JP5641575B2 - 素線絶縁導体の絶縁皮膜除去工具および除去方法 - Google Patents
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Description
(1)作業者のスキルによって、サンドブラスト処理時間にばらつきが生じていた。
(2)接続を行う作業現場に、大型のサンドブラスト装置を持ち込まなければならず、そのスペースを確保するのが困難であった。
(3)所定の長さの絶縁皮膜を除去するためには、口出しされた素線絶縁導体のそれぞれの絶縁皮膜付素線にブラスト粉を広範囲に当てる必要がある。また、絶縁皮膜を絶縁皮膜付素線の根本部分まで除去するためには、口出しされた素線絶縁導体のそれぞれの絶縁皮膜付素線を根本部分まで径方向に大きく開かなければならなかった。そのために、上述した従来技術のように、分離リングなどを使用して素線同士を大きく開く必要があり、作業効率が悪かった。
(4)絶縁皮膜除去後に、除去された絶縁皮膜粉以外に素線間に残留しているブラスト粉も除去する必要があり、作業効率が悪かった。
(5)サンドブラスト処理後に、素線の開きを戻す必要があるが、素線の開き角度が大きいため、開きを戻す作業に時間がかかっていた。また、戻し後の導体外径(素線の束の外径)が元の外径よりも大きくなってしまい、その絞り作業に時間を要していた。
これによれば、絶縁皮膜付素線の長手方向へ移動させるだけで、絶縁皮膜付素線の曲がり形状にも追従でき、容易に絶縁皮膜付素線の絶縁皮膜を除去することができる。
これによれば、除去手段が絶縁皮膜に回転しながら当接するようになり、より効率よく短時間で絶縁皮膜の除去作業を行うことができる。
これによれば、中空金具が揺動して回転するようになり、中空金具の内面部からなる除去手段が絶縁皮膜とさらに強く当接するようになる。その結果、さらに効率よく短時間で絶縁皮膜の除去作業を行うことができる。
これによれば、コイルばねの弾性力によって、絶縁皮膜付素線の開きによって生じる素線の屈曲に追従し易く、より確実に除去手段を素線の根本部分まで送ることができるようになる。
前記フレキシブルシャフトの中空部分に前記絶縁皮膜付素線を挿通させ、
前記絶縁皮膜付素線の長手方向に移動させて、前記除去手段と前記絶縁皮膜付素線とを摺動させて前記絶縁皮膜を除去することを特徴とする。
これによれば、絶縁皮膜付素線の長手方向へ移動させるだけで、絶縁皮膜付素線の曲がり形状にも追従でき、容易に絶縁皮膜付素線の絶縁皮膜を除去することができる。
前記除去手段と前記絶縁皮膜付素線とを摺動移動させながら、前記回転手段を用いて前記除去手段を回転させて前記絶縁皮膜を除去するようにしてもよい。
これによれば、除去手段が絶縁皮膜に回転しながら当接するようになり、より効率よく短時間で絶縁皮膜の除去作業を行うことができる。
さらに、口出しされた素線絶縁導体のそれぞれの絶縁皮膜付素線を絶縁皮膜除去のために開く作業についても、本工具の長手方向への移動を妨げない程度でよいため、サンドブラスト工法を用いる場合と比較して、絶縁皮膜付素線の開きは小さくてよい。そのため、開き作業が軽減される。また、絶縁皮膜付素線を開く角度が、サンドブラストを行う場合よりも小さくて済むため、絶縁皮膜付素線の開きを戻す作業や外径絞り作業時間が短縮される。
図1は、絶縁皮膜除去工具1を用いて絶縁皮膜付素線12(以下、素線12という)のエナメル絶縁皮膜12a(以下、絶縁皮膜12aという)を除去している状態を示す概要図である。また、図2および図3は、絶縁皮膜除去工具1の除去部分の拡大図、図4は、絶縁皮膜除去工具の研磨部30の拡大図である。
(1)まず、作業者は、図1に示すように、電力ケーブル10の接続端部で口出しされた素線絶縁導体の複数の素線12を径方向に開く。この径方向に開く作業は、従来のサンドブラスト処理を行っていたときのように素線12間の距離を大きく確保するまで開く必要がない。より詳細には、上述した研磨部30およびフレキシブルシャフト部20を素線12の長手方向に沿って挿通可能な程度に開いておけばよい。
さらに、口出しされた素線絶縁導体のそれぞれの素線12を絶縁皮膜12a除去のために開く作業についても、本工具1の長手方向への移動を妨げない程度でよいため、サンドブラスト工法を用いる場合と比較して、素線12の開きは小さくてよい。そのため、開き作業が軽減される。また、素線12を開く角度が、サンドブラストを行う場合よりも小さくて済むため、素線12の開きを戻す作業や外径絞り作業時間が短縮される。
例えば、本実施の形態では、研磨部30を回転させるために汎用品の電気ドリル40を使用しているが、電気ドリル40を使用せず(研磨部30を回転させず)に絶縁皮膜12aを除去するようにしてもよい。すなわち、電気ドリル40に供給する電源50が確保できない場合や、絶縁皮膜12aが容易に除去できる場合などに、研磨部30を素線12の延在方向に移動させて、研磨部30と素線12とを摺動・研磨することで、絶縁皮膜12aを取り除くようにすることもできる。これによれば、電気ドリル40を使用せず、より安価な絶縁皮膜除去工具を提供することができる。
また、本発明の除去手段は、素線12の絶縁皮膜12aに当たり、これを削り取る波を有するものであっても良い。
10 電力ケーブル
11 絶縁シース
12 絶縁皮膜付素線(素線)
12a エナメル絶縁皮膜(絶縁皮膜)
12b 芯線
13 外被
20 フレキシブルシャフト部
21 コイルばね(フレキシブルシャフト)
22 取付シャフト
22a 段差部
30 研磨部
31 取付金具
31a 段差部
32 中空金具
33 ダイヤモンド電着部(除去手段)
33a 左端部
33b 中央部
33c 右端部
40 電気ドリル(回転手段)
41 ドリル取付穴
50 電源
Claims (6)
- 電力ケーブルの接続端部で口出しされている素線絶縁導体のそれぞれの絶縁皮膜付素線から絶縁皮膜を除去するための絶縁皮膜除去工具であって、
前記絶縁皮膜付素線の形状に合わせて屈曲可能であり、中空形状に形成されたその内部に前記絶縁皮膜付素線を挿通可能なフレキシブルシャフトと、
このフレキシブルシャフトの先端に取り付けられ、前記絶縁皮膜付素線の絶縁皮膜と当接して摺動移動することで前記絶縁皮膜付素線の絶縁皮膜を除去する除去手段をその内面部に有する中空金具と、を備え、
前記除去手段は、
前記中空金具の内面に砥粒をリング状に固着して形成されるとともに、前記中空金具の軸方向におけるその両端部から中央部に向かい、当該内面の中心に向かって緩やかに湾曲した凸面形状に形成された研磨面を有することを特徴とする絶縁皮膜除去工具。 - 前記フレキシブルシャフトの長手方向の中心線を中心に、前記フレキシブルシャフトおよび前記除去手段を回転させる回転手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁皮膜除去工具。
- 前記除去手段をその内面部に有する中空金具の中心線が、前記フレキシブルシャフトの中心線と偏芯していることを特徴とする請求項2に記載の絶縁皮膜除去工具。
- 前記フレキシブルシャフトは、コイルばねで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の絶縁皮膜除去工具。
- 電力ケーブルの接続端部で口出しされている素線絶縁導体のそれぞれの絶縁皮膜付素線から絶縁皮膜を除去するために、前記絶縁皮膜付素線の形状に合わせて屈曲可能であり、中空形状に形成されたその内部に前記絶縁皮膜付素線を挿通可能なフレキシブルシャフトと、このフレキシブルシャフトの先端に取り付けられ、前記絶縁皮膜付素線の絶縁皮膜と当接して摺動移動することで前記絶縁皮膜付素線の絶縁皮膜を除去する除去手段をその内面部に有する中空金具と、を備え、前記除去手段は、前記中空金具の内面に砥粒をリング状に固着して形成されるとともに、前記中空金具の軸方向におけるその両端部から中央部に向かい、当該内面の中心に向かって緩やかに湾曲した凸面形状に形成された研磨面を有する絶縁皮膜除去工具を用いて、
前記フレキシブルシャフトの中空部分に前記絶縁皮膜付素線を挿通させ、
前記絶縁皮膜付素線の長手方向に移動させて、前記除去手段と前記絶縁皮膜付素線とを摺動させて前記絶縁皮膜を除去することを特徴とする絶縁皮膜の除去方法。 - 前記フレキシブルシャフトおよび前記除去手段を回転させる回転手段を備え、
前記除去手段と前記絶縁皮膜付素線とを摺動移動させながら、前記回転手段を用いて前記除去手段を回転させて前記絶縁皮膜を除去することを特徴とする請求項5に記載の絶縁皮膜の除去方法。
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JP2011160727A JP5641575B2 (ja) | 2011-07-22 | 2011-07-22 | 素線絶縁導体の絶縁皮膜除去工具および除去方法 |
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