JP5640997B2 - オルガノクロロシラン化合物の製造方法 - Google Patents
オルガノクロロシラン化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
クロロシラン類の製造方法として、対応するオルガノオキシシランをクロル化して製造する方法が知られている。例えば、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸や、塩化亜鉛等のルイス酸触媒を用いて、ジアルコキシジアルキルシランを酸クロライドと反応させて、対応するクロロシランを製造する方法が知られている(特許文献1:特開2010−37307号公報)。
[1] 酸化亜鉛触媒存在下に、下記一般式(1)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換の1価炭化水素基を表し、互いに同一でも異なっていても良く、R2はメチル基又はエチル基を表し、互いに同一でも異なっていても良い。nは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノアルコキシシランと、下記一般式(2)
R3COCl (2)
(式中、R3は、炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基を表す。)
で表される酸クロライド化合物とを反応させることを特徴とする下記一般式(3)
R1 nSiCl4-n (3)
(式中、R1、nは上記と同じである。)
で表されるオルガノクロロシラン化合物の製造方法。
[2] R1のうち少なくとも1つが、アリール基であることを特徴とする[1]記載のオルガノクロロシラン化合物の製造方法。
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換の1価炭化水素基を表し、互いに同一でも異なっていても良く、R2はメチル基又はエチル基を表し、互いに同一でも異なっていても良い。nは1〜3の整数である。)
R3COCl (2)
(式中、R3は、炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基を表す。)
R1 nSiCl4-n (3)
で表されるオルガノクロロシランを得るものである。なお、式(3)におけるR1、nは上記した通りである。
300mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジイソプロピルジメトキシシラン88.2g(0.5モル)と酸化亜鉛0.81g(0.005モル、ジイソプロピルジメトキシシランに対して1モル%)を仕込み、内温を65〜75℃に温調しながらプロピオニルクロライド97.1g(1.05モル)を2時間掛けて滴下した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ジイソプロピルジメトキシシラン及びジイソプロピルクロロメトキシシランは消失し、反応率は100%となった。また、得られた反応液を蒸留して、ジイソプロピルジクロロシラン176.8g(0.477モル)を得た。収率は95.5%であった。更に、主留中の亜鉛分をICP発光分析法で分析した結果、検出限界以下(0.2ppm以下)であった。
300mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジイソプロピルジメトキシシラン105.8g(0.6モル)と塩化亜鉛1.63g(0.012モル、ジイソプロピルジメトキシシランに対して2モル%)を仕込み、内温を75〜85℃に温調しながらプロピオニルクロライド122.1g(1.32モル)を2.5時間掛けて滴下した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、ジイソプロピルクロロメトキシシランが残っていたため、そのままの温度で1時間熟成を行った。熟成後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ジイソプロピルクロロメトキシシランは消失し、反応率は100%となった。また、得られた反応液を蒸留して、ジイソプロピルジクロロシラン104.5g(0.564モル)を得た。収率は94.0%であった。
上記結果から、塩化亜鉛触媒を用いた場合、酸化亜鉛触媒と同等の反応性を得るためには、より多くの触媒を用いて、反応時間を長くする必要があると考えられる。
1000mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジフェニルジメトキシシラン366.6g(1.5モル)と酸化亜鉛1.22g(0.015モル、ジフェニルジメトキシシランに対して1モル%)を仕込み、内温を65〜75℃に温調しながらアセチルクロライド247.3g(3.15モル)を2時間掛けて滴下した。滴下終了後に、そのままの温度で、1時間熟成を行った。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ジフェニルジメトキシシラン及びジフェニルクロロメトキシシランの他、トリフルオロメタンスルホン酸触媒を用いたときに副生するベンゼンは観測されず、反応率は100%となった。また、得られた反応液を減圧蒸留して、ジフェニルジクロロシラン345.6g(1.363モル)を得た。収率は90.9%であった。更に、主留中の亜鉛分をICP発光分析法で分析した結果、検出限界以下であった。
1000mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ジフェニルジメトキシシラン244.4g(1.0モル)とトリフルオロメタンスルホン酸3.0g(0.02モル、ジフェニルジメトキシシランに対して2モル%)を仕込み、内温を75〜85℃に温調しながらアセチルクロライド172.7g(2.2モル)を5時間掛けて滴下した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ジフェニルクロロメトキシシランが残留していたため、滴下終了後、そのままの温度で4時間熟成を行うと、ジフェニルクロロメトキシシランは消失し、反応率100%となった。ガスクロマトグラフィーによる分析では、ベンゼンが副生していることが観測された。
上記結果から、トリフルオロメタンスルホン酸触媒を用いた場合、より多くの触媒を用いる必要があり、かつベンゼンが副生してしまうことがわかった。
1000mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、メチルジフェニルエトキシシラン606.0g(2.5モル)と酸化亜鉛0.53g(0.00625モル、メチルジフェニルエトキシシランに対して0.25モル%)を仕込み、内温を45〜50℃に温調しながらアセチルクロライド206.1g(2.625モル)を3時間掛けて滴下した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、メチルジフェニルエトキシシランの他、トリフルオロメタンスルホン酸触媒を用いたときに副生するベンゼンは観測されず、反応率は100%となった。また、得られた反応液を蒸留して、メチルジフェニルクロロシラン529.2g(2.273モル)を得た。収率は90.9%であった。
また、蒸留中、酸化亜鉛が昇華して留分中に混入することはなかった。更に、主留中の亜鉛分をICP発光分析法で分析した結果、検出限界以下であった。
500mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、メチルジフェニルエトキシシラン242.4g(1.0モル)と塩化亜鉛2.7g(2モル、メチルジフェニルエトキシシランに対して0.02モル%)を仕込み、内温を75〜85℃に温調しながらアセチルクロライド86.4g(1.1モル)を4時間掛けて滴下した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、メチルジフェニルエトキシシランが残留していたため、滴下終了後、そのままの温度で1時間熟成を行うと、メチルジフェニルエトキシシランは消失し、反応率100%となった。
得られた反応液を蒸留すると、蒸留中に塩化亜鉛が昇華してきて、メチルジフェニルクロロシラン中に混入して、留分は白濁してしまった。
500mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、メチルジフェニルエトキシシラン242.4g(1.0モル)と酸化亜鉛8.4mg(0.01モル、メチルジフェニルエトキシシランに対して0.0001モル%)を仕込み、内温を45〜56℃に温調しながらアセチルクロライド82.4g(1.05モル)を2時間掛けて滴下した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、メチルジフェニルエトキシシランの他、トリフルオロメタンスルホン酸触媒を用いたときに副生するベンゼンは観測されず、反応率は100%となった。メチルジフェニルエトキシシランが残留していたため、滴下終了後、そのままの温度で4時間熟成を行うと、メチルジフェニルエトキシシランは消失し、反応率100%となった。
500mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、メチルジフェニルエトキシシラン242.4g(1.0モル)とトリフルオロメタンスルホン酸3.0g(2モル、メチルジフェニルエトキシシラン対して0.02モル%)を仕込み、内温を75〜85℃に温調しながらアセチルクロライド86.4g(1.1モル)を滴下した。
しかしながら、滴下中に反応が停止してしまい、未反応のメチルジフェニルエトキシシランが残ってしまった。また、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ベンゼンが生成していることが観測された。
上記結果から、トリフルオロメタンスルホン酸触媒を用いた場合、より多くの触媒を用いる必要があり、かつベンゼンが副生してしまうことがわかった。
Claims (2)
- 酸化亜鉛触媒存在下に、下記一般式(1)
R1 nSi(OR2)4-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜18の置換又は非置換の1価炭化水素基を表し、互いに同一でも異なっていても良く、R2はメチル基又はエチル基を表し、互いに同一でも異なっていても良い。nは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノアルコキシシランと、下記一般式(2)
R3COCl (2)
(式中、R3は、炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基を表す。)
で表される酸クロライド化合物とを反応させることを特徴とする下記一般式(3)
R1 nSiCl4-n (3)
(式中、R1、nは上記と同じである。)
で表されるオルガノクロロシラン化合物の製造方法。 - R1のうち少なくとも1つが、アリール基であることを特徴とする請求項1記載のオルガノクロロシラン化合物の製造方法。
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JP2012018041A JP5640997B2 (ja) | 2012-01-31 | 2012-01-31 | オルガノクロロシラン化合物の製造方法 |
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