JP5644709B2 - コークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置装置及び配置方法と、調整用耐火煉瓦及びその装入冶具 - Google Patents

コークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置装置及び配置方法と、調整用耐火煉瓦及びその装入冶具 Download PDF

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Description

本発明は、コークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置装置及び配置方法と、調整用耐火煉瓦及びその装入冶具に関し、具体的には、コークス炉燃焼室炉底部に位置するガス開口部からのガスの吐出方向、吐出速度さらには吐出量等を変更してコークス炉の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦と、その装入治具、配置装置及び配置方法とに関する。
図7は、室炉式コークス炉0の燃焼室1、炭化室2及び蓄熱室3の位置関係を炉団方向(炉幅方向)について示す説明図である。同図に示すように、室炉式コークス炉0は、基本的に燃焼室1、炭化室2及び蓄熱室3から構成される。一般的に、室炉式コークス炉0は、燃焼室1と炭化室2とが交互に50列前後並列に配置され、その下部に燃料ガスと燃焼用空気を予熱するための蓄熱室3が配置された構造を有する。
燃焼室1では、蓄熱室3を上部方向へ流れてきた燃料ガス及び燃焼用空気が混合されて燃焼する。この燃焼熱によって、炭化室2に装入された石炭は、炭化室2と燃焼室1を仕切る煉瓦壁18を介して間接的に加熱され、乾留される。なお、炭化室2の一般的な寸法は、幅400〜500mm、高さ4000〜7500mm、長さ13000〜17000mmである。
図8は、燃焼室1における燃焼状態及び排気ガスの流れを炉長方向について示す説明図である。各列の燃焼室1は、炉長方向(炭化室2の長さ方向)に30区画程度に区分された燃焼室1から構成される。
燃焼室1での燃焼形態は炉型式によっても異なるが、最も一般的な炉型式は、図8に示すように、隣接する二つの燃焼室1a、1bが、上方部1cを除いて、燃焼室仕切煉瓦壁4により隔てられた構造を有する。隣接する二つの燃焼室1a、1bが一対をなし、一方の燃焼室1aでガス燃焼が行われ、発生した排ガスは前述の仕切られていない上方部1cを通り、他方の燃焼室1bへ引き落とされ、燃料ガスと燃焼用空気が通ってきた蓄熱室3とは別の蓄熱室3を通りながら蓄熱煉瓦19との熱交換を経て、煙道20を通ってから煙突から大気排出される。このガス流れは、炭化室2内の石炭への熱授与を均一にするとともに熱効率を高めるため、通常20〜30分間毎に逆方向へ切り替えられる。
室炉式コークス炉0の個別の燃焼室1内における燃焼形態は、単段燃焼方式と多段燃焼方式とに大別される。単段燃焼方式は、燃焼室1の炉底部にのみ燃料ガスと燃焼用空気の吐出口5(ポート)が設置される方式であり、多段燃焼方式は、一般的には燃料ガスを炉底部で一括して吐出し、燃焼用空気をポート高さ方向に複数段に設けて吐出することによって分割燃焼させる方式である。
コークス炉の操業では、極力少ない熱量を用いて均一な品質のコークスを安定して製造することが最も重要である。しかし、実際のコークス炉、特に単段燃焼方式の炉では、大部分の燃料ガス及び燃焼用空気は燃焼室1の炉底部から燃焼室1内へ供給されるために炉底部1dにおいて燃料ガスと燃焼用空気の混合が促進され、これにより、炉底部1dの温度が高くなるとともに炉上部1eの温度が低くなるという上下方向での温度偏差が生じ易く、顕著な場合にはこの温度偏差は100℃以上にも達する。
このような温度偏差が発生すると、温度の低い炉上部1eでの乾留を完了させるために、温度の高い炉底部1dにとっては余剰となる多量の熱量を投入する必要が生じ、省エネルギーの面から好ましくない。また、乾留温度の違いは、コークス品質のバラつきを誘発する。さらに、炉底部1dのコークスが過剰な高温で乾留されることにより乾留中の亀裂生成が顕著となってコークス粒径が低下し、コークスの押出性に悪影響を及ぼすことも懸念される。
また、品質のバラつき抑制という点からは、コークス炉0の炉長方向の温度分布調整も重要である。コークス炉0の炉幅は、コークス押出性を良好にするために押出側よりも排出側が70mmほど広く設定されているため、炭中部まで乾留を同時に進行させるには、排出側の燃焼室1ほど温度を高くする必要がある。
このような観点から、コークス炉0の燃焼室1内の燃焼状況を制御するための様々な手法が提案されている。
図9は、燃焼室1の炉底部1dの断面形状と、燃料ガス及び燃焼用空気の流れとを示す説明図である。非特許文献1には、図9に示すように、燃焼室1の燃料ガスポート21と燃焼用空気ポート22にスライド可能な調整用耐火煉瓦6(以下「スライド煉瓦」ともいう)を設置し、スライド煉瓦6の位置を調整することによって燃料ガス及び燃焼用空気の混合状態を変化させ、燃焼を調整する発明が開示されている。
また、特許文献1には、単段燃焼方式のコークス炉燃焼室において、燃料ガス及び燃焼用空気の吐出口上部近傍に火炎分布を調節するための調整用耐火煉瓦を配置する発明が開示されている。
特開昭61−47790号公報
木村英雄、藤井修冶共著「石炭化学と工業」三共出版株式会社(1977)、282頁
非特許文献1により開示された発明を実施するには、例えば平坦な形状の先端を有する鋼製棒状冶具を、図7に示す炉頂部1fの燃焼室覗き孔12から装入し、図9に示すスライド煉瓦6の隙間23に差し込みながらスライド煉瓦6の位置を少しずつずらして調整する必要がある。しかし、煉瓦面同士の摩擦や固着によりスライド煉瓦6の移動は容易でない。
また、十数mmという微細な移動を、スライド煉瓦6から上方へ4000〜7500mm程度離れた非常に高い場所である炉頂部1fから行うことや燃焼室1の内部は1000℃を超える熱間状態であるため、スライド煉瓦6の移動作業を迅速に完了できない場合には、移動作業の途中で長尺の鋼製棒状治具が熱変形して曲がってしまい、スライド煉瓦6を移動させるための力を伝達できなくなるおそれがある。
さらに、最も懸念されるのは、スライド煉瓦6を移動させる際に少しでも力のかけ方を誤ると、スライド煉瓦6が倒れて蓄熱室3に通ずるダクト内に落下したり、あるいはスライド煉瓦6が割損することである。スライド煉瓦6の落下や割損が発生すると、このスライド煉瓦6を炉頂部1fから取り出すことは不可能であり、さらにダクトが閉塞した場合には燃料ガスや燃焼用空気の供給が大幅に低下したり、最悪の場合には全く供給されないこととなり、コークス炉0の操業に対し甚大な影響を及ぼす。
このため、非特許文献1により開示された発明を実施するために必要なスライド煉瓦6の移動作業は、高い習熟度を必要とする難作業であり、その実施は容易ではない。
一方、特許文献1では、火炎を調整するための調整用耐火煉瓦の設置は、炉頂部1fの燃焼室覗き孔12から挟持して垂下することによって行うことができるとされている。しかし、炭化室2の高さである4000〜7500mmよりも高い場所から調整用耐火煉瓦を挟み込みによって入れることは実際には容易ではなく、万一設置の途中で調整用耐火煉瓦を落下させてしまうと、落下の衝撃により燃焼室1の炉底部1dを損傷するばかりか、非特許文献1により開示された方法と同様に、調整用耐火煉瓦が蓄熱室3へ通ずるダクト内に落下してしまう可能性がある。
また、燃焼室覗き孔12の直径は100mm程度しかないため、調整用耐火煉瓦を挟みこむ冶具を装入するために必要となる空間を勘案すると、燃焼室覗き孔12から挿入できる調整用耐火煉瓦の大きさが不可避的に相当程度制約される。
さらに、数十年間にわたるコークス炉の操業において、火炎調整を異なった条件に変更して設定する必要が生じた場合、燃焼室1の炉底部1dに設置されている調整用耐火煉瓦を挟持して取り出すことは、設置時よりも落下等のトラブルを誘発するおそれが高く、その実施は困難である。
さらに、非特許文献1や特許文献1により開示された調整用耐火煉瓦の移動作業や設置作業を、現実に操業中のコークス炉で行うには、上述した調整用耐火煉瓦の転倒や落下の防止もさることながら、これらの作業を簡便に行うことができることも極めて重要になる。
なぜならば、例えば、炭化室2の数が100門(50門×2炉団)で構成されるコークス0において燃焼室列が30の燃焼室1からなる場合、端部の燃焼室列を含み総燃焼室1の数は{(50+1)×2×30}=3060となるため、調整用耐火煉瓦の移動作業や設置作業が簡便でないと、このような膨大な数の燃焼室1に対してこれらの作業を行うことは事実上不可能になるからである。
これに加え、上述したようにこれらの作業は、極めて繊細な作業であるために限られた習熟者にしか実施できない難作業であり、作業者の経験の積み重ねと技能の伝承に多大な労力及び時間が必要になり、その実施は容易ではない。
本発明の目的は、コークス炉の燃焼室の炉底部における燃料ガス及び燃焼用空気の吐出口の近傍に、燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、調整用耐火煉瓦の落下や割損を伴うことなく、簡便、容易、確実かつ迅速に配置することができる技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、コークス炉の燃焼室の炉底部に位置する開孔部からのガスの吐出方向、吐出速度さらには吐出量等を変更してコークス炉の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を燃焼室の炉底部に設置する際に、特殊な形状及び動作機構を有する調整用耐火煉瓦の装入治具によって、この装入冶具に対応した特殊な形状を有する調整用耐火煉瓦を、掛止して吊り上げた後にコークス炉の炉頂部の燃焼室覗き孔から吊り下げて燃焼室内に装入することによって、調整用耐火煉瓦を、落下や割損を伴うことなく、簡便、容易、確実かつ迅速に配置することができるようになることを想到し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、コークス炉の燃焼室の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、調整用耐火煉瓦の装入治具により掛止して吊り上げ、燃焼室に連通して燃焼室の上部に穿設された燃焼室覗き孔から吊り下ろして燃焼室の内部に装入し、燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の配置装置であって、
装入治具は、長尺の持ち手部と、持ち手部の下方に配置される掛止部とを備え、
掛止部は、直線状に延びる本体部、及びこの本体部の下部に設けられて水平面内で180度回転した位置で調整用耐火煉瓦に掛止する特定形状部を有し、
本体部は、持ち手部の長手方向と略平行な方向、及びこの長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在に持ち手部に支持され、かつ
持ち手部の長手方向への長さと、本体部が長手方向と略平行な方向へ延在する場合における掛止部の長手方向への長さとの和は、燃焼室の内部の高さと燃焼室覗き孔の深さとの和よりも大きいとともに、
調整用耐火煉瓦は、治具貫通孔と特定形状部収容空間とを内蔵し、
治具貫通孔は、調整用耐火煉瓦の重心位置を境として調整用耐火煉瓦の最大長さ方向の一方の側に偏って、かつ本体部が長手方向と略平行な方向へ延在する場合における掛止部が出し入れ可能となるように穿設され、かつ
特定形状部収容空間は、治具貫通孔に連通し、かつ掛止部が治具貫通孔に挿設された状態で本体の延設方向回りに回転する特定形状部を収容して特定形状部に掛止すること
を特徴とするコークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置装置である。
別の観点からは、本発明は、コークス炉の燃焼室の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、調整用耐火煉瓦の装入治具を用いて燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の配置方法であって、
装入治具は、長尺の持ち手部と、持ち手部の長手方向と略平行な方向、及びこの長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在に持ち手部に支持され、かつ直線状に延びる本体部、及び本体部に設けられて水平面内で180度回転した位置で調整用耐火煉瓦に掛止する鉤型形状部を有し、かつ持ち手部の先端に配置される掛止部とを備えるとともに、調整用耐火煉瓦は、重心位置を境として最大長さ方向の一方の側に偏って、かつ本体部が長手方向と略平行な方向へ延在する場合における掛止部が出し入れ可能となるように穿設される治具貫通孔と、治具貫通孔に連通し、かつ掛止部が治具貫通孔に挿設された状態で本体の延設方向回りに回転する特定形状部を収容して特定形状部に掛止する特定形状部収容空間とを内蔵し、かつ
燃焼室の炉頂部において、本体部を長手方向と略平行な方向へ延在させた状態における掛止部を、治具貫通孔の内部に挿設した後に、掛止部を本体の延設方向回りに回転して特定形状部を調整用耐火煉瓦に掛止させることによって、装入治具を調整用耐火煉瓦に掛止して吊り上げ、
調整用耐火煉瓦を、燃焼室に連通して燃焼室の上部に穿設された燃焼室覗き孔から吊り下ろして燃焼室の内部に装入し、装入治具をさらに下ろすことにより、調整用耐火煉瓦を燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置した後に、
掛止部を本体の延設方向回りに回転するとともに、装入治具を引き上げることによって、特定形状部を調整用耐火煉瓦から外すこと
を特徴とするコークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置方法である。
別の観点からは、本発明は、長尺の持ち手部と、持ち手部の先端に配置される掛止部とを備え、コークス炉の燃焼室の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、掛止して吊り上げ、燃焼室に連通して燃焼室の上部に穿設された燃焼室覗き孔から吊り下ろして該燃焼室の内部に装入し、燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の装入冶具であって、
掛止部は、直線状に延びる本体部、及び本体部に設けられて水平面内で180度回転した位置で調整用耐火煉瓦に掛止する特定形状部を有し、
本体部は、持ち手部の長手方向と略平行な方向、及びこの長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在となるように持ち手部に支持され、かつ
持ち手部の長手方向への長さと、本体部が長手方向と略平行な方向へ延在する場合における掛止部の長手方向への長さとの和は、燃焼室の内部の高さと燃焼室覗き孔の深さとの和よりも大きいこと
を特徴とする調整用耐火煉瓦の装入冶具である。
さらに別の観点から、本発明は、長尺の持ち手部と、持ち手部の長手方向と略平行な方向、及びこの長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在となるように持ち手部に支持され、かつ直線状に延びる本体部、及び本体部に設けられて水平面内で180度回転した位置で調整用耐火煉瓦に掛止する特定形状部を有する掛止部とを備える調整用耐火煉瓦の装入治具により掛止されて吊り上げられ、コークス炉の燃焼室に連通して燃焼室の上部に穿設される燃焼室覗き孔から吊り下ろされて燃焼室の内部に装入され、燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置されることによって、燃焼室の燃焼状況を制御する調整用耐火煉瓦であって、
調整用耐火煉瓦は、治具貫通孔と特定形状部収容空間とを内蔵し、
治具貫通孔は、調整用耐火煉瓦の重心位置から調整用耐火煉瓦の最大長さ方向の一方の側の位置に偏って、かつ本体部が長手方向と略平行な方向へ延在する場合における掛止部を出し入れ可能に穿設され、かつ
特定形状部収容空間は、治具貫通孔に連通し、かつ掛止部が治具貫通孔に挿設された状態で本体の延設方向回りに回転する特定形状部を収容して特定形状部を掛止すること
を特徴とする調整用耐火煉瓦である。
これらの本発明では、特定形状部は、鉤型に屈曲する鉤型形状部であることが望ましい。
本発明により、コークス炉の燃焼室における、燃料ガス及び燃焼用空気の吐出口の上部近傍に、燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、落下や割損を伴うことなく、簡便、容易、確実かつ迅速に配置することができる。従来の技術での懸念事項であった燃焼室の炉底部のガス吐出調整用のスライド煉瓦あるいは調整用耐火煉瓦の落下による燃焼室の破損や吐出孔詰まりによる操業及び炉体への悪影響を回避できるとともに、少ない工数での柔軟な対応を実現することができる。
図1は、本発明に係る調整用耐火煉瓦の装入冶具の先端を示す説明図であり、図1(a)は調整用耐火煉瓦の装入冶具の先端を立体的に示す斜視図であり、図1(b)は掛止部を伸ばした状態を示す説明図であり、図1(c)は掛止部を90度曲げた状態を示す説明図である。 図2は、本発明に係る調整用耐火煉瓦の形状の一例を示す説明図であり、図2(a)は斜視図であり、図2(b)は平面図であり、図2(c)は側面図であり、図2(d)は正面図である。 図3(a)〜図3(c)は、調整用耐火煉瓦の配置装置の装入冶具を用いて燃焼室覗き穴から調整用耐火煉瓦を装入して設置する状況を示す説明図である。 図4は、調整用耐火煉瓦の装入治具を用いて燃焼室覗き穴から、燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置された調整煉瓦を引き上げる状況を示す説明図である。 図5は、燃焼室底部仕切煉瓦壁におけるサーキュレーション孔を示す鳥瞰図である。 図6(a)は、製作した模擬燃焼室の炉底部の平面図であり、図6(b)は炉底部の断面図である。 図7は、室炉式コークス炉の燃焼室、炭化室及び蓄熱室の位置関係を炉団方向(炉幅方向)について示す説明図である。 図8は、燃焼室における燃焼状態及び排気ガスの流れを炉長方向について示す説明図である。 図9は、燃焼室の炉底部の断面形状と、燃料ガス及び燃焼用空気の流れとを示す説明図である。
以下、コークス炉の燃焼室の炉底部における、燃焼制御用の調整用耐火煉瓦の装入及び取り出しの作業を例に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以降の説明では、特定形状部が、鉤型に屈曲する鉤型形状部である場合を例にとるが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、特定形状部は、水平面内で180度回転した位置で調整用耐火煉瓦に掛止することが可能であればよく、特定の形状には限定されない。
図1は、本発明に係る調整用耐火煉瓦の装入冶具24の先端を示す説明図であり、図1(a)は装入冶具24の先端を立体的に示す斜視図であり、図1(b)は掛止部7を伸ばした状態を示す説明図であり、図1(c)は掛止部7を90度曲げた状態を示す説明図である。
図1(a)〜図1(c)に示すように、装入冶具24は、長尺の持ち手部8と、持ち手部8の先端に配置される掛止部7と、これらを回動自在に接続する関節部9とを有する。関節部9は、掛止部7の先端から末端方向(持ち手部8方向)へ向かった任意の1点に設けられる。
掛止部7は、直線状に延びる本体部7aと、本体部7aに対して鉤型に略90度屈曲して設けられる鉤型形状部7bとを有する。鉤型形状部7bは、後述する調整用耐火煉瓦(以下、「調整煉瓦」と略記する)に掛止する。このように、掛止部7は、全体として、垂直に近い鉤型をなすように一方向へ屈曲した形状を有する。
本体部7aは、図1(b)に示すように持ち手部8の長手方向と略平行な方向、及び図1(c)に示すように持ち手部8の長手方向と交差する方向(図示例では直交する方向)の2方向の間で回動自在となるように、持ち手部8に軸支される。
装入冶具24は、図7に示すコークス炉0の炉高4000〜7500mmよりも高い位置である炉頂部1fにおいて、コークス炉の燃焼室1の燃焼状況を制御するための調整煉瓦を掛止して吊り上げ、燃焼室1に連通して燃焼室の上部に穿設された、直径100mm程度の燃焼室覗き孔12から吊り下ろして燃焼室1の内部に装入し、燃焼室1の炉底部1dに設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する装入作業や、この位置に配置された調整煉瓦の取出し作業に用いられる。
このため、持ち手部8は、長尺であること、具体的には、炉高以上の長さを有することが必要である。例えば、持ち手部8の長手方向への長さと、本体部7aが持ち手部8の長手方向と略平行な方向へ延在する場合(図1(b)参照)における掛止部7の長手方向への長さとの和は、燃焼室1の内部の高さと燃焼室覗き孔12の深さとの和よりも大きいことが望ましい。
装入冶具24の運搬や収納を考慮した場合、持ち手部8の長手方向の複数の位置に適宜関節機構を設け、持ち手部8の折り畳みが可能な構造としてもよい。これにより、装入治具24のハンドリング性が向上する。
また、略棒状をなす装入冶具24は、1000℃以上にも達する燃焼室1内へ装入されるために頑強さが要求されるが、持ち手部8の外法を過剰に大きく設定すると、大重量となって装入冶具24のハンドリング性が悪化する。また、冶具先端部分は燃焼温度が最も高くなる燃焼室下部に滞在する時間が長くなるため、特に耐熱性が必要とされる。このように、ハンドリング性や耐熱性の観点からは、冶具をステンレス製とすることが望ましく、持ち手部8はステンレス鋼製であることが好ましく、持ち手部8が円形の横断面形状を有する場合の実用的な外径は10〜20mm程度であることが好ましい。
装入冶具24は以上のように構成される。次に、本発明に係る調整煉瓦を説明する。
図2は、本発明に係る調整煉瓦25の形状の一例を示す説明図であり、図2(a)は燃焼室1の炉底部1dに設置した際に上面となる面25aからの斜視図であり、図2(b)は平面図であり、図2(c)は側面図であり、図2(d)は正面図である。
調整煉瓦25は、図1(a)〜図1(c)を参照しながら説明した装入治具24により掛止されて吊り上げられ、コークス炉0の燃焼室1に連通して燃焼室1の炉上部に穿設された燃焼室覗き孔12から吊り下ろされて燃焼室1の内部に装入され、燃焼室1の炉底部1dに設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置されることによって、燃焼室1の燃焼状況を制御するためのものである。
図2(a)〜図2(d)に示すように、調整煉瓦25は、治具貫通孔10と鉤型形状部収容空間11とを内蔵する。
図2(a)〜図2(d)に示す治具貫通孔10が、調整煉瓦25の一つの平面25aに略直交する方向(煉瓦の厚み方向)へ向けて、穿設されている。
また、治具貫通孔10は、調整煉瓦25の重心位置25eから調整煉瓦25の最大長さ方向(図2(b)及び図2(c)における左右方向)の一方の側の位置に偏って設けられる。これにより、後述するように装入治具24により掛止されて吊り上げられた調整煉瓦25は、後述する図3(b)及び図3(c)に示すように、自らに作用する重力によって傾斜した状態となり、直径100mm程度の燃焼室覗き孔12の内部を通過することが可能になる。
さらに、治具貫通孔10は、掛止部7の本体部7aが持ち手部8の長手方向と略平行な方向へ延在する装入冶具24(図1(a)及び図1(b)に示す状態)であって、かつ鉤型形状部7bの先端が調整煉瓦25の重心位置25e側を指向するように挿設される掛止部7を出し入れ可能となるように、図2(a)及び図2(b)に示すように水平断面形状が鍵穴形状になるように穿設される。しかし、これとは反対に、治具貫通孔10は、鉤型形状部7bの先端が調整煉瓦25の重心位置25e側を指向するように挿設される掛止部7を出し入れ可能となるように、穿設されていてもよい。
また、図2(a)〜図2(d)に示す鉤型形状部収容空間11は、治具貫通孔10に連通して調整煉瓦25の内部底部に設けられる。鉤型形状部収容空間11は、掛止部7が治具貫通孔10に挿設された状態で本体7aの延設方向回りに回転した場合に鉤形形状部7bを収容することができる円柱型の空間であって、この空間11内に収容された鉤形形状部7を掛止するためのものである。上述した装入冶具24の掛止部7を、治具貫通孔10の内部に挿設した後にこの掛止部7を例えば180度回転することにより、掛止部7は装入冶具24に掛止する。
なお、本例では冶具貫通孔10の水平断面形状は鍵穴形状とするとともに鉤型形状部収容空間11は円柱型の空間としたが、各々の形状はこれらに限定されるものではなく、掛止部7の治具貫通孔10の内部への挿設及び掛止部7の水平面内での180度の回転によって掛止部7を装入冶具24に掛止可能な形状であればよく、適宜変更可能である。例えば、鉤型形状部7bに替えて、特定形状部が二等辺三角形の板状部材であって、かつ特定形状部収容空間11がこの板状部材が水平面内で180度旋回した場合の移動空間を収容できる区間であることが例示される。
治具貫通孔10及び鉤型形状部収容空間11を内蔵する調整煉瓦25は、慣用される適宜手段により製造すればよく、例えば、外形(直方体形)は木で枠をつくり、内部の貫通孔や鉤型形状部収容空間11などの複雑な部分は、その空間形状に対応したスペーサーを設けて、煉瓦原料を流し込み、乾燥後に枠およびスペーサーを取り外してから焼成し、製造することが例示される。
本発明に係る装入冶具24及び調整煉瓦25は、以上のように構成される。後述する図3(a)〜図3(c)に示すように、本発明に係る調整煉瓦の配置装置26は、本発明に係る装入冶具24及び調整煉瓦25をともに備えるものであって、必要に応じて、装入冶具24を支持するクレーンやホイスト等をさらに備えていてもよい。
次に、配置装置26の装入冶具24を用いた調整煉瓦25の装入方法及び取出し方法を説明する。
図3(a)〜図3(c)は、配置装置26の装入冶具24を用いて燃焼室覗き穴12から調整煉瓦25を装入して設置する状況を示す説明図である。
はじめに、図3(a)に示すように、図7における燃焼室1の炉頂部1fにおいて、装入冶具24の本体部7aを持ち手部8の長手方向と略平行な方向へ延在させた状態における掛止部7を(図1(a)参照)、その先端が治具貫通孔10の底部に到達するまで、治具貫通孔10の内部に挿入して設置する。
このようにして装入冶具24の掛止部7を治具貫通孔10へ挿入した後、装入冶具24の掛止部7及び持ち手部8の中心軸Aを回転軸として、掛止部7及び持ち手部8を挿入時の位置から180°回転させる。これにより、掛止部7の最先端の鉤型形状部7bも鉤型形状部収容空間11内を180°回転し、鉤型形状部7bの上面が鉤型形状部収容空間11の天井面に引っ掛かる。このようにして、装入冶具24が調整煉瓦25に掛止する。
この後、装入冶具24の持ち手部8を上方へ引き上げると、上述したように治具貫通孔10は調整煉瓦25の重心位置25eから調整煉瓦25の最大長さ方向(図2(b)及び図2(c)における左右方向)の一方の側の位置に偏って設けられるため、調整煉瓦25の鉤型形状部収容空間11に鉤型形状部7bが掛止した掛止部7は、調整煉瓦25に作用する重力によって関節部9を回動中心として回動し、図3(b)の(i)に示すように傾斜した状態となる。なお、調整煉瓦25の傾き方は、調整煉瓦25の重心位置25eによる。
次に、図3(b)の(i)に示すように傾斜状態で吊り下げられた調整煉瓦25を、装入冶具24により懸吊して炉頂部1fの燃焼室覗き孔12の上方へ搬送し、図3(c)に示すように、燃焼室覗き孔12から調整煉瓦25を装入する。
燃焼室覗き孔12の径は通常100mm程度であるが、装入冶具24は、持ち手部8の先端に関節部9を備えるため、挿入時(装入冶具24による懸吊時)の調整煉瓦25を図3(c)に示すように傾斜状態で支持して搬送することができる。
このため、調整煉瓦25の設置部25bの表面積が燃焼室覗き孔12の断面積よりも大きい場合であっても、調整煉瓦25の最小面積の面25cを上にして、燃焼室覗き孔12の内部を搬送することが可能になる。
次に、図3(c)に示す状態で調整煉瓦25を降下させ続け、調整煉瓦25の一角25dを燃焼室1の炉底部1dに到達させる。
なお、図3(b)の(i)は、上述したように炉頂部1fにおいて調整煉瓦25を装入冶具24により懸吊した状態を示すが、調整煉瓦25の一角25dが燃焼室1の炉底部1dに到達した場合にも全く同じ状況となるので、以降の説明では、図3(b)の(ii)及び(iii)のみならず図3(b)の(i)も、燃焼室1の炉底部1dに調整煉瓦25を設置する状況を示す説明図としても用いることとする。
図3(b)の(i)に示すように、調整煉瓦25の一角25dを、燃焼室1の炉底部1dの所望の位置に設置させ、装入冶具24の持ち手部8をさらに降下させると、図3(b)の(ii)に示すように、調整煉瓦25は一角25dを回転中心として徐々に回転しながら倒れて行くとともに、これに応じて、これまで屈曲していた関節部9も徐々に伸びていく。
図3(b)の(iii)に示すように、装入冶具24の持ち手部8をさらに降下させることにより、調整煉瓦25を燃焼室1の炉底部1dに円滑に配置することができる。
そして、装入冶具24の持ち手部8の位置を水平面内で適宜移動することによって調整煉瓦25の位置を微調整した後、装入冶具24の掛止部7及び持ち手部8の中心軸Aを回転軸として、掛止部7及び持ち手部8をこの時の位置から水平面内で180°回転することにより、掛止部7の鉤型形状部7bと調整煉瓦25との掛止が開放される。この後に、装入冶具24の持ち手部8及び掛止部7を上昇することにより、装入冶具24を調整煉瓦25から抜き取ることができる。
以上のようにして、装入治具24を用いて、調整煉瓦25を、燃焼室1に連通して燃焼室1の上部に穿設された燃焼室覗き孔12から吊り下ろして燃焼室1の内部に装入し、装入治具24をさらに下ろすことにより、調整煉瓦25を燃焼室1の炉底部1dに設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置することができる。
図4は、装入治具24を用いて燃焼室覗き穴12から、燃焼室1の炉底部1dに設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置された調整煉瓦25−1を引き上げる状況を示す説明図である。
調整煉瓦25−1を燃焼室覗き穴12から取り出す場合は、基本的に、調整煉瓦25−1を装入する場合の逆の操作となる。
図4に示す例では、500mm近い幅を有する燃焼室13の内部において、斜めに傾いている調整煉瓦25−1を、100mm程度の内径の燃焼室覗き穴12まで誘導するために、図4に示すように略垂直に近い傾斜状態の調整煉瓦25−2となるまで、調整煉瓦25−1の姿勢を調整する必要がある。
そこで、例えば、燃焼室覗き穴12より径が若干小さい半円状の鋼製のガイド14を、燃焼室覗き穴12の内部に装入して配置し、調整煉瓦25−1の下部の点15を支点としガイド14に押し当てながら装入治具24−1を引き上げること等により、整煉瓦25−1の姿勢を調整すればよい。
以上の説明では、調整煉瓦25−1を押し当てるために半円状の鋼製のガイド14を用いた場合を例にとったが、本発明はこのガイド14に限定されるものではなく、調整煉瓦25−1の姿勢を調整することができるものであれば、その形状や材質は任意に選択可能である。
以上は、燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の配置装置および配置方法の説明であったが、同じく燃焼室炉底部への耐火煉瓦設置による燃焼調整という観点においては、以下のような用途にも適用可能である。
図8に示す燃焼室内の炉高方向温度偏差を抑制するための炉体構造として、コッパースサーキュレーション式の炉においては、燃焼室仕切煉瓦壁4の下部を一部分貫通させて、一度燃焼した排ガスを引き落とし側1bから立ち上がり側1aに循環させて、燃焼の緩慢化を図る手法が用いられている。
図5は、燃焼室底部仕切煉瓦壁におけるサーキュレーション孔を示す鳥瞰図である。
燃焼室仕切煉瓦壁4の下部における貫通孔は、サーキュレーション孔と称され、その開口部面積が大きいと排ガス循環率(サーキュレーション率)が高くなることで火炎長が長くなり、燃焼室上部がより加熱されやすくなる。サーキュレーション孔の面積は、炉体構造設計の段階で決まるもので操業開始後に変更することはできないため、たとえば燃焼室上部が加熱されすぎる燃焼特性を示した場合は、天井部へのカーボン付着等の操業阻害要因への対応に多大な労力を割かれることとなる。
そこで、先に述べた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の配置装置および配置方法を適用し、サーキュレーション孔が適正な面積になるように設計した調整用耐火煉瓦をサーキュレーション孔の手前に設置することによって、本来ならば不可能である操業開始後のサーキュレーション孔の面積の調整が可能となる。
本発明の有用性を確認するため、模擬燃焼室を製作し、調整煉瓦の配置の作業性を確認した。図6(a)は、製作した模擬燃焼室27の炉底部28の平面図であり、図6(b)は炉底部の断面図である。
実在のコークス炉とほぼ同じ寸法となるように、燃焼室覗き穴の炉頂部から燃焼室28の炉底部28までの高さは約7500mmとし、燃焼室覗き孔の直径は120mmとした。本実施例では、燃焼室覗き孔12を介して装入する調整煉瓦は、燃料ガスポート16と燃焼用空気ポート17の中心部にあるポート調整煉瓦設置位置29に設置する。
本実施例では、表1に条件を示す作業を行い、作業性に対する評価を行った。本発明による調整煉瓦25の設置作業に対し、スライド煉瓦6を40mm中央部方向へ移動させる作業を比較例1とし、調整煉瓦25の設置を挟持垂下により行う作業を比較例2とした。いずれの作業も10回繰り返して実施した。また、比較例1、2の作業では熟練者と未経験者の場合を設定した。
Figure 0005644709
結果を表2に示す。
Figure 0005644709
比較例1においては、熟練者の場合(比較例1−1)でも作業を成功させることができたのは10回中8回であり、成功した場合の1回あたりの作業時間は約2分であった。未経験者の場合(比較例1−2)では4回しか成功せず、しかも作業時間は熟練者の1.5倍以上を要した。また、失敗した場合においては10分以上試行錯誤した場合もあり、実際に作業に要した時間は成功時に比較し非常に過大なものとなった。
比較例2においては、熟練者(比較例2−1)においても調整煉瓦25の装入は難しく、装入中に4回落下させてしまった。落下した調整煉瓦25はダクト内へこそ落ちなかったものの、鋏で拾い上げて所望の位置に設置し直すことはできなかった。なお、未経験者(比較例2−2)においては7回も調整煉瓦25を落下させてしまう結果となった。
これに対し、本発明例は、作業者は未経験者のみであったが、調整煉瓦25を一度も落下させることなく作業は10回とも成功し、さらに比較例の熟練者(比較例1−1、2−1)よりも大幅に短い作業時間での実施が可能であった。
操業中の実在のコークス炉において、実施例1において述べた比較例1−1及び本発明例の手法を用いて、スライド煉瓦6、調整煉瓦25の配置作業を実施した。各手法につき1燃焼室列を対象としたため、実施燃焼室数はそれぞれ30となった。
その結果、実施例1と同様に、本発明例においては1つの失敗も無く迅速に作業を完了させることができた。一方、比較例1−1の手法では本発明例の倍近い時間を要したばかりか、スライド煉瓦6を2回倒してしまった。
これらの実施例より、燃焼室の炉高方向の温度偏差の緩和について同等の効果を得るにあたり、本発明例は従来法に比較し、その目的を迅速、確実かつ簡易に実施することができる手法であることが示された。
0 室炉式コークス
1、1a、1b 燃焼室
1c 上方部
1d 炉底部
1e 炉上部
1f 炉頂部
2 炭化室
3 蓄熱室
4 燃焼室仕切煉瓦壁
5 吐出口
6 スライド可能な調整用耐火煉瓦(スライド煉瓦)
7 掛止部
7a 本体部
7b 鉤型形状部
8 持ち手部
9 関節部
10 治具貫通孔
11 鉤型形状部収容空間
12 燃焼室覗き孔
14 ガイド
15 下部の点
16 燃料ガスポート
17 燃焼用空気ポート
18 煉瓦壁
19 蓄熱煉瓦
20 煙道
21 燃料ガスポート
22 燃焼用空気ポート
23 隙間
24、24−1、24−2 本発明に係る装入冶具
25、25−1、25−2 本発明に係る調整煉瓦
25a 上面となる面
25b 設置部
25c 最小面積の面
25d 一角
25e 重心位置
26 本発明に係る配置装置
27 模擬燃焼室
28 炉底部
29 ポート調整煉瓦設置位置

Claims (8)

  1. コークス炉の燃焼室の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、調整用耐火煉瓦の装入治具により掛止して吊り上げ、前記燃焼室に連通して該燃焼室の上部に穿設された燃焼室覗き孔から吊り下ろして該燃焼室の内部に装入し、該燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の配置装置であって、
    前記装入治具は、長尺の持ち手部と、該持ち手部の下方に配置される掛止部とを備え、
    前記掛止部は、直線状に延びる本体部、及び該本体部の下部に設けられて水平面内で180度回転した位置で前記調整用耐火煉瓦に掛止する特定形状部を有し、
    前記本体部は、前記持ち手部の長手方向と略平行な方向、及び該長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在に前記持ち手部に支持され、かつ
    前記持ち手部の長手方向への長さと、前記本体部が前記長手方向と略平行な方向へ延在する場合における前記掛止部の該長手方向への長さとの和は、前記燃焼室の内部の高さと前記燃焼室覗き孔の深さとの和よりも大きいとともに、
    前記調整用耐火煉瓦は、治具貫通孔と特定形状部収容空間とを内蔵し、
    前記治具貫通孔は、前記調整用耐火煉瓦の重心位置を境として該調整用耐火煉瓦の最大長さ方向の一方の側に偏って、かつ前記本体部が前記長手方向と略平行な方向へ延在する場合における前記掛止部が出し入れ可能となるように穿設され、かつ
    前記特定形状部収容空間は、前記治具貫通孔に連通し、かつ前記掛止部が前記治具貫通孔に挿設された状態で前記本体の延設方向回りに回転する前記特定形状部を収容して該特定形状部に掛止すること
    を特徴とするコークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置装置。
  2. 前記特定形状部は、鉤型に屈曲する鉤型形状部である請求項1に記載されたコークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置装置。
  3. コークス炉の燃焼室の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、調整用耐火煉瓦の装入治具を用いて該燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の配置方法であって、
    前記装入治具は、長尺の持ち手部と、該持ち手部の長手方向と略平行な方向、及び該長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在に前記持ち手部に支持され、かつ直線状に延びる本体部、及び該本体部に設けられて水平面内で180度回転した位置で前記調整用耐火煉瓦に掛止する特定形状部を有し、かつ前記持ち手部の先端に配置される掛止部とを備えるとともに、前記調整用耐火煉瓦は、重心位置を境として最大長さ方向の一方の側に偏って、かつ前記本体部が前記長手方向と略平行な方向へ延在する場合における前記掛止部が出し入れ可能となるように穿設される治具貫通孔と、該治具貫通孔に連通し、かつ前記掛止部が前記治具貫通孔に挿設された状態で前記本体の延設方向回りに回転する前記特定形状部を収容して該特定形状部に掛止する特定形状部収容空間とを内蔵し、かつ
    前記燃焼室の炉頂部において、前記本体部を前記長手方向と略平行な方向へ延在させた状態における前記掛止部を、前記治具貫通孔の内部に挿設した後に、前記掛止部を前記本体の延設方向回りに回転して前記特定形状部を前記調整用耐火煉瓦に掛止させることによって、前記装入治具を前記調整用耐火煉瓦に掛止して吊り上げ、
    該調整用耐火煉瓦を、前記燃焼室に連通して該燃焼室の上部に穿設された燃焼室覗き孔から吊り下ろして該燃焼室の内部に装入し、前記装入治具をさらに下ろすことにより、前記調整用耐火煉瓦を該燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置した後に、
    前記掛止部を前記本体の延設方向回りに回転するとともに、前記装入治具を引き上げることによって、前記特定形状部を前記調整用耐火煉瓦から外すこと
    を特徴とするコークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置方法。
  4. 前記特定形状部は、鉤型に屈曲する鉤型形状部である請求項3に記載されたコークス炉燃焼室炉底部への調整用耐火煉瓦の配置方法。
  5. 長尺の持ち手部と、該持ち手部の先端に配置される掛止部とを備え、コークス炉の燃焼室の燃焼状況を制御するための調整用耐火煉瓦を、掛止して吊り上げ、前記燃焼室に連通して該燃焼室の上部に穿設された燃焼室覗き孔から吊り下ろして該燃焼室の内部に装入し、該燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置する調整用耐火煉瓦の装入冶具であって、
    前記掛止部は、直線状に延びる本体部、及び該本体部に設けられて水平面内で180度回転した位置で前記調整用耐火煉瓦に掛止する特定形状部を有し、
    前記本体部は、該持ち手部の長手方向と略平行な方向、及び該長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在となるように前記持ち手部に支持され、かつ
    前記持ち手部の長手方向への長さと、前記本体部が前記長手方向と略平行な方向へ延在する場合における前記掛止部の該長手方向への長さとの和は、前記燃焼室の内部の高さと前記燃焼室覗き孔の深さとの和よりも大きいこと
    を特徴とする調整用耐火煉瓦の装入冶具。
  6. 前記特定形状部は、鉤型に屈曲する鉤型形状部である請求項5に記載された調整用耐火煉瓦の装入冶具。
  7. 長尺の持ち手部と、該持ち手部の長手方向と略平行な方向、及び該長手方向と交差する方向の2方向の間で回動自在となるように前記持ち手部に支持され、かつ直線状に延びる本体部、及び該本体部に設けられて水平面内で180度回転した位置で前記調整用耐火煉瓦に掛止する特定形状部を有する掛止部とを備える調整用耐火煉瓦の装入治具により掛止されて吊り上げられ、コークス炉の燃焼室に連通して該燃焼室の上部に穿設される燃焼室覗き孔から吊り下ろされて該燃焼室の内部に装入され、該燃焼室の炉底部に設けられた燃料ガスの吐出口の近傍の所定の位置へ配置されることによって、前記燃焼室の燃焼状況を制御する調整用耐火煉瓦であって、
    該調整用耐火煉瓦は、治具貫通孔と特定形状部収容空間とを内蔵し、
    該治具貫通孔は、該調整用耐火煉瓦の重心位置から該調整用耐火煉瓦の最大長さ方向の一方の側の位置に偏って、かつ前記本体部が前記長手方向と略平行な方向へ延在する場合における前記掛止部を出し入れ可能に穿設され、かつ
    前記特定形状部収容空間は、前記治具貫通孔に連通し、かつ前記掛止部が前記治具貫通孔に挿設された状態で前記本体の延設方向回りに回転する前記特定形状部を収容して該特定形状部を掛止すること
    を特徴とする調整用耐火煉瓦。
  8. 前記特定形状部は、鉤型に屈曲する鉤型形状部である請求項7に記載された調整用耐火煉瓦。
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