JP5658971B2 - パネルの連結構造 - Google Patents

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Description

本発明は防火性能、耐火性能を必要とする建築、構築物の屋根下地材として使用でき、かつ軽量で、強度の高いパネルの連結構造に関するものである。
建築、構築物の外壁材、屋根材として、金属板材間に合成樹脂発泡体を形成し一体化したパネルは数多く上市され、その断熱性を利用してフラットな屋根を形成する断熱下地として使用されるものが上市されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−262698号公報
特許文献1は「フラット屋根」に係る発明であり、断熱性能を要求する屋根構造において、梁の上に直接断熱パネルを施工することで、従来の折板の下地施工工程を省略し、施工性を高くできるというものであった。しかしながら、この種フラット屋根により施工される屋根には、断熱パネルの接続(嵌合)方法に依存する強度の問題から断熱パネルを取り付ける梁の間隔が制限され、広くとることが出来なかった。さらに、火災時においては嵌合部分からの外れ、といった問題があった。
本発明はこのような欠点を解決するために、芯材を表面材と裏面材とでサンドイッチしたパネルを雄雌嵌合して連結した構造において、隣接するパネルの表面材と裏面材とを連結具でつなぐと共に、連結具の先端が、パネルにおける雌下縁裏面の芯材内に存在する状態となるパネルの連結構造を提供するものである。
本発明に係るパネルの連結構造によれば、隣接するパネルの表面材と裏面材とを連結具でつなぐことにより(1)隣接するパネル同士が順次一体化されて屋根面全体が1枚のパネルのようになって強度が向上し、下地となる梁の間隔を従来に比して広く取れてコストが低く、施工性が高く、かつ工期が短縮できる。(2)パネルの連結後は重量物を載置してもたわみが少なくなり、例えば工事用の機械を走行させてもパネル自体の割れ、折れなどの破損がほとんど無くなる。(3)隣接するパネルの雄雌嵌合部間の隙間が少なくなり、気密性能・断熱性能・防水性能が向上する。(4)隣接するパネルをつなぐ連結具はパネルの裏面まで突き抜けないので、連結具による気密性能・断熱性能・防水性能の低下が無く、長期に亘りパネルの劣化を防止できる。(5)パネルを施工するだけで防水性能が確保できるので天候に左右されずに屋内の作業をすぐに開始できて全体の工期を短縮できる。(6)本連結構造により、壁用に使用される一般的なパネルでもフラット屋根に使用出来る。などの特徴、効果がある。
本発明に係るパネルの連結構造の代表的一例を示す説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造の施工状態説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造の施工状態説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造の施工状態説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造の施工状態説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造の代表的一例を示す説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造に使用するパネルの代表的一例を示す説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造を示す平面図である。 本発明に係るパネルの連結構造を示す平面図である。 本発明に係るパネルの連結構造のその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造に使用するパネルのその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造のその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造のその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係るパネルの連結構造のその他の実施例を示す説明図である。
以下に図面を用いて本発明に係るパネルの連結構造について詳細に説明する。図1〜図6は本発明に係るパネルの連結構造の施工状態を示す説明図、図7(a)〜(c)は本発明に係るパネルの連結構造に使用するパネルAを示す説明図である。図中、αは下地、βはパネルAを下地αに固定するためのスクリュービスなどの固定具、γはパネルA同士を連結するスクリュービスなどの連結具を示している。なお、図1〜図6は図9の点線で囲んだ部分を拡大して示した部分拡大斜視図と部分拡大断面図である。
下地αは梁または母屋よりなる屋根下地材となるもので、図では角パイプを使用した下地αを示してある。勿論、C形鋼などを使用しても良いものであり、耐火性の向上のために繊維混入珪酸カルシウム板などで周りを囲って形成した下地αとすることも当然可能である。
パネルAの全体形状の一例としては図7(a)〜(c)に示すように、長尺で金属製の薄板からなる表面材1と裏面材2間に芯材3をサンドイッチし、図では幅方向の下端に形成した雄型連結部4、上端に形成した雌型連結部5とから形成したものである。なお、Pはパッキング材で、防水性、気密性を向上させるが、特に耐火性を向上させる場合にはグラファイト混入ロックウールなど耐火性を有するパッキング材Pを使用する。
雄型連結部4は、表面材1の下端を上方に折り返した上縁6aと、上縁6aの先端を内方に屈曲した最奥片6bと、最奥片6bの先端を下方に垂下した差込片6cとから形成した係合溝6と、裏面材2の下端を外方に屈曲し先端を下方に垂下した雄下縁2aと差込片6cと芯材3とから形成した係合片7とから形成したものである。
雌型連結部5は、表面材1の上端を内方に屈曲し先端を上方に突出した固定片8aと、固定片8aの先端を折り返し下方に垂下した上縁8bと、固定片8aに形成した溝空間8cとから形成した嵌合片8、裏面材2の上端を外方に屈曲し先端を下方に垂下した雌下縁2bと上縁8bとから形成した嵌合溝9とから形成したものである。
勿論、雄型連結部4、雌型連結部5は上記形状に限定されるものでは無く、各種形状に成形された雄雌嵌合構造を形成するものである。
表面材1と裏面材2は金属製板材a、bよりなり、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板など)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板など)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形などによって各種形状に成形したものである。
芯材3は断熱材で例えば合成樹脂発泡体cであれば、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォームなどの合成樹脂発泡体からなるものであり、特に耐火性を必要とする場合にはレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材1、もしくは裏面材2の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材3中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウムなど)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイトなど)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることも出来る。
そこで、本発明に係るパネルの連結構造の施工順序の一実施例について詳細に説明する。まず、図7(a)〜(c)に示すようなパネルAが図1〜図3のように水平な下地α上に連結固定され、図8(a)、(b)や図9に示す屋上Kの屋根下地として形成される。なお、図8(a)はパネルAを下地αに固定する固定具βを施工した状態を示す平面図、図8(b)はパネルA同士を固定する連結具γを施工した状態を示す平面図、図9は固定具βと連結具γを施工した状態を示す平面図である。
なお、当該パネルAは、働き幅が600〜1000mm位で、長さが900〜3600mm位の長尺状のものであり、下地αの間隔はそのパネルAの長さや幅に合わせ適宜決定され、長手方向の木口端面に隣接するパネルA間の目地部Mは下地α上に形成される。
パネルAの連結は、図2(a)、(b)、図4(a)に示すように、雄型連結部4の係合溝6に雌型連結部5の嵌合片8を連結し、雄型連結部4の係合片7を雌型連結部5の嵌合溝9に連結することにより、順次パネルAを連結するものである。
また、パネルAの下地αへの固定は図1、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)、図5(a)、(b)に示すように形成するものであり、スクリュービスなどの固定具βを図7(a)〜(c)に示すようなパネルAの化粧面10の下端部10aから上端部10bの幅Wから下端部10aから最奥片6bまでの距離W2を差し引いたW1の範囲で、かつ目地部MにおけるパネルAの両端部分を下地αに固定するものである。
なお、図8(a)においては、目地部M部分のパネルAの化粧面10両端部で、かつ化粧面10内の幅W1内において、上下端部および中央部分の3カ所を固定具βにより下地αに固定しているものである。勿論、固定具βの打設本数は任意であるが固定ピッチは強度の関係上例えば450mm以下が好ましい。
目地部M部分におけるパネルAの施工は、図3(a)、(b)、図4(b)、図5(b)、図6(b)に示すように、パネルAの端部間にウレタンフォームよりなる目地パッキング材P1を形成し、目地部Mの防水性、気密性を向上するものである。勿論、目地パッキング材P1としては、定型で弾性のあるパッキング材として発泡ゴム、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含浸ポリウレタン系、EPM、EPDMなども使用でき、目地部Mの耐火性を向上する場合には耐火性を有するロックウールフェルト、セラミックウール、グラスウール、石綿、石膏ボード、各種無機発泡体、超高密度フェノールフォーム、グラファイト混入ロックウールなどを使用するものである。
連結具γは、連結されたパネルAの嵌合部Gを更に強固に連結固定するための取付用ビスであり、パネルA同士の嵌合部G部分を連結するためのものであり、嵌合部G間に隙間が形成されるのを防止し、気密性能・断熱性能・防水性能を向上させるものであり、図7(b)に示すようにパネルAの厚さHとした場合に、図6(a)に示すように連結具γの高さをH1とすると、H>H1の関係とし、図7(c)に示すようにパネルAの化粧面10から裏面材2の上縁8bの厚さをH2とすると、H1>H2の関係とするものである。これは、連結具γを打設した際に図6(a)に示すように連結具γが隣接する2枚のパネルAを突き抜けないような寸法関係である。
連結具γによるパネルA同士の連結は、図1、図6(a)、(b)に示すように、目地部Mと横目地部Yの交差する部分においては、下地αに達しないようにパネルA同士を固定するものであり、裏面材2を突き抜けないように形成して、気密性、断熱性、防水性の低下を防止し、長期に亘りパネルAの劣化を防止するものである。また、パネルAの表面材1、裏面材2と、隣り合うパネルAの表面材1、裏面材2を同時に連結することで、1本の連結具γによりパネルA同士の4枚の金属製板材aと金属製板材b同士が同時に連結固定されることになる。勿論、梁などの下地αが存在しない部分においても、連結具γは相隣るパネルA同士を突き抜けないように形成するものである。
さらに詳説すると、図6(a)に示すように連結具γはパネルA2の化粧面10、パネルA2の上縁6a、パネルA1の固定片8a、パネルA1の上縁8b、パネルA2の差込片6c、パネルA2の雄下縁2a、パネルA1の雌下縁2bの順に打ち込まれ、最終的に連結具γの先端が、パネルA2における雌下縁2b裏面の芯材3内に存在する状態となるものである。
なお、連結具γの打設位置は図6(a)に示すように裏面材2の最上端から係合片7の先端までのW3とすると、W3の範囲の略中心部で行うものである。このように形成することにより、隣接するパネルA間の嵌合部Gの隙間が少なくなり、気密性能・断熱性能・防水性能が向上し、屋根全面が1枚のパネルのようになり強度を向上し、下地αの間隔を従来に比して広く取れるものである。
図8(b)に示すように連結具γのパネルAの長手方向の打設ピッチW4は100mm〜450mm(強度の関係上300mm以下が好ましい)であるが、パネルAの長さ(下地αの形成ピッチ)X、パネルAの働き幅Z、パネルAの厚さH、断熱パネルAの断面性能である断面二次モーメントと断面係数を勘案して決められるものである。勿論、パネルAを施工した屋上Kを歩行したり、あるいは工事用の機械を走行させたり、もしくは屋上Kへのエアコンなどの空調機や水タンクの設置作業、およびこれらのメンテナンス作業時に、パネルAが破損しない強度を有するように設定されるものである。
また、固定具β、連結具γの打設位置を明確にするために、打設位置が目視出来ような点・ライン(印刷)、凹条・凹凸条(成形)、一定ピッチのパンチ痕(打痕)などをパネルAに形成することも出来るものである。
さらに、パネルAを施工する下地αを傾斜して形成することにより、フラット屋根だけでない通常の屋根、あるいは屋根下地としても使用することが出来るものである。勿論、屋根としてそのまま使用する場合には、目地部M、横目地部Yには耐候性、耐紫外線、防水性のあるテープなどを貼着することにより防水性能付加した構造を形成するものである。
図6(a)に示すパネルA間の嵌合部G内に形成される溝空間8cは、室内側と屋内側に圧力差が生じた場合に懸念されるパネルAの嵌合部G内の防水層にかかる圧力を、パネルAの横目地Y方向の長手方向に分散し、嵌合部G内に確実な防水層を形成するものである。
以上説明したのは本発明に係るパネルの連結構造の一実施例にすぎず、図10(a)、(b)〜図14に示すように形成することも出来る。
すなわち、図10(a)、(b)は、フラットに施工したパネルAの目地部M、横目地部Yにアルミニウム箔を用いた目地テープ11を貼着し、その上面のパネルAの全面を防水シート12により被覆したものであり、隣り合うパネルAの端部間で断熱性、防水性、気密性を向上するものである。なお、傾斜した下地α上にパネルAを施工し、その目地部M、横目地部Yを目地テープ11で施工した場合にはそのまま屋根として使用することも可能である。
防水シート12はアスファルト、改質アスファルト、合成ゴムなど、あるいは防水性を有する軟質高分子材料の、例えば軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどの軟質熱可塑性合成樹脂により形成したものである。なお、熱融着圧延などにより接着を行う場合には、軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなるものを使用するものである。なお、本発明に係るパネルの連結構造に使用するパネルAにおいては、耐風圧強度の観点からパネルA全面に接着出来るアスファルト防水工法がより望ましい。
図11(a)、(b)はパネルAの長手方向木口端面に端面片13を形成し目地部Mの施工性、防水性、気密性を向上したパネルAである。
図12(a)、(b)はパネルAのその他の連結構造を示す説明図、13(a)、(b)は図12(a)、(b)のパネルAの施工状態を示す断面図である。
図14はパネルAの目地部MのパネルAと下地α間に長尺状で金属製の敷目板14を形成し、目地部Mの防水性、気密性、防火性、耐火性を向上したものである。なお、敷目板14の材質は金属製にはこだわらず、その目的に合わせて適宜決定出来るものである。
本発明に係るパネルの連結構造によれば、隣接するパネルA同士が順次一体化されて屋根面全体が1枚のパネルAのようになって強度が向上し、下地αとなる梁の間隔を従来に比して広くとれてコストが低くなり、施工性が高く、工期が短縮できる。また、パネルAを施工するだけで防水性能が確保できるので天候に左右されずに屋内の作業をすぐに開始でき全体の工期短縮化・コストの低減に有効に活用出来るものである。
α 下地
β 固定具
γ 連結具
A パネル
A1 パネル
A2 パネル
G 嵌合部
K 屋上
M 目地部
P パッキング材
P1 目地パッキング材
Y 横目地部
a 金属製板材
b 金属製板材
c 合成樹脂発泡体
1 表面材
2 裏面材
2a 雄下縁
2b 雌下縁
3 芯材
4 雄型連結部
5 雌型連結部
6 係合溝
6a 上縁
6b 最奥片
6c 差込片
7 係合片
8 嵌合片
8a 固定片
8b 上縁
8c 溝空間
9 嵌合溝
10 化粧面
10a 下端部
10b 上端部
11 目地テープ
12 防水シート
13 端部片
14 敷目板

Claims (1)

  1. 芯材を表面材と裏面材とでサンドイッチしたパネルを雄雌嵌合して連結した構造において、隣接するパネルの表面材と裏面材とを連結具でつなぐと共に、連結具の先端が、パネルにおける雌下縁裏面の芯材内に存在する状態となることを特徴とするパネルの連結構造。
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