JP5644133B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、電荷輸送性組成物、及び電荷輸送性硬化膜 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光層と、を少なくとも有し、
最表面層が、連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物の少なくとも1種と、炭素炭素二重結合の開裂により、ラジカル種を発生する付加開裂型連鎖移動剤と、を含有する組成物の硬化膜からなる層である電子写真感光体。
前記連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物が、同一分子内に前記連鎖重合性官能基を2つ以上持つ化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
前記連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物が、下記一般式(A)で表される化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
一般式(A)で表される化合物が、Dが−(CH2)d−(O−CH2−CH2)e−O−CO−C(R’)=CH2(但し、R’は水素原子、又は−CH3を表し、dは1以上5以下の整数、eは0または1を表す)を表し、Dの総数が4以上を表す化合物である請求項3に記載の電子写真感光体。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するトナー除去手段からなる群より選ばれる少なくとも一種の手段と、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
請求項5、6に係る発明によれば、最表面層の材料として、連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物の少なくとも1種と、付加開裂型連鎖移動剤と、を組み合わせない電子写真感光体を適用した場合に比べ、電子写真感光体における最表面層の電荷輸送性低下に起因する画像欠陥を抑制した画像が得られるプロセスカートリッジ、及び画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光層と、を少なくとも有する。そしで、最表面層が、連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物の少なくとも1種と、付加開裂型連鎖移動剤と、を含有する組成物の硬化膜からなる層で構成される。ただし、付加開裂型連鎖移動剤としては、炭素炭素二重結合の開裂により、ラジカル種を発生する付加開裂型連鎖移動剤が適用される。
また、連鎖重合性官能基におけるラジカル反応特有の副反応によって、電荷輸送性骨格を持つ化合物の当該電荷輸送性骨格の劣化を抑えつつも、硬化に寄与する連鎖重合性反応基が反応するためであると考えられる。
また、一般に、連鎖重合性官能基を持つ化合物は、その保存時においも徐々に連鎖重合硬化反応(連鎖重合反応)が進行してしまうことがあるが、付加開裂型連鎖移動剤を併用することで、溶媒等に溶解させた状態であっても、連鎖重合硬化反応(連鎖重合反応)が進行し難く化学的に安定であると考えられる。
以上から、本実施形態に係る電子写真感光体では、上記構成とすることで、電荷輸送性に優れた最表面層を持つものになると考えられる。加えて、この最表面層は、電荷輸送性と共に機械的強度にも優れたものとなると考えられる。
そして、本実施形態に係る電子写真装置を備える画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、電子写真感光体における最表面層の電荷輸送性低下に起因する画像欠陥を抑制した画像(例えば、濃度ムラ、スジ、画像流れが抑制された画像)が得られる。
一方、最表面層が電荷輸送層として機能する層の場合、導電性基体上に、電荷発生層、及び最表面層として電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が上記特定の組成物の硬化膜で構成される形態が挙げられる。
図1は、実施形態に係る電子写真用感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図2乃至図4はそれぞれ他の実施形態に係る電子写真感光体を示す模式断面図である。
上記図2に示す電子写真感光体7Bにおいては、単層型感光層6が、導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっており、当該最表面層が、上記特定の組成物の硬化膜で構成された構成となっている。
上記図3乃至図4に示す電子写真感光体7C乃至7Dにおいては、保護層5が、導電性基体4から最も遠い側に配置される最表面層となっており、当該最表面層が、上記特定の組成物の硬化膜で構成された構成となっている。
なお、図1乃至図4に示す電子写真感光体において、下引層1は設けてもよいし、設けなくてもよい。
導電性基体としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、薄膜(例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及びアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の膜)を設けたプラスチックフィルム等、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、導電性付与剤を塗布又は含浸させたプラスチックフィルム等が挙げられる。基体の形状は円筒状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
なお、導電性基体粒子は、例えば体積抵抗率が107Ω・cm未満の導電性を有するものがよい。
下引層は、導電性基体表面における光反射の防止、導電性基体から感光層への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。
下引層に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などが挙げられる。これらの中でも、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが望ましく用いられる。
また、導電性粒子は、疎水化処理剤(例えばカップリング剤)等により表面処理を施して、抵抗調整して用いてもよい。
導電性粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが望ましく、より望ましくは40質量%以上80質量%以下である。
また、下引層形成用塗布液中に粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。ここで、高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂中とを含んで構成される。かかる電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、例えば10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷輸送層は、鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物の少なくとも1種と、付加開裂型連鎖移動剤と、を含有する組成物の硬化膜からなる層である。
付加開裂型連鎖移動剤とは、一の化合物内において、熱等の外部エネルギーを加えることにより、水素ラジカルまたはハロゲンラジカルの発生がほとんど無視できるほどになく、かつ水素原子またはハロゲン原子の少なくとも一つを含む化学結合以外の化学結合の開裂により、水素ラジカルまたはハロゲンラジカルを含まないラジカル種が発生する化合物をいう。
付加開裂型連鎖移動剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
ここで、電荷輸送性骨格としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が電荷輸送性骨格が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が望ましい。
一方、連鎖重合性官能基としては、不飽和二重結合を含有する基が挙げられ、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチレン基、及びそれらの誘導体から選択される少なくも一つを含有する基等が挙げられる。
通常、硬化反応には反応性の高いアクリル基が用いられることが多いが、一般式(A)で示される化合物のように、かさ高い電荷輸送材料の置換基として反応性の高いアクリル基を用いた場合、不均一な硬化反応がおきやすくなりミクロ(若しくはマクロ)的な海島構造ができやすくなると考えられる。この海島構造は電子分野以外では特に問題となることは少ないが、電子写真感光体として用いた場合には、最表面層のムラ・シワ、画像ムラなどの問題を生じる。そのため、Dが表す基の末端はメタクリロイル基であることが望ましい。
なお、この海島構造の形成は一つの電荷輸送性骨格に複数の官能基がついている場合は、特に顕著になると考えられる。
ここで、置換アリール基における置換基としては、Dが表す基以外のものとして、炭素数1乃至4のアルキル基若しくはアルコキシ基、炭素数6乃至10の置換若しくは未置換のアリール基等が挙げられる。
Ar1乃至Ar4としては、下記式(1)乃至(7)のうちのいずれかであることが望ましい。なお、下記式(1)乃至(7)は、Ar1乃至Ar4の各々に連結され得る「−(D)C1」乃至「−(D)C4」を総括的に示した「−(D)C」と共に示す。
即ち、特定の電荷輸送性材料は、前駆体であるアルコールを、対応するメタクリル酸、或いはメタクリル酸ハロゲン化物と縮合させるか、前駆体であるアルコールがベンジルアルコール構造の場合には、ヒドロキシエチルメタクリレートのような水酸基を有するメタクリル酸誘導体との脱水エーテル化などにより合成できる。
また、特定の電荷輸送性材料として、連鎖重合性官能基を4つ以上である化合物と、連鎖重合性官能基を1乃至3つ含む化合物と、を併用してもよい。この併用により、電荷輸送性能の低下を抑制しつつ、硬化膜の強度を調整しうる。
特定の電荷輸送性材料として、連鎖重合性官能基を4つ以上である化合物と、連鎖重合性官能基を1乃至3つ含む化合物と、を併用する場合、特定の電荷輸送性材料の総含有量に対して、連鎖重合性官能基を4つ以上である化合物が5質量%以上とすることが望ましく、20質量%以上とすることがより望ましい。
電荷輸送層を形成するために用いる組成物には、硬化膜の電気特性及び機械的強度を調整する目的で、連鎖重合性反応基を持たず且つ電荷輸送性骨格を持つ化合物、連鎖重合性反応基を持ち且つ電荷輸送性骨格を持たない化合物、及びバインダー樹脂から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
ここで、上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
連鎖重合性反応基を持たず且つ電荷輸送性骨格を持つ化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、硬化後の膜の機械的強度に優れ、かつ膜の電気特性(電荷輸送性)により優れるといった観点から、特定の電荷輸送性材料100質量部に対して0.1質量部以上100質量部以下が望ましく、より望ましくは1質量部以上50質量部以下であり、最も望ましくは3質量部以上30質量部以下である。
その他、連鎖重合性反応基を持ち且つ電荷輸送性骨格を持たない化合物としては、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート等の一官能の化合物;、
例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3‐プロパンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンメタノールジアクリレート、トリシクロデカンメタノールジメタクリレート等の二官能の化合物;、
例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート、グリセリンPO付加トリアクリレート、トリスアクロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化イソシアヌルトリアクリレート等の三官能の化合物;が挙げられる。
連鎖重合性反応基を持ち且つ電荷輸送性骨格を持たない化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、硬化後の膜の機械的強度に特に優れるといった観点から、特定の電荷輸送性材料100質量部に対して0.01質量部以上100質量部以下が望ましく、より望ましくは0.1質量部以上50質量部以下であり、最も望ましくは1質量部以上30質量部以下である。
バインダー樹脂の含有量は、溶液の粘度の安定性、塗膜等の加工性の向上、得られる膜の機械的強度の向上の観点から、特定の電荷輸送性材料100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下が望ましく、より望ましくは5質量部以上500質量部以下であり、最も望ましくは10質量部以上100質量部以下である。
パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH,パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイル IB、パーロイル 355、パーロイル L、パーロイル SA、ナイパー BW、ナイパー BMT−K40/M、パーロイル IPP、パーロイル NPP、パーロイル TCP、パーロイル OPP、パーロイル SBP、パークミル ND、パーオクタ ND、パーヘキシル ND、パーブチル ND、パーブチル NHP、パーヘキシル PV、パーブチル PV、パーヘキサ 250、パーオクタ O、パーヘキシル O、パーブチル O、パーブチル L、パーブチル 355、パーヘキシル I、パーブチル I、パーブチル E、パーヘキサ 25Z、パーブチル A、パーへヘキシル Z、パーブチル ZT、パーブチル Z(以上、日油化学(株)製)、カヤケタール AM−C55、トリゴノックス 36−C75、ラウロックス、パーカドックス L−W75、パーカドックス CH−50L、トリゴノックス TMBH、カヤクメン H、カヤブチル H−70、ペルカドックス BC−FF、カヤヘキサ AD、パーカドックス 14、カヤブチル C、カヤブチル D、カヤヘキサ YD−E85、パーカドックス 12−XL25、パーカドックス 12−EB20、トリゴノックス 22−N70、トリゴノックス 22−70E、トリゴノックス D−T50、トリゴノックス 423−C70、カヤエステル CND−C70、カヤエステル CND−W50、トリゴノックス 23−C70、トリゴノックス 23−W50N、トリゴノックス 257−C70、カヤエステル P−70、カヤエステル TMPO−70、トリゴノックス 121、カヤエステル O、カヤエステル HTP−65W、カヤエステル AN、トリゴノックス 42、トリゴノックス F−C50、カヤブチル B、カヤカルボン EH−C70、カヤカルボン EH−W60、カヤカルボン I−20、カヤカルボン BIC−75、トリゴノックス 117、カヤレン 6−70(以上、化薬アクゾ(株)製)、ルペロックスLP(同:64℃)、ルペロックス610(同:37℃)、ルペロックス188(同:38℃)、ルペロックス844(同:44℃)、ルペロックス259(同:46℃)、ルペロックス10(同:48℃)、ルペロックス701(同:53℃)、ルペロックス11(同:58℃)、ルペロックス26(同:77℃)、ルペロックス80(同:82℃)、ルペロックス7(同:102℃)、ルペロックス270(同:102℃)、ルペロックスP(同:104℃)、ルペロックス546(同:46℃)、ルペロックス554(同:55℃)、ルペロックス575(同:75℃)、ルペロックスTANPO(同:96℃)、ルペロックス555(同:100℃)、ルペロックス570(同:96℃)、ルペロックスTAP(同:100℃)、ルペロックスTBIC(同:99℃)、ルペロックスTBEC(同:100℃)、ルペロックスJW(同:100℃)、ルペロックスTAIC(同:96℃)、ルペロックスTAEC(同:99℃)、ルペロックスDC(同:117℃)、ルペロックス101(同:120℃)、ルペロックスF(同:116℃)、ルペロックスDI(同:129℃)、ルペロックス130(同:131℃)、ルペロックス220(同:107℃)、ルペロックス230(同:109℃)、ルペロックス233(同:114℃)、ルペロックス531(同:93℃)(以上、アルケマ吉富(株)製)等が挙げられる。
分子内開裂型としては、ベンジルケタール系、アルキルフェノン系、アミノアルキルフェノン系、ホスフィンオキサイド系、チタノセン系、オキシム系が挙げられる。具体的には、ベンジルケタール系としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オンが挙げられる。アルキルフェノン系としては、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]- 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、アセトフェノン、2-フェニル-2-(p-トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノンが挙げられる。アミノアルキルフェノン系としては、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)- 2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)- 2-[(4-メチルフェニル)メチル]- 1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]- 1-ブタノンなどが挙げられる。ホスフィンオキサイド系としては、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。チタノセン系としては、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2, 6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウムなどが挙げられる。オキシム系としては、1, 2-オクタンジオン, 1-[4-(フェニルチオ)-, 2-(0-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-, 1-(0-アセチルオキシム)などが挙げられる。
水素引抜型としては、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンジル系、ミヒラーケトン系などが挙げられる。具体的には、ベンゾフェノン系としては、2-ベンゾイル安息香酸、2-クロロベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、4-ベンゾイル 4'-メチルジフェニル スルフィド、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサントン系としては、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。ベンジル系としては、ベンジル、(±)-カンファーキノン、p-アニシルなどが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、連鎖重合反応が進行し、硬化後の膜の機械的強度に優れるといった観点から、特定の電荷輸送性材料100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下が望ましく、より好ましくは0.05質量部以上8質量部以下であり、最も好ましくは0.1質量部以上5質量部以下である。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が用いられる。
また、市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−8239(以上、信越シリコーン社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が用いられる。
更に、撥水性等の付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の含フッ素化合物を加えてもよい。更に、特開2001−166510号公報などに開示されている反応性の含フッ素化合物などを混合してもよい。
シランカップリング剤は任意の量で使用されるが、含フッ素化合物の量は、フッ素を含まない化合物に対して質量で0.25倍以下とすることが望ましい。この使用量を超えると、架橋膜の成膜性に問題が生じる場合がある。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系又はヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては、保護層形成のための塗布液(組成物)中の全固形分に対して、20質量%以下が望ましく、10質量%以下がより望ましい。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」以上三共ライフテック社製、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」以上、チバ・ジャパン社製、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上アデカ社製が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−D」以上住友化学社製が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」以上アデカ社製等が挙げられる。
粒子の一例として、ケイ素含有粒子が挙げられる。ケイ素含有粒子とは、構成元素にケイ素を含む粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン粒子等が挙げられる。ケイ素含有粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒径1nm以上100nm以下、望ましくは10nm以上30nm以下のシリカを、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、アルコール、ケトン、又はエステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用してもよい。
保護層5中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から、保護層5の全固形分全量を基準として、0.1質量%以上50質量%以下、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下の範囲で用いられる。
保護層5中のシリコーン粒子の含有量は、保護層5の全固形分全量を基準として、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より望ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
まず、上記組成物からなる電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層の上に、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法により塗布する。
次に、塗膜を、硬化させる。この硬化方法としては、連鎖重合性反応基が反応する公知の条件であれば特に限定されるものではなく、熱、電子線、光の外部エネルギーその他これらの併用によって反応が進行し、結果的に塗膜が硬化する。
ここで、硬化の際の設備的容易さや、副反応を制御しやすいといった観点から望ましい硬化方法としては熱による硬化方法である。
また、反応時間としては、反応温度によって選択されるが、好ましくは5分以上1000分以下であり、より好ましくは15分以上500分以下であり、最も好ましくは30分以上120分以下である。
なお、熱による硬化は、重合開始剤から発生したラジカルが失活することなく、連鎖重合性官能基の重合反応(連鎖重合反応)に寄与させるため、真空又は不活性ガス雰囲気下(例えば酸素濃度が1ppm以上5%以下であり、さらに好ましくは5ppm以上3%以下であり、最も好ましくは10ppm以上500ppm以下の雰囲気下)で行うことがよい。
なお、保護層を有する場合の電荷輸送層、単層型感光層の構成は、周知の構成が採用される。
図5は、実施形態に係る画像形成装置100を示す概略構成図である。
図5に示される画像形成装置100は、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置(静電潜像形成手段)9と、転写装置(転写手段)40と、中間転写体50と、を備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光可能な位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。
現像剤は、トナーからなる一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤であってもよい。
図6に示される画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式のカラー画像形成装置である。
画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
そして、上記特定の組成物の硬化膜(電荷輸送性組成物の硬化膜)は、電荷輸送性に優れた膜(また、電荷輸送性と共に機械的強度にも優れる膜)であり、上記用途に有用となる。
(電子写真感光体の作製)
−下引層の作製−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤 (ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製) :13.5質量部とブチラール樹脂 (エスレックBM−1 、積水化学社製) 15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン :25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製):40質量部を添加し、下引層塗布用液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて円筒状(直径30mm、長さ340mm、肉厚1mm)および板状(縦70mm、横30mm、肉厚0.5mm)のアルミニウム基材上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い厚さ18μmの下引層を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層用の塗布液を得た。この電荷発生層用塗布液を先に作製した円筒状アルミニウム基板および板状アルミニウム基板に作製した下引層上に浸漬塗布し、常温で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物として上記(i−11)で表される化合物100質量部に対して、付加開裂型連鎖移動剤である2、4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(東京化成工業(株)製)2質量部を、テトラヒドロフラン(安定剤なし。東京化成(株)製)とトルエン(関東化学(株)製)の質量比50:50の混合溶媒189質量部に溶解させ、電荷輸送組成物を作製した。このとき、(i―11)で示される化合物および2、4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン総量の濃度は35質量%であった。
先に作製した円筒状アルミニウム基板上に、下引層、電荷発生層を積層した膜に対して、上記電荷輸送性組成物をリングコート法によって、突き上げ速度150mm/minで製膜した。その後、その後、酸素濃度計を有する窒素乾燥機にて、酸素濃度300ppm以下の状態で、温度150℃、時間60分硬化反応を実施し、電荷輸送層(電荷輸送性硬化膜)を形成した。このとき膜厚は12μmであった。
同様に、先に作製した板状アルミニウム基板上に、下引層、電荷発生層を積層した膜に対して、上記電荷輸送性組成物をブレードコーティング法を用いて滴下し、ブレードと板状アルミニウム基板上に下引層及び電荷発生層を積層した膜との隙間が0.1mmとなるよう調整して製膜した。その後、酸素濃度計を有する窒素乾燥機にて、酸素濃度300ppm以下の状態で、温度150℃、時間60分硬化反応を実施し、電荷輸送層(電荷輸送性硬化膜)を形成した。このとき膜厚は16μmであった。
実施例1と同様にアルミニウム基材に下引層、電荷発生層を塗布した。その後、表1に従って電荷輸送性組成物を変更したものを用いた以外は実施例1と同様にして、電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
−下地層および電荷発生層の作製−
実施例1と同様にアルミニウム基材に下引層、電荷発生層を形成した。
連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物として、上記(i−11)で示される化合物100質量部に対して、付加開裂型連鎖移動剤である2、4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(東京化成工業(株)製)5質量部、バインダー樹脂であるPCZ−400(ビスフェノール(Z)ポリカーボネート、三菱ガス化学(株)製)25質量部を、テトラヒドロフラン(安定剤なし。東京化成(株)製)とトルエン(関東化学(株)製)の質量比50:50の混合溶媒236質量部に溶解させ、電荷輸送組成物を作製した。このとき、I−11および、2、4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、PCZ−400総量の濃度は35質量%であった。
先に作製した円筒状アルミニウム基板上に、下引層、電荷発生層を積層した膜に対して、上記電荷輸送性組成物をリングコート法によって、突き上げ速度150mm/minで製膜した。その後、その後、酸素濃度計を有する窒素乾燥機にて、酸素濃度300ppm以下の状態で、温度150℃、時間60分硬化反応を実施し、電荷輸送層(電荷輸送性硬化膜)を形成した。このとき膜厚は16μmであった。
同様に、先に作製した板状アルミニウム基板上に、下引層、電荷発生層を積層した膜に対して、上記電荷輸送性組成物をブレードコーティング法を用いて滴下し、ブレードと板状アルミニウム基板上に下引層及び電荷発生層を積層した膜との隙間が0.1mmとなるよう調整して製膜した。その後、酸素濃度計を有する窒素乾燥機にて、酸素濃度300ppm以下の状態で、温度150℃、時間60分硬化反応を実施し、電荷輸送層(電荷輸送性硬化膜)を形成した。このとき膜厚は33μmであった。
。
実施例1と同様にアルミニウム基材に下引層、電荷発生層を形成した。その後、表1に従って組成を変更した電荷輸送性組成物を用いた以外は、実施例5と同様にして電荷輸送層を形成し、円筒状および板状電子写真感光体を作製した。
各例で得られた円筒状電子写真感光体を、富士ゼロックス社製DocuCentre Color a450に装着し、10℃、15%RHの環境下において、20%ハーフトーン画像を連続して1000枚印刷した。
1000枚印刷後、同環境下で、下記画像評価テストを行った。
なお、画像形成テストには、富士ゼロックス製P紙(A4サイズ、横送り)を用いた。
評価結果は、表2に示す。
濃度ムラ評価は20%ハーフトーンサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:部分的にムラの発生あり。
C:画質上問題となるムラ発生。
スジ評価は20%ハーフトーンサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:部分的にスジの発生あり。
C:画質上問題となるスジ発生。
また、上記テストとともに画像流れの評価も以下のような要領で行った。
画像流れは20%ハーフトーンサンプルを用いて目視にて判断した。
A:良好。
B:連続的にプリントテストしている時は問題ないが、24時間放置後に発生。
C:連続的にプリントテストしている時にも発生。
各例で得られた板状電子写真感光体における電荷輸送層(電荷輸送性硬化膜)について、以下の評価を行った。結果を表3示す。
20mmφの小面積マスクを使用し、25±3℃、50±10%RHの環境下において、静電複写紙試験装置(EPA8200、川口電機社製)を用いて光減衰率を測定した。 条件は以下で評価した。そして、各V1、V2、V3を求めた。
・初期表面電位=−550.0(V)
・帯電直後から露光までの暗減衰時間=1.0s、そのときの表面電位をV1(V)
・露光後、0.2s後の表面電位をV2(V)
・光減衰率=(V1−V2)/V1 ×100 (%)
・露光後、1.0s後の残留表面電位をV3
なお、電気特性としては、V1の電位が高いほど、V2の電位が低いほど、光減衰率が大きいほど、V3の電位が低いほど感光体としての応答性に優れることを示す。
25±3℃、50±10%RHの環境下にて、JIS規格K5400に準じて鉛筆硬度を測定した。
(株)フィッシャー・インストルメンツ製フィッシャースコープMMSを用いて膜厚を測定した。
また、本実施例では、比較例に比べ、電荷輸送性、及び機械的強度に優れた電荷輸送性硬化膜が得られることがわかる。
[連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物]
(a−1):(i−11)で示される化合物
(a−2):(ii−18)で示される化合物
(a−3):(ii−19)で示される化合物
(a−4):(iv−16)で示される化合物
[付加開裂型連鎖移動剤]
(w−1):2、4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(東京化成工業(株)製)
(w−2):ジフェニルジスルフィド(東京化成工業(株)製)
(w−3):テトラエチルチウラムジスルフィド(東京化成工業(株)製)
(w−4):ジエチルジチオカルバミン酸ベンジル(東京化成工業(株)製)
[鎖重合性反応基を持たず且つ電荷輸送性骨格を持つ化合物]
(b−1):N,N’−ジフェニル-N,N’−ビス(3-メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン
[連鎖重合性反応基を持ち且つ電荷輸送性骨格を持たない化合物]
(c−1):IBA(イソブチルアクリレート、和光純薬(株)製)
(c−2):ABE−300(エトキシ化ビスフェノールジアクリレート、新中村化学工業(株)製)
(c−3):THE330(トリメチロールプロパントリアクリレート、日本化薬(株)製)
[バインダー樹脂]
(e−1):PCZ−400(ビスフェノール(Z)ポリカーボネート、三菱ガス化学(株)製)
「重合開始剤」
(d−1):V−65(10時間半減期温度51℃、和光純薬工業(株)製)
(d−2):V−601(10時間半減期温度66℃、和光純薬工業(株)製)
(d−3):VE−70(10時間半減期温度73℃、和光純薬工業(株)製)
(d−4):VR−110(10時間半減期温度110℃、和光純薬工業(株)製)
(d−5):パーヘキシルO(10時間半減期温度70℃、日油(株)製)
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 導電性基体
5 保護層
6 単層型感光層
7A、7B、7C、7D、7 電子写真感光体
8 帯電装置
9 露光装置
11 現像装置
13 クリーニング装置
14 潤滑材
40 転写装置
50 中間転写体
100 画像形成装置
120 画像形成装置
300 プロセスカートリッジ
Claims (6)
- 導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光層と、を少なくとも有し、
最表面層が、連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物の少なくとも1種と、炭素炭素二重結合の開裂により、ラジカル種を発生する付加開裂型連鎖移動剤と、を含有する組成物の硬化膜からなる層である電子写真感光体。 - 前記連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物が、同一分子内に前記連鎖重合性官能基を2つ以上持つ化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記連鎖重合性官能基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に持つ化合物が、下記一般式(A)で表される化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
(一般式(A)中、Ar1乃至Ar4は、それぞれ独立に、置換若しくは未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、Dは、末端に、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びスチリル基、及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを含有する基を表し、c1乃至c5はそれぞれ独立に0、1又は2を表し、kは0又は1を表し、Dの総数は1以上である。) - 一般式(A)で表される化合物が、Dが−(CH2)d−(O−CH2−CH2)e−O−CO−C(R’)=CH2(但し、R’は水素原子、又は−CH3を表し、dは1以上5以下の整数、eは0または1を表す)を表し、Dの総数が4以上を表す化合物である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するトナー除去手段からなる群より選ばれる少なくとも一種の手段と、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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