JP5644911B1 - 異常検知方法および高炉操業方法 - Google Patents

異常検知方法および高炉操業方法 Download PDF

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Abstract

【課題】羽口近傍で発生する正常時とは異なる状況を精度良く検知することができる異常検知方法および高炉操業方法を提供する。【解決手段】画像処理装置7の領域分割部771および代表輝度ベクトル収集部773は、事前に羽口カメラ31により撮影された羽口画像を複数のエリアに領域分割し、エリア毎に各画素の輝度値に基づいて代表輝度を決定し、代表輝度ベクトルを時系列で収集する。指標抽出部775は、時系列で収集した代表輝度ベクトルの主成分分析を行い、主成分ベクトルを抽出する。また、領域分割部771および代表輝度ベクトル収集部773は、操業時において羽口カメラ31により撮影された羽口画像から代表輝度ベクトルを収集する。異常検知処理部777は、収集した代表輝度ベクトルから主成分ベクトル方向に下ろした垂線の長さを評価値として算出し、評価値を所定の閾値と比較することによって高炉の異常を検知する。【選択図】図2

Description

本発明は、高炉の羽口近傍に設置したカメラにより撮影された羽口画像から高炉の異常を検知する異常検知方法および高炉操業方法に関する。
安定した高炉操業を実現するための判断基準の1つとして、高炉の羽口を介して観察される高炉内レースウェイ部の輝度情報が挙げられる。この輝度情報は、炉熱の高低や微粉炭の燃焼度、未溶融鉱石の落下情報といった高炉の操業上重要な情報を含む。羽口を介した輝度情報の観察は、1日に数回程度、オペレータが覗き窓を覗くことで行う官能検査により実施されている。また、近年では、羽口近傍にカメラを設置し、このカメラによって撮影される画像(羽口画像)を監視室内でモニタ表示して集中監視する場合も増えている(例えば、特許文献1を参照)。
一方、特許文献2には、オペレータの官能検査に代わる技術として、放射温度カメラにより得た羽口画像内の温度分布を画像処理し、微粉炭の燃焼性を求める手法が開示されている。この特許文献2の技術では、放射温度カメラにより得た羽口内温度分布を複数の領域に分割し、各領域に関して温度毎面積比や黒部(微粉炭未燃焼帯)面積比等を数値化することで、微粉炭の燃焼性を指標化している。
特開2004−183956号公報 特開平5−256705号公報
しかしながら、羽口近傍では、特許文献2に開示されているような温度毎面積比等として数値化できる異常以外にも、想定していない様々な状況が発生し得る。加えて、面積比を指標とする手法では、撮影される羽口画像内の位置が移動することによって羽口画像に現れる異常(例えば後述するPCI流れ方向異常)等のように、面積比自体は大きく変動しない羽口画像内の輝度情報の変化を検知することができないという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、羽口近傍で発生する正常時とは異なる状況を精度良く検知することができる異常検知方法および高炉操業方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる異常検知方法は、高炉の羽口近傍に設置したカメラにより撮影された羽口画像から前記高炉の異常を検知する異常検知方法であって、事前に前記カメラにより撮影された羽口画像を複数のエリアに領域分割し、該エリア毎に各画素の輝度値に基づいて代表輝度を決定し、該代表輝度によって定まる代表輝度ベクトルを時系列で収集する収集ステップと、前記時系列で収集した代表輝度ベクトルの主成分分析を行い、主成分ベクトルを抽出する抽出ステップと、操業時において前記カメラにより撮影された羽口画像から前記代表輝度ベクトルを収集し、該代表輝度ベクトルから前記主成分ベクトル方向に下ろした垂線の長さを評価値として算出する算出ステップと、前記評価値を所定の閾値と比較することによって前記高炉の異常を検知する異常検知ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、羽口近傍で発生する正常時とは異なる状況を精度良く検知することができる。
図1は、異常検知装置が適用される高炉の概略構成例を示す模式図である。 図2は、異常検知装置の構成例を示す模式図である。 図3は、羽口画像の領域分割例を示す図である。 図4は、羽口画像の他の領域分割例を示す図である。 図5は、正常時の羽口画像から得たエリア毎の輝度値の時系列変化の一例を示す図である。 図6は、ノロ湧き時におけるエリア毎の輝度値変化の一例を示す図である。 図7は、ランス折損時におけるエリア毎の輝度値変化の一例を示す図である。 図8は、PCI流れ方向異常時におけるエリア毎の輝度値変化の一例を示す図である。 図9は、16次元空間における時系列の代表輝度ベクトルの分布例を示す図である。 図10は、主成分方向および主成分からの外れ度合を説明する図である。 図11は、評価値の算出を説明する説明図である。 図12は、評価値を用いた異常判定を説明する図である。 図13は、指標抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。 図14は、異常検知処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の異常検知方法および高炉操業方法を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
図1は、本実施の形態の異常検知装置10(図2を参照)が適用される高炉1の概略構成例を示す模式図である。図1に示すように、高炉1は、炉頂から鉄鉱石21とコークス23とを装入し、炉底で得られた銑鉄(溶銑)25をスラグ27と分離して炉外へ排出するものであり、炉下部に設けられた羽口11から熱風を吹き込み、コークス23を熱源に鉄鉱石21を還元・溶解して溶銑25を得る。スラグ27は、溶銑25よりも比重が小さいため、溶銑25の上層に分離する。
この高炉1において、羽口11には、熱風を送風するための送風管13の一端が接続される。送風管13の途中には、送風管13を貫通してランス15が設置されており、このランス15によって熱風中に微粉炭が投入される(矢印Y11)。送風管13内を送風される熱風(矢印Y13)は、微粉炭とともに羽口11から高炉1の内部へと導入され、主として羽口11の熱風送風方向先方のレースウェイ17と呼ばれる燃焼空間において燃焼に寄与する。
送風管13の羽口11と対向する他端側には、羽口観察ユニット3が設置されている。この羽口観察ユニット3は、操業中の高炉1の状況、具体的には、送風管13内の様子や羽口11を介した高炉1内の様子(炉況)を撮影するための羽口カメラ(カメラ)31と、高炉1の状況を目視によって観察するための覗き窓33と、図1中に一点鎖線で示す光路を羽口カメラ31側と覗き窓33側とに分岐させるためのハーフミラー35とを設置してユニット化したものである。
ここで、羽口11は、高炉1の周方向に複数配列されて設けられており、羽口観察ユニット3は、これら複数の羽口11と一端が接続された送風管13の他端側のいずれか1つに設置され、その羽口カメラ31が異常検知装置10を構成する。なお、羽口カメラ31をどの羽口11に設置するのかは、適宜設定してよい。
図2は、本実施の形態の異常検知装置10の構成例を示す模式図である。異常検知装置10は、上記したように高炉1の周方向に複数配列された羽口11のうちのいずれか1つに羽口観察ユニット3として設置された羽口カメラ31と、画像取得装置5と、画像処理装置7とを含む。画像取得装置5および画像処理装置7は、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いて実現される。
羽口カメラ31は、高炉1の状況を撮影した羽口画像の画像データを随時画像取得装置5に出力する。画像取得装置5は、高炉1の操業中に羽口カメラ31により連続的に撮影される羽口画像(動画)の画像データを随時取り込んで画像処理装置7に転送する。
画像処理装置7は、主な機能部として、入力部71と、表示部73と、記録部75と、処理部77とを含む。
入力部71は、高炉1の異常検知等に必要な情報を入力するためのものであり、操作入力に応じた入力信号を処理部77に出力する。この入力部71は、キーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の入力装置によって実現される。表示部73は、例えば羽口カメラ31により撮影される羽口画像のモニタ表示や、高炉1の異常報知等を行うためのものであり、処理部77から入力される表示信号に基づいて各種画面を表示する。この表示部73は、LCDやELディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置によって実現される。
記録部75は、更新記録可能なフラッシュメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、メモリカード等の情報記録媒体およびその読み書き装置等によって実現され、用途に応じた記録装置を適宜採用して用いることができる。この記録部75には、画像処理装置7を動作させ、この画像処理装置7が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が事前に記録され、あるいは処理の都度一時的に記録される。
処理部77は、CPU等で実現され、入力部71から入力される入力信号、記録部75に記録されるプログラムやデータ等に基づいて、画像処理装置7を構成する各部への指示やデータの転送等を行って画像処理装置7の動作を制御する。この処理部77は、領域分割部771と、代表輝度ベクトル収集部773と、指標抽出部775と、異常検知処理部777とを含み、羽口画像を画像処理して高炉1の状況を監視し、高炉1の異常を検知する処理を行う。
次に、異常検知装置10が行う高炉1の異常検知の原理について説明する。羽口画像には、羽口11奥の燃焼する高炉1内の様子とともに、羽口11手前のランス15や、ランス15から投入される微粉炭が煙状に撮影される。このような羽口画像の輝度情報は、上記したように、例えば炉熱の高低や微粉炭の燃焼度、未溶融鉱石の落下情報といった高炉1の操業上重要な情報を含んでおり、高炉1において例えば炉熱変化や微粉炭燃焼度の異常、未溶融鉱石の落下といった正常時とは異なる状況(本明細書において、「異常」と呼ぶ。)が発生すると、異常発生の前後で羽口画像内の輝度値が部分的に低下し、あるいは上昇する。
本実施の形態では、羽口画像から得られる輝度値の部分的な変化に着目し、事前に指標を抽出する(指標抽出処理)。そのために、先ず、操業中に撮影された羽口画像を複数のエリアに領域分割する。図3および図4は、羽口画像の領域分割例を示す図であり、羽口画像に撮影される羽口11やランス15、微粉炭29等を模式的に示している。図3では、羽口画像を略正方形状の16つのエリアA1に領域分割している。一方、図4では、羽口画像を上下方向に幅の狭い長方形状の(横長の)16つのエリアA2に領域分割している。
ここで、高炉1内で起こる未溶融鉱石の落下に着目すると、落下する未溶融鉱石は、羽口画像の上方から出現して下方へと移動していく。そのため、時系列でみると、この場合の部分的な輝度値の変化は羽口画像の上方から下方に向かって起こる。本実施の形態では、領域分割したエリア毎の輝度値変化から異常を検知するため、前述のように時系列でみたときの羽口画像内の輝度値の部分的な変化に方向性がある場合には、その方向の分割幅を狭くすることで異常の検知精度の向上が図れる。したがって、未溶融鉱石の落下を検知したい場合には、図4に示すような上下方向で分割幅の狭い領域分割を行うのがよい。逆に、左右方向については広めの分割幅とすることで、ノイズによる異常の誤検知を抑制することができる。
ただし、領域分割するエリアの形状は図3や図4に示す形状に限定されるものではなく、個々のエリアのサイズについても適宜設定してよい。なお、以下では、羽口画像を図3に示す16つのエリアA1に領域分割することとし、16つのエリアA1を適宜A1−1,2,3,・・・,16と表記する。
図5は、正常時の羽口画像から得たエリア毎の輝度値の時系列変化の一例を示す図である。図5では、8つのエリアから得た8つの輝度値変化を示している。図5に示すように、羽口画像内は、例えば羽口11奥が撮影される明るいエリアで得られる高輝度部L11、羽口11手前側の送風管13内や煙状の微粉炭等が撮影される中輝度部L13や低輝度部L15が混在するが、正常時であれば、いずれのエリアの輝度値変化L11,L13,L15も各々が概ね同程度の輝度値レベルを保ちつつ時間推移に伴って起こる通常の炉況変化(正常炉況変化)に応じた軌跡を描く。
これに対し、羽口カメラ31が設置された羽口11近傍で異常の発生による炉況変化(異常炉況変化)が生じると、この異常炉況変化が撮影された特定のエリアの輝度値変化の方向が、輝度値レベルが同程度の他のエリアの輝度値変化が描く正常炉況変化の方向から部分的に逸脱する。
このような輝度値の時系列変化に現れる異常の種類としては、上記した炉熱変化や微粉炭燃焼度の異常、未溶融鉱石の落下によるものの他にも、様々なものが考えられる。例えば、高炉1内の溶融物レベル(すなわちスラグ27の上面レベル)が操業上安全な液位を超えて上昇する場合がある(ノロ湧き時)。溶融物レベルの上昇は、羽口11を溶損する等操業トラブルの原因となる。図6は、ノロ湧き時におけるエリア毎の輝度値変化の一例を示す図である。溶融物レベルが羽口カメラ31の視界まで達すると、羽口画像にスラグ27が上昇してくる様子が撮影されるため、それが撮影されたエリアでは、正常時と比較して輝度値が低くなる。結果、図6に示すように、該当するエリアの輝度値変化L111,L113の方向が、他の同レベルの輝度値変化L11が描く正常炉況変化の方向から部分的に逸脱して急激に下降する。
また、別の異常として、送風管13内でランス15が折れた場合が挙げられる(ランス折損時)。図7は、ランス折損時におけるエリア毎の輝度値変化の一例を示す図である。例えばランス15が折れて、折れたランス15が撮影される羽口画像内の位置が移動すると、あるエリアではそれまでランス15によって遮られていた羽口11奥の様子が撮影されるようになるために輝度値が高くなる一方、別のエリアでは、羽口11奥の様子が遮られるようになるために輝度値が低くなる。結果、図7に示すように、それらが撮影されたエリアの輝度値変化L131,L151は、その変化の方向が他の同レベルの輝度値変化L13が描く正常炉況変化の方向から部分的に逸脱して急激に下降したり、他の同レベルの輝度値変化L15が描く正常炉況変化の方向から部分的に逸脱して急激に上昇する。
また、別の異常として、ランス15から投入される微粉炭の飛散方向が変化する場合がある(PCI流れ方向異常時)。図8は、PCI流れ方向異常時におけるエリア毎の輝度値変化の一例を示す図である。このPCI流れ方向異常時においても、羽口11奥の見え方が変化するため、特定のエリアにおいて輝度値の高低が変動する。例えば、図8に示すように、微粉炭の飛散方向が変化することで羽口11奥の様子が撮影されるようになったエリアでは、その輝度値変化L133の方向が他の同レベルの輝度値変化L13が描く正常炉況変化の方向から部分的に逸脱して急激に上昇する。逆に、羽口11奥の様子が遮られるようになったエリアでは、その輝度値変化L115の方向が他の同レベルの輝度値変化L11が描く正常炉況変化の方向から部分的に逸脱して急激に下降する。
そこで、指標作成処理では、エリア毎に決定した代表輝度を該当するエリアA1−1,2,3,・・・,16の代表輝度とし、次式(1)に示す1組のベクトル情報(代表輝度ベクトル)V(t)として収集する。
Figure 0005644911
ここで、代表輝度としては、例えば、該当する羽口画像内の各画素の輝度値の最大値(最大輝度)、最小値(最低輝度)、平均値(平均輝度)、中間値(中間輝度)等を用いることができる。いずれの値を代表輝度とするのかは、検知したい異常の種類に応じて最適なものを選択すればよい。例えば、ノロ湧き時を検知したい場合であれば、低輝度領域の増大が反映される平均輝度を用いる。
以上のようにして収集される代表輝度ベクトルV(t)は、N次元空間(Nはエリアの分割数;本実施の形態では16次元空間)内の1点によって表すことができる。図9は、16次元空間における時系列の代表輝度ベクトルV(t)の分布例を示す図である。十分な数の代表輝度ベクトルV(t)を収集すると、正常時の羽口画像から収集した代表輝度ベクトルV(t)を表す16次元空間内の点P1は、代表輝度ベクトルV(t)の主要な主成分の方向、すなわち、輝度値の正常炉況変化の方向に分散した楕円体状に分布する。
図10は、主成分方向Aおよび主成分からの外れ度合を説明する図である。代表輝度ベクトルV(t)を表す点のうち、正常時の点P21は、上記したように、代表輝度ベクトルV(t)の主成分方向(楕円体の長軸方向)Aに分散した楕円体状に分布する。例えば正常操業の範囲で図5に示されるような輝度変化が生じている場合は、代表輝度ベクトルV(t)を表す点P23は同じく楕円体状分布内に存在する。これに対し、異常時では、代表輝度の1つまたは複数が正常炉況変化の方向から外れて想定外方向へと変化するため、主成分方向から外れる成分(以下、「外れ成分」と呼ぶ。)が増加する。したがって、羽口画像に撮影される羽口11近傍の一部で異常炉況変化が生じたときの代表輝度ベクトルV(t)を表す点P25は、楕円体状の分布内からその想定外変化の方向へと外れる(矢印Y23)。
そこで、指標抽出処理では、上記したように収集した十分な数の代表輝度ベクトルV(t)に対して主成分分析を行い、主成分方向Aからの外れ度合を指標として抽出する。
異常検出の際は、同様の要領で操業中に撮影される羽口画像から随時代表輝度ベクトルV(t)を収集し、評価値を閾値処理することで高炉1の異常を検知する(異常検知処理)。図11は、評価値の算出を説明する説明図であり、図12は、評価値を用いた異常判定を説明する図である。
例えば、図11に示すように、操業時において点P3によって表される代表輝度ベクトルV(t)を新たに収集したとする。評価値は、収集した代表輝度ベクトルV(t)と、主成分ベクトルA(長さ1の単位ベクトル)との内積A・V(t)を用いて√[{V(t)}−{A・V(t)}]により計算する。この評価値は、代表輝度ベクトルV(t)から主成分ベクトルA方向に下ろした垂線の長さであり、代表輝度ベクトルV(t)の主成分方向からの外れ度合を表し、外れ度合が増加するほど(想定外方向への変化が大きいほど)評価値は大きくなる。
そして、評価値を用いた異常判定では、評価値すなわち主成分から外れる成分の割合が、図12中にハッチングを付して示すように−α以上α以下の閾値範囲として予め定められる正常範囲に属するのか、閾値範囲外である異常範囲に属するのかによって異常を判定する。例えば、16次元空間内の点P41によって表される代表輝度ベクトルV(t)のように評価値が閾値範囲内の場合は、高炉1の状況を正常と判定する。一方、点P43によって表される代表輝度ベクトルV(t)のように評価値が閾値範囲外の場合は、高炉1の状況を異常と判定する。
次に、異常検知装置10が行う具体的な処理手順について説明する。図13は、画像処理装置7が行う指標抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図14は、画像処理装置7が行う異常検知処理の処理手順を示すフローチャートである。異常検知装置10は、画像処理装置7が事前に図13の処理手順に従って指標抽出処理を行った上で、画像処理装置7が図14の処理手順に従って異常検知処理を行うことで異常検知方法および高炉操業方法を実施する。
すなわち、指標抽出処理では先ず、事前に画像取得装置5から転送される羽口画像から例えば所定の時間間隔毎等のタイミングで代表輝度ベクトルV(t)を収集する(ステップS11;収集ステップ)。具体的には、領域分割部771が先ず、該当するタイミングで羽口カメラ31により撮影された羽口画像を複数(本実施の形態では16つ)のエリアに領域分割する。続いて、代表輝度ベクトル収集部773が、エリア毎に各画素の輝度値に基づいて代表輝度を決定し、決定したエリア毎の代表輝度によって定まる上記式(1)に示す代表輝度ベクトルV(t)を得る。そして、領域分割部771および代表輝度ベクトル収集部773がこの代表輝度ベクトルV(t)の収集を所定期間行うことで、一連の複数の代表輝度ベクトルV(t)を時系列で収集する。
続くステップS13では、指標抽出部775が、以上のように過去の操業時に収集した一連の代表輝度ベクトルV(t)に対して主成分分析を行い、主成分ベクトルAを抽出する(抽出ステップ)。そして、指標抽出部775は、抽出した主成分ベクトルAを記録部75に保存する(ステップS15)。
また、以上のようにして指標抽出処理を行った後の操業時においては、図14に示す異常検知処理を例えば所定の時間間隔毎に実行する。この異常検知処理では、先ず、算出ステップとしてステップS211〜ステップS215の処理を行う。すなわち、図13のステップS11と同様の手順により、領域分割部771が該当するタイミングで画像取得装置5から転送された羽口画像を複数のエリアに領域分割し、代表輝度ベクトル収集部773が各エリアから代表輝度ベクトルV(t)を収集する(ステップS21)。その後、異常検知処理部777が、記録部75から主成分ベクトルAを読み出し、ステップS21で収集した代表輝度ベクトルV(t)と、読み出した主成分ベクトルAとの内積A・V(t)により√[{V(t)}−{A・V(t)}]を評価値として算出する(ステップS23)。
続いて、異常検知ステップとしてステップS25〜ステップS27の処理を行う。すなわち、異常検知処理部777は、ステップS23で算出した評価値を閾値処理し(ステップS25)、評価値が所定の閾値範囲外か否かを次式(2)に従って判定する(ステップS27)。
Figure 0005644911
そして、異常検知処理部777は、評価値が閾値範囲外の場合には(ステップS27:Yes)、高炉1に異常が発生したと判定してその旨を表示部73に警告表示する処理を行う(ステップS29)。なお、ここでの処理は、少なくとも高炉1に異常が発生したことをオペレータに報知できればよく、スピーカ等の出力装置によって警告音を出力して異常の発生を報知する構成としてもよい。また、ステップS219において高炉1に異常が発生したと判定したか否かに応じて高炉1の操業条件を制御し、発生した異常への対処を行う。
以上説明したように、本実施の形態では、羽口カメラ31により撮影された羽口画像を領域分割してエリア毎の代表輝度を1組とした代表輝度ベクトルV(t)を収集することとした。そして、収集した代表輝度ベクトルV(t)に対する主成分分析を行い、主成分ベクトルAを指標として抽出することとした。その後は、操業時に収集した代表輝度ベクトルV(t)と主成分ベクトルAとの内積等により計算される主成分からの外れ度合を評価値として算出し、異常の発生を検知することとした。
これによれば、高炉1の羽口11近傍の羽口カメラ31により撮影した羽口画像内の輝度値をエリア毎に考慮し、その輝度値が部分的に正常炉況変化の方向とは異なる想定外方向へと不均一に変化した場合に、操業中の高炉1において、羽口カメラ31が設置された羽口11近傍で正常時の高炉1の状況とは異なる状況(異常)が発生したとして検知することができる。したがって、羽口11近傍で発生した正常時とは異なる状況を精度良く検知することができる。
1 高炉
11 羽口
13 送風管
15 ランス
17 レースウェイ
21 鉄鉱石
23 コークス
25 溶銑
27 スラグ
10 異常検知装置
3 羽口観察ユニット
31 羽口カメラ
5 画像取得装置
7 画像処理装置
71 入力部
73 表示部
75 記録部
77 処理部
771 領域分割部
773 代表輝度ベクトル収集部
775 指標抽出部
777 異常検知処理部

Claims (5)

  1. 高炉の羽口近傍に設置したカメラにより撮影された羽口画像から前記高炉の異常を検知する異常検知方法であって、
    事前に前記カメラにより撮影された羽口画像を複数のエリアに領域分割し、該エリア毎に各画素の輝度値に基づいて代表輝度を決定し、該代表輝度によって定まる代表輝度ベクトルを時系列で収集する収集ステップと、
    前記時系列で収集した代表輝度ベクトルの主成分分析を行い、主成分ベクトルを抽出する抽出ステップと、
    操業時において前記カメラにより撮影された羽口画像から前記代表輝度ベクトルを収集し、該代表輝度ベクトルから前記主成分ベクトル方向に下ろした垂線の長さを評価値として算出する算出ステップと、
    前記評価値を所定の閾値と比較することによって前記高炉の異常を検知する異常検知ステップと、
    を含むことを特徴とする異常検知方法。
  2. 前記エリア内の輝度値の最大値を前記代表輝度として前記代表輝度ベクトルを収集することを特徴とする請求項1に記載の異常検知方法。
  3. 前記エリア内の輝度値の平均値を前記代表輝度として前記代表輝度ベクトルを収集することを特徴とする請求項1に記載の異常検知方法。
  4. 前記エリア内の輝度値の最小値を前記代表輝度として前記代表輝度ベクトルを収集することを特徴とする請求項1に記載の異常検知方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の異常検知方法を用いて高炉の異常を検知し、前記高炉の異常が検知されたか否かに応じて前記高炉の操業条件を制御することを特徴とする高炉操業方法。
JP2013156835A 2013-07-29 2013-07-29 異常検知方法および高炉操業方法 Active JP5644911B1 (ja)

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