JP5650465B2 - 圧延装置および圧延ロール - Google Patents
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Description
圧延ロールは摩耗したり傷ついたりすると交換されるが、従来の一般的な圧延ロールの交換は、圧延ロールをチョックと共にスタンドから取り出し、チョックを新たな圧延ロールに付け替えた後に、再度スタンドに取り付けることで行われる(例えば、特許文献1)。
この、カリバーの組み替えには以下の3種の方法が考えられる。
1)被圧延材のパスラインをカリバーの位置に合わせる方法
2)スタンドを移動させて、カリバーをパスラインの位置に合わせる方法
3)圧延ロールを反転させて組み替える方法
また、被圧延材の長さが短い場合は、スタンド間で被圧延材全体をずらして、新たなカリバーの位置に合わせることもできるが、生産性、歩留まり向上の観点から、被圧延材を長尺化する必要があり、被圧延材を短尺とすることは好ましくないという問題がある。
この圧延ロール110を圧延装置に組み込むには、まず、第1カリバー121に近い方のロールネック111に駆動側チョック131を取り付け、第2カリバー122に近い方のロールネック112に操作側チョック132を取り付ける。駆動側チョック131とは圧延ロール110に回転力を供給する駆動部と連結する方のロールネックに取り付けられるチョックであり、操作側チョック132とは駆動部とは逆側のロールネックに取り付けられるチョックである。
スタンドはその中心Cが、被圧延材が通るパスラインPより操作側(図9における左方向)にずれて設置されており、圧延ロール110を取り付けると第1カリバー121(図9における網掛部分)がパスラインPと同位置になるようになっている。そのため、第1カリバー121で圧延作業ができるようになる。
より詳細には、図10に示すように、まず圧延ロール110をチョック131,132と共にスタンドから抜き出し、チョック131,132を圧延ロール110から取り外し、圧延ロール110を反転した後にチョック131,132を取り付ける。つまり、ロールネック112に駆動側チョック131を取り付け、ロールネック111に操作側チョック132を取り付ける。そして、再度スタンドに取り付ける。
このようにすれば、今度は第2カリバー122がパスラインPと同位置になり、第2カリバー122で圧延作業ができるようになる。なお、第1カリバー121(図10における網掛部分)は、パスラインPから外れた位置となる。
また、圧延ロール110を反転して使用するので、駆動部との連結部114を両方のロールネック111,112の端部に設ける必要があり、圧延ロール110の製作コストが高くなるという問題がある。
第2発明の圧延装置は、パスライン上に複数のスタンドが並べられた圧延装置であって、前記複数のスタンドのうちの、一の上流側垂直スタンドに対応する上流用カリバーと、他の一の下流側垂直スタンドに対応する下流用カリバーとが成形された圧延ロールを備え、前記上流側垂直スタンドと前記下流側垂直スタンドは、共通の前記圧延ロールを取り付け可能であり、前記上流側垂直スタンドは、前記圧延ロールを取り付けたときに前記上流用カリバーが前記パスラインと同位置となるように設置されており、前記下流側垂直スタンドは、前記圧延ロールを取り付けたときに前記下流用カリバーが前記パスラインと同位置となるように前記上流側垂直スタンドに対して垂直方向にずれて設置されていることを特徴とする。
れた圧延ロールと下流側水平スタンドに取り付けられた圧延ロールとを交換するだけでよ
く、反転させる必要がない。そのため、チョックを付け替える必要がなく、作業が容易で
ある。また、片方のロールネックの端部に駆動部との連結部を設ければよいので、圧延ロ
ールの製作コストが安い。
第2発明によれば、圧延ロールの組み替えの際には、上流側垂直スタンドに取り付けら
れた圧延ロールと下流側垂直スタンドに取り付けられた圧延ロールとを交換するだけでよ
く、反転させる必要がない。そのため、チョックを付け替える必要がなく、作業が容易で
ある。また、片方のロールネックの端部に駆動部との連結部を設ければよいので、圧延ロ
ールの製作コストが安い。
図7に示すように、本発明の一実施形態に係る圧延装置1は、断面形状角型の被圧延材Bを圧延するものであって、パスラインP上に6つのスタンドが並べられた6スタンド式圧延装置1である。パスラインPの上流から第1〜第6スタンドS1〜S6まで並べられている。第1,第3,第5スタンドS1,S3,S5は、圧延ロールが水平に取り付けられる水平スタンドであり、第2,第4,第6スタンドS2,S4,S6は、圧延ロールが垂直に取り付けられる垂直スタンドである。すなわち、水平スタンドと垂直スタンドが交互に並べられている。
本明細書、および特許請求の範囲に記載の「スタンドに対応するカリバー」とは、そのスタンドの目的とする圧延寸法と同一の寸法を有するカリバーを意味する。
第3、第5スタンドS3,S5に取り付けられる圧延ロール10cは、一本の圧延ロール10cの胴部に2条のカリバーが、圧延ロール10cの回転軸方向に所定間隔で並んで成形されており、一方は第3スタンドS3に対応する圧延寸法を有するカリバー23、他方は第5スタンドS5に対応する圧延寸法を有するカリバー25である。そして、第4、第6スタンドS4,S6に取り付けられる圧延ロール10dも、一本の圧延ロール10dの胴部に2条のカリバーが、圧延ロール10dの回転軸方向に所定間隔で並んで成形されており、一方は第4スタンドS4に対応する圧延寸法を有するカリバー24、他方は第6スタンドS6に対応する圧延寸法を有するカリバー26である。
すなわち、第3、第5スタンドS3,S5は共通の形状を有しており、共通の圧延ロール10cを取り付けられる供用スタンドとなっている。第4、第6スタンドS4,S6も共通の形状を有しており、共通の圧延ロール10dを取り付けられる供用スタンドとなっている。
圧延ロール10cは、1本の圧延ロール10cの胴部13に第1カリバー23と第2カリバー25が成形されている。第1カリバー23は第3スタンドS3に対応する圧延寸法を有するカリバーであり、第2カリバー25は第5スタンドS5に対応する圧延寸法を有するカリバーである。そのため、第1カリバー23より第2カリバー25の方が、寸法が小さい。
なお、第3スタンドS3,第5スタンドS5,第1カリバー23,第2カリバー25は、それぞれ特許請求の範囲に記載の「上流側水平スタンド」,「下流側水平スタンド」,「上流用カリバー」,「下流用カリバー」に対応する。
なお、各スタンドS3,S5には、一対の圧延ロール10cが取り付けられており、被圧延材Bは、一対の圧延ロール10cのカリバーに挟まれてパスラインPを通過するようになっている。
一方、第5スタンドS5(図示せず)はその中心C5が、パスラインPより駆動側(圧延ロール10cの回転軸方向であって、図1における右方向)にずれて設置されており、圧延ロール10cを取り付けると第2カリバー25(図1(S5)における網掛部分)がパスラインPと同位置になるようになっている。そのため、第5スタンドS5に対応する圧延寸法を有する第2カリバー25で圧延作業ができるようになる。
このようにすれば、第5スタンドS5において未使用であった第1カリバー23を第3スタンドS3で使用できるようになり、第3スタンドS3において未使用であった第2カリバー25を第5スタンドS5で使用できるようになる。すなわち、組み替え作業前(図1)では使用されていなかった第1カリバー23と第2カリバー25がパスラインP上に位置することになる。
なお、第3スタンドS3において使用済みとなった第1カリバー23(図2(S5)における網掛部分)と、第5スタンドS5において使用済みとなった第2カリバー25(図2(S3)における網掛部分)は、パスラインPから外れた位置となる。
また、圧延ロール10cを反転しないから、片方のロールネック11の端部に駆動部との連結部14を設ければよいので、圧延ロールの製作コストが安い。
そして、圧延ロール10cは、一方のカリバーが磨耗したり傷ついたりしても、他方のカリバーに対応するスタンドに組み替えることで、そのカリバーで圧延作業を行うことができるので、圧延ロールの寿命が長くなる。
圧延ロール10dは、1本の圧延ロール10dの胴部13に第1カリバー24と第2カリバー26が成形されている。第1カリバー24は第4スタンドS4に対応する圧延寸法を有するカリバーであり、第2カリバー26は第6スタンドS6に対応する圧延寸法を有するカリバーである。そのため、第1カリバー24より第2カリバー26の方が、寸法が小さい。
その余の構成は、圧延ロール10cと同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
なお、第4スタンドS4,第6スタンドS6,第1カリバー24,第2カリバー26は、それぞれ特許請求の範囲に記載の「上流側垂直スタンド」,「下流側垂直スタンド」,「上流用カリバー」,「下流用カリバー」に対応する。
一方、第6スタンドS6(図示せず)はその中心が、パスラインPより駆動側(圧延ロール10dの回転軸方向であって、図3における上方向)にずれて設置されており、圧延ロール10dを取り付けると第2カリバー26(図3(S6)における網掛部分)がパスラインPと同位置になるようになっている。そのため、第6スタンドS6に対応する圧延寸法を有する第2カリバー26で圧延作業ができるようになる。
このようにすれば、第6スタンドS6において未使用であった第1カリバー24を第4スタンドS4で使用できるようになり、第4スタンドS4において未使用であった第2カリバー26を第6スタンドS6で使用できるようになる。すなわち、組み替え作業前(図3)では使用されていなかった第1カリバー24と第2カリバー26がパスラインP上に位置することになる。
なお、第4スタンドS4において使用済みとなった第1カリバー24(図4(S6)における網掛部分)と、第6スタンドS6において使用済みとなった第2カリバー26(図4(S4)における網掛部分)は、パスラインPから外れた位置となる。
このように、水平スタンドのみならず、垂直スタンドにも本発明を適用できる。
上記実施形態では、図5(A)に示すように、供用スタンドである第3,第5タンドS3,S5は、その中心C3,C5がパスラインPに対してずれて設置されており、共通の圧延ロール10cは第3,第5タンドS3,S5の中心に取り付けられている。これにより、第3スタンドS3に取り付けられた圧延ロール10cの第1カリバー23と、第5スタンドS5に取り付けられた圧延ロール10cの第2カリバー25とで圧延作業ができるようになっている。
これに代えて、図5(B)に示すように、供用スタンドである第3,第5タンドS3,S5は、その中心C3,C5がパスラインPと一致するように設置し、共通の圧延ロール10cが第3,第5タンドS3,S5の中でパスラインPに対してずれて取り付けられるようにしてもよい。より詳細には、第3タンドS3に取り付けられた圧延ロール10cは、第5タンドS5に取り付けられた圧延ロール10cに対して、圧延ロール10cの回転軸方向に、第1カリバー23と第2カリバー24との間隔と同じ間隔ずれて取り付けられている。
このようにしても、第3スタンドS3に取り付けられた圧延ロール10cの第1カリバー23と、第5スタンドS5に取り付けられた圧延ロール10cの第2カリバー25とで圧延作業ができる。
例えば、図6に示すように、圧延ロール10eは、1本の圧延ロール10eの胴部13に3つの第1,第2,第3カリバー23,24,25が成形されている。第1カリバー23は第3スタンドS3に対応する圧延寸法を有するカリバーであり、第2カリバー24は第4スタンドS4に対応する圧延寸法を有するカリバーであり、第3カリバー25は第5スタンドS5に対応する圧延寸法を有するカリバーである。
そして、第3、第4、第5スタンドS3,S4,S5は共通の形状を有しており、共通の圧延ロール10eを取り付けられる供用スタンドとなっている。
さらに、カリバーの形状は断面形状角型の被圧延材を圧延するものに限られず、断面形状丸形や楕円形の被圧延材を圧延するもの等、その他の形状とすることができる。
11,12 ロールネック
13 胴部
14 連結部
21,22,23,24,25,26 カリバー
31 駆動側チョック
32 操作側チョック
Claims (2)
- パスライン上に複数のスタンドが並べられた圧延装置であって、
前記複数のスタンドのうちの、一の上流側水平スタンドに対応する上流用カリバーと、他の一の下流側水平スタンドに対応する下流用カリバーとが成形された圧延ロールを備え、
前記上流側水平スタンドと前記下流側水平スタンドは、共通の前記圧延ロールを取り付け可能であり、
前記上流側水平スタンドは、前記圧延ロールを取り付けたときに前記上流用カリバーが前記パスラインと同位置となるように設置されており、
前記下流側水平スタンドは、前記圧延ロールを取り付けたときに前記下流用カリバーが前記パスラインと同位置となるように前記上流側水平スタンドに対して水平方向にずれて設置されていることを特徴とする圧延装置。 - パスライン上に複数のスタンドが並べられた圧延装置であって、
前記複数のスタンドのうちの、一の上流側垂直スタンドに対応する上流用カリバーと、他の一の下流側垂直スタンドに対応する下流用カリバーとが成形された圧延ロールを備え、
前記上流側垂直スタンドと前記下流側垂直スタンドは、共通の前記圧延ロールを取り付け可能であり、
前記上流側垂直スタンドは、前記圧延ロールを取り付けたときに前記上流用カリバーが前記パスラインと同位置となるように設置されており、
前記下流側垂直スタンドは、前記圧延ロールを取り付けたときに前記下流用カリバーが前記パスラインと同位置となるように前記上流側垂直スタンドに対して垂直方向にずれて設置されていることを特徴とする圧延装置。
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JP2010189824A JP5650465B2 (ja) | 2010-08-26 | 2010-08-26 | 圧延装置および圧延ロール |
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