JP5648157B2 - 半導体製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、装置の動作時の各部位の状態をモニタする装置・センサを備えた半導体製造装置において、複数のウェハの処理における処理中の装置モニタ信号データ(波形)を用いて、処理間の比較値(行列)より波形の類似を定量的に判断可能とする写像を得てプロセス処理、および半導体製造装置を監視する装置を備えた半導体製造装置に関する。
特に、処置中の信号の変化としては、ランプ、ドリフトといった変化だけでなく、ノイズの大きさ、ハンチングといったバラツキ、さらにシフト(信号値のオフセット)やステップという、信号間で相関が取れない信号が混在していても、信号間の差異を定量化する機能に関する。
LSI(Large Scale Integrated circuit)は、シリコン(Si)ウェハ上に、ゲート電極などから成る素子を形成し、絶縁膜堆積、配線形成を繰り返すことで、多種類の半導体製造装置を用いて形成される。LSIの高性能化、高機能化、及び生産性向上のために、素子、回路の微細化は進み、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductor)によれば、2010年でゲート電極最小線幅は45nmとなった。併せて製造方法も複雑化してきた。これに対応して、各種のプロセス装置の加工精度も向上し、さらにセンサ追加や、処理中の短いサンプリング間隔での装置データの蓄積機能を備えるなど、多機能化/情報化が進んできた。
LSIウェハ生産ラインでは加工精度を確保できるように製造条件を最適化しているが、一方で装置のメンテナンスや不具合対策による生産量低減を防止するための取り組みも進めている。例えば非特許文献1によれば、不具合発生に対してメンテナンスCondition−based Maintenance(CBM)、予防保全Predictive Maintenance(PdM)を実現するために、半導体製造装置は装置生データEquipment Raw Dataを活用することを述べている。この装置生データは処理中の短いサンプリング間隔での装置データのことである。LSIウェハ生産ラインでは、この装置データを解析することで、装置の状態を診断し、異常発生を監視している。
LSIウェハの製造では多種類の半導体製造装置を利用している。例えば、素子を形成するためには熱酸化装置で酸化薄膜を形成し、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition;低圧化学気相成長法)装置でゲート電極膜を堆積して、露光装置といった装置でレジストパターンを形成してから、エッチング装置でゲート電極を形成する。また配線形成ではプラズマCVD装置などで絶縁膜を堆積し、レジストパターンを形成してからエッチング装置で穴、溝を形成する。そしてめっき装置で銅を穴、溝に埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing;化学的機械的研磨)装置でウェハ表面の銅を除去する。また要求される加工性能、加工精度によっても利用する装置を選択する。装置の型式は様々であり、また半導体装置メーカも複数存在する。多種多様な装置によりLSIウェハは処理される。
このように多種多様な製造装置をLSI生産工場では利用する。生産性向上のために、工場において設備の情報化は進められてきた。工場と各装置とはネットワークで接続され、各装置で共通の通信規格で通信が行われる。また前述したような装置の多機能化/情報化も既に進んだ。非特許文献1では、半導体製造装置全般に対して、装置(生)データを活用した装置状態の診断や異常監視についての方法を示している。データの項目や内容は装置やプロセスに応じて異なるものの、装置データ自体は短いサンプリング間隔での信号として、共通の手法で解析できる。
半導体製造装置の例として、プラズマエッチング装置の構成を図1に示す。図1において、エッチング装置101はチャンバ102、電極103、ウェハ105、電極106、排気系107、ガス供給系108、装置コントローラ・外部通信装置109、OES(Optical Emission Spectrometry;発光分光器)110、計算機システムである計算機・記憶装置111、端末である画面・ユーザーインターフェース112、流量調整装置113、圧力調整装置114、電力調整装置115、温度調整装置116から構成される。チャンバ102には窓121が設けられており、プラズマによる光122をOES(発光分光器)110で観測できる。
エッチング装置101はネットワーク131を介して、装置データDB132と接続されており、またデータ共用の便を図り、複数の半導体製造装置の装置データを監視・解析する計算機システムである装置データ監視装置133もネットワーク131に接続されている。もちろん装置データ監視装置133は半導体装置内部101に備わっていても良く、この場合計算機・記憶装置111が処理を行うこととなる。
エッチング装置101は流量調整装置113、圧力調整装置114、電力調整装置115、温度調整装置116をアクチュエータとして備えており、それぞれ各種ガス材料の流量、チャンバ102内の圧力、電極103、106に印加する電流、電圧、さらに温度を調整可能である。これらの調整は装置コントローラ・外部通信装置109の指示で実行される。これらの調整装置の駆動信号をモニタしたデータが装置データとなる。これらの装置データは、時点間(処理ステップ)毎に予め指示された値で動作する調整装置の信号であるため、信号にノイズが入るものの、基本的には時点間で一定の値の信号となる。複数の信号間での相関関係は無い。
プラズマ104は発光を伴い、この光の波長と強度はプラズマ中の電離、解離の原子、分子の存在、またエッチング反応で生成された物質の存在に依存する。そこで、この光122をOES110により波長別に発光強度をモニタする。OESデータはプロセスの反応を観測したデータであるが、短い時間間隔でサンプリングしたデータであるので装置データとして扱う。このデータは、エッチング処理における化学反応、すなわち反応中の物質の増減を表す信号であるため、信号値は変化する。複数の信号間で相関関係がある。
装置データの例を図2に示す。図2(a)、(b)、(c)、(d)には凡例200に示した4つの信号が示されており、信号1が異常な信号、信号2、3、4はほぼ同一の信号となっている。図2(a)の信号1 203には脈動が乗っている。図2(b)の信号1 213にはハンチングが発生している。図2(c)の信号1 223は時間軸で強度上昇が遅れている。図2(d)の信号1 233はシフトしている。図2(a)、(c)は波形間に相関が有るが、図2(a)の脈動は相関でその有無を検出することはできない。図2(b)、(d)は、いずれも波形間に相関が無いが、図2(b)はノイズを検出する必要があり、図2(d)では信号強度の差を検出する必要がある。また実際に装置をモニタした信号には、白色雑音といった、ノイズ(バラツキ)が含まれる。よって装置をモニタした複数の信号には、相関の有無、バラツキの有無と大小、信号強度の差の大小といった多様な変化の関係がある。
特徴的な信号変化のパターン(波形パターン)は多様であり、さらに図2に示されるものに限定されるものではないが、このような信号の変化を検出することで、異常の発生を判断して装置の不具合の対策やメンテナンス、また不具合発生防止のための前処理、後処理といった段取り処理を実施できなければならない。また、出現する波形パターンは多様であるとともに、どのような波形パターンが発生するか事前に特定可能とは限らない。
特許文献1には、主に異常検知の精度良い閾値設定法、統計検定量の求め方について記載されている。時系列の各項目の相関関係を利用した主成分分析PCA(Principal Component Analysis)や部分最小2乗法PLS(Partial Least Square)を利用すること、またフーリエ変換やウェーブレット変換といった信号処理を施して異常診断を行う由の記載がある。
特許文献2には、半導体製造装置であるエッチング装置を対象に、短時間フーリエ変換により信号をベースライン成分(低周波成分)と高周波成分に分解し、特にノイズの発生を検知する記載がある。
特許文献3には、設計ベースと事例ベースの異常検知における閾値の設定方法に関して記載がある。異常検知するために特徴量の空間に信号データを変換する方法を示しており、その方法として主成分分析、独立成分分析ICA(Independent Component Analysis)、非負行列因子分解NMF(Non−negative Matrix Factorization)、潜在射影構造PLS(Projection to Latent Structure)、正準相関分析CCA(Canonical Correlation Analysis)が挙げられる。いずれも時系列の信号項目間の相関関係、もしくは信号項目間の独立関係を解析し、特徴量化するとしている。なおこの独立関係は相関関係がないことを意味していない。
特許文献4には、信号を時間帯毎に分割してフーリエ変換を行い、時間帯毎にスペクトルを主成分分析して、主成分スコアにより設備の異常を判断する方法の記載がある。この信号は振動データ、音響データである。
特許文献5には、エッチング装置における、複数のOES信号(波形)を対象として時系列の相関関係を利用してOES信号を分類し、代表的な波形パターンを求める方法の記載がある。また変化が無い信号を識別する方法が示される。
特開2009−70071号公報 特開2009−147183号公報 特開2011−59790号公報 特開2004−20193号公報 特開2010−219263号公報
International SEMATECH Manufacturing Initiative, ISMI Predictive Preventive Maintenance Implementation Guideline, Technology Transfer #10105119A−TR
本発明は、製造処理中に、短いサンプリング間隔での装置データ(信号)をモニタできる半導体製造装置において、装置データを解析することで、装置の異常発生を監視する方法に関する。監視対象の装置データには、流量、圧力、電流、電圧、温度といった、複数の信号間で相関関係が無いものも、化学反応中の信号値に変化があるOESデータといった、複数の信号間で相関関係があるものも含まれる。複数の信号とは、信号項目の異なる複数の信号でも、プロセスの処理の繰り返しにおいて同一信号項目の信号を過去から現在までの複数の信号であっても、解析の対象となる。また信号の異常を表す波形パターンの例としては、例えば図2に示したような、脈動(図2(a))、ハンチング(図2(b))といったノイズ、遅れ(図2(c))やシフト(図2(d))といった変化であるが、さらにそれらに限定されるものではなく、事前に予測できない想定外の波形パターンも含まれる。このため実際にサンプリングした複数の信号を、信号の時系列での相関関係の有無に関わらず解析して、信号間の差異を表わすことが課題となる。
特許文献1には、異常検知のための信号の処理として相関関係を利用した処理、また周波成分を取得する処理を利用することが記載される。これでは、例えば図2(d)のシフトといった相関関係が無く、周波成分も無い信号の差異を検出できない。
特許文献2では、相関の有無に関わらず、サンプリングした信号の時系列の強度変化から異常を検出できない。
特許文献3で挙げられた各種の信号データ変換方法は、基本的には信号間の相関関係に基づく方法である。独立成分分析ICAは、信号を、白色雑音ではない信号の和に分解する方法、非負行列因子分解NMFは信号を非負の行列の積に分解する方法と記載される。これらの処理は音声信号処理、画像信号処理で用いられ、信号にノイズが混入したデータから特徴を抽出する解析法である。そのため、例えば図2に示した、複数の信号変化の違いを解析する方法ではない。
特許文献4は、周波成分のある信号の処理に限定される。
特許文献5は、相関関係のあるデータに限定される。また変化が無い信号の識別については、複数の信号の違いを解析するものではないので、図2(d)のような信号の識別はできない。
本発明は、複数の信号を対象に、信号間の時系列での相関関係の有無に関わらず、また事前に波形パターンを仮定せずに信号間の差異を表すことを目的とする。本発明によりどのような波形パターンの異常を示す信号変化があっても、異常を検知可能とする。また信号間の相関関係の検出を前提とする従来手法と異なり、相関関係を求めずに、信号間の微妙な変化の差異を検知可能とする。得られた複数の信号のみを利用して差異を表すことができるので、事前のパラメータ設定や波形パターン設定も不要とできるので、活用も容易となる。
上記課題を解決するために本発明では、ウェハのプロセス処理、段取り処理を実現するための構成を備えた半導体製造装置を、半導体製造装置の各部の駆動、プロセスを制御する制御装置、および半導体製造装置内の各物理量、または各化学反応量の状態をモニタするセンサと、製造中の半導体製造装置の前記制御装置、センサの出力信号を所定の間隔でサンプリングした装置データを記録するデータベースと、主成分分析の処理の結果を、各主成分の固有値の大きさを比較して、降順に並べて一覧をユーザインタフェース画面に表示して、寄与率がある固有値を判定可能とする処理と、前記寄与率がある固有値に対応する主成分を選択した特徴空間に各信号の主成分スコアをプロットした散布図をユーザインタフェース画面に表示する処理とを実行する演算部とを備え、該演算部は、該主成分分析の処理として、評価対象の半導体製造装置の装置データを前記データベースより検索して、解析対象の装置データを読み出し、比較対象の複数の信号データより、各サンプリング時点で複数の信号データに亘って相関を取ることで得られる時点間の相関行列を計算し、該相関行列より固有値、固有ベクトルを算出して、主成分スコアを算出する処理を実行するように構成した。
また、上記課題を解決するために本発明では、ウェハのプロセス処理、段取り処理を実現するための構成を備えた半導体製造装置を、半導体製造装置の各部の駆動、プロセスを制御する制御装置、および半導体製造装置内の各物理量、または各化学反応量の状態をモニタするセンサと、製造中の半導体製造装置の前記制御装置、センサの出力信号を所定の間隔でサンプリングした装置データを記録するデータベースと、評価対象の半導体製造装置の装置データを前記データベースより検索して、解析対象の装置データを読み出し、比較対象の複数の信号データ間のそれぞれにおいて、サンプリング各時点に亘って信号強度の差の2乗の総和で信号間の距離と定義して、距離行列、内積行列を求め、該内積行列の固有値と固有ベクトルを算出し、多次元尺度構成法によりMDS写像における各信号の座標値を算出する処理と、各信号に対応する固有値の大きさを比較して、降順に並べて一覧をユーザインタフェース画面に表示して、寄与率がある固有値を判定可能とする処理と、 前記寄与率がある固有値に対応するMDS写像座標軸を選択した特徴空間に各信号の座標値をプロットした散布図をユーザインタフェース画面に表示する処理とを実行する演算部とを備えて構成した。
また、上記課題を解決するために本発明では、ウェハのプロセス処理、段取り処理を実現するための構成を備えた半導体製造装置を、半導体製造装置の各部の駆動、プロセスを制御する制御装置、および半導体製造装置内の各物理量、または各化学反応量の状態をモニタするセンサと、製造中の半導体製造装置の前記制御装置、センサの出力信号を所定の間隔でサンプリングした装置データを記録するデータベースと、評価対象の半導体製造装置の装置データを前記データベースより検索して、解析対象の装置データを読み出し、比較対象の複数の信号データよりサンプリング時点間で同一信号の差を取り2乗して、全信号について総和として時点間の距離を定義し、時点間の距離関係に基づき距離行列、内積行列を算出し、該内積行列の固有値と固有ベクトルを算出し、多次元尺度構成法により特徴空間の座標値行列と距離行列によりMDSスコアを算出する処理と、各時点に対応する固有値の大きさを比較して、降順に並べて一覧をユーザインタフェース画面に表示して、寄与率がある固有値を判定可能とする処理と、前記寄与率がある固有値に対応するMDSスコアを、横軸を固有ベクトルの要素番号順に処理時間として、縦軸をMDSスコアの値とした波形グラフでユーザインタフェース画面に表示する処理を実行する演算部とを備えて構成した。
本発明によると、半導体製造装置や処理(プロセス)の異状検知、診断が容易となり、また対策の迅速化が図れる。
特に、異常検知、診断に用いる、短いサンプリング時間間隔で取得した装置データはどのような信号変化でも良く、信号間の相関の有無、バラツキ、ノイズの有無と大小、信号強度差の大小に応じて計算方法を分ける必要が無いので、作業の手続きを簡便にできるとともに、本計算処理の装置組み込みと処理自動化も容易となる。信号の変化パターンが、例えばハンチングとシフトが混ざったような、複合的な変化であっても、解析処理後の特徴空間の軸(成分)に応じて差異を取りだせる。
本発明の計算処理結果によれば、異常検知の自動化ができるとともに、複数の信号中の共通の信号変化と特殊な信号変化を特徴的な波形パターンとして抽出できるので、異常の調査、診断を効率的に進めることができる。これにより対策作業を迅速化、容易化できる。
さらに本発明の計算結果によれば、処理中の装置データを特徴空間の座標値として、信号を特徴量のベクトルとして定量化できる。特に固有値(寄与)の大きさによれば、信号の差異をあらわすための特徴量を絞れる。よって、処理毎に、ひとつ、もしくは少数の特徴量の変化を、処理の順にとっていくことで、処理による装置の経時変動をモニタできる。この情報を活用すればメンテナンスのタイミングを決定でき、さらには半導体ウェハプロセスで利用されるRun−to−Run制御法といったプロセス制御にも利用できる。
プラズマエッチング装置の構成の例を示した図である。 装置データ(信号)の例を示した図である。 装置データ(信号)の例を示した図である。 複数の装置データ(信号)の例について、横軸に各信号、縦軸に信号強度として示した図である。 複数の装置データ(信号)の例について、時点間で信号強度の差を距離とすること説明するための図である。 半導体製造装置の構成の例を示した図である。 半導体製造装置における半導体製造装置監視処理のシステム構成の例を示した図である。 半導体製造装置の監視方法の概要を示した図である。 信号の例を示した図である。 時点間主成分分析IT−PCAによる寄与率の一覧の例を示した図である。 時点間主成分分析IT−PCAによる主成分スコアのプロットの例を示した図である。 時点間主成分分析IT−PCAによる、時間に対する主成分ベクトルの値の例を示した図である。 信号間の距離の例を示した図である。 信号間多次元尺度構成法IS−MDSによる寄与率の一覧の例を示した図である。 信号間多次元尺度構成法IS−MDSによるMDS写像の例を示した図である。 時点間多次元尺度構成法IT−MDSによる寄与率の一覧の例を示した図である。 時点間多次元尺度構成法IT−MDSによる、時間に対するMDSスコアの例を示した図である。 信号の例を示した図である。 時点間主成分分析IT−PCAによる寄与率の一覧の例を示した図である。 時点間主成分分析IT−PCAによる主成分スコアのプロットの例を示した図である。 時点間主成分分析IT−PCAによる、時間に対する主成分ベクトルの値の例を示した図である。 信号間多次元尺度構成法IS−MDSによる寄与率の一覧の例を示した図である。 信号間多次元尺度構成法IS−MDSによるMDS写像の例を示した図である。 時点間多次元尺度構成法IT−MDSによる寄与率の一覧の例を示した図である。 時点間多次元尺度構成法IT−MDSによる、時間に対するMDSスコアの例を示した図である。 異常検知方法を説明するための、1つの主成分における、信号の分布の例を示した図である。 異常検知方法を説明するための、1つの主成分における、信号の類似の階層関係の例を示した樹形図(デンドログラム)である。 解析結果の画面、ユーザーインターフェースへの表示の例を示した図である。 装置データDBのデータ構成例を示した図である。
添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について以下に説明する。
本発明が対象とする半導体製造装置は、構成要素である各装置をモニタして、短いサンプリング間隔で信号を取得できる構成となっており、またサンプリングした装置データを記憶するデータベースと接続されていなければならない。半導体製造装置の構成要素は、装置を動作させる部分的な装置、部品であるが、OESといったプロセス状態をモニタするための付加的な装置を含んでいても良い。また取得した信号を解析するための計算機を備えている。
(1) 主成分分析PCA(Principal Component Analysis)
複数の信号の違いは、相関関係の有無、バラツキの有無と大小、信号強度差の大小という違いである。それぞれ個別には、主成分分析PCAといった相関解析、フーリエ変換といった周波数解析、平均値の差の検定といった解析方法により差異を検出できるが、解析方法を適用するためには、信号に現れる波形パターンの特徴を事前に知っておかなければならない。これらの内、特に複数の信号を一括して計算処理し、自動的に差異を検出できる手法は主成分分析PCAに限られるが、信号間の時間軸に亘っての相関関係の有無を解析する方法であるため、バラツキや信号強度差を検出、識別できない。信号間に相関が無いということがわかるのみである。
この主成分分析PCAは以下の式で求める相関行列Rの主成分(固有値、固有ベクトル)を求めることで、信号の類似性を識別する方法である。相関行列Rは以下の式で求める。
Figure 0005648157
Figure 0005648157
ここでxは信号データである。ボルド体xは信号のデータ数(時点の数)nを要素数とするベクトルであり、ntime行1列(ntime×1)の行列とも解釈できる。変数上のバー“−”は平均を意味する。また添え字のi、jは各信号を意味する。右肩添え字(式(1)の括弧の右肩添え字)のTは行列の転置を表す。sは分散、共分散であり、rは相関係数である。
主成分分析PCAは相関行列の固有値、固有ベクトルを求めることで、項目間の共変関係と、各関係の全体の変化に占める大きさ(寄与)を解析する方法である。元の各時点の信号データと固有ベクトルとの内積をとることで、その時点における主成分の大きさを、主成分スコアとして求めることができる。
固有値、固有ベクトルと相関行列の関係は次となる。
Figure 0005648157
Figure 0005648157
ここでλiは第i主成分の固有値、viが第i主成分ベクトルである。行列Vは主成分ベクトルviを列方向に並べた行列である。diagは引数を対角成分に並べて、それ以外の要素をゼロとした正方行列である。なお固有値は大きい順に、降順に並び、また主成分ベクトルも対応した並びとなっているとする。主成分スコアPcは次式で求める。
Figure 0005648157
Pcは行に時点毎、列に主成分毎の主成分スコアが並ぶ。Xは信号データxを列に並べた行列である。
図3に示す信号に対して、この主成分分析を行った結果を説明する。図3には、処理ステップがStep1 311とStep2 312の2つのステップの連続処理である、4つの同じ処理の繰り返しの信号のデータを示す。処理においては、信号強度は処理条件(レシピ)の設定値となることが想定されるが、実際にモニタされた信号強度は、Step2 312において、信号1 303、信号2 304、信号3 305、信号4 306に亘って、処理毎に縦軸でマイナス方向にシフトしている。また細かなバラツキ(ノイズ)を含む。これらの信号をStep1 311、Step2 312の、時点t0 321から時点t2 326の範囲で相関行列Rを求めると、rij~1と全要素がほぼ1となる。主成分分析PCAによれば、全ての波形は同様に変化しているということがわかる。またStep1 311、もしくはStep2 312のみの範囲で相関行列Rを求めると、rii=1、rij~0 (i≠j)と、ほぼ単位行列となり、主成分分析PCAによれば、各波形はそれぞれ独立であるということがわかる。バラツキの大きさが変わったとしても、そのバラツキ成分の平均がゼロで、信号間で独立であれば、相関行列Rはほぼ単位行列となり、同様の結果となる。以上より複数の信号のばらつきや信号強度差を一括して検出、識別できないことがわかる。
(2) 時点間主成分分析IT(Inter−Time−point)−PCA
複数の信号を一括処理し、差異を検出、識別するために、主成分分析PCAで解析するならば、時間軸に沿った信号間の相関関係ではなく、他の評価軸に沿った信号間の相関関係を用いなければならない。もしくは、バラツキであるにしろ平均の差であるにしろ、信号間の強度差を直接に一括処理し、差異を検出、識別できる方法を利用しなければならない。
図3のStep1 311、Step2 312とも、それぞれの範囲で信号間に相関は無い。信号毎に信号強度差はある。そこで横軸に信号、縦軸に信号強度をとったグラフを図4に示す。プロットは図3における時点t11 323、t12 324、t13 325の信号強度である。各時点の信号強度を信号に亘って線分で結べば、時点t11、t12、t13は、それぞれ折れ線411、412、413となる。このように時点間では信号強度に相関がある。信号1 421、信号2 422、信号3 423、信号4 424に沿って負の相関である。図3のStep1 311の範囲に着目すると、信号強度は昇順で、信号1 303、信号2 304、信号3 305、信号4 306の順に大きくなっているので、やはり時点間で信号強度に相関がある。このように時点間で相関を取れば、信号強度差に相関関係を求めることができる。
また特定の信号に図2(b)に示したようなハンチングがあったとしても、ハンチングのある時点で、信号間で信号強度差があるため、時点間で信号強度に相関がでる。時点間で相関関係が無い複数の信号とは、複数の信号が一致している場合、もしくは複数の信号について各時点での平均との差が正負に均等にばらついて、時点間の積和が相殺されてゼロになる場合である。
時点間の相関行列Rを求める計算は、数式1、数式2を用いればよい。この際、xは各時点における信号データであり、ボルド体のxは信号の数nsignalを要素数とするベクトルである。また添え字のi、jは各時点を意味する。なお、複数の信号について時点間で相関関係が無くなる場合とは、数式1がゼロとなることである。
主成分を軸とした特徴空間に、主成分スコアPcを配置すれば、信号の差異を検出、識別できる。強度変化が類似した複数の信号は近い位置に配置され、強度変化の差異が大きい信号は離れた位置に配置される。また主成分ベクトルには特徴的な信号が現れる。例えば複数の信号で共通した変化、特定の信号にしか存在しない変化が現れ、またこれらの変化は、主成分の固有値の大きさ(寄与)に応じた順番の主成分ベクトルに現れる。
この時点間の相関行列を用いた主成分分析PCAを、時点間主成分分析IT(Inter−Time−point)−PCAと呼ぶ。主成分分析PCAの計算方法自体は数式3から数式5と同じである。ひとつの信号について、時点数ntimeの主成分スコアが求まる。主成分スコアを配置した空間において、各信号の差異を検出、識別できる。
(3) 多次元尺度構成法MDS(Multi−Dimensional Scaling)
信号間の強度差を直接に一括処理し、差異を検出、識別するためには、信号間の非類似性dissimilarity、もしくは距離を定義できれば、多次元尺度構成法MDS(Multi−Dimensional Scaling)により信号間の関係を特徴量による空間に配置して、差異を検出、識別できる。
多次元尺度構成法MDSは、空間に配置されている各サンプル間の距離のデータから、サンプルの座標値を求める方法である。今、ndimension次元空間中にnsample個のサンプルが配置されているとする。サンプル間の距離がユークリッド距離で定まる場合には、次式がサンプル間の距離となる。
Figure 0005648157
ここでi、jは各サンプルのインデクスであり、kは次元のインデクスである。nsample×nsampleの距離行列Tは次式となる。
Figure 0005648157
なお距離行列Tを、非類似性行列とも呼ぶ。
中心化行列Gnを用いて、内積行列Bcを求める。
Figure 0005648157
Figure 0005648157
ここでInはn×nの単位行列である。1nは全ての要素を1とする要素数nのベクトルである。サンプル数はnsampleであるので、n=nsampleである。
内積行列Bcを固有値分解する。
Figure 0005648157
Λは対角要素を固有地、他要素をゼロとしたnsample×nsampleの行列、Vは固有ベクトルを列に並べたnsample×nsampleの行列である。内積行列Bcとndimension次元空間中の各サンプルの座標値の行列Xcとの間にはBc=XcXcTの関係がある。よって座標値の行列Xcは次式で得られる。
Figure 0005648157
2次元空間中のサンプルである場合、行列Xcの1列目と2列目が第1軸、第2軸の座標値となる。つまり数式11の座標値xcijのインデクスiはサンプル、jは多次元尺度構成法MDSの写像である特徴空間の軸を意味する。XcをMDS写像と呼ぶ。MDS写像の座標値はnsample数分、算出される。
(4) 信号間多次元尺度構成法IS(Inter−Signal)−MDS
複数の信号の強度差を用いて、差異を検出、識別するために、信号間に距離を定義する。各時点に亘って、信号強度の差の2乗の総和で距離を定義できる。つまり式(6)のi、jを信号についてのインデクス、kを時点についてのインデクスとすることである。ndimension=ntime、nsample=nsignalである。この距離の定義により多次元尺度構成法MDSで解析すれば、数式11で算出される特徴空間の座標値で、信号の差異が表現される。この距離の定義に基づき信号を解析する多次元尺度構成法MDSを信号間多次元尺度構成法IS(Inter−Signal)−MDSと呼ぶ。
(5) 時点間多次元尺度構成法IT(Inter−Time−point)−MDS
距離の定義について、時点間主成分分析IT−PCAと同様に時点間の信号強度の差に着目すれば、時点間での信号強度の差を距離とすることもできる。すなわち、時点間で同一信号の差を取り2乗して、全信号について総和として時点間の距離を定義する。図5に、図3の信号について時点t0 321とt2 326の信号強度の、信号に亘るグラフを示す。図5中の両矢印の差を取り2乗して、全信号について総和として時点間の距離とする。数式6のi、jを時点についてのインデクス、kを信号についてのインデクスとすることである。ndimension=nsignal、nsample=ntimeである。この距離の定義により多次元尺度構成法で解析すれば、数式11で算出される特徴空間の座標値は、信号に含まれる特徴的な信号の波形となる。つまり座標値行列Xcの行を横軸として、またデータ値(行列の要素値)を縦軸として、各列のデータ値を波形としてグラフ化すれば、グラフには特徴的な信号が示される。この信号の波形を、実際の信号の差異の大きさを反映して表すためには、座標値行列Xcに距離行列Tを掛け合わせる。これを多次元尺度構成法MDSスコアMDSscoreと本明細書では呼ぶ。MDSスコアMDSscoreはntime×ntimeの行列である。列毎に第i座標軸に対応した、要素数ntimeのMDSスコアmdsscoreiとなる。
Figure 0005648157
時点間での信号強度の差による距離の定義に基づき、信号を解析する多次元尺度構成法MDSを時点間多次元尺度構成法IT(Inter−Time−point)−MDSと呼ぶ。
以上の方法によれば、処理時間に亘って、信号間に相関関係が無くても、バラツキの有無と大小、信号強度差の大小という違いがあれば、複数の信号を一括して計算し、特徴空間において、信号の差異を検出、識別可能となる。また事前に信号の変化パターンを用意する必要もない。
(6) 半導体製造装置の構成例
図6および図7により、本発明の一実施の形態に係る半導体製造装置の構成および動作について説明する。図6は本発明の一実施の形態に係る半導体製造装置の構成例を示す構成図、図7は本発明の一実施の形態に係る半導体製造装置601に備えられた計算機111において実行される、またはネットワーク131を介して接続される装置データ監視装置133において実行される半導体製造装置監視処理演算部の機能構成を示す構成図である。
図6に示す通り、半導体製造装置601は、処理室602、プロセス処理用の材料の供給系603、プロセス処理後の廃材の排出系604、装置コントローラ、外部通信装置109、計算機システムである計算機、記憶装置111、端末である画面、ユーザーインターフェース112、所定の処理を実現するための装置の各部位を動作・変化させる装置制御装置1 611から装置制御装置n 615、プロセス処理の状況を検出するための処理中センサ1 621から処理中センサm 623で構成される。
処理室602とは、図1に示したエッチング装置101の例においては、チャンバ102のことである。薄膜を堆積するプラズマCVD装置やPVD(Physical Vapor Deposition;物理気相成長法)装置でも処理室のことをチャンバと呼ぶ。熱酸化装置、LPCVD装置では、複数のウェハをボートに装填して処理を行い、この処理室のことを炉furnaceと呼ぶ。洗浄装置やめっき装置では、特に薬液にウェハを入れるので、処理室は浴槽となる。CMP装置は、研磨ヘッドでウェハを持ち、回転定盤上のパッドに押し付けて、回転運動することで研磨を行う。この研磨のための装置構成部位が処理室である。ウェハのプロセス処理を直接に行う部位が処理室である。
供給系603、排出系604は、図1に示した例においては、ガス供給系108、排気系107となる。他の種類の装置においても、プロセス処理実現のための材料を供給し、処理後の材料を排出する構成を有する。
装置制御装置1 611から装置制御装置n 615は、図1に示した例においては、流量調整装置113、圧力調整装置114、電力調整装置115、温度調整装置116に該当する。他の種類の装置においても、装置を動作させ、プロセスを調整するための装置を備える。また半導体製造装置は、ウェハを処理室に搬送する構造を備えており、この搬送装置を動作させるための制御装置も、装置制御装置として扱ってよい。
処理中センサ1 621から処理中センサm 623は、図1に示した例においては、OES(発光分光器)である。
各装置制御装置611−615、各処理中センサ621−623の出力は、図示してはいないが装置コントローラ、外部通信装置109を経由して、計算機、記憶装置111へ入力される。また、製造ラインに設置された複数の半導体製造装置を総合的に監視する装置データ監視装置133が設置されている場合には、装置コントローラ、外部通信装置109より各装置制御装置611−615、各処理中センサ621−623の出力をネットワーク131を介して、装置データ監視装置133へ送信する。装置データ監視装置133により、装置データDB132へ記録される。
半導体製造装置601はネットワーク131を介して、装置データDB132と接続されており、またデータ共用の便を図り、計算機システムである装置データ監視装置133もネットワーク131に接続されている。
計算機、記憶装置111は、製造処理中においては、前記各装置制御装置、各処理中センサの出力を取得して、装置データとして装置コントローラ、外部通信装置109を介して装置データDB132へ記録し、半導体製造装置の監視処理においては、前記装置データDB132より装置コントローラ、外部通信装置109を介して該当する装置データを読み出して、解析を行うことで装置監視処理を実行する。また計算機、記憶装置111は、画面、ユーザーインターフェース112と接続されており、装置監視の状況や異常発生の警告、解析結果である主成分スコア、MDS写像のグラフや、信号波形のグラフ、固有値(寄与)一覧といった情報をユーザーに表示する。これらの処理の中で前記装置データDB132より該当する装置データを読み出して、解析を行う装置監視処理は、ネットワーク131を介して接続された装置データ監視装置133が処理しても良い。もしくは、装置データ監視装置133の機能は、半導体製造装置601の計算機、記憶装置111により実行されるソフトウェアとして、および装置データDB132が計算機、記憶装置111内に構成されて半導体製造装置601に備えられているという構成でも良く、この場合、半導体製造装置601をネットワークに接続しなくても監視処理システムは装置を監視できる。
(7) 半導体製造装置監視処理演算部の機能構成
計算機、記憶装置111において実行する半導体製造装置監視処理演算部701は、ロット、ウェハ毎処理来歴取得部702、装置データ(解析対象データ)取得部703、相関行列算出部704、距離行列、内積行列算出部705、固有値計算部706、主成分スコア算出部707、MDS写像算出部708、MDSスコア算出部709、固有値一覧表示部710、特徴空間(主成分スコア、MDS写像)表示部711、特徴信号波形(主成分ベクトル、MDSスコア)表示部712、異常検知判定基準取得部713、異常検知部(警告発生部)714とを有する。
ロット、ウェハ毎処理来歴取得部702は、各装置制御装置611−615、各処理中センサ621−623からの出力信号を、所定のサンプリング周期において取得して、それらの装置データを装置データDB132に記憶する。
(8) 装置データDB132のデータ構成
装置データDB132のデータ構成例を図29に示す。装置データDB132をネットワークに接続して、複数の半導体製造装置の装置データを記憶する共通のデータベースとして構成する場合には、記憶する装置データを分類するためのディレクトリとして、半導体製造装置ID2901を有する。さらに、当該半導体装置において処理されたロット又はウェハID2902、製造工程ID2903、製造レシピID2904、製造日時2905のデータレコードより成るディレクトリによって、装置データを分類している。そして、当該半導体製造装置において、当該ロットまたはウェハの製造処理が実施されている間、信号ごとに所定のサンプリン周期で、装置データを格納する。装置データは、信号ID2906、観測開始日時2907、観測終了日時2908、サンプリング間隔2909、時系列装置データ2910のデータ項目より成るデータレコード形式に記憶される。例えば、信号IDがsig−1の信号データは観測開始日時が10月18日09時20分10秒00からサンプリングを開始して、観測終了日時が10月18日09時26分25秒50まで、サンプリング間隔が0.50秒で取得された信号強度データを、時系列装置データの欄に格納する。
半導体製造装置601をネットワーク131に接続して、ネットワーク上の装置データ監視装置より装置監視処理を実行しない場合には、上記した装置データDB132を計算機、記憶装置111内に構成する。
(9) 半導体製造装置601の監視処理の概要
半導体製造装置601の監視処理は、例えば同一工程の、同一レシピの複数回の製造処理履歴を検索して、該当装置データの実値を取得して解析を行うことで、半導体製造装置状態を監視し、異常を検知する。なおこの処理は計算機・記憶装置111が行う場合と、ネットワーク上の装置データ監視装置133が行う場合とが考えられる。
まず解析の対象とする装置データを特定し、装置データ取得(解析対象データ取得)部703により、装置データDB132から装置データを取得する。
取得した装置データを対象として、時点間主成分分析IT−PCA、信号間多次元尺度構成法IS−MDS、または時点間多次元尺度構成法IT−MDSにより解析処理を行う。
時点間主成分分析IT−PCAでは、まず相関行列算出部704で時点間の相関行列を計算する。そして固有値計算部706で固有値と固有ベクトルを算出し、主成分スコア算出部707で主成分スコアを算出する。固有値一覧表示部710で固有値(寄与率)の大きさを比較表示する。これにより信号中の共通の変化パターン、もしくは特異な変化パターンがあるかを、固有値の大きさにより判別可能とする。異常検知判定基準取得処理713で信号が異常であると判定する基準をユーザ入力より取得する。この基準とは、信号間の主成分スコアの値の差(主成分スコアが配置される特徴空間中の距離)の大きさについての閾値である。閾値を超えた場合に異常であるとする。異常検知部(警告発生部)714で異常の判定をし、異常発生と判定すれば、画面・ユーザーインターフェース112に警告を表示する。計算処理の結果については、特徴空間(主成分スコア、MDS写像)表示部711で画面、ユーザーインターフェース112に主成分スコアのグラフを表示し、特徴信号波形(主成分ベクトル、MDSスコア)表示部712で、主成分ベクトルを、横軸をベクトルの要素番号順に処理時間とし、縦軸をベクトルの値としたグラフで表示する。また固有値一覧も表示する。これによりユーザは発生した信号の、過去の信号との差異や波形の特徴を確認できる。これらのユーザに対する出力においては、ネットワークを介して外部に情報を通知しても良く、電子メールや音声処理など出力の形態は様々とできる。
信号間多次元尺度構成法IS−MDSでは、距離行列、内積行列算出部705で波形間の距離を計算し、内積行列を求める。固有値計算部706で内積行列の固有値と固有ベクトルを求め、MDS写像算出部708でMDS写像の座標値を求める。異常検知判定基準取得部713で異常発生の判定のための基準を取得し、異常検知部(警告発生部)714で異常を判定し、警告を出力する。特徴空間(主成分スコア、MDS写像)表示部711で画面、ユーザーインターフェース112にMDS写像のグラフを表示する。また固有値一覧表示部710で固有値(寄与率)一覧も表示する。
時点間多次元尺度構成法IT−MDSでは、距離行列、内積行列算出部705で時点間の距離を計算し、内積行列を求める。固有値計算部706で内積行列の固有値と固有ベクトルを求め、MDS写像算出部708でMDS写像の座標値行列Xcを得る。MDSスコア算出部709で座標値行列Xcと距離行列TよりMDSスコアを求める。MDSスコアは処理時間に対する信号の特徴的な波形パターンである。特徴信号波形(主成分ベクトル、MDSスコア)表示部712で画面、ユーザーインターフェース112にMDSスコアの処理時間に対するグラフを表示する。また固有値一覧表示部710で固有値(寄与率)一覧も表示する。
以上のシステムの構成により、複数の装置データより、信号の違いを解析して、自動的に異常を検知可能となるとともに、解析結果を表示することによりユーザが診断や対策を進めていくことができる。
まず半導体製造装置における、本発明での半導体製造装置の監視方法の概要を、図8を用いて説明する。
半導体製造装置601の構成は図6に示したものと同一である。装置監視処理を実行するのは、本実施例では装置の計算機、記憶装置111が行うものとしている。
半導体製造装置601で、複数回のウェハの処理が実施されて、処理中の各装置制御装置611、各処理中センサ621の出力信号は、装置コントローラ、外部通信装置109を介して計算機、記憶装置111に入力されて装置データDB132に記憶される。記憶された装置データである各種信号を、処理回数の分、すなわち各種信号×処理回数801のデータを、装置データDB132から計算機、記憶装置111が取得し、解析処理を実行する。本実施例では、例えばエッチング装置で処理が行われた12回の処理の信号を対象とする。信号変化はグラフ802に示される。12回の処理で信号強度はシフトし、7回目のひとつの信号でハンチングが発生している。これらの信号の、サンプリング時点間の相関803を算出し、主成分分析PCA804を実行すると、特徴量(スコア)写像807が得られる。またサンプリング信号間の差、時点間の差805を算出し、多次元尺度構成法MDS806を実行しても、特徴量(スコア)写像807が得られる。特徴量(スコア)写像807においては、各信号は、シフトの大きさの変化はその大きさに応じてpc1/xc1軸方向に並び、またpc2/xc2軸方向にハンチングがある信号が分離される。以上の処理は自動的に計算機で実行でき、これらの特徴量の差をとることで、異常といった信号間の違いを自動で検知できる。また主成分分析PCA804ならば主成分ベクトル、また時点間の差を用いた多次元尺度構成法MDS806ならば特徴量(MDSスコア)で、処理時間に亘っての特徴的な信号変化のデータを得ることができる。これらの計算結果を、グラフとして画面、ユーザーインターフェース112に表示すれば、ユーザは異常の有無や信号変化の特徴を確認できる。
図9に示す前記した12回の処理の信号を対象に、各信号を特徴空間に配置し、また信号に含まれる特長的な波形パターンを抽出する方法を以下に示す。グラフの縦軸Signal (A.U.)902の単位系A.U.は任意単位系(Arbitrary Unit)を意味する。図9では、各信号はプロセス処理の毎に信号#001 911から#012 922に亘って信号強度がシフトしていき、また信号#007 917にはハンチングが入っている。
まず時点間主成分分析IT−PCAによる方法を示す。相関行列算出部704は時点間の信号の相関行列Rを算出する。信号のデータを、行に各信号、列に各時点を取り、列間の平均の縦ベクトルを列ごとに差し引いた行列を今Xtmpとおくならば、
Figure 0005648157
として相関行列は算出される。そして固有値計算部706が固有値λiと固有ベクトルviを計算し、主成分スコア算出部707が主成分スコアpciを算出する。iは1からntimeまでの整数であり、固有ベクトルviは要素数ntimeのベクトル、pciは要素数nsignalのベクトルとなる。pciの要素の順番は、信号のデータの各行の信号に対応する。
図10に、固有値一覧表示部710により表示される固有値、すなわち寄与率CR(Contribution Ratio)1002を大きさの順に、降順に示した表を示す。CCR1003は累積寄与率(Cumulative Contribution Ratio)である。これによれば第1主成分の寄与が95%とほとんどを占め、第2主成分の寄与が5%、それ以降は寄与が無いことがわかる。なお、固有値、固有ベクトルはntime個、算出される。
図11に特徴空間(主成分スコア、MDS写像)表示部711による特徴空間における各信号の主成分スコアのプロットを示す。(a)は第1主成分(pc1)と第2主成分(pc2)に対する散布図であり、(b)は第3主成分(pc3)と第4主成分(pc4)に対する散布図である。これよりpc1 1101で信号の強度変化が表現され、またpc2 1102で信号#007のハンチングによる違いが表現されているとわかる。図(b)では各信号がばらついているだけであり、固有値の情報の寄与率が0%であることから、これらの主成分は無意味であることがわかる。よって第1主成分と第2主成分の値を信号間で比較し、差を判定すれば自動的に異常が発生したか判別できることとなる。
図12に、特徴信号波形(主成分ベクトル、MDSスコア)表示部712が算出した特徴信号波形である、処理時間に亘っての主成分ベクトルを示す。図12(a)固有ベクトル1では、平均値は0.07程度となっており、すなわち信号強度に信号間で差があることがわかる。また図12(b)固有ベクトル2より信号#007に含まれるハンチングが特徴信号波形として得られていることがわかる。図12(c)と(d)の主成分ベクトルはランダムにばらついているだけであり、固有値の情報の寄与率が0%であることから、これらの主成分は無意味であることがわかる。
次に信号間多次元尺度構成法IS−MDSによる方法を示す。距離行列、内積行列算出部705は、信号間の時点毎の信号強度の差に基づき、数式7の距離行列Tを算出する。数式8から数式10の計算により内積行列Bcを算出してから、固有値計算部706が固有値λi、固有ベクトルviを計算する。MDS写像算出部708が数式11の計算で特徴空間であるMDS写像における各信号の座標値xciを算出する。iは1からnsignalまでの整数であり、固有ベクトルviは要素数nsignalのベクトルである。iの順番は、距離行列Tの行、列に対応する信号の順番に対応する。なお、固有値、固有ベクトルはnsignal個、算出される。
図13が算出した距離行列Tである。対角成分はゼロとなる。また処理の繰り返し毎の信号#001から#012に向かって第1行、第1列ともに距離が増加していくが、信号#007で距離が増加しており、ハンチングによる影響が入っていることがわかる。
図14に信号間多次元尺度構成法IS−MDSで算出した、固有値の一覧を示す。第1主成分が90%とほとんどを占め、第2主成分が10%、それ以降は0%で寄与は無い。
図15に、MDS写像算出部708、特徴空間(主成分スコア、MDS写像)表示部711が算出した特徴空間である、各信号のMDS写像におけるプロットを示す。図15(a)が第1軸xc1、第2軸xc2に対するプロットであり、これより第1軸xc1 1501で信号強度差、第2軸xc2 1502で信号#007のハンチングによる違いが表現されているとわかる。図15(b)は第3軸xc3、第4軸xc4に対するプロットであり、固有値の情報の寄与率が0%であることから、これらの軸は無意味であることがわかる。
時点間多次元尺度構成法IT−MDSによる方法を示す。この方法は信号中の特徴信号波形を抽出するための方法である。距離行列、内積行列算出部705は、各信号における時点間の差を取り、数式7の距離行列Tを算出する。信号間多次元尺度構成法IS−MDSと同様に内積行列Bcを算出し、固有値計算部706が固有値λi、固有ベクトルviを計算する。iは1からntimeまでの整数であり、固有ベクトルviは要素数ntimeのベクトルである。iの順番は、距離行列Tの行、列に対応し、すなわち処理時間に亘る並びである。そして、MDSスコア算出部709が数式12でMDSスコアmdsscoreiを求める。mdsscoreiはMDSscoreのi列をとったベクトルである。
図16に固有値一覧表示部710が画面、ユーザーインターフェース112に表示した固有値の一覧を示す。第1固有値の寄与が95%とほとんどを示す。累積寄与率CRR1603を見ることで、第10固有値までは小数点2桁の精度で寄与率があり、それ以降は寄与率0%である。なお、固有値、固有ベクトルはntime個、算出される。
図17に、特徴信号波形(主成分ベクトル、MDSスコア)表示部712が画面、ユーザーインターフェース112に表示した処理時間に亘るMDSスコアのグラフを示す。第1から第12までのMDSスコアを示す。図17(a)はMDSスコアの全波形を示したグラフであり、図17(b)はMDSスコアの値の範囲をゼロの付近に拡大したグラフである。第1MDSスコアscore01によりハンチングと信号強度シフトの特徴があることがわかる。また第2から第11までのMDSスコアには信号強度シフトの特徴があることがわかる。第12以降のMDSスコアはゼロとなる。第1MDSスコアにハンチングと信号強度シフトの特徴があるので、このMDSスコアだけで、複数の信号に含まれる特徴的な波形パターンを確認できる。
信号間多次元尺度構成法IS−MDSと時点間多次元尺度構成法IT−MDSによれば、MDS写像による特徴空間で異常を自動判定でき、また信号に含まれる特徴信号波形を抽出できることがわかる。
図18に示す12回の処理の信号を対象に、各信号を特徴空間に配置し、また信号に含まれる特長的な波形パターンを抽出する方法を示す。各信号はプロセス処理の毎に信号強度がプラス方向にシフトしていき、さらに信号#001 1811、#004 1814、#007 1817、#010 1820には、それぞれ15秒、35秒、55秒、75秒近傍でハンチングが発生している。また#001 1811、#004 1814、#007 1817、#010 1820は0秒の解析対象の開始時点から立上り遅れが発生している。#001 1811、#004 1814、#007 1817、#010 1820の順に遅れは大きくなっている。この遅れのため4つの信号には信号間で、相関関係もあることになる。
本実施例では、時点に亘る信号間の相関関係の有無に関わらず、本発明の方法である時点間主成分分析IT−PCA、信号間多次元尺度構成法IS−MDS、時点間多次元尺度構成法IT−MDSにより、特徴空間において異常を自動判定でき、また信号に含まれる特徴信号波形を抽出できることを示す。
時点間主成分分析IT−PCAによる、複数信号の特徴空間への変換方法と波形パターンの抽出方法を示す。計算方法は実施例1に示した方法と同じである。
図19に寄与率CR1902を降順に示した表を、累積寄与率CCR1903とともに示す。第1主成分の寄与率が80%と大きいが、第2主成分は12%、また第3主成分から第5主成分までも数%の寄与率となっている。すなわち第5主成分までは寄与がある信号中の波形パターンであることがわかる。それ以降は寄与が無いこともわかる。
図20に特徴空間(主成分スコア、MDS写像)表示部711が画面、ユーザーインターフェース112に表示した各信号の主成分スコアのプロットを示す。(a)は第1主成分(pc1)と第2主成分(pc2)の散布図であり、(b)は第3主成分(pc3)と第4主成分(pc4)の散布図、(c)は第5主成分(pc5)と第6主成分(pc6)の散布図である。寄与率のある第5主成分(pc5)までが入るようにグラフを示した。これらより、まずpc1でシフトによる強度変化が表現され、pc2には遅れとハンチングによる違いが表現されていることがわかる。特にpc2の負の方向に、#001、#004、#007、#010が並んでいるため、特に遅れの違いをよく反映していると考えられる。pc3ではハンチングの有無が表現され、pc4では特に#004、#007の違いが出ている。またpc5ではシフトだけの信号に対し、正負にハンチングのある信号が散っている。第6主成分の寄与率はゼロなので、pc6の信号の配置は無意味である。よって第1主成分から第5主成分までの主成分の値を信号間で比較し、差を判定すれば自動的に異常が発生したか判別できる。
図21に、特徴信号波形(主成分ベクトル、MDSスコア)表示部712画面、ユーザーインターフェース112に表示した処理時間に亘っての主成分ベクトルを示す。図21(a)から(f)は、第1主成分から第6主成分の固有ベクトルをそれぞれ示している。固有ベクトル1では平均がゼロではなく、およそ0.06程度となっているので、信号強度に信号間に差があることがわかる。固有ベクトル2には、ハンチングの波形が入り込んでいるが、立上り遅れの波形変化が強く現れて、また#010のハンチングの強度が強く現れている。固有ベクトル3は#001のハンチングが、固有ベクトル4は#004のハンチング、固有ベクトル5には#007のハンチングが強く現れている。寄与がゼロの固有ベクトル6はランダムにばらついている。固有ベクトル1から5までを観察することで、信号の特徴的な波形パターンがわかった。
次に信号間多次元尺度構成法IS−MDSによる複数信号の特徴空間への変換方法を示す。計算機における計算内容は実施例1と同じである。
図22に信号間多次元尺度構成法IS−MDSで算出した固有値の一覧を示す。第1主成分から第5主成分まで順に60%、30%、5%、3%、2%である。以降で寄与は無い。
図23に特徴空間であるMDS写像を示す。図23(a)が第1軸xc1、第2軸xc2、図23(b)第3軸xc3、第4軸xc4、図23(c)が第5軸xc5、第6軸xc6に対するプロットである。第1軸についてはxc1=2にハンチングと立上り遅れの信号が並んでいるが、他の信号は負の方向に並んでいる。また第2軸については正の方向に信号の強度のシフトが現れる。但し、第2軸でハンチングと立上り遅れのある信号と無い信号とではxc2の値が対応していない。以上から第1軸、第2軸には、いずれにも信号の強度のシフト、立上り遅れとハンチングの影響が含まれていることとなる。第3軸、第4軸は信号#001、#004、#010の信号の違いが現れ、また第5軸は主に信号#007の違いが現れる。立上り遅れとハンチングのある信号と無い信号との、MDS写像における差、もしくは距離を判定すれば自動的に異常が発生したか判別できる。
時点間多次元尺度構成法IT−MDSによる、複数の信号に含まれる波形パターンの抽出方法を示す。計算方法は実施例1に示した方法と同じである。
図24に固有値の一覧を示す。第1固有値の寄与が83%と大きく、第2固有値は10%、第3固有値、第4固有値はそれぞれ5%、3%である。以降、寄与は無い。
図25に、処理時間に亘るMDSスコアのグラフを示す。第1から第13までのMDSスコアを示す。図25(a)はMDSスコアの全波形を示したグラフであり、図25(b)は縦軸Score(A.U.)2512を[−4,12]としたグラフ、図25(c)は縦軸Score(A.U.)2522を[−0.04, 0.04]としたグラフである。図25(b)ではscore01を、また図25(c)ではscore01、02、 03、04を描画していない。第1MDSスコアscore01には、強度シフトと立上り遅れ、ハンチングの特徴が現れる。第2MDSスコアscore02、第4MDSスコアscore04には主に強度シフトとハンチングが現れる。第3MDSスコアscore03にはハンチングが現れる。第5MDSスコアscore05から第12MDSスコアscore12は、非常に小さなMDSスコアの値であるが、強度シフトの特徴が現れる。寄与率の大きい第1MDSスコアだけでも立上り遅れ、ハンチング、強度シフトの特徴的な波形パターンを確認できる。もしくは寄与率がゼロではない第4MDSスコアまでをグラフとして、特徴的な波形パターンを確認しても良い。
本実施例においても、信号間多次元尺度構成法IS−MDSと時点間多次元尺度構成法IT−MDSによれば、MDS写像による特徴空間で異常を自動判定でき、また信号に含まれる特徴信号波形を抽出できることがわかる。
本実施例では、異常検知する方法、及び解析結果の画面、ユーザーインターフェースへの表示の例を示す。
時点間主成分分析IT−PCAでは主成分スコア、信号間多次元尺度構成法IS−MDSではMDS写像を特徴空間とし、特徴空間における複数信号の配置関係を判定することにより、異常な信号を識別することが、異常検知処理である。特徴空間における複数信号の配置関係とは、例えば図11、図20に示した主成分スコアのプロット、また図15、図23に示したMDS写像のプロットである。
ここで、一つの主成分スコアに対する異常の判定方法を説明する。
図26(a)に実施例1の時点間主成分分析IT−PCAにより計算された第2主成分pc2の信号の分布を示す。また図26(b)に実施例2の時点間主成分分析IT−PCAにより計算された第3主成分の信号の分布を示す。
図26(a)の分布において、全ての信号の平均average2603の+1σ2602と−1σ2604の範囲に信号#007を除く全ての信号が含まれる。つまり信号#007が他の信号に対して特異であることになる。そこで異常が発生したと判定するためには、数式14が満たされるならば異常無しとして、異常な信号を求めればよい。
Figure 0005648157
ここで、xは主成分スコア、もしくはMDS写像値であり、iは主成分番号、もしくはMDS写像の軸番号である。jは信号を意味するインデクスである。変数の上のバー“−”は平均を意味する。またσ は標準偏差である。範囲を1σに限定する必要は無く、一般的には正数(実数)kにより範囲を定めておけばよい。
Figure 0005648157
図26(b)においては、数式14によれば、信号#001、#004、#007が異常と判定される。そこで図20を確認すれば、第2主成分pc2(A.U.)2002において信号#010が最も平均から解離していることがわかる。このように主成分、もしくはMDS写像の軸を変えれば異常な信号を判定できる。なお評価すべき軸は、計算で得られた固有値で判断すればよく、例えば実施例1の時点間主成分分析IT−PCAならば図10より寄与のある第2主成分までを評価すればよいことがわかる。実施例2の時点間主成分分析IT−PCAならば図19より第5主成分までを評価すればよい。
異常の評価対象とする主成分数、もしくはMDS写像の軸数をlまでとし、多変量の主成分スコア、もしくはMDS写像値のベクトルにより、複数の主成分、もしくは複数のMDS写像の軸において、異常を判定することもできる。この場合、数式16を満たす場合に異常無しとして、異常な信号を求めればよい。
Figure 0005648157
ここでxは要素数がlの主成分スコア、もしくはMDS写像値のベクトルである。ベクトルの上のバー“−”は要素毎に信号間で平均を取ったベクトルであることを意味する。σは主成分、もしくはMDS写像の軸毎の、信号間の標準偏差のベクトルである。Sは信号の主成分スコア、もしくはMDS写像値の、l×lの標本分散共分散行列である。
特徴空間において信号の異常を判定する方法として、予め異常と正常の判別の基準を過去の事例から決めることができるならば、判別分析やサポートベクターマシンSVM(Support Vector Machine)を用いてもよい。
また特徴空間における信号の異常を判定するために、グループ分類を利用する方法もある。図27に図26(b)に示した時点間主成分分析IT−PCAの第3主成分を用いた、クラスター分析による、信号の樹形図(デンドログラム)を示す。これによれば第1の分岐1st division2701により、Group1 2702として信号#001、#004、#007、#010が、他の信号のグループGroup2 2703と分離される。信号の数を比較し、信号の数が少ないグループを異常とすればよい。このように上位階層2704での分岐によるグループ分けで異常を判定できる。
グループ分類の方法としては、クラスター分析の他にk−means法も利用できる。
次に分析結果の画面、ユーザーインターフェースへの表示内容を示す。この表示は、異常の有無に関わらずに処理しても良く、プロセス処理の度に表示しても良い。また異常の発生は、必ずしも画面でユーザーが確認しなければならないものではなく、メール(e−mail)やサイレンなどの音で警告を出しても良い。
画面表示の例を図28に示す。画面2801には、異常判定結果2802、固有値による寄与率一覧2803、特徴空間における信号のプロット2805と信号のプロットの凡例2804、そして信号の特徴波形2806が表示される。これらの情報によりユーザーは異常の発生とそのときの信号に含まれる波形の特徴を確認できる。
これらの情報は、時点間主成分分析IT−PCAならば、固有値と主成分スコア、主成分ベクトルにより、それぞれ寄与率一覧2803、特徴空間における信号のプロット2805、信号の特徴波形2806を表示できる。
多次元尺度構成法で分析を行うならば、信号間多次元尺度構成法IS−MDSによる固有値、MDS写像で、それぞれ寄与率一覧2803、特徴空間における信号のプロット2805を表示し、時点間多次元尺度構成法IT−MDSによるMDSスコアで信号の特徴波形2806を表示できる。時点間多次元尺度構成法IT−MDSによる固有値も寄与率一覧2803に含めても良い。
または、時点間主成分分析IT−PCA、信号間多次元尺度構成法IS−MDS、時点間多次元尺度構成法IT−MDSの全ての情報を画面に表示しても良い。各情報の表示の形式は図28の各画面を要素のものとすればよい。
以上が本発明による監視方法を備えた半導体製造装置の処理内容である。
なお、本発明は半導体製造装置に関するものであるが、時点間主成分分析IT−PCA、信号間多次元尺度構成法IS−MDS、時点間多次元尺度構成法IT−MDSの計算方法自体は、あらゆる信号、更に一般的にはデータ点数が同じ複数のデータ項目の解析に適用可能である。これらの計算方法自体は半導体製造装置に限定されるものではない。
本実施例では、半導体製造装置601の装置監視処理を実行するのは、図6に示すネットワーク131を介して接続される装置データ監視装置133である場合の構成を説明する。
実施例1においては、半導体製造装置601に備えられた計算機、記憶装置111にある半導体製造装置監視処理演算部701で装置監視処理の全ての機能を実行する例を示した。また、装置データDB132が計算機、記憶装置111内に構成される例を説明した。
本実施例の装置データ監視装置133は、図7に示す半導体製造装置監視処理演算部701を備え、ネットワーク131に接続された複数の半導体製造装置601の装置監視処理を実行する。また、ネットワーク131に接続された装置データDB132は、複数の半導体製造装置601の装置データを共通に格納する。
各半導体製造装置601の計算機、記憶装置111のロット、ウェハ毎処理来歴取得部702は、各装置制御装置611−615、各処理中センサ621−623の出力信号を、所定のサンプリング間隔の装置データとして取得して、ネットワーク131を介して、装置データDB132へ記録する。
装置データ監視装置133は、各半導体製造装置601ごとに記憶された装置データを装置データDB132から検索して読み出し、各半導体製造装置601の装置監視処理を、実施例1,2,3に記載した処理と同様に実行する。そして、処理結果を、図6,7には記載していない出力部へ出力すると共に、または該当する半導体製造装置601の計算機、記憶装置111へ処理結果を全て送信する。
装置監視処理結果のデータを受信した計算機、記憶装置111は、各表示処理部、異常検知部714により、画面、ユーザーインターフェース112へ表示、出力する。
なお装置データ監視装置133は、例えば装置の近くに設置されている必要はなく、データセンターといった建物に設置されていてもよい。処理結果の出力は装置の画面、ユーザーインターフェース112でなくても、オフィスのPC(パーソナルコンピュータ)端末画面、ユーザーインターフェースであってもよい。これならば複数の装置を同時に、同一の画面で管理できる。
101 ………エッチング装置
102 ………チャンバ
103,106 ………電極
104 ………プラズマ
105 ………ウェハ
107 ………排気系
108 ………ガス供給系
109 ………装置コントローラ、外部通信装置
110 ………OES(発光分光器)
111 ………計算機、記憶装置
112 ………画面、ユーザーインターフェース
121 ………窓
122 ………光
131 ………ネットワーク
132 ………装置データDB
133 ………装置データ監視装置
200 ………凡例
201,211,221,231 ………時間(秒)
202,212,222,232 ………信号強度
203,213,223,233 ………信号1
204,214,224,234 ………信号2
205,215,225,235 ………信号3
206,216,226,236 ………信号4
300 ………凡例
301 ………時間(秒)
302 ………信号強度
303,304,305,306 ………信号1、2、3、4
311,312 ………Step1、Step2
321,322,323,324,325,326 ………時点t0、t1、t11、t12、t13、t2
400 ………凡例
401 ………信号
402 ………信号強度
411,412,413 ………時点t11、t12、t13の信号に亘る信号強度
421,422,423,424 ………信号1、2、3、4
500 ………凡例
501 ………信号
502 ………信号強度
511,512 ………時点t0、t2の信号に亘る信号強度
521,522,523,524 ………信号1、2、3、4
601 ………半導体製造装置
602 ………処理室
603 ………供給系
604 ………排出系
611,612,613,614,615 ………装置制御装置1、2、3、n−1、n
621,622,623 ………処理中センサ1、2、m
701 ………半導体製造装置監視処理演算部
702 ………ロット、ウェハ毎処理来歴取得部
703 ………装置データ取得(解析対象データ取得)部
704 ………相関行列算出部
705 ………距離行列、内積行列算出部
706 ………固有値計算部
707 ………主成分スコア算出部
708 ………MDS写像算出部
709 ………MDSスコア算出部
710 ………固有値一覧表示部
711 ………特徴空間(主成分スコア、MDS写像)表示部
712 ………特徴信号波形(主成分ベクトル、MDSスコア)表示部
713 ………異常検知判定基準取得部
714 ………異常検知部(警告発生部)
801 ………各種信号(装置制御装置、処理中センサ)×処理回数
802 ………信号変化グラフ
803 ………サンプリング時点間の相関
804 ………主成分分析PCA
805 ………サンプリング信号間の差、時点間の差
806 ………多次元尺度構成法MDS
807 ………特徴量(スコア)写像
901 ………Time (sec)
902 ………Signal (A.U.)
911,912,913,914,915,916,917,918,919,920,921,922 ……… 号#001、#002、#003、#004、#005、#006、#007、#008、#009、#010、#011、#012
1001 ………No
1002 ………寄与率CR
1003 ………累積寄与率CCR
1100 ………凡例
1101,1111 ………pc1(A.U.)、pc3(A.U.)
1102,1112 ………pc2(A.U.)、pc4(A.U.)
1201,1211,1221,1231 ………Time (sec)
1202,1212,1222,1232 ………固有ベクトル値Eigen vector value (A.U.)
1203,1213,1223,1233 ………信号特徴波形(固有ベクトル)
1401 ………No
1402 ………寄与率CR
1403 ………累積寄与率CCR
1501,1511 ………xc1(A.U.)、xc3(A.U.)
1502,1512 ………xc2(A.U.)、xc4(A.U.)
1601 ………No
1602 ………寄与率CR
1603 ………累積寄与率CCR
1700 ………凡例
1701,1711 ………Time (sec)
1702,1712 ………MDSスコアScore (A.U.)
1801 ………Time (sec)
1802 ………Signal (A.U.)
1811,1812,1813,1814,1815,1816,1817,1818,1819,1820,1821,2822 ……… 信号、#001、#002、#003、#004、#005、#006、#007、#008、#008、#009、#010、#011、#012
1901 ………No
1902 ………寄与率CR
1903 ………累積寄与率CCR
2001,2011,2021 ………pc1(A.U.)、pc3(A.U.)、pc5(A.U.)
2002,2012,2022 ………pc2(A.U.)、pc4(A.U.)、pc6(A.U.)
2101,2111,2121,2131,2141,2151 ………Time (sec)
2102,2112,2122,2132,2142,2152 ………固有ベクトル値Eigen vector value (A.u.)
2103,2113,2123,2133,2143,2153 ………信号特徴波形(固有ベクトル)
2201 ………No
2202 ………寄与率CR
2203 ………累積寄与率CCR
2301,2311,2321 ………xc1(A.U.)、xc3(A.U.)、xc5(A.U.)
2302,2312,2322 ………xc2(A.U.)、xc4(A.U.)、xc6(A.U.)
2401 ………No
2402 ………寄与率CR
2403 ………累積寄与率CCR
2500 ………凡例
2501,2511,2521 ………Time (sec)
2502,2512,2522 ………MDSスコアScore(A.U.)
2601,2611 ………pc2(A.U.)、pc3(A.U.)
2602,2612,2604,2014 ………1σ
2603,2613 ………平均Average
2701 ………第一分岐1st division
2702,2703 ………Group1、Group2
2704,2705 ………上位階層、下位階層
2801 ………画面
2802 ………異常判定結果
2803 ………寄与率一覧
2804 ………特徴空間における信号のプロットの凡例
2805 ………特徴空間における信号のプロット
2806 ………信号の特徴波形グラフ
2901 ………半導体製造装置ID
2902 ………ロット又はウェハID
2903 ………製造工程ID
2904 ………製造レシピID
2905 ………製造日時
2906 ………信号ID
2907 ………観測開始日時
2908 ………観測終了日時
2909 ………サンプリング間隔
2910 ………時系列装置データ

Claims (12)

  1. ウェハのプロセス処理、段取り処理を実現するための構成を備えた半導体製造装置において、
    半導体製造装置の各部の駆動、プロセスを制御する制御装置、および半導体製造装置内の各物理量、または各化学反応量の状態をモニタするセンサと、
    製造中の半導体製造装置の前記制御装置、センサの出力信号を所定の間隔でサンプリングした装置データを記録するデータベースと、
    主成分分析の処理の結果を、各主成分の固有値の大きさを比較して、降順に並べて一覧をユーザインタフェース画面に表示して、寄与率がある固有値を判定可能とする処理と、
    前記寄与率がある固有値に対応する主成分を選択した特徴空間に各信号の主成分スコアをプロットした散布図をユーザインタフェース画面に表示する処理とを実行する演算部とを備え、
    該演算部は、該主成分分析の処理として、評価対象の半導体製造装置の装置データを前記データベースより検索して、解析対象の装置データを読み出し、比較対象の複数の信号データより、各サンプリング時点で複数の信号データに亘って相関を取ることで得られる時点間の相関行列を計算し、該相関行列より固有値、固有ベクトルを算出して、主成分スコアを算出する処理を実行することを特徴とする半導体製造装置。
  2. 前記演算部は、更に、
    前記寄与率がある固有値に対応する主成分ベクトルを、横軸をベクトルの要素番号順に処理時間として、縦軸をベクトルの値としたグラフでユーザインタフェース画面に表示する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
  3. 前記演算部は、更に、
    予め入力された異常検知判定基準を閾値として、前記信号間の主成分スコアの値の差が前記閾値を越えるものがある場合に異常と判定し、異常発生の警告を出力することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
  4. 前記演算部は、
    主成分スコアである変換値を用いて、各信号間の類似性により信号の変化を検知する際には、
    主成分分析の寄与率(固有値)の大きさの順に、指定された累積寄与率に達するまでの主成分数nを求め、第1主成分から第n主成分の主成分スコアの値を用いて類似性を評価する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
  5. 前記演算部は、更に、
    前記寄与率がある固有値に対応する主成分iを順次選択して、該主成分iに対する全ての信号の主成分スコアxij(jは信号を意味するインデクス)より平均xi(変数の上のバー“−”は平均を意味する)と標準偏差σiを算出し、次数式を満たさない信号を異常な信号と判定し、
    Figure 0005648157

    ここで、kは正数(実数)であり、異常と判定した信号を特定する情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
  6. ウェハのプロセス処理、段取り処理を実現するための構成を備えた半導体製造装置において、
    半導体製造装置の各部の駆動、プロセスを制御する制御装置、および半導体製造装置内の各物理量、または各化学反応量の状態をモニタするセンサと、
    製造中の半導体製造装置の前記制御装置、センサの出力信号を所定の間隔でサンプリングした装置データを記録するデータベースと、
    評価対象の半導体製造装置の装置データを前記データベースより検索して、解析対象の装置データを読み出し、比較対象の複数の信号データ間のそれぞれにおいて、サンプリング各時点に亘って信号強度の差の2乗の総和で信号間の距離と定義して、距離行列、内積行列を求め、該内積行列の固有値と固有ベクトルを算出し、多次元尺度構成法によりMDS写像における各信号の座標値を算出する処理と、
    各信号に対応する固有値の大きさを比較して、降順に並べて一覧をユーザインタフェース画面に表示して、寄与率がある固有値を判定可能とする処理と、
    前記寄与率がある固有値に対応するMDS写像座標軸を選択した特徴空間に各信号の座標値をプロットした散布図をユーザインタフェース画面に表示する処理とを実行する演算部とを備えたことを特徴とする半導体製造装置。
  7. 前記演算部は、更に、
    予め入力された異常検知判定基準を閾値として、前記信号間のMDS写像座標値の差が前記閾値を越えるものがある場合に異常と判定し、異常発生の警告を出力することを特徴とする請求項6に記載の半導体製造装置。
  8. 前記演算部は、
    座標値である変換値を用いて、各信号間の類似性により信号の変化を検知する際には、
    多次元尺度構成法の寄与率(固有値)の大きさの順に、指定された累積寄与率に達するまでの次元数nを求め、第1軸(第1次元)から第n軸(第n次元)の座標値を用いて類似性を評価する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の半導体製造装置。
  9. 前記演算部は、更に、
    前記寄与率がある固有値に対応するMDS写像の座標軸iを順次選択して、該MDS写像座標軸iに対する全ての信号のMDS写像値xij(jは信号を意味するインデクス)より平均xi(変数の上のバー“−”は平均を意味する)と標準偏差σiを算出し、次数式を満たさない信号を異常な信号と判定し、
    Figure 0005648157

    ここで、kは正数(実数)であり、異常と判定した信号を特定する情報を出力することを特徴とする請求項6に記載の半導体製造装置。
  10. ウェハのプロセス処理、段取り処理を実現するための構成を備えた半導体製造装置において、
    半導体製造装置の各部の駆動、プロセスを制御する制御装置、および半導体製造装置内の各物理量、または各化学反応量の状態をモニタするセンサと、
    製造中の半導体製造装置の前記制御装置、センサの出力信号を所定の間隔でサンプリングした装置データを記録するデータベースと、
    評価対象の半導体製造装置の装置データを前記データベースより検索して、解析対象の装置データを読み出し、比較対象の複数の信号データよりサンプリング時点間で同一信号の差を取り2乗して、全信号について総和として時点間の距離を定義し、時点間の距離関係に基づき距離行列、内積行列を算出し、該内積行列の固有値と固有ベクトルを算出し、多次元尺度構成法により特徴空間の座標値行列と距離行列によりMDSスコアを算出する処理と、
    各時点に対応する固有値の大きさを比較して、降順に並べて一覧をユーザインタフェース画面に表示して、寄与率がある固有値を判定可能とする処理と、
    前記寄与率がある固有値に対応するMDSスコアを、横軸を固有ベクトルの要素番号順に処理時間として、縦軸をMDSスコアの値とした波形グラフでユーザインタフェース画面に表示する処理を実行する演算部とを備えたことを特徴とする半導体製造装置。
  11. 前記演算部は、
    特徴空間の各軸に対する信号の特徴であるMDSスコアを用いて、各信号間の類似性により信号の変化を検知する際には、
    時点間の多次元尺度構成法の寄与率(固有値)の大きさの順に、指定された累積寄与率に達するまでの次元数nを求め、第1軸(第1次元)から第n軸(次元)に対する信号のMDSスコアを用いて類似性を評価する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の半導体製造装置。
  12. 前記演算部は、半導体製造装置内に備えられた第1の演算部と、ネットワークを介して接続された装置データ監視装置に備えられた第2の演算部に分けられ、
    前記データベースは、ネットワークを介して半導体製造装置と接続されるように設置され、
    第1の演算部は、半導体製造装置の前記制御装置、センサの出力信号を所定の間隔でサンプリングした装置データを、前記ネットワーク、前記第2の演算部を介して前記データベースへ記録を行い、
    第2の演算部は、評価対象の半導体製造装置の装置データを前記データベースより検索して、解析対象の装置データを読み出し、比較対象の複数の信号データの間の特徴的な変化の違いを定量値に変換して、変換値を用いて各信号間の類似性から異常と識別しうる信号を特定する処理を実行し、複数の信号間の定量値をグラフ表現した出力、および異常検知した警告出力を第1の演算部へ送信を行い、
    第1の演算部は、更に、第2の演算部から受信した前記グラフ情報、および異常検知警告情報をユーザインタフェース画面へ出力を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかの請求項に記載の半導体製造装置。
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