JP7419582B2 - 煙の検出装置及び煙の検出方法 - Google Patents
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Description
本発明は、煙の検出装置であって、
監視領域の画像を逐次撮像する撮像手段と、
撮像手段で撮像された画像毎に、画像中の煙領域の重心を求めることでクラスを配置する処理を繰り返し、配置されたクラスを追跡してクラスの移動軌跡を検出するクラス追跡手段と、
クラス追跡手段で検出されたクラスの移動軌跡から煙による特徴的な所定の変化を検知して火災を判断する火災判断手段と、
が設けられ、
火災判断手段は、煙による特徴的な所定の変化をクラスの移動軌跡の直線性に基づき検知し、クラスの移動軌跡が所定の非直線性条件を充足して上昇している場合には煙による特徴的な所定の変化と検知することを特徴とする。
火災判断手段は、クラスの直線性に基づく煙による特徴的な所定の変化の検知として、クラスの移動軌跡の始点及び終点を結ぶ直線に対する各クラスのぶれ量に基づき煙による特徴的な所定の変化を検知する。
所定の手段により煙の可能性が高いと判断した場合に、クラス追跡手段で処理する画像を増加させる。
本発明の別の形態は、煙の検出方法であって、
撮像手段により、監視領域の画像を逐次撮像し、
クラス追跡手段により、撮像手段で撮像された画像毎に、画像中の煙領域の重心を求めてクラスを配置する処理を繰り返し、配置されたクラスを追跡してクラスの移動軌跡を検出し、
火災判断手段により、クラス追跡手段で検出されたクラスの移動軌跡から煙による特徴的な所定の変化を検知して煙と判断し、
火災判断手段は、煙による特徴的な所定の変化をクラスの移動軌跡の直線性に基づき検知し、クラスの移動軌跡が所定の非直線性条件を充足して上昇している場合には煙による特徴的な所定の変化と検知することを特徴とする。
本発明の煙の検出装置にあっては、監視領域の画像を逐次撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像された画像毎に、画像中の煙領域の重心を求めることでクラスを配置する処理を繰り返し、配置されたクラスを追跡してクラスの移動軌跡を検出するクラス追跡手段と、クラス追跡手段で検出されたクラスの移動軌跡から煙による特徴的な所定の変化を検知して火災を判断する火災判断手段と、が設けられ、火災判断手段は、煙による特徴的な所定の変化をクラスの移動軌跡の直線性に基づき検知し、クラスの移動軌跡が所定の非直線性条件を充足して上昇している場合には煙による特徴的な所定の変化と検知するようにしたため、例えば、人等の動きの画像から生成したクラスは直線的な動きとなることから、これを火災判断の対象から除外することで、煙に固有な非直線的なクラスの移動軌跡を検知して確実に火災を判断することができる。
また、火災判断手段は、クラスの直線性に基づく煙による特徴的な所定の変化の検知として、クラスの移動軌跡の始点及び終点を結ぶ直線に対する各クラスのぶれ量に基づき煙による特徴的な所定の変化を検知するようにしたため、画面内で任意の方向に直線的に移動するクラスの移動軌跡を確実に判別して火災判断の対象から除外することができる。
所定の手段により煙の可能性が高いと判断した場合に、クラス追跡手段で処理する画像を増加させるようにしたため、通常時には処理する画像を少なくして負荷を低減できると共に、煙の可能性が高い時には処理する画像を多くして確実に煙による特徴的な所定の変化を検知することができる。
図1は本発明の煙の検出装置を設置した監視領域を示した説明図、図2は煙の検出装置の機能構成の概略を示したブロック図である。
図1に示すように、監視領域14には監視カメラ10が設置され、監視カメラ10は照明器具により照明された状態の監視領域を逐次、例えば毎秒30フレーム又は毎秒60フレームのフレーム速度で撮像してカラーのフレーム画像の連続からなる動画を出力している。監視カメラ10は、上下、左右及び前後に仕切られた監視領域(監視空間)14の例えば上部コーナの中央に設置され、その撮像光軸を相対する壁面に向うように斜め下向きに配置して監視領域14を全体的に撮影可能としている。
図2に示すように、煙の検出装置12は、ハードウェアとしてCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等で構成され、CPUによるプログラムの実行により実現される機能として、制御部20、画像入力部22、差分画像生成部24、クラス追跡部26、火災判断部28が設けられる。また、火災を判断した場合に警報を報知するため警報表示部30と音響警報部32が設けられている。
図3は監視カメラで撮像したフレーム画像とその差分画像を示した説明図であり、図3(A)に煙の画像を示し、図3(B)に煙の差分画像を示す。
(手順1) フレーム画像をグレースケール化し、ノイズ低減のためガウシアンフィルタにより平滑化する。
(手順2) 現在のフレーム画像を含めた直近例えば30フレームにおける各画素の最大値および最小値を監視し、30フレーム間の最大値画像と最小値画像を作成する。
(手順3) 手順2で生成した最大値画像と最小値画像から差分画像を作成する。
図4は最初に出現した煙領域に対する初期的なパーティクルのばら撒きによる新たなクラスの配置までの手順を示した説明図、図5はクラス再配置の際のパーティクルのばら撒き領域を示した説明図、図6は図3のクラス再配置に続く新たなクラスの配置を示した説明図である。
クラス追跡部26は、差分画像を対象に、パーティクルフィルタを利用して煙の塊となる煙領域をクラスとして配置し、これを時系列的に追跡してクラスの移動軌跡を検出する。
クラス追跡部26は、それまでの処理でクラスが配置されていない場合には、読み込んだ差分画像に対し、所定数のパーティクル、例えば40個のパーティクルをランダムに画像中にばら撒いて新たなクラスを配置する処理を行う。
クラス追跡部26は、図4に示したように、最初に出現した煙領域にクラスを配置した後は、次の差分画像を読み込んだ際に、前回のクラス配置で残った6個のパーティクルについて、前回配置した時の各パーティクルの位置(重心)46-1より上方の所定位置を中心に、位置の基準となっているパーティクルの尤度により決まり、再配置したパーティクルの総数が40となるような数を、所定の確率密度分布、例えば正規分布の乱数に従って生成した座標位置にパーティクルをばら撒き、併せて40個のパーティクルをばら撒いた状態としてクラスを再配置する処理を行う。この時、前回配置時のパーティクルの尤度が高いほど、その位置を基準に再配置するパーティクルの数は多くなるようにする。
クラス追跡部26は、前画像でクラスが配置された画像について、全てのクラスの再配置が済んだときには、再配置したクラス領域を除く領域に、ランダムに40個のパーティクルをばら撒いて新たなクラスを配置するクラス初期化配置を行う。
クラス追跡部26は、時系列的に読み込んだ差分画像にクラス配置及びクラス再配置を繰り返すことで、時系列的に移動するクラスの移動軌跡を検出する処理を行う。
図7(A)の処理フレーム60-5に示すように、煙の上昇により移動したクラスC1は、画像の上端に達すると再配置されず、滞留することになる。
クラス追跡部26は、図7の処理フレーム60-1~60-5に示すように、次々と出現する煙領域に対しクラスの配置と再配置を繰り返す場合、各クラスに異なる優先度を設定して上位のクラスから順番に再配置し、クラス再配置のためにばら撒いた複数のパーティクルの内、既に再配置した上位のクラスの煙領域に重複するパーティクルを除いた残りのパーティクルの尤度から重心を求めて再配置する処理を行う。
火災判断部28は、クラス追跡部26により検出された各クラスの重心位置の移動軌跡に基づき、煙による特徴的な所定の変化を検知して火災を判断する。即ち、火災判断部28は、クラスの移動軌跡が所定幅となる横方向の揺らぎ、例えば所定値以上の横ぶれ幅をもって上昇している場合は煙と判断し、所定幅未満となって直線的に上昇している場合は煙ではないと判断する。
図10は図2の煙の検出装置による煙検知処理の概要を示したフローチャート、図11は図10のステップS2のパーティクルフィルタによるクラス追跡の詳細を示したフローチャート、図12は図10のステップS3のクラス追跡軌跡に基づく火災判断の詳細を示したフローチャートである。
図10に示すように、図2に示した煙の検出装置10の制御部20は、ステップS1で差分画像生成部24を動作し、画像入力部22から監視カメラ10で撮影された所定プレーム数の画像を対象に、各画素の最大値および最小値を検出して複数フレーム間の最大値画像と最小値画像を作成し、最大値画像と最小値画像から差分画像を生成する。
図10のステップS2で制御部20の指示により動作したクラス追跡部26は、図11に示すクラス追跡処理を行う。クラス追跡部26は、ステップS11で差分画像生成部24により生成された差分画像を読込み、差分画像に煙領域が最初に出現していたとすると、それまでの処理でクラスは配置されていないことから、ステップS12で既存のクラスなしを判別してステップS13に進み、初期化処理としてのクラス配置を行う。
図10のステップS3で制御部20の指示により動作した火災判断部28は、図12に示す火災判断処理を行う。
(クラス配置)
上記の実施形態は、また、滞留したクラスを消去して、新たなクラスを配置する場合、他のクラスが存在する領域の下側、又は、他のクラスが存在しない場合は消去したクラスの下側にパーティクルをランダムにばら撒くことでクラスを配置することとしているが、これに限定されず、例えば、画面全体に一様かつランダムに所定の数のパーティクルをばら撒くようにしても良い。
また、上記の実施形態は、煙による特徴的な時系列変化として、パーティクルフィルタにより特徴領域にクラスを配置して追跡しているが、これに限定されず、これ以外の適宜のフィルタ処理により、煙による特徴的な移動を示す時系列変化を追跡して火災を判断するようにしても良い。
また、通常時は処理する対象の画像の数を少なくし(例えば5回の撮像につき1画像)、煙の可能性が高いと判断した場合に、処理する画像を増やして(全撮像の画像)処理するようにしても良い。ここで、画像の数とは、具体的にはフレーム数を意味する。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
12:煙の検出装置
14:監視領域
15:火源
16:煙
16a:煙画像
16b:煙差分画像
18:火災報知設備
20:制御部
22:画像入力部
24:差分画像生成部
26:クラス追跡部
28:火災判断部
30:警報表示部
32:音響警報部
34:フレーム
36:差分フレーム
40:パーティクル
42:煙推定パーティクル
44-1,44-2:クラス
46-1,46-2:重心
48:ばら撒き中心
50,58,64:ばら撒き領域
54:非ばら撒き領域
Claims (4)
- 監視領域の画像を逐次撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像毎に、画像中の煙領域の重心を求めることでクラスを配置する処理を繰り返し、配置された前記クラスを追跡して前記クラスの移動軌跡を検出するクラス追跡手段と、
前記クラス追跡手段で検出された前記クラスの移動軌跡から煙による特徴的な所定の変化を検知して火災を判断する火災判断手段と、
が設けられ、
前記火災判断手段は、前記煙による特徴的な所定の変化を前記クラスの移動軌跡の直線性に基づき検知し、前記クラスの移動軌跡が所定の非直線性条件を充足して上昇している場合には前記煙による特徴的な所定の変化と検知することを特徴とする煙の検出装置。
- 請求項1記載の煙の検出装置に於いて、
前記火災判断手段は、前記クラスの直線性に基づく前記煙による特徴的な所定の変化の検知として、前記クラスの移動軌跡の始点及び終点を結ぶ直線に対する各クラスのぶれ量に基づき前記煙による特徴的な所定の変化を検知することを特徴とする煙の検出装置。
- 請求項1又は2記載の煙の検出装置に於いて、
所定の手段により煙の可能性が高いと判断した場合に、前記クラス追跡手段で処理する画像を増加させることを特徴とする煙の検出装置。
- 撮像手段により、監視領域の画像を逐次撮像し、
クラス追跡手段により、前記撮像手段で撮像された画像毎に、画像中の煙領域の重心を求めてクラスを配置する処理を繰り返し、配置された前記クラスを追跡して前記クラスの移動軌跡を検出し、
火災判断手段により、前記クラス追跡手段で検出された前記クラスの移動軌跡から煙による特徴的な所定の変化を検知して煙と判断し、
前記火災判断手段は、前記煙による特徴的な所定の変化を前記クラスの移動軌跡の直線性に基づき検知し、前記クラスの移動軌跡が所定の非直線性条件を充足して上昇している場合には前記煙による特徴的な所定の変化と検知することを特徴とする煙の検出方法。
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