JP2009110202A - 電子財布装置、通信方法、およびプログラム - Google Patents

電子財布装置、通信方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数枚の非接触ICカードに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と非接触通信を行うことが可能な電子財布装置、通信方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の非接触ICカードを着脱可能に収納する収納部と、外部装置と非接触通信を行う外部通信用アンテナと、外部装置から送信される通信要求を復調し、応答信号を送信する送受信部と、所定のサービスに対応する電子バリューを記憶する記憶部と、非接触ICカードの装着に応じて非接触ICカードの種別を判定するカード認識部と、判定結果に応じて非接触ICカードに記憶された電子バリューを記憶部に記録するカード内部情報記録部と、記憶部に記憶された電子バリューの中から対応する電子バリューを選択して通信要求が要求する処理を行い、応答信号を送受信部に送信させるデータ処理部とを備える電子財布装置が提供される。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子財布装置、通信方法、およびプログラムに関する。
近年、リーダ/ライタ(または、リーダ/ライタ機能を有する情報処理装置)と非接触式に通信可能な非接触IC(Integrated Circuit)カードが普及している。リーダ/ライタと非接触ICカードとは、例えば13.56MHzなど特定の周波数の磁界を搬送波として用いることにより通信を行う。具体的には、リーダ/ライタが搬送波信号をのせた搬送波を送信し、搬送波をアンテナで受信した非接触ICカードが負荷変調によって受信した搬送波信号に対する応答信号を返信することによって、リーダ/ライタと非接触ICカードとは通信を行うことができる。また、非接触ICカードは、例えば13.56MHzなど特定の周波数(共振周波数)で共振させる共振回路を備えることによりリーダ/ライタから送信される搬送波信号の復調などをより確実なものとし、リーダ/ライタとの間の通信の安定化を図っている。
したがって、非接触ICカードが、例えば、財布やICカードホルダーなどに入れたままの状態であっても、リーダ/ライタにかざすだけでデータ通信を行うことができる。このため、非接触ICカードは、例えば、電子マネーシステム、交通機関の改札システム、社員証などを用いた入館・入室用システムなど、種々のサービスを提供するICカードシステムに応用されており、非接触ICカードの普及がますます進んでいる。
ICカードシステムが社会的に広がるにつれ、ユーザが同種または異種のサービスに関する複数枚の非接触ICカードを所持することは珍しいことではなくなってきている。ここで、電子マネーが記憶された非接触ICカードを例に挙げると、ユーザが電子マネーが記憶された非接触ICカードを複数枚所持している場合には、それぞれの非接触ICカードに対して個別に電子マネーを入金する必要がある。しかしながら、一度入金された電子マネーの値は、たとえ同種のサービスに対応する非接触ICカード間であっても移動させることはできないので、ユーザは、非接触ICカードごとに入金した電子マネーを使用するしかない。したがってユーザに不便を強いていた。
このような中、発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて使用可能とする技術が開発されている。プリペイド型の電子マネーにおいて、発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて小額決済を行う技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
特開2004−133693号公報
しかしながら、発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて使用可能とする従来の技術は、各電子マネーの発行元サーバへの照会が必要な大規模なシステムを必要とする。したがって、例えば、ネットワーク障害などが発生して発行元サーバへの照会が行えない場合には、複数の電子マネーを組み合わせて使用することはできない。また、発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて使用可能とする従来の技術を用いたとしても非接触ICカード間で電子マネーを移動させることはできないことから、上記のように、例えば、ネットワーク障害などが発生して発行元サーバへの照会が行えない場合には、結局の所1枚の非接触ICカードを用いて決済を行うしかなく、ユーザへ強いる不便を解消することはできない。
また、ICカードシステムが社会的に広がるにつれ、ユーザが同種または異種のサービスに関する複数枚の非接触ICカードを携帯することは珍しいことではなくなってきている。複数枚の非接触ICカードを携帯するに際して、ユーザは、例えば、複数枚の非接触ICカードを財布やバック、ICカードホルダーなどに入れて携帯する。ユーザが、例えば、上記のようにまとめて携帯された複数枚の非接触ICカードを同時にリーダ/ライタにかざした場合、複数枚の非接触ICカードがリーダ/ライタの通信範囲内(リーダ/ライタの発する磁界の強さが通信可能な所定の大きさの範囲内)に存在することとなる。この場合、複数枚の非接触ICカードのアンテナコイルが互いに磁気結合するなど種々の要因により各非接触ICカードにおける共振周波数にずれが生じ、いずれの非接触ICカードも通信できなくなるという問題が起こりうる。上記の場合には、例えば、電子マネーや電子チケット、公共交通機関の電子乗車券などの電子バリューを用いたサービスを受けることはできないことから、ユーザは、非接触ICカードを再度(あるいは、複数回)リーダ/ライタにかざす動作を行わなければならない。ここで、電子バリューとは、経済的な価値を有する情報を電子化したものである。
しかしながら、発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて使用可能とする従来の技術は、上記の問題について何らの考慮もしていないので、たとえ、ネットワーク障害などが生じていない場合であっても、決済が行えない場合が起こりうる。したがって、発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて使用可能とする従来の技術を用いたとしても、ユーザに負担を課してしまう。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことが可能な、新規かつ改良された電子財布装置、通信方法、およびプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、外部装置と非接触通信可能な複数の非接触ICカードを着脱可能に収納する収納部と、上記外部装置と非接触通信を行うための外部通信用アンテナと、上記外部通信用アンテナが受信した上記外部装置から送信される所定のサービスに関連する通信要求を復調し、上記外部通信用アンテナを介して上記外部装置へ応答信号を送信する送受信部と、所定のサービスに対応する電子バリューを1、または2以上記憶する記憶部と、上記収納部における上記非接触ICカードの装着に応じて、装着された上記非接触ICカードの種別を判定するカード認識部と、上記カード認識部の判定結果に応じて、上記収納部に装着された非接触ICカードに記憶された電子バリューを上記記憶部に記録するカード内部情報記録部と、上記送受信部が復調した通信要求に基づいて、上記記憶部に記憶された電子バリューの中から上記通信要求が対応する電子バリューを選択して上記通信要求が要求する処理を行い、上記処理に応じた応答信号を上記送受信部に送信させるデータ処理部とを備える電子財布装置が提供される。
かかる構成により、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
また、上記カード内部情報記録部は、上記記憶部に記憶された電子バリューのうち上記非接触ICカードに記憶された電子バリューと対応する電子バリューの値に上記非接触ICカードに記憶された電子バリューの値を加算し、上記非接触ICカードに記憶された電子バリューの値を上記加算の分減算してもよい。
かかる構成により、記録前の電子バリューの値の総和と、記録後の電子バリューの値の総和とを同一に保った状態で、複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に管理することができる。
また、上記カード認識部は、上記非接触ICカードに記憶されたコードに基づいて、装着された上記非接触ICカードに記憶された電子バリューが上記記憶部に記憶可能な電子バリューであるか否かを上記種別として判定してもよい。
かかる構成により、外部装置との間の通信において使用可能な電子バリューを選択的に記憶することができる。
また、1または2以上の外部装置と通信可能な通信部をさらに備え、上記カード認識部は、装着された上記非接触ICカードに記憶された電子バリューを上記記憶部に記憶可能な電子バリューではないと判定した場合には、上記通信部を介して上記外部装置と通信し、装着された上記非接触ICカードの上記コードに対応するための対応情報を取得してもよい。
かかる構成により、汎用性をより高めることができる。
また、上記収納部に収納された上記非接触ICカードが記憶する電子バリューに対応する上記記憶部に記憶された電子バリューの値を、選択的に上記非接触ICカードが記憶する上記電子バリューへと書き戻すカード内部情報書き戻し部をさらに備えてもよい。
かかる構成により、収納された非接触ICカード間で電子バリューを移動させることができる。
また、上記カード内部情報書き戻し部は、上記非接触ICカードが記憶する上記電子バリューの値に上記記憶部に記憶された電子バリューの値を加算し、上記記憶部に記憶された電子バリューの値を上記加算の分減算してもよい。
かかる構成により、書き戻し前の電子バリューの値の総和と、書き戻し後の電子バリューの値の総和とを同一に保つことができる。
また、上記カード内部情報書き戻し部が電子バリューの値を書き戻す上記収納部に収納された上記非接触ICカードの選択、および/または、上記カード内部情報書き戻し部が書き戻す電子バリューの選択、および/または、上記カード内部情報書き戻し部が書き戻す電子バリューの値の選択を行う操作部をさらに備えてもよい。
かかる構成により、ユーザ入力に応じて記憶部に記憶された電子バリューを非接触ICカードに選択的に書き戻すことができる。
また、上記収納部は、上記カード内部情報書き戻し部において非接触ICカードへの電子バリューの値の書き戻しが完了すると、電子バリューの値が書き戻された上記非接触ICカードの排出を可能としてもよい。
かかる構成により、書き戻し前の電子バリューのバリュー値の総和と、書き戻し後の電子バリューのバリュー値の総和とを同一に保つことができる。
また、上記記憶部に記憶された電子バリューの記憶方式を管理する電子バリュー管理部をさらに備えてもよい。
また、上記電子バリュー管理部は、上記記憶部に記憶される電子バリューをサービスごとに記憶させてもよい。
また、上記電子バリュー管理部は、電子バリューの相互利用が可能な関連するサービスの電子バリューを一つの電子バリューとして上記記憶部に記憶させてもよい。
また、上記電子バリュー管理部は、電子マネーを通貨ごとに共通の電子バリューとして上記記憶部に記憶させてもよい。
かかる構成により、複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に管理することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、外部装置と非接触通信可能な複数の非接触ICカードを収納可能な収納部と、上記外部装置と非接触通信を行うための外部通信用アンテナと、記憶部とを備える電子財布装置における通信方法であって、上記収納部における非接触ICカードの装着を検出するステップと、上記検出するステップにおいて上記非接触ICカードの装着が検出されると、装着された上記非接触ICカードの種別を判定するステップと、上記判定するステップの判定結果に応じて検出された上記非接触ICカードに記憶された電子バリューを上記記憶部に記録するステップと、上記外部装置から送信された所定のサービスに関連する通信要求を上記外部通信用アンテナが受信すると、上記記憶部に記憶された電子バリューの中から上記通信要求に対応する電子バリューを選択するステップと、上記選択するステップにおいて選択された上記電子バリューを用いて上記通信要求に対応する処理を行うステップと、上記処理を行うステップにおける処理結果に応じた応答信号を上記外部通信用アンテナを介して上記外部装置へ送信するステップとを有する通信方法が提供される。
かかる方法を用いることにより、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、外部装置と非接触通信可能な複数の非接触ICカードを収納可能な収納部と、上記外部装置と非接触通信を行うための外部通信用アンテナと、記憶部とを備える電子財布装置において用いることが可能なプログラムであって、上記収納部における非接触ICカードの装着を検出するステップ、上記検出するステップにおいて上記非接触ICカードの装着が検出されると、装着された上記非接触ICカードの種別を判定するステップ、上記判定するステップの判定結果に応じて検出された上記非接触ICカードに記憶された電子バリューを上記記憶部に記録するステップ、上記外部装置から送信された所定のサービスに関連する通信要求を上記外部通信用アンテナが受信すると、上記記憶部に記憶された電子バリューの中から上記通信要求に対応する電子バリューを選択するステップ、上記選択するステップにおいて選択された上記電子バリューを用いて上記通信要求に対応する処理を行うステップ、上記処理を行うステップにおける処理結果に応じた応答信号を上記外部通信用アンテナを介して上記外部装置へ送信するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
かかるプログラムにより、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
本発明によれば、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(本発明の実施形態に係る電子財布装置)
まず、本発明の実施形態に係る電子財布装置の外観について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10の外観構成の一例を示す説明図である。
図1に示すように、電子財布装置10は、例えば、ユーザが衣服のポケットやバッグなどに入れて携帯可能な大きさの電子機器とすることができる。電子財布装置10は、複数の非接触ICカード1A、1B、1C(以下「非接触ICカード1」と総称する場合もある。)を収納可能な収納ケースとして機能する。ユーザは、電子財布装置10に複数枚の非接触ICカード1を収納することで、当該複数枚の非接触ICカード1をまとめて携帯することができる。
電子財布装置10は、例えば、略直方体形状の筐体101と、複数の非接触ICカード1を収納可能な収納部102と、ユーザ入力インターフェースとしての操作部103と、非接触ICカード1を利用したサービスに関連する各種情報を表示する表示部104と、を備える。
収納部102は、例えば、筐体101の一側面に、相互に平行に並設された複数のスロット102A、102B、102Cからなる。スロット102A〜102Cに対して非接触ICカード1A〜1Cを挿抜する(着脱する)ことにより、電子財布装置10内に非接触ICカード1を着脱自在に内蔵することができる。
なお、図1に示す電子財布装置10では、3枚の非接触ICカード1A〜1Cを収納できるように3つのスロット102A〜102Cを備えているが、本発明の実施形態に係る電子財布装置は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る電子財布装置は、1枚または2枚あるいは4枚以上の非接触ICカードを収納することもできる。また、図1に示す電子財布装置10では、3つのスロット102A〜102Cを同一形状として示しているが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る電子財布装置は、多様な形状、大きさの非接触ICカードに対応するために、相異なる形状のスロットを設けてもよい。さらに、図1に示す電子財布装置10では、一つのスロットに1枚の非接触ICカードが挿入される例を示しているが、かかる構成に限られず、例えば、一つのスロットに複数枚の非接触ICカードが挿入可能であってもよい。
[非接触ICカード]
ここで、本発明の実施形態に係る非接触ICカード1についてより詳細に説明する。非接触ICカード1は、例えば、薄型のカード外装内にホスト装置のリーダ/ライタ(Reader/Writer:データ読書装置)と非接触通信するためのアンテナと、所定の演算処理を実行可能なICが搭載されたICチップとを備えている(図3参照。)。ICチップは、耐タンパ性を有することができ、例えば、電子マネーなどデータの改竄が問題となるデータの書き込み、更新などを安全に行うことができる。なお、本発明の実施形態に係る非接触ICカードは、アンテナとICチップとが別体として備えられる構成に限られず、例えば、ICチップ内にアンテナが内蔵されてもよいし、または、アンテナとICチップとを一体のパッケージとして備えることもできる。
非接触ICカード1が備えるアンテナは、例えば、所定のインダクタンスをもつコイルおよび所定の静電容量をもつキャパシタを有して共振回路を構成することができる。非接触ICカード1は、リーダ/ライタから送信される所定周波数の磁界(以下、「搬送波」という。)がアンテナを通過するときに電磁誘導により生じる誘起電圧の交流成分を復調することによりリーダ/ライタから送信されるデータを取り出し、また、誘起電圧の直流成分から電力を得て駆動することができる。
また、非接触ICカード1は、負荷変調を行うことによりアンテナから搬送波に対する反磁界を発生させることにより、応答を行うことができる。リーダ/ライタは、負荷変調によって生じるリーダ/ライタからみた非接触ICカード1のインピーダンスの変化を、非接触ICカード1からの応答信号として検出することができる。
上述したように、リーダ/ライタと非接触ICカード1とは、搬送波を用いることにより非接触通信を行うことができるので、例えば、ユーザが非接触ICカードをリーダ/ライタにかざすだけで、リーダ/ライタ非接触ICカード1間の通信が行われる(例えば、データの読み書きを行うことができる。)。非接触ICカード1は、リーダ/ライタに対して抜き差しする必要がないため使い易く、迅速にデータを送受信でき、改造・変造しにくいため安全性が高く、データを書き換えることでカード自体を何度も再利用可能であるといった利便性を有する。
したがって、非接触ICカード1を利用したサービスの提供が社会的に広がっており、各種のサービスを提供するICカードシステムが稼動している。非接触ICカード1を利用したICカードシステムとしては、例えば、電子マネーシステム、交通機関の改札システム、高速道路の料金徴収システム、電子決済システム、建造物への入館・入室用やPC(Personal Computer)のログイン用などのセキュリティシステムなどがある。
ここで、非接触ICカード1に記憶される情報は、経済的な価値を有する情報、すなわち電子バリューと、経済的な価値を有さない情報とに大きく分けることができる。
〔A〕電子バリューを記憶する非接触ICカード1の例
電子バリューを記憶する非接触ICカード1としては、例えば、以下の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)電子マネー、ポイント、クーポンなどのデータを記憶した電子マネーカード
(2)電車、バス、高速道路等の交通機関の定期券または指定券、プリペイド式の運賃のデータなどを記憶した交通機関カード
(3)各種の店舗や施設のポイントカード、クーポンカード
(4)映画館、コンサート会場、スポーツ競技場、アミューズメント施設などの電子チケットデータを記憶した電子チケットカード、
(5)インターネット上でのショッピングや、動画・音楽コンテンツの配信、有価証券・預金等の金融商品の売買などといった電子商取引に用いる電子決済カード
〔B〕電子バリュー以外の情報を記憶する非接触ICカード1の例
また、電子バリュー以外の情報を記憶する非接触ICカード1としては、例えば、以下の(6)、(7)が挙げられる。
(6)身分確認や、出退勤の管理、建造物への入退出時の鍵として使用される社員証、学生証などの身分証として用いられる個人認証用カード
(7)各種の店舗や施設を利用するための会員証カード
また、1枚の非接触ICカード1で上記に挙げた複数の機能を併せ持ったマルチアプリケーションタイプのカードも開発されており、非接触ICカード1の種類はますます多様化している。
電子財布装置10は、例えば、図1に示すように、これら多種多様な非接触ICカード1を複数枚収納できる構造を有している。これにより、ユーザは、複数枚の非接触ICカード1を電子財布装置10に収納した状態でまとめて携帯することができる。
以下では、本発明の実施形態に係る電子財布装置として、上記〔A〕に示す非接触ICカード1に記憶された電子バリューを一元的に管理し、管理している電子バリューを用いてリーダ/ライタ(外部装置)と通信を行う構成を示す。なお、本発明の実施形態に係る電子財布装置が、上記〔B〕に示す非接触ICカード1を収納し、上記〔B〕に示す非接触ICカード1に記憶された電子バリュー以外の情報を一元的に管理し、管理している情報を用いてリーダ/ライタ(外部装置)と通信を行うことができることは、言うまでもない。
[電子財布装置10の使用形態の例]
図2は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10の使用形態の一例を示す説明図である。例えば、図2に示すように、ユーザは、複数枚の非接触ICカード1を収納した状態の電子財布装置10をそのまま、ホスト装置20のリーダ/ライタ21にかざすだけで、電子財布装置10が適切な電子バリューを自動的に選択して、リーダ/ライタ21と通信を行うことができる。このため、ユーザは、電子財布装置10から、必要な非接触ICカード1を取り出すことなく、非接触ICカード1を用いた所望のサービスを享受できる。
〔1〕交通機関の改札
例えば、図2(a)に示すように、交通機関の改札において、ユーザが、複数枚の非接触ICカード1を収納した電子財布装置10を、交通機関の自動改札機(ホスト装置)20Aのリーダ/ライタ21Aにかざす。すると、電子財布装置10が交通機関の乗車運賃に対応する電子バリューを選択的に用いることにより、電子財布装置10とリーダ/ライタ21Aとの間で、交通機関の乗車運賃支払いに関する情報が送受信される。
〔2〕購買
また、図2(b)に示すように、コンビニエンスストア、デパートなどの店舗において、ユーザが電子財布装置10をレジスター装置(ホスト装置)20Bのリーダ/ライタ21Bにかざす。すると、電子財布装置10が電子マネーに対応する電子バリューを選択的に用いることにより、電子財布装置10とリーダ/ライタ21Bとの間で、商品の代金支払いに関する情報が送受信される。
〔3〕電子商取引
また、図2(c)に示すように、インターネット等に接続されたユーザ端末(ホスト装置;例えばPC)20Cを用いて電子商取引する際に、ユーザが、電子財布装置10を、ユーザ端末20Cのリーダ/ライタ21Cにかざす。すると、電子財布装置10が電子商取引サービスに対応する電子バリューを選択的に用いることにより、電子財布装置10とリーダ/ライタ21Cとの間で、電子商取引に関する情報が送受信される。
以上のように、電子財布装置10をホスト装置20のリーダ/ライタ21の通信範囲内に位置づける(かざす)ことにより、電子財布装置10はホスト装置20が提供するサービスに応じた電子バリューを自動的に選択し、電子財布装置10とホスト装置20との間で所望のサービスに関する情報が送受信される。なお、図2では、電子財布装置10の使用形態として、電子財布装置10が、リーダ/ライタを介して自動改札機20A、レジスター装置20B、ユーザ端末20Cなどのホスト装置と通信を行う例を示したが、本発明の実施形態に係る電子財布装置の使用形態は、上記に限られない。例えば、電子財布装置10は、各種の商品や乗車券などの自動販売機、POS(Point Of Sale)端末、キオスク端末(kiosk terminal)、金融機関のATM(Automatic Teller Machine)など、非接触ICカードと非接触通信可能な任意のホスト装置と通信を行うことができる。
また、電子財布装置10とリーダ/ライタ21との間の通信は、例えば、13.56MHzの周波数帯を利用し212kbpsの通信速度で行われる、副搬送波を使用しない「対称通信」とすることができる。また、電子財布装置10とリーダ/ライタ21との間の通信は、例えば、搬送波を変調することにより無線通信を実現する。ここで、変調方式としては例えば、ASK変調(Amplitude Shift Keying)が挙げられ、また符号化方式としてはマンチェスター符号化方式を用いることができるが、上記に限られない。本発明の実施形態では、例えば、ホスト装置20のリーダ/ライタ21が電子財布装置10に対して各種のコマンドを発行し、電子財布装置10がこのコマンドに対して応答する方式で、トランザクションを繰り返し、所定のサービスに関する通信を行うことができる。
なお、本発明の実施形態に係る電子財布装置10とホスト装置20のリーダ/ライタ21との間では、リーダ/ライタ21を介して提供されるサービスに係る通信が行われるが、電子財布装置10に収納される非接触ICカード1は、非接触ICカード1単体でホスト装置20のリーダ/ライタ21と通信を行うこともできる。そこで、本発明の実施形態に係る電子財布装置10の構成について説明する前に、本発明の実施形態に係るホスト装置20と、非接触ICカード1との構成について説明する。
[ホスト装置20および非接触ICカード1の構成例]
図3は、本発明の実施形態に係るホスト装置20と非接触ICカード1との構成を説明するための説明図である。図3では、説明の便宜上、ホスト装置20と非接触ICカード1とが通信を行う構成を例として挙げて説明するが、図3に示すホスト装置20は電子財布装置10と同様に通信を行うことができ、また、電子財布装置10は図3に示す非接触ICカード1を例えば図1に示すように収納することができる。
〔ホスト装置20の構成例〕
図3を参照すると、ホスト装置20は、制御部22、通信部23と、アンテナ24と、記憶部25と、操作部26と、外部インターフェース27とを備える。ここで、図3に示すホスト装置20では、例えば、制御部22、通信部23、およびアンテナ24が、リーダ/ライタ21を構成することができる。また、ホスト装置20は、制御部22が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(Read Only Memory;図示せず)、制御部22により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(Random Access Memory;図示せず)、表示部(図示せず)などを備えてもよい。ホスト装置20は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)で各構成要素間を接続する。ここで、表示部(図示せず)としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display;または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)とも呼ばれる。)などが挙げられるが、上記に限られない。
なお、図3では、ホスト装置20がリーダ/ライタ21を備える構成を示しているが、かかる構成に限られず、例えば、ホスト装置とリーダ/ライタとが別体に備えられてもよい。ここで、ホスト装置とリーダ/ライタとが別体に備えられる場合には、当該リーダ/ライタは、リーダ/ライタ全体を制御する制御部や、所定のサービスを提供するためのプログラム、演算パラメータなどの制御用データが記録された記憶部などを備えることができる。
制御部22は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などで構成され、ホスト装置20全体を制御する。また、制御部22は、例えば、記憶部25に記憶されたプログラムに従って動作し、所定のサービスに関する演算処理や、コマンド生成、各種情報の送受信の制御などを実行することができる。これにより、リーダ/ライタ21は、例えば、非接触ICカード1に対するカード検出(ポーリング;polling)、相互認証、データの読み書きなどを実行することができる。
通信部23は、制御部22からの指示に基づき、アンテナ24を用いて非接触ICカード1との間で非接触通信を実行する。通信部23は、例えば、ASK変調を行う変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)で構成され、アンテナ24から搬送波を送信させることができる。通信部23は、例えば、上記構成により所定のサービスに関連するコマンドやデータに応じて変調を行い、当該コマンドやデータを非接触ICカード1に送信する。
また、通信部23は、例えば、アンテナ24のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波することによって、非接触ICカード1からの応答信号を復調する。そして、通信部23は、復調することにより取得される非接触ICカード1から送信されたコマンドやデータを制御部22に出力することができる。なお、通信部23における応答信号の復調手段は、上記に限られず、例えば、アンテナ24のアンテナ端における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
アンテナ24は、非接触ICカード1と通信するための通信アンテナである。アンテナ24は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイルおよび所定の静電容量をもつキャパシタを有し、所定の周波数(例えば、13.56MHz)で共振させる共振回路を構成する。
記憶部25は、ホスト装置20が備える記憶手段であり、各種の情報を記憶することができる。ここで、記憶部25に記憶される情報としては、例えば、所定のサービスを提供するために制御部22を動作させるためのプログラム(アプリケーションプログラム)、リーダ/ライタ21が対応するサービスを表すコード(例えば、サービスコード、システムコードなど)、非接触ICカード1から取得したデータ、制御部22により演算されたデータ、操作部26や外部インターフェース27からの入力データなどが挙げられるが、上記に限られない。また、記憶部25としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
操作部26は、ユーザによる所定の操作を可能とするホスト装置20の操作手段であり、例えば、記憶部25に記憶された特定のアプリケーションプログラムを起動させるなど、ユーザがホスト装置20に所望する動作をさせることができる。ここで、操作部26としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイス、ボタン、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。なお、操作部26は、例えば、タッチスクリーン(touch screen)のように表示部(図示せず)と一体の部とすることもできる。
外部インタフェース27(外部IF27)は、外部装置(図示せず)と接続して情報を送受信するためのインタフェースである。ここで、ホスト装置20と外部装置(図示せず)とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子やIEEE1394規格の端子などを介して物理的に接続されてもよいし、また、WUSB(Wireless Universal Serial Bus)やIEEE802.11などを利用して無線で接続することもできる。さらに、外部装置(図示せず)とホスト装置20とは、例えば、ネットワークを介して接続することもできる。ここで、ネットワークとしては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)など有線ネットワーク、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を用いたWLAN(Wireless Local Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネット(Internet)などが挙げられるが、上記に限られない。したがって、外部インタフェース27は、外部装置(図示せず)との接続形態に応じたインタフェースとすることができる。
〔非接触ICカード1の構成例〕
次に、非接触ICカード1の構成例について説明する。非接触ICカード1は、制御部12と、通信部13と、アンテナ14と、記憶部15を備えることができる。ここで、制御部12、通信部13、および記憶部15は、例えば、ICチップに搭載することができるが、本発明の実施形態に係る非接触ICカードは、かかる構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る非接触ICカードは、制御部、通信部、アンテナ、および記憶部をICチップで実現することもできる。
制御部12は、例えば、MPUなどで構成され、非接触ICカード1全体を制御する。また、制御部12は、例えば、記憶部15に記憶されたアプリケーションプログラムなどのプログラムを実行し、当該プログラムの実行に応じた所定の演算処理や、コマンド生成、各種情報の送受信の制御などを行うことができる。さらに、制御部12は、リーダ/ライタ21から送信される各種要求(例えば、データの読み出し要求や書き込み要求)に応じて、サービスに関するデータ(以下、「サービスデータ」という。)に係る処理を行う。ここで、サービスデータに係る処理としては、例えば、記憶部15からのサービスデータの読み出し処理や、リーダ/ライタ21から送信されるサービスデータを記憶部15へと書き込む書き込み処理などが挙げられるが、上記に限られない。なお、本発明の実施形態に係るサービスデータは、電子バリューに対応する。
通信部13は、リーダ/ライタ21から送信される搬送波がアンテナ14を通過するときに生じる誘起電圧の交流成分を復調することによりリーダ/ライタから送信されるデータを取り出し、また、誘起電圧の直流成分から電力を得る。
また、通信部13は、例えば、制御部12からの指示(例えば、制御部12において行われる各種処理の処理結果に応じた指示)に基づいて負荷変調を行い、アンテナ14を介してリーダ/ライタ21への応答などの通信を行うことができる。
通信部13は、例えば、検波回路、クロック抽出回路、復調回路、レギュレータ(Regulator)、負荷変調回路などを備える。検波回路は、誘起電圧を整流し、クロック抽出回路は、誘起電圧からクロックを抽出する。また、復調回路は、誘起電圧に基づいて復調を行いリーダ/ライタ21から送信されるコマンドやサービスデータを取り出し、レギュレータは、誘起電圧を平滑、定電圧化する。負荷変調回路は、例えば、所定の抵抗値をもつ抵抗とトランジスタで構成され、制御部12からの指示に基づいてスイッチングを行うことによって、リーダ/ライタ21からみた非接触ICカード1のインピーダンスを変化させる。
記憶部15は、非接触ICカード1が備える記憶手段であり、各種の情報を記憶する。ここで、記憶部15に記憶される情報としては、例えば、制御部12が実行するアプリケーションプログラム、非接触ICカード1を一意に識別するためのカードID、非接触ICカード1が対応するサービスを表すサービスを表すコード(サービスコード、システムコードなど)、リーダ/ライタ21から取得したデータや、制御部12により演算されたデータなどからなるサービスデータが挙げられるが、上記に限られない。また、記憶部15としては、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
なお、非接触ICカード1が複数のサービスに対応したマルチアプリケーションカードである場合、記憶部15には、例えば、当該各サービスに対応する複数種類のコード、アプリケーションプログラムおよびサービスデータなどが格納される。
図3に示すような構成によって、ホスト装置20のリーダ/ライタ21と非接触ICカード1とが非接触通信を行うことにより、ICカードシステムは、非接触ICカード1を用いた各種のサービスをユーザに提供することができる。
[電子財布装置10の構成例:概略]
次に、本発明の実施形態に係る電子財布装置10の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10の概略的な構成例を示すブロック図である。
図4を参照すると、電子財布装置10は、筐体101と、収納部102と、操作部103と、表示部104と、制御部105と、記憶部106と、セレクタ107と、カード通信用アンテナ108A〜108Cと、シールド109と、外部通信用アンテナ110と、送受信回路111と、通信部112を備える。また、電子財布装置10は、操作部103や、表示部104、制御部105、記憶部106などの各部に電源を供給することが可能な、例えば、バッテリーなどの内部電源(図示せず)を備えることができる。
電子財布装置10の筐体101内には、複数の非接触ICカード1を収納するための収納部102が設けられている。収納部102は、例えば、図1に示す複数のスロット102A〜102Cからなり、筐体101に形成されたカード挿入口から挿入された複数枚(図4では例えば3枚)の非接触ICカード1A〜1Cを安定的に保持することができる。また、図4に示すように、収納部102は、各非接触ICカード1に対応する収納エリア(つまり、スロット102A〜102C)に区分されており、各収納エリアには、カード通信用アンテナ108A〜108C(以下「カード通信用アンテナ108」と総称する場合もある。)がそれぞれ配設されている。なお、図4では、3枚の非接触カード1が収納部102に収納された例を示しているが、本発明の実施形態に係る電子財布装置は、図4に示す例に限られず、例えば、非接触ICカード1を収納しない状態とすることもできるし、1枚、または2枚、あるいは、4枚以上の非接触ICカード1を収納することもできる。
図5は、本発明の実施形態に係る収納部102の構成例を示す説明図である。図5は、収納部102のうちの一部(スロット102Aに対応する部分)を示している。
(A)第1の構成例
図5(a)は、収納部102の第1の構成例を示す説明図である。図5(a)に示すように、収納部102は、例えば、矩形に形成され、1枚の非接触ICカード1を収納することができる。
(B)第2の構成例
図5(b)は、収納部102の第2の構成例を示す説明図である。図5(b)に示すように、収納部102は、図5(a)に示す矩形に限られず、非接触ICカード1を収納可能な任意の形状をとることができる。収納部102の形状が矩形に限定されないことによって、例えば、電子財布装置10の筐体101の形状に合わせて収納部102の形状を設定することもできる。したがって、電子財布装置10は、例えば、多様な形状を有することができる。
(C)第3の構成例
図5(c)は、収納部102の第3の構成例を示す説明図である。図5(c)に示すように、収納部102は、例えば、複数枚(図5(c)では、1A1〜1A3の3枚を示している。)の非接触ICカード1を収納することができる。ここで、第3の構成例に係る収納部102は、複数枚の非接触ICカード1を安定的に保持するために、例えば、複数枚の非接触ICカード1それぞれを一定間隔に保持するスペーサー(図示せず)を備えてもよい。
収納部102は、例えば、上記(A)〜(C)に示す構成を有することにより、1枚または複数枚の非接触ICカード1を安定的に保持することができる。なお、本発明の実施形態に係る収納部102の構成が、上記(A)〜(C)に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
再度図4を参照して電子財布装置10の各構成要素について説明する。カード通信用アンテナ108は、収納部102に収納された各々の非接触ICカード1と非接触通信を行うための通信アンテナである。カード通信用アンテナ108は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイルおよび所定の静電容量をもつキャパシタを有する共振回路で構成することができる。カード通信用アンテナ108は、例えば、収納部102の各スロット102ごとに設けられ、各非接触ICカード1に対して対向配置される。したがって、各カード通信用アンテナ108は、収納部102内に収納された各非接触ICカード1と、個別に非接触通信することができる。
また、収納部102には、収納された複数の非接触ICカード1の間を分断するように、シールド109を設けることができる。シールド109は、例えば、電磁波を遮断する材質で形成されており、収納部102内に収納された各非接触ICカード1を、個別に取り囲むような形状となっている。シールド109により、収納部102内に収納された複数枚の非接触ICカード1間を電磁的に隔離して、相互干渉しないようにすることができる。したがって、隣接する複数枚の非接触ICカード1のアンテナコイルが互いに磁気結合することを防止でき、他の非接触ICカード1の電磁誘導等による影響を排除できる。
以上のように、収納部102では、複数枚の非接触ICカード1にそれぞれ対応する複数のカード通信用アンテナ108が設置され、複数枚の非接触ICカード1を相互に電磁的に遮断するシールド109が設けられている。これにより、アンチコリジョン非対応の複数枚の非接触ICカード1が収納部102に収納される場合であっても、各非接触ICカード1が個別に電子財布装置10と通信可能となる。ここで、アンチコリジョンとは、搬送波を用いた非接触通信において複数の非接触ICカードが通信範囲内に存在する場合にそれぞれのカードを個別に処理する方法のことであり、例えば、タイムスロット方式、スロットマーカー方式などが知られている。なお、本発明の実施形態に係る電子財布装置10は、かかる構成に限られず、例えば、アンチコリジョン対応の非接触ICカード1のみを収納する場合には、全ての非接触ICカード1で共通のカード通信用アンテナ108を1つだけ設置し、シールド109を設けないようにすることもできる。
操作部103は、ユーザによる所定の操作を可能とする電子財布装置10の操作手段であり、例えば、ボタン、レバーなどで構成される。ユーザは、操作部103を操作することにより、例えば、電子財布装置10に対して動作内容を指示したり、データ入力を行うことができる。
表示部104は、電子財布装置10が備える表示手段であり、例えば、非接触ICカード1を利用したサービスに関連する各種の情報や、記憶部106に記憶された電子バリューの情報を表示することができる。例えば、表示部104は、収納部102に収納された非接触ICカード1の種類や、電子マネーの残額などの電子バリューの情報を表示することができる。ここで、表示部104としては、例えば、LCD、有機ELディスプレイなどが挙げられるが、上記に限られない。また、操作部103と表示部104とは、例えば、タッチスクリーンのように一体の部とすることもできる。
制御部105は、例えば、MPUなどを備え、電子財布装置10全体を制御する。また、制御部105は、例えば、記憶部106に記憶されたアプリケーションプログラムなどのプログラムを実行し、当該プログラムの実行に応じた所定の演算処理や、コマンド生成、各種情報の送受信の制御などを行うことができる。
また、制御部105は、収納部102に収納されている非接触ICカード1それぞれから、非接触ICカード1に記憶された電子バリュー(サービスデータ)を取得し、記憶部106に記録することができる。ここで、制御部105は、例えば、非接触ICカード1に記憶された電子バリューそのものを記憶部106に記録することができ、または、電子バリューの経済的な価値を示す値(以下、「バリュー値」という。)を記憶部106に記録することもできる。ここで、バリュー値としては、例えば、電子マネーの金額に相当する値、電子チケットの使用の有無を示す値および期限情報などが挙げられるが、上記に限られない。
また、制御部105は、記憶部106に記憶された電子バリューを用いて、リーダ/ライタ21から送信される所定のサービスに関連する通信要求(各種処理要求)やデータに応じたデータ処理を行い、処理結果に応じて記憶部106に記憶された電子バリューを更新する。さらに、制御部105は、データ処理の処理結果に応じた応答信号をリーダ/ライタ21へ送信させる。
さらに、制御部105は、記憶部106に記憶された電子バリューを選択的に収納部102に収納されている非接触ICカード1に書き戻すことができる。制御部105の詳細については後述する。
記憶部106は、電子財布装置10が備える記憶手段であり、各種の情報を記憶する。ここで、記憶部106に記憶される情報としては、例えば、制御部105が実行するアプリケーションプログラムや、各種サービスに対応する1または2以上の電子バリュー、リーダ/ライタ21から取得したデータなどが挙げられるが、上記に限られない。また、記憶部106としては、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
セレクタ107は、切り替え回路を備え、制御部105と、カード通信用アンテナ108とに接続され、制御部105と各非接触ICカード1に対応するカード通信用アンテナ108とを接続する。また、セレクタ107は、さらに非接触ICカード1と非接触通信を行うための通信回路を備える。ここで、通信回路は、例えば、制御部105から伝達される信号に基づいてASK変調する変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)と、非接触ICカード1からの応答を復調する復調回路で構成することができる。なお、本発明の実施形態に係る電子財布装置は、上記通信回路をセレクタ107が備える構成に限られず、例えば、制御部105が上記通信回路を備えることもできる。
外部通信用アンテナ110は、電子財布装置10がホスト装置20のリーダ/ライタ21などの外部装置と非接触通信を行うための通信アンテナである。外部通信用アンテナ110は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイルおよび所定の静電容量をもつキャパシタを有する共振回路で構成することができる。
外部通信用アンテナ110は、送受信回路111と接続され、電磁誘導によりリーダ/ライタ21から送信される搬送波に応じた誘起電圧を発生させて送受信回路111へ伝達する。また、外部通信用アンテナ110は、例えば、送受信回路111における負荷変調に応じて搬送波に対する反磁界を発生させて応答信号を送信する。
送受信回路111は、例えば、リーダ/ライタ21から送信される搬送波によって外部通信用アンテナ110に生じた誘起電圧に基づいて復調を行う復調回路と、負荷変調を行う負荷変調回路とを備える。電子財布装置10は、送受信回路111を備えることにより、リーダ/ライタ21から送信される通信要求や各種処理要求、データなどを復調し、また、リーダ/ライタ21への応答を行うことができる。
通信部112は、電子財布装置10が備える他の通信手段であり、1または2以上の外部装置(図示せず)と通信を行う。ここで、電子財布装置10と外部装置(図示せず)とは、例えば、USB端子やIEEE1394規格の端子などを介して物理的に接続されてもよいし、また、WUSBやIEEE802.11などを利用して無線で接続することもできる。さらに、外部装置(図示せず)と電子財布装置10とは、例えば、ネットワークを介して接続することもできる。ここで、ネットワークとしては、例えば、LANやWANなど有線ネットワーク、MIMOを用いたWLANなどの無線ネットワーク、あるいは、インターネットなどが挙げられるが、上記に限られない。また、電子財布装置10と外部装置(図示せず)とは、基地局を介して接続されてもよい。したがって、通信部112は、外部装置(図示せず)との接続形態に応じて、例えば、基地局と通信を行うための無線通信アンテナを有するRF(Radio Frequency)回路や、LAN端子やUSB端子などの接続端子などで構成することができる。
電子財布装置10が通信部112を備えることによって、例えば、制御部105が使用するアプリケーションプログラムや、機能追加や修正のためのアップデートプログラム、電子バリュー、あるいは、電子バリューのバリュー値などを外部装置から取得することができる。
本発明の実施形態に係る電子財布装置10は、例えば、図4に示すような構成によって、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
例えば、電子財布装置10は、収納部102に収納された複数の非接触ICカード1に記憶されていた小額の電子マネーを合計した額分の電子マネーを記憶部106に記憶し、リーダ/ライタ21との間で記憶部106に一元的に記憶された電子マネーを用いて購買サービスに係る通信を行うことが可能である。したがって、電子財布装置10は、複数の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子マネーをそれぞれ使用する従来の場合と比較して、ユーザに対してより高い利便性を提供することができる。
次に、制御部105の構成や電子バリューの一元管理など、電子財布装置10についてより詳細に説明する。
[電子財布装置10の構成例:詳細]
図6は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10の構成例を示すブロック図である。なお、図6は、図4に示す電子財布装置10を示しているが、図4に示した一部の構成要素については、簡略化して示し、または図示していない。また、以下では、図4を参照して説明した構成要素については、説明を省略する。
図6を参照すると、制御部105は、カード認識部120と、カード内部情報記録部122と、電子バリュー管理部124と、データ処理部126と、カード内部情報書き戻し部128とを備える。
また、記憶部106は、電子バリュー150を記憶することができる。なお、図6では、記憶部106に電子バリュー150のみが示されているが、上述したように記憶部106は、例えば、制御部105が実行するアプリケーションプログラムやリーダ/ライタ21から取得したデータなど様々なデータを記憶することができる。
〔電子バリューの管理方法〕
ここで、電子財布装置10における電子バリューの管理方法について説明する。電子財布装置10における電子バリューの管理は、制御部105が行う。なお、以下では、電子バリューとして、電子マネーやポイントなどバリュー値が数値で表される電子バリューを例として説明するが、本発明の実施形態に係る電子バリューが、バリュー値が数値で表されるものに限られないことは、言うまでもない。また、以下では、収納部102に収納された非接触ICカード1Aに記憶された電子バリュー(図6のサービスデータに対応)を記憶部106に書き込む場合を例に挙げて説明する。
(I)第1の管理方法
図7は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10における電子バリューの第1の管理方法を示す説明図である。ここで、図7(a)は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューを記憶部106に書き込む前の状態を示しており、また、図7(b)は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューが記憶部106に書き込まれた後の状態を示している。
図7(a)を参照すると、記憶部106にはサービスAに対応する電子バリューA152、サービスBに対応する電子バリューB154、サービスCに対応する電子バリューC156、およびサービスDに対応する電子バリューDが記憶されている。また、非接触ICカード1AにはサービスDに対応する電子バリューD160が記憶されている。
制御部105は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューD160を読み出して、読み出した電子バリューに対応するサービスの電子バリューが記憶部106にあるかを判定する。図7(a)では記憶部106にサービスDに対応する電子バリューD158が記憶されているので、制御部105は、電子バリューD160のバリュー値を電子バリューD158に書き込む。具体的には、制御部105は、電子バリューD160のバリュー値「500P」を電子バリューD158に移動させる。ここで、バリュー値の移動とは、移動元の電子バリューのバリュー値を移動先の電子バリューのバリュー値に加算し、移動元の電子バリューのバリュー値を当該加算分減算することをいう。
したがって、書き込み処理後は、図7(b)に示すように、電子バリューD158のバリュー値が「1000P」から「1500P」へと増加し、電子バリューD160のバリュー値は「500P」から「0P」へと減少した状態となる。すなわち、記憶部106に記憶された電子バリューD158のバリュー値と非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューD160のバリュー値との総和は変化しない。
図7に示すように、第1の管理方法では、記憶部106にはサービスごとに電子バリューが記憶され、それぞれのバリュー値はそれぞれ独立に記憶される。
(II)第2の管理方法
図8は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10における電子バリューの第2の管理方法を示す説明図である。ここで、図8(a)は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューを記憶部106に書き込む前の状態を示しており、また、図8(b)は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューが記憶部106に書き込まれた後の状態を示している。
図8(a)を参照すると、記憶部106にはサービスAに対応する電子バリューA152、サービスBに対応する電子バリューB154、サービスCおよびサービスDに対応する電子バリューCD162が記憶されている。また、非接触ICカード1AにはサービスDに対応する電子バリューD160が記憶されている。ここで、サービスCとサービスDとは、例えば、発行元が同一の電子マネーを利用するサービスであったり、相互にそれぞれのポイントを利用することが可能なサービスなど、電子バリューの相互利用が可能な関連するサービスを示している。
制御部105は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューD160を読み出して、読み出した電子バリューに対応するサービスの電子バリューが記憶部106にあるかを判定する。図8(a)では記憶部106にサービスDに対応する電子バリューCD162が記憶されているので、制御部105は、電子バリューD160のバリュー値を電子バリューCD162に書き込む。具体的には、制御部105は、第1の管理方法と同様に、電子バリューD160のバリュー値「500P」を電子バリューCD162に移動させる。
したがって、書き込み処理後は、図8(b)に示すように、電子バリューCD162のバリュー値が「1100P」から「1600P」へと増加し、電子バリューD160のバリュー値は「500P」から「0P」へと減少した状態となる。
図8に示すように、第2の管理方法では、記憶部106には基本的にサービスごとに電子バリューが記憶されるが、関連するサービスの電子バリューは一つの電子バリューとして記憶される。また、電子バリューのバリュー値は、記憶された電子バリューごとにそれぞれ独立に記憶される。
なお、上記では、第2の管理方法として、電子バリューを相互に利用することが可能な関連するサービスの電子バリューを一つの電子バリューとして記憶することを示したが、第2の管理方法は上記に限られない。例えば、第2の管理方法は、サービスごとに電子バリューは異なるが、一の電子バリューを他のサービスの電子バリューへと交換することが可能な電子バリューを、一つの電子バリュー(例えば、当該他の電子バリューとして記憶する。)として管理することもできる。
(III)第3の管理方法
上記第1、第2の管理方法では、電子バリューがサービス単位に管理されることを示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る電子財布は、電子バリューがサービス単位に管理されることに限られず、電子バリューの種別単位に管理することもできる。そこで次に、本発明の実施形態に係る第3の管理方法として、電子バリューのうち電子マネーを通貨ごとにまとめて管理する方法を示す。
図9は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10における電子バリューの第3の管理方法を示す説明図である。ここで、図9(a)は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューを記憶部106に書き込む前の状態を示しており、また、図9(b)は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリューが記憶部106に書き込まれた後の状態を示している。
図9(a)を参照すると、記憶部106には所定の通貨の電子マネーを示す共有電子バリュー164が記憶され、非接触ICカード1Aには当該所定の通貨の電子マネーを示す電子バリュー166が記憶されている。ここで、電子マネーにおける所定の通貨としては、例えば、サービスを提供する会社が発行するいわゆる私製の貨幣が挙げられるが、国家が発行してその価値を保証する公的な貨幣であってもよい。
制御部105は、非接触ICカード1Aに記憶された電子バリュー166を読み出して、読み出した電子バリューに対応する電子バリューが記憶部106にあるかを判定する。図9(a)では記憶部106に電子バリュー166と対応する共有電子バリュー164が記憶されているので、制御部105は、電子バリュー166のバリュー値を共有電子バリュー164に書き込む。具体的には、制御部105は、第1の管理方法と同様に、電子バリュー166のバリュー値「500P」を共有電子バリュー164に移動させる。
したがって、書き込み処理後は、図9(b)に示すように、共有電子バリュー164のバリュー値が「7600P」から「8100P」へと増加し、電子バリュー166のバリュー値は「500P」から「0P」へと減少した状態となる。
図9に示すように、第3の管理方法では、電子バリューのうち電子マネーが通貨ごとに管理され、所定の通貨の電子マネーのバリュー値は一つの電子バリューのバリュー値として記憶される。なお、図9では、一つの共有電子バリュー164が記憶部106に記憶されている示しているが、本発明の実施形態に係る電子財布装置が、複数の共有電子バリュー(すなわち、通貨が異なる複数の電子マネー)をそれぞれ記憶部106に記憶させることができることは、言うまでもない。
電子財布装置10は、例えば、上記(I)〜(III)に示す方法を用いることにより、電子バリューを一元的に管理することができる。
なお、上記では、バリュー値が数値で表される電子バリューを例に挙げて説明したが、例えば、電子チケットなどバリュー値が単純に数値で表されない電子バリューを管理することもできる。ここで、電子財布装置10は、例えば、電子チケットなどを上記(I)に示すようにサービス単位に管理することができるが、上記に限られない。
再度、図6を参照して電子財布装置10の構成要素について説明する。カード認識部120は、電子財布装置10の収納部102に収納された非接触ICカード1を認識する。具体的には、カード認識部120は、例えば、収納部102の各スロット102A〜102Cに非接触ICカード1A〜1Cが挿入されたことを検知することによって、各スロット102A〜102Cに非接触ICカード1が収納されているか否かを認識することができる。ここでカード認識部120における検知は、例えば、収納部102のスロット102A〜102Cが挿入に応じて検出信号を出力するカード挿入検出センサをそれぞれ備え、カード認識部120が収納部102から伝達される検出信号を検出することによって行うことができるが、上記に限られない。
カード認識部120は、非接触ICカード1の挿入が検出されると、検出された非接触ICカード1が、電子財布装置10が対応する非接触ICカードであるかを判定する。ここで、電子財布装置10が対応する非接触ICカードとは、電子財布装置10が対応するサービスを受けることが可能な非接触ICカードをいう。また、上記判定は、検出された非接触ICカード1に記憶された電子バリュー(図6のサービスデータに対応)が電子財布装置10が使用可能な電子バリュー(外部装置との間の通信において使用可能な電子バリュー)であるかの判定として捉えることができる。したがって、電子財布装置10は、カード認識部120を備えることにより、外部装置との間の通信において使用可能な電子バリューを選択的に記憶することができる。カード認識部120は、例えば、検出された非接触ICカード1のシステムコードを用い、当該システムコードに対応する電子バリューを処理するためのプログラムが記憶部106に記憶されているかにより上記判定を行うことができるが、上記に限られない。
また、カード認識部120は、検出された非接触ICカード1が電子財布装置10に対応する非接触ICカードではないと判定した場合には、通信部112を用いて外部装置(図示せず)と通信を行い、検出された非接触ICカード1のシステムコードに対応する対応プログラムの取得を行うこともできる。カード認識部120が通信部112を用いて対応プログラムの取得を行うことによって、電子財布装置10の汎用性をより高めることができる。
カード認識部120は、検出された非接触ICカード1が電子財布装置10に対応する非接触ICカードであると判定した場合には、検出された非接触ICカード1に記憶された電子バリューを読み出してカード内部情報記録部122に伝達する。
カード内部情報記録部122は、カード認識部120が読み出した電子バリューを記憶部106に記録する。カード内部情報記録部122は、例えば上記(I)〜(III)に示した第1〜第3の管理方法に基づいて、電子バリューを記憶部106に記録する。ここで、カード内部情報記録部122が記録に用いる管理方法は、後述する電子バリュー管理部124によって管理される。
また、カード内部情報記録部122は、電子バリューの記録と併せて、記憶部106に記録した電子バリューと、当該電子バリューが読み出された非接触ICカード1が収納される場所(スロット102A〜102C)とを対応付ける対応情報を記憶部106に記録することもできる。ここで、カード内部情報記録部122は、例えば、DB(DataBase)形式で上記対応情報を記録することができるが、上記に限られず、ファイル形式であってもよい。
〔電子バリューの記録方法〕
ここで、本発明の実施形態に係る電子バリューの記録方法について説明する。図10は、本発明の実施形態に係る電子バリューの記録方法の一例を示す流れ図である。なお、図10では、電子バリューとして、電子マネーやポイントなどバリュー値が数値で表される電子バリューを例として説明する。
電子財布装置10は、収納部102に挿入された非接触ICカードを検出する(S100)。ステップS100における検出は、例えば、カード認識部120が、収納部102のスロット102A〜102Cがそれぞれ備えるカード挿入検出センサの検出信号を検出することによって行うことができるが、上記に限られない。
ステップS100において非接触ICカードが検出されると、電子財布装置10は、検出された非接触ICカード1のシステムコードを確認する(S102)。そして、電子財布装置10は、ステップS102において確認したシステムコードに基づいて、ステップS100において検出された非接触ICカードが電子財布装置10に対応する非接触ICカードであるか否かを判定する(S104)。
ステップS104において電子財布装置10に対応する非接触ICカードではないと判定された場合には、電子財布装置10は、対応プログラムを入手可能であるか否かを判定する(S106)。ここで、ステップS106における判定は、例えば、制御部105が通信部112を用いて外部装置と通信を行うことによって行われる。
ステップS106において対応プログラムを入手可能であると判定された場合には、電子財布装置10は、外部装置からプログラムをダウンロードして適用する(S108)。ここで、ステップS108における適用とは、例えば、記憶部106への記録や、記録およびインストール(install)を指す。ステップS108の処理により、電子財布装置10は、ステップS104において電子財布装置10に対応する非接触ICカードではないと判定された非接触ICカードを、対応する非接触ICカードとして扱うことが可能となる。
また、ステップS106において対応プログラムを入手可能ではないと判定された場合には、電子財布装置10は例外処理を行い(S110)、処理を終了する。電子財布装置10は、例外処理として、例えば、挿入されている非接触ICカードが使用可能なサービスに対応していない旨のメッセージを表示部104に表示させることが挙げられるが、上記に限られない。例えば、電子財布装置10は、対応しない非接触ICカードをイジェクト(eject)することもできる。
ステップS104において電子財布装置10に対応する非接触ICカードであると判定された場合には、電子財布装置10は、非接触ICカードの電子バリューのバリュー値CVが0(ゼロ)でないか否か(「CV=!0?」)を判定する(S112)。なお、図10では示していないが、ステップS112以降の処理は、非接触ICカードに記憶された電子バリューの数分繰り返し行うことができる。
ステップS112において非接触ICカードの電子バリューのバリュー値CVが0(ゼロ)であると判定された場合には、電子財布装置10は当該電子バリューに対する処理を終了する。
また、ステップS112において非接触ICカードの電子バリューのバリュー値CVが0(ゼロ)ではないと判定された場合には、電子財布装置10は、記憶部106に記憶された対応する電子バリューのバリュー値IVにバリュー値CVを加算する(「IV’=IV+CV」。S114)。
ステップS114において加算処理が開始されると、電子財布装置10は、加算処理が完了したか否かを判定し(S116)、加算処理が完了したと判定されるまで処理を進めない。
ステップS116において加算処理が完了したと判定された場合には、電子財布装置10は、非接触ICカードに記憶された電子バリューのバリュー値をステップS114において加算した分減算する(「CV’=CV−CV=0」。S118)。
ステップS118において減算処理が開始されると、電子財布装置10は、減算処理が完了したか否かを判定し(S120)、減算処理が完了したと判定されるまで処理を進めない。また、ステップS120において減算処理が完了したと判定された場合には、電子財布装置10は処理を終了する。
電子財布装置10は、例えば、図10に示す方法を用いることによって、電子バリューを記録することができる。また、電子財布装置10は、記憶部106に加算した電子バリューのバリュー値の分、非接触ICカード1の電子バリューのバリュー値を減算するので、記録前の電子バリューの値の総和と、記録後の電子バリューの値の総和とを同一に保つことができる。なお、上記では、バリュー値が数値で表される電子バリューを例に挙げて説明したが、電子チケットなどバリュー値が単純に数値で表されない電子バリューが非接触ICカードに記憶されている場合には、電子財布装置10は、例えば、電子バリューそのものを記憶部106に記録して、非接触ICカードから当該電子バリューを削除することにより電子バリューの移動を行うことができる。
再度、図6を参照して電子財布装置10の構成要素について説明する。電子バリュー管理部124は、電子財布装置10における電子バリューの管理方法を制御する。具体的には、電子バリュー管理部124は、上記(I)〜(III)に示した第1〜第3の管理方法のどの管理方法を用いるのかを制御し、例えば、カード内部情報記録部122における電子バリューの記録の方法を規定する。
また、電子バリュー管理部124は、通信部112を介して外部装置から電子バリューが入力された場合には、当該電子バリューあるいは電子バリューのバリュー値を記憶部106に記録することもできる。
電子財布装置10は、電子バリュー管理部124を備えることにより、例えば、図7〜9に示すように電子バリューを記録することができる。
データ処理部126は、送受信回路111が復調したリーダ/ライタ21から送信される通信要求や各種処理要求などに基づいて、記憶部106に記憶された電子バリューの中から対応する電子バリューを選択する。そして、データ処理部126は、選択した電子バリューを用いて所定のサービスに関するデータ処理を行う。また、データ処理部126は、データ処理の結果に応じて、選択した電子バリューのバリュー値を更新する。
また、データ処理部126は、送受信回路111にデータ処理の結果に応じた応答信号を送信させる。ここで、データ処理部126は、例えば、送受信回路111の負荷変調回路に対して、負荷変調を制御する制御信号を送信することによって、データ処理の結果に応じた応答信号を送信させることができるが、上記に限られない。
電子財布装置10は、上記のように電子バリューを選択し、選択された電子バリューを用いてリーダ/ライタ21(または、ホスト装置20)と通信することができる。
カード内部情報書き戻し部128は、カード排出要求に応じて、記憶部106に記憶された電子バリューをセレクタ107およびカード通信用アンテナ108を介して、収納部102に収納された電子バリューが対応する非接触ICカードへ書き戻す。ここで、カード排出要求は、例えば、ユーザが操作部103を用いて排出を所望する非接触ICカードに対するイジェクト操作を行うことによって行われるが、上記に限られない。なお、カード内部情報書き戻し部128は、データ処理部126がデータ処理を行っているとき、すなわち電子財布装置10がリーダ/ライタ21と通信を行っているときには、当該通信の完了後に書き戻し処理を行うことができる。また、書き戻される電子バリューは、例えば、カード内部情報書き戻し部128が記憶部106に記憶された対応情報を読み出すことにより自動的に選択することができるが、上記に限られない。例えば、カード内部情報書き戻し部128が記憶部106に記憶された対応情報を読み出して表示部104に書き戻すことが可能な電子バリュー候補を表示させ、ユーザが操作部103を用いて電子バリューを選択することもできる。さらに、カード内部情報書き戻し部128は、表示部104に電子バリュー候補が対応する非接触ICカード1(書き戻し先の候補)を表示させ、ユーザが操作部103を用いて電子バリューを書き戻す非接触ICカードを選択することもできる。
また、カード内部情報書き戻し部128は、書き戻す電子バリューが、バリュー値が数値で表される電子バリューである場合には、所定の書き戻し値、あるいは、指定された書き戻し値分のバリュー値を書き戻すことができる。ここで、上記指定された書き戻し値は、例えば、ユーザが操作部103を用いて設定することができる。また、所定の書き戻し値は、固定の値であってもよいし、例えばユーザが操作部103を用いて任意に設定することもできる。
なお、カード内部情報書き戻し部128は、カード排出要求に応じて記憶部106に記憶された電子バリューを対応する非接触ICカードへ書き戻すことができるが、本発明の実施形態に係る電子財布装置は上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る電子財布装置は、ユーザが操作部103を用いて所定の操作を行うことによって、リーダ/ライタ21と通信が行われていないときに電子バリューを書き戻し処理を行うこともできる。
上記のように、カード内部情報書き戻し部128は、操作部103からの入力に応じて電子バリューを書き戻すことができる。したがって、電子財布装置10が操作部103を備えることにより、例えば、ユーザは、電子バリューの値を書き戻す収納部102に収納された非接触ICカード1の選択、および/または、書き戻す電子バリューの選択、および/または、電子バリューの値の選択を行うことができる。
さらに、カード内部情報書き戻し部128は、電子バリューの書き戻しが完了すると、電子バリューを書き戻した非接触ICカード1の収納部102からの排出を可能とさせる。ここで、カード内部情報書き戻し部128は、例えば、書き戻し処理の完了後に排出信号を収納部102に伝達し、当該排出信号に応じて収納部102が対応する非接触ICカード1のロックを解除することが挙げられるが、上記に限られない。
〔電子バリューの書き戻し方法〕
図11は、本発明の実施形態に係る電子バリューの書き戻し方法の一例を示す流れ図である。図11では、書き戻し方法の一例として、電子財布装置10が非接触ICカードを排出する場合における方法を示している。
電子財布装置10は、カード排出要求を検出する(S200)。ステップS200においてカード排出要求が検出されると、電子財布装置10は、書き戻す値が指定されているか否かを判定する(S202)。
ステップS202において書き戻す値が指定されている場合には、電子財布装置10は、書き戻し値RVを指定された書き戻す値に設定する(「RV=input」。ステップS204)。また、ステップS202において書き戻す値が指定されていない場合には、電子財布装置10は、書き戻し値RVを所定の値に設定する(「RV=def」。ステップS206)。
ステップS204またはステップS206において書き戻し値RVが設定されると、電子財布装置10は、書き戻し値RVが0(ゼロ)でないか否かを判定する(S208)。ステップS208において書き戻し値RVが0(ゼロ)であると判定された場合には、電子財布装置10は、カード排出要求に対応する非接触ICカードを収納部102から排出する(S214)。
また、ステップS208において書き戻し値RVが0(ゼロ)ではないと判定された場合には、電子財布装置10は、設定された書き戻し値RVをカード排出要求に対応する非接触ICカードに書き戻す(S210)。ステップS210の処理が完了することによって、非接触ICカードの電子バリューのバリュー値CVは書き戻し値RVが加算された値となり、例えば、図10のステップS118においてCV=0となっていた場合には、「CV=RV」となる。
ステップS210において書き戻し処理が開始されると、電子財布装置10は、書き戻し処理が完了したか否かを判定し(S212)、書き戻し処理が完了したと判定されるまで処理を進めない。
ステップS212において書き戻し処理が完了したと判定された場合には、電子財布装置10は、記憶部106に記憶された電子バリューのバリュー値をステップS210において書き戻した分減算する(「IV’=IV−RV」。S214)。
ステップS214において減算処理が開始されると、電子財布装置10は、減算処理が完了したか否かを判定し(S216)、減算処理が完了したと判定されるまで処理を進めない。また、ステップS216において減算処理が完了したと判定されると、電子財布装置10は、カード排出要求に対応する非接触ICカードを収納部102から排出する(S218)。ステップS216における減算処理の完了後に収納部102から非接触ICカードを排出させる(排出を可能とさせる)ことにより、電子財布装置10は、書き戻し前の電子バリューのバリュー値の総和と、書き戻し後の電子バリューのバリュー値の総和とを同一に保つことができる。
電子財布装置10は、例えば、図11に示す方法を用いることによって、記憶部106に記憶された電子バリューを対応する非接触ICカードへ書き戻すことができる。また、図11に示す方法を用いる電子財布装置10は、非接触ICカードに書き戻した書き戻し値RVに対応する値を記憶部106に記憶された電子バリューから減算した上で、非接触ICカードを排出する。したがって、電子財布装置10は、非接触ICカードの排出前における記憶部106に記憶された電子バリューのバリュー値および非接触ICカードに記憶された電子バリューのバリュー値の総和と、非接触ICカードの排出後における記憶部106に記憶された電子バリューのバリュー値および非接触ICカードに記憶された電子バリューのバリュー値の総和とを同一に保つことができる。
なお、上記では、バリュー値が数値で表される電子バリューを例に挙げて説明したが、電子チケットなどバリュー値が単純に数値で表されない電子バリューを書き戻す場合には、電子財布装置10は、例えば、電子バリューそのものを非接触ICカードに記録し、記憶部106から当該電子バリューを削除することにより電子バリューの書き戻しを行うことができる。
以上のように、本発明の実施形態に係る電子財布装置10は、複数の非接触ICカードを同時に収納可能な収納部102を備え、非接触ICカード1の挿入(装着)に応じて、収納部102に挿入された非接触ICカード1に記憶される電子バリューを記憶部106に記録する。ここで、電子財布装置10は、カード認識部120を備えることにより、選択的に電子財布装置10が対応する電子バリューを記録することができる。また、電子財布装置10は、外部通信用アンテナ110、送受信回路111、およびデータ処理部126を備え、リーダ/ライタ21から送信される通信要求などを復調し、復調した当該通信要求などに応じて、記憶部106に一元的に記憶された電子バリューの中から処理に使用する電子バリューを選択してデータ処理を行う。そして、電子財布装置10は、データ処理の処理結果に応じて電子バリューを更新し、処理結果に応じた応答信号をリーダ/ライタ21へ返信する。したがって、電子財布装置10は、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置(リーダ/ライタ)と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
また、電子財布装置10は、記憶部106に一元的に記憶された電子バリューを用いて外部装置(リーダ/ライタ)と直接搬送波を用いた非接触通信を行い、所定のサービスを享受することができる。このとき、収納部102に複数の非接触ICカード1が収納されていたとしても、収納されている複数の非接触ICカード1それぞれは、外部装置(リーダ/ライタ)と通信を行わない。つまり、電子財布装置10では、上述した外部装置(リーダ/ライタ)の通信範囲内(外部装置の発する磁界の強さが通信可能な所定の大きさの範囲内)に複数の非接触ICカードが存在することによっていずれの非接触ICカードも通信できなくなるという問題は生じない。したがって、ユーザは、上記の問題によって電子財布装置10を再度(あるいは、複数回)外部装置(リーダ/ライタ)にかざす動作を行う必要はなく、上述した発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて使用可能とする従来の技術のようにユーザに過度の負担を課さない。
さらに、電子財布装置10は、記憶部106に一元的に記憶された電子バリューを収納部102に収納された非接触ICカード1へ書き戻すカード内部情報書き戻し部128を備える。カード内部情報書き戻し部128は、非接触ICカード1の排出要求に応じて、記憶部106に一元的に記憶された電子バリューを非接触ICカードへと書き戻し、書き戻すバリュー値(書き戻し値)は、所定の値または任意の値とすることができる。つまり、電子財布装置10は、電子バリューのバリュー値を非接触ICカードにチャージする、いわゆるバリュー・チャージャーとして機能する。したがって、電子財布装置10を用いることによって、ユーザは収納部102に収納された非接触ICカード間で電子バリューを移動させることができ、電子財布装置10は、上述した発行元が異なる複数種類の電子マネーを組み合わせて使用可能とする従来の技術よりも高い利便性をユーザに提供することができる。
(本発明の実施形態に係るプログラム)
本発明の実施形態に係る電子財布装置10をコンピュータとして機能させるためのプログラムによって、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
(本発明の実施形態に係る通信方法)
次に、本発明の実施形態に係る電子財布装置10における通信方法について説明する。図12は、本発明の実施形態に係る電子財布装置10における通信方法の一例を示す流れ図である。なお、図12では、収納部102に非接触ICカード1が挿入され、図10に示す書き込み方法が行われた後の方法を示している。
電子財布装置10は、リーダ/ライタ21からの通信要求が受信されたかを判定する(S300)。電子財布装置10は、送受信回路111が復調した通信要求を制御部105が受け取ることによりステップS300の判定を行うことができる。ここで、ステップS300において通信要求が受信されたと判定されない場合には、電子財布装置10は処理を進めない。
ステップS300において通信要求が受信されたと判定されると、電子財布装置10は、記憶部106に記憶している電子バリューの中から、通信要求に対応する電子バリューを選択し(S302)、対応する電子バリューがあるか否かを判定する(S304)。
ステップS304において対応する電子バリューがないと判定された場合には、電子財布装置10は、通信要求に係るデータ処理を行わず(S310)、例えば、データ処理を行えない旨の応答信号を送信してリーダ/ライタ21との通信を終了させる(S312)。このとき、電子財布装置10は、サービスを受けられない旨のメッセージを表示部104に表示させることもできる。
また、ステップS304において対応する電子バリューがあると判定された場合には、電子財布装置10は、対応する電子バリューを用いて通信要求に係るデータ処理を行う(S306)。そして、ステップS306におけるデータ処理が正常に完了すると、データ処理の処理結果に応じて記憶部106に記憶された電子バリューを更新する(S308)。
ステップS308において記憶部106に記憶された電子バリューの更新が完了すると、電子財布装置10は、データ処理の処理結果に応じた応答信号をリーダ/ライタ21へ送信して通信を終了する(S312)。
電子財布装置10は、図12に示す通信方法を用いることによって、同時に携帯される複数枚の非接触ICカードそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した本発明の実施形態として、非接触ICカードが着脱される電子財布装置を挙げて説明したが、本発明の実施形態はかかる形態に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る電子財布装置は、複数のICチップが着脱可能に収納される携帯電話などの携帯型通信装置にも適用することができる。本発明の実施形態に係る電子財布装置が、例えば、携帯電話などの携帯型通信装置に適用される場合であっても、同時に携帯される複数枚の非接触ICチップそれぞれに記憶された電子バリューを一元的に記憶し、記憶した電子バリューを用いて外部装置と搬送波を用いた非接触通信を行うことができる。
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。
本発明の実施形態に係る電子財布装置の外観構成の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電子財布装置の使用形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るホスト装置と非接触ICカードとの構成を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る電子財布装置の概略的な構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る収納部の構成例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電子財布装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る電子財布装置における電子バリューの第1の管理方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電子財布装置における電子バリューの第2の管理方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電子財布装置における電子バリューの第3の管理方法を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る電子バリューの記録方法の一例を示す流れ図である。 本発明の実施形態に係る電子バリューの書き戻し方法の一例を示す流れ図である。 本発明の実施形態に係る電子財布装置における通信方法の一例を示す流れ図である。
符号の説明
1 非接触ICカード
10 電子財布装置
20 ホスト装置
21 リーダ/ライタ
102 収納部
103 操作部
104 表示部
105 制御部
106 記憶部
110 外部通信用アンテナ
111 送受信回路
112 通信部
120 カード認識部
122 カード内部情報記録部
124 電子バリュー管理部
126 データ処理部
128 カード内部情報書き戻し部

Claims (14)

  1. 外部装置と非接触通信可能な複数の非接触ICカードを着脱可能に収納する収納部と;
    前記外部装置と非接触通信を行うための外部通信用アンテナと;
    前記外部通信用アンテナが受信した前記外部装置から送信される所定のサービスに関連する通信要求を復調し、前記外部通信用アンテナを介して前記外部装置へ応答信号を送信する送受信部と;
    所定のサービスに対応する電子バリューを1、または2以上記憶する記憶部と;
    前記収納部における前記非接触ICカードの装着に応じて、装着された前記非接触ICカードの種別を判定するカード認識部と;
    前記カード認識部の判定結果に応じて、前記収納部に装着された非接触ICカードに記憶された電子バリューを前記記憶部に記録するカード内部情報記録部と;
    前記送受信部が復調した通信要求に基づいて、前記記憶部に記憶された電子バリューの中から前記通信要求が対応する電子バリューを選択して前記通信要求が要求する処理を行い、前記処理に応じた応答信号を前記送受信部に送信させるデータ処理部と;
    を備えることを特徴とする、電子財布装置。
  2. 前記カード内部情報記録部は、前記記憶部に記憶された電子バリューのうち前記非接触ICカードに記憶された電子バリューと対応する電子バリューの値に前記非接触ICカードに記憶された電子バリューの値を加算し、前記非接触ICカードに記憶された電子バリューの値を前記加算の分減算することを特徴とする、請求項1に記載の電子財布装置。
  3. 前記カード認識部は、前記非接触ICカードに記憶されたコードに基づいて、装着された前記非接触ICカードに記憶された電子バリューが前記記憶部に記憶可能な電子バリューであるか否かを前記種別として判定することを特徴とする、請求項1に記載の電子財布装置。
  4. 1または2以上の外部装置と通信可能な通信部をさらに備え、
    前記カード認識部は、装着された前記非接触ICカードに記憶された電子バリューを前記記憶部に記憶可能な電子バリューではないと判定した場合には、前記通信部を介して前記外部装置と通信し、装着された前記非接触ICカードの前記コードに対応するための対応情報を取得することを特徴とする、請求項3に記載の電子財布装置。
  5. 前記収納部に収納された前記非接触ICカードが記憶する電子バリューに対応する前記記憶部に記憶された電子バリューの値を、選択的に前記非接触ICカードが記憶する前記電子バリューへと書き戻すカード内部情報書き戻し部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子財布装置。
  6. 前記カード内部情報書き戻し部は、前記非接触ICカードが記憶する前記電子バリューの値に前記記憶部に記憶された電子バリューの値を加算し、前記記憶部に記憶された電子バリューの値を前記加算の分減算することを特徴とする、請求項5に記載の電子財布装置。
  7. 前記カード内部情報書き戻し部が電子バリューの値を書き戻す前記収納部に収納された前記非接触ICカードの選択、および/または、前記カード内部情報書き戻し部が書き戻す電子バリューの選択、および/または、前記カード内部情報書き戻し部が書き戻す電子バリューの値の選択を行う操作部をさらに備えることを特徴とする、請求項5に記載の電子財布装置。
  8. 前記収納部は、前記カード内部情報書き戻し部において非接触ICカードへの電子バリューの値の書き戻しが完了すると、電子バリューの値が書き戻された前記非接触ICカードの排出を可能とすることを特徴とする、請求項5に記載の電子財布装置。
  9. 前記記憶部に記憶された電子バリューの記憶方式を管理する電子バリュー管理部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子財布装置。
  10. 前記電子バリュー管理部は、前記記憶部に記憶される電子バリューをサービスごとに記憶させることを特徴とする、請求項9に記載の電子財布装置。
  11. 前記電子バリュー管理部は、電子バリューの相互利用が可能な関連するサービスの電子バリューを一つの電子バリューとして前記記憶部に記憶させることを特徴とする、請求項10に記載の電子財布装置。
  12. 前記電子バリュー管理部は、電子マネーを通貨ごとに共通の電子バリューとして前記記憶部に記憶させることを特徴とする、請求項9に記載の電子財布装置。
  13. 外部装置と非接触通信可能な複数の非接触ICカードを収納可能な収納部と、前記外部装置と非接触通信を行うための外部通信用アンテナと、記憶部とを備える電子財布装置における通信方法であって:
    前記収納部における非接触ICカードの装着を検出するステップと;
    前記検出するステップにおいて前記非接触ICカードの装着が検出されると、装着された前記非接触ICカードの種別を判定するステップと;
    前記判定するステップの判定結果に応じて検出された前記非接触ICカードに記憶された電子バリューを前記記憶部に記録するステップと;
    前記外部装置から送信された所定のサービスに関連する通信要求を前記外部通信用アンテナが受信すると、前記記憶部に記憶された電子バリューの中から前記通信要求に対応する電子バリューを選択するステップと;
    前記選択するステップにおいて選択された前記電子バリューを用いて前記通信要求に対応する処理を行うステップと;
    前記処理を行うステップにおける処理結果に応じた応答信号を前記外部通信用アンテナを介して前記外部装置へ送信するステップと;
    を有することを特徴とする、通信方法。
  14. 外部装置と非接触通信可能な複数の非接触ICカードを収納可能な収納部と、前記外部装置と非接触通信を行うための外部通信用アンテナと、記憶部とを備える電子財布装置において用いることが可能なプログラムであって:
    前記収納部における非接触ICカードの装着を検出するステップ;
    前記検出するステップにおいて前記非接触ICカードの装着が検出されると、装着された前記非接触ICカードの種別を判定するステップ;
    前記判定するステップの判定結果に応じて検出された前記非接触ICカードに記憶された電子バリューを前記記憶部に記録するステップ;
    前記外部装置から送信された所定のサービスに関連する通信要求を前記外部通信用アンテナが受信すると、前記記憶部に記憶された電子バリューの中から前記通信要求に対応する電子バリューを選択するステップ;
    前記選択するステップにおいて選択された前記電子バリューを用いて前記通信要求に対応する処理を行うステップ;
    前記処理を行うステップにおける処理結果に応じた応答信号を前記外部通信用アンテナを介して前記外部装置へ送信するステップ;
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013524323A (ja) * 2010-03-30 2013-06-17 ロイヤル カナディアン ミント メッセージ記憶・転送システム
WO2018150931A1 (ja) 2017-02-17 2018-08-23 ソニー株式会社 サーバ及び認証方法
WO2019198327A1 (ja) 2018-04-10 2019-10-17 フェリカネットワークス株式会社 情報処理装置、及び情報処理方法

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