JP5654788B2 - キャリブレーションフルード組成物 - Google Patents
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Description
例えば、自動車メーカーのプレス加工工程で使用される鋼板の「プレス加工兼用出荷防錆油」の場合は、鉄鋼メーカーの鋼板加工で、鋼板コイルに錆止め油を塗布しているが、自動車メーカーでは特にプレス油を塗布せずに、上記付着した防錆油にプレス油の機能を果たさせている。そして、この防錆油はプレス加工後、自動車用パネルに組立てた後で、水溶性アルカリ洗浄で、容易に油が除去できなければならない。
この洗浄工程に使用する洗浄油として、防錆性を有する「高引火点洗浄防錆油」を使用すれば、洗浄と同時に防錆油の塗布が同時に行なう事ができる。
上記潤滑油組成物には、更に、炭素数12〜30の飽和モノカルボン酸または炭素数18〜24の不飽和モノカルボン酸とアミンとを反応させて得た酸アミドや、脂肪酸エステルを含有することができる。
上記した脂肪酸エステルは、その脂肪酸が炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐の脂肪酸を使用するとよく、更に、脂肪酸エステルのエステル部がグリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールやソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価アルコールと、炭素数10〜22の脂肪酸との部分エステルであると良い。
基油としては、例えば、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた低粘度潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製したパラフィン系やナフテン系などの鉱油を挙げることができる。
ここで使用する基油は、全硫黄分が0.1質量%以下、好ましくは100質量ppm以下、より好ましくは50質量ppm以下、一層好ましくは5質量ppm以下のものがよい。また、15℃における密度は0.80〜0.85g/cm3、好ましくは0.81〜0.84g/cm3、より好ましくは0.82〜0.83g/cm3がよい。芳香族分(%CA)は20質量%未満、好ましくは15質量%未満、より好ましくは11質量%未満がよい。
これら合成基油の粘度は特に制限されないが、40℃における動粘度は、2〜32mm2/s、好ましくは2〜15mm2/s、より好ましくは2〜5mm2/sである。
X3は1〜30個の炭素原子からなるアルキル基、若しくはエーテル結合を有するアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基である。例えば、オクタデシル基、アルコキシプロピル基、ヒドロカーボンの炭素数が6〜18でありかつアルキル基が炭素数3〜6である3−ヒドロカーボンオキシアルキル基、好ましくは、シクロヘキシルオキシプロピル基、3−オクチルオキシプロピル基、3−イソオクチルオキシプロピル基、3−デシルオキシプロピル基、3−イソデシルオキシプロピル基、3−ドデシルオキシプロピル基、3−テトラデシルオキシシプロピル基、3−ヘキサデシルオキシシプロピル基がよい。
X4は1〜30個の炭素原子からなる飽和若しくは不飽和カルボン酸基、又は1〜30個の炭素原子からなるアルキル基、アルケニル基若しくはヒドロキシアルキル基である。例えば、プロピオン酸基やプロピオニル酸基がよい。
また、上記ザルコシン酸誘導体及びアスパラギン酸誘導体は、キャリブレーションフルード組成物などの潤滑油組成物中に、各々、約0.005〜5質量%程度、好ましくは約0.01〜3質量%程度、より好ましくは約0.05〜2質量%程度で用いられる。
上記X6、X7は炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基であり、好ましくはX6、X7の炭素数は1〜18が良い。X6及びX7は、同じでもよく、異なっていてもよい。
この酸アミドとしては、炭素数12〜30の飽和モノカルボン酸または炭素数18〜24の不飽和モノカルボン酸とアミンを反応させた酸アミド化合物が好適であり、例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、イソステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等が挙げられる。
また、ポリアルキルアミンと反応させて得たポリアルキレンポリアミド、例えば、イソステアリン酸トリエチレンテトラミド、イソステアリン酸テトラエチレンペンタミド、イソステアリン酸ペンタエチレンヘキサミド、オレイン酸ジエチレントリアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、などのカルボン酸アミドも好適に用いることができる。
ソルビトールエステルとしては、ソルビトールモノラウリレート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノオレート、ソルビトールジラウリレート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールジオレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールトリラウリレート、ソルビトールトリオレート、ソルビトールテトラオレート等が挙げられる。
アルキレングリコールエステルとしては、エチレングリコールモノラウリレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノオレート、エチレングリコールジラウリレート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジオレート、プロピレングリコールモノラウリレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールジラウリレート、プロピレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジオレート等がある。
ネオペンチルグリコールエステルとしては、ネオペンチルグリコールモノラウリレート、ネオペンチルグリコールモノステアレート、ネオペンチルグリコールモノオレート、ネオペンチルグリコールジラウリレート、ネオペンチルグリコールジステアレート、ネオペンチルグリコールジオレート等が挙げられる。
トリメチロールエタンエステルとしては、トリメチロールエタンモノラウリレート、トリメチロールエタンモノステアレート、トリメチロールエタンモノオレート、トリメチロールエタンジラウリレート、トリメチロールエタンジステアレート、トリメチロールエタンジオレート等がある。
トリメチロールプロパンエステルとしては、トリメチロールプロパンモノラウリレート、トリメチロールプロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノオレート、トリメチロールプロパンジラウリレート、トリメチロールプロパンジステアレート、トリメチロールプロパンジオレート等がある。
ペンタエリスリトールエステルとしては、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ペンタエリスリトールジラウリレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジオレート、ジペンタエリスリトールモノオレート等がある。
上記した酸アミドや脂肪酸エステルは、キャリブレーションフルード組成物などの潤滑油組成物中に、各々、約0.005〜5質量%程度、好ましくは約0.01〜3質量%程度、より好ましくは約0.05〜2質量%程度で用いるとよい。
また、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプト−オクチルアセテート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉富製薬社製:ヨシノックスSS)、n−ドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2’−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−ヒドロキシ−炭素数7〜炭素数9側鎖アルキルエステル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL135)などのアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート類、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−400)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−500)などの2,2’−メチレンビス(4−アルキル−6−t−ブチルフェノール)類がある。
さらに、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−300)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(シェル・ジャパン社製:Ionox220AH)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−(ジ−p−ヒドロキシフェニル)プロパン(シェル・ジャパン社製:ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL109)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](吉富製薬社製:トミノックス917)、2,2’−チオ−[ジエチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL115)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(住友化学:スミライザーGA80)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージRC)、2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチル−レゾルシン)などのビスフェノール類がある。
そして、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL101)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(吉富製薬社製:ヨシノックス930)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(シェル・ジャパン社製:Ionox330)、ビス−[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−4−(2”,4”−ジ−t−ブチル−3”−ヒドロキシフェニル)メチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノールなどのポリフェノール類、p−t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドの縮合体、p−t−ブチルフェノールとアセトアルデヒドの縮合体などのフェノールアルデヒド縮合体などが挙げられる。
また、インダゾール、4−アルキル−インダゾール、5−アルキル−インダゾールなどのトルインダゾール類等のインダゾール誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール誘導体(千代田化学社製:チオライトB−3100)、2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾールなどの2−(アルキルジチオ)ベンゾチアゾール類、2−(ヘキシルジチオ)トルチアゾール、2−(オクチルジチオ)トルチアゾールなどの2−(アルキルジチオ)トルチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾールなど2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)トルチアゾールなどの2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−トルゾチアゾール類等のベンゾチアゾール誘導体がある。
さらに、2−(オクチルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(デシルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)ベンゾオキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)−ベンゾオキサゾール類、2−(オクチルジチオ)トルオキサゾール、2−(デシルジチオ)トルオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)トルオキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)トルオキサゾール類等のベンゾオキサゾール誘導体、2,5−ビス(ヘプチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(アルキルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール類、2,5−ビス(N,N−ジエチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジオクチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール類、2−N,N−ジブチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−N,N−ジオクチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどの2−N,N−ジアルキルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール類等のチアジアゾール誘導体、1−ジ−オクチルアミノメチル−2,4−トリアゾールなどの1−アルキル−2,4−トリアゾール類等のトリアゾール誘導体などが挙げられる。
これらの金属不活性剤は、キャリブレーションフルード組成物などの潤滑油組成物中に約0.01〜1質量%の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
例えば、自動車用の鋼板コイルの製造最終工程で塗布使用する潤滑油があり、これは鋼板コイルの錆止め油として機能すると共に、プレス加工するときのプレス成形油としても機能する。また、自動車用の鋼板のプレス加工部品、その他の部品の錆止め油としても有効に使用することができる。
(1)基油A: 合成イソパラフィン系低粘度基油(40℃における動粘度;2.3mm2/s、引火点;90℃、全硫黄分;5質量ppm未満、15℃における密度;0.796g/cm3、流動点;−50℃以下、平均分子量;160)
(2)基油B:グループ5の低粘度鉱油;原油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたナフテン系鉱油(40℃における動粘度;2.9mm2/s、引火点;93℃、全硫黄分;5質量ppm未満、15℃における密度;0.888g/cm3、流動点;−50℃以下、平均分子量;180、%CN;83、%CP;17)
(4)添加剤2:アスパラギン酸誘導体(キング社製:K−corr100)
(5)添加剤3:ジアルカノールアミン(アデカ社製:キクルーブFM−812)
(6)添加剤4:イソステアリン酸とポリアルキレンポリアミンとの反応生成物である酸アミド(シェブロン社製:Oloa340D)
(7)添加剤5:脂肪酸エステル;オレイン酸とリノール酸の混合酸のモノグリセライド及びジグリセライド(インフィニアム社製:Infineum R655)
(8)添加剤6:硫化脂肪酸エステル(ラインケミ社製:RC-2317)
(9)添加剤7:Baスルフォネート(キング社製:Nasul BSB)
(10)添加剤8:Caスルフォネート(キング社製:Nasul 729)
(11)添加剤9:ジターシャリブチルヒドロキシトルエン(フェノール系酸化防止剤)
(12)添加剤10:金属不活性化剤(BASF社製:Irgamet 39)
上記実施例1〜5、比較例1〜5の各キャリブレーションフルード組成物について、その特性を知るために、
(1)40℃の動粘度(JIS K2283に基づく)
(2)15℃の密度(JIS K2249に基づく)
(3)酸価(JIS K2501に基づく)
を測定した。
各測定結果を表1及び表2に記載した。
実施例1〜5及び比較例1〜5の各キャリブレーションフルード組成物を用いて、その性能を見るために以下の試験を行った。
JIS K2513に基づき、試料油を入れた試験管に、所定の手順で研磨した銅板試験片を浸漬した状態で、温度150℃の恒温槽内に、8時間放置した後、試験片を取り出し、試験片の変色状態を目視で評価した。
評価基準は下記によった。
◎:銅板変色度 1以下
○:銅板変色度 2以下
×:銅板変色度 3以上
各測定結果を表1及び表2に記載した。
JIS K2246に基づき、所定の手順で試料油を被覆した試験片を、温度49℃、相対湿度95%以上の湿潤箱試験機内に、50時間放置した後、試験片を取り出し、試験片のさびの発生状態を目視で評価した。
評価基準は下記によった。
○:錆なし・・・錆の発生が見られない。
×:錆あり・・・錆の発生が見られる。
ISO12156−1で標準化された軽油−潤滑性試験方法により、HFRR試験を行い、各キャリブレーションフルード組成物の潤滑性を評価した。
摩擦係数及び固定鋼球の摩耗痕径を潤滑性能評価の指標とした。
<試験条件>
試験球 : 軸受鋼(SUJ−2)
荷重(P): 200gf(=1.96mN)
振動数 : 50Hz
ストローク: 1000μm
試験時間 : 75分
温 度 : 60℃
測定方法 : 試験試料を試験浴に入れ、試料の温度を60℃に保持する。試験鋼球を鉛直方向に取付けた試験鋼球固定台に固定し、水平方向にセットした試験ディスクに荷重(1.96mN)をかけて押し付ける。試料浴内で完全に試料に浸漬した状態で、試験ディスクと接触しながら試験鋼球を50Hzの周波数で往復運動(振動)させる。
試験開始から終了までの間、計測した摩擦係数の平均値を、摩擦係数として求めた。
また、試験終了後に固定鋼球の摩耗痕径(μm)を測定した。
(1)摩耗痕径について
◎:300μm未満
○:300μm以上460μm未満
×:460μm以上
(2)摩擦係数について
◎:0.125未満
○:0.125以上0.140未満
×:0.140以上
JIS K2514に基づき、潤滑油の酸化安定性を評価する。試験油、水及び触媒コイルを入れた蓋付き試験容器を、圧力計を備えたステンレス製高圧容器(ボンベ)の中に入れる。ボンベの中に酸素を620kPaまで圧入した後、150℃の恒温槽に入れる。ボンベを30度の角度に保持しながら毎分100回転で回転させる。圧力が最高になったときから175kPa下がるまでの時間(分)を測定する。本試験では、圧力が下がるまでの時間(酸化誘導時間)が長い程、酸化安定性は良好であると判定する。
評価基準は下記によった。
◎: 120分以上
○: 90分以上120分未満
×: 90分未満
各測定結果を表1及び表2に記載した。
低粘度潤滑油の腐食酸化安定性を評価するため、試験油、触媒の銅板、アルミ板、鉄板を入れた蓋付き密封ガラス容器を、150℃の恒温槽で、8時間放置する。試験後、試験油をミリポアフィルターでろ過し、スラッジ量を測定する。触媒の外観変化を目視で観察する。本試験では、スラッジ発生量が少なく、銅触媒の変化が少ない程、腐食酸化安定性が良好であると判定する。
スラッジ量の評価基準は下記によった。
○: 1mg/100mL未満
×: 1mg/100mL以上
◎:銅板変色度 1以下
○:銅板変色度 2以下
×:銅板変色度 3以上
(試験結果)
各試験結果を表1及び表2に示す。
実施例1〜5のものは、銅板腐食試験、湿潤試験(錆止め性)、HFRR試験の摩耗痕径及び摩擦係数、酸化安定性試験(RPVOT)、腐食酸化安定性試験の銅触媒外観及びスラッジ生成度においていずれも良好な結果が得られている。特に、銅板腐食試験においては実施例1,2,4が、HFRR試験の摩耗痕径においては実施例1,2,3,4が、同摩擦係数においては実施例1,2,3が、酸化安定性試験(RPVOT)においては実施例2,3,5が、腐食酸化安定性試験の銅触媒外観においては実施例1,2,4が優良な結果が得られている。
一方、比較例1,2,3においては湿潤試験(錆止め性)の結果が悪く、比較例4では銅板腐食試験,HFRR試験の摩耗痕径及び摩擦係数,腐食酸化安定性試験の銅触媒外観及びスラッジ生成度における結果が悪く、比較例5では銅板腐食試験,HFRR試験の摩擦係数,腐食酸化安定性試験の銅触媒外観及びスラッジ生成度における結果が悪くて好ましくないことが判る。
Claims (12)
- 鉱油及び/または合成油から選ばれる少なくとも1種の基油と、ザルコシン酸誘導体、アスパラギン酸誘導体、及び1.1〜6質量%の脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物を含有するディーゼルインジェクター製造工程における検査ラインで使用するインジェクターのキャリブレーション(作動検定)用として用いられることを特徴とするキャリブレーションフルード組成物。
- 上記脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物がジアルカノールアミンであることを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 炭素数12〜30の飽和モノカルボン酸または炭素数18〜24の不飽和モノカルボン酸とアミンを反応させ生成した酸アミド、及び/または脂肪酸エステルを更に含有することを特徴とする請求項1または2に記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記酸アミドのアミンがポリアルキレンポリアミンであることを特徴とする請求項3に記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記脂肪酸エステルの脂肪酸が炭素数8〜30の直鎖または分岐の脂肪酸であることを特徴とする請求項3または4に記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記脂肪酸エステルのエステル部が多価アルコールとの反応生成物であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記脂肪酸エステルの多価アルコールがグリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビタンの中から選ばれる1種類以上の多価アルコールであり、炭素数10〜22の脂肪酸との部分エステルであることを特徴とする請求項6に記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記潤滑油組成物に、更にフェノール系酸化防止剤及び/またはベンゾトリアゾールを含有させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記基油の40℃動粘度が2〜32mm2/sであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記基油が、合成油であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記合成油が、ポリαオレフィンであることを特徴とする請求項10に記載のキャリブレーションフルード組成物。
- 上記合成油が、GTLであることを特徴とする請求項10に記載のキャリブレーションフルード組成物。
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