次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の回路の概略構成図である。この液晶表示装置は、バックライトから照射された光を透過させる透過部である透過サブピクセル254と外光を反射させて鏡状態になる鏡部である鏡サブピクセル255との2種類のサブピクセルを有している。この液晶表示装置では、複数の透過サブピクセル254および複数の鏡サブピクセル255によって1つの画素が構成されている。
本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に詳述するように、各透過サブピクセル254および各鏡サブピクセル255を独立に制御することができるという特徴を有している。これにより、この液晶表示装置は、1つの画面に表示モードと鏡モードとを混在させる画面モードを実現することができる。
本実施形態では、各透過サブピクセル254および各鏡サブピクセル255をアクティブマトリクス方式にて独立に制御する。アクティブマトリクス方式とは、各サブピクセルに設けられた薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を用いて各サブピクセルの駆動制御を行う方式である。
透過サブピクセル254および鏡サブピクセル255はそれぞれ横方向に一列に並んだ行を複数形成するように配置され、透過サブピクセル254の行と鏡サブピクセル255の行とが交互に配置されている。したがって、この液晶表示装置のサブピクセルを、横方向の行としてではなく縦方向の列として見ると、透過サブピクセル254と鏡サブピクセル255とが交互に並んでいる。
各透過サブピクセル254には透過サブピクセル電極211が設けられ、各鏡サブピクセル255には鏡サブピクセル電極212が設けられている。
この液晶表示装置には各サブピクセルの列に沿って縦方向に延びた信号線であるドレイン線252が設けられている。ここで、n列目のサブピクセルに対応するドレイン線252をDnとする。すなわち、図1中の左から1列目、2列目、3列目および4列目のサブピクセルに対応するドレイン線252は、それぞれD1、D2、D3およびD4である。
また、この液晶表示装置には各サブピクセルの行に沿って横方向に延びた走査線であるゲート線253が設けられている。ここで、n行目のサブピクセルに対応するゲート線253をGnとする。すなわち、図1中の上から1行目、2行目、3行目および4行目のサブピクセルに対応するゲート線253は、それぞれG1、G2、G3およびG4である。
各透過サブピクセル254および鏡サブピクセル255には、ドレイン線252とゲート線253との交点近傍に個別にTFT251が設けられ、TFT251はそれぞれ各サブピクセルに設けられたサブピクセル電極211,212に接続されている。また、TFT251は各サブピクセル254,255に対応するドレイン線252およびゲート線253に接続されている。各TFT251は、接続されているゲート線253に付与される信号により制御される。
これにより、各サブピクセル254,255は、対応するドレイン線252およびゲート線253を介してアクティブマトリクス方式にて制御されることが可能になっている。すなわち、たとえば図1中に最も左上に示した透過サブピクセル254はドレイン線D1およびゲート線G1を介して制御され、その一つ下に示した鏡サブピクセル255はドレイン線D1およびゲート線G2を介して制御される。
図2は、図1に示した液晶表示装置のA−A’線に沿った断面図である。すなわち、図2はこの液晶表示装置の図1の1列目のサブピクセルを示している。なお、図2にはゲート線253を省略して示している。この液晶表示装置は、画像を表示する液晶パネル200と、液晶パネル200に図中の下側から光を照射する光源であるバックライト213と、を有している。ここで、液晶パネル200の上面を表面とし、液晶パネル200の下面を裏面とする。この液晶表示装置では、ユーザは液晶パネル200の表面側から液晶パネル200を画面として観察することができる。
液晶パネル200は、互いに対向して配置された上基板203および下基板207を有している。上基板203の上面にはλ/4板202が設けられ、さらにλ/4板202の上面には偏光板201が設けられている。同様に、下基板207の下面にはλ/4板208が設けられ、さらにλ/4板208の下面には偏光板209が設けられている。
上基板203の下面には、保護膜204に覆われた着色層210が設けられ、さらに保護膜204の下面には共通電極205が設けられている。また、下基板207の上面には、透過サブピクセル電極211と鏡サブピクセル電極212とが交互に配置されている。鏡サブピクセル電極212は、高反射率の材料によって上面が平坦になるように形成されており、電極としての機能のみならず上方から入射した外光を反射させる反射部材としての機能も有する。
また、上基板203と下基板207との間には、それぞれの基板面に対し垂直方向に配向した液晶が充填された液晶層206が設けられている。各サブピクセル電極211,212と共通電極205との間には、個別に電圧を印加することができ、これにより液晶層206には各サブピクセル254,255ごとに異なる電圧を印加することが可能である。
この液晶表示装置の表示方式は、VA方式であり、液晶層206は、サブピクセル電極211,212と共通電極205との間に電圧が印加されていない電圧無印加状態では、液晶分子が基板203,207に垂直な方向に配向しており、厚さ方向に透過する光に位相差を与えない。一方、液晶層206は、共通電極205とサブピクセル電極211,212との間に所定の電圧が印加されている電圧印加状態では、液晶分子の配向方向は基板203,207に垂直な方向から傾いており、厚さ方向に透過する光に所定の位相差を与える。
着色層210は、透過サブピクセル電極211に対向する位置に配置されている。そのため透過サブピクセル電極211を透過し、着色層210を透過する光は、着色層210に応じた色に着色される。透過サブピクセル254には、赤色を表示するものと、緑色を表示するものと、青色を表示するものとがあり、各透過サブピクセル254の着色層210には表示する色に対応したものが用いられている。
図1において、赤色を表示する透過サブピクセル254には「R」と表示し、緑色を表示する透過サブピクセル254には「G」と表示し、青色を表示する透過サブピクセル254には「B」と表示している。図1に示すように、透過サブピクセル254の表示する色は、1列目が赤色、2列目が緑色、3列目が青色であり、4列目以降も赤色、緑色、青色の順に並べられている。なお、図1中において、鏡サブピクセル255にはすべて「M」と表示している。
この液晶表示装置では、図1中に破線で囲んで示している6つのサブピクセルによって1つの画素が構成されている。すなわち、1つの画素の中には、各1つの赤色、青色および緑色を表示する透過サブピクセル254と、3つの鏡サブピクセル255と、が含まれている。
図3(a)はこの液晶表示装置の表示モードにおける光の軌道を示した図である。偏光板201と偏光板209とは、その偏光透過軸が互いに直交するように配置されている。すなわち、偏光板201は、図中に丸で囲んだ矢印で示した紙面に平行な方向の偏光透過軸を有し、偏光板209は、図中に丸で囲んだ×印で示した紙面に垂直な方向の偏光透過軸を有している。
表示モードの透過サブピクセル254において液晶層206に印加する電圧の絶対値は、透過サブピクセル254が電圧無印加状態になる電圧値以上、すなわち0V以上、光が最大出射される状態になる電圧値以下にする。また、表示モードの鏡サブピクセル254では、液晶層206に電圧を印加せずに、電圧無印加状態にする。
図3(a)では、一例として、透過サブピクセル254が電圧印加状態であるところを示している。この液晶表示装置の表示モードでの電圧印加状態における共通電極205と透過サブピクセル電極211との間の印加電圧は、液晶層206を透過する光に付与される位相差がλ/2になるように設定している。
この液晶表示装置の表示モードにおいて、電圧印加状態の透過サブピクセル254にバックライト213から照射された光の軌道を矢印222に示し、電圧無印加状態の鏡サブピクセル255に入射した外光の軌道を矢印223に示す。このように、電圧印加状態の透過サブピクセル254にバックライト213から照射された光は偏光板201を透過し、電圧無印加状態の鏡サブピクセル255に入射して鏡サブピクセル電極212に反射された外光は偏光板201を透過しない。
したがって、この液晶表示装置の表示モードでは、透過サブピクセル254が、透過サブピクセル254に入射した照射光を液晶パネル200の表面から出射させることができる画像表示状態になり、鏡サブピクセル254が、鏡サブピクセル電極212に反射された外光を液晶パネル200の表面から出射させない非鏡状態になる。
以上のように、この液晶表示装置の表示モードでは、透過サブピクセル254を画像表示状態にし、鏡サブピクセル255を非鏡状態にすることにより、液晶パネル200の表面からは透過サブピクセル254の透過光のみが出射され、鏡サブピクセル255の反射光は出射されない。そのため、この液晶表示装置は、明るい環境で使用される場合にも、表示モードにおいて、鏡サブピクセル255の反射光による画像のコントラストの低下が発生しないため画像の高い視認性を確保することができる。
図3(b)はこの液晶表示装置の鏡モードにおける光の軌道を示した図である。この液晶表示装置の鏡モードの透過サブピクセル254では、液晶層206に電圧を印加せずに電圧無印加状態にする。また、鏡モードの鏡サブピクセル255では、液晶層206に所定の電圧を印加して電圧印加状態にする。
この液晶表示装置の鏡モードでの電圧印加状態における共通電極205と鏡サブピクセル電極212との間の印加電圧は、液晶層206を透過する光に付与される位相差がλ/4になるように設定している。
この液晶表示装置の鏡モードにおいて、電圧無印加状態の透過サブピクセル254にバックライト213から照射された光の軌道を矢印221に示し、電圧印加状態の鏡サブピクセル255に入射した外光の軌道を矢印224に示す。このように、電圧無印加状態の透過サブピクセル254にバックライト213から照射された光は偏光板201を透過せず、電圧無印加状態の鏡サブピクセル255に入射して鏡サブピクセル電極212に反射された外光は偏光板201を透過する。
したがって、この液晶表示装置の鏡モードでは、透過サブピクセル254が、透過サブピクセル254に入射した照射光を液晶パネル200の表面から出射させない黒表示状態になり、鏡サブピクセル254が、鏡サブピクセル電極212に反射された外光を液晶パネル200の表面から出射させる鏡状態になる。
以上述べたとおり、この液晶表示装置は表示モードと鏡モードとに切換可能であり、かつ表示モードにおいて良好な画質を確保できる。
なお、この液晶表示装置では、鏡モードにおいて透過サブピクセル254に入射したバックライト213の照射光が液晶パネル200の表面から出射されないため、表示モードから鏡モードに切り換える際にバックライト213をオンからオフに切り換える必要がない。
特許文献1のように、表示モードから鏡モードに切り換える際にバックライトをオンからオフに切り換える液晶表示装置では、表示モードではバックライトがオンであり、鏡モードではバックライトがオフである。そのため、このような液晶表示装置では、画面全体を表示モードにする画面モードや画面全体を鏡モードにする画面モードは可能であるものの、1つの画面に表示モードと鏡モードとを混在させる画面モードを実現することは困難である。
一方、本実施形態に係る液晶表示装置では、表示モードでも鏡モードでもバックライト213をオンにしておくことが可能であるため、画面全体を表示モードにする画面モードや画面全体を鏡モードにする画面モード以外にも、画面内の第1の領域を表示モードとし、同一の画面内の第1の領域とは異なる第2の領域を鏡モードとすることにより、1つの画面に表示モードと鏡モードとを混在させる画面モードを実現することができる。表示モードと鏡モードとを混在させる画面モードの実現により、画面レイアウトの自由度が向上するため、実用性および装飾性が向上する。
図4(a)〜図4(e)は、この液晶表示装置の画面モードを例示した図である。図4(a)〜図4(e)では、(1)透過サブピクセル254の状態、(2)鏡サブピクセル255の状態、および(3)実際にユーザに観察される画面を示している。
(1)では、黒文字の「A」を示した白地の領域は透過サブピクセル254が画像表示状態であることを示しており、黒地で示した領域は透過サブピクセル254が黒表示状態であることを示している。
(2)では、斜線で示した領域は鏡サブピクセル255が鏡状態であることを示しており、黒地で示した領域は鏡サブピクセル255が非鏡状態であることを示している。
(3)では、画面内の黒文字の「A」を示した白地の領域は表示モードであることを示しており、斜線で示した領域は鏡モードであることを示している。
図4(a)は、画面全体を表示モードにする画面モードを示している。この画面モードでは、全ての透過サブピクセル254を画像表示状態にし、全ての鏡サブピクセル255を非鏡状態にする。
図4(b)は、画面全体を鏡モードにする画面モードを示している。この画面モードでは、全ての透過サブピクセル254を黒表示状態にし、全ての鏡サブピクセル255を鏡状態にする。
図4(c)は、画面の左半分を表示モードにし、画面の右半分を鏡モードにすることにより、表示モードと鏡モードとを混在させる画面モードを示している。この画面モードでは、画面の左半分の透過サブピクセル254を画像表示状態にし、画面の右半分の透過サブピクセル254を黒表示状態にする。さらに、画面の左半分の鏡サブピクセル255を非鏡状態にし、画面の右半分の鏡サブピクセル255を鏡状態にする。
図4(d)は、画面の上半分を表示モードにし、画面の下半分を鏡モードにすることにより、表示モードと鏡モードとを混在させる画面モードを示している。この画面モードでは、画面の上半分の透過サブピクセル254を画像表示状態にし、画面の下半分の透過サブピクセル254を黒表示状態にする。さらに、画面の上半分の鏡サブピクセル255を非鏡状態にし、画面の下半分の鏡サブピクセル255を鏡状態にする。
図4(e)は、画面の左下部分を表示モードにし、画面の左下部分以外の部分を鏡モードにすることにより、表示モードと鏡モードとを混在させる画面モードを示している。この画面モードでは、画面の左下部分の透過サブピクセル254を画像表示状態にし、画面の左下部分以外の部分の透過サブピクセル254を黒表示状態にする。さらに、画面の左下部分の鏡サブピクセル255を非鏡状態にし、画面の左下部分以外の部分の鏡サブピクセル255を鏡状態にする。
図5はこの液晶表示装置の画面制御機能を示したブロック図であり、図6はその画面制御機能にしたがった画面制御の一例を示した図である。図6には、画面制御の一例として、図4(e)に示した画面モードにおける画面制御について示している。
この液晶表示装置は、透過サブピクセル254、鏡サブピクセル255およびバックライト213を制御するための制御部401を有している。制御部401は、液晶表示装置とは独立の制御装置として設けてもよい。制御部401は、処理制御部411、透過信号入力部402、合成部403、鏡信号入力部404、合成部405、合成部406および画面制御部407を備えている。処理制御部411は、ユーザインターフェース412から入力された信号に基づいて各部を制御する。
ユーザインターフェース412から信号が入力された処理制御部411は、まず透過信号入力部402に透過サブピクセル254を画像表示状態にするための画像表示情報301および透過サブピクセル254を黒表示状態にするための黒表示情報304を含む透過信号を入力する。また、処理制御部411は、これと同時に鏡信号入力部404に鏡サブピクセル255を非鏡状態にするための非鏡情報302および鏡サブピクセル255を鏡状態にするための鏡情報305を含む鏡信号を入力する。
透過信号が入力された透過信号入力部402は画像表示情報301および黒表示情報304を合成部403に送る。合成部403は画像表示情報301と黒表示情報304とを、処理制御部411から入力される透過位置信号に基づいて合成し、透過サブピクセル情報313を形成する。合成部403は透過サブピクセル情報313を合成部406に送る。
鏡信号が入力された反射信号入力部404は非鏡情報302および鏡情報305を合成部405に送る。合成部405は非鏡情報302と鏡情報305とを、処理制御部411から入力される鏡位置信号に基づいて合成し、鏡サブピクセル情報314を形成する。合成部405は鏡サブピクセル情報314を合成部406に送る。
合成部406は、透過サブピクセル情報313と鏡サブピクセル情報314とをさらに合成し、透過サブピクセル情報313と鏡サブピクセル情報314とを縦につなぎあわせて画面制御情報316を形成する。そして、合成部406は画面制御情報316を画面制御部407に送り、画面制御部407は画面制御情報316にしたがって透過サブピクセル254および鏡サブピクセル255を駆動させる。
制御部401は、他の画面モードにおける画面制御も同様に行うことができる。制御部401は、たとえば、図7に示すような制御により図4(a)に示した画面全体を表示モードにし、図8に示すような制御により図4(b)に示した画面全体を鏡モードにする画面モードにする。
画面モード間の切り換えは、入力部であるユーザインターフェース412にモード切換信号を入力することにより行う。
次に、図9(a)および図9(b)を参照して、この液晶表示装置のサブピクセル254,255の駆動について説明する。この液晶表示装置では、ゲート線反転駆動を採用しているが、他にも、たとえばソース線反転駆動やドット反転駆動やフレーム反転駆動などを採用することも可能である。
ここで、図1に示したゲート線253のうち、Gnに電圧を印加してGnに接続されたサブピクセルを選択する期間をGn期間とする。すなわち、G1、G2、G3、G4に電圧を印加する期間は、それぞれG1期間、G2期間、G3期間、G4期間である。図9(a)および図9(b)ではG1期間について示しているが、G1期間以外のGn期間についても同様である。
まず、図9(a)を参照して、この液晶表示装置の表示モードについて説明する。図9(a)には表示モードにおけるG1期間でのゲート線253、ドレイン線252および共通電極205に印加する電圧VG、VDおよびVCOMの波形を示している。
VGの値は、各ゲート線253(Gn)に接続されたサブピクセルを選択するGn期間のみVGHとし、それ以外の期間ではVGLとする。すなわち、G1におけるVGの値は、G1期間のみVGHであり、他の期間ではVGLである。VDの値は、VDL以上VDH以下の範囲内で決定することができる。
VCOMは、表示モードと鏡モードとで共通の波形である。VCOMの値は、VCHまたはVCLであり、期間ごとに反転され、さらに、フレームごとにも反転される。すなわち、図9(a)に示したフレームにおけるVCOMの値はG1期間ではVCLでG2期間ではVCHであり、次のフレームにおけるVCOMの値はG1期間ではVCHでG2期間ではVCLである。
本実施形態では、VDH=VCHかつVDL=VCLとしている。さらに具体的にはVDH=6V、VDL=1V、VCH=6V、VCL=1Vとしている。
図9(a)に示したフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVCL以上であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以上となる。なお、透過サブピクセル254はVDの値がVDHのとき、電圧印加状態になる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254には、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に正の電圧を印加することができるため画像表示状態である。
また、図9(a)に示したフレームにおけるGn期間では、G1以外のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254でも同様に、VDの値がVCL以上であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以上となる。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも画像表示状態である。
図9(a)に示したフレームの次のフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVCH以下であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以下となる。なお、透過サブピクセル254はVDの値がVDLのとき、電圧印加状態になる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254には、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に負の電圧を印加することができる画像表示状態である。
また、図9(a)に示したフレームの次のフレームにおけるGn期間では、G1以外のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254でも同様に、Gn期間におけるVDの値がVCH以下であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以下となる。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも画像表示状態である。
このように、この液晶表示装置はゲート線反転駆動であるが、表示モードにおける透過サブピクセル254のみに着目すると、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に印加される電圧の極性がフレームごとに反転されているものの、ゲート線253ごとには反転されておらず、フレーム反転駆動と同様の駆動となる。
また、この液晶表示装置の表示モードにおけるGn期間では、Gnに接続されたいずれの鏡サブピクセル255でもVDの値をVCOMの値と等しくする。これにより、いずれの鏡サブピクセル255でも鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなり、鏡サブピクセル255は電圧無印加状態となるため非鏡状態である。
この液晶表示装置は、サブピクセル254,255を以上のように駆動することにより、透過サブピクセル254を画像表示状態にするとともに鏡サブピクセル255を非鏡状態にすることができる。これにより、この液晶表示装置では表示モードを実現できる。
次に、図9(b)を参照して、この液晶表示装置の鏡モードについて説明する。図9(b)には鏡モードにおけるG1期間でのゲート線253、ドレイン線252および共通電極205に印加する電圧VG、VDおよびVCOMの波形を示している。
VGの値は、各ゲート線253(Gn)に接続されたサブピクセルを選択するGn期間のみVGHとし、それ以外の期間ではVGLとする。すなわち、G1におけるVGの値は、G1期間のみVGHであり、他の期間ではVGLである。
VDの値は、VDHまたはVDLであり、フレームごとに反転される。すなわち図9(b)に示したフレームにおけるVDの値はVDLであり、次のフレームにおけるVDの値はVDHである。なお、本実施形態では、電圧印加状態の鏡サブピクセル255において液晶層206を透過する光に付与される位相差をλ/4にする必要があるため、鏡サブピクセル255に接続されたゲート線253を選択する期間(G2期間,G4期間・・・)のVDの値はVDHより低いVD1またはVDLより高いVD2に設定している。本実施形態では、VD1=4V、VD2=3Vとしている。
図9(b)に示したフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVDLであるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなる。したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
また、図9(b)に示したフレームにおけるGn期間では、G1以外のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254でも同様に、Gn期間におけるVDの値がVDLであるため、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vである。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
図9(b)に示したフレームの次のフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVDHであるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなる。したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
また、図9(b)に示したフレームの次のフレームにおけるGn期間では、G1以外のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254でも同様に、Gn期間におけるVDの値がVDHであるため、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vである。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
図9(b)に示したフレームにおけるG2期間では、G2に接続された鏡サブピクセル255の鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの鏡サブピクセル255においてもVDの値はVD2であるので、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD2−VCH)である。このとき、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
また、図9(b)に示したフレームにおけるGn期間では、G2以外のゲート線253(Gn)に接続された鏡サブピクセル255でも同様に、Gn期間におけるVDの値がVD2であり、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
図9(b)に示したフレームの次のフレームにおけるG2期間では、G2に接続された鏡サブピクセル255の鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの鏡サブピクセル255においてもVDの値はVD1であるので、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD1−VCL)である。このとき、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
また、図9(b)に示したフレームの次のフレームにおけるG2期間では、G2以外のゲート線253(Gn)に接続された鏡サブピクセル255でも同様に、Gn期間におけるVDの値がVD1であり、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
このように、この液晶表示装置はゲート線反転駆動であるが、鏡モードにおける鏡サブピクセル255のみに着目すると、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の極性がフレームごとに反転されているものの、ゲート線253ごとには反転されておらず、フレーム反転駆動と同様の駆動となる。
この液晶表示装置は、サブピクセル254,255を以上のように駆動することにより、透過サブピクセル254を黒表示状態にするとともに鏡サブピクセル255を鏡状態にすることができる。これにより、この液晶表示装置では鏡モードを実現できる。
図10は、本実施形態に係る液晶表示装置を適用可能な電子機器の斜視図である。図10には、電子機器501の一例として携帯電話を示しているが、本実施形態に係る液晶表示装置は、携帯電話以外にも、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)や、ゲーム機や、デジタルカメラや、デジタルビデオカメラ等の各種の携帯端末装置に適用可能である。さらに、本実施形態に係る液晶表示装置は、携帯端末装置以外にも、ノート型パーソナルコンピュータや、キャッシュディスペンサや、自動販売機等の各種の端末装置に適用可能である。
電子機器501は、本実施形態に係る液晶表示装置502と、ユーザによって操作されるユーザインターフェースである操作部503と、を備えている。
ユーザは、操作部503を操作することによって液晶表示装置502を表示モードと鏡モードとに切り換えることができる。ユーザは、表示モードでは液晶表示装置502に表示される画像を見ながら操作部503を操作することができ、鏡モードでは液晶表示装置502を鏡として使用することができる。
(第2の実施形態)
次に、図11(a)および図11(b)を参照して、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、駆動時に印加する電圧の波形以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。したがって、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成の説明に用いた図を参照しながら説明する。
まず、図11(a)を参照して、この液晶表示装置の表示モードについて説明する。図11(a)には表示モードにおけるG1期間でのゲート線253、ドレイン線252および共通電極205に印加する電圧VG、VDおよびVCOMの波形を示している。
VGの値は、各ゲート線253(Gn)に接続されたサブピクセルを選択するGn期間のみVGHとし、それ以外の期間ではVGLとする。すなわち、G1におけるVGの値は、G1期間のみVGHであり、他の期間ではVGLである。VDの値は、VDL以上VDH以下の範囲内で決定することができる。
VCOMは、表示モードと鏡モードとで共通の波形である。VCOMの値は、VCHまたはVCLであり、2期間ごとに反転され、さらに、フレームごとにも反転される。すなわち、図11(a)に示したフレームにおけるVCOMの値はG1期間およびG2期間ではVCLでG3期間およびG4期間ではVCHであり、次のフレームにおけるVCOMの値はG1期間およびG2期間ではVCHでG3期間およびG4期間ではVCLである。
本実施形態では、VDH=VCHかつVDL=VCLとしている。さらに具体的にはVDH=6V、VDL=1V、VCH=6V、VCL=1Vとしている。
図11(a)に示したフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVCL以上であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以上となる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254には、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に正の電圧を印加することができる画像表示状態である。
また、図11(a)に示したフレームにおけるG3期間では、G3に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVCH以下であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以下となる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254には、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に負の電圧を印加することができる画像表示状態である。
また、図11(a)に示したフレームにおけるGn期間において、ゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧は、G1およびG3以降も交互に0V以上と0V以下とになる。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも画像表示状態である。
図11(a)に示したフレームの次のフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVCH以下であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以下となる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254には、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に負の電圧を印加することができる画像表示状態である。
また、図11(a)に示したフレームの次のフレームにおけるG3期間では、G3に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVCL以上であるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0V以上となる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254には、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に正の電圧を印加することができる画像表示状態である。
また、図11(a)に示したフレームの次のフレームにおけるGn期間において、ゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧は、G1およびG3以降も交互に0V以下と0V以上とになる。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも画像表示状態である。
このように、この液晶表示装置は第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様にゲート線反転駆動であるが、表示モードにおける透過サブピクセル254のみに着目しても、第1の実施形態に係る液晶表示装置とは異なり、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に印加される電圧の極性がゲート線253ごとに反転されており、さらにフレームごとにも反転されている。表示モードにおいて透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に印加される電圧の極性がゲート線253ごとに反転していることにより、フレーム周期が短い場合にもフリッカが目立ちにくい。
また、この液晶表示装置の表示モードにおけるGn期間では、Gnに接続されたいずれの鏡サブピクセル255でもVDの値をVCOMの値と等しくする。これにより、いずれの鏡サブピクセル255でも鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなり、鏡サブピクセル255は電圧無印加状態となるため非鏡状態である。
この液晶表示装置は、サブピクセル254,255を以上のように駆動することにより、透過サブピクセル254を画像表示状態にするとともに鏡サブピクセル255を非鏡状態にすることができる。これにより、この液晶表示装置では表示モードを実現できる。
次に、図11(b)を参照して、この液晶表示装置の鏡モードについて説明する。図11(b)には鏡モードにおけるG1期間でのゲート線253、ドレイン線252および共通電極205に印加する電圧VG、VDおよびVCOMの波形を示している。
VGの値は、各ゲート線253(Gn)に接続されたサブピクセルを選択するGn期間のみVGHとし、それ以外の期間ではVGLとする。すなわち、G1におけるVGの値は、G1期間のみVGHであり、他の期間ではVGLである。
VDの値は、VDHまたはVDLであり、2期間ごとに反転され、さらに、フレームごとにも反転される。さらに、VDはVCOMの波形を1期間分ずらした波形としている。すなわち、図11(b)に示したフレームにおけるVDの値はG1期間ではVDLでG2期間およびG3期間ではVDHであり、次のフレームにおけるVDの値はG1期間ではVCHでG2期間およびG3期間ではVCLである。
なお、本実施形態では、電圧印加状態の鏡サブピクセル255において液晶層206を透過する光に付与される位相差をλ/4にする必要があるため、鏡サブピクセル255に接続されたゲート線253を選択する期間(G2期間,G4期間・・・)のVDの値はVDHより低いVD1またはVDLより高いVD2に設定している。本実施形態では、VD1=4V、VD2=3Vとしている。
図11(b)に示したフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVDLであるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなる。したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
また、図11(b)に示したフレームにおけるG3期間では、G3に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVDHであるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなる。したがって、このときG3に接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
また、図11(b)に示したフレームにおけるGn期間では、G1およびG3以外のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254でも同様に、Gn期間におけるVDの値がVCOMの値と等しくなるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vである。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
図11(b)に示したフレームの次のフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVDHであるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなる。したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
また、図11(b)に示したフレームの次のフレームにおけるG3期間では、G3に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの透過サブピクセル254においてもVDの値はVDLであるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなる。したがって、このときG3に接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
また、図11(b)に示したフレームの次のフレームにおけるGn期間では、G1およびG3以外のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254でも同様に、Gn期間におけるVDの値がVCOMの値と等しくなるので、透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧の値は0Vである。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
図11(b)に示したフレームにおけるG2期間では、G2に接続された鏡サブピクセル255の鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの鏡サブピクセル255においてもVDの値はVD1であるので、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD1−VCL)である。このとき、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
また、図11(b)に示したフレームにおけるG4期間では、G4に接続された鏡サブピクセル255の鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの鏡サブピクセル255においてもVDの値はVD2であるので、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD2−VCH)である。このとき、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
また、図11(b)に示したフレームにおけるGn期間において、ゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254の透過サブピクセル電極211と共通電極205との間の印加電圧は、G1およびG3以降も交互に0V以上と0V以下とになる。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254はいずれも画像表示状態である。
図11(b)に示したフレームの次のフレームにおけるG2期間では、G2に接続された鏡サブピクセル255の鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCH)である。いずれの鏡サブピクセル255においてもVDの値はVD2であるので、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD2−VCH)である。このとき、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
また、図11(b)に示したフレームの次のフレームにおけるG4期間では、G4に接続された鏡サブピクセル255の鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCL)である。いずれの鏡サブピクセル255においてもVDの値はVD1であるので、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間の印加電圧の値は(VD1−VCL)である。このとき、鏡サブピクセル255はいずれも電圧印加状態となるため鏡状態である。
また、図11(b)に示したフレームの次のフレームにおけるGn期間では、G2およびG4以降のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254も交互に透過サブピクセル電極211と共通電極205との間に負の電圧が印加されるものと正の電圧を印加されるものとになる。したがって、このときGnに接続された鏡サブピクセル255はいずれも鏡状態である。
このように、この液晶表示装置は第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様にゲート線反転駆動であるが、鏡モードにおける鏡サブピクセル255のみに着目しても、第1の実施形態に係る液晶表示装置とは異なり、鏡サブピクセル電極212と共通電極205との間に印加される電圧の極性がゲート線253ごとに反転されており、さらにフレームごとにも反転されている。
この液晶表示装置は、サブピクセル254,255を以上のように駆動することにより、透過サブピクセル254を黒表示状態にするとともに鏡サブピクセル255を鏡状態にすることができる。これにより、この液晶表示装置では鏡モードを実現できる。
(第3の実施形態)
次に、図12および図13を参照して、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、制御部以外は第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図12および図13は、第1の実施形態における図5および図6に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
図12はこの液晶表示装置の画面制御機能を示したブロック図であり、図13はその画面制御機能にしたがった画面制御の一例を示した図である。図13には、画面制御の一例として、図4(a)に示した画面モードにおける画面制御について示している。
この液晶表示装置は、図5および図6に示した合成部403,405を有していない。
すなわち合成部406aは、表示信号入力部402から入力された画像表示情報301および黒表示情報304と、鏡信号入力部404から入力された非鏡情報302および鏡情報305と、から処理制御部411aより入力された透過位置信号および鏡位置信号に基づいて画面制御情報316aを合成する。
そして、合成部406aは画面制御情報316aを画面制御部407に送り、画面制御部407は画面制御情報316aにしたがって透過サブピクセル254および鏡サブピクセル255を駆動させる。
本実施形態では、たとえば、画像表示情報301および黒表示情報304から、画像表示状態と黒表示状態とが混在した透過サブピクセル情報313(図6参照)を作成できない。しかし、本実施形態でも、透過信号入力部402に処理制御部411からあらかじめ合成した透過サブピクセル情報313を入力し、反射映像信号部404のメモリにあらかじめ合成した透過サブピクセル情報314を記録しておくことで、表示モードと鏡モードとが混在した画面モードも可能である。したがって、制御部401aは、たとえば図4(b)〜図4(e)に示すような他の画面モードにおける画面制御も同様に行うことができる。
(第4の実施形態)
次に、図14から図16を参照して、本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に示す構成以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図14および図15は、第1の実施形態における図1および図2に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
図14は本実施形態に係る液晶表示装置の回路の概略構成図であり、図15は図14に示した液晶表示装置のB−B’線に沿った断面図である。
この液晶表示装置は、第1の実施形態に係る液晶表示装置とは異なり、鏡サブピクセル255aにも着色層210aを有している。また、この液晶表示装置では、表示モードにおいても鏡サブピクセル255aを鏡状態する。このとき、図5に示した処理制御部411は鏡信号入力部404にも図16に示す画像表示情報301bおよび黒表示情報304bを入力し画面制御情報316bを合成する。これにより、この液晶表示装置では、透過サブピクセル254aの透過光のみならず、鏡サブピクセル255aの反射光によってもカラー画像を表示することが可能である。
したがって、この液晶表示装置では、図14中に破線で囲んで示している3つの透過サブピクセルと3つの鏡サブピクセルとによって1つの画素が構成されている。すなわち、1つの画素の中には、各1つの赤色、青色および緑色を表示する透過サブピクセル254aと鏡サブピクセル255aとが含まれている。
また、この液晶表示装置の鏡モードでは、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に、全ての透過サブピクセル254aを電圧無印加状態にし、全ての鏡サブピクセル255aを電圧印加状態にする。これにより、この液晶表示装置の鏡モードでは、赤色、青色および緑色を表示する鏡サブピクセル255aの反射光の色が混ざり合って、着色のない反射光が液晶パネル200aの表面側に出射される。
(第5の実施形態)
次に、図17および図18を参照して、本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、表示方式がECB方式であること以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図17および図18は、第1の実施形態における図2および図3に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
図17は、本実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。この液晶表示装置の液晶パネル200bには、鏡サブピクセル電極212の反射面を液晶層206bの厚さ方向の中央に配置させるために、下基板207と鏡サブピクセル電極212との間に絶縁層214が設けられている。
また、この液晶表示装置の表示方式はECB方式であり、液晶層206bは、液晶分子が基板930,950間で0度から90度の範囲で設定した値で連続的にねじれたツイスト配向しており、共通電極205とサブピクセル電極211,212との間に電圧が印加されていない電圧無印加状態では、液晶分子が基板203,207に平行な方向に配向しており、厚さ方向に透過する光にλ/2の位相差を与える。一方、液晶層206bは、共通電極205とサブピクセル電極211,212との間に十分な電圧が印加されている電圧印加状態では、液晶分子が基板203,207に垂直な方向に配向しており、厚さ方向に透過する光に位相差を与えない。
図18(a)はこの液晶表示装置の表示モードにおける光の軌道を示した図である。表示モードにおいて、透過サブピクセル254bにバックライト213から照射された光の軌道を矢印222bに示し、鏡サブピクセル255bに入射した外光の軌道を矢印223bに示す。
この液晶表示装置の表示モードの透過サブピクセル254bにおいて液晶層206bに印加する電圧の絶対値は、透過サブピクセル254bが電圧無印加状態になる電圧値以上、すなわち0V以上、電圧印加状態になる電圧値以下にする。また、表示モードの鏡サブピクセル254bでは、液晶層206には所定の電圧を印加して電圧印加状態にする。図18(a)では、一例として、透過サブピクセル254bが電圧無印加状態であるところを示している。
図18(a)に示すように、この液晶表示装置の表示モードでは、画像表示状態の透過サブピクセル254bの透過光は液晶パネル200bの表面から出射され、非鏡状態の鏡サブピクセル255bの反射光は液晶パネル200bの表面から出射されない。
図18(b)はこの液晶表示装置の鏡モードにおける光の軌道を示した図である。鏡モードにおいて、透過サブピクセル254bにバックライト213から照射された光の軌道を矢印221bに示し、鏡サブピクセル255bに入射した外光の軌道を矢印224bに示す。
この液晶表示装置の鏡モードでは、透過サブピクセル254bを電圧印加状態にし、鏡サブピクセル255bを電圧無印加状態にする。
図18(b)に示すように、この液晶表示装置の鏡モードでは、黒表示状態の透過サブピクセル254bに入射したバックライト213の照射光は液晶パネル200bの表面から出射されず、鏡状態の鏡サブピクセル255bの反射光は液晶パネル200bの表面から出射される。
(第6の実施形態)
次に、図19を参照して、本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に示す構成以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図19は、第1の実施形態における図1に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
第1の実施形態に係る液晶表示装置では、各透過サブピクセル254と各鏡サブピクセル255とがゲート線253に沿ってそれぞれ行を形成しているが、本実施形態に係る液晶表示装置では、各透過サブピクセル254cと各鏡サブピクセル255cとがドレイン線252cに沿ってそれぞれ列を形成している。
この液晶表示装置のようにサブピクセル254c,255cが配置されていても、表示モードにおいて透過サブピクセル254cが画像表示状態となり、かつ鏡サブピクセル255cが非鏡状態となるように制御し、鏡モードにおいて透過サブピクセル254cが黒表示状態となり、かつ鏡サブピクセル255cが鏡状態となるように制御することにより、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様の効果を得ることができる。
(第7の実施形態)
次に、図20および図21を参照して、本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に示す構成以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図20および図21は、第1の実施形態における図1および図2に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
図20は本実施形態に係る液晶表示装置の回路の概略構成図であり、図21は図20に示した液晶表示装置のC−C’線に沿った断面図である。
この液晶表示装置は、第1の実施形態に係る液晶表示装置とは異なり、鏡サブピクセル255dは列方向の長さが透過サブピクセル254dの約2倍である。すなわち、鏡サブピクセル255dは、液晶パネル200dの表面に平行な断面の面積が透過サブピクセル254dの約2倍である。さらに、サブピクセル254d,255dの行は、透過サブピクセル254d、鏡サブピクセル255d、透過サブピクセル254dの3行を一単位として並べられている。
この液晶表示装置では、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に、表示モードにおいて透過サブピクセル254dが画像表示状態となり、かつ鏡サブピクセル255dが非鏡状態となるように制御し、鏡モードにおいて透過サブピクセル254dが黒表示状態となり、かつ鏡サブピクセル255dが鏡状態となるように制御する
この液晶表示装置では、図21に破線で囲んで示している6つの透過サブピクセル254dおよび3つの鏡サブピクセル255dによって2つの画素が構成されている。一方、図2に示した第1の実施形態に係る液晶表示装置では、2つの画素中に6つの鏡サブピクセルが含まれる。したがって、本実施形態に係る液晶表示装置では、鏡サブピクセル255dの数が少なく、これに伴い、鏡サブピクセル電極212dやTFT251やゲート線253dの数も少ない。したがって、本実施形態に係る液晶表示装置は、部品点数が少ないため、駆動の簡略化および製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置では、TFT251およびゲート線253dの数が少ないため、その分、鏡サブピクセル電極212dを大きくすることができる。したがって、本実施形態に係る液晶表示装置の鏡サブピクセル電極212dの大きさは、第1の実施形態に係る液晶表示装置の鏡サブピクセル電極212の大きさの2倍より大きくすることが可能である。これにより、鏡モードにおける鏡サブピクセル255dの反射光の量を増大させることができる。
また、この液晶表示装置は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同数の透過サブピクセルを有しているため、表示モードにおいて第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に良好な画質を確保することができる。
本実施形態では、透過サブピクセル254dの数は、鏡サブピクセル255dの数の2倍であったが、他の整数倍にすることも可能であり、その場合にも本実施形態と同様の効果が得られる。
(第8の実施形態)
次に、図22から図25を参照して、本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に示す構成以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。本実施形態に係る液晶表示装置は、透過サブピクセル254eは第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様にアクティブマトリクス方式で制御されているが、鏡サブピクセル255eはスタティック方式で制御されている。
図22は本実施形態に係る液晶表示装置の回路の概略構成図である。図22は、第1の実施形態における図2に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。図22に示すように、この液晶表示装置は、鏡サブピクセル255eがスタティック方式で駆動されるため、電極配線253fが直接、鏡サブピクセル電極212eに接続されている。したがって、この液晶表示装置では、鏡サブピクセル255eにTFT251が設けられていないため、その分、鏡サブピクセル電極212eを大きくすることが可能である。これにより、鏡モードにおける鏡サブピクセル255eの反射光の量を増大させることができる。
ここで、電極配線253fを、図22中の上から順番にS1,S2・・・Sm・・・S(n−1),Snとする。この液晶表示装置では、S1〜S(m−1)とSm〜Snとに互いに異なる電圧を印加することが可能である。したがって、S1〜S(m−1)に接続された鏡サブピクセル電極212eと、Sm〜Snに接続された鏡サブピクセル電極212eと、を個別に鏡状態と非鏡状態とに切り換えることが可能である。
次に、図23(a)および図23(b)を参照して、この液晶表示装置のサブピクセル254e,255eの駆動について説明する。図23は、第1の実施形態における図9に対応している。この液晶表示装置では、透過サブピクセル254eについて、ゲート線反転駆動を採用しているが、他にも、たとえばソース線反転駆動やドット反転駆動やフレーム反転駆動などを採用することも可能である。
G1期間,G2期間・・・の表現は、ゲート線253eに接続されている透過サブピクセル254eの駆動の説明にのみ用いる。電極配線253fに印加する電圧VSは、ゲート線253eの期間に関わらず、1つのフレームにおいて一定の値に設定する。
まず、図23(a)を参照して、この液晶表示装置の表示モードについて説明する。図23(a)には表示モードにおけるG1期間でのゲート線253e、ドレイン線252eおよび共通電極205に印加する電圧VG、VDおよびVCOMの波形を示している。
VGの値は、各ゲート線253(Gn)に接続されたサブピクセルを選択するGn期間のみVGHとし、それ以外の期間ではVGLとする。すなわち、G1におけるVGの値は、G1期間のみVGHであり、他の期間ではVGLである。
VSの値はVSMであり、VCOMの値はVCMである。本実施形態ではVSM=VCMである。VDの値は、透過サブピクセル254eを選択する期間(G1期間,G3期間・・・)においてはVCM以上VDH以下の範囲内で決定することができ、鏡サブピクセル255eを選択する期間(G2期間,G4期間・・・)においてはVDL以上VCM以下の範囲内で決定することができる。
図23(a)に示したフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254eの透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCM)である。いずれの透過サブピクセル254eにおいてもVDの値はVCM以上であるので、透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間の印加電圧の値は0V以上となる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254eには、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間に正の電圧を印加することができる画像表示状態である。
図23(a)に示したフレームにおけるG2期間では、G1に接続された透過サブピクセル254eの透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VCM)である。いずれの透過サブピクセル254eにおいてもVDの値はVCM以下であるので、透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間の印加電圧の値は0V以下となる。
したがって、このときG1に接続された透過サブピクセル254eには、VDの値を調整することによって透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間に負の電圧を印加することができる画像表示状態である。
また、図23(a)に示したフレームにおけるGn期間では、G1およびG2以外のゲート線253(Gn)に接続された透過サブピクセル254eでも同様に、透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間に正の電圧または負の電圧を印加することができる。したがって、このときGnに接続された透過サブピクセル254eはいずれも画像表示状態である。さらに、図23(a)に示したフレーム以外のフレームにおけるGn期間でも、同様にGnに接続された透過サブピクセル254eはいずれも画像表示状態である。
図23(a)に示したフレームにおいては、いずれの電極配線253fに接続された鏡サブピクセル255eにおけるVSの値はVSMであり、VCOMの値であるVCMと等しい。したがって、鏡サブピクセル電極212eと共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなり、鏡サブピクセル255eはいずれも電圧無印加状態となるため非鏡状態である。
この液晶表示装置は、サブピクセル254e,255eを以上のように駆動することにより、透過サブピクセル254eを画像表示状態にするとともに鏡サブピクセル255eを非鏡状態にすることができる。これにより、この液晶表示装置では表示モードを実現できる。
次に、図23(b)を参照して、この液晶表示装置の鏡モードについて説明する。図23(b)には鏡モードにおけるG1期間でのゲート線253e、ドレイン線252eおよび共通電極205に印加する電圧VG、VDおよびVCOMの波形を示している。
VGの値は、各ゲート線253(Gn)に接続されたサブピクセルを選択するGn期間のみVGHとし、それ以外の期間ではVGLとする。すなわち、G1におけるVGの値は、G1期間のみVGHであり、他の期間ではVGLである。
VDの値はVDMであり、VCOMの値はVCMである。本実施形態ではVDM=VCMである。VSの値は、VSHまたはVSLであり、フレームごとに反転される。すなわち図23(b)に示したフレームにおけるVSの値はVDHであり、次のフレームにおけるVSの値はVSLである。本実施形態では、VSH=VCHかつVSL=VCLとしている。
図23(b)に示したフレームにおけるG1期間では、G1に接続された透過サブピクセル254eにおけるVDの値はVDMであり、VCOMの値であるVCMと等しい。したがって、この透過サブピクセル電極211eと共通電極205との間の印加電圧の値は0Vとなり、透過サブピクセル255eは電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
また、同様に、全てのフレームのGn期間において、Gnに接続された透過サブピクセル254eは、VDの値がVCOMの値と等しいので電圧無印加状態となるため黒表示状態である。
図23(b)に示したフレームにおいて、電極配線253fに接続された鏡サブピクセル255eの鏡サブピクセル電極212eと共通電極205との間の印加電圧の値は(VS−VCM)である。いずれの鏡サブピクセル255eにおいてもVSの値はVSHであるので、鏡サブピクセル電極212eと共通電極205との間の印加電圧の値は(VSH−VCM)である。このとき、鏡サブピクセル255eは鏡サブピクセル電極212eと共通電極205との間に電圧印加状態となる正の電圧が印加されているため鏡状態である。
図23(b)に示したフレームの次のフレームおいて、電極配線253fに鏡サブピクセル255eの鏡サブピクセル電極212eと共通電極205との間の印加電圧の値は(VD−VSM)である。いずれの鏡サブピクセル255eにおいてもVDの値はVDLであるので、鏡サブピクセル電極212eと共通電極205との間の印加電圧の値は(VDL−VCH)である。このとき、鏡サブピクセル255eは鏡サブピクセル電極212eと共通電極205との間に電圧印加状態となる負の電圧が印加されているため鏡状態である。
この液晶表示装置は、サブピクセル254e,255eを以上のように駆動することにより、透過サブピクセル254eを黒表示状態にするとともに鏡サブピクセル255eを鏡状態にすることができる。これにより、この液晶表示装置では鏡モードを実現できる。
次に、図24および図25を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置の画面制御機能について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、制御部401e以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図24および図25は、第1の実施形態における図5および図6に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
図24はこの液晶表示装置の画面制御機能を示したブロック図であり、図25はその画面制御機能にしたがった画面制御の一例を示した図である。図25には、画面制御の一例として、図4(d)に示した画面モードにおける画面制御について示している。
この液晶表示装置は、第1の実施形態に係る液晶表示装置とは異なり、制御部401eに、透過サブピクセル254eを制御する画面制御部407eと、鏡サブピクセル255eを制御する画面制御部408eと、が設けられている。また、この液晶表示装置には、透過サブピクセル情報313と鏡サブピクセル情報314を合成するための合成部406が設けられていない。
合成部403eは、表示信号入力部402から入力された画像表示情報301および黒表示情報304を合成して透過サブピクセル情報313を形成する。また、合成部405eは、鏡信号入力部404から入力された非鏡情報302および鏡情報305を合成して鏡サブピクセル情報314を形成する。
そして、合成部403eは透過サブピクセル情報313を画面制御部407eに送り、画面制御部407は透過サブピクセル情報313にしたがって透過サブピクセル254eを駆動させる。また、合成部405eは鏡サブピクセル情報314を画面制御部408eに送り、画面制御部408は鏡サブピクセル情報314にしたがって鏡サブピクセル255eを駆動させる。
なお、図26に示すように、制御部401eは合成部403e,405eを有していなくてもよい。この場合、画面制御部407eは、表示信号入力部402から入力された画像表示情報301および黒表示情報304と、処理制御部411eから入力された透過位置信号と、にしたがって透過サブピクセル254eを駆動させる。また、画面制御部408eは、鏡信号入力部404から入力された非鏡情報302および鏡情報305と、処理制御部411eから入力された鏡位置信号と、にしたがって鏡サブピクセル255eを駆動させる。
(第9の実施形態)
次に、図27を参照して、本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に示す構成以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図27は、第1の実施形態における図1に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
この液晶表示装置は、図20に示した第7の実施形態に係る液晶表示装置と同様に、鏡サブピクセル255gは列方向の長さが透過サブピクセル254gの約2倍である。さらに、サブピクセル254g,255gの行は、透過サブピクセル254g、鏡サブピクセル255g、透過サブピクセル254gの3行を一単位として並べられている。
この液晶表示装置では、鏡サブピクセル255gがパッシブマトリクス方式で制御される。したがって、この液晶表示装置では、鏡サブピクセル255gにTFT251を設ける必要がないため、その分、図20に示した第7の実施形態に係る液晶表示装置よりも鏡サブピクセル電極212gを大きくすることができる。これにより、鏡モードにおける鏡サブピクセル255gの反射光の量をさらに増大させることができる。
(第10の実施形態)
次に、図28を参照して、本発明の第10の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に示す構成以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。図28は、第1の実施形態における図1に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
この液晶表示装置は、第1の実施形態に係る液晶表示装置とは異なり、鏡サブピクセル255iがパッシブマトリクス方式で制御される。したがって、この液晶表示装置では、鏡サブピクセル255iにTFT251を設ける必要がないため、その分、第1の実施形態に係る液晶表示装置よりも鏡サブピクセル電極212iを大きくすることができる。これにより、鏡モードにおける鏡サブピクセル255iの反射光の量を増大させることができる。
なお、この液晶表示装置のように、電極配線252jがドレイン線252iに平行に設けられても、サブピクセル254i,255iを第9の実施形態に係る液晶表示装置と同様に駆動させることができる。
また、図29に示すように、透過サブピクセル電極211iおよび鏡サブピクセル電極212iの形状を変更することにより、透過サブピクセル254iと鏡サブピクセル255iとが占める領域を変更してもよい。
(第11の実施形態)
次に、図30から図32を参照して、本発明の第10の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。本実施形態に係る液晶表示装置は、以下に示す構成以外は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と同様に構成されている。
図30は、本実施形態に係る液晶表示装置の回路の概略構成図である。図30は、第1の実施形態における図1に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。
この液晶表示装置では、透過サブピクセル254jがIPS方式で制御され、鏡サブピクセル255jがECB方式で制御される。透過サブピクセル254jには、櫛歯状の透過サブピクセル電極211jと、櫛歯状の共通電極205kと、が設けられている。各共通電極205kは、共通電極配線205kに接続されている。液晶層206jは、共通電極205kと透過サブピクセル電極211jとの間に電圧が印加されていないときは、基板930,950に対して水平な方向に液晶分子が配向している。
図31は、図30に示した液晶表示装置のD−D’線に沿った断面図である。図31は、第1の実施形態における図2に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。なお、図31中には、共通電極205kを概念的に示しており、実際の共通電極205kの配置は図31とは異なる。
透過サブピクセル254jにはλ/4板が設けられておらず、下基板207の上面に透過サブピクセル電極211jおよび共通電極205kが設けられている。鏡サブピクセル255jには、上基板203の上面および下基板207の下面にはλ/4板が設けられていないが、保護膜204と共通電極205との間に内部λ/4板202jが設けられている。共通電極205の下面は液晶層206jの厚さ方向の中央に配置されている。
図32(a)はこの液晶表示装置の表示モードにおける光の軌道を示した図である。図32は、第1の実施形態における図3に対応し、同一の構成要素は同一の符号で示している。図中の液晶層206jに示した破線の丸で囲んだ矢印は、偏光板201jの表面の法線方向の観察者側から見たときの液晶層の配向軸を示している。
この液晶表示装置の表示モードの透過サブピクセル254jにおいて液晶層206jに印加する電圧の絶対値は、透過サブピクセル254jが電圧無印加状態になる電圧値以上、すなわち0V以上、電圧印加状態になる電圧値以下にする。また、表示モードの鏡サブピクセル254jでは、液晶層206jには電圧を印加せずに、電圧無印加状態にする。図32(a)では、一例として、透過サブピクセル254jが電圧印加状態であるところを示している。電圧無印加状態の液晶層206jの配向軸は紙面と垂直方向であり、透過サブピクセル254jの電圧印加状態では、液晶層206jは偏光板209の面内方向に平行な方向に配向軸が45度回転する。
表示モードにおいて、電圧印加状態の透過サブピクセル254jにバックライト213から照射された光の軌道を矢印222jに示す。本実施形態では、電圧印加状態の透過サブピクセル254jにおける液晶層206jを透過する光に付与される位相差はλ/2である。液晶層206jに入射する光の偏光方向と、液晶層206jの配向軸の角度により、光の偏光方向が回転する。
偏光板209を透過した紙面に垂直な偏光方向の直線偏光は、液晶層206を透過して遅相軸が45度傾いたλ/2の位相差が与えられることにより紙面に平行な偏光方向の直線偏光となる。この直線偏光は、偏光方向が偏光板201の偏光透過軸の向きと一致するため、偏光板201を透過する。
このように、この液晶表示装置の表示モードでは、バックライト213から照射され、透過サブピクセル254jを透過した透過光を液晶パネル200jの表面から出射させることができる画像表示状態にすることができる。
また、表示モードにおいて、電圧無印加状態の鏡サブピクセル255jに入射した外光の軌道を矢印223jに示す。本実施形態では、電圧印加状態の鏡サブピクセル255jにおける液晶層206jを透過する光には位相差が付与されない。
偏光板201を透過した紙面に平行な偏光方向の直線偏光は、内部λ/4板202jを透過して右円偏光となり、液晶層206jに入射する。液晶層206jに入射した右円偏光は、鏡サブピクセル電極212jに反射されて液晶層206jを往復する際に、電圧が印加され垂直に配向した液晶層206jによって位相差が与えられることはないが、鏡サブピクセル電極212jに反射されることにより極性が反転させられて左円偏光となる。この左円偏光は、内部λ/4板202jを透過して紙面に垂直な偏光方向の直線偏光となる。この直線偏光は、偏光方向が偏光板201の偏光透過軸の向きと90度異なるため、偏光板201を透過しない。
このように、この液晶表示装置の表示モードでは、鏡サブピクセル255jを電圧印加状態にすることにより、液晶パネル200jの表面から入射し、鏡サブピクセル電極212jに反射された反射光を液晶パネル200jの表面から出射させない非鏡状態にすることができる。
以上のように、この液晶表示装置の表示モードでは、表示サブピクセル254jを画像表示状態にし、鏡サブピクセル255jを非鏡状態にすることにより、液晶パネル200jの表面からは透過サブピクセル254jの透過光のみが出射され、鏡サブピクセル255jの反射光は出射されない。
図32(b)はこの液晶表示装置の鏡モードにおける光の軌道を示した図である。この液晶表示装置の鏡モードでは、透過サブピクセル254jおよび鏡サブピクセル255jを電圧無印加状態にする。
鏡モードにおいて、電圧無印加状態の透過サブピクセル254jにバックライト213から照射された光の軌道を矢印221jに示す。本実施形態では、電圧無印加状態の透過サブピクセル254jにおける液晶層206jの配向軸と、液晶層206jに入射する光221jの偏光方向とが平行なので、液晶層206jを透過する光の偏光状態は変化しない。
偏光板209を透過した紙面に垂直な偏光方向の直線偏光は、偏光状態に変更が加えられることなく液晶層206jを透過する。この直線偏光は、偏光方向が偏光板201の偏光透過軸の向きと90度異なるため、偏光板201を透過しない。
このように、この液晶表示装置の鏡モードでは、透過サブピクセル254jを電圧無印加状態にすることにより、バックライト213から照射された光を液晶パネル200の表面から出射させない黒表示状態にすることができる。
また、鏡モードにおいて、電圧印加状態の鏡サブピクセル255jに入射した外光の軌道を矢印224jに示す。本実施形態では、電圧無印加状態の透過サブピクセル254jにおける液晶層206jを透過する光に付与される位相差はλ/4である。
偏光板201を透過した紙面に平行な向きの直線偏光は、内部λ/4板202jを透過して右円偏光となり、液晶層206jに入射する。液晶層206jに入射した右円偏光は、鏡サブピクセル電極212jに入射する際に、液晶層206jによってλ/4の位相差が与えられ直線偏光となっている。この直線偏光は、鏡サブピクセル電極212jに直線偏光のまま反射され、液晶層206jを透過してさらにλ/4の位相差が与えられて右円偏光となる。この右円偏光は、λ/4板202jを透過して紙面に平行な偏光方向の直線偏光となる。この直線偏光は、偏光方向が偏光板201の偏光透過軸の向きと一致するため、偏光板201を透過する。
このように、この液晶表示装置の鏡モードでは、鏡サブピクセル255jを電圧無印加状態にすることにより、液晶パネル200jの表面から入射し、鏡サブピクセル電極212jに反射された反射光を液晶パネル200jの表面から出射させる鏡状態にすることができる。
以上のように、この液晶表示装置の鏡モードでは、表示サブピクセル254jを黒表示状態にし、鏡サブピクセル255jを鏡状態にすることにより、液晶パネル200jの表面からは鏡サブピクセル255jの反射光のみが出射され、透過サブピクセル254jに入射したバックライト213の照射光は出射されない。
なお、この液晶表示装置では、透過サブピクセル254jは、電圧無印加状態においてバックライト213からの照射光を液晶パネル200jの表面から出射させないノーマリブラック駆動であり、鏡サブピクセル255jは、電圧無印加状態において外光を鏡サブピクセル電極212jに反射させた反射光を液晶パネル200jの表面から出射させるノーマリホワイト駆動である。すなわち、この液晶表示装置の画面は、電力が供給されていないときには常に鏡状態であるため、この液晶表示装置は、電源オフの状態でも、鏡として使用されることができ、かつ優れた装飾性を発揮することができる。