は、図4、図5に示す施策実施店舗テーブルおよびリーダ/ライタテーブルに限られない。例えば、情報処理装置100は、履歴情報や販売促進施策情報などの各種情報を統一的に扱うための情報の変換に用いる対応情報が記録された変換テーブル(図示せず)を、補助情報として施策管理サーバ200から取得することもできる。
再度図3を参照して情報処理装置100における初期設定処理の一例について説明する。情報処理装置100は、内部メモリにおける事業者領域の存在を確認し、確認された各領域から履歴情報を読み出す(S208)。ここで、内部メモリに設けられる事業者領域とは、事業者ごとのサービスに対応するサービスデータなどの各種データ(情報)を記憶するメモリ領域である。情報処理装置100と通信を行うリーダ/ライタ300は、例えば、対応するサービスに応じて所定の事業者領域に選択的にアクセスすることによって、当該サービスに係るサービス処理(例えば、サービスデータの読み書きや、履歴情報の更新など)を行う。
ステップS208において履歴情報が読み出されると、情報処理装置100は、補助情報と履歴情報とに基づいて、判定用履歴情報を更新する(S210)。ここで、判定用履歴情報とは、情報処理装置100が宣言済販売促進施策における当選条件を満たすか否かの判定に用いる履歴情報である。ICチップ内の内部メモリに記憶された履歴情報は、事業者ごとにコード体系などが異なる場合があることから、情報処理装置100は、読み出した履歴情報を補助情報を用いて統一的に扱うことが可能な形式に変換して判定用履歴情報に記録(更新)する。判定用履歴情報は、例えば、記憶部(例えば、後述する記憶部106)に記憶されるが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、判定用履歴情報をICチップ内の内部メモリに記憶し、内部メモリに記憶された判定用履歴情報を更新することもできる。
なお、情報処理装置100が、例えば、判定用履歴情報を用いず、内部メモリに記憶された履歴情報を直接用いることによって、宣言済販売促進施策における当選条件を満たすか否かの判定を行うこともできることは、言うまでもない。以下では、情報処理装置100が、判定用履歴情報を用いて宣言済販売促進施策における当選条件を満たすか否かの判定を行う場合を例に挙げて説明する。
情報処理装置100は、販売促進施策情報の送信を施策管理サーバに要求する(S212)。情報処理装置100は、例えば、販売促進施策情報の送信を要求する情報取得要求を第2の通信路を用いて施策管理サーバ200に送信することによって、ステップS212の処理を行う。ステップS212の処理によって、情報処理装置100は、販売促進施策情報を施策管理サーバ200から取得することができる。
そして、情報処理装置100は、ステップS210の処理によって取得された販売促進施策情報を記憶する(S214)。ここで、情報処理装置100は、ICチップ外に設けられる他の記憶部(例えば、後述する記憶部106)に取得された販売促進施策情報を記憶するが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、取得された販売促進施策情報をICチップ内の内部メモリに記憶することもできる。
図6は、本発明の実施形態に係る販売促進施策情報の一例を示す説明図である。図6に示すように、販売促進施策情報は、例えば、「施策コード」と、「RWID」と、販売促進施策の内容を規定する「施策情報」と、販売促進施策の当選条件を規定する「当選条件」との情報を含む。ここで、図6は、販売促進施策情報がテーブル形式で情報を記憶する例を示している。情報処理装置100は、図6に示すような販売促進施策情報を施策管理サーバから取得することによって、どのような販売促進施策が、どのリーダ/ライタ300で提供され、どのような当選条件が設定されてどの施策コードで識別されるかなどを認識することができる。なお、本発明の実施形態に係る販売促進施策情報が、図6に示す例に限られないことは、言うまでもない。
また、施策管理サーバ200は、例えば図6に示す販売促進施策情報を記憶し、情報処理装置100から送信される情報取得要求に応じて記憶された販売促進施策情報を情報処理装置100へ送信するが、上記に限られない。例えば、施策管理サーバ200は、情報取得要求の受信に応じて、図7に示すような施策テーブルと図4に示す施策実施店舗テーブルと図5に示すリーダ/ライタテーブルとに基づいて販売促進施策情報を生成し、生成された販売促進施策情報を送信することもできる。図7は、本発明の実施形態に係る施策テーブルの一例を示す説明図である。図7に示すように、本発明の実施形態に係る施策テーブルには、販売促進施策の内容と当選条件の情報とが販売促進施策ごとに記録される。また、施策テーブルに含まれる情報は、図6に示す販売促進施策情報と対応していることが分かる。
情報処理装置100は、例えば図3に示すような処理によって、初期設定処理を実現する。なお、本発明の実施形態に係る初期設定処理は、図3に示す処理に限られない。例えば、情報処理装置100は、図3に示す処理の順序を適宜入れ替えて行うこともでき、また、さらに他の処理を含んでいてもよい。
再度図2を参照して、情報処理装置100における処理の一例について説明する。ステップS100、S102において初期設定が行われた状態となると、情報処理装置100は、ユーザに対して販売促進施策を通知するか否かを判定する(S104)。ここで、情報処理装置100は、例えば、ユーザ入力に基づいて適宜設定される設定情報(図示せず)において通知する旨の設定がなされている場合に通知を行うと判定するが、上記に限られない。
ステップS104において販売促進施策を通知すると判定された場合には、情報処理装置100は、ユーザに宣言可能な販売促進施策を通知する施策通知処理を行う(S106)。そして、情報処理装置100は、施策通知処理が完了すると、例えばステップS100からの処理を繰り返す。
〔施策通知処理〕
〔1〕施策通知処理の第1の例
図8は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における施策通知処理の第1の例を示す流れ図である。
情報処理装置100は、情報更新処理を行う(S300)。ここで、情報処理装置100は、最新の情報に基づいて施策通知処理を行うためにステップS300の情報更新処理を行う。
<情報更新処理の一例>
図9は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における情報更新処理の一例を示す流れ図である。
情報処理装置100は、図3のステップS204と同様に、補助情報の送信を施策管理サーバに要求する(S400)。そして、情報処理装置100は、図3のステップS206と同様に、取得された補助情報を記憶する(S402)。
情報処理装置100は、図3のステップS208と同様に、内部メモリにおける事業者領域の存在を確認し、確認された各領域から履歴情報を読み出す(S404)。そして、ステップS404において履歴情報が読み出されると、情報処理装置100は、図3のステップS210と同様に、補助情報と履歴情報とに基づいて、判定用履歴情報を更新する(S406)。
情報処理装置100は、図3のステップS212と同様に、販売促進施策情報の送信を施策管理サーバに要求する(S408)。そして、情報処理装置100は、図3のステップS214と同様に、ステップS408の処理によって取得された販売促進施策情報を記憶する(S410)。
情報処理装置100は、例えば、図9に示すような処理によって、情報更新処理を実現する。情報更新処理が行われることによって、情報処理装置100は、最新の補助情報および販売促進施策情報を施策管理サーバ200から取得することができる。なお、本発明の実施形態に係る情報更新処理は、図9に示す処理に限られない。例えば、情報処理装置100は、図9に示す処理の順序を適宜入れ替えて行うこともできる。
再度図8を参照して、情報処理装置100における施策通知の一例について説明する。ステップS300において各種情報の更新が行われると、情報処理装置100は、未宣言の販売促進施策を確認する(S302)。ここで、情報処理装置100は、例えば、宣言済販売促進施策の有無を確認するによってステップS302の処理を行うことができる。ここで、情報処理装置100は、例えば、販売促進施策の宣言したときに販売促進施策情報にフラグを設定する(図6では、図示せず)ことによって、宣言済販売促進施策であるか否かを判定することができるが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、販売促進施策の宣言したときに当該販売促進施策に対応する施策コードを宣言済販売促進施策データとして記憶し、当該宣言済販売促進施策データに基づいてステップS302の処理を行うこともできる。
ステップS302において未宣言の販売促進施策が確認されると、情報処理装置100は、ステップS302の処理結果に基づいて施策を提示する(S304)。ここで、情報処理装置100は、例えば、未宣言の販売促進施策の情報(例えば、販売促進施策の名称や、当選条件、得られる恩恵に関する情報など)を一覧表示することによって、ユーザに施策を提示するが、上記に限られない。
情報処理装置100は、例えば図8に示す処理を行うことによって、ユーザに未宣言の販売促進施策を通知することができる。また、ユーザは、例えば一覧表示された販売促進施策の情報をみることによって、宣言を所望する販売促進施策を選択して宣言することができる。なお、本発明の実施形態に係る施策通知処理は、図8に示す処理に限られない。例えば、情報処理装置100は、ユーザが販売促進施策を宣言するための指標となる指標情報を通知することもできる。ここで、上記指標情報としては、例えば、ユーザがより恩恵を得られる販売促進施策の情報や、より当選しやすい販売促進施策の情報など、情報処理装置100が選択的に決定した販売促進施策の情報が挙げられるが、上記に限られない。そこで、次に、指標情報をユーザに通知することが可能な施策通知処理の第2の例について説明する。
〔2〕施策通知処理の第2の例
図10は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における施策通知処理の第2の例を示す流れ図である。
情報処理装置100は、図8のステップS300と同様に、情報更新処理を行う(S500)。ステップS500において各種情報の更新が行われると、情報処理装置100は、図8のステップS302と同様に、未宣言の販売促進施策を確認する(S502)。
情報処理装置100は、販売促進施策情報からステップS502において確認した未宣言の販売促進施策に対応する当選条件を読み出す(S504)。そして、情報処理装置100は、ステップS504において読みされた当選条件と、判定用履歴情報とに基づいて、当選条件を満たすか否かの判定を行うために用いる履歴情報に不足している情報があるか否かを判定する(S506)。
ステップS506において不足している情報があると判定されない場合には、情報処理装置100は、施策提示処理を行う(S512)。ステップS512に係る施策提示処理については、後述する。
また、ステップS506において不足している情報があると判定された場合には、情報処理装置100は、補助情報として施策管理サーバ200から取得した取得先情報に基づいて、不足履歴情報の送信を事業者サーバ400に要求する(S508)。ここで、上記不足履歴情報とは、例えば不足する情報に相当する履歴情報である。情報処理装置100は、例えば、不足履歴情報の送信を要求する情報取得要求を第2の通信路を用いて不足する情報に対応する販売促進施策を提供する事業者の事業者サーバ400に送信することによって、ステップS508の処理を行う。ここで、事業者サーバ400は、事業者が所有する管理装置であるので、情報処理装置100が記憶する履歴情報よりもより情報量が大きな提供するサービスに関する履歴情報を記憶する。よって、ステップS508の処理によって、情報処理装置100は、不足履歴情報を事業者サーバ400から取得することができる。
ステップS508において不足履歴情報が取得されると、情報処理装置100は、補助情報と、取得された不足履歴情報とに基づいて、判定用履歴情報を更新する(S510)。情報処理装置100は、ステップS510の処理によって、ステップS506において判定された不足している情報を補完することができる。
ステップS510において判定用履歴情報が更新されると、情報処理装置100は、施策提示処理を行う(S512)。
<施策提示処理>
図11は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100おける施策提示処理の一例を示す流れ図である。
情報処理装置100は、通知設定情報を読み出す(S600)。ここで、通知設定情報とは、例えば、指標情報の通知や、宣言済販売促進施策に関する状態の通知(後述する)に用いられる設定情報である。設定情報には、例えば、容姿や服装、性格などが設定可能なエージェントに関する情報が含まれる。情報処理装置100において本発明の実施形態に係る施策提示処理が行われた場合には、ユーザに情報を通知する役目を果たすエージェントによって、指標情報がユーザに通知される。ここで、情報処理装置100では、例えば、上記エージェントに関する情報をユーザが適宜設定可能とする。つまり、ユーザは自己の嗜好に応じたエージェントを設定することができ、また、当該エージェントによって指標情報がユーザに通知される。よって、情報処理装置100は、本発明の実施形態に係る施策提示処理を行うことによって、販売促進施策の宣言を行う楽しみをユーザに与えることができるので、ユーザによる販売促進施策の利用頻度の向上を図ることができる。本発明の実施形態に係るエージェントの一例および当該エージェントを用いた指標情報の通知の一例については、後述する。
ステップS600において通知設定情報が読み出されると、情報処理装置100は、「N=未宣言の販売促進施策の数」に設定する(S602)。そして、情報処理装置100は、評価値導出処理を行う(S604)。ここで、本発明の実施形態に係る評価値導出処理とは、情報処理装置100が指標情報として通知する販売促進施策を選択的に決定するための評価値を、販売促進施策ごとに導出する処理である。
《評価値導出処理》
図12は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における評価値導出処理の一例を示す説明図である。
情報処理装置100は、未宣言の販売促進施策の中から、1の未宣言の販売促進施策を選択する(S700)。そして、情報処理装置100は、「N=N−1」に設定する(S702)。
情報処理装置100は、販売促進施策情報からステップS700において選択した販売促進施策に対応する当選条件を読み出す(S704)。また、情報処理装置100は、判定用履歴情報を読み出す(S706)。
情報処理装置100は、判定用履歴情報の中から、第1の当選条件(決済手段、店舗)を満たす履歴(レコード)を抽出する(S708)。
情報処理装置100は、ステップS708において抽出された履歴に基づいて、平均利用頻度を導出する(S710)。ここで、情報処理装置100は、例えば、以下の数式1により平均利用頻度を導出することができるが、導出方法は、数式1を用いる方法に限られない。
平均利用頻度=(利用回数)/(期間)
・・・(数式1)
情報処理装置100は、ステップS708において抽出された履歴に基づいて、平均利用金額を導出する。ここで、情報処理装置100は、例えば、以下の数式2により平均利用頻度を導出することができるが、導出方法は、数式2を用いる方法に限られない。
平均利用金額=(利用金額)/(利用回数)
・・・(数式2)
情報処理装置100は、判定用履歴情報の中から、第2の当選条件(期間)を満たす履歴(レコード)を抽出する(S714)。
情報処理装置100は、ステップS714において抽出された履歴に基づいて、予想当選差額を導出する(S716)。ここで、予想当選差額とは、販売促進施策の価値を表す1つの指標である。情報処理装置100は、例えば、以下の数式3により予想当選差額を導出することができるが、導出方法は、数式3を用いる方法に限られない。
予想当選差額={(当選条件を満たすための金額)−(該当決済金額)}−{(残期間)×(平均利用頻度)×(平均利用金額)}
・・・(数式3)
情報処理装置100は、ステップS700において選択された販売促進施策に対応する宣言数の情報の送信を施策管理サーバ200に要求する(S718)。ここで、情報処理装置100は、例えば、宣言数の情報の送信を要求する情報取得要求を第2の通信路を用いて施策管理サーバ200に送信することによって、ステップS718の処理を行う。ステップS718の処理によって、情報処理装置100は、宣言数の情報を施策管理サーバ200から取得することができる。
なお、施策管理サーバ200に宣言数の情報が存在しない場合や、宣言数の情報の送信が許可されていない場合など、情報処理装置100が宣言数の情報を取得できない場合には、情報処理装置100は、例えば、処理を進める。上記の場合、情報処理装置100は、例えば、後述するステップ720をスキップするが、上記に限られない。
情報処理装置100は、販売促進施策情報と、ステップS714において抽出された履歴に基づいて、当選確率を導出する(S720)。ここで、情報処理装置100は、例えば、以下の数式4により当選確率を導出することができるが、導出方法は、数式4を用いる方法に限られない。
当選確率=(当選する総数)/(応募者数)
・・・(数式4)
情報処理装置100は、ステップS714において抽出された履歴と、優先情報とに基づいて、当選価値を導出する。ここで、優先情報とは、例えば、優先する条件が予め設定された情報である。優先情報は、例えば、ユーザのユーザ操作によって適宜設定され、設定に応じた優先指数が適宜更新される。
図13は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における優先度の設定方法の一例を示す説明図である。ここで、図13は、ユーザに優先度を設定させるための操作画面の一例を示している。図13に“施策嗜好設定”と示されているように、本発明の実施形態に係るユーザによる優先度の設定は、ユーザによる施策の嗜好設定に相当する。
ここで、図13に示す「当選差額重視」とは、予想当選差額を重視する設定項目である。また、図13に示す「当選確率重視」とは、当選確率を重視する設定項目である。そして、図13に示す「当選価値重視」とは、当選価値を重視する設定項目である。ユーザが上記設定項目のいずれかを選択することによって、情報処理装置100は、選択された設定項目がより重み付けられた指数を優先指数として更新する。また、情報処理装置100は、図13に示す操作画面をユーザに示すことによって、販売促進施策により得られる恩恵(またはインセンティブ)のうち何を重視するかをユーザに選択させることもできる。
情報処理装置100は、例えば、図13に示す設定項目の組み合わせと優先指数とが一対一に対応付けられたルックアップテーブルを用いることによって、ユーザが選択した設定項目に応じた優先指数(更新する優先指数)を一意に導出することができる。なお、情報処理装置100における優先指数の導出方法が、上記に限られないことは、言うまでもない。
情報処理装置100は、例えば、販売促進施策情報と、更新された優先指数とに基づいて、以下の数式5により当選価値を導出することができるが、導出方法は、数式5を用いる方法に限られない。
当選価値=(当選額)×(優先指数1)
・・・(数式5)
情報処理装置100は、ステップS716〜S722の処理によって導出された予想当選差額、当選確率、当選価値と、優先指数とに基づいて、評価値を導出する(S724)。ここで、情報処理装置100は、例えば、以下の数式6により評価値を導出することができるが、導出方法は、数式6を用いる方法に限られない。また、情報処理装置100は、導出した評価値を、例えば、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ(volatile memory)に保持する。
評価値={(当選確率)^(優先指数2)}×{(当選価値)^(優先指数3)}−{(予想当選差額)×(優先指数4)}
・・・(数式6)
より具体的に示すと、情報処理装置100は、例えば、以下の(a)〜(c)に示すように評価値を導出する。
(a)第1の評価値導出例
・予想当選差額:1000円
・当選確率 :10%
・当選額 :50000円分キャッシュバック
・優先指数1=1.0
・優先指数2=2.0
・優先指数3=優先指数4=1.0
・評価値={(0.1)^(2.0)}×{(50000×1.0)^(1・0)}−{(1000)×(1・0)}=−500
(b)第2の評価値導出例
・予想当選差額:1000円
・当選確率 :50%
・当選額 :10000円分キャッシュバック
・優先指数1=1.0
・優先指数2=2.0
・優先指数3=優先指数4=1.0
・評価値={(0.5)^(2.0)}×{(10000×1.0)^(1・0)}−{(1000)×(1・0)}=1500
(c)第3の評価値導出例
・予想当選差額:1000円
・当選確率 :50%
・当選額 :10000円相当の電化製品
・優先指数1=2.0
・優先指数2=2.0
・優先指数3=優先指数4=1.0
・評価値={(0.5)^(2.0)}×{(10000×2.0)^(1・0)}−{(1000)×(1・0)}=4000
情報処理装置100は、例えば、上記(a)〜(c)に示すように販売促進施策ごとに評価値を導出する。よって、情報処理装置100は、導出した評価値を用いることによって、どの販売促進施策がユーザにとってメリットがあるかを定量的に判定することができる。
情報処理装置100は、例えば図12に示す処理を行うことによって、選択された販売促進施策に対する評価値を導出することができる。なお、本発明の実施形態に係る評価値導出処理が、図12に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
再度図11を参照して、本発明の実施形態に係る施策提示処理の一例について説明する。ステップS604において評価値が導出されると、情報処理装置100は、「N=0」であるか否かを判定する(S606)。ステップS606において「N=0」と判定されない場合には、情報処理装置100は、ステップS604からの処理を繰り返す。
また、ステップS606において「N=0」と判定された場合には、情報処理装置100は、導出した評価値に基づいてユーザに通知する販売促進施策を決定する(S608)。ここで、情報処理装置100は、例えば、導出した評価値の値が最も大きい販売促進施策をユーザに提示する販売促進施策として決定するが、上記に限られない。
ステップS608においてユーザに通知する販売促進施策が決定されると、情報処理装置100は、決定された販売促進施策を提示する(S610)。ここで、ステップS610の処理は、指標情報の通知に相当する。
図14は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における指標情報の通知方法の一例を示す説明図である。ここで、図14は、情報処理装置100が、指標情報を視覚的に通知した例を示している。
情報処理装置100は、例えば図14に示すように、ユーザにより設定されたエージェントによる視覚的なコメントという形で、ユーザに指標情報を通知する。また、図14は、エージェントが宣言することがユーザのメリットとなる販売促進施策をユーザに提案している例を示している。ここで、上述したように、情報処理装置100は、ユーザにより設定された優先情報に基づいて導出された評価値を用いて、ユーザに通知する販売促進施策を決定する。また、販売促進施策を通知するエージェントは、ユーザの嗜好に応じてユーザが適宜設定することができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザが望む条件に近い販売促進施策を、ユーザの嗜好に則った方法でユーザに通知することができる。
なお、図14では、情報処理装置100が指標情報を視覚的に通知する例を示したが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、指標情報を音声を用いて聴覚的に通知することもできる。
情報処理装置100は、例えば図11に示す処理を行うことによって、ユーザが望む条件に近い販売促進施策を、ユーザの嗜好に則った方法でユーザに通知することができる。なお、本発明の実施形態に係る施策提示処理が、図11に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
また、情報処理装置100は、例えば図10に示す処理を行うことによって、未宣言の販売促進施策の情報に基づいて、ユーザが販売促進施策を宣言するための指標となる指標情報をユーザに通知することができる。なお、情報処理装置100は、指標情報の通知と共に、未宣言の販売促進施策の一覧をユーザに提示することもできる。
再度図2を参照して、情報処理装置100における処理の一例について説明する。ステップS104において販売促進施策を通知すると判定されない場合には、情報処理装置100は、販売促進施策が宣言(応募)されているか否かを判定する(S108)。ここで、販売促進施策の宣言とは、例えば、情報処理装置100が当該販売促進施策に対して当選条件の判定を行う対象に設定することを示す。情報処理装置100は、例えば、宣言済販売促進施策が存在するか否かによりステップS108の判定を行う。ここで、情報処理装置100は、例えば、図8のS302と同様に、販売促進施策の宣言したときに販売促進施策情報にフラグを設定することによって、当該フラグを参照することにより宣言済販売促進施策の有無を判定することができるが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、販売促進施策の宣言したときに当該販売促進施策に対応する施策コードを宣言済販売促進施策データとして記憶し、当該宣言済販売促進施策データに基づいてステップS108の判定を行うこともできる。
ステップS108において販売促進施策が宣言されていると判定されない場合には、情報処理装置100は、例えばステップS100からの処理を繰り返す。
また、ステップS108において販売促進施策が宣言されていると判定された場合には、情報処理装置100は、当選判定処理を行う(S110)。ここで、当選判定処理とは、宣言済販売促進施策が当選条件を満たしているか否かを判定する処理である。
〔当選判定処理〕
図15は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における当選判定処理の一例を示す流れ図である。
情報処理装置100は、図8のステップS300と同様に、情報更新処理を行う(S800)。ステップS800において各種情報の更新が行われると、情報処理装置100は、販売促進施策情報から宣言済販売促進施策に対応する当選条件を読み出す(S802)。そして、情報処理装置100は、図10のステップS506と同様に、ステップS802において読みされた当選条件と、判定用履歴情報とに基づいて、履歴情報に不足している情報があるか否かを判定する(S804)。
ステップS804において不足している情報があると判定されない場合には、情報処理装置100は、後述するステップ810からの処理を行う。
また、ステップS804において不足している情報があると判定された場合には、情報処理装置100は、図10に示すステップS508と同様に、不足履歴情報の送信を事業者サーバ400に要求する(S806)。そして、ステップS806において不足履歴情報が取得されると、情報処理装置100は、図10に示すステップS510と同様に、補助情報と取得された不足履歴情報とに基づいて、判定用履歴情報を更新する(S808)。
情報処理装置100は、販売施策情報から宣言済販売促進施策に対応する当選条件を読み出し(S810)、また、判定用履歴情報を読み出す(S812)。なお、情報処理装置100が、ステップS802において読み出した当選条件をRAMなどに保持している場合には、ステップS810の処理を行わなくてもよい。
情報処理装置100は、ステップS810、S812で読み出した当選条件および判定用履歴情報に基づいて、当選条件を満たしているか否かを判定する(S814)。
ステップS814において当選条件を満たしていると判定されない場合には、情報処理装置100は、当選判定処理を終了する。
また、ステップS814において当選条件を満たしていると判定された場合には、情報処理装置100は、ICチップ内の内部メモリの販売促進領域への当選施策情報の書き込みを施策管理サーバ200に要求する(S816)。ここで、情報処理装置100は、例えば、当選施策情報の書き込みを行うための書き込み命令を要求する情報取得要求を第2の通信路を用いて施策管理サーバ200に送信することによって、ステップS816の処理を行う。ステップS816の処理によって、情報処理装置100は、施策管理サーバ200から送信される上記書き込み命令を受信することができる。
ステップS816において書き込み命令を受信すると、情報処理装置100は、書き込み命令に基づいて、当選施策情報をICチップ内の内部メモリの販売促進領域に記録する(S818)。ここで、情報処理装置100は、販売促進施策情報に含まれる宣言済販売促進施策に対応する情報を、当選施策情報として内部メモリの販売促進領域に記録する。
図16は、本発明の実施形態に係る当選施策情報の一例を示す説明図である。本発明の実施形態に係る当選施策情報は、例えば、「施策コード」と、「RWID」と、「施策情報」とからなり、「施策情報」は、「実施期間」と、「実施時間」と、「種別」と、「商品コード」と、「割引率/割引額」との情報を含む。ここで、「実施期間」は、販売促進施策の提供が可能な期間を規定し、「実施時間」は、販売促進施策の提供が可能な時間を規定する。「種別」は、販売促進施策がユーザに提供する恩恵(またはインセンティブ)の種別を規定する情報であり、図16では、例えば、「割引率/割引額」の情報が割引率を示すのか割引額を示すのかを規定する。「商品コード」は、販売促進施策の対象となる商品を規定する。「割引率/割引額」は、割引率または割引額の値を示す。なお、本発明の実施形態に係る当選施策情報は、図16に示すものに限られない。
図6に示す販売促進施策情報と図16に示す当選施策情報とを参照すると、販売促進施策情報に含まれる情報のうちの「施策コード」、「RWID」、および「施策情報」が、当選施策情報となっていることが分かる。上記のように、情報処理装置100は、例えば、販売促進施策情報に含まれる情報から選択的に情報を抽出し、抽出した情報を当選施策情報として内部メモリに記録することができる。
情報処理装置100は、例えば図15に示す処理によって、宣言済販売促進施策が当選条件を満たしているか否かを判定し、判定結果に基づいて、当選施策情報をICチップ内の内部メモリに記録することができる。なお、本発明の実施形態に係る当選判定処理が、図15に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
再度図2を参照して、情報処理装置100における処理の一例について説明する。ステップS110において当選判定処理が行われると、情報処理装置100は、状態通知処理を行う(S112)。ここで、本発明の実施形態に係る状態通知処理とは、例えば、宣言済販売促進施策がどのような状態にあるのかなど、宣言済販売促進施策に関する情報をユーザに通知する処理である。
〔状態通知処理〕
図17は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における状態通知処理の一例を示す説明図である。
情報処理装置100は、図8のステップS300と同様に、情報更新処理を行う(S900)。ステップS900において各種情報の更新が行われると、情報処理装置100は、販売促進施策情報から宣言済販売促進施策に対応する当選条件を読み出す(S902)。そして、情報処理装置100は、図10のステップS506と同様に、ステップS902において読みされた当選条件と判定用履歴情報とに基づいて、履歴情報に不足している情報があるか否かを判定する(S904)。
ステップS904において不足している情報があると判定されない場合には、情報処理装置100は、後述するステップ910からの処理を行う。
また、ステップS904において不足している情報があると判定された場合には、情報処理装置100は、図10に示すステップS508と同様に、不足履歴情報の送信を事業者サーバ400に要求する(S906)。そして、ステップS906において不足履歴情報が取得されると、情報処理装置100は、図10に示すステップS510と同様に、補助情報と取得された不足履歴情報とに基づいて、判定用履歴情報を更新する(S908)。
情報処理装置100は、図11のステップS600と同様に、通知設定情報を読み出す(S910)。
情報処理装置100は、販売施策情報から宣言済販売促進施策に対応する当選条件を読み出し(S912)、また判定用履歴情報を読み出す(S914)。なお、情報処理装置100が、ステップS902において読み出した当選条件をRAMなどに保持している場合には、ステップS912の処理を行わなくてもよい。
情報処理装置100は、ステップS910〜S914で読み出した通知設定情報、当選情報、および判定用履歴情報に基づいて、状態を通知する(S916)。ここで、情報処理装置100は、例えば宣言済販売促進施策に関する情報を通知することによって、ステップS916の処理を行う。
図18、図19それぞれは、本発明の実施形態に係る宣言済販売促進施策に関する情報の通知方法の一例を示す説明図である。ここで、図18、図19は、図14と同様に、ユーザにより設定されたエージェントが、ユーザに対して視覚的なコメントという形で宣言済販売促進施策に関する情報を通知している例を示している。
情報処理装置100は、例えば、図18に示すように、あとどのくらいで当選条件を満たすのかや、当選条件を満たしたときどのような恩恵を得られるのかを、ユーザに通知する。また、情報処理装置100は、宣言済販売促進施策に関する情報をエージェントのコメントにより通知することに限られず、例えば、図19に示すように、当選条件を満たした結果としてユーザが得られた恩恵をグラフィックで視覚的にユーザに通知することもできる。なお、本発明の実施形態に係る宣言済販売促進施策に関する情報の通知方法が、図18、図19に示す方法に限られないことは、言うまでもない。
情報処理装置100は、例えば図17に示す処理を行うことによって、宣言済販売促進施策に関する情報をユーザに通知することができる。よって、ユーザは、例えば、あとどのくらいで当選条件を満たすのかや、当選条件を満たしたときどのような恩恵を得られるのかなどを知ることができる。また、情報処理装置100では、上述した施策通知処理と同様に、ユーザが自己の嗜好に応じて設定したエージェントによって宣言済販売促進施策に関する情報が通知される。したがって、情報処理装置100は、例えば、ユーザの販売促進施策に対するモチベーションの向上を図る(またはモチベーションを高く保つ)ことができる。
再度図2を参照して、情報処理装置100における処理の一例について説明する。ステップS112において状態通知処理が行われると、情報処理装置100は、販売促進施策に当選しているか否かを判定する(S114)。ここで、情報処理装置100は、例えば、ICチップ内の内部メモリに当選施策情報が記録されているか否かに基づいて、ステップS114の判定を行う。
ステップS114において内部メモリに当選施策情報が記録されていると判定されない場合には、情報処理装置100は、例えばステップS100からの処理を繰り返す。
また、ステップS114において内部メモリに当選施策情報が記録されていると判定された場合には、情報処理装置100は、リーダ/ライタ300との通信が行われたか否かを判定する(S116)。ここで、情報処理装置100とリーダ/ライタ300との通信に係る処理(情報処理装置100とリーダ/ライタ300における販売促進施策の享受に関する処理)については、後述する。
ステップS116においてリーダ/ライタ300との通信が行われたと判定されない場合には、情報処理装置100は、例えば、ステップS104からの処理を繰り返す。
また、ステップS116においてリーダ/ライタ300との通信が行われたと判定された場合には、情報処理装置100は、リーダ/ライタ300から送信される削除命令に基づいて、当選施策情報をICチップ内の内部メモリから選択的に削除する(S118)。ここで、ステップS118の処理は、当選施策情報に対応する販売促進施策が享受されたことに相当する。
情報処理装置100では、図2に示すような処理が行われることによって、例えば、販売促進施策の宣言や当選条件の判定、当選した販売促進施策を享受可能な状態への移行など販売促進施策の提供に関する処理を実現する。ここで、情報処理装置100は、自装置に記憶される情報を用いて販売促進施策の提供に関する処理を行うので、従来の技術のように販売促進施策を享受可能な施策対象ユーザを確定するために一定以上の時間を必要とはしない。したがって、情報処理装置100は、例えば図2に示すような販売促進施策の提供に関する処理によって上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現し、情報処理装置を販売促進施策を享受可能な状態とする時間の短縮化を図ることができる。
また、情報処理装置100は、自装置に記憶される情報を用いて販売促進施策の提供に関する処理を行い、処理を行うために不足する情報(例えば、不足履歴情報)がある場合に外部装置に情報の取得を要求する。そして、情報処理装置100は、変換テーブルなどの補助情報を記憶することによって、外部装置から取得した情報を処理に適した情報に変換する。上記により情報処理装置100が、販売促進施策の提供に関する処理において情報処理装置100が外部装置と通信する頻度は低下することとなる。したがって、情報処理装置100は、ネットワーク500のトラフィック量の低減や、アクセスが集中することによる施策管理サーバ200や事業者サーバ400などの外部装置の処理負荷の増大の防止を図ることができる。
なお、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における販売促進施策の提供に関する処理は、図2に示す処理に限られない。例えば、情報処理装置100は、販売促進施策の提供に関する処理を、図2に示す処理とは異なる順序で行うこともできる。
また、上記では、情報処理装置100が、図2に示す施策通知処理(S106)、当選判定処理(S110)、状態通知処理(S112)それぞれにおいて図9に示す情報更新処理を行う例を示したが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理装置100は、電源がオンされたときなど所定のタイミングで情報更新処理を行うこともできる。上記の場合には、販売促進施策の提供に関する処理において情報処理装置100が外部装置と通信する頻度をさらに低下させることができる。
また、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における販売促進施策の提供に関する処理は、図2に示すような一連の処理に限られない。例えば、情報処理装置100は、図2に示す一連の処理とは独立の処理として、販売促進施策に関するコメント(例えば、評論コメント)をユーザに通知することもできる。
〔情報処理装置100におけるその他の処理〕
図20は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における処理の他の例を示す流れ図である。ここで、図20は、情報処理装置100が、ユーザに対して販売促進施策に関する評論コメントを通知する処理の一例を示している。
情報処理装置100は、図8のステップS300と同様に、情報更新処理を行う(S1000)。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の起動時に情報更新処理を行っている場合には、ステップS1000の処理を省略することもできる。
情報処理装置100は、図11のステップS600と同様に、通知設定情報を読み出す(S1002)。ここで、情報処理装置100は、例えば、ユーザ操作に基づく評論コメント要求に応じてステップS1002以降の処理を行うが、上記に限られない。
情報処理装置100は、販売施策情報から宣言済販売促進施策に対応する当選条件を読み出し(S1004)、また判定用履歴情報を読み出す(S1006)。そして、情報処理装置100は、例えば、ステップS1002〜S1006で読み出した通知設定情報、当選情報、判定用履歴情報などに基づいて、評論コメントを通知する。
図21は、本発明の実施形態に係る評論コメントの通知方法の一例を示す説明図である。ここで、図21は、図14と同様に、ユーザにより設定されたエージェントが、ユーザに対して視覚的なコメントという形で評論コメントを通知している例を示している。
情報処理装置100は、例えば、ユーザ操作に基づく任意のタイミングで図21に示すようなコメントをユーザに通知することができる。ここで、情報処理装置100では、上述した施策通知処理と同様に、ユーザが自己の嗜好に応じて設定したエージェントが販売促進施策に関するコメントを通知する。よって、情報処理装置100は、ユーザに対して楽しみを与えることができる、販売促進施策に対するモチベーションの向上を図ることができる。
(本発明の実施形態に係る情報処理システム1000)
次に、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現することが可能な情報処理装置100を含む情報処理システム1000の構成について説明する。
[情報処理装置100]
図22は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示す説明図である。ここで、図22では、リーダ/ライタ300とネットワーク500とを併せて示している。
情報処理装置100は、ICチップ102と、第2通信部104と、記憶部106と、制御部108と、操作部110と、表示部112とを備える。
また、情報処理装置100は、ROM(Read Only Memory;図示せず)や、RAM(図示せず)などを備えてもよい。情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続することができる。ここで、ROMは、制御部108が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAMは、制御部108により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
〔情報処理装置100のハードウェア構成例〕
図23は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図23を参照すると、情報処理装置100は、例えば、MPU160と、ROM162と、RAM164と、記録媒体166と、入出力インタフェース168と、操作入力デバイス170と、表示デバイス172と、通信インタフェース174と、UART176(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)と、ICチップ102とを備える。また、情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス178で各構成要素間を接続する。
MPU160は、MPU(Micro Processing Unit)や、制御機能を実現するための複数の回路が集積されたチップセットなどで構成され、情報処理装置100全体を制御する制御部108として機能する。また、MPU160は、情報処理装置100において、後述する情報要求部120、内部メモリ管理部122、情報管理部124、当選条件判定部126、状態通知部128、および施策通知部130としての役目を果たすこともできる。
ROM162は、MPUが使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、また、RAM164は、MPUにより実行されるプログラムなどを一次記憶する。
記録媒体166は、記憶部106として機能し、例えば、販売促進施策情報や、補助情報、判定用履歴情報、通知設定情報、処理アプリケーションなど様々なデータ(情報)を記憶する。ここで、記録媒体166としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
入出力インタフェース168は、例えば、操作入力デバイス170や、表示デバイス172を接続する。操作入力デバイス170は、操作部110として機能し、また、表示デバイス172は、表示部112として機能する。ここで、入出力インタフェース168としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子などが挙げられるが、上記に限られない。また、操作入力デバイス170は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース168と接続される。操作入力デバイス170としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。また、表示デバイス172は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース168と接続される。表示デバイス172としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display。液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられるが、上記に限られない。なお、入出力インタフェース168は、情報処理装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできることは、言うまでもない。
通信インタフェース174は、情報処理装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)施策管理サーバ200や事業者サーバ400などの外部装置と無線/有線で通信を行うための第2通信部104として機能する。ここで、通信インタフェース174としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられるが、上記に限られない。例えば、通信インタフェース174は、ネットワーク500に対応する構成とすることができる。
UART176は、ICチップ102とバス178とを接続するインタフェースとしての役目を果たす。
ICチップ102は、リーダ/ライタ300との搬送波を用いた通信に係る様々な機能を集積回路にて実現したものであり、耐タンパ性を有する。また、ICチップ102は、リーダ/ライタ300からの各種命令、または、情報処理装置100内のICチップ102以外の構成要素(例えば、制御部108)からの命令など、ICチップ102の外部からの命令に応じて様々なデータ処理を行う。
情報処理装置100は、例えば、図23に示す構成によって、例えば、販売促進施策の宣言や当選条件の判定、当選した販売促進施策を享受可能な状態への移行など販売促進施策の提供に関する処理を実現する。したがって、情報処理装置100は、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現し、情報処理装置を販売促進施策を享受可能な状態とする時間の短縮化を図ることができる。
再度図22を参照して、情報処理装置100の構成要素について説明する。ICチップ102は、リーダ/ライタ300との搬送波を用いた通信に係る様々な機能を集積回路にて実現したものであり、耐タンパ性を有する。ICチップ102は、第1通信部114と、内部制御部116と、内部メモリ118とを備える。
第1通信部114は、例えば、送受信アンテナとしての所定のインダクタンスをもつコイルと、所定の静電容量をもつキャパシタとからなる共振回路を有する。上記構成によって、第1通信部114は、リーダ/ライタ300から送信される搬送波を受信することができる。また、第1通信部114は、例えば、負荷変調部192(後述する)において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。なお、図22では、第1通信部114がICチップの内部に設けられていることを示しているが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、通信アンテナとしての役目を果たす上記共振回路をICチップ102の外部に備えることもできる。
内部制御部116は、第1通信部114が受信したリーダ/ライタ300から送信される送信信号をが示す各種命令やデータに基づいて、様々な処理を行う。例えば、内部制御部116は、リーダ/ライタ300から送信される読出し命令に応じて内部メモリ118から当選施策情報や、リーダ/ライタ300を介してサービスを受けるためのサービスデータ(図示せず)などを読み出す。また、内部制御部116は、例えば、リーダ/ライタ300から送信される書き込み命令や削除命令に応じて、内部メモリ118にデータを記録したり、内部メモリ118からデータを削除する。
内部メモリ118は、ICチップ102内に備わる記憶部であり、耐タンパ性を有する。内部メモリ118には、例えば、履歴情報や、当選施策情報、電子バリューなどのサービスデータなどが記憶される。ここで、図22では、事業者領域A〜Cと販売促進領域Dとが内部メモリ118に設けられている例を示している。また、図22では、各事業者領域に履歴情報140A〜140Cが記憶され、販売促進領域Dに当選施策情報142が記憶されている例を示している。
ICチップ102は、例えば第1通信部114、内部制御部116、内部メモリ118を備えることによって、搬送波を用いた第1の通信路によりリーダ/ライタ300と通信する。ICチップ102を備えることによって情報処理装置100は、リーダ/ライタ300との間の通信によって、内部メモリ118に記録した当選施策情報に対応する販売促進施策を享受する(販売促進施策をユーザに享受させる)ことができる。また、ICチップ102のより具体的な構成と、ICチップ102とリーダ/ライタ300との間において行われる販売促進施策の享受に関する処理については、後述する。
第2通信部104は、情報処理装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)施策管理サーバ200や事業者サーバ400などの外部装置と無線/有線で通信を行う。つまり、第2通信部104は、第2の通信路によって外部装置と通信を行う役目を果たす。また、第2通信部104は、例えば、制御部108によってその通信が制御される。
記憶部106は、情報処理装置100が備える記憶手段である。ここで、記憶部106としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられるが、上記に限られない。
また、記憶部106は、例えば、販売促進施策情報や、補助情報、判定用履歴情報、通知設定情報、処理アプリケーションなど様々なデータ(情報)を記憶する。ここで、図22では、販売促進施策情報144と、補助情報146と、判定用履歴情報148と、優先情報150と、顧客グレード情報152と、通知設定情報154と、処理アプリケーション228とが記憶部106に記憶されている例を示しているが、上記に限られない。例えば、記憶部106は、変換テーブルやリーダ/ライタテーブル、取得先情報など、販売促進施策の提供に関する処理において補助的に用いられる複数の情報を、それぞれ補助情報として記憶することができる。また、上記顧客グレード情報152とは、例えば、サービスの利用頻度やサービスに係る決済の総額などによって事業者側が設定するユーザを分類する情報である。情報処理装置100は、例えば、販売促進施策に複数の当選条件が設定されている場合には、顧客グレード情報152を用いることによって当該複数の当選条件の中から1の当選条件を選択し、当選条件判定処理を行うことができる。
また、記憶部106には、読み書きが制限されるセキュアな領域(セキュア領域E)が設けられる。図22では、判定用履歴情報148がセキュア領域Eに記憶されている例を示している。なお、図22では、情報処理装置100が、読み書きを制限したいデータ(情報)をセキュア領域Eに記憶する例を示しているが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、読み書きを制限したいデータをICチップ102の耐タンパ性を有する内部メモリ118に記憶させることもできる。
制御部108は、例えば、MPUやチップセットなどで構成され、情報処理装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部108は、情報要求部120と、内部メモリ管理部122と、情報管理部124と、当選条件判定部126と、状態通知部128と、施策通知部130とを備え、上述した本発明の実施形態に係る販売促進施策の提供に関する処理を実現する。
情報要求部120は、施策管理サーバ200や事業者サーバ400などの外部装置に対して情報取得要求を第2通信部104を介して送信する。情報要求部120が送信する情報取得要求としては、例えば、販売促進施策情報の送信を要求する情報取得要求や、不足履歴情報の送信を要求する情報取得要求が挙げられるが、上記に限られない。
内部メモリ管理部122は、ICチップ102外から内部メモリ118を管理する役目を果たす。内部メモリ管理部122は、例えば、ICチップ102の内部メモリ118へのデータ(情報)の書き込みや、内部メモリ118からのデータの読出しなどを行う。情報処理装置100は、内部メモリ管理部122を備えることによって、ICチップ102の外部から耐タンパ性を有する内部メモリ118へと当選施策情報を記録することができる。
情報管理部124は、記憶部106に記憶された各種情報を管理する役目を果たす。情報管理部124は、例えば、第2通信部104が外部装置から受信する各種情報(例えば、情報取得要求に応じて外部装置から送信される情報)を記憶部106に記録する。また、情報管理部124は、例えば、内部メモリ管理部122が内部メモリ118から読み出した履歴情報や記憶部106に記憶された補助情報146などに基づいて、判定用履歴情報148を更新する。さらに、情報処理装置100は、例えば操作部110を用いたユーザ操作に基づいて、優先情報150や通知設定情報154を更新することもできる。
当選条件判定部126は、内部メモリ118に記憶された履歴情報に基づく判定用履歴情報148と、記憶部106に記憶された販売促進施策情報とに基づいて、宣言済販売促進施策に対応する当選条件を満たしているかを判定する。よって、当選条件判定部126は、上述した当選判定処理を主導的に行う役目を果たす。なお、当選条件判定部126は、記憶部106に記憶された判定用履歴情報148を用いて判定を行うことに限られず、例えば、内部メモリ118に記憶された履歴情報を適宜判定用履歴情報に変換して判定を行うこともできる。
また、当選条件判定部126は、判定において用いる履歴情報(判定用履歴情報148に含まれる履歴情報)に不足している情報がある場合には、不足している情報の取得を要求する取得命令を情報要求部120に伝達する。上記によって、不足履歴情報が事業者サーバ400などの外部装置から取得されるので、当選条件判定部126は、当選条件に係る判定をより確実に行うことができる。
状態通知部128は、上述した状態通知処理を主導的に行う役目を果たし、宣言済販売促進施策に関する状態をユーザに通知する。ここで、状態通知部128は、例えば、通知設定情報154に基づくエージェントによって、視覚的に宣言済販売促進施策に関する状態の情報をユーザに通知するが、上記に限られない。
施策通知部130は、上述した施策通知処理を主導的に行う役目を果たし、未宣言の販売促進施策の通知や、指標情報の通知を行う。ここで、施策通知部130は、例えば、通知設定情報154に基づくエージェントによって、視覚的に指標情報をユーザに通知するが、上記に限られない。
制御部108は、情報要求部120、内部メモリ管理部122、情報管理部124、当選条件判定部126、状態通知部128、および施策通知部130を備えることによって、上述した販売促進施策の提供に関する処理を行うことができる。また、制御部108の各構成要素は、例えば、記憶部106に記憶された処理アプリケーション228(ソフトウェア)を用いてそれぞれの処理を行うが、上記に限られない。
なお、制御部108の構成は上記に限られない。例えば、制御部108は、第2通信部104における通信を制御する通信制御部(図示せず)や、図2に示す初期設定処理を行う初期設定処理部(図示せず)などを備えてもよい。
操作部110は、ユーザによる操作を可能とする情報処理装置100が備える操作手段である。情報処理装置100は、操作部110を備えることによって、例えば、優先情報150の更新や、通知設定情報154の更新など、情報処理装置100のユーザが所望する処理を情報処理装置100に行わせることができる。ここで、操作部110としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクタ、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
表示部112は、情報処理装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報を表示する。表示部112の表示画面に表示される画面としては、例えば、各種情報を通知する通知画面や、優先情報150の更新を行う設定画面、通知設定情報154の更新を行う設定画面、所望する動作を情報処理装置100に対して行わせるための操作画面などが挙げられる。ここで、表示部112としては、例えば、LCDや有機ELディスプレイなどが挙げられるが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、表示部112を、タッチスクリーンで構成することもできる。上記の場合には、表示部112は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
情報処理装置100は、例えば図22に示す構成によって、販売促進施策の宣言や当選条件の判定、当選した販売促進施策を享受可能な状態への移行など上述した販売促進施策の提供に関する処理を行い、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現する。したがって、情報処理装置100は、情報処理装置を販売促進施策を享受可能な状態とする時間の短縮化を図ることができる。
[施策管理サーバ200]
図24は、本発明の実施形態に係る施策管理サーバ200の構成の一例を示す説明図である。図24では、ネットワーク500にて接続される情報処理装置100A、100B、…を併せて示している。ここで、図24に示す情報処理装置100A、100B、…は、それぞれ図22に示す構成を有する。以下では、情報処理装置100A、100B、…を総称して情報処理装置100とよぶ場合がある。
施策管理サーバ200は、通信部202(サーバ側通信部)と、記憶部204(サーバ側記憶部)と、制御部206と、操作部208と、表示部210とを備える。
また、施策管理サーバ200は、ROM(図示せず)や、RAM(図示せず)などを備えてもよい。施策管理サーバ200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続することができる。ここで、ROMは、制御部206が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAMは、制御部206により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
〔施策管理サーバ200のハードウェア構成例〕
図25は、本発明の実施形態に係る施策管理サーバ200のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図25を参照すると、施策管理サーバ200は、例えば、MPU160と、ROM162と、RAM164と、記録媒体166と、入出力インタフェース168と、操作入力デバイス170と、表示デバイス172と、通信インタフェース174とを備える。また、施策管理サーバ200は、例えば、データの伝送路としてのバス178で各構成要素間を接続する。図25に示すように、施策管理サーバ200は、図23に示す情報処理装置100と基本的に同様のハードウェアによって構成することができる。
MPU160は、図23に示すMPU160と同様の構成を有し、施策管理サーバ200全体を制御する制御部206として機能する。また、MPU160は、施策管理サーバ200において、後述する情報送信制御部212、および領域管理部214としての役目を果たすこともできる。
記録媒体166は、記憶部204として機能し、例えば、情報が記憶されたデータベース(以下、「DB」という。)や、処理アプリケーションなどを記憶する。
通信インタフェース174は、施策管理サーバ200が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)、情報処理装置100などの外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部202として機能する。
施策管理サーバ200は、図25に示すようなハードウェア構成によって、例えば、情報処理装置100が有する内部メモリ118の領域管理や、情報処理装置100から送信される情報取得要求に応じた情報処理装置100への情報の送信を行うことができる。
再度図24を参照して、本発明の実施形態に係る施策管理サーバ200の構成要素について説明する。通信部202は、施策管理サーバ200が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)情報処理装置100などの外部装置と有線/無線で通信を行う役目を果たす。ここで、通信部202は、例えば、制御部206によってその通信が制御される。
記憶部204は、施策管理サーバ200が備える記憶手段である。ここで、記憶部204としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられるが、上記に限られない。
また、記憶部204は、例えば、領域管理DB、販売促進施策DB、施策実施店舗DB、リーダ/ライタDBなどの各種DBや、処理アプリケーションなど様々なデータ(情報)を記憶する。図24では、領域管理DB220、販売促進施策DB222、施策実施店舗DB224、リーダ/ライタDB226、処理アプリケーション228が記憶部204に記憶されている例を示しているが、上記に限られない。ここで、領域管理DB220には、内部メモリの領域管理対象となっている情報処理装置100の情報が記憶される。販売促進施策DB222には、例えば図6に示すような販売促進施策情報が記憶され、施策実施店舗DB224には、例えば図4に示すような施策実施店舗テーブルが記憶される。また、リーダ/ライタDBには、例えば図5に示すようなリーダ/ライタテーブルが記憶される。
制御部206は、例えば、MPUやチップセットなどで構成され、施策管理サーバ200全体を制御する役目を果たす。また、制御部206は、情報送信制御部212と領域管理部214とを備え、例えば、情報処理装置100が有する内部メモリ118の領域管理や、情報処理装置100から送信される情報取得要求に応じた情報処理装置100への情報の送信を行う。
情報送信制御部212は、通信部202が受信した情報取得要求に基づいて、記憶部204に記憶された各DBから情報取得要求に応じた情報を選択的に読み出す。そして、情報送信制御部212は、情報取得要求に応じた情報を当該情報取得要求の送信元の情報処理装置100へと送信する(より厳密には、情報取得要求に応じた情報を通信部202に送信させる。)。
情報送信制御部212を備えることによって、施策管理サーバ200は、販売促進施策情報などの情報取得要求に応じた情報を、情報処理装置100に対して送信することができる。
領域管理部214は、情報処理装置100が備えるICチップ102の内部メモリ118の領域管理を行う。領域管理部214は、例えば、通信部202が受信した販売促進領域の発行(生成)を要求する領域発行要求に基づいて、情報処理装置100に販売促進領域を発行させるための領域発行命令を送信する。上記によって、領域発行命令を受信した情報処理装置100では、内部メモリ118に販売促進領域が生成される。また、領域管理部214は、販売促進領域に限られず、情報処理装置100の内部メモリ118のその他の領域についても同様に生成させることができる。また、領域管理部214は、各種領域発行命令を送信した場合には、送信した領域発行命令に対応する情報を領域管理DB220に記録する。
領域管理部214を備えることによって、施策管理サーバ200は、情報処理装置100が有する内部メモリ118の領域管理を行うことができる。
制御部206は、情報送信制御部212と領域管理部214とを備えることによって、情報処理装置100が有する内部メモリ118の領域管理や、情報処理装置100から送信される情報取得要求に応じた情報処理装置100への情報の送信を行うことができる。なお、制御部206の構成は、上記に限られない。例えば、制御部206は、通信部202における通信を制御する通信制御部(図示せず)などを備えてもよい。
操作部208は、ユーザによる操作を可能とする施策管理サーバ200が備える操作手段である。施策管理サーバ200は、操作部208を備えることによって、例えば、施策管理サーバ200のユーザが所望する処理を施策管理サーバ200に行わせることができる。ここで、操作部208としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
表示部210は、施策管理サーバ200が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報を表示する。表示部210の表示画面に表示される画面としては、例えば、所望する動作を施策管理サーバ200に対して行わせるための操作画面などが挙げられる。ここで、表示部210としては、例えば、LCDや有機ELディスプレイなどが挙げられるが、上記に限られない。
施策管理サーバ200は、例えば図24に示す構成によって、情報処理装置100が有する内部メモリ118の領域管理や、情報処理装置100から送信される情報取得要求に応じた情報処理装置100への情報の送信を行うことができる。
[リーダ/ライタ300]
次に、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300の構成例を、第1の通信路による通信に係る情報処理装置100の構成と対応付けて説明する。図26は、本発明の実施形態における第1の通信路による通信に係る情報処理装置100の構成と、リーダ/ライタ300の構成との一例を示す説明図である。
〔リーダ/ライタ300〕
リーダ/ライタ300は、搬送波信号生成部302と、搬送波送信部304と、復調部306と、制御部308とを備える。また、リーダ/ライタ300は、例えば、POS(Point of sale)装置などのホストコンピュータ(図示せず。以下、「ホストコンピュータ600」とよぶ。)と接続され、ホストコンピュータ600からの送信命令に応じて搬送波信号を送信することができる。
また、リーダ/ライタ300は、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、レジスタ(register;図示せず)、暗号化回路(図示せず)、記憶部(図示せず)、時計(図示せず)、インタフェース(図示せず)などを備えてもよい。リーダ/ライタ300は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。ROMは、リーダ/ライタ300を識別するための固有のリーダ/ライタIDや、制御部308が使用するプログラム、演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAMは、制御部308により実行されるプログラムなどを一次記憶する。レジスタは、制御部108における演算結果や実行状態を保持する。暗号化回路は、搬送波を用いた第1通信による通信を暗号化する。記憶部は、リーダ/ライタ300において用いられるアプリケーション、データなどを記憶する。インタフェースは、ホストコンピュータ600や他の回路などと接続するために設けられる。ここで、記憶部としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。また、インタフェースとしては、例えば、UARTや、ネットワーク端子などが挙げられるが、上記に限られない
搬送波信号生成部302は、制御部308からの搬送波信号生成命令を受け、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。ここで、図26では、搬送波信号生成部302として交流電源が示されているが、本発明の実施形態に係る搬送波信号生成部302は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る搬送波信号生成部302は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調する変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)とを備えることができる。なお、搬送波信号生成部302が生成する搬送波信号には、例えば、情報処理装置100に対する各種処理命令や処理するデータを含めることができるが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る搬送波信号は、情報処理装置100のICチップ102に対して電力供給を行う搬送波を搬送波送信部304に発生させるための信号であってもよい。
搬送波送信部304は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)L1と所定の静電容量を有するキャパシタC1とを備える共振回路を構成する。搬送波送信部304は、上記構成により、搬送波信号生成部302が生成した搬送波信号に応じた搬送波を送信し、また、情報処理装置100のICチップ102から送信される応答信号を受信することもできる。つまり、搬送波送信部304は、リーダ/ライタ300の通信アンテナとしての役目を果たすことができる。
復調部306は、例えば、搬送波送信部304のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、情報処理装置100のICチップ102から送信される応答信号を復調する。なお、復調部306における応答信号の復調手段は、上記に限られず、例えば、搬送波送信部304のアンテナ端における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
制御部308は、例えば、MPUなどで構成され、施策実施判定部310と処理部312とを備える。上記構成によって、制御部308は、復調部306が復調したデータに基づいて、例えば、販売促進施策の享受に関する処理や、復調部306が復調したデータのデータ処理など、様々な処理を行う。ここで、販売促進施策の享受に関する処理としては、例えば、販売促進施策の実施が可能か否か判定処理や、販売促進施策の実施のための処理などが挙げられるが、上記に限られない。また、制御部308は、例えば、処理したデータをホストコンピュータ600へ送信したり、処理したデータに基づいて搬送波信号生成命令を生成することもできる。
施策実施判定部310は、情報処理装置100のICチップ102から読み出した当選施策情報に基づいて、当該当選施策情報に対応する販売促進施策の実施が可能であるか否かを判定する。施策実施判定部310は、例えば、当選施策情報に含まれるRWIDと自装置のRWIDとが一致しているか否かや、現在の日付が当選施策情報に含まれる実施期間の情報が示す期間内であるかなどに基づいて、上記判定を行う。
施策実施判定部310を備えることによって、リーダ/ライタ300は、自装置において販売促進施策の実施のための処理の実施が可能であるか否かを判定することができる。したがって、リーダ/ライタ300を有する情報処理システム1000は、例えば、リーダ/ライタ300が設置される場所(例えば、店舗)ごとの選択的な販売促進施策の実施をより容易に実現することができる。情報処理システム1000は、例えば、所定の期間のみ、あるいは、所定の時間のみの限定的な販売促進施策の実施をより容易に実現することができる。
処理部312は、復調部306が復調したデータをデータ処理など様々な処理を行う。また、処理部312は、施策実施判定部310から伝達される判定結果に基づいて、販売促進施策の実施のための処理を選択的に行う。
リーダ/ライタ300は、例えば上記のような構成によって、搬送波を送信し、情報処理装置100のICチップ102から送信される応答信号を復調して様々な処理を行うことができる。
〔第1の通信路による通信に係る情報処理装置100の構成〕
次に、第1の通信路による通信に係る情報処理装置100の構成について説明する。ここで、図26は、図22に示した情報処理装置100の構成のうちの、第1の通信路による通信に係る情報処理装置100の構成をより具体的に示しており、また、その他の構成については省略している。
情報処理装置100は、搬送波を受信可能な通信アンテナ180と、受信された搬送波に基づいて搬送波信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を送信させるICチップ102とを備える。
通信アンテナ180は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)L2と、所定の静電容量をもつキャパシタC2とからなる共振回路で構成され、搬送波の受信に応じて電磁誘導により誘起電圧を生じさせる。そして、通信アンテナ180は、所定の共振周波数で誘起電圧を共振させた受信電圧を出力する。ここで、通信アンテナ180における共振周波数は、例えば、13.56MHzなど搬送波の周波数に合わせて設定される。通信アンテナ180は、上記構成により、搬送波を受信し、また、ICチップ102が備える負荷変調部192において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。
<ICチップ102の構成>
ICチップ102は、キャリア検出部182と、検波部184と、レギュレータ186と、復調部188と、データ処理部190と、負荷変調部192とを備える。なお、図26では示していないが、ICチップ102は、例えば、過電圧や過電流がデータ処理部190に印加されることを防止するための保護回路(図示せず)をさらに備えることができる。ここで、保護回路(図示せず)としては、例えば、ダイオード等で構成されたクランプ回路が挙げられるが、上記に限られない。
また、ICチップ102は、ROM194、RAM196、内部メモリ118などを備える。データ処理部190と、ROM194、RAM196、内部メモリ118とは、例えば、データの伝送路としてのバス198によって接続される。ROM194は、データ処理部190が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM196は、データ処理部190により実行されるプログラム、演算結果、実行状態などを一次記憶する。
キャリア検出部182は、通信アンテナ180から伝達される受信電圧に基づいて、例えば、矩形の検出信号を生成し、当該検出信号をデータ処理部190へ伝達する。また、データ処理部190は、伝達される上記検出信号を、例えば、データ処理のための処理クロックとして用いる。ここで、上記検出信号は、通信アンテナ180から伝達される受信電圧に基づくものであるので、リーダ/ライタ300から送信される搬送波の周波数と同期することとなる。したがって、ICチップ102は、キャリア検出部182を備えることによって、リーダ/ライタ300との間の処理を、リーダ/ライタ300と同期して行うことができる。
検波部184は、通信アンテナ180から出力される受信電圧を整流する。ここで、検波部184は、ダイオードD1と、キャパシタC3で構成することができるが、上記に限られない。
レギュレータ186は、受信電圧を平滑、定電圧化し、データ処理部190へ駆動電圧を出力する。ここで、レギュレータ186は、受信電圧の直流成分を駆動電圧として用いることができる。
復調部188は、受信電圧に基づいて搬送波信号を復調し、搬送波に含まれる搬送波信号に対応するデータ(例えば、ハイレベルとローレベルとの2値化されたデータ信号)を出力する。ここで、復調部188は、受信電圧の交流成分をデータとして出力することができる。
データ処理部190は、レギュレータ186から出力される駆動電圧を電源として駆動し、復調部188において復調されたデータの処理を行う。ここで、データ処理部190は、例えば、MPUで構成することができるが、上記に限られない。
また、データ処理部190は、リーダ/ライタ300への応答に係る負荷変調を制御する制御信号を処理結果に応じて選択的に生成する。そして、データ処理部190は、制御信号を負荷変調部192へと選択的に出力する。
負荷変調部192は、例えば、負荷ZとスイッチSW1とを備え、データ処理部190から伝達される制御信号に応じて負荷Zを選択的に接続する(有効化する)ことによって負荷変調を行う。ここで、負荷Zは、例えば、所定の抵抗値を有する抵抗で構成されるが、上記に限られない。また、スイッチSW1は、例えば、pチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)や、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、上記に限られない。
ICチップ102は、上記のような構成によって、通信アンテナ180が受信した搬送波信号を処理し、負荷変調によって通信アンテナ180から応答信号を送信させることができる。
情報処理装置100は、例えば、図26に示す構成を有することによって、搬送波を用いた第1の通信路によりリーダ/ライタ300と通信を行うことができる。ここで、図22に示す第1通信部114は、例えば、図26の通信アンテナ180や負荷変調部192などに相当し、図22に示す内部制御部116は、例えばデータ処理部190などに相当する。
[販売促進施策の享受に関する処理の例]
情報処理装置100とリーダ/ライタ300とは、例えば、図26に示す構成によって第1の通信路により通信を行い、販売促進施策の享受に関する処理を行う。そこで、次に、本発明の実施形態に係る情報処理装置100とリーダ/ライタ300における販売促進施策の享受に関する処理について、より具体的に説明する。以下では、図16に示す当選施策情報が情報処理装置100の内部メモリ118に記憶されている場合を例に挙げて、本発明の実施形態に係る販売促進施策の享受に関する処理の一例を説明する。
〔I〕販売促進施策の享受に関する処理の第1の例
図27は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100とリーダ/ライタ300における販売促進施策の享受に関する処理の第1の例を示す説明図である。
情報処理装置100のICチップ102(以下、図27では単に「ICチップ102」とよぶ。)は、リーダ/ライタ300から定期的/非定期的、あるいは継続的に送信される搬送波の受信を検出する(S1100)。ここで、ICチップ102は、例えば、キャリア検出部182が、通信アンテナ180において電磁誘導により発生する誘起電圧に基づく検出信号をデータ処理部190に伝達することによって、ステップS1100の処理を行うことができる。
ステップS1100において搬送波の受信が検出されると、ICチップ102は、受信した旨の応答を行う(S1102)。ここで、ICチップ102は、負荷変調部192において負荷変調を行うことによって、ステップS1102の処理を行うことができる。
ステップS1102においてICチップ102から送信された応答を受信したリーダ/ライタ300は、当選施策情報をICチップ102に送信させるための当選施策情報送信要求を送信する(S1104)。
ステップS1104においてリーダ/ライタ300から送信された当選施策情報取得要求を受信したICチップ102は、当該当選施策情報取得要求に基づいて内部メモリ118から当選施策情報を読出す。そして、ICチップ102は、読み出した当選施策情報をリーダ/ライタ300へ送信する(S1106)。
ステップS1106においてICチップ102から送信された当選施策情報を受信したリーダ/ライタ300は、施策実施判定・実施処理を行う(S1108)。
〔施策実施判定・実施処理〕
図28は、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300における施策実施判定・実施処理の一例を示す流れ図である。
リーダ/ライタ300は、リーダ/ライタID(RWID)が条件を満たしているか否かを判定する(S1200;第1の判定処理)。図29は、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300における施策実施判定・実施処理の第1の判定処理を説明するための説明図である。ここで、図29は、図16に示す当選施策情報を示している。
リーダ/ライタ300は、例えば、取得した当選施策情報のRWID(図29のP1)と、自装置のRWID(例えば、ROMに記憶される。)とのマッチング処理によって、ステップS1200の判定を行う。図29の例では、リーダ/ライタ300のRWIDが、“000002”である場合に、リーダ/ライタ300は、リーダ/ライタIDが条件を満たしていると判定する。また、当選施策情報の「RWID」が例えは“999999”など予め定められた特定の値を有する場合においても、リーダ/ライタ300は、リーダ/ライタIDが条件を満たしていると判定することができる。なお、ステップS1200における判定の方法は、上記に限られない。
ステップS1200においてリーダ/ライタIDが条件を満たしていると判定されない場合には、リーダ/ライタ300は、第1の判定結果を生成する(S1202)。そして、第1の判定結果が生成されると、リーダ/ライタ300は、施策実施判定・実施処理を終了する。ここで、リーダ/ライタ300は、例えば、販売促進施策を実施できないことを示すエラー情報と、販売促進施策を実施できない理由を示すメッセージを情報処理装置100に表示させるためのメッセージ情報とを、第1の判定結果として生成するが、上記に限られない。
ステップS1200においてリーダ/ライタIDが条件を満たしていると判定された場合には、リーダ/ライタ300は、現在の日付が実施期間に含まれるか否かを判定する(S1204;第2の判定処理)。図30は、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300における施策実施判定・実施処理の第2の判定処理を説明するための説明図である。ここで、図30は、図16に示す当選施策情報を示している。
リーダ/ライタ300は、例えば、取得した当選施策情報の実施期間(図30のP2)と、リーダ/ライタ300が備える時計(図示せず)が示す日付情報とのマッチング処理によって、ステップS1204の判定を行う。図30の例では、リーダ/ライタ300が備える時計が示す日付が、2008年8月1日〜2008年8月31日の場合に、リーダ/ライタ300は、現在の日付が実施期間に含まれると判定する。なお、ステップS1204における判定の方法は、上記に限られない。
ステップS1204において現在の日付が実施期間に含まれると判定されない場合には、リーダ/ライタ300は、第2の判定結果を生成する(S1206)。そして、第2の判定結果が生成されると、リーダ/ライタ300は、施策実施判定・実施処理を終了する。ここで、リーダ/ライタ300は、例えば、販売促進施策を実施できないことを示すエラー情報と、販売促進施策を実施できない理由を示すメッセージを情報処理装置100に表示させるためのメッセージ情報とを、第2の判定結果として生成するが、上記に限られない。
ステップS1204において現在の日付が実施期間に含まれると判定された場合には、リーダ/ライタ300は、現在の時刻が実施時間に含まれるか否かを判定する(S1208;第3の判定処理)。図31は、本発明の実施形態に係るリーダ/ライタ300における施策実施判定・実施処理の第3の判定処理を説明するための説明図である。ここで、図31は、図16に示す当選施策情報を示している。
リーダ/ライタ300は、例えば、取得した当選施策情報の実施時間(図31のP3)と、リーダ/ライタ300が備える時計(図示せず)が示す時刻情報とのマッチング処理によって、ステップS1208の判定を行う。図31の例では、リーダ/ライタ300が備える時計が示す時刻が、18:00〜20:00の場合に、リーダ/ライタ300は、現在の時刻が実施時間に含まれると判定する。なお、ステップS1208における判定の方法は、上記に限られない。
ステップS1208において現在の時刻が実施時間に含まれると判定されない場合には、リーダ/ライタ300は、第3の判定結果を生成する(S1210)。そして、第3の判定結果が生成されると、リーダ/ライタ300は、施策実施判定・実施処理を終了する。ここで、リーダ/ライタ300は、例えば、販売促進施策を実施できないことを示すエラー情報と、販売促進施策を実施できない理由を示すメッセージを情報処理装置100に表示させるためのメッセージ情報とを、第3の判定結果として生成するが、上記に限られない。
ステップS1208において現在の時刻が実施時間に含まれると判定された場合には、リーダ/ライタ300は、取得した当選施策情報に対応する販売促進施策の実施のための処理を行う(S1212)。ここで、販売促進施策の実施のための処理としては、例えば、
当選施策情報に応じた割引処理や、店舗の店員に割引処理を行わせるための割引率や割引額の表示処理などが挙げられるが、上記に限られない。また、販売促進施策の実施のための処理が完了した場合には、リーダ/ライタ300は、例えば、情報処理装置100のICチップ102に当選施策情報を削除させるための当選施策情報削除命令を生成する。
リーダ/ライタ300は、例えば図28に示すような処理によって、販売促進施策の実施が可能か否かを判定し、判定結果に基づいて選択的に販売促進施策の実施のための処理を行うことができる。なお、本発明の実施形態に係る施策実施判定・実施処理は、図28に示す処理に限られない。例えば、リーダ/ライタ300は、図28のステップS1200、S1204、S1208の各判定処理を任意の順序で行うことができる。また、リーダ/ライタ300が、施策実施判定・実施処理おいて行う判定処理は、図28に示す第1の判定処理〜第3の判定処理に限られないことは、言うまでもない。
再度図27を参照して本発明の実施形態に係る情報処理装置100とリーダ/ライタ300における販売促進施策の享受に関する処理の第1の例について説明する。ステップS1108において施策実施判定・実施処理が行われると、リーダ/ライタ300は、判定結果(上述した第1の判定結果〜第3の判定結果。)または当選施策情報削除命令を送信する(S1110)。
ステップS1110においてリーダ/ライタ300から送信された判定結果または当選施策情報削除命令を受信したICチップ102は、当選施策情報を内部メモリ118から削除する削除処理を選択的に行う(S1112;削除処理)。
ここで、ICチップ102は、当選施策情報削除命令が受信された場合に削除処理を行う。また、判定結果が受信された場合には、ICチップ102は、例えば、制御部108に判定結果を伝達する。そして判定結果が伝達されると、制御部108は、例えば、判定結果に含まれるメッセージ情報に応じたメッセージを表示部112に表示する。ここで、制御部108は、通知設定情報154に基づくエージェントにより上記メッセージを通知させてもよい。
また、図27では示していないが、リーダ/ライタ300は、例えば、当選施策情報削除命令と共に、処理結果の情報(決済履歴)および当該情報の書き込み命令を送信する。そして、ICチップ102は、上記書き込み命令に基づいて処理結果の情報(決済履歴)を対応する事業者領域内の履歴情報に記録(または、新規作成)する。ICチップ102の内部メモリ118に記憶される履歴情報は、例えば上記のように、第1通信部114を用いた通信結果(第1の通信路による通信の通信結果)に基づいて更新される。
ICチップ102は、例えば、ステップS1112における削除処理の結果、または判定結果を受信した旨の受信結果などを示す処理結果を送信する(S1114)。
情報処理装置100とリーダ/ライタ300との間では、例えば図27に示す処理が行われる。ここで、図27に示す販売促進施策の享受に関する処理の第1の例では、リーダ/ライタ300が販売促進施策の実施が可能か否かを判定し、判定結果に基づいてリーダ/ライタ300が選択的に販売促進施策の実施のための処理を行う。よって、図27に示す販売促進施策の享受に関する処理が行われることによって、情報処理システム1000は、例えば、特定のリーダ/ライタ、特定の期間、特定の時間においてユーザに販売促進施策を享受させることができる。
〔II〕販売促進施策の享受に関する処理の第2の例
上記では、本発明の実施形態に係る販売促進施策の享受に関する処理の第1の例として、リーダ/ライタ300が、販売促進施策の実施が可能か否かの判定と、選択的な販売促進施策の実施のための処理の実施とを行う例を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る販売促進施策の享受に関する処理は、上記に限られない。例えば、販売促進施策の実施が可能か否かの判定処理と、販売促進施策の実施のための処理とを異なる装置で行うこともできる。そこで、次に、本発明の実施形態に係る販売促進施策の享受に関する処理の第2の例として、販売促進施策の実施が可能か否かの判定処理と、販売促進施策の実施のための処理とを異なる装置で行う場合における処理の一例を示す。
図32は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100とリーダ/ライタ300における販売促進施策の享受に関する処理の第2の例を示す説明図である。ここで、図32は、リーダ/ライタ300が、POS装置などのホストコンピュータ600と接続されている場合における処理の例を示している。
情報処理装置100のICチップ102(以下、図32では単に「ICチップ102」とよぶ。)は、図27のステップS1100と同様に、リーダ/ライタ300から定期的/非定期的、あるいは継続的に送信される搬送波の受信を検出する(S1300)。
ステップS1300において搬送波の受信が検出されると、ICチップ102は、図27のステップS1102と同様に、受信した旨の応答を行う(S1302)。
ステップS1302においてICチップ102から送信された応答を受信したリーダ/ライタ300は、図27のステップS1104と同様に、当選施策情報をICチップ102に送信させるための当選施策情報送信要求を送信する(S1304)。
ステップS1304においてリーダ/ライタ300から送信された当選施策情報取得要求を受信したICチップ102は、当該当選施策情報取得要求に基づいて内部メモリ118から当選施策情報を読出す。そして、ICチップ102は、図27のステップS1160と同様に、読み出した当選施策情報をリーダ/ライタ300へ送信する(S1306)。
ステップS1306においてICチップ102から送信された当選施策情報を受信したリーダ/ライタ300は、施策実施判定処理を行う(S1308)。ここで、ステップS1308の施策実施判定処理とは、販売促進施策の実施が可能か否かを判定する処理である。リーダ/ライタ300は、例えば、図28に示すステップS1200〜S1210の処理を行うことによって、販売促進施策の実施が可能か否かを判定する。なお、本発明の実施形態に係る施策実施判定処理が上記に限られないことは、言うまでもない。
ステップS1308において販売促進施策の実施が可能であると判定されない場合には、リーダ/ライタ300は、図27に示す第1の例と同様に、判定結果をICチップ102に送信する(図示せず)。
また、ステップS1308において販売促進施策の実施が可能であると判定された場合には、リーダ/ライタ300は、ICチップ102から取得した当選施策情報をホストコンピュータに送信する(S1310)。
ステップS1310においてリーダ/ライタ300から送信された当選施策情報を受信したホストコンピュータ600は、施策実施処理を行う(S1312)。ここで、ホストコンピュータ600は、例えば図28に示すステップS1212と同様の処理によって施策実施処理を行うが、上記に限られない。そして、ホストコンピュータ600は、施策実施処理の処理結果をリーダ/ライタ300に送信する(S1314)。
ステップS1314において処理結果を受信したリーダ/ライタ300は、処理結果に基づいて当選施策情報削除命令を生成する。そして、リーダ/ライタ300は、当選施策情報削除命令をICチップ102に送信する(S1316)。
ステップS1316においてリーダ/ライタ300から送信された当選施策情報削除命令を受信したICチップ102は、図27のステップS1112と同様に、当選施策情報を内部メモリ118から削除する削除処理を行う(S1318;削除処理)。そして、ICチップ102は、例えば、ステップS1112における削除処理の結果を示す処理結果を送信する(S1320)。
情報処理装置100とリーダ/ライタ300との間では、例えば図32に示す処理が行われる。ここで、図32に示す販売促進施策の享受に関する処理の第2の例では、リーダ/ライタ300が販売促進施策の実施が可能か否かを判定し、ホストコンピュータ600が判定結果に基づいてリーダ/ライタ300が選択的に販売促進施策の実施のための処理を行う。よって、図32に示す販売促進施策の享受に関する処理が行われることによって、情報処理システム1000は、図27に示す第1の例と同様に、例えば、特定のリーダ/ライタ、特定の期間、特定の時間においてユーザに販売促進施策を享受させることができる。
以上のように、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000は、情報処理装置100と、施策管理サーバ200と、リーダ/ライタ300と、事業者サーバ400とを有する。情報処理装置100は、販売促進施策の宣言や当選条件の判定、当選した販売促進施策を享受可能な状態への移行など上述した販売促進施策の提供に関する処理を行う。ここで、情報処理装置100は、自装置に記憶される情報を用いて販売促進施策の提供に関する処理を行うので、従来の技術のように販売促進施策を享受可能な施策対象ユーザを確定するために一定以上の時間を必要とはしない。したがって、情報処理装置100を有する情報処理システム1000は、情報処理装置を販売促進施策を享受可能な状態とする時間の短縮化を図ることができる。
また、情報処理装置100は、自装置に記憶される情報を用いて販売促進施策の提供に関する処理を行い、処理を行うために不足する情報(例えば、不足履歴情報)がある場合に外部装置に情報の取得を要求する。そして、情報処理装置100は、変換テーブルなどの補助情報を記憶することによって、外部装置から取得した情報を処理に適した情報に変換する。上記により情報処理装置100が、販売促進施策の提供に関する処理において情報処理装置100が外部装置と通信する頻度は低下することとなる。したがって、情報処理装置100は、ネットワーク500のトラフィック量の低減や、アクセスが集中することによる施策管理サーバ200や事業者サーバ400などの外部装置の処理負荷の増大の防止を図ることができる。
また、情報処理装置100は、例えば、自装置に記憶される履歴情報などの各種情報と、ユーザにる設定が可能な優先情報とに基づいて、未宣言の販売促進施策のうちどの販売促進施策がユーザにとってメリットがあるかを定量的に判定する。そして、情報処理装置100は、判定結果に基づくユーザが販売促進施策を宣言するための指標となる指標情報を通知する。ここで、情報処理装置100は、ユーザにより設定された優先情報に基づいて導出された評価値を用いてユーザに通知する販売促進施策を決定するので、ユーザにとってより価値の高い指標情報をユーザに通知することができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザによる販売促進施策の宣言を補助することができる。
さらに、情報処理装置100は、ユーザが適宜設定可能な通知設定情報に基づくエージェントを用いて様々な情報をユーザに通知する。ここで、エージェントは、ユーザの嗜好に応じてユーザが適宜設定することができるので、様々な情報をユーザの嗜好に則った方法でユーザに通知することができる。したがって、情報処理装置100は、ユーザに対して販売促進施策の宣言を行う楽しみを与えることができ、また、販売促進施策に対するモチベーションの向上や、販売促進施策の利用頻度の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する構成要素として情報処理装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの携帯型通信装置、WALK MAN(登録商標)などの映像/音楽再生装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機、PCなどのコンピュータなど、様々な機器に適用することができる。
また、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する構成要素として施策管理サーバ200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、サーバ(Server)やPCなどのコンピュータなど、様々な機器に適用することができる。
また、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000を構成する構成要素としてリーダ/ライタ300を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、リーダ/ライタそのものや、リーダ/ライタ機能(すなわち、搬送波を主体的に送信する機能)を有する携帯電話などの携帯型通信装置、リーダ/ライタ機能を有するPCなどのコンピュータなど、リーダ/ライタ機能を有する様々な機器に適用することができる。
(本発明の実施形態の情報処理装置に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る情報処理装置100として機能させるためのプログラムによって、情報処理装置を販売促進施策を享受可能な状態とする時間の短縮化を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、図22、図26では、情報処理装置100がICチップ102を備える構成を示したが、本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、図26に示すICチップ102の構成をICチップとして実現しない構成とすることもできる。上記の構成であっても、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、自装置に記憶される情報を用いて販売促進施策の提供に関する処理を行うことができるので、上述した情報処理装置100と同様の効果を奏することができる。
また、例えば、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る情報処理装置100として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記各プログラムを記憶させた記憶媒体も併せて提供することができる。
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。