以下に、本願の開示する媒体読取装置、発券機及び媒体読取方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示する媒体読取装置、発券機及び媒体読取方法が限定されるものではない。
まず、図1を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1の外観について説明する。図1は、実施例に係るマークカード読取装置1の外観例を示す斜視図である。図1に示したマークカード読取装置1は、競馬や競艇等の公営競技において、馬券等の投票券を購入する利用者によって用いられる自動発券機に搭載される。かかる自動発券機は、マークカード読取装置1以外にも、紙幣又は硬貨の入出金を行う入出金装置や、マークカードの読み取り結果に応じて、マークカードと異なる他の媒体である投票券を発行する投票券発行装置等を搭載する。
図1に示すように、マークカード読取装置1には、競走馬等の着順が記入された媒体であるマークカードが挿入される挿入口101が設けられる。かかる挿入口101には、1枚のマークカードが挿入される場合や、複数枚のマークカードが束で挿入される場合がある。また、マークカード読取装置1には、読み取りに異常があったマークカードを返却するための返却口102が設けられる。
また、図1に示すように、マークカード読取装置1は、シャフト103と、可動カム104と、ストッパ105と、ストッパ106とを有する。シャフト103は、円柱形に形成された軸部材であり、かかる円柱形の中心線を回転軸として時計方向及び反時計方向の双方向に回転可能である。
可動カム104は、シャフト103に取り付けられ、かかるシャフト103を回転軸としてシャフト103と一体に回転可能である。図1に示した例では、可動カム104は、中心から円周までの距離が一定でない形状(例えば、卵型形状)に形成され、凸部104aと、凸部104bとを有する。
ストッパ105及び106は、金属やプラスチック等の部材であり、可動カム104の回転範囲を制限する。具体的には、可動カム104は、図1に示した状態において時計方向に回転する場合、凸部104aがストッパ105に接触した際に停止する。また、可動カム104は、図1に示した状態において反時計方向に回転する場合、凸部104bがストッパ106に接触した際に停止する。
このようなマークカード読取装置1は、シャフト103とともに可動カム104を時計方向に回転させることにより、複数枚のマークカードの挿入を可能にし、シャフト103が反時計方向に回転した場合に、挿入されたマークカードをマークカード読取装置1の内部に1枚ずつ繰り出すことを可能にする。このようなマークカード読取装置1における挿入機構及び繰出機構については、後に詳述する。
次に、図2を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1の内部構造について説明する。図2は、図1に示したI−I線における断面図である。なお、図2に図示した破線矢印R11〜R14は、挿入口101に挿入されたマークカードがマークカード読取装置1の外部に排出されるまでの経路を示す。また、図2に図示した一点鎖線矢印R21〜R24は、マークカード読取装置1の内部に取り込まれたマークカードが返却口102に返却されるまでの経路を示す。
図2に示すように、マークカード読取装置1は、圧板110と、支持部材111と、スプリング112と、突当板113と、繰出モータ114と、繰出ローラ115と、セパレータ116とを有する。
圧板110は、挿入口101から挿入されたマークカードが載置される載置面110aを有する載置部材である。また、圧板110は、ストッパ105と一体化して可動するように結合されている。具体的には、圧板110とストッパ105は、不図示のネジにより固定されているが、これに限らず、溶接や接着等による連結することが可能であり、圧板110とストッパ105を一体的に形成することも可能である。載置面110aは、シャフト103の回転軸と略平行となる位置に設けられ、挿入口101から繰出ローラ115に向かう方向に延伸し、挿入口101に挿入されたマークカードを繰出ローラ115に案内する。図2に示した例では、圧板110は、挿入口101の近傍で折れ曲がった略鉤形状に形成される。支持部材111は、圧板110を回転可能な状態で支持するシャフトである。
スプリング112は、所定の弾性係数を有する弾性部材であり、圧板110との間で支持部材111を挟む位置に設けられる。図2に示すように、スプリング112の一端は、マークカード読取装置1の内部に固定される。また、スプリング112の他端は、圧板110の一端に固定される。図2に示した例では、スプリング112の他端は、圧板110のうち挿入口101近傍からスプリング112に向かう方向に折れ曲がった部位に固定される。
これにより、圧板110は、スプリング112の付勢力によって繰出ローラ115に近づく方向に力が加えられる。具体的には、圧板110は、支持部材111を回転軸として、図2において反時計方向に回転移動する力が加えられる。このため、圧板110の載置面110aは、繰出ローラ115に近づく方向に力が加えられる。
突当板113は、挿入口101から挿入されたマークカードが突き当たる板である。繰出モータ114は、シャフト103を回転させるための動力源である。繰出ローラ115は、シャフト103に取り付けられ、かかるシャフト103と一体に回転することにより、圧板110に載置されたマークカードを1枚ずつ繰り出す。セパレータ116は、ゴム部材等であり、圧板110に載置されたマークカードと接触する。
例えば、繰出ローラ115は、経路R11に示すように、挿入口101に複数枚のマークカードが束で挿入された場合に、シャフト103とともに図示した方向に回転することにより、マークカードを1枚ずつ経路R12に繰り出す。このとき、繰出ローラ115は、複数枚のマークカードを圧板110との間で挟み、挟んだ複数枚のマークカードを1枚ずつ経路R12に繰り出す。
詳細については後述するが、実施例に係るマークカード読取装置1は、利用者にマークカードを挿入させる場合には、シャフト103を図2に示した方向と逆方向に回転させることにより、可動カム104によってストッパ105を押し下げることにより、ストッパ105と連結している圧板110を押し下げる。これにより、圧板110が押し下げられた領域に突当板113が露出し、マークカード読取装置1は、マークカードの挿入を受け付ける状態となる。そして、マークカード読取装置1は、マークカードが挿入された場合には、シャフト103を図2に示した方向に回転させることにより、可動カム104による圧板110の押し下げを解除する。これにより、マークカード読取装置1は、繰出ローラ115がマークカードを圧板110との間で挟んだ繰り出す繰出状態となる。
このように、実施例に係るマークカード読取装置1は、シャフト103の回転方向を変化させることにより、繰出ローラ115と圧板110との間でマークカードを挟むとともに、挟んだマークカードを繰り出すことができる。すなわち、マークカード読取装置1は、シャフト103を回転させる1つの動力源である繰出モータ114によって複数のマークカードを1枚ずつ繰り出すことができる。このため、実施例に係るマークカード読取装置1は、図15に示したマークカード読取装置9と比較して、マークカードを押圧するためのソレノイド905や、ソレノイド905の動力源等が不要となる。この結果、実施例に係るマークカード読取装置1は、小型化を実現することができる。
図2の説明に戻って、マークカード読取装置1は、搬送ローラ117a及び117bと、フリーゲート118と、搬送ローラ119a及び119bと、搬送ローラ120a及び120bと、イメージセンサ121a及び121bと、搬送ローラ122a及び122bと、搬送ローラ123a及び123bと、返却ローラ124a及び124bと、返却最終ローラ125a及び125bと、ブレーキ部材126と、スプリング127とを有する。
搬送ローラ117a及び117bは、それぞれが対向する位置に設けられ、図示した方向に回転することにより、繰出ローラ115によって繰り出された1枚のマークカードをフリーゲート118に向かう方向に搬送する。
フリーゲート118は、搬送ローラ117a及び117bによって搬送されたマークカードを通過させるとともに、後述する搬送ローラ119a及び119bによってフリーゲート118に近づく方向に搬送されたマークカードを返却口102に向かう方向に案内する。例えば、フリーゲート118は、鈍角な一角と鋭角な一角とを有する略三角形状等に形成され、鈍角な一角が搬送ローラ117a側に位置し、鋭角な一角が搬送ローラ119a側に位置するとともに、マークカードの搬送路中にかかる搬送路から離れる方向に移動可能に設けられる。搬送ローラ117a及び117bによって搬送された1枚のマークカードは、フリーゲート118を持ち上げることにより、かかるフリーゲート118を通過して搬送ローラ119a及び119bに到達する。
搬送ローラ119a及び119bは、それぞれが対向する位置に設けられ、同様に、搬送ローラ120a及び120bは、それぞれが対向する位置に設けられる。これらの搬送ローラ119a、119b、120a及び120bは、図示した方向に回転することにより、フリーゲート118を通過した1枚のマークカードを搬送ローラ122a及び122bに向かう方向に搬送する。
イメージセンサ121a及び121bは、搬送ローラ119a及び119bと搬送ローラ122a及び122bとの間における搬送路の途中に設けられ、マークカードに記入されているマークを読み取る。図2に示した例では、イメージセンサ121aは、マークカードの一方の面に記入されているマークを読み取り、イメージセンサ121bは、マークカードの他方の面に記入されているマークを読み取る。
なお、挿入口101からイメージセンサ121a及び121bまでの距離H10(図2参照)は、マークカードの挿入方向の長さよりも長いことが好ましい。これは、イメージセンサ121a及び121bに到達したマークカードが利用者によって触れられないようにするためである。例えば、イメージセンサ121a及び121bは、読み取り中のマークカードが利用者によって触れられた場合には、正常に読み取り処理を行えないおそれがある。すなわち、マークカード読取装置1は、挿入口101からマークカード長よりも長い位置にイメージセンサ121a及び121bが設けられることによって、イメージセンサ121a及び121bによる読み取り処理を正常に行うことができる。
搬送ローラ122a及び122bは、イメージセンサ121bの後方にそれぞれが対向する位置に設けられ、同様に、搬送ローラ123a及び123bは、マークカード読取装置1後方のマークカード外部排出部の手前に、それぞれが対向する位置に設けられる。これらの搬送ローラ122a、122b、123a及び123bは、図示した方向に回転することにより、搬送ローラ120a及び120bによって搬送されたマークカードを引き込む。そして、搬送ローラ122a、122b、123a及び123bは、マークカードを引き込んだ後に、回転を停止することによりマークカードを保持する。例えば、マークカードの一端は、搬送ローラ122a及び122bによって保持され、マークカードの他端は、マークカード読取装置1の外部に突出した状態となる。なお、以下では、マークカードを一時的に保持する搬送ローラ122a、122b、123a及び123bを単に「一時保留部」と表記する場合がある。
このように、繰出ローラ115によって繰り出されたマークカードは、搬送ローラ117a、117b、119a、119b、120a及び120bによって経路R13に示した搬送路を搬送されることにより、一時保留部に到達する。
その後、一時保留部は、イメージセンサ121a及び121bによる読み取り結果が正常であった場合に、図示した方向に回転することにより、経路R14を介して、保持しているマークカードをマークカード読取装置1の後方側の外部に排出する。
ここで、マークカード読取装置1は、マークカードを収納するための収納部を有しない。これは、一般に、正常に読み取られたマークカードは不要なものとなるので、マークカード読取装置1内部にて厳重に管理する必要性が低いからである。したがって、実施例に係るマークカード読取装置1を設置する設置者は、マークカードが排出される位置に箱やビニール袋等を収納部として設置すればよい。このように、マークカード読取装置1は、図15に示したマークカード読取装置9と比較して、収納部を有しないので、奥行き方向(マークカードの挿入方向)の大きさを小さくすることができ、この結果、小型化を実現することができる。
一方、一時保留部は、イメージセンサ121a及び121bによる読み取り結果が異常であった場合に、図示した方向と逆方向に回転することにより、保持しているマークカードを搬送ローラ120a及び120b側に繰り戻す。さらに、搬送ローラ119a、119b、120a及び120bは、図示した方向と逆方向に回転することにより、一時保留部によって繰り戻されたマークカードをフリーゲート118側に繰り戻す。
なお、イメージセンサ121a及び121bによる読み取り結果が異常である例としては、マークカードへの記入に誤りがあった場合や、規定のマークカード以外の媒体が挿入された場合や、繰出ローラ115によって複数枚のマークカードが繰り出された場合などが挙げられる。
このように、読み取り結果が異常であったマークカードは、経路R21に示すように、経路R13に示した搬送路を逆送して、一時保留部からフリーゲート118に到達する。そして、搬送ローラ119a及び119bによって繰り戻されたマークカードは、経路R22に示すように、フリーゲート118の上面を通過して、返却ローラ124a及び124bに到達する。
返却ローラ124a及び124bは、それぞれが対向する位置に設けられ、経路R23方向に回転することにより、フリーゲート118の上面を通過したマークカードを返却最終ローラ125a及び125bに向かう方向に搬送する。返却最終ローラ125a及び125bは、それぞれが対向する位置に設けられ、経路R24方向に回転することにより、マークカードを返却口102に向かう方向に搬送する。これにより、マークカードは、返却口102に返却される。
ブレーキ部材126は、経路R24を遮断する位置に配置される板状の部材である。スプリング127は、所定の弾性係数を有する弾性部材である。図2に示すように、スプリング127の一端は、マークカード読取装置1の内部に固定され、スプリング127の他端は、ブレーキ部材126に固定される。これにより、ブレーキ部材126は、スプリング127の付勢力によって経路R24に近づく方向に力が加えられる。すなわち、スプリング127が圧縮状態である場合に、ブレーキ部材126は、経路R24を遮断する位置に配置される。また、ブレーキ部材126は、経路R24方向に搬送されたマークカードによって押し上げられる。このとき、スプリング127が伸長状態となるので、ブレーキ部材126には、スプリング127の付勢力によってマークカードを押さえ付ける方向に力が働く。これにより、ブレーキ部材126は、マークカードの一部を返却口102から突出させた状態で、かかるマークカードを落下させずに保持することができる。
なお、実施例に係るマークカード読取装置1では、返却口102から返却最終ローラ125a及び125bまでの距離が、マークカードの挿入方向の長さよりも短くなるように、返却最終ローラ125a及び125bが設けられる。例えば、返却最終ローラ125a及び125bは、返却口102からマークカード長の「1/3」程度の位置に設けられる。
このように、実施例に係るマークカード読取装置1は、マークカードに対する読み取り結果が異常であった場合に、繰出ローラ115から一時保留部までの搬送路を逆送させて返却口102に返却する。すなわち、マークカード読取装置1は、図15に示した経路R94〜R96のような返却専用の搬送路が設けられないので、縦方向(上下方向)の大きさを小さくすることができ、この結果、小型化を実現することができる。
次に、図3〜図12を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1における挿入機構及び繰出機構について説明する。以下では、最初に、図3を用いて圧板110及びシャフト103の構造について説明し、次に、図4〜図8を用いて挿入機構について説明し、次に、図9〜図12を用いて繰出機構について説明する。
図3は、図2に示した圧板110及びシャフト103の上面図である。図3に示すように、圧板110は、挿入口101から挿入されたマークカードが載置される載置面110aと、ストッパ105の一部に可動カム104によって押圧される被押圧部105a(図中に斜線を付した部)とを有する。シャフト103は、載置面110aの奥側の端辺の上部に、載置面110aと対向する位置に設けられ、かかる載置面110aと対向する位置で、シャフト103の長手方向の略中央部に繰出ローラ115が取り付けられるとともに、シャフト103の端部に、被押圧部105aと対向する位置に可動カム104が取り付けられる。
また、図3に示すように、圧板110の載置面110aには、挿入センサ131a及び131bが設置される。挿入センサ131a及び131bは、圧板110の載置面110aにマークカードが載置されたか否かを検知する。すなわち、挿入センサ131a及び131bは、挿入口101からマークカードが挿入されたか否かを検知する。
図3に示した例では、挿入センサ131aと挿入センサ131bとは、載置面110aの対角位置にそれぞれ設置される。より具体的には、挿入センサ131aは、載置面110aの挿入口側の一方の端部に、挿入センサ131bには、載置面110aの奥側の他方の端部に、対角位置にそれぞれ設置される。これにより、マークカード読取装置1は、挿入センサ131a及び131bの双方に検知結果に基づいて、マークカードが挿入されたか否かを精度良く判定することができる。例えば、挿入センサ131aが挿入を検知しており、挿入センサ131bが挿入を検知していないものとする。かかる場合に、マークカード読取装置1は、規定のマークカードと異なる幅の媒体が挿入されたか、規定のマークカードが挿入センサ131bの位置まで挿入されていないと判定することができる。
次に、図4〜図8を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1における挿入機構について説明する。図4及び図5は、実施例に係るマークカード読取装置1における挿入機構を示す説明図である。なお、図4及び図5は、挿入機構の拡大側面図を示す。
図4の例では、シャフト103が回転していないものとする。このような状態である場合に、圧板110は、図2に示したスプリング112の付勢力によって繰出ローラ115に近づく方向に力が加えられる。これにより、圧板110の載置面110aは、図4に示すように、繰出ローラ115に当接した状態となる。
そして、図5に示すように、マークカード読取装置1は、マークカードを挿入させる場合に、シャフト103を方向D11に回転させる。これにより、可動カム104は、シャフト103と一体に方向D11に回転して、載置面110aとシャフト103とを離す方向D12にストッパ105の被押圧部105aを押圧する。すなわち、可動カム104は、圧板110を押し下げることによって、載置面110aと繰出ローラ115とを離間させる。
このような可動カム104による圧板110の押し下げ量は、可動カム104の可動範囲によって決定される。この点について、図5及び図6を用いて説明する。図6は、図1に示したII−II線における断面図である。なお、図6では、図5に示した状態における断面図を示す。
可動カム104は、図5に示した時計方向D11に回転移動することにより、圧板110と連結しているストッパ105の被押圧部105aを押圧する。ここで、図5及び図6に示すように、可動カム104は、凸部104aとストッパ105とが接触することで回転移動しなくなる。すなわち、可動カム104は、凸部104aとストッパ105とが接触する位置から時計方向D11に回転移動しないので、図5及び図6に示した状態よりも被押圧部105aを押し下げることはない。このように、実施例に係るマークカード読取装置1は、ストッパ105によって可動カム104における回転の可動範囲を制限することで、可動カム104による圧板110の押し下げ量を決定することができる。
なお、シャフト103に取り付けられる可動カム104は、トルク制限機能を有してもよい。具体的には、可動カム104は、一定値以上のトルクが加わった場合に、シャフト103の回転と連動せずに空転してもよい。かかる場合には、可動カム104は、シャフト103が回転し続けている場合であっても、凸部104aとストッパ105とが接触した後に空転する。
続いて、図7を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1における挿入機構の断面について説明する。図7は、図1に示したI−I線における挿入機構の拡大断面図である。図7に示した圧板110は、スプリング112の付勢力によって、繰出ローラ115に近づく方向に力が加えられている。しかし、かかる圧板110は、可動カム104によって被押圧部105aが押圧されている場合には、支持部材111を回転軸として時計方向に回転移動する力が加えられる。このため、圧板110は、図7に示すように、繰出ローラ115と離間する。
そして、図7に示すように、可動カム104によって被押圧部105aが押圧された場合には、圧板110の載置面110aは、挿入口101から繰出ローラ115に向かう方向に下る斜面を形成する。これにより、圧板110の載置面110aは、挿入口101から挿入されるマークカードを載置面110aと繰出ローラ115との間に案内することができる。
また、図7に示すように、マークカード読取装置1には、ガイド板140が設けられる。かかるガイド板140は、挿入口101から繰出ローラ115が設けられている位置に向かう方向に延伸し、圧板110の載置面110aと対向する位置に設けられる。図7に示した例では、ガイド板140は、可動カム104によって押圧された状態における圧板110の載置面110aと略平行の位置に設けられる。
このように、実施例に係るマークカード読取装置1は、圧板110及びガイド板140によって、挿入口101から繰出ローラ115に向かう方向にマークカードを案内することができる。この結果、マークカード読取装置1は、載置面110aと繰出ローラ115との間にマークカードを高精度に挿入させることができる。
また、図7に示すように、可動カム104によって被押圧部105aが押圧されている場合に、かかる圧板110と繰出ローラ115との間に突当板113が露出する。図7に示した例では、突当板113のうち、圧板110から繰出ローラ115に向かう方向に延伸している露出部113aが露出する。
ここで、図8を用いて、突当板113の露出状態について説明する。図8は、図7に示した状態におけるマークカード読取装置1の正面図である。図8に示すように、可動カム104によって被押圧部105aが押圧されている場合、突当板113の露出部113aは、圧板110とガイド板140との間に露出する。
このように、実施例に係るマークカード読取装置1は、マークカードを挿入させる場合に、突当板113を露出させることで、挿入口101から挿入されたマークカードの到達位置を突当板113に揃えることができる。すなわち、マークカード読取装置1は、複数枚のマークカードが挿入される場合であっても、かかる複数枚のマークカードを突当板113に突き当たるまで挿入させることができるので、ばらついたマークカードの束が挿入されることを防止できる。
図15に示したマークカード読取装置9では、複数枚のマークカードがばらけた状態で挿入される対策として、引込ローラ903a、903b、904a及び904bや、サブ繰出ローラ906が設けられる。しかし、実施例に係るマークカード読取装置1では、突当板113の露出によりばらけた状態でマークカードが挿入されることを防止することができるので、図15に示したような引込ローラ903a、903b、904a及び904bやサブ繰出ローラ906が不要となる。この結果、実施例に係るマークカード読取装置1は、奥行き方向(マークカードの挿入方向)の大きさを小さくすることができるので、小型化を実現することができる。
次に、図9〜図12を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1における繰出機構について説明する。図9は、実施例に係るマークカード読取装置1における繰出機構を示す説明図である。なお、図9は、繰出機構の拡大側面図を示す。
図9の例では、図5に示した圧板110と繰出ローラ115との間にマークカードが挿入された後の状態を示すものとする。図9に示すように、シャフト103は、マークカードが挿入された場合に、図5に示した方向D11と逆の方向D21に回転する。具体的には、シャフト103は、圧板110によって設置された挿入センサ131a及び131bによってマークカードの挿入が検知された場合に、方向D21に回転する。これにより、可動カム104は、シャフト103と一体に方向D21に回転することで、圧板110の被押圧部105aを押圧しなくなる。この結果、圧板110は、図2に示したスプリング112の付勢力によって繰出ローラ115に近づく方向D22に移動する。
これにより、繰出ローラ115は、図5に示した状態で圧板110と繰出ローラ115との間に挿入されたマークカードを圧板110の載置面110aとの間で挟む。そして、繰出ローラ115は、シャフト103と一体に方向D21に回転し続けることにより、載置面110aとの間で挟んだマークカードを1枚ずつ繰り出す。
なお、図9に示した例において、可動カム104は、シャフト103が方向D21に回転し続ける場合であっても、所定の位置で停止する。この点について、図10を用いて説明する。図10は、図1に示したII−II線における断面図である。なお、図10では、図9に示した状態における断面図を示す。
図10に示すように、可動カム104は、繰り出し動作を行う場合に、図10において反時計方向(図9に示した方向D21)に回転する。ここで、可動カム104は、図10に示すように、凸部104bがストッパ106と接触することにより、回転移動を停止する。このように、実施例に係るマークカード読取装置1は、ストッパ106によって可動カム104における回転範囲を制限することができる。なお、上記の通り、シャフト103に取り付けられる可動カム104は、トルク制限機能を有してもよい。かかる場合には、可動カム104は、シャフト103が回転し続けている場合であっても、凸部104bとストッパ106とが接触した後に空転する。
続いて、図11を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1における繰出機構の断面について説明する。図11は、図1に示したI−I線における繰出機構の拡大断面図である。図11に示すように、圧板110の載置面110aは、可動カム104によって被押圧部105aが押圧されていない場合には、スプリング112の付勢力によって、繰出ローラ115と当接する方向に移動する。これにより、繰出ローラ115は、圧板110との間に挿入されたマークカードを載置面110aと挟むことができる。
なお、図11に示した例において、繰出ローラ115によって複数枚のマークカードが1枚ずつ繰り出される際に、マークカード同士の摩擦力により、最上部の1枚のマークカードだけでなく最上部から2枚目や3枚目のマークカードにも繰り出される力が働く。しかし、かかる最上部から2枚目等のマークカードは、セパレータ116に接触してブレーキがかけられるので、最上部の1枚のマークカードだけが繰り出される。このように、繰出ローラ115は、複数枚のマークカードが挿入された場合であっても、かかる複数枚のマークカードを1枚ずつ繰り出すことができる。
また、図11に示すように、可動カム104によって圧板110が押圧されなくなった場合に、突当板113は、載置面110aと繰出ローラ115との間に露出しなくなる。図12を用いて、突当板113の露出状態について説明する。図12は、図11に示した状態におけるマークカード読取装置1の正面図である。図12に示すように、可動カム104によって圧板110と連結しているストッパ105の被押圧部105aが押圧されていない場合、突当板113は、圧板110とガイド板140との間に露出しない。すなわち、挿入口101から挿入されたマークカードは、繰出ローラ115によって繰り出される場合には、突当板113と接触しなくなる。これにより、繰出ローラ115は、マークカードを突当板113に接触させることなく、搬送ローラ117a及び搬送ローラ117bに向かう方向に繰り出すことができる。
次に、図13を用いて、実施例にマークカード読取装置1の構成について説明する。図13は、実施例にマークカード読取装置1のハードウェア構成図である。図13に示すように、マークカード読取装置1は、電源10と、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、タイマ14と、モータインターフェース15と、繰出モータ114と、搬送モータ150と、センサインターフェース16と、挿入センサ131と、収納センサ161と、返却センサ162と、イメージセンサ121とを有する。また、マークカード読取装置1は、投票券の発券、投票券の払い戻し、投票内容の集計、配当金の計算などを行う上位側装置20との間で通信可能に接続される。
なお、図13に示した各部のうち、電源10、CPU11、ROM12、RAM13、タイマ14、モータインターフェース15、搬送モータ150、センサインターフェース16、収納センサ161及び返却センサ162については、図1〜図12において図示することや説明することを省略した。
電源10は、マークカード読取装置1に電力を供給する。CPU11は、マークカード読取装置1による各種処理を制御する。ROM12は、CPU11によって実行される各種プログラム等が記憶される。RAM13は、CPU11によって各種プログラムが実行される際に作業領域として用いられる。例えば、RAM13には、各種センサによる検知結果が一時的に記憶される。タイマ14は、所定の時間毎にカウントする。
モータインターフェース15は、CPU11と、繰出モータ114又は搬送モータ150との間で送受信される各種情報を仲介する。例えば、モータインターフェース15は、CPU11から送信される回転方向に関する制御命令等を繰出モータ114及び搬送モータ150に送信する。繰出モータ114は、上述したように、シャフト103を回転させるための動力源である。搬送モータ150は、各種搬送ローラを回転させるための動力源である。具体的には、搬送モータ150は、図2に示した搬送ローラ117a及び117bと、搬送ローラ119a及び119b、搬送ローラ120a及び120bと、搬送ローラ122a及び122bと、搬送ローラ123a及び123bと、返却ローラ124a及び124bと、返却最終ローラ125a及び125bとを回転させる。
センサインターフェース16は、CPU11と各種センサとの間で送受信される各種情報を仲介する。例えば、センサインターフェース16は、挿入センサ131や収納センサ161や返却センサ162によって検知された各種検知結果をCPU11に送信する。挿入センサ131は、上述した挿入センサ131a及び131bに対応する。収納センサ161は、マークカードが一時保留部に到達したか否かを検知したり、一時保留部によってマークカードがマークカード読取装置1の外部に排出されたか否かを検知したりする。返却センサ162は、マークカードが返却口102に到達したか否かを検知したり、返却口102からマークカードが抜き取られたか否かを検知したりする。イメージセンサ121は、上述したイメージセンサ121a及び121bに対応する。
次に、図14を用いて、実施例に係るマークカード読取装置1によるマークカード読取処理の手順について説明する。図14は、実施例に係るマークカード読取装置1によるマークカード読取処理手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、マークカード読取装置1のCPU11は、利用者にマークカードを挿入させる場合に、繰出モータ114を制御することにより、シャフト103を第1方向に回転させる(ステップS101)。具体的には、CPU11は、図5に示したように、第1方向である方向D11にシャフト103を回転させる。これにより、可動カム104によって載置面110aと繰出ローラ115とが離間され、マークカード読取装置1は、マークカードの挿入待ち状態となる。
続いて、CPU11は、挿入センサ131によってマークカードの挿入が検知されたか否かを判定する(ステップS102)。このとき、CPU11は、マークカードの挿入が検知されていない場合には(ステップS102否定)、マークカードの挿入待ち状態(図5に示した状態)のまま待機する。
一方、CPU11は、マークカードの挿入が検知された場合には(ステップS102肯定)、所定時間だけ待機する(ステップS103)。具体的には、挿入センサ131によってマークカードの挿入が検知された場合に、タイマ14がカウントを開始する。CPU11は、かかるタイマ14によるカウンタ値が所定値になるまで待機する。例えば、CPU11は、タイマ14によるカウンタ値に基づいて、マークカードの挿入が検知されてから500ms(ミリ秒)が経過するまで待機する。これにより、マークカード読取装置1は、マークカードを突当板113の露出部113aまで挿入させることができる。
続いて、CPU11は、繰出モータ114を制御することにより、シャフト103を第2方向に回転させて、マークカードの繰り出しを開始する(ステップS104)。また、CPU11は、搬送モータ150を制御することにより、各種搬送ローラを回転させて、マークカードの搬送を開始する(ステップS104)。
具体的には、CPU11は、図9に示したように、第2方向である方向D21にシャフト103を回転させる。これにより、圧板110と繰出ローラ115との間に挿入されたマークカードは、圧板110の載置面110aと繰出ローラ115とによって挟まれ、繰出ローラ115によって1枚ずつ繰り出される。また、CPU11は、搬送ローラ117a及び117bと、搬送ローラ119a及び119bと、搬送ローラ120a及び120bと、搬送ローラ122a及び122bと、搬送ローラ123a及び123bとを図2に示した方向に回転させる。これにより、繰出ローラ115によって繰り出された1枚のマークカードは、一時保留部まで搬送される。
また、イメージセンサ121(121a及び121b)は、各種搬送ローラによって搬送された1枚のマークカードのイメージを読み取る(ステップS105)。このとき、イメージセンサ121は、マークカードの読み取り結果をCPU11に送信する。
続いて、CPU11は、繰出モータ114及び搬送モータ150を制御することにより、繰出ローラ115及び各種搬送ローラの回転を停止させる(ステップS106)。具体的には、CPU11は、繰出モータ114によって繰り出されたマークカードが一時保留部によって保持された場合に、繰出ローラ115及び各種搬送ローラの回転を停止させる。
なお、CPU11は、例えば、収納センサ161によってマークカードが検知された場合に、かかるマークカードが一時保留部に到達したと判定することができる。また、例えば、CPU11は、イメージセンサ121による読み取り処理が終了した場合に、マークカードが一時保留部に到達したと判定することができる。
続いて、CPU11は、イメージセンサ121による読み取り結果が正常であるか否かを判定する(ステップS107)。このとき、CPU11は、読み取り結果が正常である場合に(ステップS107肯定)、搬送モータ150を制御することにより、一時保留部を回転させて、マークカードの排出を開始する(ステップS108)。具体的には、CPU11は、一時保留部である搬送ローラ122a、122b、123a及び123bを図2に示した方向に回転させることにより、一時保留部まで搬送された1枚のマークカードをマークカード読取装置1の外部に排出する。
続いて、収納センサ161は、一時保留部によってマークカードが排出されたことを検知する(ステップS109)。続いて、CPU11は、収納センサ161によってマークカードの排出が検知された場合に、一時保留部の回転を停止させる(ステップS110)。
そして、CPU11は、挿入センサ131によってマークカードが挿入口101に存在すると検知されているか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、挿入センサ131は、ステップS102において複数枚のマークカードが挿入された場合に、全てのマークカードが繰出ローラ115によって繰り出されるまで、挿入口101にマークカードが存在すると検知する。すなわち、CPU11は、挿入センサ131による検知結果に基づいて、挿入された全てのマークカードが繰り出されたか否かを判定する。
そして、CPU11は、マークカードが挿入口101に存在する場合には(ステップS111肯定)、ステップS104の処理に戻って、挿入されたマークカードを1枚ずつ繰り出す処理を行う。一方、CPU11は、マークカードが挿入口101に存在しない場合には(ステップS111否定)、マークカード読取処理を終了する。
また、CPU11は、イメージセンサ121による読み取り結果が異常である場合に(ステップS107否定)、搬送モータ150を制御することにより、各種搬送ローラを逆転させて、マークカードの返却を開始する(ステップS112)。具体的には、CPU11は、搬送ローラ123a、123b、122a、122b、120a、120b、119a及び119bを図2に示した方向と逆方向に回転させるとともに、返却ローラ124a及び124bと、返却最終ローラ125a及び125bとを返却方向に回転させる。これにより、読み取り結果が異常であったマークカードは、返却口102に到達する。
続いて、返却センサ162は、マークカードが返却口102に到達したことを検知する(ステップS113)。続いて、CPU11は、返却センサ162によってマークカードが返却口102に到達したことを検知された場合に、各種搬送ローラの回転を停止させる(ステップS114)。続いて、返却センサ162は、返却口102からマークカードが抜き取られたことを検知する(ステップS115)。
そして、CPU11は、マークカードが挿入口101に存在する場合には(ステップS111肯定)、ステップS104の処理に戻り、マークカードが挿入口101に存在しない場合には(ステップS111否定)、マークカード読取処理を終了する。
なお、図14に示した例では、マークカードが挿入口101に存在しない場合に(ステップS111否定)、マークカード読取装置1がマークカード読取処理を終了することとした。しかし、マークカード読取装置1は、マークカードの挿入を受け付けるために、再度ステップS101における処理に戻ってもよい。
上述してきたように、実施例に係るマークカード読取装置1は、挿入口101から挿入されたマークカードが載置される載置面110aを有する載置部材である圧板110と、載置面110aの奥側の端辺の上部に、載置面110aと対向する位置に設けられる回転可能なシャフト103と、シャフト103の第1方向への回転に連動して、載置面110aとシャフト103とを離す方向に圧板110を押圧する押圧部材である可動カム104と、可動カム104によって押圧された圧板110の載置面110aにマークカードが載置された場合に、シャフト103と一体に第1方向と逆の第2方向に回転することにより、かかるマークカードを圧板110との間で挟んで搬送路に繰り出す繰出ローラ115と、繰出ローラ115によって搬送路に繰り出されたマークカード媒体を読み取る読取装置であるイメージセンサ121a及び121bとを有する。
これにより、実施例に係るマークカード読取装置1は、シャフト103の回転方向を変化させることにより、マークカードの挿入を可能にするとともに、挿入されたマークカードを繰出ローラ115と圧板110との間で挟んで繰り出すことができる。すなわち、マークカード読取装置1は、シャフト103を回転させる1つの動力源である繰出モータ114によって複数のマークカードを1枚ずつ繰り出すことができる。このため、実施例に係るマークカード読取装置1は、図15に示したマークカード読取装置9と比較して、マークカードを押圧するためのソレノイド905や、ソレノイド905の動力源等が不要となるので、小型化を実現することができる。
また、実施例に係るマークカード読取装置1は、可動カム104によって圧板110が押圧された際に、圧板110と繰出ローラ115との間で、圧板110から繰出ローラ115に向かう方向に露出する突当板113を有する。
これにより、実施例に係るマークカード読取装置1は、複数枚のマークカードを突当板113に突き当たるまで挿入させることができるので、ばらついたマークカードの束が挿入されることを防止できる。したがって、マークカード読取装置1は、図15に示したマークカード読取装置9と比較して、複数枚のマークカードを引き込むための引込ローラ903a、903b、904a及び904bや、ばらついたマークカードの最上部を繰り出すサブ繰出ローラ906等が不要となる。すなわち、実施例に係るマークカード読取装置1では、これらの引込ローラやサブ繰出ローラが不要であるので、挿入口101から繰出ローラ115までの距離H11(図2参照)を、図15に示したマークカード読取装置9における挿入口901から繰出ローラ907までの距離H91よりも短くすることができる。例えば、実施例に係るマークカード読取装置1において、繰出ローラ115は、挿入口101からマークカードの挿入方向の長さよりも短い位置に設けられてもよい。このようなことから、実施例に係るマークカード読取装置1は、奥行き方向(マークカードの挿入方向)の大きさを小さくすることができ、小型化を実現することができる。
また、実施例に係るマークカード読取装置1は、イメージセンサ121a及び121bによる読み取り結果が異常であるマークカードを搬送ローラ117aから搬送ローラ123aまでの搬送路の少なくとも一部を逆送させて返却口102に繰り戻す搬送ローラ(図2の例では、搬送ローラ119a、119b、120a、120b、122a、122b、123a及び123b)を有する。
これにより、実施例に係るマークカード読取装置1は、返却専用の搬送路が設けられないので、縦方向(上下方向)の大きさを小さくすることができ、小型化を実現することができる。
また、実施例に係るマークカード読取装置1は、搬送ローラ(図2の例では、搬送ローラ122a、122b、123a及び123b)が、イメージセンサ121a及び121bによる読み取り結果が正常であるマークカードをマークカード読取装置1の外部に排出する。
これにより、実施例に係るマークカード読取装置1は、マークカードを収納するための収納部を有しないので、奥行き方向(マークカードの挿入方向)の大きさを小さくすることができ、小型化を実現することができる。
また、実施例に係るマークカード読取装置1は、イメージセンサ121a及び121bが、挿入口101からマークカードの長さよりも長い位置に設けられる。
これにより、実施例に係るマークカード読取装置1は、イメージセンサ121a及び121bに到達したマークカードが利用者によって触れられることを防止できるので、イメージセンサ121a及び121bによる読み取り処理を正常に行うことができる。
また、実施例に係るマークカード読取装置1は、圧板110の載置面110aと対向する位置に設けられ、挿入口101から繰出ローラ115が設けられている位置に向かう方向に延伸したガイド板140を有する。
これにより、実施例に係るマークカード読取装置1は、圧板110及びガイド板140によって、マークカードを繰出ローラ115に案内することができるので、載置面110aと繰出ローラ115との間にマークカードを挿入させることができる。
以上のように、実施例に係るマークカード読取装置1は、小型化を実現することができるので、マークカード読取装置1が搭載される自動発券機も小型にすることができる。このため、実施例に係るマークカード読取装置1は、自動発券機の設置スペースが広くなるという問題を解消することができる。さらに、実施例に係るマークカード読取装置1は、小型化により軽量化されるので、自重が重い自動発券機を動かしにくいという問題も解消することができる。
公営競技においては、競技場において競技を行うとともに投票券の販売を行っている場合と、競技を行わずに他の競技場において行われている競技の投票券の販売のみを行っている場合がある。ここで、競技を行っている場合には、利用者が多いので、自動発券機の利用頻度も高いが、競技を行っていない場合には、利用者が少ないので、自動発券機の利用頻度は低い。このように、公営競技においては、自動発券機の利用頻度が変動する。それにもかかわらず、最大の利用頻度に対応可能な数の自動発券機を常に設置していたのでは、競技場のスペースを有効に利用しているとは言いがたい。そこで、実施例に係るマークカード読取装置1を搭載する自動発券機を用いた場合には、軽量化されているので、設置台数を容易に変更することができる。例えば、設置者は、平均利用頻度に対応可能な数の自動発券機を常に設置しておき、利用頻度も高くなることが予想される場合には、実施例に係るマークカード読取装置1を搭載する自動発券機を容易に臨時設置することができる。
また、実施例に係るマークカード読取装置1は、小型であるので、マークカードが挿入されてから返却されるまでの距離も短くなる。このため、マークカード読取装置1は、マークカードが挿入されてから返却されるまでの返却処理時間を短くすることができる。
公営競技において、競技の開催時刻直前には、自動発券機の前に利用者の長蛇の列が作られることが多く、購入期限までに投票券を購入できない利用者もいる。このことは、公営競技の開催者が利用者に高いサービスを提供できないという問題や、開催者の売上が減少するという問題を招く。しかし、実施例に係るマークカード読取装置1を用いた場合には、処理速度が速いので、自動発券機の前に利用者の長蛇の列が作られることを防止でき、この結果、購入期限までに投票券を購入できない利用者の数を減少させることができる。したがって、実施例に係るマークカード読取装置1を用いた場合には、開催者が利用者に高いサービスを提供することができ、さらに、売上を増大させることができる。
なお、本願の開示する媒体読取装置、発券機及び媒体読取方法は、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下に、本願の開示する媒体読取装置、発券機及び媒体読取方法の他の実施形態について説明する。
上記実施例では、図5に示した例のように、可動カム104が圧板110と連結しているストッパ105の被押圧部105aを押し下げる例を示した。しかし、シャフト103が上下に移動可能に設けられている場合には、可動カム104が圧板110と連結しているストッパ105の被押圧部105aを押圧することにより、シャフト103が圧板110から離れる方向に移動してもよい。かかる場合であっても、可動カム104は、繰出ローラ115と載置面110aとを離間することができる。
また、上記実施例では、図7及び図11に示した例のように、スプリング112が圧板110に対して、繰出ローラ115に近づく方向の力を加える例を示した。しかし、かかる力を加える機構は、図7及び図11に示した例に限られない。例えば、圧板110は、圧板110の上方に位置するスプリングと固定され、かかるスプリングによって上方向に引っ張られる力が加えられてもよい。かかる場合であっても、圧板110に対して、繰出ローラ115に近づく方向の力を加えることができる。
また、上記実施例において、圧板110は、載置面110aが挿入口101から下方向に延伸するように設けられてもよい。すなわち、マークカード読取装置1は、マークカードを落下させて挿入される機構であってもよい。かかる場合には、マークカード読取装置1は、挿入口101から挿入された全てのマークカードを突当板113に突き当てさせることができるので、挿入ばらつきをより防止することができる。
また、上記実施例では、可動カム104が、シャフト103に取り付けられ、シャフト103と一体となって回転移動する例を示した。しかし、可動カム104は、シャフト103に取り付けられなくてもよい。具体的には、可動カム104は、シャフト103とギア等により間接的に接続され、かかるシャフト103が図5に示した方向D11へ回転することに連動して、圧板110と連結しているストッパ105の被押圧部105aを押圧してもよい。
また、上記実施例では、図2に示したように、マークカード読取装置1が2個のイメージセンサ121a及び121bを有する例を示した。しかし、マークカード読取装置1は、1個のイメージセンサを有してもよい。例えば、マークカード読取装置1は、マークカードの一方の面のみを読み取る仕様である場合には、1個のイメージセンサを有してもよい。かかる場合には、マークカード読取装置1は、2個のイメージセンサを有する場合と比較して、奥行き方向(マークカードの挿入方向)の大きさを小さくすることができるので、より小型化を実現することができる。
また、上記実施例において、マークカード読取装置1は、それぞれ対向する位置に2個のイメージセンサ121a及び121bを有してもよい。これにより、マークカード読取装置1は、奥行き方向(マークカードの挿入方向)の大きさを小さくすることができるので、より小型化を実現することができる。
また、上記実施例において、マークカード読取装置1は、圧板110と繰出ローラ115との間に複数枚のマークカードが挟まれている状態において、かかる複数枚のマークカードの中に新たなマークカードの挿入を受け付けることもできる。具体的には、実施例に係るマークカード読取装置1では、引込ローラ等が不要であるので、挿入口101からマークカードの挿入方向の長さよりも短い位置に繰出ローラ115が設けられる。このため、挿入口101から挿入された複数枚のマークカードの一端は、圧板110及び繰出ローラ115によって挟まれ、かかる複数枚のマークカードの他端は、挿入口101から突出した状態となる。このとき、利用者は、圧板110と繰出ローラ115とによって挟まれている複数枚のマークカードに対して、新たなマークカードを挿し込むことにより、繰出ローラ115が繰り出し動作を行っている間であってもマークカードを挿入することができる。
また、上記実施例では、マークカードを読み取るマークカード読取装置を例に挙げて説明した。しかし、図1〜図12に示した挿入機構及び繰出機構は、マークカード読取装置のみならず、マークカード以外の紙幣等を読み取る媒体読取装置にも適用することができる。
また、上述した実施形態のさらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、上記マークカード読取装置1の実施態様は、上述した代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、上記マークカード読取装置1の実施態様は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。