JP5645905B2 - 薬液の貯留供給装置及び方法、並びに地下水浄化処理装置及び方法 - Google Patents

薬液の貯留供給装置及び方法、並びに地下水浄化処理装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5645905B2
JP5645905B2 JP2012253236A JP2012253236A JP5645905B2 JP 5645905 B2 JP5645905 B2 JP 5645905B2 JP 2012253236 A JP2012253236 A JP 2012253236A JP 2012253236 A JP2012253236 A JP 2012253236A JP 5645905 B2 JP5645905 B2 JP 5645905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
storage tank
chemical
storage
chemical liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012253236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014100643A (ja
Inventor
山本 達郎
達郎 山本
駒形 淳
淳 駒形
教介 蛯名
教介 蛯名
和久 朝海
和久 朝海
和也 榎戸
和也 榎戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wellthy Corp
Original Assignee
Wellthy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wellthy Corp filed Critical Wellthy Corp
Priority to JP2012253236A priority Critical patent/JP5645905B2/ja
Publication of JP2014100643A publication Critical patent/JP2014100643A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5645905B2 publication Critical patent/JP5645905B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

本発明は、薬液の貯留供給装置とこれを備える地下水浄化処理装置、及び、薬液の貯留供給方法とこれを利用した地下水浄化処理方法に関するものである。
従来から、上水や下水を問わず、目的に応じた様々な水処理が行われている。特に近年では、災害や天候等の影響を受けない水の供給源として、地下水の需要が高まっている。地下水等の被処理水に対する水処理工程では、被処理水に含まれる不純物を除去或いは低減するために、目的に合わせた薬液を被処理水に添加している。一般的に、薬液は貯留用のタンクに貯留されており、この貯留タンクから供給ポンプにより薬液が添加される。この際、不純物の除去或いは低減を十分に行うために、最適な供給量の薬液を、安定して被処理水に添加する必要がある。そこで、本発明者らは、安定して薬液を注入することを目的として、水処理における薬液の注入システムに関し、先に出願を行っている(特許文献1参照)。
特開2003−225651号公報
ところで、被処理水に添加する薬液を貯留するタンクとして、市販の薬品タンクを使用することを考慮した場合、市販の内容量100〜500L程度の薬品タンクは、その殆どが屋内仕様になっているため、屋外で使用した場合の温度対策や降雨対策が十分に施されていない。薬品タンク内に雨水が入り込むと、薬液が希釈されてしまうだけでなく、雨水中の様々な成分が薬液と反応し、薬液に不純物として含有されてしまうこととなる。更に、市販の薬品タンクでは、薬液貯留量の増減による供給ポンプの揚程変化に伴う、供給ポンプの吐出量の変動は、タンクの仕様に考慮されていないのが一般的である。具体的には、薬品タンク内の液面が上位の場合は、供給ポンプの揚程が小さくなるため、薬液の供給量が多くなり、薬品タンク内の液面が下位の場合は、供給ポンプの揚程が大きくなるため、薬液の供給量が少なくなる。このため、薬液貯留量の増減により、薬液の供給量が変動してしまう。
又、被処理水に添加される薬液、例えば、次亜塩素酸ナトリウムは、上水道、地下水飲料化システム、プール水等の消毒に広く使用され、世界中で伝染病の発生や各種疾患を抑止する薬液として貢献している。このように、人の生活に深く関わって使用されている薬液が、濃度が変化したり、成分変化を起こしたり、更に供給が停止したりということがあれば、人の健康に関わる問題が発生してしまう虞がある。このため、従来は、比較的短期間の間に定期的に水質検査を行う等の対策を採って、十分な安全性を確保していた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気温や天候による影響を抑制しながら、薬液を安定して供給することで、安全な処理水を安定供給することにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)薬液の貯留供給装置であって、薬液を貯留する貯留タンクと、内部にオーバーフロー管を有するサブタンクと、前記貯留タンク内の薬液を前記サブタンクに常時供給する循環ポンプと、前記サブタンク内の薬液を外部へ供給する供給ポンプとを含み、前記貯留タンクは、上部一面を覆う天盤板を備え、前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとが、前記天盤板の上に配置されており、前記オーバーフロー管は、上端が前記サブタンク内部の所定高さに配置され、下端が前記貯留タンクの内部に配置されるように、前記天盤板を貫通して設置されている薬液の貯留供給装置。
本項に記載の薬液の貯留供給装置は、薬液を貯留するための貯留タンクと、内部にオーバーフロー管を有するサブタンクとを含んでおり、貯留タンクは、上部一面を覆う天盤板を備え、この天盤板の上にサブタンクが配置されている。天盤板には、例えば、樹脂製のものが用いられる。又、本項に記載の薬液の貯留供給装置は、貯留タンクに貯留されている薬液を、サブタンクに常時供給する循環ポンプと、サブタンク内の薬液を、本薬液の貯留供給装置の外部へ供給する供給ポンプとを含んでおり、これら2つのポンプも、サブタンクと同じく天盤板の上に配置されている。これらの要素が、後述のように、天盤板上に集約されるようにして配置されることで、サブタンクや循環ポンプの直下に、貯留タンクが位置する態様となる。又、サブタンク、循環ポンプ、供給ポンプは、天盤板上で可能な限り近接して配置されることとなる。
サブタンク、循環ポンプ、供給ポンプは、各要素を連通する配管の長さや取り回し等を考慮して、天盤板上の適切な位置に集約して配置される。この際、天盤板上の一部に共通ベースを設置し、この共通ベースの上にこれらの要素を配置することとしてもよい。循環ポンプは、直下に配置されている貯留タンクから、天盤板を貫通して設置されている配管を介して薬液を吸引し、吸引した薬液を、近接して配置されているサブタンクへ配管を介して供給する。又、供給ポンプは、近接して配置されているサブタンクから配管を介して薬液を吸引し、吸引した薬液を、配管を介して外部へ供給する。
サブタンクに設けられたオーバーフロー管は、上端である一端部が、サブタンク内部の所定高さに配置され、下端である他端部が、サブタンク直下の貯留タンクの内部に配置されている。すなわち、オーバーフロー管は、サブタンクの底部と天盤板とを貫通して設置されており、サブタンクの内部と貯留タンクの内部とが、オーバーフロー管により連通した状態となっている。オーバーフロー管の上端の、サブタンク内部における高さとしては、循環ポンプにより薬液を供給するための配管が、サブタンクに接続されている高さよりも低く、かつ、供給ポンプにより薬液を吸引するための配管が、サブタンクに接続されている高さよりも高くなるように設定される。このため、サブタンク内部において、供給ポンプにより常時供給される薬液は、オーバーフロー管の上端が位置する所定高さを超えた分量が、オーバーフロー管の上端からオーバーフロー管内に流れ込み、オーバーフロー管の下端から貯留タンク内部へと返流される。これにより、薬液を外部に供給して薬液の貯留量が減少した場合や、薬液が補充されて薬液の貯留量が増加した場合においても、その影響は貯留タンク内の薬液の増減に止まることとなり、サブタンク内の薬液は、常に、その液面の高さが、オーバーフロー管の上端が位置する所定高さと同じ高さに維持される。そして、薬液の貯留量が常時一定のサブタンクから、供給ポンプによって薬液が外部へと供給されることとなる。
上述の如き構成により、本項に記載の薬液の貯留供給装置は、貯留タンクが上部一面を覆う天盤板を備えていることから、貯留タンク内への雨水等の浸入を防止するものとなる。又、サブタンクと循環ポンプと供給ポンプとが、天盤板上に配置されていることにより、循環ポンプの直下に貯留タンクが位置し、又、サブタンクと供給ポンプとが近接して配置される。これにより、循環ポンプにより貯留タンクから薬液を吸引するための配管と、供給ポンプによりサブタンクから薬液を吸引するための配管との各々が、長さが短く、かつ、単純な引き回しで敷設されるものとなる。このため、各々の配管に薬液から生じるガスが溜まり難くなり、特にポンプの吸引側で問題となる、ガスロックの発生を防止するものとなる。更に、サブタンク内の薬液は、常に、オーバーフロー管の上端の位置と同じ高さに液面が維持されていることから、サブタンクから薬液を吸引する供給ポンプの揚程が一定に保たれることとなり、薬液の供給量が安定するものとなる。従って、気温や天候等の影響を抑制しながら、安定して薬液を供給するものとなり、本薬液の貯留供給装置を水処理に利用することで、安全な処理水を安定して供給することとなる。
(2)上記(1)項において、前記天盤板には、一端にフランジ部を有する2つの短管が貫通して立設され、該2つの短管の各々は、前記フランジ部が前記天盤板の前記貯留タンク内側面に密接し、他端側が前記天盤板の前記貯留タンク外側面から所定長さ突出しており、前記オーバーフロー管の下端側と、前記循環ポンプにより前記貯留タンクから薬液を吸引するための配管とが、前記2つの短管の各々に挿入されている薬液の貯留供給装置(請求項)。
本項に記載の薬液の貯留供給装置は、貯留タンクの上部一面を覆う天盤板に、2つの短管が貫通して立設されているものである。これら2つの短管の各々は、一端にフランジ部を有しており、フランジ部を除く長さが天盤板の厚みよりも長くなっている。又、一方の短管は、オーバーフロー管の下端側の外径と等しい内径を有しており、他方の短管は、循環ポンプにより貯留タンクから薬液を吸引するための配管の外径と等しい内径を有している。これらの短管には、例えば、塩化ビニル製のバルブソケット等が用いられる。そして、2つの短管の各々は、天盤板に設けられた各々の短管の外径と等しい内径の貫通孔に、天盤板の貯留タンク内側から、フランジ部とは逆の他端側を先にしてねじ込まれている。このため、フランジ部が天盤板の貯留タンク内側面に密接し、他端側が天盤板の貯留タンク外側面から所定長さ突出した態様となる。そして、短管の外周と天盤板に設けられた貫通孔の内周との間、及び、短管のフランジ部と天盤板の貯留タンク内側面との間は、例えば、塩化ビニル用の接着剤等で固着される。このように天盤板に立設された2つの短管のうち、一方の短管には、サブタンクの底部から突出しているオーバーフロー管の下端側が、フランジ部とは逆の他端側から挿入され、他方の短管には、循環ポンプにより貯留タンクから薬液を吸引するための配管が、フランジ部とは逆の他端側から挿入される。
上述のような構成により、本項に記載の薬液の貯留供給装置は、天盤板の上に雨水等が溜まった場合でも、短管のフランジ部とは反対側の他端が、天盤板から突出した長さ分だけ高い位置にあるため、短管と短管に挿入されたオーバーフロー管との隙間や、短管と短管に挿入された配管との隙間から、雨水等が入り込むことを防止するものとなる。更に、短管の外周と天盤板に設けられた貫通孔の内周との間、及び、短管のフランジ部と天盤板の貯留タンク内側面との間は、接着剤等で固着されているため、これらの隙間から雨水等が入り込むことも防止される。又、オーバーフロー管と、循環ポンプにより貯留タンクから薬液を吸引するための配管とは、短管に固着されずに挿入された状態であるため、必要に応じて短管から引き抜かれることで、メンテナンス等を容易に行うものとなる。
(3)上記(2)項において、前記天盤板の上に、前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとの全体を覆うカバーが設置されている薬液の貯留供給装置(請求項)。
本項に記載の薬液の貯留供給装置は、天盤板の上に、サブタンクと供給ポンプと循環ポンプとの全体を覆うカバーが設置されているものである。カバーには、例えば、塩化ビニル製の板を、サブタンクと供給ポンプと循環ポンプとの全体を十分に覆うだけの大きさを有する、無底の箱状に組み合わせたものが用いられる。これにより、サブタンクと供給ポンプと循環ポンプだけではなく、循環ポンプにより貯留タンクから薬液を吸引するための配管、循環ポンプによりサブタンクへ薬液を供給するための配管、供給ポンプによりサブタンクから薬液を吸引するための配管、サブタンクの底部から突出しているオーバーフロー管の下端側等を、カバーで覆うこととなるため、これらが直接風雨に晒されることを防止するものとなる。更に、循環ポンプにより貯留タンクから薬液を吸引するための配管や、サブタンクの底部から突出しているオーバーフロー管の下端側の、天盤板を貫通している箇所も、カバーで覆われるため、これらの貫通箇所の隙間から、貯留タンク内部に雨水等が浸入することを防止するものともなる。
(4)上記(2)(3)項において、前記貯留タンクの外周に、内部に冷媒が流れる銅管が巻き付けられている薬液の貯留供給装置(請求項)。
本項に記載の薬液の貯留供給装置は、貯留タンクの外周に、内部に冷媒が流れる銅管が巻き付けられているものである。貯留タンクに貯留される薬液には、温度が上昇すると、酸化等の反応速度が速まり、反応生成物の濃度が高くなってしまう等の、好ましくない影響が出るものがある。このため、上述したように、内部に冷媒が流れる銅管が、貯留タンクの外周に巻き付けられていることで、貯留タンクに貯留されている薬液を冷却し、夏季等の気温の影響による薬液の温度上昇を防止するものである。
(5)上記()から(4)項において、前記貯留タンクの外周に、断熱材が設置されている薬液の貯留供給装置(請求項)。
本項に記載の薬液の貯留供給装置は、貯留タンクの外周に、断熱材を設置するものである。この際、断熱材の周りに、更に断熱材カバーを設置することとしてもよい。これにより、貯留タンクへの大気温度の伝達が抑制されるため、気温の影響による薬液の温度上昇を防止するものとなる。又、貯留タンクの外周に冷媒が流れる銅管が巻き付けられている場合には、この銅管を覆うように断熱材を設置する。これにより、銅管により冷却されている貯留タンクへの、大気温度の伝達が抑制されるため、効率的に薬液を冷却するものとなる。
(6)上記()から(5)項のいずれか1項記載の薬液の貯留供給装置を備え、該薬液の貯留供給装置により次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給する地下水浄化処理装置(請求項)。
本項に記載の地下水浄化処理装置は、上記()から(5)項のいずれか1項記載の薬液の貯留供給装置を備えており、この薬液の貯留供給装置により、次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給するものである。従って、上記()から(5)項記載の薬液の貯留供給装置と同様の作用を奏すると共に、被処理水となる地下水に次亜塩素酸ナトリウムを安定して供給するため、安全な品質の地下水を提供することとなる。
(7)上記(6)項において、上記(4)項記載の薬液の貯留供給装置と、井戸から揚水した地下水を貯留する原水槽を備え、前記銅管に、前記原水槽内の地下水が循環して流される地下水浄化処理装置(請求項)。
本項に記載の地下水浄化処理装置は、上記(4)項記載の薬液の貯留供給装置と、井戸から揚水した地下水を貯留する原水槽を備えており、貯留タンクに巻き付けられている銅管に、原水槽で貯留している地下水を循環して流すものである。地下水を銅管に循環させる際には、例えば、ポンプにより原水槽から地下水を揚水して、配管を介して銅管の一端に供給し、銅管の他端に接続した配管を介して、地下水が原水槽に返流されるようにする。一般的に、地下水の水温は、年間を通して12〜18℃程度であるため、貯留タンク内の次亜塩素酸ナトリウムを冷却する冷媒として、十分な効果を発揮する。これにより、銅管に流す冷媒を供給する専用の設備が不要となり、既存の設備を利用して安価かつ効率的に、次亜塩素酸ナトリウムの温度上昇を防止するものとなる。なお、貯留タンクに巻き付けている銅管は、次亜塩素酸ナトリウムにより腐食を起こし易いため、本項に記載の地下水浄化処理装置では、次亜塩素酸ナトリウムを原水槽内の地下水には添加せず、原水槽から後工程のために揚水された地下水に対し、次亜塩素酸ナトリウムを添加することとする。
(8)上記(7)項において、前記貯留タンクと前記原水槽とが、近接配置されている地下水浄化処理装置(請求項)。
本項に記載の地下水浄化処理装置は、貯留タンクと原水槽とが、近接配置されていることにより、原水槽から銅管へ地下水を供給するための配管の長さが短くなる。このため、この配管を通過する間の、気温等の影響による地下水の温度上昇が低減され、より効果的に次亜塩素酸ナトリウムを冷却するものとなる。
(9)薬液の貯留供給方法であって、上部一面を覆う天盤板を備えた、薬液を貯留する貯留タンクと、内部にオーバーフロー管を有するサブタンクと、前記貯留タンク内の薬液を前記サブタンクに供給する循環ポンプと、前記サブタンク内の薬液を外部へ供給する供給ポンプとを含む薬液の貯留供給装置を用い、前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとを、前記天盤板の上に配置し、前記循環ポンプにより前記貯留タンクから前記サブタンクへ薬液を常時供給し、前記オーバーフロー管により前記サブタンク内の薬液の一部を前記貯留タンクに返流することで、前記サブタンク内における薬液の液面の高さを所定の高さに維持する薬液の貯留供給方法。
(10)上記(9)項において、前記天盤板に、一端にフランジ部を有する2つの短管を貫通させて立設し、該2つの短管の各々の、前記フランジ部を前記天盤板の前記貯留タンク内側面に密接させると共に、他端側を前記天盤板の前記貯留タンク外側面から所定長さ突出させ、前記オーバーフロー管の下端側と、前記循環ポンプにより前記貯留タンクから薬液を吸引するための配管とを、前記2つの短管の各々に挿入する薬液の貯留供給方法(請求項)。
(11)上記(10)項において、前記天盤板の上に、前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとの全体を覆うカバーを設置する薬液の貯留供給装置(請求項)。
(12)上記(10)(11)項において、前記貯留タンクの外周に、内部に冷媒を流した銅管を巻き付ける薬液の貯留供給方法(請求項10)。
(13)上記(10)から(12)項において、前記貯留タンクの外周に、断熱材を設置する薬液の貯留供給方法(請求項11)。
そして、(9)から(13)項に記載の薬液の貯留供給方法は、各々、上記(1)から(5)項に記載の薬液の貯留供給装置を用いて実行されることで、上記(1)から(5)項に対応する同等の作用を奏するものである。
(14)上記(10)から(13)項のいずれか1項記載の薬液の貯留供給方法により、浄化処理対象の地下水に添加するための次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給する地下水浄化処理方法(請求項12)。
(15)上記(14)項において、上記(12)項記載の薬液の貯留供給方法により、次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給する際に、井戸から揚水した地下水を貯留する原水槽を含む地下水浄化処理装置を用い、前記銅管に、前記原水槽内の地下水を循環して流す地下水浄化処理方法(請求項13)。
(16)上記(15)項において、前記貯留タンクと前記原水槽とを、近接配置する地下水浄化処理方法(請求項14)。
そして、(14)から(16)項に記載の地下水浄化処理方法は、各々、上記(6)から(8)項に記載の地下水浄化処理装置を用いて実行されることで、上記(6)から(8)項に対応する同等の作用を奏するものである。
本発明はこのように構成したので、気温や天候による影響を抑制しながら、薬液を安定して供給することで、安全な処理水を安定供給することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置を備えた地下水浄化処理装置の構成を模式的に示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置の貯留タンクの構造を示しており、(a)は貯留タンクの平面図、(b)は貯留タンクの正面図である。 本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置の、天盤板上に配置された構成物を模式的に示しており、(a)は正面からの模式図、(b)はサブタンクの側面からの模式図である。 本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置の、温度対策が施された貯留タンクを示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10を備えた、地下水浄化処理装置12の構成を示す模式図である。まず、図1を参照して、地下水浄化処理装置12による、地下水の浄化処理方法について概略的に説明する。地下水浄化処理装置12は、揚水ポンプ72により井戸70から地下水を揚水し、原水槽74に投入する。原水槽74内には、揚水された地下水が原水RWとして貯留されている。原水RWは、薬液の貯留供給装置10の貯留タンク14を冷却するために用いられる。又、原水RWは、被処理水として原水槽74から原水ポンプ80により揚水された後、薬液の貯留供給装置10により薬液LMとして次亜塩素酸ナトリウムが添加される。ここで、原水RWを利用した貯留タンク14の冷却、薬液の貯留供給装置10の構成、薬液LMの貯留供給方法等については後述することとする。次亜塩素酸ナトリウムが添加された被処理水は、砂ろ過塔82によりろ過処理され、更に、MF膜(精密ろ過膜)やUF膜(限外ろ過膜)等で構成される膜ろ過塔84を経由した後、処理水槽86に貯留される。処理水槽86に貯留された被処理水は、処理水ポンプ88により配管を介して受水槽(図示省略)へ移送される。ここまでの処理により、地下水浄化処理装置12による地下水の浄化処理が終了となる。
次に、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10の構成について説明する。薬液の貯留供給装置10は、図1に示すように、薬液LM(図1の例では次亜塩素酸ナトリウム)を貯留する貯留タンク14を有している。ここで、図2を参照して、貯留タンク14の構造の一例について説明する。図示のように、貯留タンク14は、上部一面を覆う天盤板24を備えており、この天盤板24には、例えば、塩化ビニル製で厚さ12mm程度のものが用いられる。天盤板24には、貯留タンク14のメンテナンスや、貯留タンク14への薬液LMの補充等のために、開閉可能なねじ込み式の蓋50が設けられている。又、貯留タンク14は、側面に液面計52を有している。液面計52は、貯留タンク14内の薬液LMの液面位置を示すものであり、これにより貯留タンク14内の薬液LMの残量が、目視により確認できる。なお、図2に示す貯留タンク14は、図2(b)における横幅と奥行きが各870mm、蓋50を含む高さが980mmの、容量が500Lのタンクであるが、貯留タンク14には、必要に応じた適切な形状や容量のタンクを用いることができる。
又、薬液の貯留供給装置10は、図1に示すように、オーバーフロー管18を有するサブタンク16と、循環ポンプ20と、供給ポンプ22とを有している。循環ポンプ20は、常時、貯留タンク14から薬液LMをサブタンク16へ供給しており、循環ポンプ20により貯留タンク14から薬液LMを吸引するための配管40が、貯留タンク14内部の下方まで敷設されている。サブタンク16のオーバーフロー管18は、下部が貯留タンク14の内部まで達しており、このオーバーフロー管18を介して、サブタンク16内の薬液LMが貯留タンク14に返流されている。又、供給ポンプ22は、サブタンク16から薬液LMを、図1の例では原水ポンプ80と砂ろ過塔82との間の配管へ供給しており、そのための配管46が敷設されている。そして、これらサブタンク16、循環ポンプ20、供給ポンプ22は、貯留タンク14の天盤板24(図2参照)上に配置されている。なお、一例として、サブタンク16の有効容量は2L程度である。
ここで、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10の、天盤板24上の構成について詳しく説明する。図3に示すように、サブタンク16と循環ポンプ20と供給ポンプ22とは、いずれも、天盤板24上に設置された、例えば塩化ビニル製の共通ベース26の上に集約して配置されている。このため、これらの直下には、貯留タンク14が配置される態様となる。サブタンク16のオーバーフロー管18は、上端部がサブタンク16内部の所定高さXに配置され、ここから鉛直下方向へ向かってサブタンク16の底部を貫通し、天盤板24に立設されている短管30を介して、貯留タンク14の内部上方に下端部が配置されている。短管30は、フランジ部30aを有しており、内径がオーバーフロー管18の外径と等しく、例えば、塩化ビニル製のバルブソケット等が用いられる。又、短管30は、天盤板24に設けられた、短管30の外径と等しい内径の貫通孔に、フランジ部30aを下方にして図中下側からねじ込まれる等により、短管30の上端部30bが、天盤板24の上側の面よりも高い位置にある。そして、フランジ部30aと天盤板24の下側の面との間、及び、短管30の外周と天盤板24に設けられた貫通孔の内周との間は、塩化ビニル用の接着剤等で固着されている。オーバーフロー管18は、図中上方向から短管30に挿入されており、短管30に固着されていない。
循環ポンプ20の吸引側には、貯留タンク14から薬液LMを吸引するための配管40が接続されており、この配管40は、天盤板24に立設された短管32を介して、上述したように、貯留タンク14内部の下方まで敷設されている(図1参照)。短管32は、内径が配管40の外径と等しく、フランジ部32aを有している。又、短管30と同様に、天盤板24に設けられた貫通孔に図中下側からねじ込まれる等により固着されており、配管40は、この短管32に固着されずに挿入されている。一方、循環ポンプ20の吐出側には、サブタンク16へ薬液LMを供給するための配管42が接続されており、この配管42は、サブタンク16外部の、オーバーフロー管18の上端部が配置されている所定高さXよりも上方に接続されている。
又、供給ポンプ22の吸引側には、サブタンク16から薬液LMを吸引するための配管44が接続され、配管44は、サブタンク16に設けられた供給部16aに接続されている。サブタンク16の供給部16aは、オーバーフロー管18の上端部が配置されている所定高さXよりも下方の位置に接続されており、配管44へ薬液LMを供給するように設置されている。一方、供給ポンプ22の吐出側には、外部へ薬液LMを供給するための配管46が接続されている。この配管46は、後述するカバー34に設けられている、半円形の切欠きを通って、例えば、図1で示したような、原水ポンプ80と砂ろ過塔82との間の配管まで敷設されている。なお、上述した配管40、42、44及び46には、図3の例では、フレキシブルな配管チューブが用いられている。
又、図3に示しているように、天盤板24には、サブタンク16と循環ポンプ20と供給ポンプ22と、これらが設置されている共通ベース26との全体を覆うように、カバー34が設置されている。これにより、オーバーフロー管18が挿入されている短管30、配管40が挿入されている短管32、配管42、配管44、配管46の一部等も、カバー34により覆われることとなる。カバー34は、例えば、厚さ3mm程度の塩化ビニル製の板を組み合わせて形成される。
続いて、図1及び図3を参照して、上述したような構成や配置の、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10による、薬液LMの貯留や供給方法の流れについて説明する。貯留タンク14に貯留されている薬液LMは、循環ポンプ20により、配管40を介して吸引され、配管42を介してサブタンク16に供給される。この循環ポンプ20によるサブタンク16への薬品LMの供給は、常時行われている。そして、サブタンク16に供給された薬品LMは、オーバーフロー管18の上端部が位置する所定高さXを超えない分量までが、サブタンク16内で貯留され、所定高さXを超えた分量が、オーバーフロー管18を介して貯留タンク14へ返流される。又、サブタンク16に貯留されている薬液LMは、供給ポンプ22により、供給部16aと配管44とを介して吸引され、配管46を介して、砂ろ過塔82に投入される前の被処理水に対して供給される。
次に、図1及び図4を参照して、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10における、薬液LMの温度対策について説明する。図4は、温度対策が施された貯留タンク14を模式的に示しており、貯留タンク14は、図2に示した貯留タンク14と同様のものである。図4において、貯留タンク14の外周には、銅管60が巻き付けられている。一例として、銅管60は、外径が8mm、肉厚が1mm程度であり、水平より10度程度の傾きをもって、70〜80mmのピッチで貯留タンク14に巻き付けられている。この銅管60には、図1に示すように、原水槽74に貯留されている原水RWが、冷却ポンプ76により銅管60の一端から供給される。そして、銅管60の一端から供給された原水RWは、貯留タンク14に巻き付けられている銅管60の内部を通過した後、銅管60の他端に接続されている配管78を介して、原水槽74へ返流される。
又、図4に示すように、貯留タンク14の外周には、銅管60を覆うようにして、断熱材62と断熱材カバー64とが設置されている。例えば、断熱材62には、リサイクル処分が可能な厚さ20mmのポリエステル不織布等、断熱材カバー64には、厚さ1mmのアルミガラス系で形成されたもの等を使用できるが、必要に応じて適宜、他の材質のものを採用してもよい。なお、説明の便宜上、図1では、断熱材62と断熱材カバー64との図示は省略しており、図4では、断熱材62と断熱材カバー64との断面のみを示している。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、図1に示すように、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10は、薬液LMを貯留するための貯留タンク14と、内部にオーバーフロー管18を有するサブタンク16とを含んでいる。貯留タンク14は、図2に示すような上部一面を覆う天盤板24を備えており、図3に示すように、この天盤板24の上にサブタンク16が配置されている。天盤板24には、例えば、樹脂製のものが用いられる。又、薬液の貯留供給装置10は、貯留タンク14に貯留されている薬液LMを、サブタンク16に常時供給する循環ポンプ20と、サブタンク16内の薬液LMを、薬液の貯留供給装置10の外部へ供給する供給ポンプ22とを含んでおり、これら2つのポンプも、サブタンク16と同じく天盤板24の上に配置されている。これらの要素が、後述のように、天盤板24上に集約されるようにして配置されることで、サブタンク16や循環ポンプ20の直下に、貯留タンク14が位置する態様となる。又、サブタンク16、循環ポンプ20、供給ポンプ22は、天盤板24上で可能な限り近接して配置されることとなる。
サブタンク16、循環ポンプ20、供給ポンプ22は、各要素を連通する配管の長さや取り回し等を考慮して、天盤板24上の適切な位置に集約して配置される。図3の例では、天盤板24上の一部に共通ベース26を設置し、この共通ベース26の上にこれらの要素を配置している。循環ポンプ20は、直下に配置されている貯留タンク14から、天盤板24を貫通して設置されている配管40を介して薬液LMを吸引し、吸引した薬液LMを、近接して配置されているサブタンク16へ配管42を介して供給する。又、供給ポンプ22は、近接して配置されているサブタンク16から供給部16a及び配管44を介して薬液LMを吸引し、吸引した薬液LMを、配管46を介して外部へ供給する。
サブタンク16に設けられたオーバーフロー管18は、上端である一端部が、サブタンク16内部の所定高さXに配置され、下端である他端部が、サブタンク16直下の貯留タンク14の内部に配置されている。すなわち、オーバーフロー管18は、サブタンク16の底部と天盤板24とを貫通して設置されており、サブタンク16の内部と貯留タンク14の内部とが、オーバーフロー管18により連通した状態となっている。オーバーフロー管18の上端の、サブタンク内部における高さXとしては、循環ポンプ20により薬液LMを供給するための配管42が、サブタンク16に接続されている高さよりも低く、かつ、供給ポンプ22に接続された配管44に薬液LMを供給する供給部16aが、サブタンク16に接続されている高さよりも高くなるように設定される。このため、サブタンク16内部において、供給ポンプ22により常時供給される薬液LMは、オーバーフロー管18の上端が位置する所定高さXを超えた分量が、オーバーフロー管18の上端からオーバーフロー管18内に流れ込み、オーバーフロー管18の下端から貯留タンク14内部へと返流される。これにより、薬液LMを外部に供給して薬液LMの貯留量が減少した場合や、薬液LMが補充されて薬液LMの貯留量が増加した場合においても、その影響を貯留タンク14内の薬液LMの増減に止めることができ、サブタンク16内の薬液LMの液面の高さを、常に、オーバーフロー管18の上端が位置する所定高さXと同じ高さに維持することができる。そして、薬液LMの貯留量が常時一定のサブタンク16から、供給ポンプ22によって薬液LMを外部へと供給することができる。
上述の如き構成により、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10は、貯留タンク14が、図2に示すように、上部一面を覆う天盤板24を備えていることから、貯留タンク14内への雨水等の浸入を防止することができる。又、図3に示すように、サブタンク16と循環ポンプ20と供給ポンプ22とが、天盤板24上に配置されていることにより、循環ポンプ20の直下に貯留タンク14が位置し、又、サブタンク16と供給ポンプ22とが近接して配置される。これにより、循環ポンプ20により貯留タンク14から薬液LMを吸引するための配管40と、供給ポンプ22によりサブタンク16から薬液LMを吸引するための配管44との各々を、長さが短く、かつ、単純な引き回しで敷設することができる。このため、各々の配管に薬液LMから生じるガスが溜まり難くなり、特にポンプの吸引側で問題となる、ガスロックの発生を防止することが可能となる。更に、サブタンク16内の薬液LMは、常に、オーバーフロー管18の上端の位置と同じ高さXに液面が維持されていることから、サブタンク16から薬液LMを吸引する供給ポンプ22の揚程が一定に保たれることとなり、薬液LMの供給量を安定させることができる。従って、気温や天候等の影響を抑制しながら、安定して薬液LMを供給することができ、本薬液の貯留供給装置10を水処理に利用することで、安全な処理水を安定して供給することが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10は、貯留タンク14の上部一面を覆う天盤板24に、2つの短管30、32が貫通して立設されているものである。これら2つの短管30、32の各々は、一端にフランジ部30a、32aを有しており、フランジ部30a、32aを除く長さが天盤板24の厚みよりも長くなっている。又、短管30は、オーバーフロー管18の下端側の外径と等しい内径を有しており、短管32は、循環ポンプ20により貯留タンク14から薬液LMを吸引するための配管40の外径と等しい内径を有している。これらの短管30、32には、例えば、塩化ビニル製のバルブソケット等が用いられる。そして、2つの短管30、32の各々は、天盤板24に設けられた各々の短管の外径と等しい内径の貫通孔に、天盤板24の貯留タンク内側(図中下側)から、フランジ部30a、32a側とは逆の上端部30b、32bを先にしてねじ込まれている。このため、フランジ部30a、32aが天盤板24の貯留タンク内側面(図中下側面)に密接し、上端部30b、32b側が天盤板24の貯留タンク外側面(図中上側面)から所定長さ突出した態様となる。そして、短管30、32の外周と天盤板24に設けられた貫通孔の内周との間、及び、短管30、32のフランジ部30a、32aと天盤板24の貯留タンク内側面との間は、例えば、塩化ビニル用の接着剤等で固着される。このように天盤板24に立設された2つの短管30、32のうち、短管30には、サブタンク16の底部から突出しているオーバーフロー管18の下端側が、上端部30bから挿入され、短管32には、循環ポンプ20により貯留タンク14から薬液LMを吸引するための配管40が、上端部32bから挿入される。
上述のような構成により、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10は、天盤板24の上に雨水等が溜まった場合でも、短管30、32の上端部30b、32bが、天盤板24から突出した長さ分だけ高い位置にあるため、短管30と短管30に挿入されたオーバーフロー管18との隙間や、短管32と短管32に挿入された配管40との隙間から、雨水等が入り込むことを防止することができる。更に、短管30、32の外周と天盤板24に設けられた貫通孔の内周との間、及び、短管30、32のフランジ部30a、32aと天盤板24の貯留タンク内側面との間は、接着剤等で固着されているため、これらの隙間から雨水等が入り込むことも防止することができる。又、オーバーフロー管18と、循環ポンプ20により貯留タンク14から薬液LMを吸引するための配管40とは、短管30、32に固着されずに挿入された状態であるため、必要に応じて短管30、32から引き抜くこととすれば、メンテナンス等を容易に行うことができる。
更に、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10は、天盤板24の上に、サブタンク16と供給ポンプ20と循環ポンプ22との全体を覆うカバ34ーが設置されているものである。カバー34には、例えば、塩化ビニル製の板を、サブタンク16と供給ポンプ20と循環ポンプ22との全体を十分に覆うだけの大きさを有する、無底の箱状に組み合わせたものが用いられる。これにより、サブタンク16と供給ポンプ20と循環ポンプ22だけではなく、循環ポンプ20により貯留タンク14から薬液LMを吸引するための配管40、循環ポンプ20によりサブタンク16へ薬液LMを供給するための配管42、供給ポンプ22によりサブタンク16から薬液LMを吸引するための配管44、サブタンク16の底部から突出しているオーバーフロー管18の下端側等を、カバー34で覆うことができるため、これらが直接風雨に晒されないよう防止することができる。更に、配管40が挿入されている短管30や、オーバーフロー管18が挿入されている短管32も、カバーで覆われるため、配管40やオーバーフロー管18と短管30、32との隙間や、短管30、32と天盤板24との隙間から、貯留タンク14内部に雨水等が浸入することを防止することも可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10は、図4に示すように、貯留タンク14の外周に、内部に冷媒が流れる銅管60が巻き付けられているものである。貯留タンク14に貯留される薬液LMには、温度が上昇すると、酸化等の反応速度が速まり、反応生成物の濃度が高くなってしまう等の、好ましくない影響が出るものがある。このため、上述したように、内部に冷媒が流れる銅管60が、貯留タンク14の外周に巻き付けられていることで、貯留タンク14に貯留されている薬液LMを冷却し、夏季等の気温の影響による薬液LMの温度上昇を防止することが可能となる。
更に、貯留タンク14の外周に、断熱材62を設置することとしてもよい。図4の例では、貯留タンク14の外周に巻き付けられた銅管60を覆うように、断熱材62を設置しており、更に断熱材62の周りに断熱材カバー64を設置している。これにより、銅管60により冷却されている貯留タンク14への、大気温度の伝達が抑制されるため、効率的に薬液LMを冷却することができ、薬液LMの温度上昇を防止することができる。
一方、本発明の実施の形態に係る地下水浄化処理装置12は、図1に示すように、上述の如き本発明の実施の形態に係る薬液の貯留供給装置10を備えるものであり、この薬液の貯留供給装置10により、次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給するものである。従って、被処理水となる地下水に次亜塩素酸ナトリウムを安定して供給するため、安全な品質の地下水を提供することが可能となる。
そして、本発明の実施の形態に係る地下水浄化処理装置12は、井戸70から揚水した地下水を、原水RWとして貯留する原水槽74を備えており、貯留タンク14に巻き付けられている銅管60に、原水槽74で貯留している原水RWを循環して流すものである。原水RWを銅管60に循環させる際には、冷却ポンプ76により原水槽74から原水RWを揚水して、配管を介して銅管60の一端に供給し、銅管60の他端に接続した配管78を介して、原水RWが原水槽74に返流されるようにする。一般的に、地下水の水温は、年間を通して12〜18℃程度であるため、貯留タンク14内の次亜塩素酸ナトリウムを冷却する冷媒として、原水RWは十分な効果を発揮する。これにより、銅管60に流す冷媒を供給する専用の設備が不要となり、既存の設備を利用して安価かつ効率的に、次亜塩素酸ナトリウムの温度上昇を防止することが可能となり、特に夏季に懸念される、次亜塩素酸ナトリウムの塩素酸濃度の増加を、防止することができる。
又、貯留タンク14と原水槽74とが、近接配置されていることにより、原水槽74から銅管60へ原水RWを供給するための配管の長さが短くなる。このため、この配管を通過する間の、気温等の影響による原水RWの温度上昇が低減され、より効果的に次亜塩素酸ナトリウムを冷却することができる。
なお、貯留タンク14に巻き付けている銅管60は、次亜塩素酸ナトリウムにより腐食を起こし易いため、図4に示す地下水浄化処理装置12では、次亜塩素酸ナトリウムを原水槽74内の原水RWには添加せず、原水槽74から原水ポンプ80により揚水され、砂ろ過塔82によりろ過処理される直前の被処理水に対し、次亜塩素酸ナトリウムを添加することで、次亜塩素酸ナトリウムによる銅管60の腐食を防止している。
10:薬液の貯留供給装置、12:地下水浄化処理装置、14:貯留タンク、16:サブタンク、18:オーバーフロー管、20:循環ポンプ、22:供給ポンプ、24:天盤板、30、32:短管、30a、32a:フランジ部、34:カバー、40:配管、60:銅管、62:断熱材、70:井戸、74:原水槽、LM:薬液、RW:原水、X:オーバーフロー管の高さ

Claims (14)

  1. 薬液の貯留供給装置であって、
    薬液を貯留する貯留タンクと、内部にオーバーフロー管を有するサブタンクと、前記貯留タンク内の薬液を前記サブタンクに常時供給する循環ポンプと、前記サブタンク内の薬液を外部へ供給する供給ポンプとを含み、
    前記貯留タンクは、上部一面を覆う天盤板を備え、前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとが、前記天盤板の上に配置されており、
    前記オーバーフロー管は、上端が前記サブタンク内部の所定高さに配置され、下端が前記貯留タンクの内部に配置されるように、前記天盤板を貫通して設置されており、
    前記天盤板には、一端にフランジ部を有する2つの短管が貫通して立設され、該2つの短管の各々は、前記フランジ部が前記天盤板の前記貯留タンク内側面に密接し、他端側が前記天盤板の前記貯留タンク外側面から所定長さ突出しており、
    前記オーバーフロー管の下端側と、前記循環ポンプにより前記貯留タンクから薬液を吸引するための配管とが、前記2つの短管の各々に挿入されていることを特徴とする薬液の貯留供給装置。
  2. 前記天盤板の上に、前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとの全体を覆うカバーが設置されていることを特徴とする請求項記載の薬液の貯留供給装置。
  3. 前記貯留タンクの外周に、内部に冷媒が流れる銅管が巻き付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の薬液の貯留供給装置。
  4. 前記貯留タンクの外周に、断熱材が設置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の薬液の貯留供給装置。
  5. 請求項1からのいずれか1項記載の薬液の貯留供給装置を備え、
    該薬液の貯留供給装置により次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給することを特徴とする地下水浄化処理装置。
  6. 請求項3記載の薬液の貯留供給装置と、井戸から揚水した地下水を貯留する原水槽を備え、
    前記銅管に、前記原水槽内の地下水が循環して流されることを特徴とする請求項記載の地下水浄化処理装置。
  7. 前記貯留タンクと前記原水槽とが、近接配置されていることを特徴とする請求項記載の地下水浄化処理装置。
  8. 薬液の貯留供給方法であって、
    上部一面を覆う天盤板を備えた、薬液を貯留する貯留タンクと、内部にオーバーフロー管を有するサブタンクと、前記貯留タンク内の薬液を前記サブタンクに供給する循環ポンプと、前記サブタンク内の薬液を外部へ供給する供給ポンプとを含む薬液の貯留供給装置を用い、
    前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとを、前記天盤板の上に配置し、
    前記天盤板に、一端にフランジ部を有する2つの短管を貫通させて立設し、該2つの短管の各々の、前記フランジ部を前記天盤板の前記貯留タンク内側面に密接させると共に、他端側を前記天盤板の前記貯留タンク外側面から所定長さ突出させ、
    前記オーバーフロー管の下端側と、前記循環ポンプにより前記貯留タンクから薬液を吸引するための配管とを、前記2つの短管の各々に挿入し、
    前記循環ポンプにより前記貯留タンクから前記サブタンクへ薬液を常時供給し、前記オーバーフロー管により前記サブタンク内の薬液の一部を前記貯留タンクに返流することで、前記サブタンク内における薬液の液面の高さを所定の高さに維持することを特徴とする薬液の貯留供給方法。
  9. 前記天盤板の上に、前記サブタンクと前記供給ポンプと前記循環ポンプとの全体を覆うカバーを設置することを特徴とする請求項記載の薬液の貯留供給装置。
  10. 前記貯留タンクの外周に、内部に冷媒を流した銅管を巻き付けることを特徴とする請求項8又は9記載の薬液の貯留供給方法。
  11. 前記貯留タンクの外周に、断熱材を設置することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の薬液の貯留供給方法。
  12. 請求項8から11のいずれか1項記載の薬液の貯留供給方法により、浄化処理対象の地下水に添加するための次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給することを特徴とする地下水浄化処理方法。
  13. 請求項10記載の薬液の貯留供給方法により、次亜塩素酸ナトリウムを貯留及び供給する際に、井戸から揚水した地下水を貯留する原水槽を含む地下水浄化処理装置を用い、
    前記銅管に、前記原水槽内の地下水を循環して流すことを特徴とする請求項12記載の地下水浄化処理方法。
  14. 前記貯留タンクと前記原水槽とを、近接配置することを特徴とする請求項13記載の地下水浄化処理方法。
JP2012253236A 2012-11-19 2012-11-19 薬液の貯留供給装置及び方法、並びに地下水浄化処理装置及び方法 Expired - Fee Related JP5645905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012253236A JP5645905B2 (ja) 2012-11-19 2012-11-19 薬液の貯留供給装置及び方法、並びに地下水浄化処理装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012253236A JP5645905B2 (ja) 2012-11-19 2012-11-19 薬液の貯留供給装置及び方法、並びに地下水浄化処理装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014100643A JP2014100643A (ja) 2014-06-05
JP5645905B2 true JP5645905B2 (ja) 2014-12-24

Family

ID=51023686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012253236A Expired - Fee Related JP5645905B2 (ja) 2012-11-19 2012-11-19 薬液の貯留供給装置及び方法、並びに地下水浄化処理装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5645905B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109430253A (zh) * 2019-01-08 2019-03-08 成都泰盟软件有限公司 一种双通道单心脏的离体心脏灌流系统
JP2020179314A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 オルガノ株式会社 再生剤供給装置および超純水製造装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0437113Y2 (ja) * 1986-12-08 1992-09-01
JPS63315848A (ja) * 1987-06-15 1988-12-23 Takenaka Komuten Co Ltd 大規模自然水利用による冷暖房装置
JPH03169929A (ja) * 1989-11-28 1991-07-23 Fuji Supaasu Hanbai Kk 配水設備用薬液供給装置
JP2003225651A (ja) * 2002-02-05 2003-08-12 Uerushii:Kk 自動呼び水保全システム及び装置
JP2004028554A (ja) * 2002-05-08 2004-01-29 Timec Inc レーザ加工機用冷却装置
JP4155862B2 (ja) * 2003-04-24 2008-09-24 水道機工株式会社 薬液注入装置
JP4706836B2 (ja) * 2005-11-09 2011-06-22 株式会社日立プラントテクノロジー クーリングシステム
JP5498831B2 (ja) * 2010-03-25 2014-05-21 アクアス株式会社 冷却水水質の測定方法、冷却水水質の管理方法、および冷却水への水処理薬剤注入方法
WO2012053224A1 (ja) * 2010-10-22 2012-04-26 パナソニック株式会社 バラスト水処理システム及びバラスト水処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014100643A (ja) 2014-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5645905B2 (ja) 薬液の貯留供給装置及び方法、並びに地下水浄化処理装置及び方法
JP2014227673A (ja) 取水装置および取水方法
CN209414196U (zh) 一种用于潜污泵的组合连接装置
KR20140032662A (ko) 빗물 저류조
JP2011013103A (ja) 原子炉緊急冷却装置及び原子力発電プラント
JP2010077623A (ja) 地下貯水槽
CN210656522U (zh) 一种矿泉水生产用过滤装置
JP2014142127A (ja) 加湿機
KR20110114393A (ko) 전시용 수족관
JP2014206312A (ja) 復水器の冷却装置及び方法
CN216711751U (zh) 大型船舶新风循环水除氧器
JP3018619U (ja) 改良型水落下システム付水槽及び濾過装置
JP6142589B2 (ja) 導電率低減システム及び導電率の低減方法
CN205999157U (zh) 一种可连续取水的可移动应急净水运水车
JP7204597B2 (ja) 超純水製造システム及び超純水製造方法
JP6215750B2 (ja) 冷却水の利用方法
CN210291421U (zh) 一种方管生产车间供液系统管路恒压装置
CN106277405A (zh) 一种可连续取水的可移动应急净水运水车
CN221072828U (zh) 管道冷凝水回收装置及桶装水生产线
CN213273930U (zh) 水泥厂余热发电溢流水处理设备及水泥厂生产系统
CN209910437U (zh) 一种直供蒸汽管道
KR200463706Y1 (ko) 수중 펌프용 필터 커버
CN218025626U (zh) 一种高压微雾用水制水设备
KR20080032433A (ko) 유수분리기
KR101045455B1 (ko) 지하수 지열을 이용한 인공생태 계류 연못

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141022

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5645905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees