JP5644430B2 - 可視光応答性を有し、光触媒活性に優れた酸化チタン系材料 - Google Patents
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また、特許文献3には、酸化チタンを網状構造体として形成し、その光触媒活性を利用して海水、汚水、真水等の浄化、殺菌等に利用することが開示されている。
さらに、特許文献4、特許文献5では、酸化チタンの粉末を添加した浴中で陽極酸化処理を行うことによって、光触媒活性を有するチタン粒子を得ることが開示されており、これらの光触媒活性を有するチタン粒子は、バインダーと組み合わせて塗布することで各種の基材の耐汚染性、抗菌性向上等に利用されている。
また、通常、酸化チタンの光触媒活性は紫外線照射によって発揮されることから、特許文献3のような水中環境で用いられる網状構造体の酸化チタンや特許文献4、5のチタン粒子では、太陽光、照明器具による光照射では、紫外線量が少ないために、その光触媒活性を十分に発揮し得ないという問題点もあった。
その結果に基づいてなされた本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(2) 上記(1)に記載の酸化チタン系材料において、前記基材が板状体であることを特徴とする酸化チタン系材料。
(3) 上記(1)に記載の酸化チタン系材料において、前記基材が線状体であることを特徴とする酸化チタン系材料。
本発明の酸化チタン系材料は、陽極酸化処理により純チタンあるいはチタン合金基材上に酸化チタン層として形成することができ、その場合には、酸化チタン層と基材との密着性は良好であり、プレス成形等の加工を施した際に、酸化チタン層の剥離等を生じることはなく、用途に応じた種々の形状に加工することが可能である。
また、特に特許請求の範囲に規定しないが、上記酸化チタン系材料は、粒子として形成することができ、その場合には、酸化チタン粒子を種々のバインダーと組み合わせて塗布することにより、紫外線量が少ない環境下であっても十分な光触媒活性を発揮することができる。なお、以下における粒子についての記載はいずれも参考例である。
更に、酸化チタン層中あるいは酸化チタン粒子中には、水酸基と結合したチタンが存在することが必要である。
水酸基と結合したチタンが光触媒活性向上に必要な理由は、現時点では解明されていないが、従来のアナターゼ型二酸化チタンのみが光触媒活性向上に必要とされる従来知見とは全く異なる新たな知見である。
(1)酸化チタン系材料が基材上に層として形成されている場合は、次の条件で試料のX線回折を行う。
X線:Cu/50kV/200mA
ゴニオメータ:RINT1000 広角ゴニオメータ
アタッチメント:薄膜用回転試料台
フィルタ:不使用
インシデントモノクロ:不使用
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ
発散スリット:0.2mm
発散縦制限スリット:5mm
受光スリット:開放
散乱スリット:開放
カウンタ:シンチレーションカウンタ(SC50)
走査モード:連続
スキャンスピード:2.000°/min
サンプリング幅:0.010°
走査軸:2θ
走査範囲:10.000〜100.000°
固定角:1.500°
得られた回折パターンにおいて、アナターゼ型二酸化チタンの(101)面のピーク(2θ=25.281度)が少なくとも20カウント/秒以上得られる場合にアナターゼ型二酸化チタンが存在すると判断される。
X線:Cu/40kV/150mA
ゴニオメータ:RINT1000 広角ゴニオメータ
アタッチメント:43サンプルチェンジャー(横型)
フィルタ:不使用
インシデントモノクロ:不使用
カウンタモノクロメータ:全自動モノクロメータ
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.15mm
モノクロ受光スリット:0.8mm
カウンタ:シンチレーションカウンタ(SC50)
走査モード:連続
スキャンスピード:5.000°/min
サンプリング幅:0.020°
走査軸:2θ/θ
走査範囲:5.000〜100.000°
θオフセット:0.000°
得られたX線回折パターンにおいて、アナターゼ型二酸化チタンの(101)面のピーク(2θ=25.281度)が少なくとも100カウント/秒以上得られる場合にアナターゼ型二酸化チタンが存在すると判断される。
酸化チタン層中に水酸基と結合したチタンが存在することの検証方法は、グロー放電発光分析装置あるいは2次イオン質量分析計を用いて酸化皮膜中に水素が酸素とチタンと同じ位置から検出され、かつチタン素地の水素濃度の少なくとも5倍以上の濃度であれば水和した二酸化チタンが形成されていると判断される。
本発明者らは、先の特許出願において、酸化チタン中に、炭素あるいは窒素が炭化チタンおよび窒化チタンの少なくとも1種以上の状態で存在することが、光触媒活性を示すために有利であることを明らかにしたが、さらに研究を進めた結果、炭化チタンもしくは窒化チタンの存在の有無とは別に、炭素あるいは窒素がTi−C−Ti−OもしくはTi−N−Ti−O結合の状態を取る場合に極めて優れた光触媒活性を示すことが判明し、本発明に至った。
例えば、特開2005−240139号公報等により、チタン又はチタン合金の表面に、PVD、CVD、溶射等でチタン酸化物を形成した後、好ましくは硫酸及びリン酸を含有する電解液中で陽極酸化を行う光触媒用材料の製法が知られているが、陽極酸化皮膜中の炭素、窒素の存在についての知見はなく、また、可視光応答性についての知見もない。
また、特許第3601532号明細書や特開2005−254128号公報等により、酸化チタンに窒素あるいはさらに炭素等をドープし、可視光領域において光触媒作用を発現させることが知られているが、該膜中には水和した二酸化チタンが存在せず、かつ、窒素や炭素の存在状態も特に検討されていないため、可視光応答性が十分であるとはいえない。
酸化チタン中のチタンの構造および特定の構造を有するチタンの濃度を調べる実験的手法としては、XAFS(X-ray-Absorption Fine Structure:X線吸収微細構造)がある。
X線のエネルギーを増加させながら、材料の吸収率を測定すると、X線のエネルギーの増加に対応して減少する。しかし、材料に特定なあるX線のエネルギー(X線吸収端)においてその吸収率が急激に増加するX線のエネルギーが存在する。この際、X線の吸収によって発生した光電子の一部が、複数の原子による散乱と干渉によって、X線の吸収量に対し構造情報として反映される。つまり、X線の吸収量をモニタすれば、原子構造に関する情報が得られる。(例えば、宇田川康夫編、X線吸収微細構造、学会出版センター(1993))。これがXAFS法による構造解析の原理であり、これを用いると酸化チタン中のチタンの構造を求めることができる。
X線のビームライン上に物質をおいた場合、物質に照射されたX線(入射X線:I0 )強度と物質を通過してきたX線(透過X線:It )強度とからその物質によるX線の吸収量(X線吸収係数)が算出される。X線吸収係数の増減をモニタしながらX線エネルギー(波長)を変化させ、X線吸収スペクトルを測定すると、あるエネルギー位置でX線吸収係数の急激な立ち上がり(吸収端)が観測される。この吸収端のエネルギー位置は元素に固有であるため、この吸収端付近のエネルギー領域で構造情報を抽出できれば、それは元素固有の情報であることを意味する。
詳細な検討の結果、これらのピークは、Ti−C−Ti−OもしくはTi−N−Ti−O結合の状態を取るチタン原子に相当することが判明した。つまり、試料のEXAFSもしくはXANESの測定を行って得られたスペクトルを、標準物質のスペクトルおよびTi−C−Ti−OもしくはTi−N−Ti−O結合の状態に対応するスペクトルにピーク分離することにより、Ti−C−Ti−OもしくはTi−N−Ti−O結合の状態に対応する炭素もしくは窒素の濃度を決定することができる。
この理由は、前記炭素もしくは窒素の合計の濃度が0.01重量%以下では、Ti−C−Ti−O結合もしくはTi−N−Ti−O結合の割合が少なく、充分な光触媒活性を得られないからである。また、炭素もしくは窒素の合計の濃度が40重量%を超えると、Ti−C−Ti−O結合もしくはTi−N−Ti−O結合の割合が多くなりすぎ、バルクのTiCもしくはTiN的な構造となり、充分な光触媒活性を得られないからと推察される。この点から前記合計濃度のより好ましい範囲は0.01重量%以上、20質量%未満である。
酸化チタン系材料を、後述する陽極酸化法を用いて直接、チタン基材上に層として形成する場合において、上記のような効果を得るには、酸化チタン層の厚みは0.1μm以上5.0μm以下が好ましい。厚みが0.1μm未満では十分な光触媒活性を発現することができない。一方、厚みが5.0μmを超えると光触媒活性値はほぼ飽和し、さらに基材と酸化チタン層の密着性が低下する。
粒径が0.01μm未満や10μm超では、基材上にスラリーとして塗付する場合、粒子の分散が均一に行われないからである。
粒子とする場合の粒径の測定は、電子顕微鏡およびX線を用いて測定することができる。なお、X線を用いた場合は、サブμmの範囲まで測定可能で、それより小さい粒子の場合は電子顕微鏡を用いて測定することができる。
本発明では、水酸基と結合したチタンを含有させることを特徴の一つとしているが、水酸基と結合したチタンを形成するには、水溶液を用いた酸化チタン層の形成処理方法が必要であり、陽極酸化法はその点でも好適である。
また、上記のような酸化チタン粒子を形成する方法としても陽極酸化法がある。この場合には、形成された酸化チタン層から酸化チタンが剥離する現象を利用する。
また、酸化チタン粒子にも適用できる方法としては、炭素あるいは炭素を含む有機、無機化合物をチタンあるいはチタン合金表面に塗布し、熱処理することによってチタンあるいはチタン合金の表面層に浸炭層を形成する方法がある。
また、浸炭処理だけも、濃度を変えた硝酸イオンを含む溶液中で陽極酸化することにより酸化チタン中に窒素を含有させることは可能であるので、浸炭処理のみ実施してもよい。
さらには、このような浸炭層あるいは窒化層を形成せずに、例えば、硝酸とフッ酸の混合酸溶液中で酸洗した純チタンおよびチタン合金基材に対し陽極酸化法を施すと、陽極酸化膜中に炭素および窒素が含有されるため、酸洗仕上げした純チタンおよびチタン合金を用いてもよい。
その際、アナターゼ型二酸化チタンと、水酸基と結合したチタンとを含み、かつ、酸化チタン中に、Ti−C−Ti−O結合もしくはTi−N−Ti−O結合を形成している窒素及び炭素を合計で0.01〜40質量%含有した酸化チタン層及び酸化チタン粒子を形成するためには、次のような条件で陽極酸化を行うとよい。
硝酸イオンとしては、硝酸水溶液あるいは硝酸塩として添加することができる。代表的な硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸アンモニムがあるが、他の硝酸金属塩を用いても良い。
陽極酸化電圧が10V未満では、酸化チタン中に、Ti−C−Ti−O結合もしくはTi−N−Ti−O結合を形成している窒素及び炭素を合計で0.01質量%以上形成することができず、すぐれた光触媒活性を得ることができない。また、陽極酸化時間が30秒未満でも十分な光触媒活性を得ることができず、厚みが0.1μm以上の酸化チタン層を形成できない。一方、陽極酸化時間が60分を越えても生成する陽極酸化膜の厚みはほとんど変化しないことから、陽極酸化時間は60分で十分である。
陽極酸化電圧を10V以上18V未満とすると、優れた光触媒活性と共に干渉色の美麗な外観を得ることができる。
陽極酸化電圧が18V以上25V未満の場合には、優れた光触媒活性と共に落ち着いた緋色の外観を得ることができる。18V未満あるいは25V以上では落ち着いた緋色の外観を得ることはできない。
これらの電圧での陽極酸化時間は、上述と同様に30秒以上60分以下である。ただし、60分を越えて陽極酸化を実施しても何等問題はない。
陽極酸化電圧としては、少なくとも10V以上を印加する必要がある。酸化チタン粒子は、陽極として用いた純チタンあるいはチタン合金表面の酸化チタン層が剥離することによって形成されるものであり、陽極酸化電圧が低い場合は長時間の陽極酸化時間が必要であり、高電圧になるほど短い陽極酸化時間で形成できる。
このような効果を発現させるには、陽極酸化処理後に、少なくとも200℃以上の温度で加熱することが必要となる。ただし、750℃を越えて加熱すると光触媒活性が低下するため、750℃を上限とする。
そのような純チタン及びチタン合金を素材として用い、例えば、板状体や線状体に加工した後、上述したような陽極酸化処理をして、可視光応答性を有し、光触媒活性に優れた酸化チタン系材料を得る。
また、基材をあらかじめ用途に応じた形状に加工してから陽極酸化処理をしたものでもよい。
酸化チタン系材料を網状構造体に形成する場合、予め陽極酸化処理を施して光触媒活性を付与した線状材料を用いて網状構造体とすることもできるし、陽極酸化処理をしていない線状材料で網状構造体を形成した後に、網状構造体全体に対して陽極酸化処理を施すことによって光触媒活性が付与された網状構造体とすることもできる。
さらに、網状構造体は、線状材料を用いて形成したものに限らず、板状体に多数の切れ目を入れ、その板状体を引っ張って拡張することにより製造するエキスパンドメタルであってもよい。
また、上記1mm厚さまで冷延した長尺コイル材の一部をさらに15μmの厚さまで冷延し、アルゴン雰囲気中あるいは窒素雰囲気中で750℃から950℃の各温度で20秒から70秒の各時間熱処理することによって純チタン箔およびチタン合金箔の試験基材を製造した。
測定は、分光結晶としてSi(111)チャンネルカットモノクロメーターを用い、X線エネルギーを4959.5eV〜5465.5eVの間を、四区間に分け、エネルギー間隔0.5〜6eVで走査し、透過法もしくは転換電子収量法により行った。
測定されたXAFSスペクトルから、定数項を加えたVictoreenの式(Cλ3 −Dλ4 +Const.)を用いてバックグランドを差し引き、Cubic−Spline(weight)法により孤立原子の吸光度を見積もりEXAFS信号を抽出し、フーリエ変換を行って、動径分布を得た。
図1中、TiCおよびTiO2中の、Ti原子の第一および第二近接のピーク(下向き矢印で示す)が明瞭に確認できる。このピークの位置がチタン原子から近接する原子までの距離を表し、ピークの高さが近接の原子または配位子の個数を表している。
これはTi−C−Ti−OもしくはTi−N−Ti−O結合に起因すると考えられるピークである。つまり、板状の本発明の試料のスペクトルを、TiCおよびTiO2に起因するピーク、およびTi−C−Ti−OもしくはTi−N−Ti−O結合に起因するピーク、からの寄与の和として計算し、実験スペクトルと計算スペクトルを近くなるようにフィティングすることにより、総チタン中のTi−C−Ti−OもしくはTi−N−Ti−O結合の状態を取る炭素もしくは窒素の原子濃度を求めることができる。
上蓋付きの透明プラスチックケースに、幅15mm、長さ25mm、厚み0.4mmの寸法に切断した上記の各種の陽極チタンを、板面を上にして入れる。そこに0.01g/lのメチレンブルー溶液50ccを入れて、ケースを上部から15Wのブラックライト2本(東芝ライテック(株)社製、FL−15BLB−A)により30分間照射し、照射後、分光光度計(日立製:U−2910)を用いて667nmでの吸光度を測定し、試験片を入れていない溶液の吸光度をブランクとして差し引き、その値を光触媒活性の評価に用いた。その際に用いた溶液を入れた容器は、厚み1.2mmの石英製のセルで、長さは10mmである。
なお、装置自体のバックグランドを除去するために、吸光度の測定時には、蒸留水を入れた同様なセルを同時に測定して装置のバックグラウンドを除去した。
なお、ブランクの吸光度を差し引いた後、数値がマイナスとなった場合には、便宜上、0.00と表中に記した。
この数値が0.00の場合は、光触媒活性(応答性)無し、0.01以上で光触媒活性(応答性)有りと判断できる。
表1〜3の結果から、アナターゼ型二酸化チタンと水酸基と結合したチタンが存在し、かつ酸化チタンの皮膜中に、Ti−C−Ti−O結合もしくはTi−N−Ti−O結合が存在し、それらの結合を形成している窒素及び炭素の合計濃度が0.01〜40質量%の間で含む、本発明A1〜A71は良好な光触媒活性を示すことが分かる。その中でも、窒素及び炭素の合計濃度が0.01〜1質量%の場合(本発明A1、2、13、14、19、20、31、32、37、38、46、47、57、58、59、64、65)は、更に優れた光触媒活性を示すことが分かる。またいずれの場合も、「光触媒評価試験結果(紫外線遮蔽し蛍光灯照射)」からも分かるように、可視光応答性も示した。
なお、この実施例では、チタン酸化層の厚みが0.1〜5μmの範囲で上記効果が得られることが確認された。
素材として表5〜8に示す純チタンおよび各種チタン合金の板及び箔を用い、570℃から700℃の各温度においてアルゴンガス中で5時間加熱することによって炭素濃度、浸炭層深さを変化させた素材を準備した。
陽極酸化は、5g/lから20g/lの硝酸アンモニウム溶液中で純チタンおよび各種チタン合金を陽極、SUS304鋼を陰極として室温で24Vから80Vの電圧を2から10分間かけることによって、水酸基と結合し、さらにアナターゼ型二酸化チタンを含有し、さらに酸化チタン粒子中の窒素濃度および炭素濃度を変化させた酸化チタン粒子を生成させ、これを試料として準備した。
なお、ブランクの吸光度を差し引いた後、数値がマイナスとなった場合には、便宜上、0.00と表中に記した。この数値が0.00の場合は、光触媒活性(応答性)無し、0.01以上で光触媒活性(応答性)有りと判断できる。
なお、この例では、酸化チタン粒子径が0.01〜10μmの範囲で上記効果が得られることが確認された。
本発明の酸化チタン系材料が板状体として形成されている場合は、基材との密着性に優れているので、加工を施すことによって任意の形状に成形可能であり、より広い範囲の分野に適用することができる。また、板状体が網状構造体である場合は、可視光応答性を有し、優れた光触媒活性を示すため、海水、汚水、真水等の浄化、殺菌等の用途に好適である。
本発明の酸化チタン系材料が酸化チタン粒子として形成されている場合は、バインダーと組み合わせることにより、基材の種類を問わず塗布することができ、より広い範囲の分野に適用することができる。
Claims (3)
- アナターゼ型二酸化チタンと、水酸基と結合したチタンとを含み、さらに、酸化チタン中に、Ti−C−Ti−O結合を形成している炭素とTi−N−Ti−O結合を形成している窒素のいずれか一方を0.01〜40質量%、または両方を合計で0.01〜40質量%含有する酸化チタン系材料であって、該酸化チタン系材料が、純チタンまたはチタン合金よりなる基材の表面に、厚みが0.1μmから5.0μmの範囲で層として形成されたものであることを特徴とする、可視光応答性を有し光触媒活性に優れた酸化チタン系材料。
- 請求項1に記載の酸化チタン系材料において、前記基材が板状体であることを特徴とする酸化チタン系材料。
- 請求項1に記載の酸化チタン系材料において、前記基材が線状体であることを特徴とする酸化チタン系材料。
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