以下、添付図面を参照して、本発明に係る貯湯式温水器および貯湯式温水器の制御方法の実施の形態について説明する。
図1に示す貯湯式温水器1は、貯湯タンク2、ヒートポンプユニット3、循環ポンプ4、制御部5および温度センサ6a,6bを備え、ヒートポンプユニット3が水Wc(冷水)を加温して生成した湯Wh(温水)を貯湯タンク2内に貯湯しておき、この湯Whを任意のタイミングで所要量だけ出湯する構成が採用されている。貯湯タンク2は、タンク本体20、タンク本体20を覆うようにして配設された断熱材(図示せず)、およびタンク本体20と断熱材と覆うケーシング(図示せず)を備えている。タンク本体20は、一例として、ステンレススチール等の金属材料で、円筒形に形成されて、水Wcおよび湯Whを貯留可能な貯留空間Aが設けられている(「水と湯とを貯留空間内に貯留可能に構成され」との構成の一例)。
この場合、タンク本体20の底板20a(タンク本体20の底部)には、給水用配管11を介して上水道等の給水源からの水Wc(「ヒートポンプユニットによって加温すべき水」の一例)を貯留空間A内に導入するための給水口21と、取水用配管12を介して貯留空間A内の水Wcを取水してヒートポンプユニット3に供給するための取水口22とが設けられている(「給水口と取水口とがタンク本体における下方側に設けられ」との構成の一例)。これにより、この貯湯タンク2では、タンク本体20の給水口21から貯留空間Aにおける下方側に水Wcが導入されることとなる。なお、この貯湯式温水器1では、給水源からの水Wcの給水圧力を減圧する減圧弁(図示せず)が上記の給水用配管11に配設され、この減圧弁によって減圧された水Wcが給水口21から貯留空間A内に導入される構成が採用されている。
また、タンク本体20の天板20b(タンク本体20の天部)には、給湯用配管13を介してヒートポンプユニット3によって加温された湯Whを貯留空間A内に導入するための給湯口23と、出湯用配管14を介して貯留空間A内の湯Whを出湯するための出湯口24とが設けられている(「給湯口と出湯口とがタンク本体における上方側に設けられ」との構成の一例)。これにより、この貯湯タンク2では、タンク本体20の給湯口23から貯留空間Aにおける上方側に湯Whが導入されることとなる。
ヒートポンプユニット3は、空気熱交換器31、圧縮機32、水熱交換器33および膨張弁34を備え、これらが冷媒配管35a〜35dを介して直列的に接続されると共に、図示しない筐体(ケーシング)に収容された状態で屋外に設置されている。なお、ヒートポンプユニット3の詳細な構成については公知のため、その図示および説明を省略する。この場合、ヒートポンプユニット3の水熱交換器33は、取水用配管12を介して貯湯タンク2のタンク本体20における下方側(この例では、底板20aに設けられた取水口22)に接続されると共に、給湯用配管13を介してタンク本体20における上方側(この例では、天板20bに設けられた給湯口23)に接続されている。循環ポンプ4は、一例として、ヒートポンプユニット3における水熱交換器33の上流側(取水用配管12)に取り付けられている。この循環ポンプ4は、制御部5からの制御信号S3に従い、取水口22から貯留空間A内の水Wcを取水して水熱交換器33に供給すると共に、水熱交換器33によって加温された湯Whを給湯口23から貯留空間Aに導入させる。
制御部5は、貯湯式温水器1を総括的に制御する。具体的には、制御部5は、ヒートポンプユニット3および循環ポンプ4の動作を制御すると共に水熱交換器33に付着した霜を除去する除霜処理を実行する。より具体的には、制御部5は、空気熱交換器31に取り付けられた図示しないファンを制御して外気を空気熱交換器31に向けて送風させると共に、圧縮機32に対して制御信号S1を出力することにより、ヒートポンプユニット3内において冷媒(一例として二酸化炭素)を循環させ、かつ、膨張弁34に制御信号S2を出力することにより、膨張弁34を所望の開弁率で開弁させる。また、制御部5は、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力して正回転で運転させることにより、貯湯タンク2(貯留空間A)から水熱交換器33内に水Wcを供給させる(液送させる)。
さらに、制御部5は、予め規定された条件を満たしたときに、ヒートポンプユニット3における空気熱交換器31に付着した霜を除去する除霜処理を実行する。また、制御部5は、除霜処理の終了に際して、後述する条件が満たされたときに、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力して逆回転で運転させることにより、水熱交換器33内および給湯用配管13内の水Wc(または、湯Wh)を取水用配管12内に逆流させる逆流処理を実行する。なお、循環ポンプ4を正回転で運転させる処理、および逆回転で運転させる処理(逆流処理)については、後に詳細に説明する。
温度センサ6aは、給湯用配管13における水熱交換器33の近傍に取り付けられて、水熱交換器33の出口近傍の湯Wh(または、水Wc)の温度(「給湯用配管内の湯または水の温度」の一例)を検出してセンサ信号Saを制御部5に出力する。この場合、給湯用配管13内の湯Whまたは水Wcの温度を検出するための温度センサ6aについては、給湯用配管13における水熱交換器33寄りの端部から貯湯タンク2(給湯口23)寄りの端部までの間の任意の位置に取り付ける構成を採用することができる。また、温度センサ6bは、取水用配管12における水熱交換器33の近傍に取り付けられて、水熱交換器33の入口近傍の水Wc(または、湯Wh)の温度(「取水用配管内の水または湯の温度」の一例)を検出してセンサ信号Sbを制御部5に出力する。この場合、取水用配管12内の水Wcまたは湯Whの温度を検出するための温度センサ6bについては、取水用配管12における水熱交換器33寄りの端部から貯湯タンク2(取水口22)寄りの端部までの間の任意の位置に取り付ける構成を採用することができる。
この貯湯式温水器1の使用に際しては、貯湯タンク2、ヒートポンプユニット3および循環ポンプ4等の設置や、給水用配管11、取水用配管12、給湯用配管13および出湯用配管14の配管が完了した状態において、給水用配管11を介して給水口21から貯湯タンク2内に水Wcを導入する。この際には、貯湯タンク2の貯留空間A内が水Wcで満たされると共に、取水用配管12内、給湯用配管13内および出湯用配管14内にも水Wcが満たされた状態となる。したがって、貯湯タンク2の貯留空間A内などが水Wcや湯Whで満たされた状態においては、減圧弁によって減圧された上水道設備からの水圧が貯留空間A内などに加わった状態(加圧された状態)となる。なお、水Wcの導入時における貯留空間A内や各配管11〜14内のエア抜き処理については、その説明を省略する。
次いで、貯湯式温水器1の主電源を投入する。この際に、制御部5は、圧縮機32に対して制御信号S1を出力することによってヒートポンプユニット3内における冷媒の循環を開始させると共に、膨張弁34に対して制御信号S2を出力することにより、所定の開弁率で膨張弁34を開弁させる。これにより、空気熱交換器31において外気と熱交換して温度上昇させられて、圧縮機32において圧縮された高温の冷媒が水熱交換器33に導入される。この際には、水熱交換器33内において冷媒と水Wcとが熱交換する結果、水熱交換器33内の水Wcが加温されて湯Whが生成される。
一方、図2に示すように、制御部5は、主電源が投入されてヒートポンプユニット3を稼働させた時点t0から所定時間が経過した時点t1において、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を開始させて、貯湯タンク2から水熱交換器33へ水Wcを供給させる。この際には、貯湯タンク2における貯留空間A内の低温の水Wcが取水口22から取水されて取水用配管12を介して水熱交換器33内に供給される(液送される)のに伴い、水熱交換器33において冷媒と熱交換して高温となった湯Whが給湯用配管13を介して貯湯タンク2の給湯口23から貯留空間A内に導入される。したがって、同図に示すように、温度センサ6aによって検出される温度(水熱交換器33の出口温度)が水Wcの温度(この例では、「Low」)から湯Whの温度(この例では、「Hi」)に変化する。
また、貯留空間A内に導入された湯Whは、ヒートポンプユニット3(水熱交換器33)による加熱に伴って膨張したことで貯留空間A内に貯水されている水Wcよりも比重が小さくなっている。したがって、給湯口23から貯留空間A内に導入された高温の湯Whは、貯留空間Aにおける天板20b寄り(貯留空間Aにおける上方寄り)に貯湯される。この後、ヒートポンプユニット3による水Wcの加熱、および循環ポンプ4によるヒートポンプユニット3(水熱交換器33)への水Wcの供給を継続して実行することにより、貯留空間A内に貯水されている水Wcの量が徐々に減少して、ヒートポンプユニット3(水熱交換器33)によって加温された高温の湯Whの貯留空間A内への貯湯量が徐々に増加する。これにより、貯留空間A内に十分な量の湯Whが貯湯される。
また、貯湯された湯Whを出湯する際には、一例として、出湯用配管14の下流側に設けられた図示しない開閉弁を開放操作する。この場合、前述したように、貯留空間A内には、給水用配管11を介して水圧が加えられた状態(加圧された状態)となっている。したがって、出湯用配管14の先の開閉弁が開放操作されたときには、給水用配管11を介して加えられている水圧によって、貯留空間Aにおける上方側に貯湯されている湯Whが出湯口24から出湯用配管14に出湯される(「給水口から貯留空間内への水の給水圧力によって貯留空間内の湯を出湯口から出湯可能に構成されている」との構成の例)。
また、貯留空間A内の湯Whが出湯されて貯留空間A内における湯Whの量が減少するのに伴い、給水用配管11を介して給水口21から貯留空間A内に水Wcが導入されて貯留空間A内における水Wcの量が増加する。次いで、この水Wcは、循環ポンプ4によって取水口22から取水されてヒートポンプユニット3(水熱交換器33)に供給され(液送され)、水熱交換器33によって加温されて湯Whとして貯留空間A内に導入されて貯湯される。
一方、冷寒期や、ヒートポンプユニット3を高負荷状態で長時間に亘って連続運転したときには、空気熱交換器31に霜が付着することがある。また、空気熱交換器31に霜が付着した状態においては、空気熱交換器31において外気の熱を好適に吸熱する(外気と冷媒との間において好適に熱交換する)のが困難となって、圧縮機32から水熱交換器33に高温の冷媒を供給するのが困難となる。したがって、この貯湯式温水器1では、一例として、空気熱交換器31を通過する前の外気の温度と、空気熱交換器31を通過した外気の温度との温度差が規定温度を下回ったときに、空気熱交換器31に霜が付着したとして、制御部5が除霜処理を実行する。
具体的には、この貯湯式温水器1では、図2に示すように、上記の温度差が規定温度を下回った時点t2において、制御部5が循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力して停止させることにより、ヒートポンプユニット3(水熱交換器33)への水Wcの供給を停止させる。また、制御部5は、一例として、膨張弁34に対して制御信号S2を出力することにより、湯Whの生成(通常運転時)よりも大きな開弁率で膨張弁34を開弁させる。これにより、圧縮機32において圧縮された高温の冷媒が水熱交換器33および膨張弁34を通過して空気熱交換器31に供給される結果、空気熱交換器31に付着している霜が溶かされて除去される。なお、「除霜処理」は、上記の処理に限定されるものではなく、ヒートポンプユニット3内において冷媒を逆流させる処理や、除霜を目的としてヒートポンプユニット3を停止させる処理などの各種の処理がこれに含まれる。
この場合、「除霜処理」として、上記の各処理のいずれを実行したとしても、除霜処理の開始時点(この例では、図2に示す時点t2)において循環ポンプ4が停止させられていることで、給湯用配管13内の湯Whの温度(この例では、温度センサ6aによって検出される「出口温度」)が徐々に低下する。また、除霜処理の開始時点(時点t2)から、通常運転状態とは相違する運転状態(除霜運転状態)でヒートポンプユニット3が運転させられる(または、ヒートポンプユニット3が停止させられる)ことで、水熱交換器33内の湯Wh(給湯用配管13寄り)の温度も低下する。したがって、このような状態において「除霜処理」を終了して、直ちに循環ポンプ4を正回転で運転したときには、給湯用配管13内や水熱交換器33内において温度低下した湯Wh(以下、高温の湯Whと区別するために、「湯Wm」ともいう)が給湯口23から貯留空間A内に導入される事態を招くこととなる。
したがって、この貯湯式温水器1では、除霜処理の終了時点において(「除霜処理の終了に際して」とのタイミングの一例:この例では、図2に示す時点t3)、制御部5が、まず、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を開始させて、貯湯タンク2(貯留空間A)から水熱交換器33への水Wcの供給を開始させる。この際には、貯湯タンク2から水熱交換器33への水Wcの供給に伴い、水熱交換器33内の湯Wm(または、水Wc)が給湯用配管13内に排出される。これにより、後述する温度センサ6aによる給湯用配管13内の湯Wm(または、水Wc)の温度の検出時に、例えば、水熱交換器33内の湯Wmの温度が除霜処理中に低温になっているにも拘わらず、給湯用配管13内に高温の湯Whが残留していることに起因して、この高温の湯Whの温度が温度センサ6aによって検出される事態が回避されて、水熱交換器33内において温度低下した湯Wmの温度が確実に検出される。
一方、制御部5は、循環ポンプ4を正回転で運転させてから数秒(一例として、1秒)が経過した時点t4において、温度センサ6aからのセンサ信号Saに基づき、給湯用配管13内の湯Wmの温度(「給湯用配管内の湯または水の温度」の一例)が規定温度Ta(「第1の規定温度」の一例:一例として、40℃)を下回っているか否かを判別する。この場合、上記の時点t3,t4間を必要以上に長く規定したときには、正回転での運転を開始した循環ポンプ4によって水熱交換器33内に水Wcが供給されるのに伴い、水熱交換器33内や給湯用配管13内に低温の湯Wmが存在したときに、この低温の湯Wmが給湯口23から貯留空間A内に導入されるおそれがある。したがって、上記の時点t3,t4間としては、長くても3秒程度とするのが好ましい。なお、図2では、循環ポンプ4の運転状態についての理解を容易とするために、時点t3,t4の間を実際の時間(この例では、1秒)よりも長く図示している。
この場合、温度センサ6aによる検出温度、すなわち、給湯用配管13における水熱交換器33の近傍の湯Wmの温度が時点t4において規定温度Taを下回っていない状態では、循環ポンプ4を正回転で運転させて、その湯Wmが給湯口23から貯留空間A内に導入されたとしても、貯留空間A内の高温の湯Whが、導入された湯Wmによって大きく温度低下させられることがない。したがって、制御部5は、温度センサ6aによる検出温度が規定温度Taを下回っていないときには、ヒートポンプユニット3を直ちに通常運転させると共に、循環ポンプ4を正回転で運転させる。
一方、温度センサ6aによる検出温度が時点t4において規定温度Taを下回っている状態では、循環ポンプ4を正回転で運転させて、その湯Wmが給湯口23から貯留空間A内に導入されたときに、貯留空間A内の高温の湯Whが、導入された低温の湯Wmによって大きく温度低下させられることとなる。したがって、制御部5は、温度センサ6aによる検出温度が時点t4において規定温度Taを下回っているときには、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力することにより、逆回転での運転を開始させて、水Wcや湯Wmの液送を開始させる(「逆流処理」の一例)。この際に、循環ポンプ4が逆回転で運転させられることにより、水熱交換器33内の湯Wmや水Wcが取水用配管12内に逆流し、この湯Wmや水Wcが取水口22から貯湯タンク2(貯留空間A)内に逆流させられると共に、給湯用配管13内において温度低下した湯Wmが水熱交換器33内に逆流する。これに伴い、貯留空間Aにおける上方側に貯湯されている湯Whが給湯口23から給湯用配管13を通過して水熱交換器33内に逆流する。これにより、水熱交換器33内および給湯用配管13内が高温の湯Whで満たされた状態となる。
また、図2に示すように、貯留空間Aから給湯用配管13および水熱交換器33内に高温の湯Whが逆流させられるのに伴い、温度センサ6aによる検出温度(出口温度)が湯Wmの温度(規定温度Taよりも低い温度)から貯留空間A内に貯湯されていた高温の湯Whの温度(この例では、「Hi」)になると共に、温度センサ6bによる検出温度(入口温度)が水Wcの温度から、湯Wmの温度および湯Whの温度まで徐々に上昇する。この場合、温度センサ6bの検出温度が規定温度Tb(「規定温度B」の一例:一例として、湯Whの温度である「Hi」)まで上昇した状態においては、給湯用配管13内および水熱交換器33内が高温の湯Whで満たされたこととなる。
したがって、制御部5は、温度センサ6bからのセンサ信号Sbに基づき、取水用配管12内の水Wcまたは湯Wm,Whの温度が規定温度Tbまで温度上昇した時点t5において(逆流処理の開始直後に温度センサ6bからのセンサ信号Sbに基づいて特定される水Wcの温度よりも高温の「規定温度A」の湯Wm,Whが水熱交換器33から取水用配管12に逆流したとき:「取水用配管内の水または湯の温度が規定温度Bまで温度上昇したとき」との条件が満たされた時点の一例)、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力して停止させる。これにより、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmや水Wcを取水用配管12内に逆流させる逆流処理が終了する。
また、制御部5は、循環ポンプ4に対する制御信号S3の出力(逆流処理の終了)と共に、圧縮機32および膨張弁34に対して制御信号S1,S2を出力して通常運転を再開させる。また、ヒートポンプユニット3の通常運転の再開から所定時間が経過した時点t6において、制御部5は、循環ポンプ4に制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を再開させて、ヒートポンプユニット3(水熱交換器33)に対する水Wcの供給を再開させる。この際には、水熱交換器33内に水Wcが供給されるのに伴い、循環ポンプ4の逆回転での運転によって水熱交換器33内や給湯用配管13内に逆流して滞留していた高温の湯Whが給湯口23から貯留空間A内に導入され、続いて、通常運転状態のヒートポンプユニット3(水熱交換器33)によって加温された高温の湯Whが給湯用配管13を介して貯留空間A内に導入される。
このように、この貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法によれば、空気熱交換器31に付着した霜を除去する除霜処理の終了に際して、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる逆流処理を実行することにより、除霜処理中に給湯用配管13内や水熱交換器33内において温度低下した湯Wmが除霜処理の終了後(通常運転の再開時)に給湯口23から貯留空間A内に導入される事態を回避することができるため、貯留空間A内に貯湯している高温の湯Whが、除霜処理の終了後(通常運転の再開時)に給湯口23から導入される湯Wmによって温度低下させられる事態を好適に回避することができる。また、例えば、除霜処理中に循環ポンプを継続的に逆回転させる構成の貯湯式温水器とは異なり、除霜処理の終了に際して貯留空間Aから給湯用配管13内や水熱交換器33内に湯Whを逆流させるだけのため、出湯口24から出湯すべき高温の湯Whを出湯以外の用途で大量に消費する事態(出湯可能な高温の湯Whの貯湯量が減少する事態)を回避することができる。
また、この貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法によれば、除霜処理の終了に際して、給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcの温度が規定温度Taよりも低温のときとの条件が満たされているときにだけ逆流処理を実行することにより、除霜処理の終了後に通常運転を再開したときに水熱交換器33や給湯用配管13内の湯Wmが給湯口23から貯留空間A内に導入されても貯留空間A内の高温の湯Whの温度低下を招くことがないときには、逆流処理を不要とすることができるため、除霜処理の終了から通常運転の再開までに要する時間を短縮することができるだけでなく、出湯以外の用途で湯Whが消費される量(出湯可能な高温の湯Whの減少量)を十分に抑制することができる。
さらに、この貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法によれば、取水用配管12内の水Wcまたは湯Wm,Whの温度が規定温度Bまで温度上昇したときとの条件が満たされたときに逆流処理を終了することにより、例えば、逆流処理が開始された後(この例では、循環ポンプ4の逆回転での運転が開始された後)に、手動で逆流処理を終了させる(例えば、手動で循環ポンプ4を停止させる)構成の貯湯式温水器やその制御方法と比較して、給湯用配管13内や水熱交換器33内が高温の湯Whで満たされた時点を的確に捉えて逆流処理を終了させることができるため、出湯以外の用途で消費される湯Whの量(出湯可能な高温の湯Whの減少量)を十分に抑制することができると共に、低温の湯Wmが給湯用配管13内や水熱交換器33内に残留して通常運転の再開時にこの低温の湯Wmが貯留空間A内の導入される事態を回避することができる。
また、この貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法によれば、制御部5が、循環ポンプ4を逆回転させることによって水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wh,Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる処理を「逆流処理」として実行することにより、湯Wh,Wmまたは水Wcを逆流させるための専用の機構部品を必要とすることなく、貯留空間A内の水Wcを水熱交換器33に供給するための循環ポンプ4を利用して、水熱交換器33および給湯用配管13内の水Wcまたは湯Wm,Whを取水用配管12に逆流させることができるため、貯湯式温水器1の製造コストを十分に低減することができる。
なお、除霜処理の終了に際して、給湯用配管13内の湯Whまたは水Wcの温度(この例では、給湯用配管13における水熱交換器33寄りに配設された温度センサ6aによる検出温度)が規定温度Taよりも低温のときとの条件が満たされているときにだけ逆流処理を開始する構成の貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法について説明したが、逆流処理の開始条件は、上記の例に限定されない。例えば、除霜処理の終了に際して、除霜処理の終了時点から「第1の規定時間」が経過したときに逆流処理を開始する構成および方法を採用することができる。このような構成および方法を採用することにより、湯Wh,Wmおよび水Wc等の温度を検出するための温度センサ(貯湯式温水器1における温度センサ6a)が不要となるため、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
また、除霜処理の終了に際して、水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度が「第2の規定温度」よりも低温のときに逆流処理を開始する構成および方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6aを水熱交換器33内に配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、給湯用配管13に配設された温度センサ6aによって検出した温度に基づいて逆流処理の実行の要否を判別する構成の貯湯式温水器1と比較して、除霜運転によって温度低下した水熱交換器33内の湯Wmの温度を一層正確に検出することができる結果、逆流処理を実行すべきか否か(水熱交換器33や給湯用配管13内の湯Wm等を取水用配管12内に逆流させるべきか、逆流させることなく貯留空間A内に導入しても構わないか)を好適に判別することができる。
さらに、除霜処理の終了に際して、水熱交換器33の温度が「第3の規定温度」よりも低温のとき逆流処理を開始する構成および方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6aに代えて、水熱交換器33自体の温度を検出する温度センサを配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、給湯用配管13に配設された温度センサ6aによって検出した温度に基づいて逆流処理の実行の要否を判別する構成の貯湯式温水器1と比較して、除霜運転によって温度低下した水熱交換器33内の湯Wmの温度を一層正確に検出することができる結果、逆流処理を実行すべきか否か(水熱交換器33や給湯用配管13内の湯Wm等を取水用配管12内に逆流させるべきか、逆流させることなく貯留空間A内に導入しても構わないか)を好適に判別することができる。
また、除霜処理の終了に際して、ヒートポンプユニット3内の冷媒の温度が「第4の規定温度」よりも低温のときに逆流処理を開始する構成および方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6aに代えてヒートポンプユニット3における冷媒の温度を検出する温度センサを例えば冷媒配管35b内に配設するか、または、ヒートポンプユニット3の運転状態を検出するための既存の温度センサを利用すればよい。この場合、既存の温度センサを用いて冷媒の温度を検出して水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度を間接的に検出する構成および方法を採用することで、湯Wh,Wmや水Wc用の各配管、および冷媒用の各配管に手を加えることなく、水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度を間接的に検出することができるため、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
さらに、除霜処理の終了に際して、ヒートポンプユニット3を収容する筐体(図示せず)内の温度が「第5の規定温度」よりも低温のときに逆流処理を開始する構成および方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6aに代えて、ヒートポンプユニット3を収容する筐体内の温度を検出する温度センサを筐体内に配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、湯Wh,Wmや水Wc用の各配管、および冷媒用の各配管に手を加えることなく、水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度を間接的に検出することができるため、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
また、除霜処理の終了に際して、ヒートポンプユニット3の筐体(図示せず)の温度が「第6の規定温度」よりも低温のときに逆流処理を開始する構成および方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6aに代えて、ヒートポンプユニット3を収容する筐体自体の温度を検出する温度センサを配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、湯Wh,Wmや水Wc用の各配管、および冷媒用の各配管に手を加えることなく、水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度を間接的に検出することができるため、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
さらに、除霜処理の終了に際して、外気温度が「第7の規定温度」よりも低温のときに逆流処理を開始する構成および方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6aに代えて外気温を検出する温度センサを配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、湯Wh,Wmや水Wc用の各配管、および冷媒用の各配管に手を加えることなく、水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度を間接的に検出することができるため、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
また、逆流処理の実行中に、取水用配管12内の水Wcまたは湯Wm,Whの温度(この例では、取水用配管12における水熱交換器33寄りに配設された温度センサ6bによる検出温度)が規定温度Tbまで温度上昇したときとの条件が満たされたときに逆流処理を終了する構成の貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法について説明したが、逆流処理の終了条件は、上記の例に限定されない。例えば、逆流処理の実行中に、逆流処理の開始時点から「規定時間A」が経過したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成および方法を採用することにより、湯Wh,Wmおよび水Wc等の温度を検出するための温度センサ(貯湯式温水器1における温度センサ6a)が不要となるため、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
また、逆流処理の実行中に、取水用配管12から貯留空間A内に逆流している水Wcまたは湯Wm,Whの温度が「規定温度A」まで温度上昇したとき(逆流処理の開始直後に貯留空間A内に逆流した水の温度よりも高温の規定温度Aの水または湯が貯留空間A内に逆流したとき)に逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bを貯湯タンク2における取水口22内、または、取水用配管12における貯湯タンク2側の端部内(図示せず)に配設すればよい。このような構成を採用することにより、逆流処理によって水熱交換器33内や給湯用配管13内の低温の湯Wmのすべてが取水用配管12内に逆流したか否かを確実に検出することができる結果、逆流処理を終了すべきか否かを好適に判別することができる。
さらに、逆流処理の実行中に、水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度が「規定温度C」まで温度上昇したとき(逆流処理の開始直後における水熱交換器内の湯または水の温度よりも高温の規定温度Cの湯または水が水熱交換器内に逆流したとき)に逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bを水熱交換器33内に配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、取水用配管12に配設された温度センサ6bによって検出した温度に基づいて逆流処理の終了タイミングを判別する構成の貯湯式温水器1と比較して、逆流処理によって水熱交換器33内に湯Whが逆流したか否かを確実に検出することができる結果、逆流処理を終了すべきか否かを好適に判別することができる。
また、逆流処理の実行中に、水熱交換器33の温度が「規定温度D」まで温度上昇したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えて、水熱交換器33自体の温度を検出する温度センサを配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、取水用配管12に配設された温度センサ6bによって検出した温度に基づいて逆流処理の終了タイミングを判別する構成の貯湯式温水器1と比較して、逆流処理によって水熱交換器33内に湯Whが逆流したか否かを確実に検出することができる結果、逆流処理を終了すべきか否かを好適に判別することができる。
さらに、逆流処理の実行中に、冷媒の温度が「規定温度E」まで温度上昇したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えてヒートポンプユニット3における冷媒の温度を検出する温度センサを例えば冷媒配管35b内に配設するか、または、ヒートポンプユニット3の運転状態を検出するための既存の温度センサを利用すればよい。この場合、既存の温度センサを用いて冷媒の温度を検出して水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度を間接的に検出する構成および方法を採用することで、湯Wh,Wmや水Wc用の各配管、および冷媒用の各配管に手を加えることなく、水熱交換器33内の湯Wh,Wmまたは水Wcの温度を間接的に検出することができるため、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
また、逆流処理の実行中に、ヒートポンプユニット3を収容する筐体(図示せず)内の温度が「規定温度F」まで温度上昇したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えて、ヒートポンプユニット3を収容する筐体内の温度を検出する温度センサを筐体内に配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、取水用配管12に配設された温度センサ6bによって検出した温度に基づいて逆流処理の終了タイミングを判別する構成の貯湯式温水器1とは異なり、湯Wh,Wmや水Wc用の各配管、および冷媒用の各配管に手を加えることなく、逆流処理によって水熱交換器33内に湯Whが逆流したか否かを間接的に検出することができる結果、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
さらに、逆流処理の実行中に、ヒートポンプユニット3の筐体(図示せず)の温度が「規定温度G」まで温度上昇したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えて、ヒートポンプユニット3を収容する筐体自体の温度を検出する温度センサを配設すればよい。このような構成および方法を採用することにより、取水用配管12に配設された温度センサ6bによって検出した温度に基づいて逆流処理の終了タイミングを判別する構成の貯湯式温水器1とは異なり、湯Wh,Wmや水Wc用の各配管、および冷媒用の各配管に手を加えることなく、逆流処理によって水熱交換器33内に湯Whが逆流したか否かを間接的に検出することができる結果、既存の貯湯式温水器を利用して、前述した貯湯式温水器1と同様の効果を奏することが可能な貯湯式温水器を安価に製作することができる。
また、逆流処理の実行中に、取水用配管12から貯留空間A内に「第1の規定量」の水Wcまたは湯Wm,Whが逆流したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えて、流量センサを貯湯タンク2における取水口22内、または、取水用配管12における貯湯タンク2側の端部内に配設すればよい。このような構成を採用することにより、貯留空間Aにおける上方部位(高温の湯Whが貯湯されるべき部位)内に導入されるべきではない低温の湯Wmや水Wcのすべてを貯留空間Aにおける下方部位(水Wcが貯水される部位)に確実に逆流させることができる。
さらに、逆流処理の実行中に、水熱交換器33から取水用配管12内に「第2の規定量」の水Wcまたは湯Wm,Whが逆流したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えて、水熱交換器33と循環ポンプ4との間の任意の位置に流量センサを配設すればよい。このような構成を採用することにより、貯留空間Aにおける上方部位(高温の湯Whが貯湯されるべき部位)内に導入されるべきではない低温の湯Wmや水Wcのすべてを貯留空間Aにおける下方部位(水Wcが貯水される部位)に確実に逆流させることができる。
また、逆流処理の実行中に、給湯用配管13から水熱交換器33内に「第3の規定量」の水Wcまたは湯Wm,Whが逆流したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えて、給湯用配管13における水熱交換器33寄りに流量センサを配設すればよい。このような構成を採用することにより、貯留空間Aにおける上方部位(高温の湯Whが貯湯されるべき部位)内に導入されるべきではない低温の湯Wmや水Wcのすべてを貯留空間Aにおける下方部位(水Wcが貯水される部位)に確実に逆流させることができる。
さらに、逆流処理の実行中に、貯湯タンク2から給湯用配管13内に「第4の規定量」の湯Whが逆流したときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。このような構成を採用する場合には、上記の温度センサ6bに代えて、給湯用配管13における貯湯タンク2(タンク本体20の給湯口23)寄りに流量センサを配設すればよい。このような構成を採用することにより、貯留空間A貯留空間Aにおける上方部位(高温の湯Whが貯湯されるべき部位)内に導入されるべきではない低温の湯Wmや水Wcのすべてを貯留空間Aにおける下方部位(水Wcが貯水される部位)に確実に逆流させることができる。
さらに、除霜処理の終了に際して、予め規定された条件を満たしているときにだけ逆流処理を実行する構成の貯湯式温水器1、およびその制御方法について説明したが、「貯湯式温水器」および「貯湯式温水器の制御方法」はこれに限定されない。具体的には、図3に示す貯湯式温水器1Aは、前述した貯湯式温水器1における温度センサ6a,6bに代えて、ヒートポンプユニット3における冷媒の温度を検出する温度センサ6cを備えている。なお、この貯湯式温水器1Aにおいて前述した貯湯式温水器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この貯湯式温水器1Aでは、除霜処理の終了に際して直ちに逆流処理が開始される。具体的には、この貯湯式温水器1Aでは、図4に示すように、除霜処理が終了した時点t3aにおいて、逆流処理を直ちに開始して、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力することにより、逆回転での運転を開始させる。この際には、前述した貯湯式温水器1と同様にして、逆回転している循環ポンプ4によって水熱交換器33内の低温の湯Wmが取水用配管12内に逆流させられて取水口22から貯留空間A内に逆流すると共に、給湯用配管13内の低温の湯Wmが水熱交換器33内に逆流させられ、これに伴い、貯留空間Aにおける上方部位に貯湯されている高温の湯Whが給湯口23から給湯用配管13および水熱交換器33内に逆流する。これにより、水熱交換器33内および給湯用配管13内が高温の湯Whで満たされた状態となる。
この場合、除霜処理としての除霜運転中のヒートポンプユニット3においては、図4に示すように、除霜運転を開始した時点t2から除霜運転を終了する時点t3aまで冷媒の温度が徐々に低下する。また、循環ポンプ4の逆回転による水Wcおよび湯Wmの逆流に伴って水熱交換器33内が高温の湯Whで満たされた状態においては、水熱交換器33における冷媒と湯Whとの熱交換量が減少する結果、ヒートポンプユニット3内の冷媒の温度が徐々に上昇する。したがって、この貯湯式温水器1Aでは、制御部5が温度センサ6cからのセンサ信号Scに基づき、冷媒の温度が規定温度Tc(「規定温度E」の一例)まで上昇した時点t5において(「冷媒の温度が規定温度Eまで温度上昇したとき」との条件が満たされた時点の一例)、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力して停止させる。これにより、水熱交換器33内や給湯用配管13内の水Wcや湯Wm、Whの逆流処理が終了する。
また、制御部5は、循環ポンプ4に対する制御信号S3の出力(逆流処理の終了)と共に、圧縮機32および膨張弁34に対して制御信号S1,S2を出力して通常運転を再開させる。また、ヒートポンプユニット3の通常運転の再開から所定時間が経過した時点t6において、制御部5は、循環ポンプ4に制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を再開させてヒートポンプユニット3(水熱交換器33)に対する水Wcの供給を再開させる。この際には、水熱交換器33内に水Wcが供給されるのに伴い、上記の逆流処理によって水熱交換器33内や給湯用配管13内に逆流して滞留していた高温の湯Whが給湯口23から貯留空間A内に導入され、続いて、通常運転状態のヒートポンプユニット3(水熱交換器33)によって加温された高温の湯Whが給湯用配管13を介して貯留空間A内に導入される。
このように、この貯湯式温水器1A、および貯湯式温水器1Aの制御方法によれば、空気熱交換器31に付着した霜を除去する除霜処理の終了に際して、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる逆流処理を実行することにより、上記の貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法と同様にして、除霜処理中に給湯用配管13内や水熱交換器33内において温度低下した湯Wmが除霜処理の終了後(通常運転の再開時)に給湯口23から貯留空間A内に導入される事態を回避することができるため、貯留空間A内に貯湯している高温の湯Wmが、除霜処理の終了後(通常運転の再開時)に給湯口23から導入される湯Whによって温度低下させられる事態を好適に回避することができる。また、例えば、除霜処理中に循環ポンプを継続的に逆回転させる構成の貯湯式温水器とは異なり、除霜処理の終了に際して貯留空間Aから給湯用配管13内や水熱交換器33内に湯Whを逆流させるだけのため、出湯口24から出湯すべき高温の湯Whを出湯以外の用途で大量に消費する事態(出湯可能な高温の湯Whの貯湯量が減少する事態)を回避することができる。
また、この貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法によれば、除霜処理の終了に際して逆流処理を直ちに開始すると共に、冷媒の温度が規定温度Eまで温度上昇したときとの条件が満たされたときに逆流処理を終了することにより、例えば、逆流処理が開始された後この例では、循環ポンプ4の逆回転での運転が開始されたとき)に、手動で逆流処理を終了させる(例えば、手動で循環ポンプ4を停止させる)構成の貯湯式温水器やその制御方法と比較して、給湯用配管13内や水熱交換器33内が高温の湯Whで満たされた時点を的確に捉えて逆流処理を終了させることができるため、出湯以外の用途で消費される湯Whの量(出湯可能な高温の湯Whの減少量)を十分に抑制することができると共に、低温の湯Wmが給湯用配管13内や水熱交換器33内に残留して通常運転の再開時にこの低温の湯Wmが貯留空間A内の導入される事態を回避することができる。
さらに、この貯湯式温水器1A、および貯湯式温水器1Aの制御方法によれば、制御部5が、循環ポンプ4を逆回転させることによって水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる処理を「逆流処理」として実行することにより、上記の貯湯式温水器1、および貯湯式温水器1の制御方法と同様にして、湯Wh,Wmまたは水Wcを逆流させるための専用の機構部品を必要とすることなく、貯留空間A内の水Wcを水熱交換器33に供給するための循環ポンプ4を利用して、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wh,Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させることができるため、貯湯式温水器1Aの製造コストを十分に低減することができる。
この場合、貯湯式温水器1Aにおける逆流処理の終了条件については、冷媒の温度が「規定温度E」まで温度上昇したときとの条件に限定されるものではなく、貯湯式温水器1について例示した各種終了条件のうちのいずれかが満たされたときに逆流処理を終了する構成および制御方法を採用することができる。
また、制御部5が、循環ポンプ4を逆回転させることによって水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wh,Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる処理を「逆流処理」として実行する構成の貯湯式温水器1,1Aを例に挙げて説明したが、「逆流処理」を実行するための構成、およびその制御方法はこれに限定されない。具体的には、図5に示す貯湯式温水器1Bでは、前述した貯湯式温水器1,1Aにおける各構成要素に加えて、逆流用ポンプ4a、三方弁7a,7bおよび逆流用配管15を備えて構成されている。なお、同図に示す貯湯式温水器1B、および後に図7,8を参照して説明する貯湯式温水器1Cにおいて、前述した貯湯式温水器1,1Aと同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
より具体的には、この貯湯式温水器1Bでは、取水用配管12における循環ポンプ4と貯湯タンク2との間に三方弁7aが配設されると共に、取水用配管12における循環ポンプ4とヒートポンプユニット3(水熱交換器33)との間に三方弁7bが配設されている。なお、以下の説明においては、三方弁7aと貯湯タンク2との間の取水用配管12を配管12a、三方弁7aと循環ポンプ4との間の取水用配管12を配管12b、三方弁7bと循環ポンプ4との間の取水用配管12を配管12c、三方弁7bとヒートポンプユニット3(水熱交換器33)との間の取水用配管12を配管12dともいう。また、この貯湯式温水器1Bでは、両三方弁7a,7bを連結するようにして逆流用配管15が配設されると共に、この逆流用配管15に逆流用ポンプ4aが配設されている。なお、以下の説明においては、三方弁7bと逆流用ポンプ4aとの間の逆流用配管15を配管15aともいい、三方弁7aと逆流用ポンプ4aとの間の逆流用配管15を配管15bともいう。
この場合、この貯湯式温水器1Bでは、一例として、配管12aが三方弁7aのcポートに接続され、配管12bが三方弁7aのaポートに接続され、配管12cが三方弁7bのaポートに接続され、配管12dが三方弁7bのcポートに接続されると共に、配管15aが三方弁7bのbポートに接続され、配管15bが三方弁7aのbポートに接続されている。また、三方弁7a,7bは、通常運転時や貯湯式温水器1Bの主電源がオフのときには、上記のaポートおよびcポートを相互に連通させることで、循環ポンプ4による貯湯タンク2から水熱交換器33への矢印B1の向きでの水Wcの流動を許容すると共に、後述するように、制御部5からの制御信号S5a,S5bに従ってcポートおよびbポートに相互に連通させることで、逆流用ポンプ4aによる水熱交換器33から貯湯タンク2への矢印B2の向きでの水Wcや湯Wm,Whの流動を許容する。
この貯湯式温水器1Bでは、除霜処理の終了時点において(「除霜処理の終了に際して」とのタイミングの一例:この例では、図6に示す時点t3)、制御部5が、まず、前述した貯湯式温水器1と同様にして、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を開始させて、貯湯タンク2(貯留空間A)から水熱交換器33への水Wcの供給を開始させる。この際には、貯湯タンク2から水熱交換器33への水Wcの供給に伴い、水熱交換器33内の湯Wm(または、水Wc)が給湯用配管13内に排出される。次いで、制御部5は、循環ポンプ4を正回転で運転させてから数秒(一例として、1秒)が経過した時点t4において、温度センサ6aからのセンサ信号Saに基づき、給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcの温度(「給湯用配管内の湯または水の温度」の一例)が規定温度Ta(「第1の規定温度」の一例:一例として、40℃)を下回っているか否かを判別する。
この際に、温度センサ6aによる検出温度が時点t4において規定温度Taを下回っているときには、制御部5は、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力して停止させると共に、三方弁7a,7bに対して制御信号S5a,S5bを出力することにより、cポートに対してbポートをそれぞれ連通させる。同時に、制御部5は、逆流用ポンプ4aに対して制御信号S4を出力することにより、水熱交換器33から貯湯タンク2への矢印B2の向きでの水Wcや湯Wm等の液送を開始させる(「逆流処理」の他の一例)。この際に、循環ポンプ4が停止させられると共に両三方弁7a,7bのcポートに対してbポートが連通させられた状態において逆流用ポンプ4aが液送を開始することにより、水熱交換器33内の湯Wmが配管12d内に逆流し、この湯Wmが、三方弁7b、配管15a、逆流用ポンプ4a、配管15b、三方弁7aおよび配管12aをこの順で通過して取水口22から貯湯タンク2(貯留空間A)内に逆流する。
これに伴い、給湯用配管13内において温度低下した湯Wmが水熱交換器33内に逆流すると共に、貯留空間Aにおける上方側に貯湯されている湯Whが給湯口23から給湯用配管13を通過して水熱交換器33内に逆流する。これにより、水熱交換器33内および給湯用配管13内が高温の湯Whで満たされた状態となる。また、図6に示すように、貯留空間Aから高温の湯Whが逆流させられるのに伴い、温度センサ6aによる検出温度(出口温度)が湯Wmの温度(規定温度Taよりも低い温度)から貯留空間A内に貯湯されていた高温の湯Whの温度(この例では、「Hi」)になると共に、温度センサ6bによる検出温度(入口温度)が水Wcの温度から、湯Wmの温度および湯Whの温度まで徐々に上昇する。この場合、温度センサ6bの検出温度が規定温度Tb(「規定温度B」の一例:一例として、湯Whの温度である「Hi」)まで上昇した状態においては、給湯用配管13内および水熱交換器33内が高温の湯Whで満たされたこととなる。
したがって、制御部5は、温度センサ6bからのセンサ信号Sbに基づき、取水用配管12内の水Wcまたは湯Wm,Whの温度が規定温度Tbまで温度上昇した時点t5において(逆流処理の開始直後に温度センサ6bからのセンサ信号Sbに基づいて特定される水Wcの温度よりも高温の「規定温度A」の湯Wm,Whが水熱交換器33から取水用配管12に逆流したとき:「取水用配管内の水または湯の温度が規定温度Bまで温度上昇したとき」との条件が満たされた時点の一例)、逆流用ポンプ4aに対して制御信号S4を出力して停止させると共に、三方弁7a,7bに対して制御信号S5a,S5bを出力することにより、cポートに対してaポートをそれぞれ連通させる。これにより、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmや水Wcを取水用配管12内に逆流させる逆流処理が終了する。
また、制御部5は、逆流用ポンプ4aに対する制御信号S4の出力や三方弁7a,7bに対する制御信号S5a,S5bの出力(逆流処理の終了)と共に、圧縮機32および膨張弁34に対して制御信号S1,S2を出力して通常運転を再開させる。また、ヒートポンプユニット3の通常運転の再開から所定時間が経過した時点t6において、制御部5は、循環ポンプ4に制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を再開させて、ヒートポンプユニット3(水熱交換器33)に対する水Wcの供給(液送)を再開させる。この際には、水熱交換器33内に水Wcが供給されるのに伴い、逆流用ポンプ4aによって水熱交換器33内や給湯用配管13内に逆流させられて滞留していた高温の湯Whが給湯口23から貯留空間A内に導入され、続いて、通常運転状態のヒートポンプユニット3(水熱交換器33)によって加温された高温の湯Whが給湯用配管13を介して貯留空間A内に導入される。
このように、この貯湯式温水器1Bによれば、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる逆流用ポンプ4aを備え、制御部5が、循環ポンプ4を停止させた状態において逆流用ポンプ4aを動作させることによって水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる処理を「逆流処理」として実行することにより、比較的簡易な構成によって水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12に確実に逆流させることができるため、貯湯式温水器1Bの製造コストを十分に低減することができる。
一方、図7に示す貯湯式温水器1Cでは、前述した貯湯式温水器1,1Aにおける各構成要素に加えて、三方弁8a,8bおよび液送方向変更用配管16a,16bを備えて構成されている。この貯湯式温水器1Cでは、取水用配管12における循環ポンプ4と貯湯タンク2との間に三方弁8aが配設されると共に、取水用配管12における循環ポンプ4とヒートポンプユニット3(水熱交換器33)との間に三方弁8bが配設されている。なお、以下の説明においては、三方弁8aと貯湯タンク2との間の取水用配管12を配管12e、三方弁8aと循環ポンプ4との間の取水用配管12を配管12f、三方弁8bと循環ポンプ4との間の取水用配管12を配管12g、三方弁8bとヒートポンプユニット3(水熱交換器33)との間の取水用配管12を配管12hともいう。また、この貯湯式温水器1Cでは、三方弁8aと配管12hとを連結するようにして液送方向変更用配管16aが配設されると共に、三方弁8bと配管12eとを連結するようにして液送方向変更用配管16bが配設されている。
この場合、この貯湯式温水器1Cでは、一例として、配管12eが三方弁8aのaポートに接続され、配管12fが三方弁8aのcポートに接続され、配管12gが三方弁8bのcポートに接続され、配管12hが三方弁8bのaポートに接続されると共に、液送方向変更用配管16aにおける配管12hに接続された側の端部とは逆側の端部が三方弁8aのbポートに接続され、液送方向変更用配管16bにおける配管12aに接続された側の端部とは逆側の端部が三方弁8bのbポートに接続されている。なお、この貯湯式温水器1Cでは、上記の三方弁8a,8bおよび液送方向変更用配管16a,16bが相まって「液送方向切替え機構」を構成する。
また、三方弁8a,8bは、通常運転時や貯湯式温水器1Cの主電源がオフのときには、上記のaポートおよびcポートを相互に連通させることで、循環ポンプ4による貯湯タンク2から水熱交換器33への矢印C1の向き(「第1の向き」の一例)での水Wcの流動を許容すると共に、後述するように、制御部5からの制御信号S6a,S6bに従ってbポートおよびcポートに相互に連通させることで、水熱交換器33から、配管12h、液送方向変更用配管16a、三方弁8a、配管12f、循環ポンプ4、配管12g、三方弁8b、液送方向変更用配管16bおよび配管12eをこの順で通過して貯湯タンク2に至る矢印C2の向き(「第2の向き」の一例)での水Wcや湯Wm等の流動を許容する。
この貯湯式温水器1Cでは、除霜処理の終了時点において(「除霜処理の終了に際して」とのタイミングの一例:この例では、図8に示す時点t3)、制御部5が、まず、前述した貯湯式温水器1と同様にして、循環ポンプ4に対して制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を開始させて、貯湯タンク2(貯留空間A)から水熱交換器33への水Wcの供給を開始させる。この際には、貯湯タンク2から水熱交換器33への水Wcの供給に伴い、水熱交換器33内の湯Wm(または、水Wc)が給湯用配管13内に排出される。次いで、制御部5は、循環ポンプ4を正回転で運転させてから数秒(一例として、1秒)が経過した時点t4において、温度センサ6aからのセンサ信号Saに基づき、給湯用配管13内の湯Wm,Whの温度(「給湯用配管内の湯または水の温度」の一例)が規定温度Ta(「第1の規定温度」の一例:一例として、40℃)を下回っているか否かを判別する。
この際に、温度センサ6aによる検出温度が時点t4において規定温度Taを下回っているときには、制御部5は、循環ポンプ4を正回転で運転させた状態を維持しつつ、三方弁8a,8bに対して制御信号S6a,S6bを出力することにより、cポートに対してbポートをそれぞれ連通させる(「逆流処理」のさらに他の一例)。この際には、循環ポンプ4が正回転で運転させられた状態において両三方弁8a,8bのcポートに対してbポートが連通させられることにより、水熱交換器33内の湯Wmが配管12h内に逆流し、この湯Wmが、液送方向変更用配管16a、三方弁8a、配管12f、循環ポンプ4、配管12g、三方弁8b、液送方向変更用配管16bおよび配管12eをこの順で通過して取水口22から貯湯タンク2(貯留空間A)内に逆流する。
これに伴い、給湯用配管13内において温度低下した湯Wmが水熱交換器33内に逆流すると共に、貯留空間Aにおける上方側に貯湯されている湯Whが給湯口23から給湯用配管13を通過して水熱交換器33内に逆流する。これにより、水熱交換器33内および給湯用配管13内が高温の湯Whで満たされた状態となる。また、図8に示すように、貯留空間Aから高温の湯Whが逆流させられるのに伴い、温度センサ6aによる検出温度(出口温度)が湯Wmの温度(規定温度Taよりも低い温度)から貯留空間A内に貯湯されていた高温の湯Whの温度(この例では、「Hi」)になると共に、温度センサ6bによる検出温度(入口温度)が水Wcの温度から、湯Wmの温度および湯Whの温度まで徐々に上昇する。この場合、温度センサ6bの検出温度が規定温度Tb(「規定温度B」の一例:一例として、湯Whの温度である「Hi」)まで上昇した状態においては、給湯用配管13内および水熱交換器33内が高温の湯Whで満たされたこととなる。
したがって、制御部5は、温度センサ6bからのセンサ信号Sbに基づき、取水用配管12内の水Wcまたは湯Wm,Whの温度が規定温度Tbまで温度上昇した時点t5において(逆流処理の開始直後に温度センサ6bからのセンサ信号Sbに基づいて特定される水Wcの温度よりも高温の「規定温度A」の湯Wm,Whが水熱交換器33から取水用配管12に逆流したとき:「取水用配管内の水または湯の温度が規定温度Bまで温度上昇したとき」との条件が満たされた時点の一例)、循環ポンプ4に対して制御信号S4を出力して停止させると共に、三方弁8a,8bに対して制御信号S6a,S6bを出力することにより、cポートに対してaポートをそれぞれ連通させる。これにより、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmや水Wcを取水用配管12内に逆流させる逆流処理が終了する。
また、制御部5は、循環ポンプ4に対する制御信号S4の出力や三方弁8a,8bに対する制御信号S6a,S6bの出力(逆流処理の終了)と共に、圧縮機32および膨張弁34に対して制御信号S1,S2を出力して通常運転を再開させる。また、ヒートポンプユニット3の通常運転の再開から所定時間が経過した時点t6において、制御部5は、循環ポンプ4に制御信号S3を出力することにより、正回転での運転を再開させて、ヒートポンプユニット3(水熱交換器33)に対する水Wcの供給(液送)を再開させる。この際には、水熱交換器33内に水Wcが供給されるのに伴い、循環ポンプ4によって水熱交換器33内や給湯用配管13内に逆流させられて滞留していた高温の湯Whが給湯口23から貯留空間A内に導入され、続いて、通常運転状態のヒートポンプユニット3(水熱交換器33)によって加温された高温の湯Whが給湯用配管13を介して貯留空間A内に導入される。
このように、この貯湯式温水器1Cによれば、取水用配管12に循環ポンプ4を配設すると共に、循環ポンプ4が液送する水Wcまたは湯Wmの液送方向を、貯湯タンク2から取水用配管12を介して水熱交換器33に向かう矢印C1の向きと、水熱交換器33から取水用配管12や液送方向変更用配管16a,16bを介して貯湯タンク2に向かう矢印C2の向きとのいずれかに切り替える液送方向切替え機構(三方弁8a,8bおよび液送方向変更用配管16a,16b)を取水用配管12に配設し、制御部5が、液送方向切替え機構を制御して水Wcまたは湯Wmの液送方向を矢印C2の向きに切り替えさせる処理を「逆流処理」として実行することにより、比較的簡易な構成によって水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12に確実に逆流させることができるため、貯湯式温水器1Cの製造コストを十分に低減することができる。
さらに、取水用配管12に循環ポンプ4を配設した貯湯式温水器1,1A,1Cや、取水用配管12に循環ポンプ4および逆流用ポンプ4aを配設した貯湯式温水器1Bを例に挙げて説明したが、循環ポンプ4や逆流用ポンプ4aを給湯用配管13に配設する構成を採用することができる。この場合、循環ポンプ4を逆回転で運転させることで湯Wh,Wmや水Wcを逆流させる構成の貯湯式温水器において循環ポンプ4を給湯用配管13に配設した場合には、前述した貯湯式温水器1、1Aと同様の効果を奏することができる。
また、水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる逆流用ポンプ4aを備え、制御部5が、循環ポンプ4を停止させた状態において逆流用ポンプ4aを動作させることによって水熱交換器33および給湯用配管13内の湯Wmまたは水Wcを取水用配管12内に逆流させる処理を「逆流処理」として実行する構成の貯湯式温水器(図示せず)において循環ポンプ4や逆流用ポンプ4aなどを給湯用配管13に配設した場合には、前述した貯湯式温水器1Bと同様の効果を奏することができる。
さらに、給湯用配管13に循環ポンプ4を配設すると共に、循環ポンプ4が液送する湯Wh,Wm湯または水Wcの液送方向を、水熱交換器33から給湯用配管13を介して貯湯タンク2に向かう第1の向きと、貯湯タンク2から給湯用配管13を介して水熱交換器33に向かう第2の向きとのいずれかに切り替える液送方向切替え機構を給湯用配管13に配設し、制御部5が、液送方向切替え機構を制御して湯Wh,Wmまたは水Wcの液送方向を第2の液送方向に切り替えさせる処理を「逆流処理」として実行する構成の貯湯式温水器(図示せず)によれば、前述した貯湯式温水器1Cと同様の効果を奏することができる。
また、「除霜処理の終了に際して」とのタイミングの一例として「除霜処理の終了時点において」とのタイミングにおいて予め規定された条件が満たされているときに(または、直ちに)逆流処理を開始する構成および制御方法を例に挙げて説明したが、「除霜処理の終了に際して」とは、「除霜処理の終了直前(一例として、除霜処理の終了数秒前)において」や、「除霜処理の終了直後(一例として、除霜処理の終了後数秒後)において」がこれに含まれる。さらに、予め規定された終了条件が満たされたときに制御部5が逆流処理を終了する構成の貯湯式温水器1,1A〜1Cを例に挙げて説明したが、逆流処理の開始後に、手動で逆流処理を終了する構成を採用することもできる。