JP5654164B1 - 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム - Google Patents

木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5654164B1
JP5654164B1 JP2014120520A JP2014120520A JP5654164B1 JP 5654164 B1 JP5654164 B1 JP 5654164B1 JP 2014120520 A JP2014120520 A JP 2014120520A JP 2014120520 A JP2014120520 A JP 2014120520A JP 5654164 B1 JP5654164 B1 JP 5654164B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
floor
setting
lane
lane line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014120520A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016001369A (ja
Inventor
佳子 宮川
佳子 宮川
裕勇 寺内
裕勇 寺内
歳男 菊池
歳男 菊池
英二 新宅
英二 新宅
Original Assignee
宮川工機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 宮川工機株式会社 filed Critical 宮川工機株式会社
Priority to JP2014120520A priority Critical patent/JP5654164B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5654164B1 publication Critical patent/JP5654164B1/ja
Publication of JP2016001369A publication Critical patent/JP2016001369A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】作業性や構造強度を考慮した伏図を熟練者でなくても容易に設計可能とする。【解決手段】2階建て住宅の第2層の区画線を生成するに当たり、第1層,第2層について生成した柱の位置を考慮して第3層の区画線を先に決定し、第3層の区画線と上下に重なる位置の区画線を優先しつつ、第1層について生成した柱の位置及び第1層の間取り図を考慮して第2層の区画線を決定することにより、2層−3層間の区画を立体構造ブロック化する。ドーマーなどを備える2階建て住宅であっても、構造強度の高い区画割を実施することができる。【選択図】 図8

Description

本発明は、木造住宅用プレカット加工のための伏図設計支援装置及びプログラムに係り、特に、2階建て以上の木造住宅についての伏図設計支援装置及びプログラムに関する。
出願人は、木造住宅用伏図設計支援装置に関し、間取り図から伏図を自動生成する技術について、種々の提案をした(特許文献1〜5)。特許文献1では、主として柱の配置を自動的に決定する技術を、特許文献2では、主として住宅の各階層を構造的に安定的な区画に分ける区画線決定技術を、特許文献3では、主として横架材の繋ぎ込みに関する技術を、特許文献4では、主として2階建て以上の木造住宅の2層目以上の階層の横架材の配置を決定する技術を、特許文献5では、主として小屋組部分を自動的に設計する技術をそれぞれ提案した。
特許文献1〜5の技術は、柱配置、区画割、繋ぎ込み、2層目以上の横架材配置、小屋組を、間取り図から自動的に決定することが可能となり、スパン表等を適切に利用して熟練者でなくても適切な伏図の作成を可能にするもので、プレカット加工のための梁組等の設計作業を大幅に効率化することができるものである。
特許第3980549号(要約,図14) 特許第4027889号(要約,図28) 特許第3980548号(要約,図49) 特許第4027888号(要約,図27) 特許第4027887号(要約,図27)
ところで、ドーマー、トップライト、吹き抜けなど、種々の意匠が凝らされた屋根を備えていたり、様々な生活様式に対応した種々の間取りや小屋裏空間の利用などが要望されている。また、室内からの出入りを考慮したバルコニー下がりや、大工仕事の作業性を考慮した小屋裏におけるスペース確保といった要望もある。
こうした種々の要望に対して、適切なスパン表等を新たに作成すれば、特許文献1〜5の技術により対応することは可能である。しかし、この種の要望の全てに対応するためのスパン表等の作成は困難である。
そこで、本発明は、作業性や構造強度を考慮した伏図を熟練者でなくても容易に設計することのできる木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、少なくとも1階の柱の下側となる第1層、2階柱の下側となる第2層及び2階柱の上側となる第3層を有する2階建て以上の木造住宅に対して、各階の間取り図に基づいて伏図を決定するための設計支援装置であって、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(1A)入力された間取り図と、予め登録されている柱生成条件とに基づいて、1階及び2階の各階の柱の位置を生成する柱生成手段を備えていること。
(1B)前記柱生成手段の生成した前記各階の柱の位置に基づいて、前記第1層、第2層及び第3層の外周を大区画とする様に前記第1層、第2層及び第3層の区画線を生成する区画線生成手段を備えていること。
(1C)前記区画線生成手段は、第2層において前記大区画内の区画線を生成するに当たり、前記柱生成手段が2階について生成した柱の位置を考慮して第3層の区画線を先に決定し、該第3層の区画線と上下に重なる位置の区画線を優先しつつ、前記柱生成手段が1階について生成した柱の位置及び1階の間取り図を考慮して第2層の区画線を決定する第2層区画線決定手段を備えていること。
本発明の木造住宅用伏図設計支援装置によれば、第3層区画線を先に決定し、第2層区画線は、第3層区画線と上下に重なる区画線を優先して決定する。従って、第2層と第3層の間は、区画線が一致した立体構造ブロック化された区画となり、ドーマーなどを備える2階建て住宅であっても、構造強度の高い区画割を実施することができる。なお、3階建て住宅においては、第2層−第3層間の立体構造ブロック化に加えて、第3層−第4層間での立体ブロック構造化を同様に実施する様にしてもよい。
ここで、本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(2)前記第2層区画線決定手段は、前記第3層の区画線を決定するに際して、前記柱生成手段が生成した2階の柱の位置、及び2階の柱同士の間を所定条件に従って分割した位置を、第3層について区画線を生成し得る第3層区画線候補ポイントに設定すると共に、該第3層区画線候補ポイントに対して2階の柱及び1階の柱の位置を考慮して第3層区画線候補ポイント優先順位を付与し、前記第3層区画線候補ポイント間を結ぶ東西又は南北の第3層区画線候補の中から、前記第3層区画線候補ポイント優先順位を考慮して前記第3層区画線を決定する手段として構成されていること。
かかる構成(2)をも備えることにより、第3層区画線は、2階の柱だけでなく、1階の柱をも考慮して決定される。この結果、第2層−第3層間に形成される上述の立体構造ブロック化された区画は、第3層の荷重を1階の柱へとスムーズに伝達するものとなる。なお、3階建て住宅においては、第3層−第4層間も立体構造ブロック化し、その際に、第4層について1階〜3階の各階の柱を考慮して区画線を決定し、これを第3層区画線の決定に際して反映させる様にしてもよい。
また、本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(3)前記第2層区画線決定手段は、前記柱生成手段が決定した1階の柱の位置、及び1階の柱同士の間を所定条件に従って分割した位置を、第2層について区画線を生成し得る第2層区画線候補ポイントに設定すると共に、該第2層区画線候補ポイントに対して1階の柱の位置を考慮して第2層区画線候補ポイント優先順位を付与し、前記第2層区画線候補ポイント間を結ぶ東西又は南北の第2層区画線候補の中から前記第3層区画線の直下に位置する第2層区画線候補を最優先した上で、前記第2層区画線候補ポイント優先順位と1階の間取り図とを考慮して前記第2層区画線を決定する手段として構成されていること。
かかる構成(3)をも備えることにより、第2層区画線は、第2層−第3層間の立体構造ブロック化を優先しつつ、第1層へと第2層以上の荷重をスムーズに伝達する区画割を行うことができる。
また、本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(4)前記第2層区画線決定手段によって決定された第2層区画線で囲まれた各区画毎に、東西又は南北の区画線における1階の柱の本数及び最大柱間距離を考慮して、床梁の梁掛け方向を決定する区画毎梁掛け方向決定手段と、該区画毎梁掛け方向決定手段の決定した梁掛け方向となる様に、前記第2層区画線で囲まれた各区画毎に床梁を生成する床梁生成手段を備えていること。
かかる構成(4)を備えることにより、第2層の床梁は、区画毎に適切な方向を梁掛け方向とする様に決定される。従って、第2層区画線の決定に当たって第2層−第3層間の立体構造ブロック化を図った結果、第2層区画線としては採用されなかった方向の第2層区画線候補が、結果的に床梁として伏図に反映されるなど、第2層としての水平方向の荷重に対する適切な構造強度を自然に確保することができる。
また、本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(5)前記第2層において、第2層の大区画外へとオーバーハング状態となる持ち出し梁について建物内への侵入部分を生成するか否かを判定する判定手段を備え、該判定手段によって前記侵入部分を生成すると判定された持ち出し梁を、(オーバーハング長さ:建物内侵入長さ)が(1:2)以上となる位置の横架材又は柱に突き当てる様に建物内に伸ばす持ち出し梁延長手段を備えていること。
かかる構成(5)をも備えることにより、例えば、バルコニー梁の様に、オーバーハングとなる持ち出し梁を、先端が垂れ下がり難い荷重バランスで支持されたものとすることができる。
この場合、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(6A)前記判定手段は、2階の床面に対してレベル下がりで納めるバルコニーのバルコニー梁については、前記建物内への侵入部分を生成すべき持ち出し梁と判定する手段として構成されていること。
(6B)前記持ち出し梁延長手段は、前記バルコニー梁について前記建物内への侵入部分を生成すると共に、当該バルコニー梁を延長する区画内について、当該バルコニー梁の延長部分の上に重なる様に、前記レベル下がりの寸法に対応する材成の床梁を生成する潜り込み状態生成手段を備えていること。
2階の床面よりもバルコニーをレベル下がりで納めることにより、バルコニーへの出入りがし易い構造となる。この場合、(6A),(6B)の構成を備え、床梁の下にバルコニー梁を潜り込ませることにより、床梁に必要な材成は下に潜り込んだバルコニー梁と合わせて確保でき、バルコニー梁には、持ち出し梁の垂れ下がり防止効果をも併せて確保させることができる。
また、これら本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(7)複数の持ち出し梁を下から受ける渡り受け梁が存在する場合、当該渡り受け梁について、最も材成の小さい持ち出し梁の下面を上面で受け、それ以外の持ち出し梁を渡りアゴ掛けによって受けられる様に、当該渡り受け梁のレベル及び材成を決定する渡り受け梁アゴ掛け生成手段を備えていること。
持ち出し梁は、渡り受け梁によって受ける構造とすることができる。この場合、(7)の構成を備えることにより、複数の持ち出し梁について必要な材成をそれぞれに決定してやればよく、例えば、バルコニーの端と中程でバルコニー梁の材成を異ならせる様に設計したとしても、材成の最小のものを上面で、材成の大きいものはアゴ掛けにより、いずれも渡り受け梁でしっかりと受けることができる。
また、これら本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(8)下層に壁のない小屋梁について、当該小屋梁のレベルを上げることによって小屋梁の下面と天井との間に所定高さの空間を形成する小屋梁レベル上げ手段を備えていること。
かかる構成(8)をも備えることにより、小屋梁の下側に作業空間を確保することができる。なお、この小屋梁のレベル上げは、兜掛けのつの高さを許容範囲内で補正することができる場合に実施する様にしておくとよい。
また、これら本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(9)枕梁を備える場合、上材で荷重を受けて下材でこぼれ補正する第1のパターンと、上材は最低材成に留めて下材で荷重及びこぼれを受け止める第2のパターンのいずれを選択するかを設定する枕梁こぼれ補正パターン選択手段を備えていること。
かかる構成(9)を備えることにより、枕梁のこぼれ補正のパターンを第1のパターンと第2のパターンの中から選択することができ、意匠的な観点からより適切な方のパターンを選択するといった用い方ができる。
これら本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、「コンピュータを、上述の木造住宅用伏図設計支援装置における演算処理を実行させるための演算処理手段として機能させるための木造住宅用伏図設計支援プログラム」によって実現することができる。
本発明の木造住宅用伏図設計支援装置は、上述の様に、第2層−第3層を立体構造ブロック化した区画で構成することができ、構造強度面からもより優れた伏図を設計することができる。この結果、ドーマーなどを備える意匠的に特徴のある屋根構造を有する住宅であっても、容易に適切な伏図を設計することができ、プレカット加工のための伏図作成業務の負担を軽減することができる。
本発明によれば、作業性や構造強度を考慮した伏図を熟練者でなくても容易に設計することができる。
実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置を示し、(A)はシステムの全体構成を示す模式図、(B)はコンピュータプログラムの構成を示す模式図である。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における梁組決定プログラムが実行する演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の伏図支援マスターの構成を示す模式図である。 実施例1の伏図支援マスターを示し、(A)は材成割り増し設定部の構成を示す説明図、(B)は最小材成設定部の構成を示す説明図、(C)は配置材成表設定部の構成を示す説明図である。 実施例1の伏図支援マスター中の特殊補正処理設定部の構成を示す模式図である。 実施例1の特殊補正処理設定部について示し、(A)は連動整合処理における材成増加補正の模式図、(B)は連動整合処理設定部の構成を示す説明図である。 実施例1の特殊補正処理設定部について示し、(A)は上部梁材成補正設定部の構成を示す説明図、(B)は兜補正設定部の構成を示す説明図、(C)は兜補正におけるつの高さ、ふところ高さ、天井高の関係を示す説明図である。 実施例1の特殊補正処理設定部について示し、(A)は通常のこぼれ処理の様子を示す説明図、(B)はこぼれ処理設定部の構成を示す説明図、(C)は枕梁のこぼれ処理を設定することによって実行される1ランクアップの様子を示す説明図である。 実施例1の特殊補正処理設定部について示し、(A)は材料属性自動変更設定部の構成を示す説明図、(B)は外壁線上母屋材幅・材成変更設定部の構成を示す説明図、(C)は母屋材幅連動設定部の構成を示す説明図である。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、前処理の部分を示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、1回目の材成計算・決定処理の部分を示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、2回目の材成計算・決定処理の部分を示すフローチャートである。 2回目の材成計算・決定処理において実行する連続梁に対する前処理の説明図である。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、(A)は連続梁に対する調整部分、(B)は最小材成制限に従った処理の部分を示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、特殊補正処理における連動整合処理の部分を示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、特殊補正処理における上部梁材成補正処理の部分を示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、特殊補正処理における兜補正の部分を示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、(A)は特殊補正処理における枕梁こぼれ処理の部分、(B)は材料属性自動変更処理の部分を示すフローチャートである。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置における材成計算プログラム及び材成決定プログラムが実行する演算処理の流れの内、(A)は特殊補正処理における外壁線上母屋材幅・材成変更処理の部分、(B)は母屋材幅連動処理の部分を示すフローチャートである。 実施例1における計算系マスターへの設定に際しての初期画面を示す説明図である。 実施例1における計算系マスターへの設定手順について示し、(A)は材成割り増しの設定画面、(B)は最小材成制限の設定画面を示す説明図である。 実施例1における計算系マスターへの設定手順について示し、(A)は配置材成表の設定画面の説明図、(B)は連動整合処理の設定画面の説明図、(C)は持出し梁と先端梁の材成整合例を示す斜視図である。 実施例1における特殊補正処理について示し、(A)はバルコニー持出し梁を受ける渡り受梁のレベル整合例を示す斜視図、(B)は枕梁に対する第1パターンでのこぼれ処理例を示す斜視図、(C)は枕梁に対する第2パターンでのこぼれ処理例を示す斜視図である。 実施例1における計算系マスターへの設定手順について示し、(A)は上部梁材成補正の設定画面の説明図、(B)は兜補正の設定画面の説明図である。 実施例1における計算系マスターへの設定手順について示し、(A)は枕梁のこぼれ処理の設定画面の説明図、(B)は枕梁のこぼれ処理に関連する配置材成表の設定例を示す説明図、(C)は枕梁のこぼれ処理の様子を示す説明図である。 実施例1における計算系マスターへの設定手順について示し、(A)は使用材料属性の自動変更の設定画面の説明図、(B)は外壁線上母屋材幅・材成変更の設定画面の説明図、(C)は母屋材幅連動の設定画面の説明図である。 実施例1における材成自動計算プログラムの実行に際しての操作手順を示す説明図である。 実施例1における材成自動計算プログラムの実行に際しての操作手順を示す説明図である。 実施例1における材成自動計算プログラムの実行に際して開かれたエラーリスト表示画面の説明図である。 実施例1における材成自動計算プログラムの実行に関して明細画面での確認例を示す説明図である。 実施例1における材成自動計算プログラムの実行に関して強度表での確認例を示す説明図である。 実施例1における材成決定部品の色表示ON/OFF状態の設定に際しての操作手順を示す説明図である。 実施例1における登録マスターへの登録に際しての操作手順を示す説明図である。 実施例1の梁組自動生成プログラムによるベランダオーバーハング梁の生成条件等を示す説明図である。 実施例1の木造住宅用伏図設計支援装置が実行する演算処理全体の流れを示すフローチャートである。 実施例1の梁組決定プログラムに組み込まれた特徴的な梁組みルールの説明図である。
以下に、本発明を適用した木造住宅用伏図設計支援装置の実施例を説明する。
実施例の木造住宅用伏図設計支援装置1は、図1(A)に示す様に、コンピュータ11と、モニタ12と、キーボード13と、マウス14と、プリンタ15と、ルータ16とから構成される。コンピュータ11にインストールされたプレカット用伏図設計支援プログラム2は、概念的に示すと図1(B)の様になり、伏図における梁組を決定する梁組決定プログラム21と、許容応力度計算に基づいて材成を算出する材成計算プログラム22と、意匠的要素や経験的要素等を加味して材成を決定する材成エッセンス付加プログラム23と、決定した材成に基づいて構造強度計算書を作成する計算書作成プログラム24とから構成される。
図1(B)に示す様に、梁組決定プログラム21には、等級マスタ、材幅・材成マスタ、樹種・素材長マスタ、自動生成基準マスタ、自動生成仕様マスタを記憶した伏図設計支援マスタA(21a)から各種情報が読み込まれる構成となっている。
「自動生成基準マスタ」には、横架材、柱材、火打材、開口材を自動生成する場合の「樹種」、「材幅」、「材成」、「等級」を設定するもので、例えば、「横架材」に対しては、「土台、大引、床梁、床受梁、胴差、壁梁、頭つなぎ、妻梁、小屋梁、軒桁、母屋、棟木、隅木」に分けて、「柱材」に対しては、「通し柱化粧有、通し柱化粧無、管柱出隅化粧有、管柱出隅化粧無、管柱外壁化粧有、管柱外壁化粧無、管柱内壁化粧有、管柱内壁化粧無、小屋束、床束、半柱、開口間柱、大通し柱化粧有、大通し柱化粧無、階段柱、親柱、床柱」に分けて、「火打材」に対しては、「火打土台、火打梁」に分けて、「開口材」に対しては、「敷居、窓台、鴨居、窓まぐさ、台面額縁、コーナー額縁」に分けて、それぞれ、自動生成時に採用する「樹種」、「材幅」、「材成」、「等級」がテーブル形式で設定される構成となっている。
これら「自動生成基準マスタ」を構成する各テーブルは、「樹種・素材長マスタ」から樹種を選択した後に、「材幅マスタ」から材幅が選択可能になり、材幅選択後に「材成マスタ」から材成が選択可能になり、材成選択後に「等級マスタ」から等級が選択可能になる様にファイルが構成されている。なお、横架材の材成は、最終的に材成計算プログラム22によって決定される。
「自動生成仕様マスタ」とは、管柱、通し柱、床梁等の各材種について、「配置ピッチ」や「最小ピッチ」などのパラメータを設定しておくためのマスタファイルである。
梁組決定プログラム21これらの詳細は、例えば、特許第4027889号の実施形態と同様であるが、本実施例のコンピュータプログラム2においては、特許第4027889号の様な梁組プログラムにおける材成の自動生成は実行せず、材成計算プログラム22において材成初期値H0(例えば、105mm)を全ての横架材に対して設定する内容となっている点が異なっている。この材成計算プログラム22と材成決定プログラム23が、特許第4027889号の実施形態における「スパン表マスタ」、「横架材スパン表マスタ」に代わるものとして機能する。
まず、梁組決定プログラム21の概要について説明する。梁組決定プログラム21は、図2に示す様に、まず最初に、設計データ(間取り)として入力された「部屋」、「開口部(ドア、窓等)」、及び「屋根」の情報を取得し(S100)、S100で取得した設計データに基づき、軒桁線及び妻梁線生成処理を実行する(S200)。
設計データ入力処理(S100)は、予め作成した間取り図、開口位置、屋根の平面形状等を入力して記憶する処理である。このデータ入力の方法としては、データ互換性のあるCAD装置による設計データをそのまま読み込む方法、データ入力画面を開き、モジュールピッチに対応するグリッド表示された画面を参照しながら、マウスやキーボードを操作してマニュアル入力する方法のどちらも採用することができる様にしてある。なお、ここで入力される間取り図には、部屋の種類などの属性情報が各部屋毎に与えられている。
軒桁線及び妻梁線生成処理(S200)では、入力した設計データの屋根の平面形状のデータを表示した画面において、オペレータが指定した軒桁線及び妻梁線の別に対応して、屋根形状のデータの線分に軒桁線及び妻梁線の属性を付与し、これを記憶する処理を実行する。
続いて、各部屋のデータから間仕切り線を抽出して壁位置データを生成し(S300)、柱生成処理(S400)へと進む。柱生成処理では、「1、2階に管柱を生成する処理」→「1階に管柱を追加する処理」→「開口部に管柱を追加する処理」→「管柱ピッチ及び最小ピッチに基づいて管柱を追加・削除する処理」→「通し柱を生成する処理」→「床柱を生成する処理」→「化粧柱を指定する処理」→「階段領域に親柱及び階段柱を生成する処理」の手順で実行される。
「1、2階に管柱を生成する処理」では、「部屋」、「開口部(ドア、窓等)」、「屋根」及び「壁」の情報を取得し、「管柱ピッチ」、「最小ピッチ」、「通し柱削除ピッチ」等の柱自動生成のための計算に必要なデータを伏図支援マスタAから入力する。「管柱ピッチ」とは、管柱を配置する間隔を定めるデータである。例えば、1820mm等の数値で指定されている。「最小ピッチ」とは、管柱間に確保すべき最小距離を意味し、この最小ピッチ以内には複数の管柱を配置しない様にするためのデータである。例えば、910mm等の数値で指定されている。「通し柱削除ピッチ」とは、通し柱間に確保すべき距離を意味し、この通し柱削除ピッチ以内には複数の通し柱を配置しない様にするためのデータである。
次に、図3に示す様に、3層区画線候補ポイント生成処理(S500)及び2層区画線候補ポイント生成処理を実行する。
3層について区画線を発生させるポイントと、各ポイントに対する優先順位を決定するためのマークの付与ルールをS500中の模式図に示す。
(1)1階2階で管柱が同一点にある位置・・・「×」
(2)通し柱の位置・・・「×」
(3)1階に2スパン以内に離れた位置に管柱があり2階にその管柱を結ぶ線上に管柱がある位置・・・「△」
(4)1階2階で管柱が同一点にあり、または通し柱がありその距離が2スパン以内の場合に、その間を1/2グリッドで分割した位置・・・「▲」
2層について区画線を発生させるポイントと、各ポイントに対する優先順位を決定するためのマークの付与ルールをS600中の模式図に示す。
(1)1階2階で管柱が同一点にある位置・・・「×」
(2)通し柱の位置・・・「○」
(3)1階に2スパン以内に離れた位置に管柱があり、2階にその管柱を結ぶ線上に管柱がある位置・・・「△」
(4)1階2階で管柱が同一点にあり、または通し柱がありその距離が2スパン以内の場合に、その間を1/2グリッドで分割した位置・・・「▲」
(5)1階にある管柱位置・・・「×」
これら区画線候補ポイントに付与されたマークの優先順位は、×>○>△>▲となっている。
こうして区画線候補ポイントに対する優先順位を付与したら、まず、小屋組の区画を生成する。小屋組区画生成処理として、図4に示す様に、区画線候補ポイントを通る東西・南北の区画線候補を生成する(S710)。図示の例では、「1」「5」「7」を除く、「2」「3」「4」「6」に対して東西の区画線候補が、「い」「ぬ」「を」を除く、「ろ」「は」「に」「ほ」「へ」「と」「ち」「り」「る」に対して南北の区画線候補が生成される。なお、「1」「7」、「い」「を」は、区画の外周となる。
次に、図5に示す様に、最初に区画外周を大区画に決定する(S720)。続いて、S500で付与したマークの優先順位を考慮して、大区画の中で一番優先順位の高い区画線候補を区画線に決定する(S730)。そして、区画サイズが所定グリッド数以下となる様に、さらに区画割を実施する(S740)。このときも、東西・南北の各区画線候補の中から、優先順位の高い区画線候補を選ぶ様にして区か区割りを実施する処理が実行される。図示の例では、小屋組区画として、S740中の左下の模式図の様に、「3」に東西区画線が生成され、南側区画においては「に」「ち」に、北側区画においては「は」「と」に区画線が生成された状態に小屋組の区画が決定されている。
次に、2層の区画を生成する。2層区画生成処理として、図6に示す様に、区画線候補ポイントを通る東西・南北の区画線候補を生成する(S810)。図示の例では、「1」「7」を除く、「2」「3」「4」「5」「6」に対して東西の区画線候補が、「い」「ぬ」「を」を除く、「ろ」「は」「に」「ほ」「へ」「と」「ち」「り」「る」に対して南北の区画線候補が生成される。なお、「1」「7」、「い」「を」は、区画の外周となる。
2層区画生成処理においても、図7に示す様に、最初に区画外周を大区画に決定する(S820)。続いて、S600で付与したマークの優先順位を考慮して、大区画の中で優先順位の高い区画線候補から順に仮区画線に決定する(S830)。この仮区画線の決定も、小屋組の場合と同様に、区画サイズが所定グリッド数以下となるまで実施するが、この段階では区画を決定しない。
2層区画生成処理においては、図8に示す様に、立体ブロック化処理によって仮区画線の中から区画線を決定する(S840)。立体ブロック化処理は、S840中に模式図で示す様に、先に決定した小屋組の区画線と一致させる様に区画線を選択する。これは、小屋組の区画が、(1)1階2階で管柱が同一点にある位置、(2)通し柱の位置を優先していることを利用して、2層上の区画が1層まで荷重を伝達し易く、頑丈な構造とすることを狙ったものである。図示の例では、2層区画として、S840中の下側の模式図の様に、小屋組区画と同様に、「3」に東西区画線が生成され、南側区画においては「に」「ち」に、北側区画においては「は」「と」に区画線が生成された状態に2層の区画が決定される。
こうして、まず、小屋組区画を反映した立体構造ブロックが形成される様に2層区画生成を実施した後、図9に示す様に、1層との整合化処理を実行する(S850)。この処理では、1層の壁の上に区画線が追加され、L字型区画となる場合はL字を解消する様に区画線が追加される。
2層については、さらに、図10に示す様に、バルコニー下がりがあるか否かを判定し(S860)、「YES」の場合には、建物内侵入部生成処理を実行する(S870)。この処理では、バルコニー梁のオーバーハング部分を「1」とするとき、柱で支持されている支持点から「2」以上が建物内部側へ伸びていれば、オーバーハング部分と逆方向に一番近い梁または柱(相手材)の側面に差して接合する様にバルコニー梁を建物内に進入させる。
次に、図11に示す様に、各区画内における梁掛け方向を決定する処理を実行する(S900)。この処理では、床梁を受け止める区画線側にポイントを付与し、ポイントの高い方(強度の強い方)に掛けるようにする。この場合のポイント付与に当たっては、「X方向Y方向の最大柱間の距離比較」及び「X方向Y方向の下層柱本数比較」を考慮することとしている。
こうして梁掛け方向を決定したら、床梁を生成する(S1000)。さらに、小屋束・小屋梁を生成する(S1100)。こうして、柱及び横架材の配置が決定したら、柱、小屋束、及び区画線上のグリッドポイントを両端とする横架材配置情報を登録するワイヤフレーム登録処理(S1200)を実行して、梁組決定プログラムを一旦、終了する。
なお、梁組決定プログラムで区画線を決定する際のルールをまとめると、次の様になる。
(1−1)吹抜など区画線が通過出来ない領域は、禁止領域とする。
(1−2)最外周を大区画とする。
(1−3)大区画が指定サイズ以上なら、下記の条件を基に、指定サイズ以下になるまで細分化する。
(1−3A)区画候補線ポイントに付与されたマークの優先順位に基づいて、優先順位が高いものから採用する。
(1−3B)区画線候補の両端部の柱に関して付与されたマークの優先順位を比較する。
(1−3C)区画線候補によって分割される区画領域がともに指定サイズ以下になり、かつ2区画の面積比が小さくなるものほど高得点とする。
(1−3D)区画線候補内に存在する下層柱の数が多いものほど高得点とする。
(1−3E)区画線候補内に存在する×印柱が多いものほど高得点とする。
(1−3F)区画線候補と下層間仕切りの重複率が高いものほど高得点とする。
(1−3G)元の区画領域をなるべく中央寄りで分割する区画線候補を高得点とする。
(1−3H)区画線候補内(両端部含む)に、より多く入り隅が存在する方が高得点とする。
(1−3I)分割された区画領域の縦横比が4×4または4×3であれば高得点とする。
(1−3J)分割された区画領域として長細い区画が出来る場合は減点する。
(1−3K)2層は上層の区画線と重複率が高いものほど高得点とする。
(1−3L)当該層の間仕切りと重複率が高いものほど高得点とする。
(1−3M)指定サイズ以下の区画にL字部が残っていた場合、L字から区画線を伸ばし解決させる。
また、小屋束・小屋梁生成処理においては、以下のルールを採用している。
(2−1)小屋梁は、区画線全てに生成される。
(2−2)確定小屋束配置は、以下の場所とする。
(2−2A)母屋棟木線と隅木が交差するところ。
(2−2B)母屋棟木線と外壁が直交するところ。
(2−3)ピッチ小屋束配置は、以下の場所とする。
(2−3A)2ピッチ間隔に配置する。
(2−3B)小屋梁の梁上を優先する。
(2−4)ピッチ小屋束を救うべく小屋梁を配置する。
(2−5)間仕切りに小屋梁を生成する。
(2−6)2ピッチ角以上に空間が拡がらないようつなぎの梁を生成する。
2層床に対する床梁の配置は以下のルールに従う。
(3−1)区画線全てに生成される。
(3−2)ピッチ床梁の梁掛方向決定処理では、以下のルールを採用している。
(3−2A)梁を掛けた時に、端部がより多く下層柱で受けられる方向を優先する。
(3−2B)梁を掛けた時に、中間部がより多くの下層柱で受けられる方向を優先する。
(3−2C)梁を掛けた時に、より多く間仕切りと重複する方向を優先する。
(3−2D)弱い方向と直交方向に掛ける。弱い方向は、当該層の柱(下柱の支え無し)が多くある方向。
(3−3)階段回り、吹き抜け回りに配置する。
(3−4)間仕切り梁を配置する。
(3−5)床梁がマス組みになるように、つなぎ梁を配置する。
なお、2層区画生成処理において、可能な限り上階(小屋)の区画と同じ形状にすることにより、2階を立体的構造ブロックとするが、上層と比較して、例えば片方にだけ吹抜があったり、桁下がりがあったりと、「区画の形状を一致させることが困難な場合」は、小屋組と一致させない区画生成を許容し得る様にしている。
材成計算プログラム22は、許容応力度計算により梁断面を決定することによって、従来のスパン表による経験的な材成決定方法に対して、構造強度の面からの明確な根拠を与えるためのものである。この材成計算プログラム22は、本実施例では、梁組決定プログラム21による自動伏図を入力して許容応力度計算を実行する構成を採用しているが、手入力による伏図であっても構わない。
この材成計算プログラム22は、図1(B)に示す様に、材成を初期値H0とした計算条件で1回目の構造強度計算を行い、1回目の計算結果としての最低値h1を算出し、この最低値h1を、材成決定プログラム23に与える。すると、材成決定プログラム23は、最低値h1を満足する1回目の更新値H1を決定して材成H1を材成計算プログラム22へと戻す。材成計算プログラム22は、第1回目の計算においては、横架材両端位置が確定されていないワイヤフレーム毎に、主として中央部のせん断及び撓みについて構造強度を満足する材成を最低値h1として算出する。
材成計算プログラム22は、材成決定プログラム23から戻された材成H1を梁組決定プログラム21へと与える。梁組決定プログラム21は、材成H1を各ワイヤフレームに設定した上で、繋ぎ込み処理を実行する。この繋ぎ込み処理では、伏図支援マスタAの樹種・素材長マスタの登録情報を参照した木拾い等の処理を実行して、各横架材の両端位置を決定する。
こうして繋ぎ込み処理が実施されたら、梁組決定プログラム21は、繋ぎ込み情報を材成計算プログラム22に対して与える。材成計算プログラム21は、両端が決定された各横架材について材成H1を計算条件として2回目の構造強度計算を行い、2回目の計算結果としての最低値h2を算出し、この最低値h2を再び材成決定プログラム23に与える。この2回目の材成計算においては、各横架材の両端の継手・仕口におけるせん断強度も考慮した構造強度計算によって最低値h2を算出する。
材成決定プログラム23は、最低値h2を満足する2回目の更新値H2を決定し、この2回目の更新値H2に基づいて材成を更新する。材成決定プログラム23は、その後、構造強度計算とは異なる観点について設定されている条件を参照して最終的な決定値H3を求めて材成を更新する。計算書作成プログラム24は、この決定値H3を用いて計算書を作成する。
更新値H1は、初期値H0と最低値h1とを比較し、H0<h1の場合には、材成を規格寸法材の材成ピッチに従って増加させる処理によって求める。なお、H0≧h1の場合は、H1=H0となる。同様に、更新値H2は、更新値H1と最低値h2とを比較し、H1<h2の場合には、材成を規格寸法材の材成ピッチに従って増加させる処理によって求める。なお、H1≧h2の場合は、H2=H1となる。そして、最終的な決定値H3は、例えば、火打ちが接合される横架材の最低値、意匠的な観点からの最低値等の構造強度計算からは分離された条件と照らし合わせて決定される。
この間、図1(B)に示す様に、材成決定プログラム23は、伏図支援マスタB(30)との間でやり取りを行う。伏図支援マスタB(30)は、図12に示す様に、継手・仕口基本形状設定部100、初期値設定部200、構造強度許容値設定部300、材成割り増し設定部400、最小材成制限設定部500、配置材成表設定部600、特殊補正処理設定部700を備えている。
継手・仕口基本形状設定部100は、材幅及び材成から継手・仕口を自動生成するための情報を、少なくとも無垢材か集成材かについて設定しておくマスターである。
初期値設定部200は、樹種・材幅・材成の初期設定を行うためのもので、特に、材成初期値H0を設定しておく点が特徴である。本実施例では、樹種:レッドウッド、材幅:105mm、材成:105mmをデフォルトとして設定し、ユーザーが書き換えることで初期値の設定を任意に変更可能に構成されている。
構造強度許容値設定部300は、横架材の「P1:中央部曲げモーメント」、「P2:中央部せん断力」、「P3:中央部たわみ」、「P4:一方の端部せん断力」、「P5:他方の端部せん断力」のそれぞれに対する許容値PA1〜PA5を設定しておくマスターである。
材成割り増し設定部400は、業界内で常識となっている「こだわりによる割増し」をプログラムで実現するための設定を行うためのマスターである。この設定を行うことにより、許容応力度計算により割り出された材成に対して、更に割増しを設定をすることで、より安全な設計とすることができる。図13(A)に例示する様に、[横架材の条件]と[横架材の種類と割り増し率(床梁、軒桁、小屋梁、外回梁、母屋)]を対応付けたデータを予め登録しておき、[適用欄]にチェックを入れることで設定を行う構成としている。
最小材成制限設定部500は、構造強度計算により算出される材成とは別に、条件によって最小材成を決めておき、構造強度計算の結果から算出された規格寸法材の材成と最小材成としての設定の内で大きい方の材成に決定することをプログラム的に実現するための設定を行うためのマスターである。図13(B)に例示する様に、[横架材の条件]と[横架材の種類と割り増し率(床梁、軒桁、小屋梁、外回梁、母屋)]を対応付けたデータを予め登録しておき、[適用欄]にチェックを入れることで設定を行う構成としている。
配置材成表設定部600は、規格寸法材の材成ピッチに基づいて材成をアップする際に参照するための設定を行うマスターである。図13(C)に示す様に、規格寸法材の材成ピッチに対応する様に、90mm、105mm、120mm、150mm、…と、材成アップの条件を[梁]と[母屋]のそれぞれについて設定することができる様に構成されている。
特殊補正処理設定部700は、図14に示す様に、連動整合処理設定部710、上部梁材成補正設定部720、兜補正設定部730、こぼれ処理設定部740、材料属性自動変更設定部750、外壁線上母屋材幅・材成変更設定部760、母屋材幅連動設定部770を備えている。
連動整合処理設定部710は、図15(A)に例示する様に、自材と相手材にレベル差があるときに、相手材の材成を伸長して桁差し補正を行う等の処理を自動的に実行するためのマスターであり、図15(B)に示す様に、[持出梁と先端梁の材成整合]、[桁差し接合受梁の材成整合]、[渡り受梁のレベル整合]、[枕梁の材成・レベル整合]について適用するか否かを設定することができる様に構成されている。また、これらの設定を行う場合に、さらに、[柱干渉高さ最小値(mm)]を適用するか否かの設定も行うことが可能な構成となっている。
上部梁材成補正設定部720は、柱の長さが定尺(設定値)を超えてしまう場合は、補正設定値の範囲で柱の上に載る梁の材成を大きくして、柱が定尺長さに納まるように調整をするための設定を行うマスターである。図16(A)に示す様に、3000mm、4000mm、5000mm、6000mm、といった規格寸法材について適用の有無をチェックすることで設定を行うことができる様に構成されている。
兜補正設定部730は、小屋梁の材成が大きくなると下層の天井高を圧迫する場合があることへの対策を設定するためのマスターである。図16(B)に示す様に、[壁上を除く(つの高さ)]、[壁上を除く(レベルピッチ指定)]、[壁上を除く(ふところ高さ)]、[壁上を除く(指定材成)]の4項目について設定を行うことができる構成となっている。項目名から分かる様に、小屋(最上層)で下層に壁のない小屋梁についてだけ適用する補正項目である。なお、「つの高さ」、「ふところ高さ」、「天井高」は、図16(C)に示す関係となる。
こぼれ処理設定部740は、枕梁に対してこぼれ処理を設定するためのマスターである。こぼれ処理とは、通常は、図17(A)に示す様に、材成300mmとなった相手材を材成180mmの通常梁で受ける場合に、材成150mmの枕梁を採用するといった処理である。本実施例のこぼれ処理設定部740は、図17(B)に示す様に、1ランクアップを指定することで、図17(C)に示す様に、材成300mmとなった相手材を材成180mmの通常梁で受ける場合に、材成150mmを、配置材成表に基づいてさらに1ランクアップさせ、材成180mmの枕梁で受ける様にするための設定を行うためのものとなっている。主として、見た目の印象をより堅牢なものとするための設定である。
材料属性自動変更設定部750は、指定材成以上となった横架材の材料属性自動変更、材料属性の自動変更で設定する形状材質、材料属性の自動変更で設定する樹種名称、材料属性の自動変更で設定する等級名称の適用について設定するためのマスターである。図18(A)に示す様に、[指定材成以上の横架材の材料属性自動変更]、[材料属性の自動変更で設定する形状材質]、[材料属性の自動変更で設定する樹種名称]、[材料属性の自動変更で設定する等級名称]に対して[適用欄]にチェックを入れて設定を行うことができる様に構成されている。これは、樹種をより強度の高いものに変更した場合に、当該横架材の材成が小さくなり過ぎて見た目に違和感を与えることがない様にするための設定を行うマスターである。
外壁線上母屋材幅・材成変更設定部760は、外壁ライン上の母屋を梁幅に揃えたい場合に設定を行うためのマスターである。図18(B)に示す様に、[外壁線上の母屋の材幅・材成の強制変更]を適用するか否かを設定する構成となっている。
母屋材幅連動設定部770は、設定材成以上の時に材幅に材成を合わせる設定を行うためのマスターである。図18(C)に示す様に、[設定材成以上の時、設定材幅に変更(1);材成105、材幅105]、[設定材成以上の時、設定材幅に変更(2);材成120、材幅120]、[設定材成以上の時、設定材幅に変更(3);材成150、材幅150]の内から一つを選択する構成となっている。
次に、材成計算プログラム22及び材成決定プログラム23によって材成を決定するための一連の演算処理について、図19〜図28に基づいて説明する。
まず、図19に示す様に、梁組決定プログラムによって記憶された伏図データを読み出す(S2000)。このとき読み出す伏図は、梁組決定プログラム21によってワイヤフレームとして登録されたものであって、繋ぎ込み処理が行われる前のデータである。
次に、伏図支援マスター30の初期値設定部200から樹種、材幅、及び材成の初期設定条件を読み出し(S2010)、各ワイヤフレームによって特定されている計算用スパン長に対する初期設定を行う(S2020)。また、材成割り増し設定部400の設定を読み出し(S2030)、割増条件の設定を行う(S2040)。この割増条件は、横架材の「中間部たわみ」に対する割り増し条件で、材成割り増し設定部400に倍率(%)で設定されている。
次に、図20に示す様に、S2020で初期設定した樹種、材幅、及び材成(初期値H0)を用いて、計算用スパン長の両端に対して仮の継手・仕口を自動生成する(S2100)。
次に、各計算用スパン長に対する荷重条件を決定し(S2110)、構造強度判定用のパラメータP1〜P5を算出する(S2120)。ここでの演算においては、材成を未知数hとしてこれら各パラメータP1〜P5を算出する。なお、算出するパラメータは、横架材の「P1:中央部曲げモーメント」、「P2:中央部せん断力」、「P3:中央部たわみ」、「P4:一方の端部せん断力」、「P5:他方の端部せん断力」となっている。但し、上述の様に、繋ぎ込み処理の前の計算であって、仮の継手・仕口の設定となっているため、P4,P5のパラメータは参考値として算出するに留めている。
次に、各パラメータP1〜P5に対応する許容値PA1〜PA5を、伏図支援マスター30の構造強度許容値設定部300から読み出し(S2130)、各パラメータP1〜P5について許容値PA1〜PA5を満足するのに必要な材成h11〜h15を逆算する(S2140)。このとき、パラメータP3に対応する必要材成h13については、S2070の設定に対応する横架材(割増条件が設定された横架材)であるときは、割増条件として設定されている倍率(20%増しなら、1.20)が乗じられる。そして、S2140で求めた材成h11〜h15の中で最大となる値を第1回目の計算による最低値h1とする(S2150)。
こうして最低値h1が算出されると、この最低値h1と初期値H0とを比較し、H0<h1となっているか否かを判定する(S2160)。H0<h1となっている場合には(S2160:YES)、配置材成表設定部600の設定を読み出し(S2170)、当該設定に従って材成を規格寸法材の材成ピッチに従って増加させ、最低値h1以上となる様に1回目の更新値H1を求める(S2180)。一方、H0≧h1の場合は(S2160:NO)、更新値H1=初期値H0とする(S2185)。そして、各計算用スパン長(ワイヤフレーム)に対する材成を、1回目の更新値H1へと更新すると共に、この更新された材成H1を梁組決定プログラム21へと出力する(S2190)。
梁組決定プログラム21では、各ワイヤフレームに対して材成H1を設定した上で、伏図支援マスタA(21a)の情報を用いて繋ぎ込み処理を実施して各横架材の両端位置を決定し、図1(B)に示した様に、結果を繋ぎ込み情報として材成計算プログラム22へと戻す。
材成計算プログラム22においては、繋ぎ込み情報が入力されるのを待って次の処理へと進み(S2195:YES)、図21に示す様に、材成の1回目の更新値H1を用いて、両端の確定した横架材に対して継手・仕口を自動生成する(S2200)。このとき、柱位置との関係で連続梁となる横架材は、柱の位置に継手・仕口を仮に有するものとして分割した結果を計算用スパン長とする。例えば、図22(A)の3本の横架材1〜3は、図22(B)に示す様に、計算用スパン長1〜5の5本の横架材へと前処理が行われる。
次に、S2110〜S2150と同様に、荷重条件を再び決定し(S2210)、構造強度判定用のパラメータP1〜P5を算出し(S2220)、許容値PA1〜PA5を読み出し(S2230)、許容値PA1〜PA5を満足するのに必要な材成h21〜h25を逆算する(S2240)。そして、S2240で求めた材成h21〜h25の中で最大となる値を第2回目の計算による最低値h2とする(S2250)。
こうして2回目の構造強度計算に基づいて最低値h2が算出されると、この最低値h2と更新値H1とを比較し、H1<h2となっているか否かを判定する(S2260)。H1<h2となっている場合には(S2260:YES)、配置材成表設定部600の設定により、材成を規格寸法材の材成ピッチに従って増加させ、最低値h2以上となる様に2回目の材成の更新値H2を求める(S2270,S2280)。一方、H1≧h2の場合は(S2260:NO)、更新値H2=更新値H1とする(S2285)。そして、各計算用スパン長に対する材成を2回目の更新値H2へと更新する(S2290)。
こうして2回の構造強度計算を実行して、各計算用スパン長に対する更新値H2を求めたら、次に、図23(A)に示す様に、計算用スパン長が連続梁から柱間隔を単位として抽出されたものであるか否かを判定する(S2310)。連続梁から抽出された計算用スパン長である場合には(S2310:YES)、一つの横架材から抽出された複数の計算用スパン長間で最大の更新値H2を当該横架材に対する材成の決定値H3とする様に最大値への更新を実行する(S2320)。一方、連続梁から抽出された計算用スパン長でない場合には(S2310:NO)、横架材に対する材成をH3=H2とする(S2325)。そして、各横架材に対する材成を決定値H3へと更新する(S2330)。
次に、図23(B)に示す様に、伏図支援マスター30の最小材成制限設定部500の最小材成制限の設定を読み出す(S2410)。そして、対象となる横架材が該当する最小材成制限の設定がなされているか否かを判定する(S2420)。最小材成制限の設定がされている横架材であるときは(S2420:YES)、S2330で決定した材成の決定値H3が最小材成制限値Hmin未満となっているか否かを判定する(S2430)。H3<Hminと判定された場合は(S2430:YES)、当該横架材の材成の決定値H3を最小材成制限値Hminに置き換える様に更新する(S2440)。
続いて、図24〜図28に示す様に、伏図支援マスター30の特殊補正処理設定部700の設定を反映するための演算処理を実行する。更新値H1,H2、決定値H3を決定する処理とこの後の特殊補正は、図1(B)に示した概念において、材成決定プログラム23としての処理内容となる。
まず、図24に示す様に、伏図支援マスター30の特殊補正処理設定部700の連動整合処理設定部710の設定を読み出す(S2510)。この連動整合処理設定部710には、「持出梁と先端梁の材成整合」、「桁差し接合受梁の材成整合」、「渡り受梁のレベル整合」、「枕梁の材成・レベル整合」と、これらの内の一つ以上が設定された場合に有効となる「柱干渉高さ最小値(mm)」の設定を行う様に構成されている。
そこで、対象となる横架材を自材としたときに接合される相手材との関係が、「持出梁と先端梁」の関係となっているか否かを判定する(S2520)。S2520で「YES」と判定されたときは、S2510で読み出した連動整合処理設定部710の設定において、「持出梁と先端梁」について設定があるか否かを判定する(S2530)。S2530で「YES」と判定されたときは、持出梁と先端梁を「設定値」に対応する「材成差」が存在する「茶臼仕口」での接合となる様に、持出梁と先端梁の内で材成の小さい方について設定値に従って材成を増加させると共に、茶臼仕口を生成する(S2540)。一方、「持出梁と先端梁」についての設定がなされていない場合は(S2530:NO)、自材と相手材の間に「材成差」がない状態の「逆蟻仕口」での接合となる様に、持出梁と先端梁の内で材成の大きい方に合わせる様に材成を補正すると共に逆蟻仕口を生成する(S2550)。
次に、対象となる横架材を自材としたときに接合される相手材との関係が、「桁差し接合受梁」の関係となっているか否かを判定する(S2620)。S2620で「YES」と判定された場合は、仕口を大入れ蟻とする受梁の最大レベル差が「設定値」以内に収まっているか否かを判定する(S2630)。S2630で「NO」と判定されたときは、最大レベル差が「設定値」以内に収まる様に、規格寸法材の材成ピッチに基づいて材成を増加させることを内容とする「桁差し接合の補正」を実行する(S2640)。
次に、対象となる横架材を自材としたときに接合される相手材との関係が、「渡り受梁」の関係となっているか否かを判定する(S2720)。S2720で「YES」と判定された場合は、相手材となる「持出梁」が複数本有るか否かを判定する(S2730)。相手材が複数本ある場合は(S2730:YES)、渡り受梁の上面を材成の一番小さい梁に吸い付かせ、その他は渡り掛け(相欠き)として支える様に渡り受け梁のレベル整合を実行する(S2740)。なお、この「レベル整合」は、材成を修正するものではない。
次に、対象となる横架材を自材としたときに接合される相手材との関係が、「枕梁」の関係となっているか否かを判定する(S2820)。S2820で「YES」と判定された場合は、「枕梁の材成・レベル整合」に関する設定が第1のパターンになっているか否かを判定する(S2830)。設定が第1のパターンであるときは(S2830:YES)、強度計算に基づく荷重を上材で負担させる様に上材の材成を決定し、梁がこぼれてしまうなどの納まり上の問題は下梁の材成の調整で対応する設計となる様に、下材の材成に対して必要な補正を実行する(S2840)。
一方、設定が第2のパターンであるときは(S2830:NO)、マスターの指定材成(外回り150mm以上など)を上材に当てはめ、荷重及び納まり上の内容は、下材に負担させる設計となる様に、下材の材成に対して必要な補正を実行する(S2850)。
次に、図25に示す様に、伏図支援マスター30の特殊補正処理設定部700の上部梁材成補正設定部720の設定を読み出す(S2910)。この上部梁材成設定部720には、柱の上に載る横架材の材成を設定範囲でアップすることによって、切断せずに柱材として使用することを推奨する規格寸法の柱素材が設定されている。そこで、対象となる横架材の材成を設定範囲内の規格寸法ピッチでの増加によって設定されている柱素材のいずれかを切断することなしに使用することができるか否かを判定する(S2920)。S2920で「YES」と判定されたときは、当該横架材の材成を設定範囲内で増加させる(S2930)。
次に、図26に示す様に、伏図支援マスター30の特殊補正処理設定部700の兜補正設定部730の設定を読み出す(S3010)。兜補正設定部730には、小屋梁のレベルを上げて、下層の天井の高さを確保する対応を行う場合の設定として、「壁上を除く(つの高さ)」、「壁上を除く(レベルピッチ指定)」、「壁上を除く(ふところ高さ)」、「壁上を除く(指定材成)」の4項目が備えられている。項目名から分かる様に、これらは、小屋(最上層)で下層に壁のない小屋梁についてだけ適用する補正項目である。
まず、「壁上を除く(つの高さ)」を補正対象とする設定がなされているか否かを判定する(S3020)。S3020が「YES」となった場合は、対象となる横架材が、当該条件に該当するか否かを判定する(S3030)。S3030で「YES」と判定された場合は、「最小兜つの高さ」と「最大兜つの高さ」について設定されている数値に従って小屋梁のレベル上げを実行する(S3040)。この「レベル上げ」も材成を補正するものではない。
また、「壁上を除く(レベルピッチ指定)」を補正対象とする設定がなされているか否かを判定する(S3120)。S3120が「YES」となった場合は、対象となる横架材が、当該条件に該当するか否かを判定する(S3130)。S3130で「YES」と判定された場合は、この設定におけるピッチ(例えば、30mm)に従って小屋梁のレベル上げを実行する(S3140)。この「レベル上げ」も材成を補正するものではない。
また、「壁上を除く(ふところ高さ)」を補正対象とする設定がなされているか否かを判定する(S3220)。S3220が「YES」となった場合は、対象となる横架材が、当該条件に該当するか否かを判定する(S3230)。S3230で「YES」と判定された場合は、この設定における「ふところ高さ」についての数値に従って、小屋梁のレベル上げを実行する(S3240)。このとき、(階高−天井高−ふところ高さ)で兜補正を行う(S3250)。この「レベル上げ」も材成を補正するものではない。
また、「壁上を除く(指定材成)」を補正対象とする設定がなされているか否かを判定する(S3320)。S3320が「YES」となった場合は、対象となる横架材が、当該条件に該当するか否かを判定する(S3330)。S3330で「YES」と判定された場合は、この設定における数値以上の材成になった梁のみ兜補正を行う(S3340)。なお、この「壁上を除く(指定材成)」の設定は、間取入力で天井高さをきちんと設定していない場合に用いるためのものである。
ここで、S3220が「YES」となって兜補正を実行する場合は、S3320以下は実行しないプログラム構成となっている。また、小屋裏収納領域の梁は兜補正対象外とし、警告メッセージが表示されるプログラム構成となっている。この他、軒桁も兜補正の対象外としている。
次に、図27(A)に示す様に、伏図支援マスター30の特殊補正処理設定部700の枕梁こぼれ処理設定部740の設定を読み出す(S3410)。枕梁こぼれ処理設定部740は、「枕梁」について、材成を1ランク以上アップさせる設定を行うためのものとなっている。この処理では、まず、枕梁に対するこぼれ処理の設定がなされているか否かを判定する(S3420)。そして、S3420が「YES」となった場合に、対象となる横架材が「枕梁」であるか否かを判定し(S3430)、S3430が「YES」となった場合は、材成を1ランクアップさせる処理を実行する(S3440)。
なお、「枕梁」に対する材成の増加は、連動整合処理設定部710において「枕梁の材成・レベル整合」が設定されている場合には、既に1ランクアップがなされている場合もある。この場合は、本処理を実行することによって2ランクアップとなる。
次に、27(B)に示す様に、伏図支援マスター30の特殊補正処理設定部700の材料属性自動変更設定部750の設定を読み出す(S3510)。材料属性自動変更設定部750は、「指定材成以上の横架材の材料属性自動変更」を設定可能となっている。そして、この設定がなされている場合に、さらに、「材料属性の自動変更で設定する形状材質」、「材料属性の自動変更で設定する樹種名称」、「材料属性の自動変更で設定する等級名称」についても設定が可能となっている。主として、意匠的な観点が強い設定項目である。
そこで、まず、「指定材成以上の横架材の材料属性自動変更」が設定されているか否かを判定する(S3520)。S3520が「YES」となった場合は、対象となる横架材が指定材成以上となっているか否かを判定する(S3530)。S3530が「YES」となった場合は、設定されている形状・樹種・等級へと変更する(S3540)。この場合、構造強度計算に基づいて求めた材成の変更はしない。従って、樹種等が変更されたとしても、材成が変更されることがなく、枕梁こぼれ処理等をやり直す必要はない。なお、変更された樹種の指定材成を更新値H1とし、樹種を変更後のものとして、S2200以下の処理を実行する。S2200以下の処理では、樹種変更によって指定材成以下で構造強度を十分に満足できる場合であっても、当該横架材の材成は樹種変更に伴って指定された指定材成を下回ることがない様に決定されることになる。
次に、図28(A)に示す様に、伏図支援マスタB(30)の特殊補正処理設定部700の外壁線上母屋材幅・材成変更設定部760の設定を読み出す(S3610)。外壁線上母屋材幅・材成変更設定部760は、外壁ライン上の母屋を梁幅に揃えたい場合に設定する。まず、この設定がなされているか否かを判定する(S3620)。S3620が「YES」となった場合は、対象となる横架材が「外壁線上の母屋」であるか否かを判定する(S3630)。S3630が「YES」となった場合、当該横架材について材幅と材成を設定値を満足する正方形断面材とする様に強制変更する(S3640)。
次に、図28(B)に示す様に、伏図支援マスタB(30)の特殊補正処理設定部700の母屋材幅連動設定部770の設定を読み出す(S3710)。母屋材幅連動設定部770は、母屋の材成が設定材成以上の時、設定材幅と同じ材成に変更するための条件を設定するためのものである。そこで、まず、対象となる横架材が「母屋」であるか否かを判定する(S3720)。S3720が「YES」となった場合は、さらに、当該母屋の材成が設定材成以上であるか否かを判定する(S3730)。そして、S3730が「YES」となった場合は、設定に従って、材幅と材成を変更する(S3740)。
本実施例では、伏図支援マスタB(30)への各種設定を使用することで、地域的な見地、意匠的な見地、継手・仕口の加工的な見地といった経験的エッセンスを加えることにより、単に構造強度を満足する材成となる様に演算処理を実行するだけではなく、伏図における横架材の材成を自動的に決定するものとなっている。
また、構造強度計算においても、横架材の両端の継手・仕口の寸法・形状を自動生成し、実際の加工形状を想定した演算処理を実行している。これにより、単にせん断面積係数で両端のせん断力許容値との関係を見ているだけではなく、より精度のよい構造強度計算を実行することが可能となっている。特に、初期値H0で1回目の構造強度計算を行って支点間における中央部の強度を満足し得る材成を最初に求めて更新値H1へと更新された状態で、2回目の構造強度計算のための継手・仕口を自動生成して構造強度計算を実行しているから、実際の継手・仕口を想定した計算に基づいて構造強度上の許容値を満足する様に、横架材を設計することができる。
また、伏図支援マスタB(30)への各種設定を使用する材成の制限や変更等は、基本的には材成を増加させる方向の補正を行うためのものである。従って、意匠的要素等を加味することによって構造強度上の問題を生じることはない。
例えば、単に構造強度を満足する様に算出した必要最低材成は構造強度は満足し得るものの、木造住宅における業界のこだわり、上棟の際の見栄え、継手・仕口の加工、実際の梁組みにおける「もぐり」や「こぼれ」、等といった業界的・意匠的・経験的なエッセンスを加味できていない。また、これらのエッセンスを加味する上での時代による流行や、間取りの変化に対応し、構造強度も満足するためのスパン表を作り直しするには、多大な手間がかかる。これに対し、本実施例によれば、スパン表を作り直さなくても、伏図支援マスター30に対して必要な設定を登録するだけで、柔軟な対応を可能にしている。
以下、この伏図支援マスタB(30)への各種設定の操作手順についてモニタ12の表示例をまじえて、さらに詳細に説明する。
[1.マスターの選択・編集]
[1.1 マスターの選択・起動・変更(付け替え)]
図29に示す様に、物件定義の「ファイル」メニューを開き、「物件マスターメンテナンス」を選び、さらに、「伏図支援」を選択し、「伏図支援マスター操作画面」でマスターを選択する。なお、「伏図支援マスター」は一度設定した後でも変更(付け替え)することができるプログラム構成となっている。「伏図支援マスターメンテナンス」ボタンから「伏図支援マスター」を起動して、マスター内の設定を行う。なお、後述の「構造計算/梁成評価」でマスターを変更した場合は強制的に伏図支援マスターも変更となる。
[1.2 エッセンス(その1)「材成割り増し」の設定]
「材成割り増し」は、業界内で常識となっている「こだわりによる割増し」をプログラムで実現するための設定である。この設定を行うことにより、許容応力度計算により割り出された材成に、更に割増し設定をすることで、より安全な設計とすることができる。
図30(A)に示す様に、伏図支援マスターの(材成自動・材成割り増し)のページを開き、許容応力度計算上で梁の「中間部たわみ」に対する必要材成に対する割り増し条件を設定する。この割り増し条件の設定は、No.1「2間以上の開口部の上部」、No.2「平屋建:2層横架材の中間部必要材成に対する割り増し」、No.3「2F建:2層横架材の中間部必要材成に対する割り増し」、No.4「2F建:3層横架材の中間部必要材成に対する割り増し」、No.5「3F建:2層横架材の中間部必要材成に対する割り増し」、No.6「3F建:3層横架材の中間部必要材成に対する割り増し」、No.7「3F建:4層横架材の中間部必要材成に対する割り増し」の中から選択することができるプログラム構成となっている。
設定の方法としては、このページに表示されたNo.1〜No.7の「横架材の条件」の内で割り増しを必要とするものの「適用」の欄にチェックを付けると共に、「床梁」、「軒桁」、「小屋梁」、「外回り梁」、「母屋」といった横架材の種類毎に設定倍率(%)を入力する。適用にチェックを入れ、設定倍率に数値を入力することにより、[横架材中間部の必要材成×(100+設定倍率)%]以上の材成に決定する様に修正を加えることができる。
対象とする横架材の種類から分かる様に、躯体構造において見栄えという観点から材成が重視される傾向の大きい部材である。なお、これらの部材に対する割り増しは、「中間部たわみ」に対する必要材成を対象とし、それ以外のモーメントやせん断等に対する必要材成についての割り増しは行わない。
[1.3 エッセンス(その2)「最小材成制限」の設定]
「最小材成制限」の設定は、許容応力度計算により割り出してくる材成とは別に、条件によって最小材成を決めておき、許容応力度計算の結果から割り出された規格寸法材の材成と最小材成としての設定の内で大きい方の材成に決定することをプログラム的に実現するためのものである。
図30(B)に示す様に、伏図支援マスターの(材成自動・最小材成制限)のページを開き、最小材成を設定する。この最小材成制限の設定は、No.1「平屋建:1層外回りラインの2層梁」、No.2「2F建:1層外回りラインの2層梁」、No.3「2F建:2層外回りラインの2層梁」、No.4「2F建:2層外回りラインの3層梁」、No.5「3F建:1層外回りラインの2層梁」、No.6「3F建:2層外回りラインの2層梁」、No.7「3F建:2層外回りラインの3層梁」、No.8「3F建:3層外回りラインの3層梁」、No.9「3F建:3層外回りラインの4層梁」、No.10「火打ちがかかる梁」、No.11「筋違耐力壁上部の梁」、No.12「筋違耐力壁下部の梁」、No.13「面材耐力壁上部の梁」、No.14「面材耐力壁下部の梁」、No.15「上下に柱または小屋束がくる梁」、No.16「上下に柱または小屋束がくる梁(金物工法)」、No.17「上下に柱または小屋束がくる母屋」、No.18「上下に柱または小屋束がくる母屋(金物工法)」、No.19「2F建:2層バルコニー周りの最小材成」、No.20「3F建:2層バルコニー周りの最小材成」、No.21「3F建:3層バルコニー周りの最小材成」の中から選択することができるプログラム構成となっている。
設定の方法としては、このページに表示されたNo.1〜No.21の「梁の条件」の内で最小材成制限を必要とするものの「適用」の欄にチェックを付けると共に、「床梁」、「軒桁」、「小屋梁」、「外回り梁」、「母屋」といった横架材の種類毎に最小材成を設定する。この最小材成は、プルダウンメニューを開くことにより、規格寸法材のピッチに従って、増減することができる。
この最小材成制限を設定することにより、許容応力度計算で算出された材成に対し、ここで設定した最小材成を上回っていない場合のみ最小材成まで材成をアップする処理が実行されるプログラム構成となっている。
この最小材成制限の対象とする横架材も、躯体構造において見栄えという観点から材成が重視される傾向の大きい部材である。本実施例においては、特に、「最小材成制限」の設定により、以下の新機能を実現している。
(1)火打ちが当たってきた場合は、許容応力度計算によって求めた必要材成に拘わらず、指定材成以上とすることが出来る。
(2)耐力壁が上もしくは下から当たってきた場合は、許容応力度計算によって求めた必要材成に拘わらず、指定材成以上とすることが出来る。
(3)上下を柱または小屋束に挟まれた場合は、許容応力度計算によって求めた必要材成に拘わらず、指定材成以上とすることが出来る。
[1.4 エッセンス(その3)「配置材成表」の設定]
図31(A)に示す様に、伏図支援マスターの(材成自動・配置材成表)のページを開き、適用する場合はチェックをする。このチェックをすることにより、材成をアップする際にこの配置材成表が参照され、No.1から順に材成をアップしていくプログラム構成となっている。
チェックの付し方は、図示の様に、配置材成のNo.にカーソルを合わせ、編集ボタンで編集ページを開き、「梁」と「母屋」のそれぞれについて、「適用する」、「適用しない」を、プルダウンメニューを利用して切り替える。図示の例では、この配置材成表により、「梁」についての許容応力度計算結果の材成が105mm以下の場合は105mmを材成とし、「母屋」については許容応力度計算結果の材成が90mm以下の場合は90mmを材成とする設定となっている。なお、図はNo.3の設定中を示している。「編集画面」で、「梁」及び「母屋」の両方について「適用する」を設定すれば、「梁」は、105mm、120mm、150mm、…と、「母屋」は、90mm、105mm、120mm、…と、それぞれ規格寸法材のピッチで材成を決定する条件が設定されることとなる。
[1.5 エッセンス(その4)「特殊補正処理」の設定]
[1.5.1 連動整合処理]
図31(B)に示す様に、特殊補正の一つである「連動整合処理」の設定画面を開く。ここで、「連動整合処理」は、No.1「持出し梁と先端梁の材成整合」、No.2「桁差し接合受梁の材成整合」、No.3「渡り受梁のレベル整合」、No.4「枕梁の材成・レベル整合」、No.5「柱干渉高さ最小値(mm)」について適用可能となっている。適用する場合は、No.1〜No.4の適用欄にチェックを入れることで設定する。なお、No.5は不適用は選択できないプログラム構成となっている。
No.1「持出し梁と先端梁の材成整合」の適用を外すと、持出し梁と先端梁の納め方を「材成差なし」にする選択となる。この選択がなされると、持出し梁と先端梁が同じ材成で納まり、「逆蟻仕口」での接合となる様に、本装置による最終的なプレカット加工データの生成がなされる。このチェックを外すことにより、「設定値」の欄の数値は何ら反映されなくなる。
一方、No.1「持出し梁と先端梁の材成整合」の「適用」にチェックを入れることにより、持出し梁と先端梁の納め方を「材成差あり」に設定することとなる。この場合、持出し梁と先端梁は、「茶臼仕口」での接合となる様に、本装置による最終的なプレカット加工データの生成がなされる。なお、「材成差あり」を選択すると「設定値」が有効となる。設定値の30mmは、「備考」欄にある様に、「茶臼蟻の最小あご高さ」に相当する。
「材成差あり」の設定により、図31(C)に例示する様に、持出し梁の先端(図示左右方向に伸びる支え側のオス材)が、メス材よりも大きい材成になり、仕口で支えるだけでなく、メス材の下側に伸びた様に形成されるアゴによってもメス材を支えた接合状態となり、見た目にも安心な意匠的効果を発揮する設計が可能となる。
No.2「桁差し接合受梁の材成整合」を適用したい場合は、その「適用」欄にチェックを入れ、「設定値」の欄に桁差し接合する場合の相手材と自材のレベル差として許容される数値を設定する。この設定値は、「備考」欄にある様に、大入れ蟻とする受梁の最大レベル差を設定する。図示の例では、「設定値」が「30mm」であり、レベル差が30mmを超えた場合に桁差し接合の補正を実行する。
No.3「渡り受梁のレベル整合」は「適用」欄にチェックを入れることで設定される。図32(A)に示す様に、バルコニー持出し梁など、下側に柱がなかった場合、「渡り受梁」を入れ、その上に持出し梁を載せることがある。この場合、図示の様に持出し梁が複数本有り、持出し梁の材成が数種類存在していた場合に、渡り受梁の上面を材成の一番小さい梁に吸い付かせ、その他は渡り掛け(相欠き)として支える。ここでのレベル整合は、材成を修正するものではない。
No.4「枕梁の材成・レベル整合」は「適用」欄にチェックを入れることで設定される。枕梁を使う場合の処理は2パターンの考えを、この「適用」のチェックの有無で切り替える。
第1のパターンを図32(B)に示す。このパターンとする場合、「適用」にチェックを入れる。これにより、強度計算に基づく荷重を上材で負担させる様に上材の材成を決定し、梁がこぼれてしまうなどの納まり上の問題は下梁の材成の調整で対応する設計となる。
「適用」のチェックを外すことにより、図32(C)に示す様に、マスターの指定材成(外回り150mm以上など)を通常梁(上材)に当てはめ、荷重及び納まり上の内容は、枕梁(下材)に負担させる。例えば、仮に必要な材成が360mmだったとしたとき、上材はマスター指定で150mmとなり、下材側を210mm以上とする設計を行うことができる。
[1.5.2 柱素材長による上部梁の材成補正]
図33(A)に示す様に、「柱素材長による上部梁の材成補正」のページを開き、適用欄にチェックを入れて設定を行う。この設定を行うことにより、柱の長さが定尺(設定値)を超えてしまう場合は、補正設定値の範囲で柱の上に載る梁の材成を大きくして、柱が定尺長さに納まるように調整をするための設定である。
図示の例では、No.1「設定値=3000mm」、No.2「設定値=4000mm」、No.3「設定値=5000mm」、No.4「設定値=6000mm」の定尺材を用いる設定がなされ、No.9「柱素材長補正時の梁材成伸長許容量(mm)」として30が設定されている。項目名の(1)〜(4)は、優先順位を表している。この結果、例えば、天井高を確保するために必要な柱高さ4m材ならば足りるが3m材では不足しているという場合に、柱の上に載る梁の材成を30mmアップすることにより3m材で足りる様になる場合は、当該梁の材成の30mmアップを行うこととなる。
[1.5.3 小屋梁の兜補正]
この補正は、小屋梁の材成が大きくなると、下層の天井高を圧迫する場合があることへの対策である。具体的には、小屋梁のレベルを上げて、下層の天井の高さを確保する対応を行う。レベルの上げ方は、一般流通材料通り、30mm毎などを設定する。また、下層の天井高さを見ずに、固定で決めた材成を超えるとレベルを上げて調整する設定も搭載している。
設定に当たっては、図33(B)に示す様に、「小屋梁の兜補正」のページを開き、適用欄にチェックを入れる。兜補正としてチェックを入れて設定することのできる項目としては、No.1「壁上を除く(つの高さ)」、No.2「壁上を除く(レベルピッチ指定)」、No.3「壁上を除く(ふところ高さ)」、No.4「壁上を除く(指定材成)」の4項目を備えている。項目名から分かる様に、小屋(最上層)で下層に壁のない小屋梁についてだけ適用する補正項目である。
No.1「壁上を除く(つの高さ)」を補正対象とする場合、備考欄にある様に、設定値1には「最小兜つの高さ」を、設定値2には「最大兜つの高さ」を数値で設定する。No.2「壁上を除く(レベルピッチ指定)」にチェックを入れた場合は、設定値1の欄のピッチ(30mm)ごとに梁の材成をレベルアップする補正を行う。No.3「壁上を除く(ふところ高さ)」にチェックを入れた場合は、設定値1に「ふところ高さ」を数値で設定する。備考欄にある様に、(階高−天井高−ふところ高さ)で兜補正を行う。No.4「壁上を除く(指定材成)」は、間取入力で天井高さをきちんと設定していない場合に用いる。このNo.4にチェックを入れることで、設定値1で指定された値以上の材成になった梁のみ兜補正を行う。
ここで、No.3とNo.4は、同時にチェックを入れることができないプログラム構成となっている。また、小屋裏収納領域の梁は兜補正対象外とし、警告メッセージが表示されるプログラム構成となっている。この他、軒桁も兜補正の対象外としている。
[1.5.4 枕梁のこぼれ処理]
図34(A)に示す様に、「枕梁のこぼれ処理」のページを開いてチェックを入れることにより設定する。この設定を行うことにより、図34(B)に示す「伏図支援マスター(材成自動・配置材成表)」に従って、枕梁の材成を1ランク以上アップさせるものとなる。
伏図において、「通常梁+枕梁」で入力し、「枕梁のこぼれ処理」の適用欄にチェックを付けた場合、枕梁の材成を調整して「通常梁+枕梁」合計の材成が相手材成よりも1ランクアップとなるように、こぼれ処理を行う。なお、相手材の材成との関係によっては、結果として2ランクアップになる場合もある。
伏図の初期入力では通常梁105mm材+枕梁105mm材を入力しておく。このとき、図34(C)の左側の断面図に示す様に、許容応力度計算を経て相手材の材成が300mmとなり、それを受ける通常梁の材成が180mmとなった場合、通常のこぼれ補正としては図34(B)に示す例では120mm材を使わない設定であることから、枕梁の材成は150mmとなる。ここまでは、[1.5.1 連動整合処理]で説明したNo.4「枕梁の材成・レベル整合」による処理である。今回、図34(A)に示す様に、「枕梁のこぼれ処理」による1ランクアップをさらに適用する設定となっているから、図34(C)の右側の断面図に示す様に、枕梁に対してさらに1ランクアップが適用され、材成180mmに決定される。この結果、2ランクアップとなる。
[1.5.5 使用材料属性の自動変更]
図35(A)に示す様に、「使用材料属性の自動変更」のページを開き、No.1「指定材成以上の横架材の材料属性自動変更」、No.2「材料属性の自動変更で設定する形状材質」、No.3「材料属性の自動変更で設定する樹種名称」、No.4「材料属性の自動変更で設定する等級名称」に対して適用欄にチェックを入れて設定を行う。
No.1で指定した材成以上になった場合に、No.2〜No.4でチェックを入れた項目の形状・樹種・等級へ変更する。図示の設定は、許容応力度計算に基づいて決定される材成が270mm以上となった横架材については、樹種及び等級を変更する設定となっている。この場合、材成270mm以上となった横架材の樹種は自動変更されるが、許容応力度計算で求めた材成の変更はしない。これは、使用材料属性の自動変更の設定が、単に強度上の問題だけでなく、意匠的な面からしっかりした材成の横架材が求められる箇所はあえて270mm未満の材成にはしないでおくためである。なお、設定値は、変更前より強度の強い樹種・等級となる様にプルダウンメニューを開いて設定する必要がある。
[1.5.6 外壁線上の母屋の材幅・材成変更]
図35(B)に示す様に、「外壁線上の母屋の材幅・材成変更」のページを開き、適用欄にチェックを入れて設定する。この設定は、外壁ライン上の母屋を梁幅に揃えたい場合に行う。図示の例では、「外壁線上の母屋の材幅・材成の強制変更」が適用となっていて、「材幅105mm」、「材成150mm」が設定されているから、母屋について90mm×90mmの角材で伏図を作成してあった場合に、外壁線上の母屋のみ105mm×105mm以上に強制変更する。
[1.5.7 母屋の材幅連動]
図35(C)に示す様に、「母屋の材幅連動」のページを開き、適用欄にチェックを入れて設定する。No.1「設定材成以上の時、設定材幅に変更(1);材成105、材幅105」、No.2「設定材成以上の時、設定材幅に変更(2);材成120、材幅120」、No.3「設定材成以上の時、設定材幅に変更(3);材成150、材幅150」の内から一つを選択してチェックする。
90角で配置した母屋の材成が、許容応力度計算を実行した結果、チェックを付した行の材成以上になった場合は、母屋幅を材成に連動させて変更する。図の例では、母屋の材成が計算上105mmになった場合は、当初の材幅90mmを材幅105mmへと変更する。
[1.6 マスターの保管]
以上の様に、各種の設定が完了したら、「マスターメンテナンス画面」を閉じて保存する。これにより、初期設定を終了する。
[2. 「構造計算/梁成評価タブ」への切り替えと、「持受」の設定]
上述の様にして計算系マスターを設定すると、「構造計算/梁成評価タブ」が出てくるプログラム構成となっている。図36(A),(B)に示す様に、「軸組羽柄タブ」から「構造計算/梁成評価タブ」に切り替えて許容応力度計算による材成自動決定プログラム22による演算処理へと進む。
なお、この演算処理を実行する前には、図36(C)に示す様に、横架材が「持受」であることの設定を行う。「持受」の設定を行わないで以下の演算を実行した場合は、片持ち(はね出し)の検討結果となってしまい、材成が決定されない。「持受」とは、片持ちではなく両端支持梁(連続梁を含む)となっていることを意味する。持出し梁も片持ちではなく、両端支持梁となる。
[3. 短期的な荷重も考慮して材成を決める場合]
地震や台風といった事象における短期的な荷重も考慮して材成を決定する場合には、伏図において、耐力壁・準耐力壁の設定を行う。
[4. 「材成自動」ボタンより実行]
[4.1 「すべて」の実行]
図37(A),(B)に示す様に、「構造計算タブ」または「梁成評価タブ」から「材成自動」ボタンをクリックすると、「すべて」/「不足分のみ」の選択肢を表示した「材成自動」の画面が開くプログラム構成となっている。
「すべて」を選んで「実行」をクリックすると、伏図に配置してある全ての梁に対し、エッセンス(マスター)の「配置材成表」の最小材成からスタートして、「許容応力度計算+エッセンス」によって材成をアップしていく演算処理が開始される。
この「すべて」の実行は1回のみとし、その後は、図37(A),(B)の画面の「材成自動」の画面で「不足分のみ」を選択して実行する。「すべて」について何度も演算を実行させると、1回目に「すべて」で決定された材成よりも大きな値になってしまう可能性があるからである。
[4.2 「不足分のみ」の実行]
「不足分のみ」を選んで実行すると、「許容応力度計算+エッセンス」によって材成が不足している梁のみ材成アップを実行する。1回目から「不足分のみ」を設定可能としていることのメリットは、例えば、外回りなどの様に、見栄えの観点から、伏図支援マスタBの設定とは無関係に、最初から大きな材成にすることを決めている横架材について、最小材成からスタートさせないことにより、伏図マスタBの設定に収束したために決めていた材成よりも小さな材成で設計されてしまわない様にするためでもある。
[5. 樹種強度の引き当て]
上述の演算処理の実行の途中で、図37(C)に示す様な「樹種強度の引き当て画面」が出てくる様にプログラムを構成している。そこで、この「樹種強度の引き当て画面」において、計算上使用する「樹種強度」を一覧表からプルダウンメニューで選んで樹種設定を行う。
[6. 卍組みチェック]
実行後に卍組みチェックがかかり該当する場合はメッセージが出る。そのまま継続して実行することもできる。
[7. エラーメッセージ]
エラーは、図38に示す様に「材成自動エラーリスト」としてモニタ表示される。
[8. 配置された材成の確認]
[8.1 「明細画面」による確認]
本実施例では、最終的に配置された材成までの過程を「明細画面」から確認することができるプログラム構成を採用している。「明細画面」ボタンを押して該当梁を選択すると、材成自動生成処理明細が出てくる。
図39に一例を示す。この図は、「すべて」を実行した場合の持出し梁(はね出し梁)の明細画面である。図の上側の一覧表に示す様に、最初の処理は「初期設定」であり、材成105mmであるから「変更理由:該当なし」となり、「条件:梁母屋断面の先頭行」を参照し、「変更データ:材成」が設定され、「変更内容:初期値」となり、「材成:105」で両端の継手・仕口が自動生成される。次に「構造計算」が実行され、「変更理由:材成割り増し」について「条件:2F建:2層横架材の中間部必要材成に対する割り増し」に従って、「変更データ:材成」が設定され、「変更内容:伸長」となり、「材成:240」が求められる。この240mmの材成は、中間部の割増20%の設定から、(スパンに対する必要梁成)=(スパン必要材成Max:182.1)×1.2=(218.5)が算出され、この割増後のスパン必要材成Maxから規格寸法材に寄りつかせる様にして算出されたものである。そして、この240mm材を材成として2回目の材成自動演算処理がスタートし、長期荷重による計算の結果が210mm材となり、続く構造計算では必要材成=218.5が算出され、最終的に240mm材に決定していく様子が表示されている。
[8.2 「強度表」による確認]
この強度表は、構造強度計算書作成プログラム24の演算処理により作成される。図40に例示する様に、強度表から「スパンに対する必要材成Max」を確認することができる。
ここで、エッセンス(マスター)より指定材成以上になった梁の「形状/樹種/等級名」を変更する場合、強度表の樹種名は「変更前の樹種強度」で計算した結果が表示される。例えば、105mmべいまつ無等級材でスタートして、240mm材以上は集成材に変更するというエッセンスの場合、強度表には変更前の「べいまつ無等級材」で240mm材になった計算結果が表示される。
[9. その他]
[9.1 「金物工法」「一部金物工法」物件の場合]
在来工法以外に「金物工法」「一部金物工法」物件にも適用できるプログラム構成となっている。これら「金物工法」「一部金物工法」については、計算系マスターの「情報設定」において、建物工法を「金物工法」か「一部金物工法」にして実行すればよい。また、計算系マスターの「梁受け金物設定」において(材成/材幅範囲設定)を設定する。この設定数値を参照して材成決定を行う。
[9.2 兜補正は二次梁までの対応]
兜補正でレベルアップする梁は、該当する一次梁と一次梁にかかる二次梁までを対象としている。なお、三次梁には対応していない。
[9.3 継手の伸び返りは逆転しない]
初めに設定した伸び返りのまま材成アップを実行していく。オス材がメス材以上になる場合は、オス材と同じ材成までメス材をアップする。このとき、伸び返りの逆転はせずにオスメス同材になる。
[9.4 材成決定部品の色表示ON/OFF]
本実施例のコンピュータプログラムを実行する前と後とで、材成が変更になった横架材の画面表示色をON/OFFすることができる。図41に示す様に、表示制御の「表」ボタンから計算タブ内の「構造計算材成決定部品」のチェックで、表示ON/OFF制御ができる。材成が変更になった横架材は青く表示(図41ではクロスハッチ表示)として一目で分かる様にしている。
[9.5 登録マスターへの登録]
編集した伏図支援マスターを登録マスターへ保存することができる。この場合、図42に示す様に、「登録」メニューから「マスターとして保存」を選択肢、「ディレクトリの選択」で「OK」をクリックし、「仕様名称設定画面」においてマスター名を作成して「実行」することにより登録を完了する。
[10. 梁組自動生成:バルコニー梁組]
本実施例の梁組自動生成プログラム21は、バルコニー梁組におけるバルコニー梁のレベルが通常梁よりも下がっている場合の対応を行う機能を備えている。本実施例では、バルコニー梁組は、図43(A)に示す様に、バルコニー梁のオーバーハング部分を「1」とするとき、柱で支持されている支持点から「2」以上が建物内部側へ伸びていれば、オーバーハング部分と逆方向に一番近い梁または柱(相手材)の側面に差して接合する様にプログラムを構成している。
これにより、図43(B)に示す様に、バルコニーへの出入りを考慮したレベル下がりとなったバルコニー梁の上部の基準の0レベルにも床梁(通常梁)が必要な場合は、二重梁とし、上部はレベル差分の材成の床梁で構成する。つまり、この床梁は、本来必要な材成よりも小さくなる場合がある。このため、レベル差に合わせて床梁の材成を小さくした場合は、下梁(バルコニー梁)が上梁(床梁)を救うべく、必要なところまで延長するプログラムとなっている。
[11. 材成自動決定プログラムの特徴]
これまで伏図作成に使われてきた「スパン表」に代わり、許容応力度計算を元に材成を自動的に加算=「プラス」するソフトウェアである。材成を気にせず最少材成で梁配置を入力した後、本プログラムを実行するだけで内部で許容応力度計算がかかり、計算根拠のある最適材成まで自動的に梁成をアップしていく。さらに、プレカット上どうしても譲れないエッセンス(外回りは150mm以上、火打がかかる梁は150mm以上等)を盛り込んで、最終的に材成を決定する。また、仕口のこぼれ処理も自動的に行う。
木造住宅用伏図設計支援装置1の全体について図44,図45に基づいて説明する。本実施例の木造住宅用伏図設計支援装置1は、梁組自動生成プログラムによって梁組を自動生成し(S1)、伏図マスターに記憶する処理を実行している(S2)。
このとき、梁組決定プログラム21のS500の処理により、図45(A)に示す様に、1階床から2階天井まで柱が通っているポイントを優先して区画線を発生させ、梁組決定プログラム21のS840の処理により、図45(B)に示す様に、2階を立体的構造ブロックとする様に小屋の区画と同じ形状にし、このとき、図45(C)に示す様に、下層に柱の存在する位置、区画線の交差位置に対してポイントを付与してこれらの位置を継手位置とし、梁組決定プログラム21のS900の処理により、図45(D)に示す様に、「X方向Y方向の最大柱間の距離比較」及び「X方向Y方向の下層柱本数比較」を考慮して床梁を掛ける方向を決める「梁組み発生演算処理」を実行している。
また、梁組決定プログラム21は、S860,S870の処理により、図43(B)に示した様に、出入りを考慮したレベル下がりのバルコニー梁をバルコニー内に生成し、このバルコニー梁を図43(A)に示す様に、オーバーハング部分:建物内進入部分≧1:2となり、かつ、一番近い梁または柱を相手材として、当該相手材の側面に差して接合し、さらに、バルコニー梁が建物内に進入した部分の床梁はバルコニー梁の上に重なる様に生成する「潜り込み演算処理」も実行している。
さらに、材成決定プログラム23の特殊補正処理S2720〜S2850により、図32(A)に示した様に、バルコニー持出し梁など、下側に柱がない場合、渡り受梁を追加する「渡り受梁追加演算処理」も実行している。
木造住宅用伏図設計支援装置1は、こうして梁組自動生成プログラムによって自動生成された梁組を伏図マスターに記憶した後(S2)、「計算系マスター」の設定を実行する(S3)。
計算系マスターの設定処理は、[1.マスターの選択・編集]において説明した様に、[1.1 マスターの選択・起動・変更(付け替え)]、[1.2 エッセンス(その1)「材成割り増し」の設定]、[1.3 エッセンス(その2)「最小材成制限」の設定]、[1.4 エッセンス(その3)「配置材成表」の設定]、[1.5 エッセンス(その4)「特殊補正処理」の設定]、[1.5.1 連動整合処理]、[1.5.2 柱素材長による上部梁の材成補正]、[1.5.3 小屋梁の兜補正]、[1.5.4 枕梁のこぼれ処理]、[1.5.5 使用材料属性の自動変更]、[1.5.6 外壁線上の母屋の材幅・材成変更]、[1.5.7 母屋の材幅連動]までの各種設定を[1.6 マスターの保管]で登録する処理となっている。
ここで、[1.2 エッセンス(その1)「材成割り増し」の設定]以降の処理は、いずれも許容応力度計算の結果として算出される材成に対して規格寸法材の寸法間隔に対応するランクアップをどの様なときに実行するかという「スパン表」で従来対応していたエッセンスや、さらに、複雑な意匠的観点、プレカット加工的観点を導入するための条件設定の処理である。
木造住宅用伏図設計支援装置1は、こうして「計算系マスター」の設定が完了した後、材成計算の実行指令を待って(S4)、伏図マスターからの梁組みデータの読み出し(S5)、許容応力度計算の実行による材成の算出(S6)、計算系マスターからのランクアップ条件の読み出し(S7)、ランクアップ条件に基づいた材成増加、樹種変更、レベル整合等の材成修正処理を実行して各横架材の材成を決定し(S8)、登録マスターに登録する(S9)。
こうして登録された材成は、許容応力度計算による必要材成を満足しつつ、業界事情、意匠的要素、プレカット加工的要素を踏まえて決定したものであるから、その後の構造強度計算書作成指令を受けて読み出され(S10,S11)、決定した材成も既知パラメータとして構造強度計算を実行したとき(S12)、許容応力度を十分に満足する結果となる。この計算結果は、モニタ表示するだけでなく、プリンタ15へ帳票出力し(S13,S14)、各方面への提出用として利用することができる。
従って、本実施例の木造住宅用伏図設計支援装置1によれば、構造強度を満足しつつ意匠的な面からの要望にも応えることのできる木造住宅用伏図を的確に設計することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限られることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の態様にて実施することができる。
木造住宅用の木材プレカット加工データの作成に有益であり、木材プレカット工場において利用するのに適している。
1・・・木造住宅用伏図設計支援装置、11・・・コンピュータ、12・・・モニタ、13・・・キーボード、14・・・マウス、15・・・プリンタ、16・・・ルータ。
2・・・コンピュータプログラム、21・・・梁組決定プログラム、22・・・材成計算プログラム、23・・・材成決定プログラム、24・・・計算書作成プログラム。
21a・・・伏図支援マスタA、30・・・伏図支援マスタB、100・・・継手・仕口基本形状設定部、200・・・初期値設定部、300・・・構造強度許容値設定部、400・・・材成割り増し設定部、500・・・最小材成制限設定部、600・・・配置材成表設定部、700・・・特殊補正処理設定部。

Claims (10)

  1. 少なくとも1階の柱の下側となる第1層、2階柱の下側となる第2層及び2階柱の上側となる第3層を有する2階建て以上の木造住宅に対して、各階の間取り図に基づいて伏図を決定するための設計支援装置であって、以下の構成を備えたことを特徴とする木造住宅用伏図設計支援装置。
    (1A)入力された間取り図と、予め登録されている柱生成条件とに基づいて、1階及び2階の各階の柱の位置を生成する柱生成手段を備えていること。
    (1B)前記柱生成手段の生成した前記各階の柱の位置に基づいて、前記第1層、第2層及び第3層の外周を大区画とする様に前記第1層、第2層及び第3層の区画線を生成する区画線生成手段を備えていること。
    (1C)前記区画線生成手段は、第2層において前記大区画内の区画線を生成するに当たり、前記柱生成手段が2階について生成した柱の位置を考慮して第3層の区画線を先に決定し、該第3層の区画線と上下に重なる位置の区画線を優先しつつ、前記柱生成手段が1階について生成した柱の位置及び1階の間取り図を考慮して第2層の区画線を決定する第2層区画線決定手段を備えていること。
  2. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1に記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (2)前記第2層区画線決定手段は、前記第3層の区画線を決定するに際して、前記柱生成手段が生成した2階の柱の位置、及び2階の柱同士の間を所定条件に従って分割した位置を、第3層について区画線を生成し得る第3層区画線候補ポイントに設定すると共に、該第3層区画線候補ポイントに対して2階の柱及び1階の柱の位置を考慮して第3層区画線候補ポイント優先順位を付与し、前記第3層区画線候補ポイント間を結ぶ東西又は南北の第3層区画線候補の中から、前記第3層区画線候補ポイント優先順位を考慮して前記第3層区画線を決定する手段として構成されていること。
  3. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (3)前記第2層区画線決定手段は、前記柱生成手段が決定した1階の柱の位置、及び1階の柱同士の間を所定条件に従って分割した位置を、第2層について区画線を生成し得る第2層区画線候補ポイントに設定すると共に、該第2層区画線候補ポイントに対して1階の柱の位置を考慮して第2層区画線候補ポイント優先順位を付与し、前記第2層区画線候補ポイント間を結ぶ東西又は南北の第2層区画線候補の中から前記第3層区画線の直下に位置する第2層区画線候補を最優先した上で、前記第2層区画線候補ポイント優先順位と1階の間取り図とを考慮して前記第2層区画線を決定する手段として構成されていること。
  4. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (4)前記第2層区画線決定手段によって決定された第2層区画線で囲まれた各区画毎に、東西又は南北の区画線における1階の柱の本数及び最大柱間距離を考慮して、床梁の梁掛け方向を決定する区画毎梁掛け方向決定手段と、該区画毎梁掛け方向決定手段の決定した梁掛け方向となる様に、前記第2層区画線で囲まれた各区画毎に床梁を生成する床梁生成手段を備えていること。
  5. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (5)前記第2層において、第2層の大区画外へとオーバーハング状態となる持ち出し梁について建物内への侵入部分を生成するか否かを判定する判定手段を備え、該判定手段によって前記侵入部分を生成すると判定された持ち出し梁を、(オーバーハング長さ:建物内侵入長さ)が(1:2)以上となる位置の横架材又は柱に突き当てる様に建物内に伸ばす持ち出し梁延長手段を備えていること。
  6. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項5に記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (6A)前記判定手段は、2階の床面に対してレベル下がりで納めるバルコニーのバルコニー梁については、前記建物内への侵入部分を生成すべき持ち出し梁と判定する手段として構成されていること。
    (6B)前記持ち出し梁延長手段は、前記バルコニー梁について前記建物内への侵入部分を生成すると共に、当該バルコニー梁を延長する区画内について、当該バルコニー梁の延長部分の上に重なる様に、前記レベル下がりの寸法に対応する材成の床梁を生成する潜り込み状態生成手段を備えていること。
  7. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (7)複数の持ち出し梁を下から受ける渡り受け梁が存在する場合、当該渡り受け梁について、最も材成の小さい持ち出し梁の下面を上面で受け、それ以外の持ち出し梁を渡りアゴ掛けによって受けられる様に、当該渡り受け梁のレベル及び材成を決定する渡り受け梁アゴ掛け生成手段を備えていること。
  8. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (8)下層に壁のない小屋梁について、当該小屋梁のレベルを上げることによって小屋梁の下面と天井との間に所定高さの空間を形成する小屋梁レベル上げ手段を備えていること。
  9. さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の木造住宅用伏図設計支援装置。
    (9)枕梁を備える場合、上材で荷重を受けて下材でこぼれ補正する第1のパターンと、上材は最低材成に留めて下材で荷重及びこぼれを受け止める第2のパターンのいずれを選択するかを設定する枕梁こぼれ補正パターン選択手段を備えていること。
  10. コンピュータを、請求項1〜9のいずれかに記載の木造住宅用伏図設計支援装置における演算処理を実行させるための演算処理手段として機能させるための木造住宅用伏図設計支援プログラム。
JP2014120520A 2014-06-11 2014-06-11 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム Active JP5654164B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014120520A JP5654164B1 (ja) 2014-06-11 2014-06-11 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014120520A JP5654164B1 (ja) 2014-06-11 2014-06-11 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5654164B1 true JP5654164B1 (ja) 2015-01-14
JP2016001369A JP2016001369A (ja) 2016-01-07

Family

ID=52339876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014120520A Active JP5654164B1 (ja) 2014-06-11 2014-06-11 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5654164B1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6268326B1 (ja) * 2017-10-04 2018-01-24 宮川工機株式会社 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム
JP7562454B2 (ja) 2021-03-15 2024-10-07 株式会社竹中工務店 設計支援装置、及び設計支援プログラム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04111174A (ja) * 1990-08-31 1992-04-13 Nippon Kensetsu Computer Kk 建築用伏図の自動作成装置
JPH1185816A (ja) * 1997-09-01 1999-03-30 Sekisui House Ltd コンピュータ画面による部材の入力表示方法
JP2006338143A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Net Eagle Kk 建築物の構造設計装置、構造設計プログラムおよび構造設計方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04111174A (ja) * 1990-08-31 1992-04-13 Nippon Kensetsu Computer Kk 建築用伏図の自動作成装置
JPH1185816A (ja) * 1997-09-01 1999-03-30 Sekisui House Ltd コンピュータ画面による部材の入力表示方法
JP2006338143A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Net Eagle Kk 建築物の構造設計装置、構造設計プログラムおよび構造設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016001369A (ja) 2016-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5654164B1 (ja) 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム
CN107237501A (zh) 一种圆管截面弯扭构件拼装方法
JP5654163B1 (ja) 木造住宅用伏図設計支援装置及びプログラム
Alecci et al. Building irregularity issues and architectural design in seismic areas
WO2000013114A1 (fr) Appareil pour façonner un materiau de construction
CN113449365A (zh) 一种装配式建筑信息模型设计平台
KR20220123201A (ko) 건설을 위한 2d 도면을 활용한 3d 도면 제작 방법을 이용한 물량 개산 방법
JP6429380B2 (ja) 建物企画設計システムと方法
JPH0589211A (ja) 建築物の総合生産管理システム
Barletta The architecture and architects of the classical Parthenon
AT514723A2 (de) Verfahren zum Planen und Errichten von Gebäuden
JP2005018673A (ja) 工程表作成支援方法
JP3135951B2 (ja) 建築躯体の構造設計システム
JP2008297897A (ja) コンピュータを利用した建物の構造計算に使用される耐力壁の配置方法
JP3046291B1 (ja) 仮設材配置計画用図面作成装置及びその記録媒体
JP2007272715A (ja) 耐震診断結果に基づく補強設計提供装置
JP6233394B2 (ja) 住宅
JP3980549B2 (ja) 住宅設計支援装置及び住宅設計支援プログラム
JP4027888B2 (ja) 伏図作成支援装置及び伏図作成支援プログラム
Baily St Hugh’s church at Lincoln
KR20240099738A (ko) 한옥마을 조성을 위한 3d 모델링 방법 및 시스템
JP2007308975A (ja) 鉄筋構造体及びその製造方法
JP2005275506A (ja) 住空間創造支援システムおよび支援プログラム
JP4027889B2 (ja) 伏図作成支援装置及び伏図作成支援プログラム
Angelone et al. The Historical–Critical Reconstruction for Urban Landscape Understanding: The Restoration of Teramo Cathedral (1926–1935)

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20141009

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141021

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5654164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250