JP5649014B1 - 船舶の航行速度を決定するための装置、プログラム、記録媒体および方法 - Google Patents

船舶の航行速度を決定するための装置、プログラム、記録媒体および方法 Download PDF

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Abstract

船舶の航行において、燃料消費量が閾値を超えないように船舶の航行を管理する手段を提供する。そのため、航行速度決定サーバ装置12は、船舶の航行中に、所定時間の経過毎に、船舶端末装置11から受信する航行ログデータと、気象海象予報データ配信サーバ装置13から受信する気象海象予報データと、予め記憶している事例データに基づき、船舶が出発地点から現在地点までの航行に実際に使用した燃料消費量を全航行に関し予め計画された燃料消費量から減じた量を、現在地点から目的地点までの航行に使用すると予測される燃料の消費量が超えないような船速を決定する。航行速度決定サーバ装置12が決定した船速を示す目標航行速度データは船舶端末装置11に送信される。目標航行速度データが示す船速で船舶が航行を行えば、航行の完了時に全航行に実際に使用した燃料の消費量が、予め計画された燃料消費量を超えることはない。

Description

本発明は、船舶の航行速度を決定するための技術に関する。
船舶の航行速度(例えば、対地船速)は、船舶が航行中に遭遇する気象、海象に関する環境(風速、風向、波高、潮流等)に左右される。従って、例えば船舶のプロペラを駆動する駆動装置(エンジン等)の出力を一定、もしくは対水船速一定、という同一条件で同じ航路上を同じ船舶が同じ積荷の状態で航行したとしても、その船舶が航行に要する時間は必ずしも同一ではない。
従って、船舶が目的地点に目的時刻に到着するためには、船舶の操船者が航路上で遭遇する気象、海象に関する環境に応じて、船舶の速度を調整しつつ航行を行う必要がある。そのため、操船者が遭遇する気象、海象の認識を誤ると、船舶が目的地点に目的時刻に到着しなかったり、目的時刻よりかなり早く目的地点に到着してしまい、港の沖において長時間にわたり停泊を余儀なくされたりすることがある。
上記のような不都合を回避するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、船舶が予定到着時刻に目的地に到着し、かつ航路を構成する複数の区間の各々に関し予測される速度の潮流に対し対水船速がいずれの区間に関しても一定となる、という条件を満たす各区間の船速を、連立方程式を解くことにより算出し、算出した船速で船舶が航行するように、船舶の翼角を自動制御する仕組みが提案されている。
特開2004−025914号公報
船舶の航行に要する燃料の消費量は、船舶の航行速度(船速)の配分により変化する。例えば、同じ船舶が同じ航路を同じ時間で航行する場合であっても、全行程において船速一定で航行を行った場合と、前半は高速で航行し後半は低速で航行した場合とでは、一般的に後者の方が燃料消費量が大きくなる。
従って、従来のように予定到着時刻に目的地点に到着する、という条件のみを満たすように船舶の航行速度が決定されると、燃料消費量が予定より嵩んでしまう、という不都合が生じ得る。特に近年の原油価格の高騰に伴い、燃料消費量が予定より嵩んでしまうことは、船舶の航行を行う事業者にとって、経営上の深刻な問題をもたらす場合がある。
このような事情に鑑み、本発明は、船舶の航行において、燃料消費量が予め計画された値を超えないように船舶の航行を管理することを可能とする手段の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得する手段と、前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得する手段と、前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得する手段と、前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定する手段とを備える装置を提供する。
上記の装置において、前記航行速度を決定する手段は、前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う航行に関し予測される燃料消費量を複数の航行速度の各々に関して特定し、当該特定した燃料消費量のうち前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量を超えない燃料消費量をもたらす航行速度を前記船舶の現在地点から前記目的地点までの目標航行速度として決定する、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記航行速度を決定する手段は、複数の環境の各々に関し当該環境下で前記船舶が複数の航行速度の各々に関し当該航行速度で行う航行に関する燃料消費量を示す環境毎速度毎燃料消費量データを記憶し、前記航行速度を決定する手段は、前記環境毎速度毎燃料消費量データに基づき、前記環境データが示す環境下において前記船舶が行う航行に関し予測される燃料消費量を、複数の航行速度の各々に関して特定する、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記航行速度を決定する手段は、前記使用済み燃料消費量データに基づき、前記予測される燃料消費量を特定する、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記航行速度を決定する手段は、前記船舶の現在地点から前記目的地点に至る航路を区分して得られる2以上の区間航路の各々に航行速度を割り当て、前記船舶が前記2以上の区間航路の各々を当該区間航路に割り当てた航行速度で行う航行に関する予測される燃料消費量の合計値を現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量として特定する、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記環境データは異なるタイミングの各々に関する気象または海象の環境を示し、前記航行速度を決定する手段は、前記2以上の区間航路の各々に関し当該区間航路に割り当てた航行速度で航行を行った場合に前記2以上の区間航路の各々を前記船舶が航行するタイミングに関し前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う航行に関する予測される燃料消費量の合計値を現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量として特定する、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記航行速度を決定する手段は、前記2以上の区間航路の各々に関し当該区間航路の航行速度を所定の規則で定まる量だけ変化させた場合の前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関する燃料消費量を予測し、当該予測した当該燃料消費量のうち最小の燃料消費量をもたらす航行速度を採用する処理を1以上行うことにより、現在地点から前記目的地点までの目標航行速度を決定する、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記航行速度を決定する手段は、前記船舶の現在地点から前記目的地点までの目標航行速度として、前記船舶が航行に用いるプロペラの回転数により示される航行速度を決定する、という構成が採用されてもよい。
また、上記の装置において、前記航行速度を決定する手段は、前記船舶の現在地点から前記目的地点までの目標航行速度として、前記船舶が航行に用いるプロペラの翼角により示される航行速度を決定する、という構成が採用されてもよい。
また、本発明は、コンピュータに、出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得する処理と、前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得する処理と、前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料の消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得する処理と、前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定する処理とを実行させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、コンピュータに、出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得する処理と、前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得する処理と、前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料の消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得する処理と、前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定する処理とを実行させるためのプログラムを持続的に記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
また、本発明は、装置が、出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得するステップと、前記装置が、前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得するステップと、前記装置が、前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料の消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得するステップと、前記装置が、前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定するステップとを備える方法を提供する。
本発明によれば、船舶の航行において、船舶が現在地点から目的地点に至る航行において使用すると予測される燃料の消費量が、船舶が遭遇すると予測される気象、海象に関する環境に応じて特定され、当該既に使用した燃料の消費量と、特定した将来使用すると予測される燃料の消費量の合計が、全航行において計画された燃料消費量を超えないように、船舶の目標速度が決定される。船舶が目標速度で航行を行えば、実際に使用される燃料の消費量が、計画された燃料消費量(閾値)を超えることはない。
本発明の一実施形態にかかる船速決定システムの全体構成を示した図である。 本発明の一実施形態にかかる船舶端末装置、航行速度決定サーバ装置および気象海象予報データ配信サーバ装置のハードウェア構成を示した図である。 本発明の一実施形態にかかる船舶端末装置の機能構成を示した図である。 本発明の一実施形態にかかる航行速度決定サーバ装置の機能構成を示した図である。 本発明の一実施形態にかかる事例DBのデータ構成を示した図である。 本発明の一実施形態にかかる船速決定システムが船舶の航行開始前に実行する処理のフローを示した図である。 本発明の一実施形態にかかる船速決定システムにおいて目標航行速度の決定に用いられるレグと各レグに応じた船速等の関係を示した図である。 本発明の一実施形態にかかる船舶端末装置がディスプレイに表示させる画面例を示した図である。 本発明の一実施形態にかかる船速決定システムが船舶の航行中に実行する処理のフローを示した図である。 本発明の一実施形態にかかる船速決定システムにおいて決定される目標航行速度に従い船舶が航行する際の時間と燃料消費量との関係を示した図である。
[1.実施形態]
以下に本発明の一実施形態にかかる船速決定システム1を説明する。船速決定システム1は、船舶の航行開始時および航行中において、出発地点から目的地点に到着するまでに使用する燃料の消費量が予めその航行に対し計画された燃料消費量以下となるように、船舶の操船者に対し望ましい船速(航行速度)を継続的に通知するシステムである。
[1.1.構成]
まず、船速決定システム1の構成を説明する。図1は、船速決定システム1の全体構成を模式的に示した図である。船速決定システム1は、まず、船舶9に搭載され、船舶9の操船者に操作される船舶端末装置11を備えている。なお、船舶9は、出発地点Sから目的地点Eに至る航路上を航行する。
また、船速決定システム1は、通信衛星8を介して船舶端末装置11との間で無線によるデータ通信を行い、船舶端末装置11に対し船舶9の望ましい航行速度(以下、「目標航行速度」という)を示すデータである目標航行速度データを送信する航行速度決定サーバ装置12を備えている。目標航行速度は、船舶9がその速度で航行を続ける限り、出発地点Sから目的地点Eに至る航行の全行程において使用される燃料の消費量が、その航行において予め計画された燃料消費量(以下、「計画燃料消費量」という)を超えない、と予測される速度である。目標航行速度の決定方法については後述する動作の説明において述べる。
さらに、船速決定システム1は、航行速度決定サーバ装置12に対し、気象海象予報データ(環境データの役割を果たす)を配信する気象海象予報データ配信サーバ装置13を備えている。気象海象予報データは、船舶9の航路上において船舶9の航行期間の様々なタイミングに関し予測される気象、海象に関するデータであり、世界各地の気象、海象の予報を行う事業者により提供されるデータである。
船舶端末装置11、航行速度決定サーバ装置12および気象海象予報データ配信サーバ装置13は、通信ネットワークを介して他の情報処理装置との間でデータ通信を行う通信手段を備えた一般的なコンピュータである。すなわち、船舶端末装置11、航行速度決定サーバ装置12および気象海象予報データ配信サーバ装置13は各々、図2に示すように、プログラムに従い各種データ処理を行うCPU101、BIOS等の基本的なプログラムを記憶するROM102、データを一時的に記憶しCPU101が作業領域として利用するRAM103、OSやアプリケーションプログラム等のプログラムやその他の各種データを記憶するHDD104、他の情報処理装置との間でデータ通信を行う通信IF(InterFace)105、ディスプレイやキーボード等の外部機器との間で各種データの入出力を行う入出力IF106を備えている。
図3は、船舶端末装置11の機能構成を模式的に示した図である。すなわち、船舶端末装置11は、船舶端末装置11のHDD104に記憶されているアプリケーションプログラムに従う処理を実行することにより、図3に示す機能構成部を備える装置として機能する。
船舶端末装置11は、機能構成部として、まず、船舶9が備えるセンサ群91から航行ログデータを受信する航行ログデータ受信手段111を備えている。航行ログデータとは、船舶9が出発地点Sから船舶9の現在地点(以下、「現在地点K」という)に至る航行において実際に遭遇した風等の気象や波等の海象に関する環境や、船舶9が実際に航行した航路等を示すデータである。より具体的には、航行ログデータには、船舶9の現在位置を示すデータ、対地船速や対水船速を示すデータ、風向や風速を示すデータ、波高や波向、波周期を示すデータ、船舶9の船首の方角を示すデータ、プロペラ回転数を示すデータ、燃料消費量(燃料流量)を示すデータ等が含まれる。
センサ群91は、上記の航行ログデータを生成するために、船舶9に設けられた各種センサの集まりである。センサ群91は、例えば、船舶9の現在位置を計測するGPS、船舶9の対水船速を計測する対水船速センサ、風向や風速を計測する風センサ、波高や波向、波周期を計測する波センサ、船舶9の船首の方角を計測する方位センサ、燃料消費量を計測する燃料流量センサ等で構成されている。
また、船舶端末装置11は、機能構成部として、航行ログデータ受信手段111がセンサ群91から受信した航行ログデータを航行速度決定サーバ装置12に送信する航行ログデータ送信手段112と、航行ログデータ送信手段112の送信に応じて航行速度決定サーバ装置12から送信されてくる目標航行速度データを受信する目標航行速度データ受信手段113と、目標航行速度データ受信手段113が受信した目標航行速度データにより示される目標航行速度を船舶9の操船者に対し通知する通知手段114を備えている。
図4は、航行速度決定サーバ装置12の機能構成を模式的に示した図である。すなわち、航行速度決定サーバ装置12は、航行速度決定サーバ装置12のHDD104に記憶されているアプリケーションプログラムに従う処理を実行することにより、図4に示す機能構成部を備える装置として機能する。
航行速度決定サーバ装置12は、機能構成部として、航行パラメータを受け取る航行パラメータ取得手段121(計画燃料消費量データを取得する手段の役割を果たす)を備えている。航行パラメータとは、船舶9の航行中において基本的に変化しないデータであり、具体的には、船舶9の航路を示す航路データ、出発時刻を示す出発時刻データ、目標到着時刻を示す目標到着時刻データ、及び計画燃料消費量を示す計画燃料消費量データ等の人為的に決定されたパラメータと、船舶9の喫水を示す喫水データ、船舶9のトリム(前後方向の傾き)を示すトリムデータ、船体汚れの程度を示すデータ、プロペラ汚れの程度を示すデータ等の船舶9の状態を示すパラメータ(性能変化をもたらすパラメータ)、及びプロペラ回転数を示すデータで構成されている。
なお、喫水データおよびトリムデータは、例えば船舶9に対する荷積みが完了した時点で、操船者等が船体を目視して特定し船舶端末装置11に入力したデータ、もしくはセンサ群91に含まれるトリムセンサ等が計測により特定し船舶端末装置11に送信したデータである。喫水データおよびトリムデータは、航行の開始前に、例えば通信衛星8を介して船舶端末装置11から目標速度決定サーバ装置12に送信される。航行パラメータのうち、航路データ等の人為的に決定されるパラメータを示すデータは、船舶9の航行を管理する陸の運航担当者により決定され、航行速度決定サーバ装置12に対し直接入力される。また、航行パラメータのうち、船体汚れの程度を示すデータ等の船舶9の状態を示すデータは、例えば陸の運航担当者により船舶9の使用年数等に基づき推定され、航行速度決定サーバ装置12に対し直接入力される。
また、航行速度決定サーバ装置12は、機能構成部として、気象海象予報データ配信サーバ装置13から気象海象予報データを受信する気象海象予報データ受信手段122(環境データを取得する手段の役割を果たす)と、船舶端末装置11から送信されてくる航行ログデータを受信する航行ログデータ受信手段123(使用済み燃料消費量データを取得する手段の役割を果たす)を備えている。さらに、航行速度決定サーバ装置12は、航行パラメータ、航行ログデータおよび気象海象予報データに基づき、目標航行速度を決定し目標航行速度データを生成する目標航行速度決定手段124(航行速度を決定する手段の役割を果たす)と、目標航行速度データを船舶端末装置11に送信する目標航行速度データ送信手段125を備えている。
航行速度決定サーバ装置12の目標航行速度決定手段124は記憶手段1241を有し、様々な条件下における船舶9の燃費を示す事例データ(環境毎速度毎燃料消費量データの役割を果たす)を格納するデータベースである事例DB(DataBase)を記憶手段1241に記憶している。図5は、事例DBのデータ構成を示した図である。事例DBに格納される事例データは、船舶9の航行における条件を示すパラメータとして、風向、風速、波高、波向、波周期、潮速、潮向、喫水、トリム、船体汚れの程度、プロペラ汚れの程度、プロペラ回転数及び対地船速の値を各々格納するデータフィールドと、それらのパラメータが示す条件下において船舶9が航行を行った際の燃費を格納するデータフィールドを有している。
事例DBに格納されている事例データは各々、例えばコンピュータ内に構築された船舶9の物理シミュレーションモデル(既知の技術であるため、その説明を省略)に対し、風向〜対地船速に示されるパラメータを入力し、コンピュータにより算出された燃費を記録することにより生成したデータである。
[1.2.動作]
続いて、船速決定システム1の動作を説明する。図6は、船速決定システム1が、船舶9の航行の開始前に目標航行速度の決定のために実行する処理のフローを示した図である。航行の開始前における船速決定システム1の処理は、例えば、陸の運航担当者による航行速度決定サーバ装置12に対する航行パラメータの入力をトリガとして開始される。陸の運航担当者により、航行速度決定サーバ装置12に対する航行パラメータの入力が行われ、航行速度決定サーバ装置12による航行パラメータの取得が行われると(S001)、航行速度決定サーバ装置12は気象海象予報データの送信を指示する要求データを生成し、気象海象予報データ配信サーバ装置13に送信する(S002)。この要求データは、航行パラメータに含まれる航路データを含んでいる。
気象海象予報データ配信サーバ装置13は、航行速度決定サーバ装置12から受信した要求データに含まれる航路データが示す航路が通過する領域の各々に関する最新の気象海象予報データを航行速度決定サーバ装置12に送信する(S003)。
航行速度決定サーバ装置12の目標航行速度決定手段124は、気象海象予報データ配信サーバ装置13から送信されてきた気象海象予報データを取得すると、目標航行速度の決定のための一連の処理を開始する。目標航行速度決定手段124は、目標航行速度の決定において、出発地点Sから目的地点Eに至る航路をn個に区分した区間(以下、「レグ」という)の各々に対し船速を設定し、設定した船速に応じて船舶9による航行が行われた場合の燃料消費量の予測値を算出する。以下、航行の方向における第i番目(iは1≦i≦nである自然数)のレグをレグ(i)のように呼ぶ。
なお、航路上における各レグの端点(始点、終点)は、船の操船者または陸の運航担当者により決定され、航行速度決定サーバ装置12に入力される航路データには、各レグの端点を示すデータが含まれている。
図7は、レグと、各レグに応じた船速等の関係を示した図である。以下、図6と図7の両方を参照しつつ、目標航行速度決定手段124による目標航行速度の決定のための一連の処理を説明する。まず、レグ(1)〜レグ(n)の各々の距離l〜lは、航路データに含まれる各レグの端点を示すデータにより特定される固定値である。
目標航行速度決定手段124が最終的に特定したい目標航行速度は、船舶9がレグ(1)〜レグ(n)の各々を航行する際の望ましい船速(対地船速)v〜v(以下、「船速群(v〜v)のようにいう)である。この場合、望ましい船速群v〜vとは、航行において使用する燃料の消費量が、計画燃料消費量を超えないような船速群v〜vである。
目標航行速度決定手段124は、まず、以下の条件を満たす速度v〜vを仮目標航行速度の初期値として設定する(S004)。仮目標航行速度とは、目標航行速度の候補となる速度群である。
(条件1)予測到着時刻(後述のt)が目標到着時刻と一致する。
(条件2)仮目標航行速度v〜vが一定。(すなわち、v=v=・・・=v
上記の条件1および2を満たす仮目標航行速度v〜vは、v=v=・・・=v=(総航行距離)/(目標到着時刻−出発時刻)により算出される。
続いて、目標航行速度決定手段124は、レグ(1)〜(n)の各々の航行時間T〜Tを、以下の式に従い算出する。
Figure 0005649014

(ただし、iは1≦i≦nの任意の自然数)
続いて、目標航行速度決定手段124は、レグ(1)〜レグ(n)の各々の終点に船舶9が到着する時刻t〜tの予測値を以下の式に従い算出する。
Figure 0005649014

(ただし、時刻tは船舶9が出発地点Sを出発する時刻)
続いて、目標航行速度決定手段124は、気象海象予報データに基づき、船舶9がレグ(1)〜レグ(n)の各々を航行するタイミングで遭遇すると予測される気象、海象に関する条件を示すパラメータを特定する。気象、海象に関する条件を示すパラメータとは、具体的には、風向、風速、波高、波向、波周期、潮速、潮向を示す値である。以下、レグ(i)に関し特定されるこれらのパラメータ群をパラメータ群Eとする。
なお、気象海象予報データが風向等のパラメータを示す対象の領域とレグとは、必ずしも一致しない。すなわち、気象海象予報データが示すパラメータは、複数のレグをまたがる領域に関する風向等の値を示す場合がある。換言すると、1つのレグに複数の風向等のパラメータが与えられる場合がある。その場合、目標航行速度決定手段124は、各パラメータに応じた領域がレグを占める割合に応じて、それら2以上のパラメータの値を加重平均することにより、そのレグに応じたパラメータを特定する。
続いて、目標航行速度決定手段124は、事例DB(図5)に基づき、船舶9がレグ(i)を航行する際に使用する燃料の燃費eを特定する。より具体的には、航行パラメータに含まれる喫水を示すデータおよびトリムを示すデータをパラメータ群S、船体汚れの程度を示すデータ及びプロペラ汚れの程度を示すデータをパラメータ群Dとする場合、目標航行速度決定手段124は事例DBに含まれる事例データの中から、風向〜潮向のデータの各々がパラメータ群Eの近傍であり(パラメータ群Eが示す値を中値とする所定幅の範囲内の値を取り)、喫水およびトリムのデータの各々がパラメータ群Sの近傍であり(パラメータ群Sが示す値を中値とする所定幅の範囲内の値を取り)、かつ、船体汚れ及びプロペラ汚れの程度を示すデータの各々がパラメータ群Dの近傍である(パラメータ群Dが示す値を中値とする所定幅の範囲内の値を取る)事例データを抽出し、抽出した複数の事例データの燃費に既知の内挿処理を施すことにより燃費eの特定を行う。
続いて、目標航行速度決定手段124は、レグ(1)〜レグ(n)の各々を仮目標航行速度v〜vで航行した場合に各レグで使用されると予測される燃料の消費量であるレグ毎予測使用燃料消費量f〜fを以下の式に従い算出する。
Figure 0005649014
続いて、目標航行速度決定手段124は、現在地点K(この場合、出発地点S)から目的地点Eに至る航路を船舶9が仮目標航行速度v〜vで航行した場合に使用されると予測される燃料の消費量である仮予測使用燃料消費量Fを以下の式に従い算出する(S005)。
Figure 0005649014
以上のように、目標航行速度決定手段124は仮目標航行速度に従い船舶9が航行を行った場合の仮予測使用燃料消費量Fを算出すると、続いて、算出した仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAX以下であるか否かを判定する(S006)。なお、計画燃料消費量FMAXは、航行パラメータに含まれる計画燃料消費量データにより示される値である。
ステップS006の判定において、仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAXを超える場合(S006;No)、目標航行速度決定手段124は現在の仮目標航行速度v〜vの中の1つの船速vを順次選択し、選択した船速vを所定比率だけ減少(または、所定量だけ減少のように所定の規則で定まる量だけ変化)させた場合の仮予測使用燃料消費量Fを算出し、算出したn個の仮予測使用燃料消費量Fのうち最小のものを特定する。
より具体的には、まず、目標航行速度決定手段124は変数iに1を代入する(S007)。続いて、目標航行速度決定手段124はvに所定の定数c(c<1)を乗じる(S008)。続いて、目標航行速度決定手段124は、ステップS008において定数cを乗じたvを含む仮目標航行速度v〜vに応じた仮予測使用燃料消費量F(i)を算出する(S009)。なお、ステップS009における仮予測使用燃料消費量F(i)の算出の手順は、上述したステップS005における仮予測使用燃料消費量Fの算出の手順と同様である。
続いて、目標航行速度決定手段124は、ステップS009において算出した仮予測使用燃料消費量F(i)を記憶手段1241に一時的に記憶し(S010)、先に定数cを乗じたvを元の値に戻すために、vを定数cで除する(S011)。続いて、目標航行速度決定手段124は現在のiがnであるか否かを判定する(S012)。現在のiがnでない場合(S012;No)、目標航行速度決定手段124はiに1を加算した後(S013)、ステップS008〜S012の処理を繰り返す。これにより、記憶手段1241には、仮予測使用燃料消費量F(1)〜仮予測使用燃料消費量F(n)が一時的に記憶されることになる。
続いて、記憶手段1241は、仮予測使用燃料消費量F(1)〜仮予測使用燃料消費量F(n)の中から最小値をとる仮予測使用燃料消費量F(j)(ただし、jは1≦j≦nである任意の自然数)を特定する(S014)。続いて、目標航行速度決定手段124は、先にS011で元の値に戻されているvを、最小値をとった仮予測使用燃料消費量F(j)の算出に用いられたvに再度戻すために、vに定数cを乗じる(S015)。その後、目標航行速度決定手段124は、ステップS014で特定した仮予測使用燃料消費量F(j)を新たな仮予測使用燃料消費量Fとして、ステップS006の処理、すなわち仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAX以下であるか否かの判定を行う。
その後、仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAX以下となるまで、ステップS006〜S015の処理が繰り返される。ステップS006の判定において、仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAX以下と判定された場合(S006;Yes)、目標航行速度決定手段124はその時点で仮目標航行速度として設定されている船速群v〜vを目標航行速度v〜vとして決定する(S016)。
以上のように、目標航行速度決定手段124により目標航行速度v〜vの決定が行われると、航行速度決定サーバ装置12は目標航行速度v〜vを示す目標航行速度データを船舶端末装置11に送信する(S017)。船舶端末装置11は航行速度決定サーバ装置12から受信した目標航行速度データが示す目標航行速度のうち、最初のレグ、すなわちレグ(1)の船速vを、船舶端末装置11に接続されたディスプレイに表示させる(S018)。
図8は、ステップS018において船舶端末装置11に接続されたディスプレイに表示される画面例を模式的に示した図である。操船者は、図8に例示される画面を見ることにより、レグ(1)を航行する際の望ましい船速を知ることができる。なお、操船者に通知されるべき船速は、船舶9が今から航行するレグもしくは現在航行中のレグにおける船速である。従って、ステップS017において航行速度決定サーバ装置12から船舶端末装置11に送信される目標航行速度データは、ステップS016で決定された目標航行速度v〜vの全てを示す必要はなく、少なくともそれらのうちレグ(1)に関する船速vを示すデータであればよい。
以上が、船舶9の航行の開始前に船速決定システム1が行う処理である。ここで注目すべき点は、船速決定システム1において決定される目標航行速度に従い船舶9が航行を行った場合、目標到着時刻は必ずしも守られる必要はない、という点である。船速決定システム1においては、実際に航行において使用される燃料の消費量が計画燃料消費量を超えないことが絶対条件であり、目標到着時刻は遭遇する気象、海象によっては変更せざるを得ない場合があるという位置付けである。
操船者は、図8に例示の画面に表示される目標航行速度で出発地点S、すなわちレグ(1)の始点から船舶9の航行を開始する。船速決定システム1においては、船舶9の航行中において、一定時間間隔で目標航行速度の更新が行われる。以下に、船舶9の航行中に船速決定システム1が行う処理を説明する。
図9は、船速決定システム1が、船舶9の航行中に目標航行速度の更新のために実行する処理のフローを示した図である。図9に示される処理のフロー(船舶9の航行中の処理フロー)の大部分は、図6に示した処理のフロー(船舶9の航行前の処理フロー)と共通または類似している。従って、図9において、図6の処理と共通または類似の処理には、図6に用いたステップの番号に「’」を付したものを用いる。例えば、図9のステップS002’は、図6のステップS002と共通または類似の処理であることを示す。また、航行中の船舶9の現在地点Kはレグ(k)(ただし、kは1≦k≦nである任意の自然数)の始点から距離l×a(ただし、aは0≦a<1である任意の実数)の地点)であるものとする。
船舶端末装置11は、船舶9のセンサ群91から継続的に受信するデータに従い航行ログデータを生成し、所定時間の経過毎に新たに生成した航行ログデータを航行速度決定サーバ装置12に送信する(S101)。既述のように、航行ログデータには、船舶9が航行のために実際に使用した燃料の消費量(燃料流量)を示すデータが含まれている。航行速度決定サーバ装置12は、船舶端末装置11から受信した航行ログデータを記憶手段1241に記憶する(S102)。
航行速度決定サーバ装置12の目標航行速度決定手段124は、所定時間の経過毎に船舶端末装置11から送信されてくる航行ログデータの受信およびその記憶をトリガとし、以下に説明する目標航行速度の更新のための一連の処理を開始する。目標航行速度決定手段124はまず、記憶手段1241に記憶されている出発地点Sから現在地点Kまでの航行に関する航行ログデータ(に含まれる燃料流量を示すデータ)に基づき、船舶9が出発地点Sから現在地点Kまでの航行のために実際に使用した燃料消費量である使用済み燃料消費量Fを算出する(S103)。
続いて、目標航行速度決定手段124は、気象海象予報データ配信サーバ装置13に現在地点Kから目的地点Eに至る航路に関する気象海象予報データを要求し(S002’)、気象海象予報データ配信サーバ装置13はその要求に応じて最新の気象海象予報データを航行速度決定サーバ装置12に送信する(S003’)。
続いて、目標航行速度決定手段124は、現在の目標航行速度v〜vを仮目標航行速度として、ステップS003’において受信した最新の気象海象予報データに基づき、以下の式に従い、仮予測使用燃料消費量Fを算出する(S005’)。
Figure 0005649014
すなわち、ステップS005’において、目標航行速度決定手段124は現在航行中のレグ(k)の未航行部分の航行に要すると予測される燃料の消費量(上記式の第1項)と、レグ(k+1)〜レグ(n)の航行に要すると予測される燃料の消費量(上記式の第2項)との和を、現在地点Kにおける仮予測使用燃料消費量Fとして算出する。
続いて、目標航行速度決定手段124は仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下であるか否か(すなわち、F≦FMAX−Fであるか否か)を判定する(S006’)。
ステップS006’の判定において、仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量を超える場合(S006’;No)、目標航行速度決定手段124はステップS007〜S015(図6)とほぼ同様の処理であるステップS007’〜S015’を実行する。ステップS007’〜S015’の処理がステップS007〜S015と異なる点は、ステップS007〜S015の処理においては仮目標航行速度が速度群v〜vであったのに対し、ステップS007’〜S015’の処理においては仮目標航行速度が速度群v〜vである点のみである。
その後、仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下となるまで、ステップS006’〜S015’の処理が繰り返される。ステップS006’の判定において、仮予測使用燃料消費量Fが計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下と判定された場合(S006’;Yes)、目標航行速度決定手段124はその時点で仮目標航行速度として設定されている船速群v〜vを新たな目標航行速度v〜vとして決定する(S016’)。
図10は、ステップS016’において決定される目標航行速度v〜vに従い船舶9が航行する際の、出発地点Sから目的地点Eに至るまでの時間と燃料消費量との関係を示した図である。図10に示されるように、目標航行速度決定手段124は出発地点Sから現在地点Kまでの航行に実際に要した燃料の消費量である使用済み燃料消費量Fと、現在地点Kから目的地点Eまでの航行に要すると予測される燃料の消費量である仮予測使用燃料消費量Fとの和が、出発地点Sから目的地点Eまでの航行において使用が許可される燃料の消費量である計画燃料消費量FMAXを超えないような、仮予測使用燃料消費量Fを特定する。そして、特定した仮予測使用燃料消費量Fをもたらす仮目標航行速度v〜vを、新たな目標航行速度v〜vとして決定する。
以上のように、目標航行速度決定手段124により新たな目標航行速度v〜vの決定が行われると、航行速度決定サーバ装置12はその新たな目標航行速度v〜vを示す目標航行速度データを船舶端末装置11に送信し(S017’)、船舶端末装置11は受信した新たな目標航行速度データに従い、図8に例示した画面の内容の更新をディスプレイに指示する(S018’)。
船舶9の航行中、上述したS101〜S018’の処理が所定時間の経過毎に繰り返され、最新の使用済み燃料消費量Fと、最新の気象海象予報データに基づき、目標航行速度の更新が行われる。以上が、船舶9の航行中に船速決定システム1が行う処理である。
船速決定システム1によれば、船舶9の操船者がディスプレイに表示される目標航行速度で航行を行うように船舶9の操縦を行えば、出発地点Sから目的地点Eに至る航行の全航行で船舶9が実際に使用する燃料の消費量が、予め計画された燃料消費量(計画燃料消費量)以下に抑えられる。
[2.変形例]
上述した実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形することができる。以下にそれらの変形の例を示す。
(1)上述した実施形態においては、図1に示したように、航行速度決定サーバ装置12は地上に配置され、通信衛星8を介して船舶端末装置11とデータ通信する構成が採用されている。これに代えて、航行速度決定サーバ装置12を船舶9に搭載し、船舶端末装置11と航行速度決定サーバ装置12を、例えば同一の筐体内に配置させる(例えば、同一のコンピュータに、船舶端末装置11用のアプリケーションプログラムと、航行速度決定サーバ装置12用のアプリケーションプログラムを実行させる)構成が採用されてもよい。その場合、船舶端末装置11と航行速度決定サーバ装置12は通信衛星8を介したデータ通信は要さず、異なる筐体内の装置として構成された場合は船舶9内に設置されたLAN経由で互いにデータ通信を行えばよく、同一の筐体内の装置として構成された場合はデータバス経由で互いにデータの受け渡しを行えばよい。また、その場合、船舶9に搭載される航行速度決定サーバ装置12は、通信衛星8を介して気象海象予報データ配信サーバ装置13との間でデータ通信を行う構成とすればよい。
(2)上述した実施形態においては、目標航行速度の決定の処理に先立ち、例えばコンピュータ内に構築された船舶9の物理シミュレーションモデルを用いて、様々なパラメータ(風向〜対地船速)の組み合わせに応じた燃費を算出することで生成した事例データ(図5)を記憶手段1241に予め記憶しておく構成が採用されている。これに代えて、目標航行速度の決定の処理時に、物理シミュレーションモデルを用いて必要な事例データを生成する構成が採用されてもよい。
また、物理シミュレーションモデルを用いて生成された事例データを目標航行速度の決定に用いるのではなく、例えば、物理シミュレーションモデルに従い算出された事例データに基づき、パラメータと燃費との関係を示す関数式を予め特定しておき、目標航行速度の決定において、パラメータに応じた燃費を関数式に従い算出する構成が採用されてもよい。
(3)上述した実施形態においては、コンピュータ内に構築された船舶9の物理シミュレーションモデルを用いて、様々なパラメータ(風向〜対地船速)の組み合わせに応じた燃費を算出することで生成した事例データ(図5)が目標航行速度の決定に利用される構成が採用されている。これに代えて、もしくは加えて、過去に行った船舶9の航行において取得された航行ログデータが示す様々なパラメータ(風向〜対地船速)と燃費(実測値)との対応を示す事例データを事例DBに登録しておき、目標航行速度の決定に利用する構成が採用されてもよい。
さらに、この変形例において、同じ航行における航行ログデータから生成された事例データを他の事例データ(物理シミュレーションモデルにより生成された事例データや、過去の異なる航行の航行ログデータから生成された事例データ)より優先的に用いる構成が採用されてもよい。この場合、仮に物理シミュレーションモデル等により生成された事例データの精度が低い場合であっても、航行が進行するに伴い、その航行における船舶9の特性を正しく示す事例データが事例DBに蓄積され、その後の航行における目的航行速度の特定に利用されることになる。その結果、同じ航行における航行ログデータから生成された事例データを優先的に用いることを行わない場合と比較し、例えば、同じ燃料消費量であっても目標到着時刻により近い時刻に到着できるなど、より望ましい航行が実現され得る。
(4)上述した実施形態においては、航路をn個に区分した区間(レグ)の単位で目標航行速度の決定が行われる構成が採用されている。このレグの長さは任意に設定可能である。例えば各レグの長さを0.1海里(185.2メートル)〜1海里(1852メートル)程度の短距離に設定すれば、目標航行速度は時間の経過、もしくは航行の進行に伴い、実質的に連続的に変化する値として特定される。一方、船舶9の船速を頻繁に変更すると燃費が低下するような場合、レグの長さはそのような船速の変更に伴う燃費の低下が影響しない程度に長く設定されることが望ましい。
また、目標航行速度の決定において、航路をレグに分割することは必須ではない。例えば、事例データに代えて、パラメータ(風向〜対地船速)に応じた燃費を算出する関数式が用いられる場合(上記の変形例(2))、それらの関数式の積分値として算出される仮予測使用燃料消費量Fを計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下とするような速度を、例えば所定時間毎に特定する構成が採用されてもよい。その場合、目標航行速度はレグ単位ではなく所定時間毎に与えられる船速群として表現されることになる。また、一度の航行の全航行の一部に本発明を適用することも可能である。この場合、出発地点および目的地点の少なくとも一方は、全航路の途中地点に設定される。
(5)上述した実施形態においては、船舶端末装置11は航行速度決定サーバ装置12から取得した目標航行速度データが示す目標航行速度の表示をディスプレイに指示することで、船舶9の操船者に対し目標航行速度の通知を行う構成が採用されている。これに代えて、もしくは加えて、船舶端末装置11が目標航行速度を実現するために要するプロペラ回転数や、翼角(船舶9が可変ピッチプロペラを採用している場合)を算出し、算出したプロペラ回転数や翼角となるように、船舶9のプロペラ回転数や翼角を制御する制御装置に対しプロペラ回転数の増減や翼角の増減を指示する指示データを出力する構成が採用されてもよい。
(6)上述した実施形態においては、航行速度決定サーバ装置12により決定される目標航行速度は速度群v〜vの形式で表現される構成が採用されている。固定ピッチプロペラを用いる船舶の速度(対水船速)は一般的にプロペラ回転数の単調増加関数である。従って、目標航行速度を、船速群v〜vという形式に代えて、プロペラ回転数群r〜r(ただし、rはレグ(k)におけるプロペラ回転数)のように、プロペラ回転数により表現する構成が採用されてもよい。
また、固定ピッチプロペラを用いる船舶の速度(対水船速)はプロペラ回転数と翼角の組み合わせにより決定される。従って、目標航行速度を、船速群v〜vという形式に代えて、プロペラ回転数群r〜r(ただし、rはレグ(k)におけるプロペラ回転数)と翼角p〜p(ただし、pはレグ(k)における翼角)の組み合わせである、(r,p)、(rk+1,pk+1)、・・・、(r,p)という形式で表現する構成が採用されてもよい。この場合、事例データは(図5)は、対地船速に代えて、もしくは加えて、プロペラ回転数と翼角を示すデータを含むように構成し、目標航行速度決定手段124は目標航行速度の決定において、仮目標航行速度に設定されるプロペラ回転数と翼角の組み合わせに応じた事例データを抽出して用いる構成とすればよい。
(7)上述した実施形態においては、船舶9の航行中における目標航行速度の更新処理(図9)は、船舶端末装置11から航行速度決定サーバ装置12に対し所定時間毎に行われる航行ログデータの送信をトリガとして実行される構成が採用されている。船舶9の航行中における目標航行速度の更新処理のトリガとしては、他に様々なものが採用され得る。例えば、船舶端末装置11から航行速度決定サーバ装置12への航行ログデータの送信のタイミングとは無関係に、航行速度決定サーバ装置12において設定された所定時間毎に、目標航行速度の更新処理が実行される構成が採用されてもよい。また、気象海象予報データ配信サーバ装置13が航行速度決定サーバ装置12からの要求を待たずに、例えば定期的に気象海象予報データを航行速度決定サーバ装置12に送信してくる構成が採用されるような場合には、気象海象予報データの受信をトリガとして、航行速度決定サーバ装置12が目標航行速度の更新処理を実行する構成としてもよい。
(8)上述した実施形態においては、船舶端末装置11および航行速度決定サーバ装置12は一般的なコンピュータに、アプリケーションプログラムに従った処理を実行させることにより実現される構成が採用されている。これに代えて、船舶端末装置11および航行速度決定サーバ装置12の少なくとも一方が、ハードウェア的に図3または図4に模式的に示される機能構成部を実現する、いわゆる専用装置として構成されてもよい。
(9)上述した実施形態においては、目標航行速度の決定において、計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下である仮予測使用燃料消費量Fが1つ特定されると(S006またはS006’)、目標航行速度決定手段124はそれ以上に望ましい仮予測使用燃料消費量Fの探索を行わない構成が採用されている。これに代えて、目標航行速度決定手段124が計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下である仮予測使用燃料消費量Fを複数特定し、それら複数の仮予測使用燃料消費量Fのうち、所定の基準に照らして最も望ましいもの(例えば、予測される到着時刻tが目標到着時刻に最も近いもの、または仮予測使用燃料消費量Fが最小のもの)を目標航行速度の決定に用いる仮予測使用燃料消費量Fとして採用する構成としてもよい。
(10)上述した実施形態においては、航行前の目標航行速度の決定において、全航行に渡り船速が一定であり、予測される到着時刻tが目標到着時刻と一致するような船速群v〜vが最初の仮目標航行速度として用いられる(S004)。また、航行中の目標航行速度の決定においては、その時点で設定されている目標航行速度が仮目標航行速度として用いられる。仮目標航行速度の決定方法はこれに限られず、他に様々な決定方法が採用され得る。例えば、事例データに基づき、過去の航行において類似の条件下において採用された船速を各レグに関し特定し、それらの特定した船速群を仮目標航行速度の初期値として用いてもよい。
また、上述した実施形態においては、航行前の目標航行速度の決定において、仮目標航行速度を構成する複数の速度の中から選択した1つの速度を所定の割合で減じて仮予測使用燃料消費量Fを算出することを繰り返し、算出した複数の仮予測使用燃料消費量Fの中から最小のものを選択することを繰り返す方法により(S006〜S015またはS006’〜S015’)、計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下である仮予測使用燃料消費量Fを探索する構成が採用されている。計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下である仮予測使用燃料消費量Fを探索するための方法は上述した実施形態において採用されている方法に限られず、他に様々な方法が採用され得る。その一例として、仮目標航行速度を構成する複数の速度の中から任意に選択した複数の速度を所定幅内で任意に増減させて新たな仮目標航行速度を設定し、そのように設定した仮目標航行速度に応じた仮予測使用燃料消費量Fを算出することにより、計画燃料消費量FMAXから使用済み燃料消費量Fを減じた量以下である仮予測使用燃料消費量Fを探索する方法などが考えられる。
(11)上述した実施形態においては、事例データ(図5)は潮速および潮向を示すデータを含み、また対地船速を示すデータを含む構成が採用されている。これに代えて、事例データが潮速および潮向を示すデータを含まず、また対地船速を示すデータに代えて対水船速を示すデータを含む構成が採用されてもよい。この場合、目標航行速度決定手段124は目標航行速度の決定の処理において、航路データにより示される航行の方向や気象海象予報データにより示される潮速および潮向に応じて、仮目標航行速度が示す対地船速に応じた対水船速を算出し、算出した対水船速に応じた事例データの抽出を行う構成とすればよい。
なお、本発明は、船舶端末装置11および航行速度決定サーバ装置12に例示される装置、船速決定システム1に例示されるシステム、コンピュータを船舶端末装置11または航行速度決定サーバ装置12として機能させるプログラム、当該プログラムを持続的に記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体、船速決定システム1を構成する各装置(船舶端末装置11、航行速度決定サーバ装置12、気象海象予報データ配信サーバ装置13)が実行する処理の方法、の各々として把握される。
1…船速決定システム、8…通信衛星、9…船舶、11…船舶端末装置、12…航行速度決定サーバ装置、13…気象海象予報データ配信サーバ装置、91…センサ群、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…HDD、105…通信IF、106…入出力IF、111…航行ログデータ受信手段、112…航行ログデータ送信手段、113…目標航行速度データ受信手段、114…通知手段、121…航行パラメータ取得手段、122…気象海象予報データ受信手段、123…航行ログデータ受信手段、124…目標航行速度決定手段、125…目標航行速度データ送信手段、1241…記憶手段

Claims (12)

  1. 出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得する手段と、
    前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得する手段と、
    前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得する手段と、
    前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定する手段と
    を備える装置。
  2. 前記航行速度を決定する手段は、前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う航行に関し予測される燃料消費量を複数の航行速度の各々に関して特定し、当該特定した燃料消費量のうち前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量を超えない燃料消費量をもたらす航行速度を前記船舶の現在地点から前記目的地点までの目標航行速度として決定する
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記航行速度を決定する手段は、複数の環境の各々に関し当該環境下で前記船舶が複数の航行速度の各々に関し当該航行速度で行う航行に関する燃料消費量を示す環境毎速度毎燃料消費量データを記憶し、
    前記航行速度を決定する手段は、前記環境毎速度毎燃料消費量データに基づき、前記環境データが示す環境下において前記船舶が行う航行に関し予測される燃料消費量を、複数の航行速度の各々に関して特定する
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記航行速度を決定する手段は、前記使用済み燃料消費量データに基づき、前記予測される燃料消費量を特定する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記航行速度を決定する手段は、前記船舶の現在地点から前記目的地点に至る航路を区分して得られる2以上の区間航路の各々に航行速度を割り当て、前記船舶が前記2以上の区間航路の各々を当該区間航路に割り当てた航行速度で行う航行に関する予測される燃料消費量の合計値を現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量として特定する
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記環境データは異なるタイミングの各々に関する気象または海象の環境を示し、
    前記航行速度を決定する手段は、前記2以上の区間航路の各々に関し当該区間航路に割り当てた航行速度で航行を行った場合に前記2以上の区間航路の各々を前記船舶が航行するタイミングに関し前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う航行に関する予測される燃料消費量の合計値を現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量として特定する
    請求項5に記載の装置。
  7. 前記航行速度を決定する手段は、前記2以上の区間航路の各々に関し当該区間航路の航行速度を所定の規則で定まる量だけ変化させた場合の前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関する燃料消費量を予測し、当該予測した当該燃料消費量のうち最小の燃料消費量をもたらす航行速度を採用する処理を1以上行うことにより、現在地点から前記目的地点までの目標航行速度を決定する
    請求項5または6に記載の装置。
  8. 前記航行速度を決定する手段は、前記船舶の現在地点から前記目的地点までの目標航行速度として、前記船舶が航行に用いるプロペラの回転数により示される航行速度を決定する
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記航行速度を決定する手段は、前記船舶の現在地点から前記目的地点までの目標航行速度として、前記船舶が航行に用いるプロペラの翼角により示される航行速度を決定する
    請求項8に記載の装置。
  10. コンピュータに、
    出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得する処理と、
    前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得する処理と、
    前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料の消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得する処理と、
    前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定する処理と
    を実行させるためのプログラム。
  11. コンピュータに、
    出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得する処理と、
    前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得する処理と、
    前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料の消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得する処理と、
    前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定する処理と
    を実行させるためのプログラムを持続的に記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 装置が、出発地点から目的地点に至る船舶の航行に関し計画により人為的に決定された燃料消費量を示す計画燃料消費量データを取得するステップと、
    前記装置が、前記船舶の前記出発地点から前記目的地点に至る航路上の気象または海象の環境を示す環境データを取得するステップと、
    前記装置が、前記船舶の航行中に、前記船舶が前記出発地点から現在地点に至る航行において使用した燃料の消費量を示す使用済み燃料消費量データを取得するステップと、
    前記装置が、前記環境データが示す環境下で前記船舶が行う現在地点から前記目的地点までの航行に関し予測される燃料消費量が、前記計画燃料消費量データが示す燃料消費量から前記使用済み燃料消費量データが示す燃料消費量を減じた燃料消費量を超えない、という条件を満たす前記船舶の現在地点から前記目的地点までの航行速度を目標航行速度として決定するステップと
    を備える方法。
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