JP5658726B2 - フィルタ装置 - Google Patents
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Description
このフィルタ装置を図6に示すと共、図に基づいて説明する。
図に示すように、この特許文献1で提案されたフィルタ(エレメント)装置50は、略矩形形状の濾材を蛇腹状に折り曲げして略円筒形状とした濾過部材51Aと、前記濾過部材51Aの軸方向一端側を支持し、中心に開口部51B1を有する第1支持部材51Bと、前記濾過部材51Aの軸方向他端側を閉塞して支持する第2支持部材51Cとからなる略円筒形状の濾過部51を備えている。
尚、前記アダプタ部52の上端部にはフランジ部52aが形成され、アダプタ部52が濾過部材51A内に装着された際、フランジ部52aの下面が第1支持部材51Bに当接するように形成されている。
更に、前記濾過部材51Aの外周面側に、ネット部材53が取り付けられている。このネット部材53は、前記濾過部51の軸方向の縦糸と前記濾過部51の周方向の横糸とを成型したポリプロピレン成型品から構成されている。
ここで、前記アダプタ部52を金属製とすることにより、仮に流体の圧力によって濾過部材51Aが潰れても、アダプタ部52は潰れないため、フィルタ(エレメント)装置50の全体の形状を維持することができる。
しかしながら、このネット部材53によっては、濾過部材51Aの径方向への膨張を規制することができず、濾過部材51Aが外側(径方向)に膨張し、破裂、破損等する虞があった。
前記蛇腹状の濾過部材の外周面側の前記折曲げ部に接して配置された、合成樹脂からなる、前記濾過部材の変形を阻止するための第1のネット部材と、前記第1のネット部材に接して、前記第1のネット部材よりも外側に配置された合成樹脂からなる、前記濾過部材の破損を回避するための第2のネット部材と、を少なくとも備え、前記第1のネット部材の伸び率が第2のネット部材の伸び率よりも小さく、かつ前記第2のネット部材の引張強度が第1のネット部材の引張強度よりも大きいことを特徴としている。
このように構成され、第1のネット部材と第2のネット部材の両者が一体的に変形するために、流体圧が第1のネット部材と第2のネット部材に分散され、第1のネット部材、第2のネット部材に作用する流体圧が軽減される。
そのため、第1のネット部材、第2のネット部材の破裂、破損が抑制される。しかも、第2のネット部材は、第1のネット部材より引張強度のより大きな合成樹脂が形成されているため、フィルタ装置(濾過部材)が破損する等の最悪の事態を回避することができる。
このように帯状体が巻回されている箇所において、帯状体、第1のネット部材、第2のネット部材が一体的に変形するために、流体圧は、第1のネット部材、第2のネット部材、帯状体に分散され、第1のネット部材、第2のネット部材に作用する流体圧がより軽減される。
そのため、第1のネット部材、第2のネット部材の破裂、破損が抑制される。しかも、第2のネット部材は、第1のネット部材より引張強度のより大きな合成樹脂が選択されているため、フィルタ装置(濾過部材)が破損する等の最悪の事態を回避することができる。
更に、前記フィルタ装置は、円筒形状とした濾過部材の内周面側に、円筒形状の多孔部材からなるアダプタ部が着脱自在に取り付けられることが望ましい。
図1に示すように、本発明にかかるフィルタ装置1は、略矩形形状の濾材を蛇腹状に折り曲げして略円筒形状とした濾過部材2と、前記濾過部材2の軸方向上端側を支持し、中心に開口部5aを有する第1支持部材5と、前記濾過部材2の軸方向下端側を閉塞して支持する第2支持部材6とを備えている。
即ち、フィルタ装置1の中心部側から蛇腹状の濾過部材2、第1のネット部材3、第2のネット部材4の順で配置されている。
この帯状体7は、濾過部材2の外側(径方向)の膨張を規制(抑制)するものであるため、第2のネット部材4の外周面のより多くの個所を、帯状体7で巻回するのが好ましいが、あまり多くの箇所を帯状体7で巻回するのは、濾過部材2を通過する流体の抵抗となり、好ましくない。
一般的には、前記帯状体7をフィルタ装置1の軸方向に、50mm〜150mm間隔で取付けるのが好ましい。
また、この帯状体7は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂であって、伸び率の小さな材料で形成されるのが好ましい。特に、この帯状体7は、濾過部材2の外側(径方向)の膨張を規制(抑制)するため、第1のネット部材3、第2のネット部材4の伸び率よりも小さな材料で形成されるのが好ましい。
同様に、第1のネット部材3、第2のネット部材4の下端部は、濾過部材2の下端部と第2支持部材6との間に挟まれ、エポキシ樹脂の接着材Bにより固定される。
尚、図1において矢印Fで示すように、流体は濾過部材2の内周面から流入し、濾過部材2を通過して外周面から排出される。そのため、流体の圧力は、主に濾過部材2、第1のネット部材3、第2のネット部材4に作用するため、従来のようなアダプタ部は設けられていない。
第1のネット部材3、第2のネット部材4は、図2(a)に示すように、前記濾過部材2の軸方向に縦糸3a(4a)、前記濾過部材2の周方向に横糸3b(4b)を配した、合成繊維のネット部材であり、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂によって構成されている。
このように、基布の材質の違い、コーティングの有無、あるいは縦糸、横糸の糸の径の違いから、伸び率、引張強度の違うものが得られる。
ここで、伸び率としては縦糸方向、横糸方向の伸び率があり、第1のネット部材3の縦糸方向の伸び率は、第2のネット部材4の縦糸方向の伸び率よりもの小さく、また第1のネット部材3の横糸方向の伸び率は、第2のネット部材4の縦糸方向の伸び率よりもの小さくものが選択されるのが好ましい。
このように、最外周に配置された第2のネット部材4が、より引張強度が大きい合成樹脂材料によって形成されるため、フィルタ装置(濾過部材)が破裂、破損するという最悪な状態を回避することができる。
即ち、第1のネット部材3と第2のネット部材4とは、異なる観点から最適なものが選択されるため、濾過部の変形(膨張)を阻止することができると共に、フィルタ装置(濾過部材)の破損を回避することができる。
即ち、第1のネット部材3は、第2のネット部材4と比べて、流体から大きな圧力を受けるように、より小さな網目で形成されている。
このように、第1のネット部材3が、第2のネット部材4と比べて、流体から大きな圧力を受けるために、第1のネット部材3の伸び率が第2のネット部材4の伸び率よりも小さくても、図4(a)に示すように、第1のネット部材3と第2のネット部材4が接して配置された状態(変形前の状態)から、図4(b)に示すように、第1のネット部材3と第2のネット部材4は同一の伸びを呈し、両者は一体的に変形する。
前記第1のネット部材3及び第2のネット部材4の伸び率よりも、大きな伸び率を有する帯状体7を用いた場合には、帯状体7の巻回部分において、第1のネット部材3と第2のネット部材4とが一体的に変形しないため、好ましくない。
また、上記フィルタ装置はそのままで使用しても良いが、従来用いていた金属からなる円筒状のケーシング等の内部に収納し、使用しても良い。また、金属からなる円筒形状の多孔部材のアダプタを用いても良い。
このように、ケーシング、アダプタを用いた場合においても、使用後、濾過部材の変形(膨張)が阻止されるため、ケーシング、アダプタから濾過部材を円滑に取り出すことができる。
2 濾過部材
2a 折曲げ部
3 第1のネット部材
4 第2のネット部材
5 第1支持部材
6 第2支持部材
7 帯状体
Claims (6)
- 略矩形形状の濾材を蛇腹状に折曲げして略円筒形状とした濾過部材を備え、前記濾過部材の中心部分から流体を導入し、前記濾過部材の外周面から前記流体を導出するフィルタ装置において、
前記蛇腹状の濾過部材の外周面側の前記折曲げ部に接して配置された、合成樹脂からなる、前記濾過部材の変形を阻止するための第1のネット部材と、
前記第1のネット部材に接して、前記第1のネット部材よりも外側に配置された合成樹脂からなる、前記濾過部材の破損を回避するための第2のネット部材と、を少なくとも備え、
前記第1のネット部材の伸び率が第2のネット部材の伸び率よりも小さく、かつ前記第2のネット部材の引張強度が第1のネット部材の引張強度よりも大きいことを特徴とするフィルタ装置。 - 前記第1のネット部材の充実率が第2のネット部材の充実率よりも大きく形成され、第1のネット部材と第2のネット部材とが一体的に変形することを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
- 前記第2のネット部材の外周面の所定箇所に、合成樹脂、綿、不織布のいずれからなる帯状体が巻回され、少なくとも帯状体が巻回されている箇所において、帯状体、第1のネット部材、第2のネット部材が一体的に変形することを特徴とする請求項1または請求項2記載のフィルタ装置。
- 前記帯状体の伸び率が、第1のネット部材及び第2のネット部材の伸び率よりも小さいことを特徴とする請求項3記載のフィルタ装置。
- ケーシング内に収容されていること特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のフィルタ装置。
- 円筒形状とした濾過部材の内周面側に、円筒形状の多孔部材からなるアダプタ部が着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のフィルタ装置。
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