JP5644442B2 - 重心位置推定装置、方法、及び入力装置 - Google Patents

重心位置推定装置、方法、及び入力装置 Download PDF

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Description

本発明は、重心位置推定装置、重心位置推定方法、及び入力装置に関し、特に詳しくは、センサに加わる力に基づいて重心位置を推定する重心位置推定装置、重心位置推定方法、及び入力装置に関する。
操作者の重心移動によって、入力を行う入力装置が開示されている(特許文献1、2)。例えば、特許文献1の入力装置では、複数の感圧センサによって、重心位置や重心位置の変化を把握するようにしている。
特開平10−31552号公報 特開平10−225573号公報
しかしながら、感圧センサによって、重心位置を把握しようとすると以下のような問題点がある。操作者が重心を移動しようとする場合、移動方向と反対側の足を蹴り出したり、踏み込んだりする。例えば、操作者が右方向に移動しようとする場合、左足を力強く踏み込むことで、右方向に移動する。この場合、左足側の感圧センサに高い力が加わってしまい、左側に重心が移動していると判断してしまう。このように、特許文献1に記載の方法では、一時的に、実際の重心の移動方向と反対方向に重心が移動していると判断してしまうおそれがある。従って、急激な運動時に、重心位置を正確に求めることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、正確に重心位置を推定することができる重心位置推定装置、重心位置推定方法、及び入力装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる重心位置推定装置は、推定対象の体重移動によって加わる力を検出する複数のセンサと、複数の前記センサからの出力に基づいて、前記推定対象の重心位置の水平加速度を算出する重心位置加速度算出手段と、前記重心位置の水平加速度に基づいて、前記推定対象の重心位置を推定する重心位置推定手段と、を備えるものである。この構成では、水平加速度に基づいて、重心位置を推定しているため、急激な体重移動が合った場合でも正確に重心位置を推定することができる。
本発明の第2の態様にかかる重心位置推定装置は、上記の重心位置推定装置であって、前記重心位置推定手段が、前記重心位置加速度算出手段で算出された重心位置の水平加速度を積分することで、前記重心位置の水平方向速度を算出する重心位置速度算出手段と、複数の前記センサからの出力に基づいて、前記推定対象の重心位置の水平方向加速度を一定値とみなした時の、重心位置の静的重心位置を推定する静的重心位置推定手段と、前記重心位置速度算出手段で算出された前記水平方向速度を前記静的重心位置に収束する値によって補正する重心位置速度補正手段と、前記重心位置速度補正手段によって補正された補正済重心位置速度に基づいて、重心位置を推定する速度重心位置推定手段と、を備えるものである。この構成では、重心位置速度を収束する値によって補正しているため、より正確に重心位置を推定することができる。
本発明の第3の態様にかかる重心位置推定装置は、上記の重心位置推定装置であって、前記センサで検出された力に基づいて、前記推定対象の重心位置の鉛直方向加速度を算出し、前記鉛直方向加速度に応じて、鉛直方向における前記推定対象の重心位置を推定するものである。これにより、鉛直方向における重心位置を正確に推定することができる。
本発明の第4の態様にかかる入力装置は、上記の重心位置推定装置と、前記重心位置推定装置で推定された重心位置に基づいて、入力値を算出する入力値算出手段と、を備えるものである。これにより、正確に推定された重心位置から入力値を算出することができるため、より適切に入力することができる。
本発明の第5の態様にかかる重心位置推定方法は、推定対象の体重移動によって加わる力を複数のセンサで検出するステップと、複数の前記センサからの出力に基づいて、推定対象の重心位置の水平加速度を算出するステップと、前記重心位置の水平加速度に基づいて、推定対象の重心位置を推定するステップと、を備えるものである。この方法では、水平加速度に基づいて、重心位置を推定しているため、急激な体重移動が合った場合でも正確に重心位置を推定することができる。
本発明の第6の態様にかかる重心位置推定方法は、上記の重心位置推定方法であって、前記重心位置を推定するステップでは、前記重心位置の水平加速度を積分することで、前記重心位置の水平方向速度を算出し、複数の前記センサからの出力に基づいて、前記推定対象の重心位置の水平方向加速度を一定値とみなした時の、重心位置の静的重心位置を推定し、前記水平方向速度を前記静的重心位置に収束する値によって補正し、補正された補正済重心位置速度に基づいて、重心位置を推定するものである。この方法では、重心位置速度を収束する値によって補正しているため、より正確に重心位置を推定することができる。
本発明の第7の態様にかかる重心位置推定方法は、上記の重心位置推定方法であって、複数の前記センサで検出された力に基づいて、前記推定対象の重心位置の鉛直方向加速度を算出し、前記鉛直方向加速度に応じて、鉛直方向における前記推定対象の重心位置を推定するものである。これにより、鉛直方向における重心位置を正確に推定することができる。
本発明の第8の態様にかかる重心位置推定装置は、推定対象の体重移動によって加わる力を検出する複数のセンサと、前記推定対象の運動に関する運動方程式を用いて、複数の前記センサからの出力から前記推定対象の重心位置を推定する重心位置推定手段と、を備えるものである。この構成では、運動方程式を用いて、重心位置を推定しているため、急激な体重移動が合った場合でも正確に重心位置を推定することができる。
本発明によれば、正確に重心を推定することができる重心位置推定装置、重心位置推定方法、及び入力装置を提供することができる。
本実施形態にかかる入力装置の構成を模式的に示す図である。 本実施形態にかかる入力装置の処理装置を示すブロック図である。 本実施形態にかかる重心位置推定方法の初期化ルーチンを示すフローチャートである。 本実施形態にかかる重心位置推定方法の演算ルーチンを示すフローチャートである。 本実施形態にかかる重心位置推定方法における信号を示すグラフである。 本実施形態にかかる入力装置を利用した移動体を模式的に示す図である。
本実施の形態にかかる重心位置推定装置は、推定対象の体重移動によって加わる力を検出する複数のセンサと、複数の前記センサからの出力に基づいて、前記推定対象の重心位置の水平加速度を算出する重心位置加速度算出手段と、前記重心位置の水平加速度に基づいて、前記推定対象の重心位置を推定する重心位置推定手段と、を備えている。
以下、本発明に係る重心位置推定装置、及び入力装置の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
実施の形態1.
本実施の形態1にかかる入力装置の構成について図1、及び図2を用いて説明する。図1は、入力装置の構成を模式的に示す図である。図2は、図1で示したセンサからの出力が入力される処理装置を示すブロック図である。本実施の形態にかかる入力装置は、重心移動を入力インターフェースとするゲーム機や、移動手段などのデバイスに対して入力値を与える。本実施の形態にかかる入力装置は、水平方向における操作者50の重心位置を推定し、その推定値に基づいて入力値を算出している。図1に示すように、センサ11と、センサ12と、処理装置20とを有している。まず、図1を用いて、入力装置の全体構成に付いて説明する。
センサ11とセンサ12は、操作者50から加わる力を検出する力センサである。センサ11、12は、例えば、床面に設置されている。このセンサ11、12の上に、重心位置の推定対象である操作者50が乗る。センサ11とセンサ12とは、同じタイプのセンサであり、離間して配置されている。本実施の形態では、左右方向の重心位置を推定するため、センサ11とセンサ12とを左右に離間している。また、センサ11、12は、前後方向において同じ位置となっている。センサ11とセンサ12との間隔をW(m)とする。そして、操作者50が右足をセンサ11に乗せ、左足をセンサ12に乗せる。従って、操作者50の重心が左右に移動すると、センサ11とセンサ12に加わる荷重が変化する。2つのセンサ11、12によって、操作者50から加わる力を検出することで、操作者50の重心位置の変化を検出することができる。
なお、図1に示すように、センサ11によって検出した力をF1(N)とし、センサ12によって検出した力をF2(N)とする。ここでは、センサ11、12が、鉛直方向に加わる荷重を検出する。すなわち、操作者50の体重移動によって、センサ11、12斜め方向(図1中の白抜き矢印)に力が加わった場合でも、センサ11、12は、鉛直方向(図1中の黒矢印)を検出する。また、センサ11の上面(測定面)からの操作者50の重心位置の高さをH(m)、操作者50の重心位置の速度をVx(m/s)、操作者50の重心位置をX(m)としている。なお、重心位置Xの原点をセンサ11とセンサ12の中間位置としている。さらに、図1では、操作者50の重心をGとして示している。
センサ11、12は、検出した力に応じた出力信号を図2に示す、処理装置20に出力する。例えば、処理装置20は、パーソナルコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信用のインターフェースなどを有する演算処理装置である。また、処理装置20は、着脱可能なHDD、光ディスク、光磁気ディスク等を有し、各種プログラムや制御パラメータなどを記憶し、そのプログラムやデータを必要に応じてメモリ(不図示)等に供給する。もちろん、処理装置20は、物理的に一つの構成に限られるものではない。処理装置20は、センサ11、12からの出力に応じて、操作者50の重心位置を推定するための処理を実行する。そして、処理装置20は、推定した重心位置に応じた入力値を算出するための処理を実行する。これらの演算処理は、所定の演算処理プログラムによって、実行される。次に、処理装置20の具体的構成について、図2を用いて説明する。図2は、処理装置20の構成を模式的に示すブロック図である。図2に示すように、処理装置20は、重心位置加速度算出手段21と、重心位置推定手段22を備えている。
重心位置加速度算出手段21は、センサ11、12からの出力に基づいて、重心位置の加速度を算出する。ここで、重心位置加速度算出手段21によって算出される重心位置加速度は、水平方向における加速度であり、センサ11とセンサ12が離れている方向における加速度である。従って、ここでは、操作者50の左右方向(x方向)における、重心位置の加速度が算出される。重心位置加速度算出手段21は操作者50に関する運動方程式を用いて、水平方向における重心位置の加速度を算出する。
重心位置加速度算出手段21によって算出された重心位置の加速度に基づいて、重心位置推定手段22は、重心位置を推定する。具体的には、重心位置速度算出手段23が重心位置の加速度を積分して、重心位置速度を算出する。なお、重心位置速度算出手段23によって算出される重心位置速度は、水平方向、すなわち、操作者50の左右方向における重心位置速度である。静的重心位置推定手段24は、操作者の重心位置の水平方向加速度を一定値(ここでは、ゼロ)とみなした時の静的重心位置を推定する。なお、静的重心位置は、水平方向における静的重心位置である。
重心位置速度補正手段25は、重心位置速度算出手段23で算出された重心位置速度を補正する。具体的には、重心位置が静的重心位置に収束する値によって、重心位置速度を補正する。そして、速度重心位置推定手段26は、重心位置速度補正手段25で補正された補正済重心位置速度に基づいて、重心位置を推定する。このようにして、重心位置推定手段22が水平方向の重心位置を推定する。入力値算出手段27は、推定された重心位置によって、入力値を算出する。これにより、左右方向における入力値を求めることができる。
次に、処理装置20によって実施される重心位置推定方法について、図3、及び図4を用いて説明する。図3は、重心位置推定方法の初期化ルーチンを示すフローチャートであり、図4は、演算ルーチンを示すフローチャートである。まず、重心位置推定を行う際の初期化ルーチンについて、図3を用いて説明する。図3に示す初期化ルーチンでは、重心位置Xと重心位置速度Vxを初期化することによって、重心位置Xの前回値Xoldと重心位置速度Vxの前回値Vxoldを設定する。なお、前回値とは、重心位置Xを求めるための演算ルーチンにおいて用いられる値であり、この前回値を用いて最新値が求められていく。すなわち、前回値、及び力F1、F2を用いて値を更新していくことで、最新の重心位置Xと重心位置速度Vxが求められる。
まず、操作者50の重心高さHと、操作者50の重量mの値を設定する(ステップS101)。これらの値は、操作者50がキーボードなどを使って入力しても良く、あるいは、センサ等を用いて取得するようにしてもよい。さらには、重心高さHと重量mをROM等から読み出してもよい。次に、センサ11、12によってF1、F2を取得する(ステップS102)。例えば、センサ11とセンサ12の上に操作者50が直立して静止した状態で力F1、F2が取得される。そして、力F1、F2に基づいて、重心位置Xの前回値Xoldを算出する(ステップS103)。ここで、重心位置の前回値Xoldは、センサ11、12と重心位置Gの配置を考慮して、以下の式(1)で求めることができる。
Xold=W×(F1−F2)/(F1+F2) ・・・(1)
操作者50からの力が斜め方向に加わり(図1の白抜き矢印参照)、センサ11、12が鉛直方向の力F1、F2を検出するとして、式(1)が導出されている。次に、重心位置速度Vxの前回値Vxold=0と設定する(ステップS104)。なお、本実施の形態では、初期化時において操作者50が静止しているため、重心位置速度Vxの前回値を0としたが、初期値は特に限定されるものでない。このようにして、初期化ルーチンが実行される。
図3に示す初期化ルーチンを実行した後、図4に示す演算ルーチンを実行する。この演算ルーチンを、例えば、サンプリングタイムΔt秒毎に実行する。なお、Δtは0.01秒以下であることが好ましい。
まず、センサ11、12によって、最新の力F1、F2を取得する(ステップS201)。そして、最新の力F1、F2を用いて静的演算による静的重心位置Xo(m)を算出する(ステップS202)。静的重心位置Xo(m)は、以下の式(2)によって、求めることができる。
Xo=W×(F1−F2)/(F1+F2) ・・・(2)
(2)式は、(1)式と同様に導出されている。(2)式を用いることで、静的重心位置推定手段24は力F1、F2から静的重心位置Xoを算出する。すなわち、静的重心位置推定手段24は、センサ等の幾何学的配置を考慮して、力F1と力F2から、静的重心位置Xoを求めている。なお、静的重心位置の演算では、従来方法と同様、急激な体重移動を行った場合等の過渡的な重心位置変化が考慮されていない。例えば、急激に右に体重移動しようとするとき、左足を蹴り出すことによって、体重が右に移動する。このとき、左足を蹴り出すという操作によって、一時的に左足のセンサ12が大きい値を示す。従って、操作者50の意図と反対方向の応答を示してしまう。そこで、本実施形態では、下記の通り、運動方程式を用いて、加速度を求め、この加速度から重心位置を推定する。
まず、運動方程式を用いて、重心位置速度Vxを算出する(ステップS203)。ここで、重心位置速度Vxは以下の式(3)によって求めることができる。
Vx={(W+X)×F1−(W−X)×F2}×Δt/(m×H)+Vxold ・・・(3)
上記の式(3)を導出するため、まず、運動方程式を考える。運動方程式から、以下の式(4)が成り立つ。
dVx/dt=(F1−F2−Fo)×W/(m×H) ・・・(4)
dVx/dtは、水平方向における重心位置の加速度となり、重心位置加速度算出手段21によって算出される。なお、Fo(N)は、操作者50の重心が移動したことによる幾何学変化の補正項で、次の式(5)で表すことができる。
Fo=(F1+F2)×X/W ・・・(5)
Vx=Vxold+dVx/dt×Δtとすると、式(4)、及び式(5)から式(3)を導出することができる。このようにして、重心位置速度算出手段23が、重心位置の加速度から、重心位置速度Vxを算出する。
次に、重心位置速度Vxを用いて、操作者50の重心位置Xを推定する(ステップS204)。式(3)を解くことで得られる操作者50の重心位置速度Vxを時間で積分すれば、操作者50の重心位置Xを推定することができるはずである。但し、計測に誤差が生じている場合、単に重心位置速度Vxを積分しただけでは、誤差が蓄積されていってしまう。そこで、本実施形態では、長い時間スケールや静的な条件では、静的重心位置Xo(m)の値が操作者50の重心位置を正しく示すことを利用している。具体的には、推定される重心位置Xが静的演算による静的重心位置Xoに収束する減衰項を設ける。この減衰項を設けた式は、以下の式(6)に示すようになる。
X={Vx+(Xo−Xold)/Tx}×Δt+Xold ・・・(6)
式(6)において、第2項、すなわち{(Xo−Xold)/Tx}が、重心位置Xが静的重心位置Xoに収束する減衰項であり、Tx(sec)がその時定数である。この減衰項によって、重心位置速度を補正する。人間の動作は、0.1秒〜1秒のスケールで行われるため、時定数Txの値をその範囲より長めの0.3秒〜3秒に設定することが好ましい。ここで、重心位置Xが静的重心位置Xoに収束する値を用いて補正した場合に付いて、図5を参照して説明する。図5では、操作者が右側に傾いている状態(重心位置が中心よりも右側にある状態)から、右足を蹴り上げ、左側に体重移動していく例を示している。
センサ11、12の計測値に誤差が含まれる場合、単に、Vxの積分値のみから、重心位置を求めると、図5に示すように発散してしまう。例えば、センサ11、12のゼロ点がずれている場合、図5のVxの積分値に示すように、時間とともに誤差が蓄積し、重心位置が左側に移動していると判断される。一方、図5の破線で示す静的重心位置Xoは、操作者の体重移動時は、実際の重心位置Xからずれるが、ある程度時間が経過すると、実際の重心位置Xに収束する。具体的には、操作者50が体重移動をしてから、ある程度時間が経過すると、操作者50が静止した状態となる。そのため、実際の重心位置Xに、静的重心位置Xoが収束していき、操作者50が静止した状態で時間が十分経過すると、実際の重心位置Xは、静的重心位置Xoがほぼ一致するようになる。なお、静的重心位置Xoは、式(2)によって算出された値である。
ここで、重心位置Xが静的重心位置Xoに収束する値である減衰項を用いて、重心位置速度補正手段25が重心位置速度を補正する。そして、速度重心位置推定手段26が、重心位置速度補正手段25によって補正された補正済重心位置速度から重心位置を算出する。すなわち、補正された補正済重心位置速度とサンプリングタイムΔtとの積に、前回値Xoldを加えることで、重心位置を算出する。具体的には、速度重心位置推定手段26が、式(6)を用いて、重心位置を推定する。従って、速度重心位置推定手段26で推定された重心位置は、加速度を考慮した動的な重心位置である。このようにして、重心位置推定手段22が重心位置を推定する。
重心位置Xを推定したら、Xold=Xとし(ステップS205)、Vxold=Vxとする(ステップS206)。これにより、最新値が前回値として設定され、この前回値が次の演算ルーチンで使用される。そして、ステップS201〜ステップS206を繰り返し行っていき、重心位置を更新していく。このようなアルゴリズムを用いることで、操作者50が急激に体重移動した場合でも、正確に重心位置を推定することができる。重心位置推定手段22が推定した重心位置を入力値算出手段27に出力する。入力値算出手段27は、推定された重心位置Xに基づいて、入力値を算出する。入力値算出手段27は、利用される入力装置に応じた演算プログラムによって、入力値を算出する。これにより、操作者50が急激に体重移動した場合でも、操作者50の重心位置を適切に反映した入力値を求めることができる。よって、適切に入力を行うことができる。さらに、本実施の形態では、重心位置Xが静的重心位置Xoに収束する値で、重心位置速度に補正している。これにより、計測に誤差がある場合でも、重心位置Xが発散せずに収束する。よって、正確に重心位置を算出することができる。このような重心位置推定方法は、乗物用の入力装置やゲーム機の入力装置に好適である。また、例えば、センサ11、12に誤差の蓄積がない場合や、誤差の除去できる場合は、減衰項を用いた補正を行わなくても良い。
上記の説明では、2つのセンサ11、12を用いて、左右の重心位置を推定したが、前後の重心位置を推定しても良い。前後に離間した2つのセンサによって、操作者50から加わる力を検出する。そして、前側のセンサで検出した力を力F1とし、後側のセンサで検出した力を力F2とし、X方向を前後方向とすればよい。さらに、前後左右の重心位置を推定することもできる。例えば、前後の重心位置と、左右の重心位置を推定する場合、4つのセンサを設ける。すなわち、前後に離間した2つのセンサによって、前後の重心位置を推定し、左右に離間した2つのセンサによって左右の重心位置を推定する。前後左右方向の重心位置を推定する場合も、上記のアルゴリズムと同様のアルゴリズムを用いることができる。
さらに、操作者50が上下方向に動くことも考慮して、重心位置を補正することや、上下方向の運動方程式を設定することも可能である。例えば、上下方向の運動方程式は、以下の式(7)、(8)に示すようになる。
dVz/dt=(F1+F2)/m−g−Vz/Tvz ・・・(7)
dZ/dt=Vz+(H−Z)/Tz ・・・(8)
式(7)、(8)において、Vzは上下方向の重心位置速度(m/sec)、gは重力加速度(m/sec)、Zは上下方向の重心位置である。式(7)の第3項、すなわち(Vz/Tvz)は、上下方向の重心位置速度Vzの誤差が蓄積することを防止するために設けた項であり、Tvz(sec)は、その時定数である。例えば、時定数Tvzを0.3秒〜3秒程度とすることができる。このようにすることで、水平方向の重心位置に加え、鉛直方向の重心位置を正確に推定することができる。
なお、上記の説明では、センサ11、12が鉛直方向の力を検出する荷重センサとして説明したが、センサ11、12が水平方向の力を直接検出してもよい。この場合、式(1)、式(2)を用いずに、センサ11、12が検出した水平方向の力の差を用いて、静的重心位置Xoを算出すればよい。センサ11、12で検出した水平方向の力をFl1(N)、Fl2(N)とすると、この場合、Vx=Vold+(Fl1−Fl2)×Δt/mとなる。
実施の形態2.
本実施の形態にかかる移動体について図6を用いて説明する。図6は、重心位置の移動を入力インターフェースとする入力装置を移動体に応用した例を示している。本実施の形態では、実施の形態1で示した入力装置を移動体の入力装置として用いている。本実施の形態では、4つのセンサ11〜14を設けて、前後左右の重心位置変化を推定している。
移動体は、右車輪31と左車輪32と車台30を備えている。車台30には、実施の形態2で示した処理装置20を有する制御ボックス(図示せず)を収納している。また、車台30には、処理装置20に加えて、右車輪31を駆動する右車輪用モータ(図示せず)と、左車輪32を駆動する左車輪用モータ(図示せず)と、これらの機器に電源を供給するバッテリ(図示せず)等を収納している。車台30には、右車輪31と左車輪32が回転可能に取り付けられている。右車輪31と左車輪32は同軸上に配置される。この右車輪31と左車輪32が回転することで、移動体が移動する。例えば、右車輪31と左車輪32が同じ回転速度で前方に回転することで、移動体が前方方向に並進移動し、同じ回転速度で後方に回転することで、移動体が後方に並進移動する。また、右車輪31と左車輪32を異なる回転速度で、同じ方向に回転させることで、移動体が右折、又は左折する。さらに、右車輪31と左車輪32とを同じ回転速度で逆方向に回転させることで、右旋回、または左旋回する。
さらに、車台30の上には、センサ11〜センサ14が設けられている。センサ11とセンサ12とは実施の形態1と同様に、左右に離間して配置される。センサ11とセンサ13は、前後に離間して配置される。センサ12とセンサ14は、前後に離間して配置される。従って、車台30の右前側にセンサ11が配置され、左前側にセンサ12が配置され、右後側にセンサ13が配置され、左後側にセンサ14が配置される。センサ11、13の上に、操作者50が右足を乗せ、センサ12、14の上に操作者50が左足を乗せる。このように、センサ11〜14を前後左右に離間して配置することで、前後方向、及び左右方向の両方向において、重心位置を推定することができる。例えば、右側に配置されたセンサ11、13と、左側に配置されたセンサ12、14とを用いて、左右方向の重心位置を推定する。同様に、前側に配置されたセンサ11、12と、後側に配置されたセンサ13、14とを用いて、前後方向の重心位置を推定する。
入力装置は、車輪制御アルゴリズムによって、推定された重心位置から、2つのモータに対する入力値(指令値)をそれぞれ算出する。この入力値に基づいて、2つのモータがそれぞれ独立に回転駆動する。そして、モータの駆動力によって、右車輪31と左車輪32が回転する。例えば、操作者50が右に旋回したい場合、右に体重を移す。このとき、左側のセンサ12、14を蹴り出した後、右側のセンサ11、13に体重が移る。そのため、従来の制御では、一瞬左に旋回してしまう問題があった。しかしながら、本実施の形態では、操作者50の意図通りに右に旋回することができる。これにより、操作者50が意図する動作を速やかに行うことができる。
このように、本実施の形態1、2では、操作者50の重心位置の運動に関する運動方程式を用いて、複数のセンサ11、12等からの出力から操作者50の重心位置を推定する。そして、推定された重心位置から、入力値を求める。なお、上記の実施の形態では、入力値を求めるために操作者50の重心位置Xを推定したが、推定した重心位置Xを別の用途に用いても良い。例えば、重心位置を推定して、乗物からの転落防止制御等を行ってもよい。さらに、リハビリ用に歩行者の重心位置を表示する装置に利用しても良い。なお、重心位置を推定する推定対象は人間に限らず、動物やロボットなどでもよい。また、当業者であれば、以上の実施の形態の各要素を本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
11 センサ
12 センサ
20 処理装置
21 重心位置加速度算出手段
22 重心位置推定手段
23 重心位置速度算出手段
24 静的重心位置推定手段
25 重心位置速度補正手段
26 速度重心位置推定手段
27 入力値算出手段
30 車台
31 右車輪
32 左車輪
50 操作者
F1 センサ11で検出した力(N)
F1 センサ12で検出した力(N)
W センサ間距離(m)
H 操作者の重心高さ(m)
m 操作者の重量(kg)
Tx 制御時定数(sec)
Fo 力バランス補正値(N)
Xo 静的演算での重心位置(m)
Vx X方向(左右方向)における重心位置速度(m/sec)
X X方向(左右方向)における推定重心位置(m)
Xold X前回値(m)
Vxold Vx前回値(m)
Δt 演算のサンプリングタイム(sec)
Vz 鉛直方向の重心位置速度(m/sec)
g 重力加速度(m/sec

Claims (5)

  1. 推定対象の体重移動によって加わる鉛直方向の力を検出する複数のセンサと、
    複数の前記センサで検出された鉛直方向の力に基づいて、前記推定対象の重心位置の水平加速度を算出する重心位置加速度算出手段と、
    前記重心位置の水平加速度に基づいて、前記推定対象の重心位置を推定する重心位置推定手段と、を備え、
    前記重心位置推定手段が、
    前記重心位置加速度算出手段で算出された重心位置の水平加速度を積分することで、前記重心位置の水平方向速度を算出する重心位置速度算出手段と、
    複数の前記センサで検出された鉛直方向の力に基づいて、前記推定対象の重心位置の水平方向加速度を一定値とみなした時の、重心位置の静的重心位置を推定する静的重心位置推定手段と、
    前記重心位置速度算出手段で算出された前記水平方向速度を前記静的重心位置に収束する値によって補正する重心位置速度補正手段と、
    前記重心位置速度補正手段によって補正された補正済重心位置速度に基づいて、重心位置を推定する速度重心位置推定手段と、を備える重心位置推定装置。
  2. 前記センサで検出された力に基づいて、前記推定対象の重心位置の鉛直方向加速度を算出し、
    前記鉛直方向加速度に応じて、鉛直方向における前記推定対象の重心位置を推定する請求項1に記載の重心位置推定装置。
  3. 請求項1、又は2に記載の重心位置推定装置と、
    前記重心位置推定装置で推定された重心位置に基づいて、入力値を算出する入力値算出手段と、を備える入力装置。
  4. 推定対象の体重移動によって加わる鉛直方向の力を複数のセンサで検出するステップと、
    複数の前記センサで検出された鉛直方向の力に基づいて、処理装置が推定対象の重心位置の水平加速度を算出するステップと、
    前記重心位置の水平加速度に基づいて、処理装置が推定対象の重心位置を推定するステップと、を備え、
    前記重心位置を推定するステップでは、
    前記重心位置の水平加速度を積分することで、前記重心位置の水平方向速度を算出し、
    複数の前記センサで検出された鉛直方向の力に基づいて、前記推定対象の重心位置の水平方向加速度を一定値とみなした時の、重心位置の静的重心位置を推定し、
    前記水平方向速度を前記静的重心位置に収束する値によって補正し、
    補正された補正済重心位置速度に基づいて、重心位置を推定する重心位置推定方法。
  5. 前記センサで検出された力に基づいて、処理装置が前記推定対象の重心位置の鉛直方向加速度を算出し、
    前記鉛直方向加速度に応じて、処理装置が鉛直方向における前記推定対象の重心位置を推定する請求項4に記載の重心位置推定方法。
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