JP5651085B2 - 異物検査装置 - Google Patents
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このような凍乾剤には製造過程で異物が混入する場合があるため、製品として出荷する前に容器に封入された状態で異物の有無を検査する異物検査が必要となる。
例えば、凍乾剤が封入された容器の外側から検査画像を撮像し、検査画像において周囲の領域と輝度が異なる点が集合した特異部(例えば、凍乾剤が高輝度(白色)の点が集合した領域として示される場合に、低輝度(黒色)の点が集合した部分)を異物と判定する異物検査の方法がある。
そこで本発明は、容器の外側表面に付着した異物と、容器に封入された固形物の商品に混入した異物と、を好適に識別できる異物検査装置を提供することを課題とする。
図1の(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る異物検査装置1は、凍結乾燥剤(以下、凍乾剤と称する)20などの固形物からなる商品を透明または半透明の容器2に封入して製品化する生産ライン(図示せず)に組み込まれている。
凍乾剤20は、溶液に溶け込んだ薬剤などの成分を凍結乾燥法等で乾燥抽出して固形物としたものであり、キャップで密封された容器2に封入された状態で製品化される。なお、容器2はガラスやアクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を素材とする透明または半透明な容器であることが好ましい。
また台座3aは、後記するように水平面内で中心軸周りに回転(自転)可能に構成されている。
なお、本実施形態においては、容器2の底部が台座3aに面するように載置されて起立した状態を容器2が正立した状態とする。そして、上下方向は、正立した容器2の底部の側を下方とする。
そして、異物検査装置1の入口部1aから出口部1bまでの間には、照明装置51と撮像装置52と制御装置53を含んで構成される検査部50が備わっている。また、符号54は後記する回転ブラシである。
なお、モータ3cへの電源は、例えば図示しないスリップリングを介して、異物検査装置1に備わる電源装置(図示せず)から供給される構成とすればよい。
また、保持杆4aは軸線を中心として回転自在にアーム部3dに支持されることが好ましい。この構成によると、台座3aに載置された容器2が台座3aの自転とともに自転するときに、容器2を押さえつけている容器保持装置4も回転し、台座3aおよび容器2の自転が妨げられない。また、容器保持装置4によって、台座3aの自転による容器2の転倒が防止される。
保持キャップ4bは、例えば、下方が水平方向に広がる平板状に形成され、保持杆4aが下方に移動したときに容器2を台座3aとの間に挟み込んで容器2を押さえつけるように構成される。
または、容器保持装置4を下方に付勢する付勢手段(図示せず)が備わる構成であってもよい。この構成の場合、付勢手段が発生する付勢力によって容器保持装置4が容器2を台座3aに押さえつける。
ラインセンサからなる撮像装置52は、台座3aの回転(自転)にともなって1回転する容器2を所定の時間間隔(例えば、100μsec)で撮像し、容器2の1回転について複数のライン状の画像データ(ライン画像データ)を取得できる。
このとき、凍乾剤20に混入した異物が容器2の内側表面に面して表面の近傍に存在していると、凍乾剤20からの白色(高輝度)の反射光が異物によって遮断され、撮像装置52が容器2を撮像して取得されるライン画像データに低輝度の部分が生じる。
そして、制御装置53は、撮像装置52から入力されるライン画像データに基づいて作成する検査画像データから、凍乾剤20による反射光が異物で遮断されることによって輝度が周囲より低く形成される黒色部を特異部として抽出したときに、容器2に異物が混入していると判定するように構成される。
図2の(a)、(b)に示すように、回転ブラシ54は、台座3aの回転軸と略平行な軸線を中心軸とする円柱形の軸部に、径方向に広がるように刷毛が植設されて形成される。
回転ブラシ54の軸部は、台座3aの回転軸と略平行な中心線を中心に、モータ54a等の回転駆動装置によって回転(自転)するように構成され、検査部50(図1の(a)参照)に搬送された容器2の外側表面に刷毛が接するように配置される。また、回転ブラシ54の軸部は容器2の高さとほぼ等しい長さ(上下方向)であることが好ましく、この構成によって、回転ブラシ54および容器2が回転したときに回転ブラシ54の刷毛が容器2の外側表面に摺接して容器2の外側に付着する異物を払いのける。なお、図2の(b)では容器保持装置4を省略している。
なお、回転ブラシ54は容器2の外側表面に付着する異物を除去する機能を有していてもよいが、異物が付着する位置を移動させる程度の機能を有するものであってもよい。
また回転ブラシ54は、刷毛の替わりに例えばゴムやスポンジからなるブレードが取り付けられている構成であってもよい。
そして、制御装置53は、検査部50で容器2の異物検査をする場合、容器2を2回転(自転)させて1回転ごとに1つの検査画像データを作成し、合計で2つの(2周分の)検査画像データを作成する。
そして制御装置53は、2つの検査画像データで異なる位置に存在する黒色部は、容器2が自転する間に回転ブラシ54によって位置が移動させられたものとし、容器2の外側表面に付着した異物と判定する。そして、このような異物は凍乾剤20に混入した異物と判定しない。
また、制御装置53は、2つの検査画像データのうちの1方にのみ存在する黒色部は、容器2の外側表面に付着した異物と判定する。
つまり、1回転目の検査画像データのみに存在する黒色部は、容器2が回転する間に回転ブラシ54によって除去された異物とし、2回転目の検査画像データのみに存在する黒色部は、容器2が回転する間に外側表面に付着した異物とする。
このような構成によって、制御装置53は、凍乾剤20に混入した異物と、容器2の表面に付着した異物と、を好適に識別できる。
なお、撮像装置52が容器2を撮像(スキャン)する時間間隔の値(100μsec)、および台座3aの回転速度の値(60rpm)は一例に過ぎずこれらの値に限定するものではない。
さらに、制御装置53は作成した2つの検査画像データから、予め設定される基準値より低い輝度の点が集合した部分(黒色部)を特異部として抽出する。
さらに、制御装置53は、2つの検査画像データPic1、Pic2における黒色部Blk1、Blk2の位置を比較する。
なお、図3に示す検査画像データPic1、Pic2では、1つの縦ラインが、上下方向にスキャンされた1つのライン画像データを模式的に示している。また、ライン画像データが配列される方向(図の左右方向)は容器2(図1の(a)参照)の周方向を示す。
また、淡色の部分が凍乾剤20を模式的に示し、濃色の部分が凍乾剤20の存在しない容器2を模式的に示している。
例えば、1回転目の検査画像データPic1における最初(1ライン目)のライン画像データに対する容器2の位置と、2回転目の検査画像データPic2における最初(1ライン目)のライン画像データに対する容器2の位置と、にズレが生じると、2つの検査画像データPic1、Pic2の撮像位置には、容器2の周方向にズレが生じることになる。
容器2(図1の(a)参照)は上下方向に静止した状態であり、撮像装置52が取得するライン画像データに、1回転目と2回転目とで上下方向の位置ズレは発生しない。したがって、制御装置53(図1の(a)参照)が、検査画像データPic1、Pic2における上下方向の違いのみを黒色部の位置の違いと判定することによって、撮像位置のズレによる黒色部の位置ズレの影響を排して黒色部の位置の違いを判定することができ、制御装置53による判定精度を向上できる。
さらに、検査部50における容器2の異物検査において、制御装置53(図1の(a)参照)は凍乾剤20(図1の(b)参照)が封入された容器2を2回転させて2つの検査画像データ(二次元画像データ)を取得して、2つの検査画像データから抽出される黒色部の位置を比較し、1回転目の検査画像データPic1(図3参照)に対して2回転目の検査画像データPic2(図3参照)で位置ずれしていない黒色部Blk1(図3参照)のみを凍乾剤20に混入した異物と判定する構成とした。
例えば、容器2の外側表面において刷毛が上方向や下方向に摺動するように回転する回転ブラシ(図示せず)であってもよい。
図4の(a)に示すように、固定ブラシ55は、容器2の上下方向に延びる基部に、容器2に向かうように延びる刷毛が植設される構成であることが好ましく、検査部50に搬送された容器2の外側表面に刷毛が接するように配設されることが好ましい。この構成によると、容器2が回転(自転)するときに固定ブラシ55の刷毛が容器2の外側表面に摺接して容器2の外側表面をクリーニングできる。
または、刷毛の替わりに、例えばゴムやスポンジからなるブレードが取り付けられる構成であってもよい。
この構成によると、容器2の外側表面に付着した異物は、ファン装置56によって吹き付けられる空気で除去または移動させられる。
また、図4の(c)に示すように、コンプレッサ57a等で圧縮された圧縮空気をノズル57bから容器2の外側表面に吹きつけるエアブロー装置57をクリーニング装置として備える検査部50であってもよい。
この構成によると、容器2の外側表面に付着した異物は、エアブロー装置57によって吹き付けられる圧縮空気で除去または移動させられる。
その他、容器2の外側表面に付着する異物を除去または移動できる構成のクリーニング装置であれば、その形態は限定されない。
例えば、ロータリエンコーダなどのセンサを使用して台座3aの1回転を判定する構成としてもよい。または、台座3aを回転駆動するモータ3c(図1の(b)参照)をステッピングモータとし、モータ3cに送信するパルスの数によって台座3aの1回転を判定する構成としてもよい。
この他、台座3aの1回転を判定する方法は限定されるものではない。
この場合、制御装置53(図1の(a)参照)は、容器2(図1の(a)参照)が1回転する間に複数枚の二次元画像データを取得するように撮像装置52に制御信号を送信する。
制御装置53は、撮像装置52が取得した二次元画像データを検査画像データとし、容器2が2回転するときに、1回転ごとに取得される複数の検査画像データにおける黒色部の位置を比較して、凍乾剤20(図1の(b)参照)に混入した異物を判定する構成とすれば、撮像装置52がラインセンサの場合と同様の効果を得ることができる。
さらに、検査ロータ3bの回転駆動とともに台座3a(図1の(a)参照)が回転(自転)する構成とすれば、撮像装置52は容器2を同期追従しながらライン画像データを取得できる。したがって、検査ロータ3bの回転駆動(公転)を停止することなく撮像装置52によって容器2のライン画像データを取得できる。
さらに、撮像装置52が所定数のライン画像データを取得した後、所定の位置まで戻って次の容器2を追従しながらライン画像データを取得する構成とすれば、複数の容器2のライン画像データを連続して取得できる。このように、撮像装置52が検査ロータ3bの回転駆動に沿って移動し、同期追従と戻りを繰り返す動作を可能な構成としてもよい。
2 容器
3 搬送装置
3a 台座
3b 検査ロータ
20 凍乾剤
50 検査部
51 照明装置
52 撮像装置
53 制御装置
54 回転ブラシ(クリーニング装置)
Blk1、Blk2 黒色部(特異部)
Pic1、Pic2 検査画像データ
Claims (3)
- 容器を載置するとともに水平面内で回転自在に設けられる台座と、
前記台座に載置されて回転する前記容器を外側から上下方向にスキャンして、前記容器を周囲に沿って一周に亘って撮像した複数のライン状の画像データを取得するラインセンサからなる撮像装置と、
前記台座に載置されて当該台座とともに回転する前記容器の外側表面をクリーニングするクリーニング装置と、
前記ライン状の画像データを時系列に沿って配列して作成する検査画像データから輝度が周囲と異なる特異部を抽出する制御装置と、を備える異物検査装置であって、
前記制御装置は、前記台座を2回転以上させて回転回数と等しい数の1回転ごとの前記検査画像データを作成し、少なくとも2つの前記検査画像データで位置が同じ前記特異部を抽出したときに、同じ位置に存在する前記特異部を異物と判定して、前記容器に異物が混入したと判定することを特徴とする異物検査装置。 - 容器を載置するとともに水平面内で回転自在に設けられる台座と、
前記台座に載置されて回転する前記容器を外側から上下方向にスキャンして、前記容器を周囲に沿って一周に亘って撮像した複数のライン状の画像データを取得するラインセンサからなる撮像装置と、
前記台座に載置されて当該台座とともに回転する前記容器の外側表面をクリーニングするクリーニング装置と、
前記ライン状の画像データを時系列に沿って配列して作成する検査画像データから輝度が周囲と異なる特異部を抽出する制御装置と、を備える異物検査装置であって、
前記制御装置は、前記台座を2回転以上させて回転回数と等しい数の1回転ごとの前記検査画像データを作成し、少なくとも2つの前記検査画像データで上下方向の位置が同じ前記特異部を抽出したときに、前記容器に異物が混入したと判定することを特徴とする異物検査装置。 - 前記クリーニング装置は、前記台座の回転軸と略平行な中心軸を中心として自転する軸部に刷毛が植設された回転ブラシであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異物検査装置。
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