JP5656725B2 - タイヤ製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ製造装置に関し、特にあらかじめ円環状に形成されるとともに溝の付与されたトレッドを台タイヤに組み付けるタイヤ製造装置に関する。
近年の省資源化や環境保護のため、使用済みのタイヤは、使用に伴って摩耗したトレッド部分を取り除き、新たにトレッドゴムを取り付けて、再び更生タイヤとして再利用されるようになってきている。更生タイヤの製造には、あらかじめ加硫され溝が形成された円環状のトレッド(プレキュアトレッドともいう。)を台タイヤに組み付ける手法がある。
そして従来、このような円環状のトレッドを台タイヤに組み付ける装置としては、特許文献1に記載されたものがあり、このものは、図9に示すように、トレッド幅方向に延び、半径方向に拡縮移動可能な複数の保持部材(特許文献1の装置における水平アーム)110を有し、これらの保持部材110により拡張、保持されたトレッド112を該保持部材110を縮径することで台タイヤの外周面上に載置し、次いで保持部材110をトレッド112と台タイヤとの間から引き抜くことでトレッド112を台タイヤに装着するものであり、とくに、この装置には、トレッドの位置合わせのために位置決め部材(特許文献1の装置における、水平アームに設けられた肩)114が設けられており、保持部材110上に保持されたトレッド112の幅方向端部をこの位置決め部材114に接触させることでトレッドを整列させる(幅方向に位置決めする)ようにしている。
特開昭50−158676号公報
ところが、上記のような従来の装置は、保持部材110上に保持されたトレッド112の幅方向端部を位置決め部材114に接触させて該トレッド112を整列させているため、とくに、トレッド112がウイングタイプの場合、つまり、トレッド112の幅方向両端部が薄肉で成型されている場合には、位置決め部材114に接触したときに薄肉のトレッド端部にめくれや変形が生じてしまい、台タイヤへの組み付けを行ったときに、このめくれや変形部分がそのままの状態で台タイヤに組みつけられ、タイヤの性能に影響を及ぼしてしまう場合がある。
それゆえ、本発明は、保持部材上に保持されたトレッドの位置決めを正確に行うことにより、トレッドを台タイヤに精度良く組み付けることができるタイヤの製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のタイヤ製造装置は、台タイヤの外周面に溝付きの円環状のトレッドを組み付けるタイヤ製造装置であって、前記台タイヤを支持するドラムと、前記トレッドの幅方向にそれぞれ延在し、該トレッドを内周面側から幅方向に変位自在に保持する複数の保持部材と、前記トレッドの前記溝内に入り込む突起をそれぞれ有し、該トレッドの外周面上にそれぞれ装着される複数のブロックと、前記複数のブロックに対向してそれぞれ位置し、前記保持部材に保持されたトレッドの半径方向に沿ってそれぞれ変位可能に構成された複数の位置決め部材であって、半径方向内側への変位により前記ブロックの表面と係合して該ブロックを前記トレッドと一緒に前記保持部材に対して位置決めする推力面をそれぞれ有する複数の位置決め部材と、を具えることを特徴とするものである。
本発明のタイヤ製造装置にあっては、複数のブロックをトレッドに取り付け、該トレッドを複数の保持部材に掛け渡した後に、位置決め部材を半径方向内側(トレッドに対して近接する方向)に変位させると、ブロックの表面が位置決め部材の推力面に沿って案内され、これに連動してトレッドは保持部材に位置決めされる。
したがって、このタイヤ製造装置によれば、位置決め部材の推力面とブロック表面との係合によるブロックの幅方向変位をトレッドの外周面に作用させて、トレッドの、保持部材に対する位置決めを行うことができるので、とくにトレッドがウイングタイプの場合においてもトレッドの幅方向両端部にめくれや変形が生じることがなく、トレッドの、台タイヤへの組み付けを精度良く行うことができる。
なお、本発明のタイヤ製造装置にあっては、前記ブロックは、前記トレッドを吸着、解放可能な吸着手段を有することが好ましく、これによれば、ブロックをトレッドに装着した際に、該ブロックがトレッドから脱落するのを防止することができる。
また、本発明のタイヤ製造装置にあっては、前記位置決め手段は、前記ブロックの表面と前記推力面とが係合した状態にて該ブロックを吸着、保持する吸着手段を有することが好ましく、これによれば、トレッドの、保持部材に対する位置決めが終了した後に、位置決め部材の半径方向外側への移動と同時に吸着手段によりブロックを吸着、保持してブロックをトレッドから取り外すことができて、装置の簡素化を図ることができる。
本発明の一実施形態のタイヤ製造装置を示す概略構成図である。 図1のタイヤ製造装置に用いられるブロックを示す概略斜視図である。 図1のタイヤ製造装置におけるトレッド拡径装置を示す側面図である。 図3のトレッド拡径装置における保持部材を示しており(a)は側面図、(b)は平面図である。 図3のトレッド拡径装置における位置決め部材を示す部分側面図である。 図1のタイヤ製造装置を用いてトレッドを保持部材に対して位置決めする工程を説明する概略図である。 位置決め部材によるブロック及びトレッドの位置決めの様子を示す図であり、(a)は位置決め部材を半径方向内側に移動させる前の状態を、(b)は位置決め部材を半径方向内側に移動させてブロックに当接させた状態をそれぞれ示している。 本発明に適用可能な他のブロックの形状を例示する図である。 従来の手法により、保持部材上のトレッドの位置決めを行う様子を示した概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、タイヤ製造装置の全体概略図であって、この図に示すように、タイヤ製造装置1は、台タイヤ3を固定する台タイヤ保持装置5と、台タイヤ3の外径よりも小さい内径にあらかじめ加硫、成型され溝が付与された円環状のトレッド7を拡径するトレッド拡径装置9と、台タイヤ3に組み付けられたトレッド7の表面を押圧する押圧装置11と、を備えるものである。これらの各装置5,9,11は、搭載面が水平に形成された基台13上に搭載される。なお、円環状のトレッド7は、台タイヤ3の外径よりも小さな内径としたが、台タイヤ3の外径と同じ、若しくは大きくしても良い。
また、タイヤ製造装置1は、図2に示すように、トレッド7の溝7a内に入り込む突起15aをそれぞれ有し、該トレッド7の外周面上の所定位置(後述の位置決め部材16に対応する位置)にそれぞれ装着される複数のブロック15を備える。なお、トレッド7に、ブロック15を装着する位置を示す表示部(図示省略)を設けておいてもよく、このような表示部は、例えばトレッド7を加硫、成型した際に金型により形成することができる。各ブロック15は、この例では、トレッド7の外周面に対向し上記突起15aを複数垂下、形成する底壁面17aと、底壁面17aから起立しトレッド7の周方向に対向する一対の三角形の前壁面17bおよび後壁面17cと、これらの前壁面17bおよび後壁面17c相互間で底壁面17aからそれぞれ所定角度で傾斜しながら起立して先端が互いに結合する一対の四角形の側壁面17d,17eとからなる五面体である。
なお、ブロック15は剛体であることが好ましい。ブロック15が軟らかい材料で形成されている場合、位置決め精度が低下するからである。また、ブロック15の幅は後述する保持部材19の幅よりも大きくすることが好ましい。ここで、ブロック15の幅とは、ブロック15の、トレッド周方向に沿った長さを指し、保持部材19の幅とは、保持部材19の、トレッド周方向に沿った長さを指す。トレッド7に取り付けたブロック15に位置決め部材16を押し当てることでトレッド7を位置決めするようにしているため、ブロック15は、位置決め部材16からの押付け力を受け止める必要があるからである。すなわち、ブロック15を取り付けたトレッド7が沈み込んでしまうと正確な位置決めができなくなるため、ブロック15が保持部材19にしっかり支持されていることが必要である。よって、ブロック15の幅は、保持部材19の幅よりも大きくすることが好ましい。また、ブロック15の高さ(トレッドの半径方向に沿った長さ)をA、ブロック15の幅(トレッドの幅方向に沿った長さ)をBとしたとき、A<Bとすることが好ましい。幅Bを大きくすることで、トレッド7の初期の設置位置が保持部材19に対して大きくずれた場合でも、その位置ズレを是正することができるからである。また、各ブロック15には、底壁面17aに露出し、トレッド7の外周面を吸着する、吸着手段としてのバキュームパッド21が設けられている。ブロック15の内部には、バキュームパッド21につながる通路p1が形成され、この通路p1の出口付近にはスプリング23で付勢されたバルブ25が設けられている。バキュームパッド21を作動させるにあたっては、外部から空気吸引用のノズル27を、バルブ25を収める穴hに該バルブ25を押し込みながら差し込み、通路p1とノズル27内の通路p2とを連通させ、バキュームパッド21内の空気をノズル27で吸引する。この吸引が終了した後にノズル27を後退させることでバルブ25がスプリング23の力により元の位置に復元し、通路p1は再びバルブ25により閉鎖され、バキュームパッド21の真空は維持される。一方、バキュームパッド21内の真空は、バルブ25を僅かに押し込むことで通路p1が外部と連通し解除される。この真空の解除は、ブロック15の先端部と位置決め部材16の凹部16aとが合致することで行われるものである。
台タイヤ保持装置5は、図1に示すように、保持装置本体30と、保持装置本体30の内部から外部に水平方向に延在するドラムシャフト32と、ドラムシャフト32を回転させるドラムモータ34と、保持装置本体30に内蔵されるコンプレッサ36と、ドラムシャフト32の先端部に固着されるドラム38と、を備える。保持装置本体30は、基台13の長手方向の一側側に搭載され、ドラムシャフト32が長手方向に貫通する。ドラムシャフト32は、保持装置本体30に固定される図示しない軸受により回転可能に支持される。ドラムシャフト32の、ドラム38が取り付けられた側とは反対側の端部にはプーリ40が取り付けられる。
ドラム38は、径方向に放射状に分割された複数のドラムピース38aからなる円筒状のもので、種々のタイヤサイズに対応可能なように各ドラムピース38aを径方向に拡縮させる拡縮機構を有する。拡縮機構としては、ドラムピース38aに取り付けられる図示しないエアシリンダに対して空気を供給、排出することで各ドラムピース38aを径方向に移動させる機構が挙げられる。ドラム38は、台タイヤ3の内径部に沿った状態で台タイヤ3を保持する。また、ドラム38には、ドラム38の周面を包囲する図示しないシールリングが取り付けられ、ドラム38が拡径するとシールリングがドラムピース38a間の隙間を覆うように引き伸ばされた状態で台タイヤ3の内径部とシールシールリングが密着し、台タイヤ3の内部空間がシールリングにより塞がれて閉空間となる。この閉空間内には図示しない空気充填バルブを介して空気を供給し、台タイヤ3をインフレートすることができる。ドラムモータ34は、モータ内部に減速機構を備えるギアードモータにより構成され、モータの回転力が減速された状態で出力される。ドラムモータ34の回転出力軸には、プーリ42が取り付けられる。プーリ42とドラムシャフト32に固定されたプーリ40には、ベルト44が掛け渡され、ベルト44を解してドラムモータ34の回転がドラムシャフト32に伝達される。
押圧装置11は、ステッチャーと呼ばれ、ドラム38に取り付けられた台タイヤ3の外周面と対向する位置に配置される。押圧装置11は、回転自在に保持され、台タイヤ3に組み付けられたトレッド7の表面と接触することにより回転し、トレッド7を台タイヤ3に対して押し付けて圧着するローラ46を有する。
台タイヤ保持装置5のドラム38とトレッド拡径装置9との間には、図1及び図3に示すように、ドラムシャフト32の回転する中心軸と平行な一対のレール48が基台13上に敷設される。トレッド拡径装置9は、レール48上をドラム38に対して近接または離間する方向に移動可能な車輪50を備えた台座52上に設置される。
トレッド拡径装置9は、拡径装置本体54と、トレッド7の幅方向にそれぞれ延在し、該トレッド7を内周面側から幅方向に変位自在に保持する複数の保持部材19と、保持部材19上に保持されたトレッド7を位置決めする位置決め部材16と、移動部58とを備える。図示例では、位置決め部材16は、保持部材19と同数設けているが、位置決め部材16は保持部材19よりも少なくしても良く、位置決め部材16の数を保持部材19の数の半分としても良い。
拡径装置本体54は、回転主軸60と第1円板部62と第1円板部62の背面側に配置された第2円板部64と回転モータ66とを有する。回転主軸60は、中心軸がドラムシャフト32の中心軸と同軸となるよう拡径装置本体54内に設けられた図示しない軸受により支持される。拡径装置本体54内における回転主軸60の中間部には、プーリ68が取り付けられる。回転主軸60を回転させる回転モータ66は、拡径装置本体54内に内蔵され、台座52上に固定される。回転モータ66の回転出力軸には、プーリ70が取り付けられ、プーリ68とプーリ70とにベルト72が掛け渡され、回転モータ66の回転がベルト72を解して回転主軸60に伝達される。なお、回転モータ66は無くても良い。
第1円板部62の取付面(ドラムを向く側の面)62aには、上記複数の保持部材19が周方向に等間隔に取り付けられている。保持部材19を半径方向に移動する手段は、リニアレール74と、保持部材19が取り付けられ、リニアレール74上を移動するスライダ76と、スライダ76を駆動するアクチュエータ(図示省略)とにより構成される。リニアレール74は、取付面62a上を放射状に延在してスライダ76を案内するものである。アクチュエータは、ここではボールネジ回転型のアクチュエータを用いるが、油圧シリンダやエアシリンダを用いても良い。また、保持部材19を拡縮する手段としてリンク機構を用いても良い。
保持部材19は、図4に示すように、一端がスライダ76に固定され、そこからドラム38側に延びる一対のフレーム80と、一対のフレーム80間に支持された複数の回転ローラ82と、を有する。これにより、保持部材19によりトレッド7の内周面は幅方向に変位自在に保持される。
第2円板部64の取付面(ドラムを向く側の面)64aには、図3に示すように、上記複数の位置決め部材16が周方向に等間隔に取り付けられている。位置決め部材16を半径方向に移動する手段は、リニアレール84と、位置決め部材16が取り付けられ、リニアレール84上を移動するスライダ86と、スライダ86を駆動するアクチュエータ(図示省略)とにより構成される。リニアレール84は、取付面64a上を放射状に延在してスライダ86を案内するものである。アクチュエータは、ここではボールネジ回転型のアクチュエータを用いるが、油圧シリンダやエアシリンダを用いても良い。また、位置決め部材16を拡縮する手段としてリンク機構を用いても良い。
位置決め部材16は、図1及び図5に示すように、一端がスライダ86に固定され、そこからドラム38側に屈曲部16aを介して第1円板部62の外周縁を避けつつ延び、保持部材19に対向する面16bの、該保持部材19の幅方向中央に対応する位置にブロック15の凸部と相補的な形状であるV字状の凹部90を有する。すなわち、凹部90は、位置決め部材16の、保持部材に対向する面16bから内側に傾斜して延び先端が互いに集結する第1の斜面90aおよび第2の斜面90bからなり、これらの斜面90a,90bは、ブロック15の表面(一対の側壁面17d,17e)と係合、協働して該ブロック15をトレッド7と一緒に保持部材19に対して位置決めする推力面を構成する。
また、ここでは位置決め部材16には、第1の斜面90aおよび第2の斜面90bにそれぞれ露出し、ブロック15の表面と第1および第2斜面90a,90bとが係合した状態にて該ブロック15を吸着、保持する、吸着手段としてのバキュームパッド92が設けられている。バキュームパッド92は、位置決め部材16内の通路p3を介して図示しない負圧発生源に接続されており、また、真空発生源と各バキュームパッド92の間には、真空発生および真空破壊用のバルブ(図示省略)が設けられている。なお、吸着手段としては、バキュームパッド92に限らず、ブロック15を金属製とした場合には電磁石(図示省略)により構成することができる。すなわち、電磁石への通電のオン・オフにより、ブロック15を吸着保持・解放するようにしても良い。
移動部58は、トレッド拡径装置9をレール48に沿って台タイヤ保持装置5のドラム38に対して近接または離間させるピストン94を有する。なお、ピストン94に代えて、ボールネジ回転型のアクチュエータを用いてもよい。
以下、本実施形態のタイヤ製造装置の作動を図6および図7を参照して説明する。なお、図6では、各構成要素を簡略化して示しているが、上述した各構成要素に対応するものである。図示のように、台タイヤ3にトレッド7を組み付けるにあたっては、まず、上記表示部にしたがってトレッド7に複数のブロック15を取り付け、ブロック15のバキュームパッド21を作動させる(ステップS1)。これにより、ブロック15がトレッド7から脱落するのを防止することができる。次いで、台タイヤ3をドラム38の周面上にセットし、ブロック15が取り付けられたトレッド7を複数の保持部材19に掛け渡す(ステップS2)。ドラム38上の台タイヤ3は、ドラム38の拡径およびコンプレッサ36からの台タイヤ3内部への空気の供給により、ドラム38に固定される。
トレッド拡径装置9の複数の保持部材19に掛け渡されたトレッド7は、全スライダ76の、半径方向外側への同期移動により、トレッド7の直径が台タイヤ3の外径よりも大きくなるよう拡径される。次いで、位置決め部材16が、全スライダ86の、半径方向内側への同期移動により半径方向内側に移動する(ステップS3)。このとき、図7に示すように、位置決め部材86の凹部90の第1の斜面90aおよび第2の斜面90bと、ブロック15の一対の側壁面17d,17eとが係合しながら該凹部90内にブロック15の先端部が入り込む。これにより、ブロック15は、トレッド7と一緒に保持部材19に対して(保持部材19の幅方向中央に)位置決めされる。また、ブロック15に設けられたバキュームパッド21内の真空は、位置決め部材16の第2の斜面90bによるバルブ25の押し込みにより解除される。
次いで、トレッド7が保持部材19に対して位置決めされた状態で保持された後には、移動部58により、トレッド拡径装置9を台タイヤ保持装置5のドラム38に対して近接する方向に移動させ、トレッド7がドラム38上にセットされた台タイヤ3の周囲を囲繞する位置で停止させる。なお、トレッド拡径装置9を停止させる位置は、保持部材19の幅方向中心とドラム38上の台タイヤ3の幅方向中心とが一致する位置とする。次いで、保持部材19の底部が台タイヤ3の外周面と接する位置まで保持部材19を移動させ、この状態にて、位置決め部材16のバキュームパッド92を作動させるとともに位置決め部材16を半径方向外側に移動させ(ステップS4)、トレッド拡径装置9をドラム38に対して離間する方向に移動させて保持部材19をトレッド7と台タイヤ3との間から引き抜く。これにより、ブロック15はトレッド7から取り外され、トレッド7は台タイヤ3に対して組み付けられる。そして、押圧装置11のローラ46をトレッド7に押し当ててトレッド7を台タイヤ3に圧着させる。
このようになるタイヤ製造装置1によれば、位置決め部材16の、推力面としての第1の斜面90aおよび第2の斜面90bとブロック15の一対の側壁面17d,17eとの係合によるブロック15の幅方向変位をトレッド7の外周面に作用させて、トレッド7の、保持部材19に対する位置決めを行うよう構成したので、とくにトレッド7がウイングタイプの場合においてもトレッド7の幅方向両端部にめくれや変形が生じることがなく、トレッド7の、台タイヤ3への組み付けを精度良く行うことができる。
また、本実施形態のタイヤ製造装置1によれば、ブロック15に、トレッド7を吸着、解放可能なバキュームパッド21を設けたことから、ブロック15がトレッド7から脱落するのを防止することができる。
さらに、本実施形態のタイヤ製造装置1によれば、位置決め部材16に、ブロック15の表面と推力面とが係合した状態にて該ブロック15を吸着、保持するバキュームパッド92を設けたことから、トレッド7の、保持部材19に対する位置決めが終了した後に、位置決め部材16の半径方向外側への移動と同時にバキュームパッド92によりブロック15を吸着、保持してブロック15をトレッド7から取り外すことができて、装置の簡素化を図ることができる。
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、ブロックの形状は、前壁面および後壁面が三角形をなす五面体に限らず、図8(a)に示すように、前壁面および後壁面が半円形のものでもよく、もしくは図8(b)に示すように、前壁面、後壁面および一対の側壁全てが三角形である四角錐としてもよい。
かくして、本発明により、保持部材上に保持されたトレッドの位置決めを正確に行うことにより、トレッドを台タイヤに精度良く組み付けることができるタイヤの製造装置を提供することが可能となった。
1 タイヤ製造装置
3 台タイヤ
5 台タイヤ保持装置
7 トレッド
9 トレッド拡径装置
11 押圧装置
15 ブロック
17d,17e 一対の側壁面
15a 突起
16 位置決め部材
19 保持部材
21 バキュームパッド
38 ドラム
90a 第1の斜面(推力面)
90b 第2の斜面(推力面)
92 バキュームパッド

Claims (3)

  1. 台タイヤの外周面に溝付きの円環状のトレッドを組み付けるタイヤ製造装置であって、
    前記台タイヤを支持するドラムと、
    前記トレッドの幅方向にそれぞれ延在し、該トレッドを内周面側から幅方向に変位自在に保持する複数の保持部材と、
    前記トレッドの前記溝内に入り込む突起をそれぞれ有し、該トレッドの外周面上にそれぞれ装着される複数のブロックと、
    前記複数のブロックに対向してそれぞれ位置し、前記保持部材に保持されたトレッドの半径方向に沿ってそれぞれ変位可能に構成された複数の位置決め部材であって、半径方向内側への変位により前記ブロックの表面と係合して該ブロックを前記トレッドと一緒に前記保持部材に対して位置決めする推力面をそれぞれ有する複数の位置決め部材と、を具えることを特徴とするタイヤ製造装置。
  2. 前記ブロックは、前記トレッドを吸着、解放可能な吸着手段を有する、請求項1に記載のタイヤ製造装置。
  3. 前記位置決め手段は、前記ブロックの表面と前記推力面とが係合した状態にて該ブロックを吸着、保持する吸着手段を有する、請求項1または2に記載のタイヤ製造装置。
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