JP5644290B2 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Description
一般に、ドーズ等の露光条件を調整することで、半導体基板上のレジストパターンの寸法は調整することができる。したがって、1枚目と2枚目のフォトマスクのパターン寸法が異なっても、チップ内のある一箇所においては、1回目露光と2回目露光のレジストパターン寸法を同一にすることができる。しかし、1枚目のフォトマスクのパターン寸法のマスク面内分布が、2枚目のそれと異なる場合、チップ内全領域において1回目露光と2回目露光のレジストパターン寸法が同一となるように露光条件を調整するのは非常に困難である。また同様に、1枚目と2枚目のフォトマスクのパターン位置精度の誤差も問題となる。チップ内のある一箇所において、1回目露光と2回目露光のレジストパターンの位置関係が所望の値となるようにすることは、露光装置のアライメントを調整することで可能である。しかし、1枚目のフォトマスクのパターン位置のマスク面内分布が、2枚目のそれと異なる場合、チップ内全領域において1回目露光と2回目露光のレジストパターンの位置関係が所望の値となるように露光装置のアライメントを調整することは非常に困難である。
以下、本発明にかかるパターン形成方法及びこれに用いられるフォトマスクである位相シフトマスクの実施の形態について、図1を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に示す位相シフトマスク17は、図1に示すように、透明基板11の上面に、1回目の露光用パターン12と2回目の露光用パターン13が交互に配設されている。1回目の露光用パターン12には、露光の際に2回目の露光用パターン13からの光近接効果に伴う歪みの影響を予め見込んで光学近接効果補正処理(OPC)を施すことにより補正パターン14が付加されている。1回目の露光用パターン12は位相シフト膜15をマスクパターンに沿って露光し現像することで形成される。また、2回目の露光用パターン13は位相シフト膜15の上に遮光膜16を形成した2層構造からなり、位相シフト膜15と遮光膜16をマスクパターンに沿って露光し現像することで形成される。
また、1回目の露光用パターン12は、遮光膜16が残っている2回目の露光用パターン13に比べて、遮光性が弱い。したがって、1回目の露光と2回目の露光とで半導体基板上同一の寸法を狙う場合、1回目の露光用パターン12の寸法は、2回目の露光用パターン13の寸法に比べて大きいことが望ましく、好ましくは半導体基板上の寸法で4nm(マスク上の寸法では16nm)以上である。
図2(a)は、位相シフトマスク17を構成する透明基板(ブランク)11の上面に形成された位相シフト膜15上に遮光膜16を介してレジスト膜18が形成された状態を示している。
なお、レジスト材料としては、ポジ型レジストでもネガ型レジストでも用いることができるが、高精度パターンの形成を可能とする電子ビーム描画用の化学増幅型レジストを用いることが好ましい。
図2(d)は、レジストパターン19に沿ってドライエッチングにてパターニングされた後の図2(c)に示す残存レジストパターン19を剥離除去し、洗浄する工程を示す。レジストパターン19の剥離除去はドライエッチングにより行うことも可能であるが、一般には剥離液によるウェットエッチングにより剥離する。
以上のように図2(a)〜図2(h)に示す各工程を経ることにより、図1に示す位相シフトマスクが完成する。
この場合、1回目の露光用パターンと2回目の露光用パターンは、露光の際に相互に影響を及ぼしあうので、互いの光近接効果に伴う歪みの影響を予め見込んで補正する光学近接効果補正処理(OPC:Optical Proximity Correction)を施すことが望ましい。
また、露光条件の変更のみではなく、1回目の露光用パターンと2回目の露光用パターンとの間で、これらの寸法、露光用光の透明基板に対する透過率及び透明基板に対する位相差等を変更することが、片方のパターンを優先的に露光する上で有利である。
次に、位相シフトマスクを用いて半導体基板上にダブルパターニングでパターンを形成する場合について、図3を参照して説明する。
図3(a)は、半導体基板31の上に層間絶縁膜32、ハードマスク33が順次積層され、ハードマスク33の上にフォトレジスト膜34が形成されている状態を示す。ハードマスク33はシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等が用いられる。なお、ハードマスク33とフォトレジスト膜34の間には反射防止膜を形成することもあるが、図3(a)においては省略されている。
図3(d)は、レジストパターン35に沿ってドライエッチングにてパターニングされた後の図3(c)に示す残存レジストパターン35を剥離除去し、洗浄する工程を示す。
図3(h)は、パターニング終了後のハードマスクパターン33a及びレジストパターン37を剥離除去した後、洗浄する工程を示す。こうして、本発明の位相シフトマスクによる半導体パターン形成が行われる。
本発明のパターン形成方法により形成されたバイナリマスクについて、図4を参照して説明する。
図4に示すバイナリマスク46は、透明基板41の上面に、1回目の露光用パターン42と2回目の露光用パターン43が交互に配置された構造になっている。1回目の露光用パターン42には、露光の際に2回目の露光用パターン43からの光近接効果に伴う歪みの影響を予め見込んで光学近接効果補正処理(OPC)を施すことにより補正パターン44が付加されている。1回目の露光用パターン42は遮光膜45から成り、断線されたライン形状にすることにより光が抜けるスペース部を繰り返し設ける。2回目の露光用パターン43は遮光膜45から成り、断線されたライン形状にしない。
また、バイナリマスク46の製造では、1回目の露光用パターン42と2回目の露光用パターン43を1回の描画・現像プロセスで形成できる。したがって、図2(e)から(h)に記載の位相シフトマスクの製造工程は必要ない。
Claims (1)
- 半導体基板に1回目の露光でパターンを形成し、前記1回目の露光でパターンが形成されていない前記半導体基板の抜き部分に2回目の露光でパターンを形成するダブルパターニングを行う際、
前記1回目のパターンを形成するための1回目の露光用パターンと前記2回目のパターンを形成するための2回目の露光用パターンとを単一の透明基板に形成してなるフォトマスクを用いて、前記半導体基板に前記1回目と2回目のパターンを形成する際に前記1回目の露光の条件と前記2回目の露光の条件と異ならせる工程を含むパターン形成に用いられるフォトマスクの製造方法であって、
前記透明基板上に位相シフト膜と遮光膜または遮光膜を介してレジストを形成する工程と、
前記レジストに対し描画と現像処理を行うことにより第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンに沿って前記位相シフト膜と遮光膜または前記遮光膜をエッチング処理し、かつ残存する前記レジストパターンを剥離除去した後の前記1回目の露光用パターンに対応するパターンと前記2回目の露光用パターンに対応するパターンとを形成する工程と、
前記1回目の露光用パターンに対応するパターンと前記2回目の露光用パターンに対応するパターンの露出表面及び当該パターンの露出表面を除く前記透明基板の露出上面が覆われるようにレジストを新たに塗布する工程と、
除去する前記位相シフト膜または前記遮光膜上にはレジストがなく、かつ除去しない前記位相シフト膜または前記遮光膜上にはレジストがあるように前記新たに塗布したレジストに対し描画と現像処理を行うことにより第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記第2のレジストパターンに沿って前記位相シフト膜または前記遮光膜をエッチング処理することにより前記位相シフト膜または前記遮光膜の所望箇所を除去して前記1回目の露光用パターンと前記2回目の露光用パターンの前記透明基板に対する位相差または透過率に変化を加える工程とを備える、
ことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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