JP5647863B2 - 浴槽の排水制御装置と制御方法 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1に記載された入浴用車椅子では、開口部を有する浴槽の側部に入浴用車椅子を略平行に接近させて位置決めして互いにロックすることになる。そして、入浴用車椅子は、下部にキャスターを設けた台車の上部に、椅子部が着脱可能に設けられている。
また、扉を降下させる際に半量の湯を排出させることに代えて、浴槽に備え付けたタンクに吸引して貯留し、扉で開口部を閉めた状態でタンクから湯を浴槽内に供給することも行われている。
しかも、浴槽内で一部の湯の排出を行って開口部以下の水位に制御した後、入浴者が退出して新たな入浴者が浴槽に入った状態で開口部を扉で閉塞し、浴槽に湯を満たすために給湯する場合、浴槽の排出弁を閉鎖させるように切り換え制御することを忘れると開口部以下の水位より高い水位になるとその湯が開口部から排出されてしまうという不具合があった。
新たな入浴者の入浴のために、一部排水手段がON状態で湯張りスイッチをONさせた場合に一部排水手段をOFFにして排水を阻止すると共に扉で開口部を閉鎖させて、開口部以下の水位を超えて給湯するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、入浴者が浴槽から退出する場合、浴槽内の水位を水位センサーで検知して水位判別手段で判別し、この水位が開口部より高い場合に開口部以下の水位になるように一部排水手段で排水した後に扉を降下させて浴槽の開口部を開放させる。この状態で入浴者を開口部から退出させると共に新たな入浴者を開口部から浴槽内に移動させる。その後、新たな入浴者を入浴状態にするために湯張りスイッチを入力し、扉を上昇させて開口部を閉鎖すると共に、供給される湯によって浴槽内に溜まる湯の水位を水位センサーで検知する。その際、一部排水手段をOFFに切り換えることを忘れたとしても、湯の水位が開口部以下の水位より上昇した場合でも一部排水手段による排水を湯張りスイッチONを検知した給排水制御手段で阻止し、給湯を進めることで湯を浴槽に満たすことができる。
なお、本発明において、「排水」や「排出」とは外部に流すこと以外にタンク等に一時的に貯留するために吸引することを含むものとし、要するに浴槽から湯を一時的または永久的に導き出す行為を含むものである。
一部排水スイッチをONして、水位センサーで検知した水位が開口部以下より高いか否かを水位判別手段で判別し、排水シリンダを作動させることにより湯を排出させて浴槽内の水位を開口部以下に低下させる。そして、給湯のために湯張りスイッチをONし、その際、一部排水スイッチのOFF切り換えを忘れたとしても、湯張りスイッチのONにより湯の水位が開口部以下の水位より上昇しても一部排水手段による排水を給排水制御手段で阻止する。
その後、新たな入浴者の入浴に際し、一部排水スイッチがON状態で浴槽内に湯を供給する湯張りスイッチをONさせた場合に、一部排水スイッチをOFFにして開口部を閉鎖するように扉を上昇させることで浴槽内の水位が開口部以下の水位より高くなっても湯の排出を停止させて、浴槽内に湯を満たすようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、入浴者が退出する場合、浴槽内の湯を水位が開口部以下になるように排水し、その後に、一部排水スイッチがON状態で新たな入浴者のために湯張りスイッチをONし、開口部を扉で閉鎖して湯を給湯させると、水位が開口部以下より上昇しても排水を阻止して給湯を継続して湯を浴槽に満たすことができる。
そして、従来、手作業で行っていた、入浴者の入浴及び退出のための扉の昇降による開口部の開閉と、水位を下げるための一部の湯の排水から排水を停止して給湯することを、自動的にしかも効率よく行うことができる。
図1は入浴装置1において浴槽2内に入浴者が着座可能な座部4を取り付けた状態を示すものである。浴槽2は一方の側部3の略上半分である上部に開口部5が形成され、開口部5を開閉するための扉6がスライドして上下動可能に設けられている。また、浴槽2の底部は側部3の開口部5より下方に位置しているが、開口部5と同程度の深さに設定しても良い。なお、開口部5を有する側部3に対向する他方の側面7には浴槽2の容量の一部、例えば半量の湯、或いは開口部5の下端以下の水位となるように一部の湯を溜めておくためのタンク8が設けられている。なお、タンク8は設けなくてもよい。
図2において、浴槽2の側部3における開口部5の下部に近い高さの位置に、扉6の開閉のために開口部5から溢れない湯の水位Hを検知する水位センサー18が設けられている。この水位Hは、例えば開口部5の下端より若干低い位置であり、以下、これを開口部以下の水位Hという。
浴槽2内の底部には排水栓19を開閉操作するための排水シリンダ20が設けられている。また、タンク8の側面に設けたパネル22には、浴槽2内に湯を供給するための湯張りスイッチ23,浴槽2内の湯を全量排出するための全排水スイッチ24、浴槽2内の開口部以下の水位Hより上方の湯を排出するための一部排水スイッチ25が設けられている。
そして、これら水位センサー18,排水シリンダ20,湯張りスイッチ23,全排水スイッチ24,一部排水スイッチ25はいずれも浴槽2に設けた制御手段26に電気的に接続されている。
水位判別手段28は、浴槽2内の湯の水位を判別するものであり、水位センサー18で検知した浴槽2内の湯の水位が開口部以下の水位Hより高い場合に、一部排水スイッチ25がONしていると排水のために信号を出力する。作動手段27は、水位判別手段28からの信号を受けて排水シリンダ20に出力して排水栓19を開弁して排水させるものである。そして、水位センサー18で検知した水位が開口部以下の水位Hに下がった場合には、排水シリンダ20の排水栓19を閉弁させる。
しかも、湯張りスイッチ23がONした場合、全排水状態では湯を水位Hより高い満水状態まで供給する。また、湯張りスイッチ23がONした場合、浴槽2内の水位が水位Hとされた一部排水状態では、一部排水スイッチ25の入力と遮断に関わらず、扉6が開放状態では扉6を上昇させて開口部5を閉鎖させ、そして、給排水制御手段29によって給湯手段30から浴槽2内に給湯させる。その際、浴槽2内の水位が開口部以下の水位Hより上昇しても排水シリンダ20の作動による排水を阻止する信号を作動手段27に出力する。
図1に示す入浴装置1において、例えば座椅子部に着座した入浴者が浴槽2内で入浴状態にある場合、浴槽2の開口部5は扉6で閉鎖されており、浴槽2内の湯の水位は開口部以下の水位Hより上方の所定位置、例えば座椅子部に着座した入浴者の肩程度まで満たした水位である。そして、入浴終了後、入浴者を浴槽2から退出させるために、水位Hまで一部の湯量を排出する必要があるので一部排水スイッチ25をONする(ステップ101)。
浴槽2内の水位が開口部以下の水位Hに至ると、水位判別手段28で検知して給排水制御手段29により作動手段27を介して停止信号を出力して排水シリンダ20を閉弁させる(ステップ104)。また、給排水制御手段29から扉昇降手段31に扉降下信号が出力され、開口部5が開放される(ステップ105)。開口部5を開放させても湯の水位Hは開口部5以下であるから浴室に溢れることはなく、座椅子部に着座した入浴者を外部に退出させることができる。
そして、新たな入浴者を座椅子部に着座させて浴槽2内に移動させる。
また、湯張りスイッチ23のONにより、扉昇降手段31が作動して扉6を上昇させて開口部5を閉鎖させる(ステップ108)。そして、浴槽2内への湯の水位が開口部以下の水位Hを超えても排水されることなく、給湯手段30から継続して湯が供給されて浴槽2内の湯が満たされる。そのため、一部排水スイッチ25を遮断し忘れても湯が排出されることを防止できる。
また、従来、手作業で行っていた、入浴者の入浴及び退出のための扉6の昇降による開口部5の開閉と湯を水位Hまで下げるための一部湯量の排水と、その後の新たな入浴者の入浴のための湯の供給とを、一部排水スイッチ25と湯張りスイッチ23を操作するだけで自動的にしかも無駄なく効率的に行うことができる。
例えば、上述の説明では、開口部5の開閉作業に際して開口部以下の水位Hより上の湯量はその都度外部へ排出するようにしたが、これに代えて浴槽2から排出させてタンク8内へ貯留させるようにしてもよい。この場合、一部排水スイッチ25がONし、水位センサー18で検知する水位Hになるまで湯をタンク8内に吸引(排水)して貯留する。そして、湯張りスイッチ23をONすることで水位Hを超えた湯量が浴槽2内に溜まっても、その際、一部排水スイッチ25のOFF切り換えを忘れても、給排水制御手段29によって排水シリンダ20を開弁させることを阻止し、タンク8から湯を浴槽2内に供給できる。
なお、本明細書において、排水、排出とは、湯を外部へ流し出すこととタンク8内に吸引して貯留することの意味を含むものとする。
2 浴槽
4 座部
5 開口部
6 扉
17 排水制御装置
18 水位センサー
20 排水シリンダ
23 湯張りスイッチ
25 一部排水スイッチ
26 制御手段
27 作動手段
28 水位判別手段
29 給排水制御手段
30 給湯手段
Claims (3)
- 浴槽の側部に開口部と該開口部を開閉可能な扉が設けられた浴槽の排水制御装置であって、
浴槽内の湯の水位を検知する水位センサーと、
該水位センサーで検知した水位が開口部の下端より若干低い開口部以下の水位より高いか否かを判別する水位判別手段と、
該水位判別手段で検知した水位が前記開口部より高い場合に入浴者の退出のために開口部以下の水位になるまで浴槽内の湯を排水させる一部排水手段と、
前記開口部を開閉させるために扉を昇降させる扉昇降手段と、
浴槽内に湯を開口部以下の水位を超えて供給する湯張りスイッチと、
該湯張りスイッチのONを検知して一部排水手段をOFFさせて排水を阻止すると共に扉を上昇させて開口部を閉鎖させる給排水制御手段とを備え、
新たな入浴者の入浴のために、前記一部排水手段がON状態で前記湯張りスイッチをONさせた場合に前記一部排水手段をOFFにして排水を阻止すると共に前記扉で開口部を閉鎖させて、前記開口部以下の水位を超えて給湯するようにしたことを特徴とする排水制御装置。 - 前記一部排水手段は、浴槽内の開口部以下の水位を超える水位の湯を排水するための一部排水スイッチと、前記水位センサーで検知して前記水位判別手段で判別した水位が前記開口部以下の水位より高い場合に浴槽内の湯を排水させる排水シリンダとを備えた請求項1に記載された排水制御装置。
- 浴槽の側部に開口部と該開口部を開閉可能な扉が設けられた浴槽の排水制御方法であって、
入浴者の退出時に一部排水スイッチをONし、浴槽内の湯の水位が開口部より高い場合に水位が開口部以下になるよう湯を排水させた後で、扉を降下させて前記開口部を開放させ、
その後、新たな入浴者の入浴に際し、前記一部排水スイッチがON状態で浴槽内に湯を供給する湯張りスイッチをONさせた場合に、一部排水スイッチをOFFにして前記開口部を閉鎖するように扉を上昇させることで浴槽内の水位が前記開口部以下の水位より高くなっても湯の排出を停止させて、浴槽内に湯を満たすようにしたことを特徴とする排水制御方法。
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