JP5653673B2 - 皮膚血管機能評価法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚角質細胞のmRNA量を指標とすることにより皮膚血管機能を評価する方法に関するものである。
血管は血液を身体の各所に送るための通路となる管であり、酸素や栄養分、老廃物、水分を全身へ運ぶだけでなく、体温維持などの恒常性維持のために重要である。血管、あるいは血管に血液を送り出すポンプである心臓は、個体の生命維持に必須であり、これら臓器・組織の機能不全は、世界中で死因の上位となっている。以上のことから、心臓、血管機能評価法、あるいは機能不全に対する治療法などに関して様々な角度から研究が行われている(特許文献1〜3、非特許文献1〜3)。しかしながら、末梢組織における血管の機能評価については二次的なものとされ、特に成体の最大臓器といわれる皮膚血管においては、心臓血管に比べてあまり行われてこなかった。
皮膚血管機能は、皮膚に分布する血管が皮膚を構成する細胞へ酸素や栄養を供給し、老廃物を排出することにより皮膚状態を維持する働きのことであり、皮膚血流量や毛細血管量などを用いて評価される。皮膚血管機能の変化からは、炎症性皮膚疾患、末梢循環障害などの病変の程度を評価し、診断補助、治療効果の評価に応用できることなどから、皮膚血管機能は皮膚機能評価の一指標として有用であると考えられている。皮膚血管機能を評価するための最も一般的な方法として、血流を非侵襲的に計測できるレーザードップラー血流計測法が開発され、この方法に準拠した器械が多くのメーカーより販売されている(特許文献4、5、非特許文献4)。また、毛細血管量評価法として、生体顕微鏡やビデオマイクロスコープにより直接微小毛細血管像を捉える微小循環画像解析法、133Xeといった放射性同位元素を用いた133Xeクリアランス法がある。その他の皮膚血管機能評価法として、皮膚温・熱伝導度計測法、経皮ガス分圧計測法などもある。
非侵襲的な皮膚血管機能の評価法として、レーザードップラー血流計測法のような機器を用いた皮膚血流の測定が行われるが、その測定値は、精神的要因による交感神経反射、あるいは環境温度や圧迫などの物理的要因によっても容易に一過性の変動を示す。そのため、皮膚血流により皮膚血管機能を評価する際には、測定環境や安静時間などの条件を整え、上述した要因による一過性の変動が測定値に含まれることを防ぐ必要があった。さらに、測定に用いる機器を測定場所まで移動させる必要があり、簡便に行うことはできなかった。また、毛細血管量を測定する方法として行われる微小循環画像解析法では、ヒトの正常皮膚で観察できるのは、爪郭部の毛細血管に限られ、1度に数本の血管しか測定できないといった欠点が指摘されている。
他の方法においても、精神的、物理的要因を排除するためには、測定環境設定に困難が伴う、あるいは侵襲的であるため微小循環の測定には向かず異常値が出やすいなど問題点があった。そのため、これらの方法に変わる新たな測定方法の開発が望まれていた。
皮膚の表皮は、表面から、角質層、顆粒層、有棘層及び基底層に区分される。角質層の細胞は、最下層に存在する基底層の細胞が分裂及び分化して形成されるが、その間脱核が起こるため、mRNA合成を新たに行わない細胞である。そのため、角質中に存在するmRNAは、表皮深層に存在する顆粒細胞、有棘細胞あるいは基底細胞により合成されたmRNAが分解されずに残留したものと考えられる。また、基底細胞が角質細胞に分化するまでに約1ヶ月必要なため、角質中のmRNAは、表皮に起こった過去の生体反応を反映したものである。基底細胞が角質細胞へ分化するまでには、皮膚血管からの栄養や酸素の供給を受けており、角質中のmRNAはこの間の皮膚血管機能を反映していると考えられるが、これまで、角質中の遺伝子発現を利用した皮膚血管機能評価法の報告はない。
特開平9−28684 特開2004−290408 特表2003−501194 特開平8−182658 特開2001−112742
Daniel J. Rader & Alan Daugherty Nature 451, p.904−913 (2008) James O. Mudd & David A. Kass Nature 451, p.919−928 (2008) Vincent F. M. Segers & Richard T. Lee Nature 451, p.937−942 (2008) 山本忠正、滝脇弘嗣 皮膚の血流量を測る p.88−94. 田上八郎、宮路良樹、瀧川雅浩 編集 機器を用いたスキンクリニック 文光堂(2002)
皮膚血管機能性の評価法の一つである皮膚血流計測法では、血流の心理的又は物理的作用による一過性の変化を考慮する必要があった。そのため、従来型の血流計測装置を用いた測定では、温度、湿度、騒音などを一定に設定できる人工気象室のような設備で行うことが望ましく、被験対象者を安静状態に置く時間も必要であり、どこでも簡便に測定できる方法とは言えなかった。また、血流計測装置などの機器は大型で重量もあり、測定場所へ移動させることも困難であった。その他の皮膚血管機能評価法についても、心理的又は物理的作用による変化が排除できない、あるいは測定部位が限られる、侵襲的であるなどの問題があった。すなわち、本発明は、測定環境を選ばず、被験対象者の安静を必要とせず、非侵襲的かつ簡便に任意の部位について評価可能な皮膚血管機能評価法を提供することを課題とする。
以上の課題の下、本発明者らは、皮膚においては機能維持のために必要な栄養や酸素の大部分を真皮血管中の血液から得ているという知見に基づき、皮膚のmRNA量から簡便に皮膚血管機能を測定する方法について鋭意検討した。その結果、皮膚においてミトコンドリア電子伝達系遺伝子及び/又は血管成長因子遺伝子、より好ましくはミトコンドリア電子伝達系遺伝子がSLC25A5、ATP5F1、ATP5H及びNDUFS3であり、血管成長因子遺伝子がVEGFAから選択される1種又は2種以上の遺伝子に対応するmRNA量を調べることにより皮膚血管機能が測定できることを見出した。これらのmRNA量は、皮膚の試料採取時の心理的、物理的作用による一過性の変化に影響されないため、環境条件を選ばず、任意の部位について、簡便かつ安定的に実施できる。さらに、皮膚の試料採取時には機器を要しないため、大型機器を測定場所へ移動させる必要もなく、場所を選ばず実施することができる利点がある。
本発明は、以下に列挙する皮膚血管機能評価法を提供する。
[1]皮膚血管機能を評価する方法であって、次の(1)〜(3)のステップを含む方法。
(1)個体から皮膚の試料を得るステップ
(2)皮膚の試料からミトコンドリア電子伝達系遺伝子及び/又は血管成長因子遺伝子に対応するmRNA量を定量化するステップ
(3)ステップ(2)で算出したmRNA量を用いて皮膚血管機能を評価するステップ
[2]ミトコンドリア電子伝達系遺伝子がSLC25A5、ATP5F1、ATP5H及びNDUFS3から選択される1種又は2種以上の遺伝子であることを特徴とする[1]記載の皮膚血管機能評価法。
[3]血管成長因子遺伝子がVEGFAであることを特徴とする[1]記載の皮膚血管機能評価法。
[4]VEGFAが、VEGFA121、VEGFA165及びVEGFA189から選択される1種又は2種以上のアイソフォームに対するmRNA量を対象とすることを特徴とする[3]記載の皮膚血管機能評価法。
[5]mRNA量の定量化がポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)によって行われる、[1]〜[4]いずれか一項記載の皮膚血管機能評価法。
[6]皮膚の試料が被験対象の皮膚より採取した角質である、[1]〜[5]いずれか一項記載の皮膚血管機能評価法。
本発明の方法により、皮膚のミトコンドリア電子伝達系遺伝子及び/又は血管成長因子遺伝子、より好ましくはSLC25A5、ATP5F1、ATP5H、NDUFS3及びVEGFAから選択される1種又は2種以上の遺伝子に対応するmRNA量を指標にして、皮膚血管機能を評価することができる。皮膚の中で最外層に存在する角質をmRNA量測定の試料として用いることから、本発明の皮膚血管機能評価法は、任意の部位について非侵襲的に実施可能なものとなる。また、角質中のmRNA量は、皮膚の試料採取時の心理的、物理的作用による一過性の変化に影響されないため、環境条件を選ばず、任意の部位について、簡便かつ安定的に実施できる。さらに、皮膚の試料採取時には機器を要しないため、大型機器を測定場所へ移動させる必要もなく、場所を選ばず実施することができる。
SLC25A5に対するmRNA量の相対値と皮膚血流量との相関関係 SLC25A5、ATP5F1、ATP5H、NDUFS3に対するmRNA量の相対平均値と皮膚血流量との相関関係 VEGFA121、VEGFA165、VEGFA189に対する合計mRNA量の相対値と皮膚血流量との相関関係 VEGFA121に対するmRNA量の相対値と皮膚血流量との相関関係 VEGFA165に対するmRNA量の相対値と皮膚血流量との相関関係 VEGFA189に対するmRNA量の相対値と皮膚血流量との相関関係 マッサージ前後のATP5F1、ATP5Hに対するmRNA量の相対平均値の変化量と皮膚血流変化量との相関関係 マッサージ前後のVEGFA165に対するmRNA量の相対値の変化量と皮膚血流変化量との相関関係 マッサージ前後の皮膚血流量変化 マッサージ前後のVEGFA165に対するmRNA量変化
本発明は、皮膚のミトコンドリア電子伝達系遺伝子及び/又は血管成長因子遺伝子、より好ましくはSLC25A5、ATP5F1、ATP5H、NDUFS3及びVEGFAから選択される1種又は2種以上の遺伝子に対応するmRNA量を指標にして皮膚血管機能を評価する方法を提供する。本発明の皮膚血管機能評価法では、被験対象の皮膚より採取した試料を用いてSLC25A5、ATP5F1、ATP5H、NDUFS3及びVEGFA遺伝子に対するmRNAの定量化を行い、その結果を基に皮膚血管機能を評価する。さらに、皮膚より採取した試料として角質を用いることにより、非侵襲的な評価が可能になる。
皮膚血管機能は、皮膚に分布する血管が皮膚を構成する細胞へ酸素や栄養を供給し、老廃物を排出することにより皮膚状態を維持する働きであり、皮膚機能に影響を与える一要因であると考えられている。皮膚血管機能の最も一般的な評価法としては、皮膚血流計測法が用いられる。したがって、測定された皮膚血流量とミトコンドリア電子伝達系遺伝子及び/又は血管成長因子遺伝子との関連を検討することにより、新たな皮膚血管機能評価法の有用性が検証できると考えられる。本発明におけるミトコンドリア電子伝達系遺伝子とは、プロトンの濃度勾配を作り出し、これを利用してATP合成酵素が生体においてエネルギーとして利用されるATPを生成する反応系に関与する遺伝子群である。この遺伝子群については、一般的な生化学の教科書、あるいはKyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG: http://www.kegg.jp/)、Gene Set Enrichment AnalysisのMolecular signature database(http://www.broadinstitute.org/gsea/msigdb/index.jsp)などのウェブ上で公開されているデータベースなどを参照することによりリスト化することができる。さらにミトコンドリア電子伝達系遺伝子は、リスト化された遺伝子群の中から、より好ましくは、SLC25A5、ATP5F1、ATP5H及びNDUFS3より選択される遺伝子群である。表皮細胞は、栄養及び酸素の供給を真皮の血流量に依存しているが、血流量の改善により表皮への供給が増加すれば細胞の代謝が活性化されるため、ミトコンドリア電子伝達系の活性化、構成蛋白質、あるいはそれらをコードする遺伝子群の発現が活性化し、mRNA量が増加すると考えられる。また、本発明における血管成長因子遺伝子とは、VEGFAであり、より好ましくは表皮においてVEGFA遺伝子産物のオルタネイティブスプライシングにより作られるmRNAである。より具体的には、分子量が異なるVEGFA121、VEGFA165及びVEGFA189に対応する3種のVEGFA mRNAの中から1種又は2種以上のmRNAの定量値か、好ましくは3種全てのmRNAの定量値を用いる。VEGFAは、血管内皮細胞の遊走を促進する因子であり、生体においては、毛細血管量を増やす働きがあると考えられている。皮膚においては、表皮及び血管内皮細胞より産生されるVEGFAが、真皮の毛細血管量及び形態に影響すると考えられている。以下に各遺伝子名とGenbank accession numberを示す(表1)。
Figure 0005653673
本発明に用いる被験対象の皮膚より採取した「角質」とは、皮膚の中で最外層に存在する角質層における細胞を示す。角質におけるミトコンドリア電子伝達系遺伝子及び/又は血管成長因子遺伝子に対するmRNA量を測定することから、本発明の皮膚血管機能評価法は、非侵襲的に実施可能なものになる。
皮膚からの角質採取の方法は特に限定されないが、可能な限り非侵襲的な採取法を採用することが好ましい。すなわち、角質採取の際、顆粒層や有棘層等の角質層以外の部分を、可能な限り傷つけないことが望まれる。非侵襲的な採取法としては、例えば、粘着性のテープや接着剤等を皮膚へ付着させた後に剥がす方法や、粗面の材料(例えば、不織布等)で皮膚表面を擦る方法がある。非常に簡便に実施できる点において、前者の方法は特に好ましい。尚、以降に実施される遺伝子発現の定量化に影響しないものである限り、粘着性のテープや接着剤に用いられる材料(接着成分)は特に限定されない。
本発明における「mRNAの定量化」とは、当該遺伝子の転写産物であるmRNA量を測定することである。あるいは、mRNAの情報を基に合成される蛋白質の量を測定しても良い。
mRNA量の測定には、マイクロアレイ解析や、逆転写反応を行った後にPCR法を行う方法等を用いることができる。これらの方法は、常法に従って実施すれば良い。各方法について様々なプロトコールが報告されており、当業者であれば公知のプロトコールに従い、又は公知のプロトコールを適宜修正・変更したプロトコールによって、適切な測定系を構築し実施することができる。尚、mRNAの定量化の詳細については後述する。
一方、蛋白質量の測定であれば、例えば、蛍光物質、色素、酵素等を利用する免疫染色法、ウエスタンブロット法、免疫測定法(例えば、ELISA法やEIA法等)等を用いることができる。これらの方法についても、常法に従って実施すれば良い。各方法について様々なプロトコールが報告されており、当業者であれば公知のプロトコールに従い、又は公知のプロトコールを適宜修正・変更したプロトコールによって、適切な測定系を構築し実施することができる。
本発明の皮膚血管機能評価法は、好ましくは以下の一連のステップ(1)〜(3)によって実施される。
(1)被験対象の皮膚より採取した角質を用意するステップ、
(2)前記角質から抽出したRNAを試料としてmRNAの定量化を行い、ミトコンドリア電子伝達系遺伝子及び/又は血管成長因子遺伝子に対するmRNA量を算出するステップ、
及び
(3)ステップ(2)で算出したmRNA量を用いて、皮膚血管機能を評価するステップである。
ステップ(1)では、被験対象の皮膚より採取した角質を用意する。以下に、角質採取法及びRNA抽出法を示す。
(a)顆粒層や有棘層等を傷つけないように、最外層である角質層の一部を剥離する。例えば、粘着性のテープを皮膚へ付着させた後に剥がし(必要に応じて、数回繰り返す)、角質を採取する。
(b)採取した角質を、SLS、β−メルカプトエタノール、グアニジンイソチオシアネート等を含む溶解性緩衝液に浸した後、蛋白質分解酵素を加え反応させる。
(c)反応終了後、例えば、超音波破砕機等の物理的な力によって角質を破砕する。
(d)角質破砕物を含む溶液から、周知の核酸抽出法に準じた方法や市販されたキットを用いた方法により、RNAを抽出する。例えば、グアニジンイソチオシアネート、フェノール又はクロロホルムを用いたRNA抽出法や、ニッポンジーン社のISOGEN、インビトロジェン社のTrizol Reagent、あるいはQIAGEN社のRNeasy KitやAmbion社のRNAqueous−4PCR Kit等を用いる方法によってRNAを抽出する。
(e)必要に応じて、DNA分解酵素を反応させDNAを除去する。
(f)必要に応じて、エタノール沈殿等の核酸濃縮法を用いてRNAを濃縮する。
ステップ(2)では、採取した角質から抽出したRNAを試料としてmRNAの定量化を行う。そして、当該遺伝子に対するmRNA量を算出する。このように、本発明の一態様では、角質中に残存する当該遺伝子に対するmRNAの定量化を行う。尚、mRNAの定量化における測定値は、絶対値又は相対値(比較対象又は標準のmRNA量との比率や差等)として算出される。
ここで、角質から抽出したmRNAの定量化法の具体例を以下に示す。
RT−PCRを用いた方法
(a)抽出したRNAを鋳型に、逆転写酵素を用いてcDNAを合成する。
(b)cDNAを鋳型に、ターゲットとなる遺伝子に対応するプライマーを用いてPCR反応を行い、当該遺伝子に対応するDNA断片を得る。
(c)内部標準となるような遺伝子(β−アクチン、GAPDH、ケラチン6B、CTSL2等)の反応も並行して行う。
(d)得られたDNA断片の電気泳動を行った後、エチジウムブロマイド等で染色してバンドの強度を測定し、その遺伝子のmRNA量とする。
(e)必要に応じて、SYBR green等の蛍光色素やTaqman probe等の蛍光プローブを用いて定量PCR反応を行い、mRNAを定量する。
(f)内部標準となる遺伝子のmRNA量に対する、当該遺伝子のmRNA量の比率を算出する。
ステップ(3)では、ステップ(2)で算出したmRNA量を用いて、皮膚血管機能を評価する。例えば、算出したmRNA量を予め設定した基準mRNA量と比較して、その比率を計算する。そして、その比率が、皮膚血管機能の評価が関連付けられた複数の区分の中のいずれに該当するのかを調べる。区分の設定に関する具体例を以下に示す。
(例1)皮膚血管機能(低い):比率<a、(中程度):a≦比率<b、(高い):b≦比率
(例1)では区分数を3としているが、区分数は特に限定されるものではない。例えば、区分数を2〜10のいずれかにすることができる。区分数及び各区分に関連付けられる基準発現量の値の範囲は、予備実験の結果を基に任意に設定可能である。
以下、本発明を効果的に説明するために、実験例を挙げる。尚、本発明はこれにより限定されるものではない。
実験例1 皮膚血流量の測定と角質採取
健常男性14名(平均年齢35.1歳)を対象とし、洗顔料を用いて洗顔後、室温25℃、湿度50%に設定した人工気象室にて20分間安静状態を維持した。その後、レーザードップラー血流計moor LDI(MONTE社)を用いた顔面部の皮膚血流量測定を行った。さらに、直径1cm、円形のBlendermテープ(3M)を顔面部の皮膚血流量を測定した部位の近傍に貼付しテープが十分に接着していることを確認した後、テープを剥がし取り角質を得た。一人の被験対象者より、同一箇所に4枚の粘着テープを繰り返し貼付して角質を採取した。
実験例2 皮膚角質に含まれるRNAの抽出
実験例1にて得られた角質に含まれるRNAを、RNA抽出キット(Ambion社、RNAqueous−4PCR Kit)を用いて抽出した。すなわち、角質の付着したテープ4枚を、テープごとLysis/Binding Solutionに入れ、proteinase K(Invitrogen社)を添加し、56℃でインキュベートした。その後、超音波破砕機を用いて分散させた後、64%エタノールを加えて攪拌してテープを取り除き、角質抽出液を得た。付属のFilter CartridgeにRNAを吸着させた後、溶出液でRNAを溶出した。得られた溶出液にDNaseIを加え、残存しているDNAを完全に除去した後、エタノールを用いてRNAを沈殿させて濃縮した。得られたRNAのペレットを必要量の水に溶解し、角質に含まれるRNAを得た。
実験例3 角質に含まれるRNAを用いたミトコンドリア電子伝達系遺伝子のPCR解析
皮膚角質より、実験例2の方法で得たRNAを、SuperScript III One−Step RT−PCR System with Platinum Taq DNA Polymerase(Invitrogen社)を用いたRT−PCR反応に供し、ミトコンドリア電子伝達系遺伝子の中からSLC25A5、ATP5F1、ATP5H及びNDUFS3のmRNAに対するcDNAを合成した。RT−PCR反応後、リアルタイムPCR反応により、合成したcDNA量を測定し、これを各遺伝子に対するmRNA量とした。また、同時に、内部標準として、CTSL2に対するmRNA量について、同様の方法にて解析し、各遺伝子の数値をCTSL2の数値にて除したものを、相対mRNA量とした。尚、CTSL2、SLC25A5、ATP5F1、ATP5H及びNDUFS3のmRNAに対するRT−PCR反応に使用したプライマーは、次の通りである。
CTSL2用のプライマーセット
TCGCGTCCTCAAGGCAATCAGGGCT(配列番号1)
TGGGGTAGCTGGCTGCTGTGGCG(配列番号2)
SLC25A5用のプライマーセット
ACCAAGGCTTTAACGTGTCTGT(配列番号3)
TTATTGCTTCCCATTTTCAACC(配列番号4)
ATP5F1用のプライマーセット
TGAATACGGAGGAAAAGTTCGT(配列番号5)
GTGCTTCTCCACCCAATTTATC(配列番号6)
ATP5H用のプライマーセット
CCGTGGGCAGCCAGGGTCGGTG(配列番号7)
AGGGCCAGAGCTTCCTCCTGGACTCA(配列番号8)
NDUFS3用のプライマーセット
CACCAATGCACAGTTCAAATCT(配列番号9)
CAATCATAGATAAGGCGCTGTC(配列番号10)
RT−PCR反応産物定量のために行ったリアルタイムPCR用プライマーは、次の通りである。
CTSL2用のプライマーセット
CGGCTTTGAAGGAGCAAATTC(配列番号11)
GGACCCCAGCTGTTTTTGAC(配列番号12)
SLC25A5用のプライマーセット
GCAAAGGAACTGACATCATGTACAC(配列番号13)
AAAAGCTTTGCCTCCTTCATCA(配列番号14)
ATP5F1用のプライマーセット
AGAAGTCACAACAGGCACTGGTT(配列番号15)
CAATGTTATTCCTTTGCACATCAAA(配列番号16)
ATP5H用のプライマーセット
CTTGTGCTGAGTGGGTGTCTCT(配列番号17)
TCATCTTCTCCATCTCTTTCTCATATTC(配列番号18)
NDUFS3用のプライマーセット
CCGTGTGAAGACCTACACAGATG(配列番号19)
GTTGGCTGCCTTGAACACAGA(配列番号20)
ミトコンドリア電子伝達系遺伝子であるSLC25A5に対するmRNA量の相対値と皮膚血流量との相関係数は、R=0.214、p=0.046であり、相関が認められた。SLC25A5、ATP5F1、ATP5H及びNDUFS3に対するmRNA量の相対平均値と皮膚血流量との相関係数は、R=0.257、p=0.027であり、相関が認められた(図1、2)。これらの結果から、ミトコンドリア電子伝達系遺伝子に対するmRNA量の相対値は皮膚血流量を反映し、これらの測定から皮膚血流量を推定できることが示された。また、この測定値を皮膚血流量の代わりに用いて、皮膚血管機能評価が可能であることが示された。したがって、好ましくは、相関係数が高いSLC25A5、ATP5F1、ATP5H及びNDUFS3に対するmRNA量の相対平均値、あるいは相関を認めるSLC25A5に対するmRNA量の相対値を測定することにより、皮膚血管機能が評価可能であるといえる。
実験例4 角質に含まれるRNAを用いた血管成長因子遺伝子のPCR解析
皮膚角質より、実験例2の方法でRNAを得た。各RNAをSuperScript III One−Step RT−PCR System with Platinum Taq DNA Polymerase (Invitrogen社)を用いたRT−PCR反応に供し、VEGFAに対するmRNA量を測定した。本法にてRT−PCR反応を行うと、VEGFA121、VEGFA165、VEGFA189のそれぞれに対応する3種のPCR産物を検出することができる。RT−PCR反応後、アガロースゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイド染色にて検出した。同時に、内部標準として、CTSL2の発現について、同様の方法にて解析した。デンシトメータにて、各バンド強度を測定し、3種それぞれのVEGFAの数値をCTSL2の数値にて除したものを、各VEGFAに対するmRNA量として解析に用いた。尚、VEGFA及びCTSL2に対するmRNA量の測定に使用したプライマーは、次の通りである。
VEGFA用のプライマーセット
TGCGATGCGGGGGCTGCTGCAA(配列番号21)
CCCGCCCGGGAATGCTTCCGCC(配列番号22)
CTSL2用のプライマーセット
TCGCGTCCTCAAGGCAATCAGGGCT(配列番号1)
TGGGGTAGCTGGCTGCTGTGGCG(配列番号2)
実験例1にて測定した皮膚血流量と、実験例2及び4にて得られたVEGFAに対するmRNA量との関連性について検討したところ、皮膚血流量とVEGFA121、VEGFA165、VEGFA189に対する3種のmRNA量の合計値との間に有意な相関を認めた(R=0.298、p=0.019、図3)。この結果から、3種のVEGFAに対するmRNA量の合計値は、皮膚血流量を反映するため、これらの測定値から皮膚血流量を推定でき、また、この測定値を皮膚血流量の代わりに用いて、皮膚血管機能評価が可能であることが示された。
皮膚血流量とVEGFA121に対するmRNA量については、R=0.160、p=0.089、同様にVEGFA165については、R=0.250、p=0.029、VEGFA189については、R=0.137、p=0.551であり、皮膚血流量とVEGFA121又はVEGFA165に対するmRNA量との間には、それぞれ相関傾向と有意な相関が見られた(図4、5、6)。これらの結果は、VEGFA121又はVEGFA165に対するmRNA量と皮膚血流量との間には関連性が見られ、特に皮膚におけるVEGFA121又はVEGFA165に対するmRNA量を測定することにより、皮膚血管機能の評価が可能であることを示している。以上の結果をまとめると、好ましくは、最も相関係数が高いVEGFA121、VEGFA165、VEGFA189に対するmRNA量の合計値、あるいは相関を認めるVEGFA121及び/又はVEGFA165に対するmRNA量を測定することが、皮膚血管機能を評価するために重要であることを示している。VEGFAの種類による皮膚血流量との相関は、以下の通りである(表2)。
Figure 0005653673
実験例5 皮膚角質層のmRNA量を指標とするマッサージの有効性評価
健常女性12名(平均年齢43.9歳)を対象として、1日2回、1ヶ月間、顔面の自己マッサージを実施させた。マッサージ実施前及び実施1ヶ月後の2回、洗顔料を用いて洗顔後、気温25℃、湿度50%に設定した人工気象室にて20分間安静状態を維持した。その後、レーザードップラー血流計を用いた顔面部の皮膚血流量測定を行った。さらに、2cm×2cmの正方形のBlendermテープを、顔面部に貼付して剥がし取る方法により、角質を得た。一人の被験対象者より、同一箇所に2枚の粘着テープを繰り返し貼付して角質を採取した。
採取した角質におけるATP5F1及びATP5Hに対するmRNA量の相対値を、実験例2及び3に示した方法に準じて測定し、実験例5における皮膚血流量との関連性を調べた。マッサージ実施前と比較して、実施1ヶ月後におけるATP5F1及びATP5Hに対するmRNA量の相対平均値の変化量と皮膚血流変化量との間に相関が認められた(R=0.4058、p=0.026、図7)。すなわち、皮膚血流量が増加した例では、ATP5F1及びATP5Hに対するmRNA量も増加し、皮膚血流量が減少した例では、ATP5F1及びATP5Hに対するmRNA量も減少することが示された。以上の結果は、角質におけるATP5F1及びATP5Hに対するmRNA量を測定することにより、マッサージのような血流を促進すると考えられている施術による血管機能変化を、ATP5F1及びATP5Hに対するmRNA量の相対平均値の変化量として捉えることが可能であることを示している。
実験例5において採取した角質について、実験例2及び4に示した方法に準じて角質におけるVEGFA165に対するmRNA量を測定した。マッサージ実施前と実施1ヶ月後における角層VEGFA165に対するmRNA量の変化量と皮膚血流量の相関を求めたところ、R=0.250、p=0.098であり、相関傾向を認めた(図8)。さらに、マッサージ実施前と比較して、実施1ヶ月後における皮膚血流量は増加し、角質層のVEGFA165に対するmRNA量も増加傾向を示した(図9、10)。この結果は、角質におけるVEGFA165に対するmRNA量の変化量がマッサージによる皮膚血流変化量と一致しており、VEGFA165に対するmRNA変化量を測定することにより、マッサージのような皮膚に対する施術に伴う皮膚血管機能変化の評価が可能であることを示している。
尚、角質は表皮ケラチノサイトに由来する死滅した細胞であり、ここで検出されたmRNA量の変化は、表皮を構成し角質の下層に位置する顆粒細胞、有棘細胞、及び基底細胞といった生細胞において生じた生体変化を表していると考えられる。即ち、角質におけるmRNA量の変化は、マッサージの実施における一過性の変化を捉えているのではなく、各施術により加えられた皮膚血管機能を含む皮膚機能変化を反映していると考えられる。
本発明の皮膚血管機能評価法によれば、角質中に存在する当該遺伝子に対するmRNAを定量的に測定するため、非侵襲的に客観性の高い評価結果を得ることができる。また、心理的、物理的作用による一過性の変化を除外できることに加えて、測定場所を選ばず、非侵襲的かつ簡易に採取可能な任意の皮膚部位について、簡便かつ安定的に皮膚血管機能評価が可能である。さらに、特別な大型測定機器を測定場所まで移動させる必要がないという利点もある。本発明は、化粧品/皮膚外用剤やその使用法、あるいは皮膚に対する施術法などの評価に応用が可能である。
この発明は、上記発明の実施の形態、及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

Claims (3)

  1. 皮膚血管を評価する方法であって、次の(1)及び(2)のステップを含む方法。
    個体から得られた皮膚の試料からSLC25A5及び/又はVEGFA165に対応するmRNA量を定量化するステップ
    )ステップ()で算出したmRNA量を用いて皮膚血管を評価するステップ
  2. 前記mRNA量の定量化がポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)によって行われる、請求項記載の皮膚血管評価法。
  3. 前記皮膚の試料が被験対象の皮膚より採取した角質である、請求項1又は2記載の皮膚血管評価法。
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