JP5651635B2 - インクジェット記録装置用インク、及び画像形成方法 - Google Patents

インクジェット記録装置用インク、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録装置用インク、及び画像形成方法に関する。
近年、記録技術の急速な進歩により銀塩写真に匹敵する高精細な画質を得ることが可能となっていることから、インクジェット記録方式により画像を形成するインクジェット記録装置が画像形成装置として広く使用されている。
このようなインクジェット記録装置について、画像の品質を維持しつつ、画像形成速度を向上させることが強く望まれている。しかし、インクジェット記録装置で高速で画像形成を行った場合、インクが紙等の被記録媒体に浸透する前に被記録媒体が排出ローラー対の間を通って排出されてしまい、インクが排出ローラーに付着(オフセット)することがある。この場合、排出ローラーに付着したインクの被記録媒体への付着により、形成画像に画像不良が発生しやすくなる。
オフセットの発生を抑制するためには、インクの吐出量を低減することが考えられる。しかし、この場合、所望する濃度の画像を形成しにくい。そこで、所望する濃度の画像を形成しつつオフセットの発生を抑制するために、インクに含有させることによりインクの被記録媒体への浸透性を改良できる化合物について、多数検討されている。
このような事情から、被記録媒体への浸透性(乾燥性)に優れ、高品質な画像を形成できるインクとして、直鎖アルカノールに特定量のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加した化合物を含有するインクが提案されている(特許文献1を参照)。
特開2005−336496号公報
ところで、高品質な画像を形成するためには、一般的に、インク液滴が被記録媒体に着弾して形成されるドットについて、ドット径が十分に大きく、ドット形状が真円に近いことが望まれる。しかし、特許文献1に記載のインクでは、真円に近い形状のドットを形成しにくいため、高品質な画像を形成しにくい。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、所望の径、及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できるインクジェット記録装置用インクを提供することを目的とする。また、本発明は、前述のインクジェット記録装置用インクを用いる、インクジェット記録装置による画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、水と、顔料分散体とを含むインクジェット記録装置用インクに、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含む浸透剤と、所定の化学構造の化合物からなる界面活性剤とを所定量配合することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、少なくとも、水と、顔料分散体と、浸透剤と、下記一般式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有し、
前記浸透剤が、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含み、
前記アルカンジオールの含有量が、インクの全質量に対して0.3〜1.0質量%であり、
前記界面活性剤の含有量が、インクの全質量に対して0.05〜1.0質量%である、インクジェット記録装置用インクに関する。
Figure 0005651635
(一般式(I)中、
は、C2A+1であり、
は、C2B+1であり、
A及びBは、1以上の整数であり、
A+Bは、6以上の整数であり、
−E−O−は、−CHCH−O−であり、
−P−O−は、−CHCH(CH)−O−であり、
n及びmは、正の数であり、
n+mは、5以上であり、
n>mであり、
(−E−O−)及び(−P−O−)からなる繰返し配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。)
また、本発明の第二の態様は、第一の態様のインクジェット記録装置用インクを用いて、インクジェット記録装置により画像を形成する、画像形成方法に関する。
本発明によれば、所望の径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できる、インクジェット記録装置用インクと画像形成方法とを提供することができる。
図1は、ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置の構成を示す断面図である。 図2は、図1に示されるインクジェット記録装置の搬送ベルトを上方から見た平面図である。 図3は、ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。 図4は、ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置に用いられるラインヘッドと記録用紙上に形成されたドット列の一部を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置用インク(以下、単にインクともいう)は、少なくとも、水と、顔料分散体と、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含む浸透剤と、式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有し、インクの全質量に対して、浸透剤、及び界面活性剤を所定量含む。前述の成分を所定量含む第一実施形態に係るインクによれば、所望する径及び形状のドットを形成することができる。まず、第1実施形態に係るインクによって形成されるドットの径、及び形状について説明する。
<ドット径、及びドット形状>
インク液滴が被記録媒体に着弾して形成されたドットの直径(ドット径)と、ドットの形状(ドット形状)を評価することによって、形成画像の画質の評価を行うことができる。一般的に、所定の解像度にて、可能な範囲でドット径が大きいほど形成画像の画質が向上する。また、ドット形状が真円に近いほど形成画像の画質が向上する。
例えば、ドットアナライザー(DA−6000(王子計測機器株式会社製))等により、形成されたドットのドット径と、形状係数とを測定することができる。ドットアナライザーによるドット径と、形状係数との測定は、インクにより形成された画像を顕微鏡により撮影した拡大画像を所定の条件で二値化処理した後、拡大画像に含まれるドットの画像を解析することにより行われる。このような測定を行うことにより、インクにより形成されるドットが、所望する径及び形状であるか否か、評価することができる。
ドット径は、形成画像内の複数個のドットの直径の平均値として測定される。ドットの直径は、ドットアナライザーにより測定されるドットの面積を基に、下式に従って算出される。また、形状係数は、形成画像内の複数個のドットの形状係数の平均値として測定される。ドットの形状係数が1である場合、そのドットが真円であることを示し、ドットの形状係数が1に近いほどドット形状が真円に近いことを示す。各ドットの形状係数は、ドットアナライザーにより測定されるドットの周囲長と、ドットの面積とを基に、下式に従って算出される。
(ドットの直径算出式)
ドットの直径=√(4×ドットの面積/π)
(形状係数算出式)
形状係数=(ドットの周囲長)/(4π×ドットの面積)
なお、ドット内部に、インクにより着色されていない穴がある場合、穴の周囲長さはドットの周囲長に含めず、穴の面積はドットの面積に含めない。
次いで、第1実施形態に係るインクジェット記録装置用インクについて詳細に説明する。第1実施形態に係るインクジェット記録装置用インクは、水、顔料分散体、浸透剤、及び式(I)で表される化合物からなる界面活性剤の他に、必要に応じて、インクに含まれる成分の溶解状態を安定化させる溶解安定剤、及びインクから液体成分の揮発を抑制してインクの粘性を安定化させる保湿剤を含んでいてもよい。なお、本発明のインクにおいて、顔料と樹脂とは、顔料分散体として含有される。以下、インクジェット記録装置用インクが含む、必須、又は任意の成分である、水、顔料分散体、浸透剤、式(I)で表される化合物からなる界面活性剤、溶解安定剤、並びに保湿剤と、インクジェット記録装置用インクの製造方法とについて順に説明する。
〔水〕
本発明のインクジェット記録装置用インクは、水性インクであり、水を必須に含む。インクに含まれる水は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来から、水性インクの製造に使用されている水から、所望の純度の水を適宜選択して使用できる。本発明のインクジェット記録装置用インクにおける水の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。水の含有量は、後述する、他の成分の使用量に応じて適宜変更される。インクにおける典型的な水の含有量としては、インクの全質量に対して20〜70質量%が好ましく、25〜60質量%がより好ましい。
〔顔料分散体〕
本発明のインクジェット記録装置用インクは、着色剤である顔料と樹脂とを含む顔料分散体を含む。
(顔料)
顔料分散体中に含有させることができる顔料は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からインクジェット記録装置用インクにおいて着色剤として使用されている顔料から適宜選択して使用できる。好適な顔料の具体例は、C.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、193等の黄色顔料、C.I.ピグメントオレンジ34、36、43、61、63、71等の橙色顔料、C.I.ピグメントレッド122、202等の赤色顔料、C.I.ピグメントブルー15等の青色顔料、C.I.ピグメントバイオレット19、23、33等の紫色顔料、C.I.ピグメントブラック7等の黒色顔料等を挙げることができる。
顔料の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、インクの全質量に対して4〜8質量%が好ましい。顔料の使用量が過少であると所望する画像濃度を有する画像を得にくく、顔料の使用量が過多であると、インクの流動性が損なわれることで所望する画像濃度を有する画像を得にくくなったり、インクの被記録媒体に対する浸透性の低下により、形成画像にオフセットに起因した画像不良が発生しやすくなったりする場合がある。
顔料分散体に含まれる顔料の体積平均粒径は、インクの色濃度、色相、インクの安定性等の観点から、30〜200nmが好ましく、70〜130nmがより好ましい。顔料の体積平均粒径は、顔料と樹脂とを混練する際に使用するビーズの粒径や処理時間を調整することにより調整できる。体積平均粒径が過小である場合、形成画像の画像濃度が所望する値を下回る場合がある。体積平均粒径が過大である場合、インクを吐出するノズルの目詰まりが発生することでインクの吐出性が悪化したりする場合がある。顔料の体積平均粒径は、例えば、顔料分散体をイオン交換水により300倍に希釈した試料を用い、動的光散乱粒度分布測定装置(シスメックス株式会社製)等により測定できる。
(樹脂)
顔料分散体に含まれる樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来から顔料分散体の製造に用いられている種々の樹脂から適宜選択して使用できる。好適な樹脂の具体例としては、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの樹脂の中では、調製が容易で、顔料の分散効果に優れることから、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体等の、スチレンに由来する単位と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルに由来する単位とを含むスチレン−アクリル系樹脂が好ましい。
顔料分散体の調製に用いる樹脂の質量平均分子量(Mw)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、典型的には10,000〜160,000が好ましい。顔料分散体に含まれる樹脂の質量平均分子量(Mw)はゲルろ過クロマトグラフィーにより測定できる。樹脂の分子量は、樹脂を重合反応によって得る際の、重合開始剤の使用量、重合温度、又は重合時間等を調整する公知の方法に従って調整できる。ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、0.001〜5モル加えるのが好ましく、0.01〜2モル加えるのが好ましい。但し、開始剤の量を減少させる場合には、反応物の重合反応が停止し、残留モノマーが増える場合がある。また、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノールを微量(モノマー混合物1モルあたり0.001モル以下)加えてもよい。
また、顔料分散体の調製に用いる樹脂の酸価は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。樹脂の酸価は、典型的には、150〜300mgKOH/gが好ましい。樹脂の酸価が過小である場合、顔料分散体中の顔料の分散性が低くなりやすく、顔料の微粒子化が困難となるため、形成画像が良好な着色性、発色性を有さない場合がある。樹脂の酸価が過大である場合、インクの保存安定性が低くなりやすい。樹脂の酸価は、樹脂を合成する際に、アクリル酸、メタクリル酸等の酸性の官能基(例えばカルボキシ基)を有する単量体の使用量を適宜調整することにより調整できる。具体的には、酸性の官能基を有する単量体の使用量を増やすことにより酸価を高めることができる。
顔料分散体を調製する際の樹脂の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、顔料の100質量部に対して、15〜100質量部の範囲の量で使用される。
(顔料分散体の製造方法)
顔料と樹脂とを含む顔料分散体を製造する方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来知られる方法から適宜選択できる。好適な方法としては、例えば、ナノグレンミル(浅田鉄工株式会社製)、MSCミル(三井鉱山株式会社製)、ダイノミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製)等のメディア型湿式分散機を用いて、水等の適切な液体の媒体中で、顔料と樹脂とを混練して顔料分散体とする方法が挙げられる。メディア型湿式分散機による処理では、小粒径のビーズを用いる。ビーズの粒径は特に限定されず、典型的には粒径0.5〜1.0mmである。また、ビーズの材質は特に限定されず、ジルコニア等の硬質の材料が使用される。
顔料分散体を製造する際の、液体の媒体の使用量は、顔料と樹脂とを良好に混練できる限り特に限定されない。典型的には、液体の媒体の使用量は、顔料と樹脂との質量の合計に対して、1〜10倍の質量を用いるのが好ましく、2〜8倍の質量を用いるのがより好ましい。
〔浸透剤〕
インクジェット記録装置用インクは、インクの被記録媒体への浸透性を高める目的で、浸透剤を含む。浸透剤は、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールである。インクが浸透剤として、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含有することにより、所望する径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できる。
これに対し、浸透剤として炭素原子数7以下のアルカンジオールを用いる場合、被記録媒体に対する浸透性に優れるインクを得にくいため、所望する径及び形状のドットを形成しにくく、所望する濃度の画像を形成しにくい。また、アルカンジオールの炭素原子数が10以上である場合、アルカンジオールの水溶性が著しく低くなるため、均一に混合されたインクの調製が困難である。
インク中の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールの含有量は0.3〜1.0質量%である。インク中の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールの含有量が過少である場合、インクの被記録媒体への浸透性が低くなりやすい。この場合、真円に近い形状のドットを形成しにくい。インクが、被記録媒体へ浸透しにくいと、被記録媒体上に着弾したインクが被記録媒体上で不規則に流動しながら被記録媒体に浸透し、これにより不規則な形状のドットが形成されるためである。また、インクの被記録媒体への浸透性が低いと、所望する濃度の画像を形成しにくい。この場合、オフセットが発生しやすく、被記録媒体上のインクが、一部、排出ローラーに移行してしまうため、形成される画像の濃度が低下しやすい。
一方、インク中の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールの含有量が過多である場合、インクの被記録媒体に対する浸透性が高すぎるために、被記録媒体上に着弾したインクが被記録媒体に急速に浸透してしまうため、形成されるドットの径が小さくなりやすい。また、インクの被記録媒体に対する浸透性が高すぎる場合、インクに含まれる顔料も被記録媒体内部に浸透してしまうため、所望する濃度の画像を形成しにくい。
アルカンジオールは、その炭素原子数が8、又は9であれば特に限定されず、直鎖状でも、分岐鎖状であってもよい。アルカンジオールの具体例としては、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、及び2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。これらのアルカンジオールの中では、1,2−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、及び2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールからなる群より選択される1以上の化合物が好ましい。これらのアルカンジオールは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明において用いる浸透剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールと、従来、インクジェット記録装置用のインクにおいて浸透性の改良の目的で使用されている種々の有機溶剤とを組み合わせて使用できる。炭素原子数8、又は9のアルカンジオールとともに使用できる有機溶剤の具体例としては、1,2−ヘキシレングリコール等の炭素原子数7以下のアルカンジオール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、トリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、環状ケトン化合物等が挙げられる。炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを、他の浸透剤とともに使用する場合、浸透剤の使用量の総量は、インクの全質量に対して0.3質量%超であり、1〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
〔界面活性剤〕
第1実施形態に係るインクジェット記録装置用インクは、下記一般式(I)で表される化合物からなる界面活性剤を含む。界面活性剤として、下記一般式(I)で表される化合物を、複数組み合わせて用いることもできる。
Figure 0005651635
(一般式(I)中、
は、C2A+1であり、
は、C2B+1であり、
A及びBは、1以上の整数であり、
A+Bは、6以上の整数であり、
−E−O−は、−CHCH−O−であり、
−P−O−は、−CHCH(CH)−O−であり、
n及びmは、正の数であり、
n+mは、5以上であり、
n>mであり、
(−E−O−)、及び(−P−O−)からなる繰返し配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。)
インクに、一般式(I)で現される化合物からなる界面活性剤を含有させることで、被記録媒体に対するインクの濡れ性が改良され、被記録媒体へインクが良好に浸透しやすい。インクが、被記録媒体に良好に浸透しやすいため、第一実施形態のインクによって、所望する径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できる。
一般式(I)において、A+Bが6未満の整数である場合、被記録媒体に対する濡れ性に優れるインクを得にくく、被記録媒体上でインクが広がりにくい。このため、所望する径及び形状のドットを形成しにくい。
一般式(I)において、A+Bは6以上の整数であり、6〜20の整数であるのが好ましく、6〜15の整数であるのがより好ましく、6〜10の整数であるのが特に好ましい。A+Bが6〜20の整数である場合、式(I)で表す化合物が適度な水溶性を有するため、均一に混合されたインクを調製しやすい。また、A+Bが6〜10の整数である場合、インクが充填された記録ヘッドをキャップせずに長期間放置した後に画像を形成する際に、記録ヘッドからインク液滴を良好に吐出できる。
また、A及びBは、それぞれ1以上の整数であって、A+Bが6以上の整数である限り
特に限定されない。A及びBは、A+Bが6以上の整数であることを条件として、それぞれ、1〜13が好ましく、2〜8がより好ましい。
一般式(I)において、m+mは5以上であり、4〜12であるのが好ましく、5〜11であるのがより好ましい。n+mが5〜11である場合、インクが充填された記録ヘッドをキャップせずに長期間放置した後に画像を形成する際に、記録ヘッドからインク液滴を良好に吐出できる。n+mが5未満である場合、被記録媒体に対する濡れ性に優れるインクを得にくく、被記録媒体上でインクが広がりにくい。このため、所望する径のドットを有する画像を形成しにくい。
また、n及びmはそれぞれ正の数であって、n+mが5より大きく、m<nである限り特に限定されない。nは、n+mが5より大きく、m<nであることを条件として、2〜11が好ましく、2〜10がより好ましい。mは、n+mが5より大きく、m<nであることを条件として、1〜6が好ましく、1〜5がより好ましい。
n≦mの場合は、インクの被記録媒体に対する濡れ性が低下しやすく、被記録媒体にインクが浸透しにくい。この場合、オフセットが発生しやすく、記録媒体上のインクが、一部、排出ローラーに移行してしまうため、所望する濃度の画像を形成しにくい。
インクにおける界面活性剤の含有量は、インクの全質量に対して0.05〜1.0質量%である。インク中の界面活性剤の含有量が過少である場合、インクの被記録媒体に対する濡れ性が低下するため、上述の理由により、所望する径のドットを形成しにくく、所望する濃度の画像を形成しにくい。一方、インク中の界面活性剤の含有量が過多である場合、インクの被記録媒体に対する濡れ性が高すぎる場合がある。この場合、インクが被記録媒体に急速に浸透してしまうため、形成されるドットの径が小さくなりやすい。また、この場合、インクに含まれる水や有機溶媒とともに、インクに含まれる顔料も被記録媒体内部に浸透してしまうため、所望する濃度の画像を形成しにくい。
一般式(I)で表される化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、下記一般式(II)で表されるアルコールの水酸基に、常法に従って、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加させて製造することができる。
Figure 0005651635
〔溶解安定剤〕
溶解安定剤は、インクに含まれる成分を相溶化してインクの溶解状態を安定化させる成分である。溶解安定剤の具体例としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びγ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶解安定剤は2種以上を組み合わせて用いることができる。インクが溶解安定剤を含有する場合、溶解安定剤の含有量は、インクの全質量に対して1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
〔保湿剤〕
保湿剤は、インクからの液体成分の揮発を抑制してインクの粘性を安定化させる成分である。保湿剤の具体例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のアルキレングリコール類;グリセリンである。これらの、保湿剤の中では、水等の液体成分の揮発の抑制効果に優れることからグリセリンがより好ましい。保湿剤は2種以上を組み合わせて用いることができる。インクが保湿剤を含有する場合、保湿剤の含有量は、インクの全質量に対して2〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。
〔インクジェット記録装置用インクの製造方法〕
インクの製造方法は、水、顔料分散体、浸透剤、及び式(I)で表される化合物からなる界面活性剤に対して、必要に応じて溶解安定剤、及び保湿剤を加えた後に、これらのインク成分を均一に混合することができれば特に限定されない。インクジェット記録装置用インクの製造方法の具体例としては、インクの各成分を混合機により均一に混合した後、孔径10μm以下のフィルターにより異物や粗大粒子を除去する方法が挙げられる。なお、インクジェット記録装置用インクを製造する際には、水、顔料分散体、保湿剤、浸透剤、及び式(I)で表される化合物からなる界面活性剤に対して、必要に応じて溶解安定剤等の有機溶媒の他の液体成分や、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤、防腐防カビ剤等の、従来、インクジェット記録装置用インクに加えられている種々の添加剤を加えることができる。また、第一実施形態のインクには、本発明の目的を阻害しない範囲で、式(I)以外で表される化合物の他の界面活性を加えてもよい。
以上説明した第1実施形態に係るインクジェット記録装置用インクによれば、所望の径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できる。このため、第1実施形態に係るインクジェット記録装置用インクは、種々のインクジェット記録装置で好適に使用される。
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態に係るインクジェット記録装置用インクを用いて、インクジェット記録装置により画像を形成する、画像形成方法に関する。第2実施形態に係る画像形成方法で用いるインクジェット記録装置の記録方式は、特に限定されず、記録ヘッドが被記録媒体上を走査しながら記録を行うシリアル型であっても、装置本体に固定された記録ヘッドにより記録を行うラインヘッド型であってもよい。第2実施形態に係る画像形成方法で用いるインクジェット記録装置としては、画像形成の高速性の点からラインヘッド型の記録ヘッドを備える記録装置が好ましく、被記録媒体を搬送する方向に対して垂直方向に設置された長尺のラインヘッドを備える記録装置がより好ましい。
以下、図面を参照して、第2実施形態の画像形成方法について、ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置を用い、被記録媒体として記録用紙Pを用いる場合に関して説明する。図1は、ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置の構成を示す断面図であり、図2は、図1に示すインクジェット記録装置の搬送ベルトを上方からみた平面図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置100の左側部には記録用紙Pを収容する給紙トレイ2(給紙部)が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された記録用紙Pを、最上位の記録用紙Pから順に一枚ずつ後述する搬送ベルト5へと給紙搬送するための給紙ローラー3及び給紙ローラー3に圧接され従動回転する従動ローラー4が設けられている。
給紙ローラー3及び従動ローラー4に関して用紙搬送方向Xの下流側(図1での右側)には、搬送ベルト5が回転自在に配設されている。搬送ベルト5は、用紙搬送方向Xの下流側に配置されたベルト駆動ローラー6と、上流側に配置され搬送ベルト5を介してベルト駆動ローラー6に従動回転するベルトローラー7とに掛け渡されており、ベルト駆動ローラー6が時計方向に回転駆動されることにより、記録用紙Pが矢印X方向に搬送される。
ここで、用紙搬送方向Xの下流側にベルト駆動ローラー6を配置したことにより、搬送ベルト5の用紙送り側(図1での上側)はベルト駆動ローラー6に引っ張られるため、弛みが生じることなくベルトを張ることができるので、安定した記録用紙Pの搬送が可能となる。なお、搬送ベルト5には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その形態としては継ぎ目を有しない(シームレス)もの等が好適に用いられる。
インクジェット記録装置100は、インクの乾燥を促進する目的で、被記録媒体を加熱する加熱部(不図示)を備えていてもよい。しかし、第二実施形態では、被記録媒体への浸透性に優れる第一実施形態のインクを用いるため、被記録媒体の加熱を行わずとも、被記録媒体上でインクが速やかに乾燥し、良好な画像を形成できる。このため、インクジェット記録装置100は、加熱部を備えないものであってもよい。
また、搬送ベルト5の用紙搬送方向Xの下流側には、図中時計回りに駆動され画像が記録された記録用紙Pを装置本体外へと排出する排出ローラー8a、及び排出ローラー8aの上部に圧接され従動回転する従動ローラー8bからなる排出ローラー対8(排出部)が設けられている。排出ローラー対8の用紙搬送方向Xの下流側には、装置本体外へと排出された記録用紙Pが積載される排紙トレイ10が設けられている。
従動ローラー8bは記録用紙Pの画像形成面に直接触れるため、従動ローラー8bの表面を形成する素材は撥水性材料であるのが好ましい。従動ローラー8bの表面を撥水性材料により形成することにより、記録用紙Pに浸透していないインクのローラーへの付着を抑制でき、オフセットの発生を抑制しやすい。好適な撥水性材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂が挙げられる。従動ローラー8bと同様に、記録用紙Pの画像形成面に接触する部材の表面は撥水性材料により形成するのが好ましい。
そして、搬送ベルト5の上方には、搬送ベルト5の上面に対して所定の間隔が形成されるような高さに支持され、搬送ベルト5上を搬送される記録用紙Pへと画像の記録を行うラインヘッド11C、11M、11Y及び11Kが配設されている。これらのラインヘッド11C〜11Kには、それぞれ異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の着色インクが充填されており、各ラインヘッド11C〜11Kからそれぞれの着色インクを吐出することにより、記録用紙P上にカラー画像が形成される。
記録用紙Pに各ラインヘッド11C〜11Kから吐出されたインクの液滴が着弾してから、記録用紙P上のインクの着弾箇所が、排出部8に到達するまでの時間は装置を小型化するためには1秒以内であるのが好ましい。かかる時間を1秒以内とした場合であっても、第1実施形態に係るインクを用いることによって、高速での画像形成時のオフセットの発生の抑制の効果が充分に得られる。
また、記録用紙Pに各ラインヘッド11C〜11Kから吐出され、記録用紙Pに打ち込まれる一色又は複数の色のインクの量は、特に限定されず、所望する画像濃度を有する画像を形成でき、オフセットが発生しにくい量に調整して画像が形成される。
これらのラインヘッド11C〜11Kは、図2に示すように、記録用紙Pの搬送方向と直交する方向(図2の上下方向)に複数のノズルが配列されたノズル列を備え、搬送される記録用紙Pの幅以上の記録領域を有しており、搬送ベルト5上を搬送される記録用紙Pに対して、一括して1行分の画像を形成することができるようになっている。
なお、ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置では、搬送ベルト5の幅寸法以上に形成された長尺のヘッド本体の長手方向に複数のノズルを配列させることで、記録用紙Pの幅以上の記録領域を有するように構成されたラインヘッドを用いているが、例えば各々複数個のノズルを備えた短尺のヘッドユニットを搬送ベルト5の幅方向に複数配列することにより、搬送される記録用紙Pの幅方向全幅にわたって画像を記録できるようにしたラインヘッドを用いても構わない。
また、ラインヘッド11C〜11Kのインクの吐出方式としては、例えば、図示しない圧電素子(ピエゾ素子)を用いてラインヘッド11C〜11Kの液室内に生じる圧力を利用してインクの液滴を吐出する圧電素子方式や、発熱体によってインク中に気泡を発生させ、圧力をかけてインクを吐出するサーマルインクジェット方式等、各種方式を適用することができる。インクの吐出方式は、吐出量の制御が容易であることから圧電素子方式が好ましい。
図3は、ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。図1及び図2と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。インクジェット記録装置100には制御部20が備えられており、制御部20には、インターフェイス21、ROM22、RAM23、エンコーダー24、モーター制御回路25、ラインヘッド制御回路26、及び電圧制御回路27等が接続されている。
インターフェイス21は、例えば、図示しないパソコン等のホスト装置とデータの送受信を行う。制御部20は、インターフェイス21を介して受信された画像信号に対して、必要に応じて変倍処理或いは階調処理を施して画像データに変換する。そして、後述する各種制御回路に制御信号を出力する。
ROM22は、ラインヘッド11C〜11Kを駆動させて画像記録を行う際の制御プログラム等を記憶している。RAM23は、制御部20により変倍処理或いは階調処理された画像データを所定の領域に格納する。
エンコーダー24は、搬送ベルト5を駆動する排紙側のベルト駆動ローラー6に接続されており、ベルト駆動ローラー6の回転軸の回転変位量に応じてパルス列を出力する。制御部20は、エンコーダー24から送信されるパルス数をカウントすることで回転量を算出し、用紙の送り量(用紙位置)を把握する。そして制御部20は、エンコーダー24からの信号に基づいて、モーター制御回路25及びラインヘッド制御回路26に制御信号を出力する。
モーター制御回路25は、制御部20からの出力信号により記録媒体搬送用モーター28を駆動する。記録媒体搬送用モーター28がベルト駆動ローラー6を回転駆動させることで、搬送ベルト5を図1の時計回りに回動させて用紙を矢印X方向へと搬送する。
ラインヘッド制御回路26は、制御部20からの出力信号に基づいて、RAM23に格納された画像データをラインヘッド11C〜11Kへ転送し、転送された画像データに基づいてラインヘッド11C〜11Kからのインクの吐出を制御する。かかる制御と、記録媒体搬送用モーター28によって駆動する搬送ベルト5による用紙の搬送の制御とにより、用紙への画像の形成が行われる。
電圧制御回路27は、制御部20からの出力信号に基づいて給紙側のベルトローラー7に電圧を印加することにより交番電界を発生させ、搬送ベルト5に用紙を静電吸着させる。静電吸着の解除は、制御部20からの出力信号に基づいてベルトローラー7又はベルト駆動ローラー6を接地させることにより行われる。なお、ここでは給紙側のベルトローラー7に電圧を印加する構成としたが、排紙側のベルト駆動ローラー6に電圧を印加する構成としてもよい。
ラインヘッド型の記録方式のインクジェット記録装置を用いてドットを形成する方法を、図4を用いて具体的に説明する。なお、図4では図1及び図2に示したラインヘッド11C〜11Kのうち、ラインヘッド11Cを例に挙げて説明するが、他のラインヘッド11M〜11Kについても全く同様に説明される。
図4に示すように、ラインヘッド11Cには複数個のノズルからなるノズル列N1、N2が記録用紙Pの搬送方向(矢印X方向)に並設されている。つまり、記録用紙Pの搬送方向の各ドット列を形成するノズルとして、ノズル列N1、N2に各1個ずつ(例えばドット列L1ではノズル12a及び12a’)、合計2個のノズルを備えている。なお、ここでは説明の便宜のため、ノズル列N1、N2を構成するノズルのうち、ドット列L1〜L16に対応する12a〜12p及び12a’〜12p’までの各16個のノズルのみを記載しているが、実際にはさらに多数のノズルが記録用紙Pの搬送方向と直交する方向に配列されているものとする。
そして、このノズル列N1、N2を順次用いて被記録媒体としての記録用紙P上に画像を形成する。例えば、記録用紙Pを記録用紙Pの搬送方向に移動させながら、記録用紙Pの幅方向(図の左右方向)1行分のドット列D1をノズル列N1からのインク吐出(図の実線矢印)により形成した後、次の1行分のドット列D2をノズル列N2からのインク吐出(図の破線矢印)により形成し、さらに次の1行分のドット列D3を再びノズル列N1からのインク吐出により形成する。以下、ドット列D4以降もノズル列N1、N2を交互に用いて同様に形成する。
以上説明した第2実施形態に係る画像形成方法によれば、所望の径、及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できる。このため、第2実施形態に係る画像形成方法は、種々のインクジェット記録装置に好適に利用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例によりなんら限定されるものではない。
〔製造例1〕
(スチレン−アクリル樹脂の製造)
顔料分散体の調製に用いるスチレン−アクリル樹脂を以下の手順により製造した。
まず、1000ml四つ口フラスコに、スターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、イソプロピルアルコール100g、メチルエチルケトン300gをフラスコに加え、窒素ガスをバブリングしながら加熱還流した。次いで、フラスコ内の混合液を70℃加熱還流させた状態で、メタクリル酸メチル40g、スチレン40g、アクリル酸ブチル10g、メタクリル酸10g、及び開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.4gを混合溶解した混合溶液を、滴下ロートを用いて、約2時間かけて滴下した。滴下後、さらにフラスコ内の混合液を6時間加熱還流し、さらに、AIBNを0.2g含むメチルエチルケトン溶液を、15分かけて滴下した。この後さらに5時間加熱還流し、分子量20,000のスチレン−アクリル樹脂を得た。得られたスチレン−アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)を、ゲルろ過クロマトグラフィー(HLC−8020GPC(東ソー株式会社製))を用いて下記条件により確認した。また、得られた樹脂の酸価を滴定により確認したところ、100mgKOH/gであった。
<質量平均分子量測定条件>
カラム:TSKgel、Super Multipore HZ−H(東ソー株式会社製、4.6mmID×15cm)
カラム本数:3本
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.35ml/分
サンプル注入量:10μl
測定温度:40℃
検出器:IR検出器
検量線は、標準試料(TSK standard,polystyrene、東ソー株式会社製)から、F−40、F−20、F−4、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、及びn−プロピルベンゼンの8種を選択して作成した。
〔製造例2〕
(顔料分散体の製造)
シアン色顔料としてP.B−15:3を用いた。顔料分散体の調製に用いる材料の質量の合計に対して、顔料15質量%、製造例1で得たスチレン−アクリル樹脂6.0質量%、及び1,2−オクタンジオール0.2質量%と、残余の水(イオン交換水)とを、ダイノミル(マルチラボ,ベッセル容量0.6L(株式会社シンマルエンタープライゼス製))に仕込んだ。次いで、スチレン−アクリル樹脂の中和に必要な量の水酸化カリウムをダイノミルに加えた。その後、ベッセル容量に対して70%となるように、ビーズ径0.5mmのジルコニアビーズをメディアとしてダイノミルに充填して、水冷しながら、10℃、周速8m/sの条件で顔料とスチレン−アクリル樹脂とを混練した。なお、樹脂Aは中和等量の105%のNaOH水溶液で中和した。また、Naの質量は樹脂の質量として計算し、NaOH水溶液に含まれる水や中和反応で生じた水の質量はイオン交換水の質量として計算した。得られた顔料分散体を、イオン交換水を用いて300倍に希釈して、動的光散乱式粒径分布測定装置(ゼータサイザー ナノ(シスメックス株式会社製))により顔料の体積平均粒径D50を測定し、顔料の体積平均粒径が70〜130nmの範囲となっていることを確認した。
〔実施例1〜5、及び比較例1〕
実施例1〜5、及び比較例1では、表1記載の浸透剤を用いてインクを調製した。具体的には、下記組成1の材料を撹拌機(スリーワンモーター BL−600(アズワン株式会社製))により回転数400rpmで撹拌して均一に混合した後、孔径5μmのフィルターによりろ過して、実施例1〜5、及び比較例1のインクを得た。なお、界面活性剤として、下記式(11)で表される化合物である界面活性剤11を用いた。
(組成1)
製造例2で得た顔料分散体:40質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:4.5質量%
2−ピロリドン(溶解安定剤):5.0質量%
界面活性剤11:0.5質量%
表1記載の種類の浸透剤:0.5質量%
グリセリン:15質量%
1,3−プロパンジオール:15質量%
イオン交換水:残余の量
Figure 0005651635
また、下記方法に従い、実施例1〜5、及び比較例1のインクの形成画像に含まれるドットのドット径及びドット形状、形成画像の画像濃度、並びにデキャップ性の評価を行った。実施例1〜5、及び比較例1のインクの形成画像に含まれるドットのドット径及びドット形状、形成画像の画像濃度、並びにデキャップ性の評価結果を表2に記す。
<ドット径及びドット形状の評価方法>
ドット径及びドット形状の評価は、評価機として画像形成装置(ラインヘッド搭載インクジェット記録装置、京セラドキュメントソリューションズ製試験機)を用いて、25℃、50%RH環境下で形成された画像に含まれるドットについて行った。被記録媒体としてインクジェット用普通紙(A4、IJW(王子製紙株式会社製))を用い、記録ヘッドから、被記録媒体へ吐出するインクの量が8pL(1画素当たり)、ドット密度600dpiとなるようにスタンプ画像(ラインヘッドの各ノズルから1ドットを吐出して形成した画像)を形成した。得られたスタンプ画像を測定試料として用い、ドットアナライザー(DA−6000(王子計測機器株式会社製))により、各ドットの直径の平均値であるドット径と、ドット形状の指標である形状係数を測定した。なお、ドット径、及び形状係数の値は、ドットアナライザーによって測定したスタンプ画像内の10個のドットの測定値の平均値を用いた。ドット径、及び形状係数(ドット形状)を、以下の基準により判定した。
≪ドット径≫
○(合格):80μm以上
×(不合格):80μm未満
≪形状係数(ドット形状)≫
○(合格):2.5以下
×(不合格):2.5超
<画像濃度の評価方法>
画像濃度の評価は、ドット径及びドット形状の評価用画像の形成に用いた画像形成装置を評価機として用いて、25℃、50%RH環境下において行った。被記録媒体として普通紙(A4、PPC用紙、C2(富士ゼロックス株式会社製))を用い、記録ヘッドから、被記録媒体へ吐出するインクの量が11pL(1画素当たり)となるように10cm×10cmのベタ画像を形成した。形成画像の濃度をポータブル反射濃度計RD−19(グレタグマクベス社製)により測定し、ベタ画像内の10箇所の画像濃度の平均値を画像濃度とした。画像濃度を、以下の基準により判定した。
○(合格):画像濃度1.0以上
×(不合格):画像濃度1.0未満
<デキャップ性の評価方法>
デキャップ性の評価は、画像濃度の評価と同じ画像形成装置と被記録媒体とを用いて、32.5℃、15%RH環境下において行った。インクを記録ヘッドに充填して、パージとワイプとをセットで3度行った後、記録ヘッドにキャップをすることなく60分間放置した。なお、パージ量については記録ヘッド当たり1回につき2ccである。60分間放置後、被記録媒体に、記録ヘッドのノズル1個から吐出される1画素当たりのインクの量を11pLとなるようにして、被記録媒体の進行方向に垂直なライン画像(1ドット幅×被記録媒体の幅の長さ)を形成した。デキャップ性を、以下の基準により判定した。
○(合格):全ノズルの吐出を確認できた場合
×(不合格):インクの不吐出や、インクの吐出位置のずれ(ラインから10μm以上のずれ)が確認された場合
Figure 0005651635
表2によれば、少なくとも、水と、顔料分散体と、所定量の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含む浸透剤と、所定量の式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有する実施例1〜5のインクは、所望する径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できることが分かる。
これに対し、浸透剤として炭素原子数7のアルカンジオールである1,2−ヘプタンジオールを用いる場合、所望する径及び形状のドットを有する画像を形成しにくく、また、所望する濃度の画像を形成しにくい。これは、インクの被記媒体に対する浸透性が低いためと考えられる。
〔実施例6〜8、及び比較例2〜4〕
実施例6〜8、及び比較例2〜4では、浸透剤Bの量を調整してインクを調製した。具体的には、下記組成2の材料を撹拌機(スリーワンモーター BL−600(アズワン株式会社製))により回転数400rpmで撹拌して均一に混合した後、孔径5μmのフィルターによりろ過して、実施例6〜8、及び比較例2〜4のインクを得た。なお、界面活性剤として、下記式(12)で表される化合物である界面活性剤12を用いた。
(組成2)
製造例2で得た顔料分散体:40質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:4.5質量%
2−ピロリドン(溶解安定剤):5.0質量%
界面活性剤12:0.5質量%
浸透剤B:表3記載の量
グリセリン:15質量%
1,3−プロパンジオール:15質量%
イオン交換水:残余の量
また、実施例6〜8、及び比較例2〜4のインクについて、形成画像に含まれるドットのドット径及びドット形状、形成画像の画像濃度、並びにデキャップ性を実施例1と同様に評価した。これらの評価結果を表3に記す。
Figure 0005651635
表3によれば、少なくとも、水と、顔料分散体と、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含む浸透剤と、所定量の式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有し、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールの含有量がインクの全質量に対して0.3〜1.0質量%である、実施例6〜8のインクは、所望する径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できることが分かる。
これに対し、インク中の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールの含有量が過少である、比較例2、及び3のインクは、所望する形状のドットを形成しにくく、所望する濃度の画像を形成しにくい。これは、インクの被記録媒体に対する浸透性が低いためと考えられる。また、インク中の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールの含有量が過多である、比較例4のインクは、所望する径のドットを形成しにくく、また、所望する濃度の画像を形成しにくい。これは、インクの被記録媒体に対する浸透性が高すぎるため、被記録媒体上に着弾したインクが、急速に被記録媒体に浸透するためと考えられる。
〔実施例9〜20、及び比較例5〜17〕
実施例9〜20、及び比較例5〜17では、界面活性剤1〜19として下記式(1)〜(19)で表される化合物、界面活性剤20としてオルフィンE1010(界面活性剤、アセチレンジオールのエチレンオキシド(10モル)付加物、日信化学工業株式会社製)、及び界面活性剤21〜26として下記式(21)〜(26)で表される化合物をそれぞれ用いてインクを調製した。具体的には、下記組成3の材料を撹拌機(スリーワンモーター BL−600(アズワン株式会社製))により回転数400rpmで撹拌して均一に混合した後、孔径5μmのフィルターによりろ過して、実施例9〜20、及び比較例5〜17のインクを得た。
界面活性剤1〜19、及び21〜26は、アルカノールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが付加した化合物である。以下、表中に、界面活性剤について、アルカノールに由来するアルキル基の炭素数及び構造と、界面活性剤1分子中のエチレンオキシドの付加数n及びプロピレンオキシドの付加数mとを記載する。なお、アルカノールに由来するアルキル基が分岐鎖アルキル基である場合、式(I)で表される化合物におけるA+Bに相当する値を、表中に記載する。
(組成3)
製造例2で得た顔料分散体:40質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:4.5質量%
2−ピロリドン(溶解安定剤):5.0質量%
界面活性剤1〜26:0.5質量%
浸透剤B:0.6質量%
グリセリン:15質量%
1,3−プロパンジオール:15質量%
イオン交換水:残余の量
Figure 0005651635
Figure 0005651635
Figure 0005651635
Figure 0005651635
(A及びBは、1以上の整数であり、A+Bは、12である。)
Figure 0005651635
(A及びBは、1以上の整数であり、A+Bは、11〜12であり、nは7であり、mは2〜3である。)
Figure 0005651635
Figure 0005651635
Figure 0005651635
また、実施例9〜20、及び比較例5〜18のインクについて、形成画像に含まれるドットのドット径及びドット形状、形成画像の画像濃度、並びにデキャップ性を実施例1と同様に評価した。これらの評価結果を表4〜9に記す。
Figure 0005651635
Figure 0005651635
Figure 0005651635
Figure 0005651635
Figure 0005651635
Figure 0005651635
表4〜9によれば、少なくとも、水と、顔料分散体と、所定量の炭素原子数8又は9のアルカンジオールを含む浸透剤と、所定量の式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有する、実施例9〜20のインクは、所望する径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できることが分かる。
これに対し、A+Bが6未満である界面活性剤2を用いた比較例5のインクは、所望する径及び形状のドットを形成しにくいことが分かる。これは、インクの被記録媒体に対する濡れ性が劣るため、被記録媒体へのインクの拡散や浸透が遅いためと考えられる。
n+mが5未満である界面活性剤3を用いた比較例6のインクは、所望する径のドットを形成しにくい。これは、インクの被記録媒体に対する濡れ性が劣るため、被記録媒体表面でインクが拡散しにくいためと考えられる。
n≦mである界面活性剤8〜10、18及び19を用いた比較例7〜9、11及び12のインクは、所望する濃度の画像を形成しにくいことが分かる。また、必ずしも当てはまらないが、比較例7〜9、11及び12によれば、n≦mである界面活性剤を用いる場合、径及び形状がともに所望する程度のドットを形成しにくいことが分かる。
〔実施例21〜24、比較例19〜20、実施例25〜27、及び比較例21〜22〕
実施例21〜24、及び比較例19〜20では、界面活性剤として、式(12)で表される化合物である界面活性剤12の量を調整してインクを調製した。具体的には、下記組成4の材料を撹拌機(スリーワンモーター BL−600(アズワン株式会社製))により回転数400rpmで撹拌して均一に混合した後、孔径5μmのフィルターによりろ過して、実施例21〜24、及び比較例19〜20のインクを得た。
(組成4)
製造例2で得た顔料分散体:40質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:4.5質量%
2−ピロリドン(溶解安定剤):5.0質量%
界面活性剤12:表10記載の量
浸透剤B:0.6質量%
グリセリン:15質量%
1,3−プロパンジオール:15質量%
イオン交換水:残余の量
実施例25〜27、及び比較例21〜22では、式(1)で表される化合物である界面活性剤1の量を調整してインクを調製した。具体的には、下記組成5の材料を撹拌機(スリーワンモーター BL−600(アズワン株式会社製))により回転数400rpmで撹拌して均一に混合した後、孔径5μmのフィルターによりろ過して、実施例25〜27、及び比較例21〜22のインクを得た。
(組成5)
製造例2で得た顔料分散体:40質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:4.5質量%
2−ピロリドン(溶解安定剤):5.0質量%
界面活性剤1:表11記載の量
浸透剤B:0.6質量%
グリセリン:15質量%
1,3−プロパンジオール:15質量%
イオン交換水:残余の量
また、実施例21〜24、比較例19〜20、実施例25〜27、及び比較例21〜22のインクについて、形成画像に含まれるドットのドット径及びドット形状、形成画像の画像濃度、並びにデキャップ性を実施例1と同様に評価した。実施例21〜24、及び比較例19〜20のインクの評価結果を表10に記す。実施例25〜27、及び比較例21〜22のインクの評価結果を表11に記す。
Figure 0005651635
Figure 0005651635
表10及び11によれば、少なくとも、水と、顔料分散体と、所定量の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含む浸透剤と、所定量の式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有する実施例21〜27のインクは、所望する径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できることが分かる。
これに対し、インク中の界面活性剤の含有量が過少である、比較例19及び21のインクは、所望する径のドットを形成しにくく、また、所望する濃度の画像を形成しにくい。これは、インクの被記録媒体に対する濡れ性が劣るため、被記録媒体上でインクが速やかに拡散したり浸透したりしにくいためと考えられる。画像濃度の低下は、インクの被記録媒体への浸透速度の低下によって生じたオフセットの発生に起因すると考えられる。
また、インク中の界面活性剤の含有量が過多である、比較例20及び22のインクも、所望する径のドットを形成しにくく、また、所望する濃度の画像を形成しにくい。これは、インクの被記録媒体に対する濡れ性が高すぎることによって、インクが被記録媒体に急速に浸透することに起因すると考えられる。
〔実施例28〜29、及び比較例23〜24〕
実施例28〜29、及び比較例23〜24では、式(13)で表される化合物である界面活性剤14、式(3)で表される化合物である界面活性剤3、及び浸透剤Bのそれぞれの量を調整してインクを調製した。具体的には、下記組成6の材料を撹拌機(スリーワンモーター BL−600(アズワン株式会社製))により回転数400rpmで撹拌して均一に混合した後、孔径5μmのフィルターによりろ過して、実施例28〜29、及び比較例23〜24のインクを得た。
(組成6)
製造例2で得た顔料分散体:40質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル:4.5質量%
2−ピロリドン(溶解安定剤):5.0質量%
界面活性剤14:表12記載の量
界面活性剤3:表12記載の量
浸透剤B:表12記載の量
グリセリン:15質量%
1,3−プロパンジオール:15質量%
イオン交換水:残余の量
また、実施例28〜29、及び比較例23〜24のインクについて、形成画像に含まれるドットのドット径及びドット形状、形成画像の画像濃度、並びにデキャップ性を実施例1と同様に評価した。これらの評価結果を表12に記す。
Figure 0005651635
表12によれば、少なくとも、水と、顔料分散体と、所定量の炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含む浸透剤と、所定量の式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有する実施例28及び29のインクは、所望する径及び形状のドットを形成でき、且つ、所望する濃度の画像を形成できることが分かる。
これに対し、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含まない比較例23〜24のインクは、所望の形状のドットを形成しにくく、また、所望する濃度の画像を形成しにくい。これは、インクの被記録媒体に対する浸透性が低いためと考えられる。
2 給紙トレイ
3 給紙ローラー
4 従動ローラー
5 搬送ベルト
6 ベルト駆動ローラー
7 ベルトローラー
8 排出部
8a 排出ローラー
8b 従動ローラー
10 排紙トレイ
11C、11M、11Y、11K ラインヘッド
12a〜12p、12a’〜12p’ ノズル
20 制御部
30 検出手段
100 インクジェット記録装置
D1〜D4 ドット列(行方向)
L1〜L16 ドット列(搬送方向)
N1、N2 ノズル列
P 記録用紙

Claims (4)

  1. 少なくとも、水と、顔料分散体と、浸透剤と、下記一般式(I)で表される化合物からなる界面活性剤とを含有し、
    前記浸透剤が、炭素原子数8、又は9のアルカンジオールを含み、
    前記炭素原子数8、又は9のアルカンジオールが、1,2−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、及び2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールからなる群より選択される1以上の化合物であり、
    前記アルカンジオールの含有量が、インクの全質量に対して0.3〜1.0質量%であり、
    前記界面活性剤として、前記一般式(I)で表される化合物のみを含有し、
    前記界面活性剤の含有量が、インクの全質量に対して0.05〜1.0質量%である、インクジェット記録装置用インク。
    Figure 0005651635
    (一般式(I)中、
    は、C2A+1であり、
    はC2B+1であり、
    A及びBは、1以上の整数であり、
    A+Bは、6〜10の整数であり、
    −E−O−は、−CHCH−O−であり、
    −P−O−は、−CHCH(CH)−O−であり、
    n及びmは、正の数であり、
    n+mは、5以上であり、
    n>mであり、
    (−E−O−)、及び(−P−O−)からなる繰返し配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。)
  2. 請求項に記載のインクジェット記録装置用インクを用いて、インクジェット記録装置により画像を形成する、画像形成方法。
  3. 画像を形成する際に、被記録媒体を加熱しない、請求項に記載の画像形成方法。
  4. 前記インクジェット記録装置の記録方式がラインヘッド型の記録方式である、請求項又はに記載の画像形成方法。
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