JP5645762B2 - ポリオレフィンの結晶性分布分析方法およびその装置 - Google Patents

ポリオレフィンの結晶性分布分析方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィンの結晶性分布分析方法およびその装置に関し、さらに詳しくは、昇温溶出分別法を用いて極めて精密に且つ極めて短時間に結晶性分布を得ることができる、ポリオレフィン試料の結晶性分布分析方法およびその装置に関するものである。
一般にポリオレフィンは、分子量、化学組成、立体規則性等の分子構造のいずれか又は全てについて不均一な混合物であり、その反映として広い結晶性分布を持っている。そして、ポリオレフィンの品質は、結晶性分布に大きく影響される。従って、結晶性分布に関して正しい情報を得ることは、ポリオレフィンの品質改良研究には欠かせない。
従来、ポリオレフィンの結晶性分布を分析する手段として、昇温溶出分別(Temperature Rising Elution Fractionation;TREF)が広く用いられている(例えば、特許文献1または非特許文献1参照)。
しかし昇温溶出分別法において、結晶化工程は通常10℃/h〜5℃/minの冷却速度で行われるが、混合物は、共結晶化が起こってしまい、続く溶出工程において上手く分離できない問題があった。すなわち、混合物の場合、期待される溶出曲線の形状は、個々の試料の溶出曲線を重ね合わせた形状であるのに、共晶化によってあたかも単一成分かのごときの形状になってしまう問題があった。これでは未知のサンプルについてその結晶性分布から配合割合などを測定できないこととなる。
共結晶化を避けてポリオレフィンの溶出曲線を得るため、結晶化に伴う冷却速度は、たとえば2℃/hで行うなど、極めて低速度で冷却する方法がある。しかしながらこれでは多大な時間を要する(例えば、非特許文献2参照)。また比較的融点の近いポリプロピレン(PP)混合物、例えば、ホモポリプロピレン(HPP)とランダムポリプロピレン(プロピレン・エチレン・ランダム共重合体、RCP)との混合物や、種類の異なるRCPの混合物は、共結晶化の影響が著しく、1℃/hと長時間にわたる測定を実施しても各々を精密に分離出来ていない(例えば、非特許文献3参照)。
また、TREFの欠点を補うために、溶出に用いる溶媒の温度を直接制御することによりカラム温度を迅速に制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法は、分析条件を決定する際に過度の試行錯誤を要すること、複雑な装置が必要になること等の欠点を有し、また共結晶化を抑制する事は出来ない。また、冷却による結晶化の工程において、残存溶液の濃度を測定することにより、結晶性分布の分析を行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方法は、工程の簡略化は可能であるが、十分な量の残存溶液を得るために容器の大きさを大きくする必要があり、温度制御の迅速化が困難な欠点を有し、更に、共結晶化を抑制する事も出来ない。
したがって、ポリオレフィンからなる試料を昇温溶出分別法によって分析する際に、精密に且つ短時間に結晶性分布を得ることができ、また、複数のポリオレフィンを含む試料においては、共結晶化を起こさずに各成分を分離できる分析方法およびその装置が望まれていた。
特開平5−80038号公報 米国公開特許2006−54543号公報 特表平6−511316号公報 Polymer Preprint, Am.Chem.Soc., Polym.Chem.Div., 18, 182(1977) J. Polym. Sci. Polym. Phys. Edn., 20, 441(1982) 高分子討論会予稿集, 46,4149(1997)
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、昇温溶出分別法を用いて極めて精密に且つ極めて短時間に結晶性分布を得ることができる、ポリオレフィン試料の結晶性分布分析方法およびその装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、試料溶液をカラムに充填する充填工程、試料溶液をカラム内で結晶化させる結晶化工程および試料を溶出させる溶出工程とを含むポリオレフィンの結晶性分布分析方法において、前記結晶化工程は、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を少なくとも1回行う分析方法により、また、前記カラムの冷却及び加熱を所定の条件で繰り返す温度制御手段を含む前記ポリオレフィンの結晶性分布分析方法を行う装置によって、上記課題を解決することができることを見出した。それらの知見に、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリオレフィンを含む試料溶液をカラムに充填する充填工程(A)と、前記試料溶液をカラム内で結晶化させる結晶化工程(B)と、前記カラムの温度を上昇させて結晶化されたポリオレフィンを溶出させる溶出工程(C)とを含み、かつ、前記結晶化工程(B)は、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を少なくとも1回行うことを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記試料溶液は、二種以上のポリオレフィンを含むことを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、前記カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作が2回以上行われるとき、それぞれの操作毎における冷却の開始温度と、引き続き行われる加熱の開始温度との差である反復温度差が、35℃以上であることを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、前記カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作において、カラムの冷却速度および加熱速度が、7℃/min以上25℃/min以下であることを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、前記結晶化工程(B)の終了時において、前記試料溶液は40℃以下となっていることを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明に記載のポリオレフィンの結晶性分布分析方法を行う装置であって、前記カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を所定の条件で繰り返す温度制御手段を含むことを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析装置が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、2300cm以下の恒温槽を備えることを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析装置が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第またはの発明において、前記カラムの表面積が、カラム体積1cmあたり10cm以上であることを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析装置が提供される。
本発明のポリオレフィンの結晶性分布分析方法およびその装置によれば、特定の温度制御手法により、従来分析に要する時間が長時間であったのに対し、極めて短時間で溶出曲線を極めて精密に得ることが出来る。また、従来共結晶を形成して単一の溶出曲線しか得られなかった複数の結晶成分を混合させた混合試料にて、複数の結晶成分を有する溶出曲線を極めて精密に且つ極めて短時間に得ることが出来る。
図1は、本発明の好ましい一実施態様における結晶化工程及び溶出工程のカラムの温度プロファイルを示した概念図である。 図2は、本発明の好ましい一実施態様における分析装置を示した概念図である。 図3は、実施例1における温度制御図である。 図4は、実施例1における溶融曲線である。 図5は、比較例1における溶融曲線である。
1 試料注入温度
2 反復開始温度
3 反復終了温度
4 反復温度差
5 逐次冷却開始温度差
11 溶媒タンク
12 ポンプ
13 試料注入口
14 カラム
15 恒温槽および温度制御装置
16 検出器
17 廃液
以下、本発明のポリオレフィンの結晶性分布分析方法およびその装置について、各項目ごとに詳細に説明する。
本発明のポリオレフィンの結晶性分布分析方法は、ポリオレフィンを含む試料溶液をカラムに充填する充填工程(A)と、前記試料溶液をカラム内で結晶化させる結晶化工程(B)と、前記カラムの温度を上昇させて結晶化されたポリオレフィンを溶出させる溶出工程(C)とを含み、かつ、前記結晶化工程(B)は、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を少なくとも1回行うことを特徴とする。
また、本発明のポリオレフィンの結晶性分布分析装置は、前記のポリオレフィンの結晶性分布分析方法を行う装置であって、前記カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を所定の条件で繰り返す温度制御手段を含むことを特徴とする。
1.分析方法
本発明のポリオレフィンの結晶性分布分析方法は、昇温溶出分別法(TREF)を用いるものである。TREFによる分析方法は、一般的に、以下のような工程により行なわれる。
(1)溶媒を用いて試料であるポリオレフィンを加熱溶解し試料溶液を作製する(試料溶液作製工程)。
(2)(1)で作製したポリオレフィンを含む試料溶液をカラムに充填する(充填工程)。
(3)前記カラムの温度を下降させて、試料溶液をカラム内で結晶化させる(結晶化工程)。
(4)前記カラムの温度を上昇させて、ポリオレフィン試料を溶出させる(溶出工程)。
この後、溶出されたポリオレフィン成分を、赤外分光器等の検出器を用いて検出し、さらに、昇温時の温度とその温度で溶出したポリオレフィン量またはポリオレフィンの相対濃度をプロットすることにより、試料の組成分布や結晶性分布等と密接に相関する温度上昇分別曲線が得られる。また、試料ポリオレフィン種の組成や結晶性と試料が溶出する温度との相関を捉えれば、温度上昇分別曲線を組成分布や結晶性分布に変換することができる。
従来は、結晶化工程において試料溶液をカラム内で結晶化させる際に、連続して冷却して結晶化が行われていたため、結晶化工程においてカラムを加熱することはなかった。
これに対し、本発明においては、結晶化工程においてカラムを加熱する操作を含むことを特徴とするものである。すなわち、結晶化工程において、試料が充填されたカラムをある程度冷却した後、引き続き、カラムをある程度加熱するといった一連の操作を1回以上含むことを特徴とする。そして、前記一連の操作を複数回繰り返すことにより、平均的にはカラムが冷却されていき、結晶化工程の終了時にはカラム内の試料が十分結晶化される温度まで冷却されるものである。
本発明の分析の原理を好ましい一実施態様である概念図(図1)を用いて以下に説明する。
(1)試料溶液作製工程
試料となる結晶性ポリオレフィンを溶媒と混合し、加熱して均一な試料溶液にする(試料溶液作製工程)。
溶液濃度は、低くすぎると測定精度が低下し、高すぎると溶液の粘度が高くなり閉塞の原因となるので、0.1mg/ml〜10mg/mlが好ましい。加熱温度は、分析対象となるポリマーにより適宜選択して決められるが、例えばポリプロピレンの場合は140℃程度が好ましい。使用できる溶媒としては、具体的には、ハロゲン置換されていても良い芳香族炭化水素、例えばオルトジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、キシレン等;脂肪族直鎖または分岐炭化水素、例えばn−オクタン、n−デカン等を挙げることができ、これらいずれか1種類でも複数の混合物でも良く、またアルコール類等を含んでいても良い。好ましくは、オルトジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンから選択される。また、酸化防止剤、例えば、BHT(ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、Irganox1010(テトラキス−[メチレン−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ハイドロキシ−ハイドロシンナメート)ブタン])等を溶媒に添加することも出来る。
調製した試料溶液を試料注入口にて、装置系内に所定量を保持する。インジェクターの温度は、ポリマーが析出しない程度の高温に保っている必要があり、例えば、ポリプロピレンの場合は140℃程度が好ましい。注入量は、最低でもサンプルループの容量分を必要とする。また、サンプルループの容量は検出器の感度に依存する。例えば、検出器に赤外分光光度計を用い、ポリプロピレンを試料に用いた場合、サンプルループ容量は5μL以上であることが好ましい。
溶媒タンク11には溶媒(移動相)が蓄えられている。
移動相は、溶液調製に用いたものと同一のものでも良く、異なっていても良い。好ましくは、オルトジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンから選択される。
(2)充填工程(A)
装置系内に保持された試料溶液は、ポンプ12によって溶媒を送液することによって、カラム14に保持する(充填工程)。
本発明において、充填工程は、特に限定はなく、通常行われる方法で行うことができる。サンプルループからカラムまでの配管の容量分を送液し、更にカラムの容量半分程度送液してカラムの中央付近に試料溶液を送り込む必要がある。例えば配管容量が0.1ml、カラム容量が1mLである場合、充填時間は1ml/minにて溶媒を送液すると30秒程度を要する。
(3)結晶化工程(B)
続いて、カラム14に保持した試料は、恒温槽により一定の割合で加熱および冷却を反復しながら冷却され、結晶化工程終了時にはカラム内の試料が十分結晶化される温度まで冷却されることにより、試料溶液をカラム内で結晶化させる(結晶化工程)。
本発明において、前記結晶化工程は、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を少なくとも1回行うことを必要とする。尚、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作の過程で、カラムの冷却後に任意の時間でカラム温度を保持してもよく、また、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作の過程で、カラムの加熱後に任意の時間でカラム温度を保持してもよい。
図1は、カラム温度の経時変化の一例を概念的に示したものであるが、ここでは、結晶化工程においてカラムの冷却と加熱とからなる一連の操作が、所定の温度設定に従って、規則的に、5回程度繰り返されている。上記一連の操作において、加熱終了時の温度は、加熱直前に行われる冷却操作における冷却開始時の温度を超えないため、上記一連の操作が繰り返されることにより、結晶化工程終了時には、カラム内の試料溶液が一定以下に冷却される。
結晶化工程における好ましい温度範囲は、分析対象となるポリマーにより適宜選択して決められるが、結晶性ポリオレフィン全般としては、カラム内の試料溶液を80℃以上の高温から、結晶化工程終了時には40℃以下の低温に冷却するのが好ましい。例えば、ポリオレフィン試料が、ポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体の混合物であるブロックポリプロピレンとの混合物の場合は、140℃から−15℃まで冷却するのが好ましい。
本発明の結晶化工程における好ましい温度条件等を以下に示す。
まず、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作が2回以上行われるとき、それぞれの操作毎における冷却の開始温度と、前記冷却に引き続き行われる加熱の開始温度との差である反復温度差が、35℃以上155℃以下として行うことが好ましい。尚、好ましい反復温度差は、40℃以上100℃以下であり、より好ましい手法は45℃以上80℃以下である。尚、冷却および加熱を複数回反復する結晶化工程において、反復温度差が35℃より下回ると、分離性能が悪化するおそれがある。
また、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作が2回以上行われるとき、それぞれの操作毎における冷却の開始温度と、引き続き行われる加熱の終了温度との差である逐次冷却開始温度差が、3℃以上10℃以下で行うことが好ましいが、より好ましい手法は、4℃以上8℃以下であり、さらに好ましくは5℃以上7℃以下である。
逐次冷却開始温度差が3℃より下回ると分離性能が悪化し、また測定時間を著しく要し、効率を損なうおそれがある。また、カラムの冷却開始温度と、この冷却に引き続き行われる加熱を終える加熱終了温度との差が10℃より上回ると、分離性能が悪化するおそれがある。
また、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作において、カラムの冷却および加熱速度を7℃/min以上25℃/min以下にて実施することが好ましい。尚、好ましい冷却および加熱速度は、11℃/min以上20℃/min以下であり、より好ましい手法は12℃以上18℃以下である。カラムの冷却および加熱速度が7℃/minより下回ると、測定時間を著しく要し、効率を損なうおそれがある。また、カラムの冷却および加熱速度が25℃/minより上回ると、分離性能が悪化するおそれがある。
前記に示した反復温度差、逐次冷却開始温度差並びに冷却および加熱速度は反復制御中、必ずしも一定値で保持する必要は無く、例えば階段状であっても構わない。
また、冷却および加熱の一連の操作の繰り返し回数は、特に限定されないが、逐次冷却開始温度差と反復開始温度および反復終了温度により決まる。逐次冷却開始温度差は、3℃以上10℃以下で行うことが好ましい。また反復開始温度は80℃〜140℃で行うことが好ましいが、より好ましい手法は、100℃〜130℃であり、さらに好ましくは110℃〜125℃である。反復終了温度は−15℃〜40℃で行うことが好ましい。これらの条件で行う際の繰り返し回数は、4〜52回であることが好ましい。なお、反復開始温度とは、カラムの冷却および加熱からなる一連の操作の第1回目の操作における冷却開始温度のことであり、反復終了温度とは、結晶化工程終了時の温度のことである。また、図1の概念図に示すように、結晶化工程において、カラムは、反復終了温度より低い温度に冷却しないことが好ましい。
また、上記冷却と加熱とからなる一連の操作の操作毎の時間は、特に限定されないが、反復温度差と逐次冷却開始温度差並びに冷却及び加熱速度により決まる。反復温度差は、35℃以上155℃以下で行うことが好ましい。逐次冷却開始温度差は、3℃以上10℃以下で行うことが好ましい。また冷却及び加熱速度は7℃/min以上25℃/min以下にて行うことが好ましい。これらの条件で行う際の一連の操作の操作毎の時間は、5分〜44分であることが好ましい。
したがって、結晶化工程は、試料が溶融した試料溶液を一定以下に冷却するために、好ましくは6分間〜19時間4分、より好ましくは19分間〜7時間8分、さらに好ましくは32分間〜4時間22分行われる。
結晶化工程は、測定の対象とするポリオレフィンが試料溶液から結晶化した時点を終了とすることができる。
(4)溶出工程(C)
結晶化工程(B)が終了した後、カラムの温度を上昇させて、ポリオレフィン試料を溶出させる(溶出工程)。
本発明において、溶出工程は、特に限定はなく、通常行われる方法で行うことができる。例えば、ポンプにて溶媒を送液しつつ、カラムの温度を昇温させる。これによりカラム内で結晶化した試料を、カラムの温度の上昇とともに溶けやすい成分(結晶性の低い成分)から順に溶出させることができる。カラムの温度の昇温は、必ずしも一定速度で昇温する必要は無く、例えば階段状であっても構わないが、データ処理上は一定速度のほうが扱いやすく、好ましい。昇温速度は1〜30℃/min、好ましくは4〜20℃/minが好ましい。溶出開始温度は結晶化工程終了時の温度と同じか同程度、溶出終了温度は、試料によって異なるが、ポリエチレンの場合には110〜130℃程度、ポリプロピレンの場合には130〜150℃程度である。溶媒の流速は、0.1〜5ml/minが好ましい。
本発明は、上記の工程によるポリオレフィンの結晶性分布分析方法であることから、結晶化工程でカラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を行う事で、ポリオレフィンの結晶を精製し得ることにより、極めて精密に結晶性分布を得ることができる方法である。
2.装置
本発明における装置は、上述のポリオレフィンの結晶性分布分析方法を行う装置であって、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を所定の条件で繰り返す温度制御手段を含むことを特徴とする。
本発明の結晶性ポリオレフィンの結晶性分布分析手法を適用する、好ましい一実施態様の分析装置の概念図を図2に示す。図2において、結晶性分布分析装置は、移動相を貯留する溶媒タンク11、溶媒を連続的にカラムへ送入するためのポンプ12、試料を導入する試料注入口13、結晶性ポリオレフィンを分離するカラム14、カラムの温度を制御する恒温槽並びに温度制御装置15、結晶性ポリオレフィンを検出する検出器16から成る。尚、前記以外の機器や設備が付随していても良い。また、通常は試料を溶液とするための設備が別途必要である。各構成手段を以下に説明する。
移動相を貯留する溶媒タンクとしては、形状及び大きさに限定は無いが、使用する溶媒による腐食が無い材質のものが用いられる。例えば、ガラス製やステンレススチール製が好ましい。
溶媒を連続的にカラムへ送入するためのポンプは、形には特に制限はなく、回転式、往復式等の容量ポンプ、遠心式、軸流式、斜流式などのターボ型ポンプ等を用いることができ、特に、流量精度の高い液体クロマトグラフィー用ポンプなどが好適に用いられる。
試料溶液をカラムへ注入するための手段は、インジェクターであり、インジェクターとしては、耐熱性を持った4方バルブ、6方バルブ等を用いたものが良く、サンプルループは1ml以上の容量を持っているものが好ましい。また、オートサンプラーを組み合わせたものでも良い。
結晶性ポリオレフィンを分離するカラムは、耐熱性に問題が無ければ、特に形状および大きさに制限はない。実効容積が0.01ml〜1mlとなるようにガラスビーズやクロモソルブ(珪藻土)などの担体を充填した小型のカラムが好ましい。また、恒温槽からの熱の伝わりを高めるために、カラムの表面積を大きくした方が良く、カラム体積1cmあたりカラム表面積が10cm以上であることが好ましい。より好ましくはカラム体積1cmあたりカラム表面積が20cm以上であり、さらに好ましくはカラム体積1cmあたりカラム表面積30cm以上である。形状は細長い管をU字やS字やスパイラル状が好ましい。
カラムの温度を制御する恒温槽は、形状と大きさに限定は無いが、毎分1℃〜30℃程度の割合で変化させるには、出来るだけ小さなものとすることが好ましく、容積にして2300cm以下であることが好ましい。より好ましい容積は2100cm以下であり、さらに好ましくは1350cm以下である。ガスクロマトグラフィー装置の空気恒温槽のようなものを使用することも出来るが、迅速な冷却と制御精度に劣るため、あまり実用的とは言えない。恒温槽としては好ましくは、本体となるアルミブロックに加熱手段としてヒーター、及び冷却手段としてペルチェ冷却素子を装着したものが好ましい。また、液体窒素などの冷媒を冷却手段として用いることも出来る。
また、恒温槽の冷却効率を上げる目的で、恒温槽に装着された冷却手段に、更に冷却手段を付帯させることが好ましい。例えば、恒温槽の冷却手段としてペルチェ素子を用いた場合、ペルチェ素子を冷却するために、その放熱側に冷却媒体により冷却する手段を備えることができる。冷却手段に用いられる冷却媒体としては、水、塩水、アルコール類及びそれらの混合物が好ましい。好ましくはエチレングリコールと水の混合物が用いられる。また、ペルチェ素子の放熱側を別のペルチェ素子で冷却する方法もあり、冷却媒体との組み合わせによる多層構造でも良い。
温度制御手段を実現する装置である温度制御装置としては、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を上述したような所定の条件で繰り返すことができるものであることが好ましく、例えば、プログラム温度調節器などが用いられる。
カラムを通過した溶液の濃度変化を連続的に検出するための手段としては、分析対象となるポリマーにより適宜選択して決められるが、例えば、赤外分光光度計、ラマン分光光度計、示差屈折計、差圧粘度計、光散乱検出器、蒸発光散乱検出器などが用いられる。また、複数の検出器を組み合わせて用いることも出来る。
本発明のポリオレフィンの結晶性分布分析方法およびその装置において、試料であるポリオレフィンとしては結晶性ポリオレフィンであれば特に限定されないが、試料としては二種以上のポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物であることが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリプロピレンとエチレン−プロピレン共重合体の混合物であるブロックポリプロピレン並びにこれらの混合物などが挙げられる。
また、好ましくは、前記ポリオレフィン組成物は、同種のポリオレフィンを二種以上含むポリオレフィン組成物である。ここで、同種とは、構造や融点が比較的近いPPのことであり、結晶性だけが異なるポリオレフィンをいう。例えば、HPPとRCPとの混合物や、種類の異なるRCPの混合物や、異なる結晶性分布を2つ以上有するRCP等が挙げられる。本発明の分析方法およびその装置によれば、上記のような試料であっても、複数の結晶成分を有する溶出曲線を極めて精密に且つ極めて短時間に得ることが出来る。
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[測定方法]
(1)分析装置
装置概略図は図2に示したとおりである。
溶媒タンク:DURAN製ガラスボトル 5L
ポンプ:センシュー科学社製 SSC−3461
インジェクター:バルコ社製 6ポート(サンプルループ:10μl)
カラム:内径1mmφ、長さ1.5m ステンレスカラム、ガラスビーズ(80/100mesh)充填
恒温槽:50mm×100mm×100mmアルミブロック、上下面に面ヒーターとペルチェ素子(水冷)を積層
温度制御装置:チノー社製 KP1000
検出器:Polymer Char社製 IR−4
(2)分析条件
溶液濃度:5mg/ml
溶媒:オルトジクロロベンゼン(BHT0.25mg/ml添加)
注入量:2ml
流速:0.5ml/min
(3)試料
(i)日本ポリプロピレン株式会社製ホモポリプロピレン:MA25(MFR=14)
(ii)日本ポリプロピレン株式会社製ランダムポリプロピレン:FX3A(MFR=9)
(iii)上記MA25:FX3Aの1:1混合物
(4)分析結果(評価)
分離性能の評価方法は以下による。
◎:MA25とFX3Aを混合したサンプルを測定して得られた溶出曲線において、MA25並びにFX3Aに対応する2つのピークが明確に認められ、更にMA25並びにFX3A各々単体を分析して得られた溶出曲線を計算上足し合わせた曲線とほぼ一致している。
○:MA25とFX3Aを混合したサンプルを測定して得られた溶出曲線において、MA25並びにFX3Aに対応する2つのピークが明確に認められる。
△:MA25とFX3Aを混合したサンプルを測定して得られた溶出曲線において、MA25に対応するピークが明確に認められ、FX3Aに対応するピークが明確には認められないもののショルダーとして存在が確認できる。
×:MA25とFX3Aを混合したサンプルを分析して得られた溶出曲線において、MA25に対応するピークだけが明確に認められ、FX3Aに対応するピークやショルダーが明確には認められない。
(5)分析時間(評価)
上記(iii)の試料において、試料をカラムに注入する前の安定化開始時点から溶出工程を終えて安定化させ終えた時点までを、分析時間とした。注入前の安定化時間は0分〜5分程度、溶出工程後の安定化時間は、5秒〜1分程度である。
[実施例および比較例]
(実施例1)
上記装置、条件、試料により、TREFを用いた結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。温度制御概略図は図1に、また温度制御図は図3に示した。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:50℃
逐次冷却開始温度差:5℃
反復冷却速度:16℃/min
反復加熱速度:16℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
ここで、「反復開始温度」とは、図1に示すように、結晶化工程において、カラムの冷却および加熱からなる一連の操作の第1回目の操作における、冷却開始温度のことである。
また、「反復終了温度」とは、結晶化工程終了時の温度である。
上記条件にて測定した結果として、試料(i)、試料(ii)並びに試料(iii)の溶出曲線を図4に、分離性能を表1に示す。
(実施例2)
温度制御条件以外は実施例1と同様にして結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:48℃
逐次冷却開始温度差:6℃
反復冷却速度:17℃/min
反復加熱速度:17℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
測定結果として、分離性能を表1に示す。
(実施例3)
温度制御条件以外は実施例1と同様にして結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:50℃
逐次冷却開始温度差:7℃
反復冷却速度:14℃/min
反復加熱速度:14℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
測定結果として、分離性能を表1に示す。
(実施例4)
温度制御条件以外は実施例1と同様にして結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:50℃
逐次冷却開始温度差:7℃
反復過程保持時間:5秒
反復冷却速度:14℃/min
反復加熱速度:14℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
ここで、「反復過程保持時間」とは、結晶化工程において、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作の過程で、カラムの冷却後に任意の時間でカラム温度を保持している時間並びに、結晶化工程において、カラムの加熱後に任意の時間でカラム温度を保持している時間である。
測定結果として、分離性能を表1に示す。
(実施例5)
温度制御条件以外は実施例1と同様にして結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:95℃
逐次冷却開始温度差:5℃
反復冷却速度:12℃/min
反復加熱速度:12℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
測定結果として、分離性能を表1に示す。
(実施例6)
温度制御条件以外は実施例1と同様にして結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:46℃
逐次冷却開始温度差:5℃
反復冷却速度:4℃/min
反復加熱速度:16℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
測定結果として、分離性能を表1に示す。
(実施例7)
温度制御条件以外は実施例1と同様にして結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:42℃
逐次冷却開始温度差:3℃
反復冷却速度:7℃/min
反復加熱速度:7℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
測定結果として、分離性能を表1に示す。
(実施例8)
温度制御条件以外は実施例1と同様にして結晶性分布分析を行った。
温度制御条件は以下のとおりである。
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:34℃
逐次冷却開始温度差:2℃
反復冷却速度:10℃/min
反復加熱速度:10℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
(実施例9)
[測定方法]
(1)分析装置
溶媒タンク:DURAN製ガラスボトル 5L
ポンプ:センシュー科学社製 SSC−3461
インジェクター:バルコ社製 6ポート(サンプルループ:0.5ml)
カラム:内径5mmφ、長さ150mm ステンレスカラム、ガラスビーズ(80/100mesh)充填
恒温槽:250mm×150mm×70mmアルミブロック、上下面に面ヒーターとペルチェ素子(水冷)を積層
温度制御装置:チノー社製 KP1000
検出器:MIRAN社製 1A
(2)分析条件
溶液濃度:5mg/ml
溶媒:オルトジクロロベンゼン(BHT0.25mg/ml添加)
注入量:2ml
流速:0.5ml/min
試料注入温度:140℃
反復開始温度:125℃
反復終了温度:30℃
反復温度差:42℃
逐次冷却開始温度差:3℃
反復冷却速度:7℃/min
反復加熱速度:7℃/min
溶出昇温速度:9.2℃/min
(3)試料
実施例1と同一のものを用いた。
(4)測定結果
測定結果として、分離性能を表1に示す。
(比較例1)
結晶化工程において、加熱操作を行わず、連続して冷却を行う、従来のTREFによる分析を行った。
(1)分析装置
溶媒タンク:DURAN製ガラスボトル 5L
ポンプ:センシュー科学社製 SSC−3461
インジェクター:バルコ社製 6ポート(サンプルループ:0.5ml)
カラム:内径5mmφ、長さ150mm ステンレスカラム、ガラスビーズ(80/100mesh)充填
恒温槽:250mm×150mm×70mmアルミブロック、上下面に面ヒーターとペルチェ素子(水冷)を積層
温度制御装置:チノー社製 KP1000
検出器:MIRAN社製 1A
(2)分析条件
溶液濃度:5mg/ml
溶媒:オルトジクロロベンゼン(BHT0.25mg/ml添加)
注入量:2ml
流速:0.5ml/min
試料注入温度:140℃
温度範囲:140℃〜40℃
冷却速度:4℃/min
溶出昇温速度:2℃/min
(3)試料
実施例1と同一のものを用いた。
(4)測定結果
上記条件にて測定した結果として、試料(i)、試料(ii)並びに試料(iii)の溶出曲線を図5に、分離性能を表2に示す。
(比較例2)
結晶化工程において、加熱操作を行わず、連続して冷却を行う、従来のTREFによる分析を行った。
(1)分析装置
溶媒タンク:DURAN製ガラスボトル 5L
ポンプ:センシュー科学社製 SSC−3461
インジェクター:バルコ社製 6ポート(サンプルループ:0.5ml)
カラム:内径5mmφ、長さ150mm ステンレスカラム、ガラスビーズ(80/100mesh)充填
恒温槽:250mm×150mm×70mmアルミブロック、上下面に面ヒーターとペルチェ素子(水冷)を積層
温度制御装置:チノー社製 KP1000
検出器:MIRAN社製 1A
(2)分析条件
溶液濃度:5mg/ml
溶媒:オルトジクロロベンゼン(BHT0.25mg/ml添加)
注入量:2ml
流速:0.5ml/min
試料注入温度:140℃
温度範囲:140℃〜40℃
冷却速度:1℃/時
溶出昇温速度:2℃/min
(3)試料
実施例1と同一のものを用いた。
(4)測定結果
測定結果として、分離性能を表2に示す。
Figure 0005645762
Figure 0005645762
[評価]
図4〜5及び表1、表2から明らかなように、本発明の製造方法の特定事項である「結晶化工程は、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を含む」との要件を満たさない方法による比較例1及び2は、2つの結晶成分の存在を示す結果が得られなかったのに対して、本発明による実施例1〜7の、結晶化工程において、「カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作」の反復を実施し得られた溶出曲線には従来の温度制御法では得られなかった2つの結晶成分の存在を示す結果が得られ、本発明の有用性が確認出来た。
本発明によれば、特定の温度制御手法により、従来の装置で実現可能な上、昇温溶出分別法を用いて極めて精密に且つ極めて短時間に結晶性分布を得ることができる、ポリオレフィン試料の結晶性分布分析である。更に、従来では成し得なかった結晶成分の分離を行うことが出来、産業上非常に有用である。

Claims (8)

  1. ポリオレフィンを含む試料溶液をカラムに充填する充填工程(A)と、前記試料溶液をカラム内で結晶化させる結晶化工程(B)と、前記カラムの温度を上昇させて結晶化されたポリオレフィンを溶出させる溶出工程(C)とを含み、かつ、前記結晶化工程(B)は、カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を少なくとも2回以上行い、それぞれの操作毎における冷却の開始温度と、引き続き行われる加熱の終了温度との差である逐次冷却開始温度差が、3℃以上10℃以下であることを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析方法。
  2. 前記試料溶液は、二種以上のポリオレフィンを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィンの結晶性分布分析方法。
  3. 前記カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作が2回以上行われるとき、それぞれの操作毎における冷却の開始温度と、引き続き行われる加熱の開始温度との差である反復温度差が、35℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィンの結晶性分布分析方法。
  4. 前記カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作において、カラムの冷却速度および加熱速度が、7℃/min以上25℃/min以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリオレフィンの結晶性分布分析方法。
  5. 前記結晶化工程(B)の終了時において、前記試料溶液は40℃以下となっていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリオレフィンの結晶性分布分析方法。
  6. 請求項1〜に記載のポリオレフィンの結晶性分布分析方法を行う装置であって、前記カラムの冷却と加熱とからなる一連の操作を所定の条件で繰り返す温度制御手段を含むことを特徴とするポリオレフィンの結晶性分布分析装置。
  7. 2300cm以下の恒温槽を備えることを特徴とする請求項に記載のポリオレフィンの結晶性分布分析装置。
  8. 前記カラムの表面積が、カラム体積1cmあたり10cm以上であることを特徴とする請求項またはに記載のポリオレフィンの結晶性分布分析装置。
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