JP5640326B2 - 無線通信装置及び放射指向性推定方法 - Google Patents

無線通信装置及び放射指向性推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射指向性を推定する技術に関する。
生体情報を取得するセンサ装置と、センサ装置から生体情報を収集し他のネットワークへその生体情報を送信するゲートウェイ装置とから構成される近距離の無線通信ネットワークは、ボディエリアネットワーク(BAN)と呼ばれる。このBANを利用すれば、例えば、心拍、体温等の生体情報を常時測定することにより、医療機関における検査の効率化、又は医療機関外における健康管理の充実を図るアプリケーションを実現することができる。
BANシステムで用いられる通信手法としては、生体から離れた空中を伝搬する電磁波を利用する手法、生体表面を伝搬する電磁波を用いる手法等が存在する。
BAN等のような空間の伝搬路を用いる無線通信システムでは、人体が障害物としてその無線環境に大きく影響を及ぼす場合がある。そこで、このような問題を回避する幾つかの手法が開示されている(下記特許文献1から4参照)。
特開2002−100917号公報 特開2001−102844号公報 特開2002−185391号公報 特開2007−78482号公報
BANシステムにおけるセンサ装置は、生体上又は生体の近傍(例えば、生体から数メートル)に固定される場合が多いため、腕や足等のような生体の一部がそのセンサ装置から放射される電磁波の障害物となる場合がある。腕等の障害物が当該センサ装置に接近した場合には、センサ装置からの電磁波の放射指向性が変化し、通信特性が悪化する場合がある。このような場合には、ゲートウェイ装置等のように他のセンサ装置から生体情報を収集する装置が他のセンサ装置で取得された生体情報を適切に収集できない恐れが生ずる。
このような問題を回避するべく、従来のセンサ装置は、送信された生体情報が通信相手に正しく届かないことを検知した場合には再送を繰り返す。しかしながら、この手法では、センサ装置の消費電力が増加し、センサ装置における電池やバッテリ等の電源寿命が短くなる。このような問題は、緊急の情報が取得されたにも関わらずそのセンサ装置が電池切れで送信不能となる事態を生じさせる可能性がある。
本開示の課題は、このような問題点に鑑み、障害物に応じた放射指向性の変化を適切に検知する技術を提供することにある。
本開示の各態様では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第1の態様では、無線通信装置が、アンテナ素子を含む回路基板と、このアンテナ素子への給電により誘起される回路基板上少なくとも一部領域の電流分布を推定する推定手段と、この推定手段により推定された電流分布に応じた放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する特定手段と、を備える。
本開示の別態様としては、以上の何れかの処理を実行する放射指向性推定方法であってもよい。
上記各態様によれば、障害物に応じた放射指向性の変化を適切に検知する技術を提供することができる。
BANシステムの構成例を示す図。 実施例1のセンサ装置1における無線通信処理部の構成を示す図。 実施例2におけるセンサ装置1の一部構成例を示す図。 実施例2における電流センサ31の構成例を示す図。 検出電流と放射指向性との対応例を示す図。 解析モデルとしての実施例2におけるセンサ装置1を示す図。 電磁界シミュレーションにおける解析モデルの全体像を示す図。 モデル1におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル1における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル2におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル2における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル3におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル3における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル4におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル4における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル6におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル6における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル7におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル7における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 実施例2のセンサ装置1における電流分布の推定動作及び放射パターンの特定動作の例を示すフローチャート。 実施例3におけるセンサ装置1の一部構成例を示す図。 実施例3における検出電流と放射指向性との対応例を示す図。 モデル1におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル1における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル2におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル2における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル3におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル3における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル4におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル4における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル5におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル5における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル6におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル6における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル7におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル7における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 実施例4におけるセンサ装置1の一部構成例を示す図。 実施例4における検出電流と放射指向性との対応関係例を示す図。 モデル1におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル1における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。 モデル2におけるXY平面の放射指向性を示すグラフ。 モデル2における回路基板30上の電流分布を示すグラフ。
以下、図面を参照して、実施形態としてのセンサ装置について具体例を挙げ説明する。以下の実施例では、BANシステムに適用されるセンサ装置を例に挙げるが、本実施形態としてのセンサ装置は、利用されるシステム等を限定するものではない。また、以下の実施例では、センサ装置を例に挙げるが、センシング機能を有さず無線通信機能のみを有する無線通信装置であってもよい。なお、以下に述べる各実施例の構成はそれぞれ例示であり、本実施形態は以下の実施例の構成に限定されない。
以下、実施例1におけるセンサ装置について説明する。実施例1におけるセンサ装置は、図1に示すようなBANシステムに適用される。図1は、BANシステムの構成例を示す図である。
BANシステムは、実施例1におけるセンサ装置1(#1及び#2)、並びにゲートウェイ装置5等を有する。センサ装置1は、生体9に取り付けられ、例えば生体情報を測定する。センサ装置1(#1及び#2)は、アンテナ2(#1及び#2)を有し、空間を伝搬路としてゲートウェイ装置5と無線通信する。センサ装置1(#1及び#2)は、上記無線通信により、測定された生体情報をゲートウェイ装置5へ送信する。センサ装置1(#1及び#2)が相互に無線通信するようにしてもよい。以降、複数のセンサ装置1を区別する必要がある場合にのみ(#1)及び(#2)の符号を付すものとする。
ゲートウェイ装置5は、アンテナ6を有し、空間を伝搬路としてセンサ装置1と無線通信する。ゲートウェイ装置5は、例えば、センサ装置1と無線通信可能な範囲で生体9と離れた位置に設置される。ゲートウェイ装置5は、センサ装置1から収集された生体情報をネットワーク8等へ送出する。なお、本実施形態は、BANシステムで扱われる情報(生体情報等)を限定するものではない。
〔装置構成〕
図2は、実施例1のセンサ装置1における無線通信処理部の構成を示す図である。実施例1におけるセンサ装置1は、無線通信処理部21をその一部に含む。本実施形態は、センサ装置1が有する無線通信処理以外の他の処理(生体情報センシング処理等)を限定するものではないため、他の処理については言及しない。
アンテナ素子20は、回路基板上に固定される。アンテナ素子20は、無線通信処理部21から送られる高周波信号を放射する。また、アンテナ素子20は、空間を伝搬された信号を受信し、この受信信号を無線通信処理部21へ送る。
無線通信処理部21は、送信情報を搬送するための高周波信号を生成し、アンテナ素子20へ送る。一方で、無線通信処理部21は、アンテナ素子20で受信された信号を処理し、この受信信号から受信情報を取り出し、図示しない他の処理部へその取り出された受信情報を送る。無線通信処理部21は、ベースバンド処理部(以降、BB処理部と表記する)25、無線部(以降、RF部と表記する)26、電流分布推定部27、放射パターン
特定部28を含む。
BB処理部25はベースバンド処理を実行する。BB処理部25は、図示しない他の処理部から送信情報を受け、この送信情報を符号化、変調等によりベースバンド信号に変換し、変換されたベースバンド信号をRF部26へ送る。上記送信情報は、例えば、取り付けられた生体9から収集される生体情報(血圧、体温等)である。
一方、アンテナ素子20で受信された信号に対応するベースバンド信号を受けた場合には、BB処理部25は、そのベースバンド信号を復調、復号等を行うことによりそのベースバンド信号から受信情報を得る。受信信号がACK(受信確認)信号である場合には、この受信情報は、例えば、受信確認を示す情報となる。また、この受信情報は、上述のような生体情報であってもよい。得られた受信情報は、図示しない他の処理部へ送られる。
RF部26は、BB処理部25からのベースバンド信号を受け、このベースバンド信号を所定の周波数を有する高周波信号に変換する。RF部26は、この変換された高周波信号を所定の電力に増幅した後、アンテナ素子20へ送る。一方で、RF部26は、アンテナ素子20から受信信号を受けると、この受信信号をノイズを低減させながら増幅する。RF部26は、この増幅された受信信号をベースバンド信号に変換し、このベースバンド信号をBB処理部25へ送る。
アンテナ素子20の給電点に電力が供給されると、そのアンテナ素子20が固定されている回路基板上にも高周波電流が誘起される。電流分布推定部27は、上記アンテナ素子20が固定されている回路基板上少なくとも一部領域の電流分布を推定する。本実施形態は、電流分布推定部27による電流分布の推定範囲を限定するものではない。電流分布推定部27は、推定された電流分布に関する情報を放射パターン特定部28へ送る。
当該回路基板上の電流分布は、アンテナ素子20を含む回路基板の放射指向性の変化に応じて変化する。アンテナ素子20を含む回路基板の放射指向性は、例えば、当該回路基板を含むセンサ装置1の近くに障害物が存在する場合に変化する。実施例1におけるセンサ装置1は生体9に取り付けられるため、例えば、腕等の生体9の一部や、生体9の近くに位置する他の生体がその障害物になり得る。
放射パターン特定部28は、電流分布推定部27により推定された電流分布に応じたアンテナ素子を含む回路基板の放射パターンを現在の放射指向性として特定する。例えば、放射パターン特定部28は、回路基板上の電流分布の各パターンと各放射パターンとの対応関係を保持しており、この対応関係を用いて電流分布推定部27から送られる電流分布パターンに対応する放射パターンを現在の放射パターンと決定する。放射パターン特定部28は、このように特定された放射パターンを示す情報をBB処理部25へ送る。
このように実施例1におけるセンサ装置1は、アンテナ素子を含む回路基板上少なくとも一部領域の電流分布を推定し、この回路基板上の電流分布に応じて現在の放射パターンを特定する。センサ装置1の回路基板近傍に障害物が存在する場合には当該回路基板の放射パターンが変化する。これにより、実施例1におけるセンサ装置1は、上記のように放射パターンを特定することで、障害物に応じた放射指向性の変化を検知することができる。

従って、センサ装置1は、放射特性が劣化している場合に無駄な再送を行うことなく何らかの回避策を採ることができる。この回避策としては、特定された現在の放射指向性に基づいて、感度が強い方向に存在する他のセンサ装置1に中継させてゲートウェイ装置5へ所望の情報を送り届けるようにしてもよいし、放射指向性が回復するまで待つようにし
てもよい。
従って、実施例1によれば、障害物に応じた放射指向性の変化を検知することで、無駄な再送を削減することができ、ひいては、無駄な無線送信にかかる消費電力を削減することができる。更に、実施例1によれば、特定された放射指向性を用いた回避策により無線通信不能状態を回避することができる。
上記実施例1におけるセンサ装置1は、更に、アンテナ素子20を含む回路基板上の電流を検出する電流検出部を備えるようにしてもよい。これにより、上述の電流分布推定部27は、電流検出部により検出された電流値を用いて、予め保持される回路基板上の複数の電流分布パターンのうちのいずれか1つを現在の電流分布と推定するようにしてもよい。このような具体例によれば、実際の回路基板上の電流値に基づいて電流分布が推定されるため、より正確に電流分布を推定することができる。
この場合には、放射パターン特定部28が、予め保持される前記回路基板上の電流分布の複数パターンのそれぞれに対応する複数の放射パターンのうち、電流分布推定部27により推定された電流分布に対応する放射パターンを回路基板の放射指向性として特定することができる。
以下、実施例2におけるセンサ装置1について説明する。
〔装置構成〕
図3は、実施例2におけるセンサ装置1の一部構成例を示す図である。実施例2におけるセンサ装置1は、図3に示すように、アンテナ素子20(#1及び#2)、BB処理部25、RF部26、電流分布推定部27、放射パターン特定部28、電流センサ31(#1、#2及び#3)、算出部33等をその一部に含む。このうち、アンテナ素子20(#1及び#2)、並びに電流センサ31(#1、#2及び#3)は、図3に示すような位置に、回路基板30上に固定される。以降、アンテナ素子20及び電流センサ31の回路基板上30の位置を説明する場合には、図3に示すX軸及びY軸を用いて説明する。
BB処理部25、RF部26、電流分布推定部27、放射パターン特定部28及び算出部33は、ソフトウェアの構成要素又はハードウェアの構成要素、若しくはこれらの組み合わせとしてそれぞれ実現される([その他]の項参照)。図3は、BB処理部25、RF部26、電流分布推定部27、放射パターン特定部28及び算出部33の設置位置を示すものではない。
回路基板30は、トランジスタ、コンデンサ、抵抗器、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のような電子機器を固定し、各電子機器間を配線
で接続する。実施例2では、薄い板状で、上面及び下面が長方形の回路基板30を例に挙げる。図3には、回路基板30の上面が示されている。なお、本実施形態はこの回路基板30の構造、形態等を限定するものではない。
アンテナ素子20(#1及び#2)はそれぞれL字形状の導体であり、ダイポール型アンテナを形成する。実施例2におけるアンテナ素子20(#1及び#2)は、図3に示すように、回路基板30の上面におけるY軸(長手方向)の+Y方向の端部領域に、回路基板30のX軸(短手方向)の中心で対称となるようにそれぞれ取り付けられる。アンテナ素子20(#1及び#2)の各一端は、給電線路38又は39を介して給電点37に接続される。アンテナ素子20(#1及び#2)は給電点37からそれぞれ給電される。
電流センサ31(#1、#2及び#3)は、回路基板30の上面における図3に示すような各位置の高周波電流をそれぞれ検出し、検出された各電流値をそれぞれ電流分布推定部27へ送る。図4は、実施例2における電流センサ31の構成例を示す図である。
電流センサ31は、電流プローブ41、検波回路42、増幅回路43等を含む。電流プローブ41は、回路基板30の上面の表面の所定位置に印刷等により固定される。なお、各電流センサ31(#1、#2及び#3)の取り付け位置については後述する。電流センサ31の取り付け位置周辺に高周波電流が流れると、電流プローブ41に交流電圧が生じ、この交流電圧が検波回路42で直流電圧に変換される。この変換された直流電圧が増幅回路43で増幅され、増幅された電圧が出力される。各電流センサ31からの出力電圧値は、それぞれ各検出電流値に対応する。
なお、図3で示される増幅回路43は、一般的な反転型増幅回路であり、抵抗器44及び45並びにオペアンプ46等を含む。この増幅回路43のオペアンプ46のプラス入力端子48、及び、電流プローブ41の一端47は、回路基板30の下面に設けられたグランド(GND)に接続される。
電流分布推定部27は、算出部33を含む。算出部33は、電流センサ31(#1、#2及び#3)からの各出力電圧をそれぞれ受け、各出力電圧の大小関係、各出力電圧の他の出力電圧との差分絶対値、及び各出力電圧値をそれぞれ算出する。ここで算出される各出力電圧の大小関係、各出力電圧の他の出力電圧との差分絶対値、及び各出力電圧値は、各検出電流値の大小関係、各検出電流値の他の検出電流値との差分絶対値、及び各検出電流値に相当する。算出部33は、このような各情報を算出するために、例えば、絶対値回路、減算器、コンパレータを有する。
電流分布推定部27は、算出部33から、各検出電流値の大小関係、各検出電流値の他の検出電流値との差分絶対値、及び各検出電流値をそれぞれ受けると、これら検出電流値の関係が予め保持される複数の電流分布パターンのうちのいずれのパターンを示すかを判断する。実施例2では、電流分布推定部27は、検出電流値の関係について図5に示す5つのパターンを予め保持する。電流分布推定部27は、検出電流値の関係が図5に示す5つの電流分布パターンのうちのいずれのパターンとなるかを判定する。
図5は、検出電流と放射指向性との対応関係例を示す図である。図5では、電流センサ31(#1)の検出電流値をAとし、電流センサ31(#2)の検出電流値をBとし、電流センサ31(#3)の検出電流値をCとしている。
図5の例によれば、電流分布パターン1が、A、B及びCの各差分が所定値以内に収まる関係を示す。電流分布パターン2が、A、B及びCの各差分が所定値以内に収まり、かつ、各電流値がそれぞれ電流分布パターン1よりも小さくなっている関係を示す。電流分布パターン3が、A及びCの差分が所定値以内に収まり、かつ、A及びCがBよりもその差が上記所定値を超える程に大きい関係を示す。電流分布パターン4が、B及びCの差分が所定値以内に収まり、かつ、AがB及びCよりその差が上記所定値を超える程に大きい関係を示す。電流分布パターン5が、A及びBの差分が所定値以内に収まり、かつ、CがA及びBよりその差が上記所定値を超える程に大きい関係を示す。なお、各電流分布パターンにおける近似判定で利用される上記所定値は、電流センサ31で検出される電流値の精度に依存するため、この精度が低い場合には所定値を用いないようにしてもよい。
このように、実施例2における電流分布推定部27は、電流センサ31(#1、#2及び#3)で検出された各電流値の比較結果等を用いることによりそのときの電流分布を推定する。図5に示す各電流分布パターン1から5が電流分布推定部27により推定される
電流分布に相当する。
放射パターン特定部28は、電流分布推定部27により推定された電流分布パターンに対応する指向性コードを取得する。図5の例によれば、指向性コードは3ビットコードで示される。電流分布パターン1の場合にはその指向性コードは「001」で示される。電流分布パターン2の場合にはその指向性コードは「010」で示される。電流分布パターン3の場合にはその指向性コードは「011」で示される。電流分布パターン4の場合にはその指向性コードは「100」で示される。電流分布パターン5の場合にはその指向性コードは「101」で示される。
各指向性コードは、図5に示すように、それぞれ以下のような放射パターンを示す。電流分布パターン1の指向性コード「001」の放射パターンは、±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度で放射される特性を有する。電流分布パターン2の指向性コード「010」の放射パターンは、±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度で放射されるが、−Y方向に放射が偏り電流分布パターン1よりも全体的に放射が弱い特性を有する。電流分布パターン3の指向性コード「011」の放射パターンは、+Y方向に強く放射する特性を有する。電流分布パターン4の指向性コード「100」の放射パターンは、−X方向に強く放射する特性を有する。電流分布パターン5の指向性コード「101」の放射パターンは、+X方向に強く放射する特性を有する。放射パターン特定部28は、取得された指向性コードをBB処理部25へ送る。
BB処理部25は、実施例1と同様に送信情報を搬送するためのベースバンド信号を生成すると共に、放射パターン特定部28から送られる指向性コードを搬送するベースバンド信号を生成する。BB処理部25は、このように生成されたベースバンド信号を無線部26へ送る。
無線部26の処理は、実施例1と同様である。無線部26は、BB処理部25から送られるベースバンド信号を高周波信号に変換し、その高周波信号を給電線路35へ送出する。無線部26は、この給電線路35を介して給電点37に接続される。無線部26から送られる高周波信号は、給電点37からアンテナ素子20へ送られる。
なお、上述のBB処理部25は、指向性コードを無線送信するためのベースバンド処理を実行したが、更に、指向性コードに応じて送信先のノードを切り替えるようにしてもよい。例えば、送信パケット(フレーム)に設定される送信先ノードIDをゲートウェイ装置5から他のセンサ装置のノードIDに切り替えるようにしてもよい。このようにすれば、障害物に応じて指向性が変化した場合であっても、他のセンサ装置を介してゲートウェイ装置5へ所望の情報を転送させることができる。
〔電流センサの位置の決定方法〕
上述のように、電流センサ31(#1、#2及び#3)は、障害物による放射指向性変化に対応する電流分布を検出できる位置にそれぞれ配置されることが望ましい。以下、電流センサ31の位置の決定方法の一例について説明する。
この例では、回路基板30上の電流分布と、そのときのアンテナ素子20を含む回路基板30の放射パターンとの関係を予め電磁界シミュレーションにて把握する。電磁界シミュレーションには、モーメント法、FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法等を
用いた一般的な電磁界解析が利用される。なお、このようなシミュレーションを用いず、実際にアンテナ素子20へ給電し、それにより誘起される回路基板30上の電流を計測する手法を用いてもよい。
この電磁界シミュレーションでは、図6及び7に示すような解析モデルを用いて、回路基板30の近傍に人体等の損失性物体(障害物)が存在したときの回路基板30上の電流分布の変化及び放射指向性の変化を調査する。図6は、解析モデルとしての実施例2におけるセンサ装置1を示す図である。図7は、電磁界シミュレーションにおける解析モデルの全体像を示す図である。
この解析モデルでは、実施例2における電流センサ1の回路基板30の大きさをX軸方向20ミリメートル[mm]、Y軸方向30[mm]に設定する。また、座標に関し、アンテナ素子20(#1)の給電線路38が接続される端をX=0に設定し、Y軸方向の回路基板30の中心をY=0に設定し、回路基板30の下面から上面に向かう方向をZ軸にする。回路基板30のZ軸方向の厚みは2.4[mm]を想定する。また、この解析モデルでは、回路基板30に関し、比誘電率として4.5を利用し、導電率として5e-6ジーメンスパーメートル[S/m]を用いる。
更に、この解析モデルは、センサ装置1の実施態様と合わせるために、回路基板30の下面には人体71(比誘電率=40、導電率=2.0[S/m])が接触して存在することとする。この人体71は、X軸方向に156[mm]、Y軸方向に136[mm]、Z軸方向に66[mm]の大きさを持つよう設定される。この状態で、アンテナ素子20の給電点37に2.45ギガヘルツ[GHz]の高周波電力が供給された場合の回路基板30上の電流分布を以下の各モ
デルに関しそれぞれシミュレートする。
・モデル1:障害物が存在しない場合(下面に接触する人体71のみ)
・モデル2:回路基板30の−Y方向側の端から1[mm]離れた位置に、腕等を想定する人体の一部72が存在する場合(図7に示す解析モデル)
・モデル3:回路基板30の+X方向側の端から1[mm]離れた位置に、人体の一部72が存在する場合
・モデル4:回路基板30の+Y方向側の端から1[mm]離れた位置に、人体の一部72が存在する場合
・モデル5:回路基板30の−X方向側の端から1[mm]離れた位置に、人体の一部72が存在する場合
・モデル6:回路基板30の上面から+Z軸方向に1[mm]離れた位置に、人体の一部72が存在する場合(人体の一部72が回路基板30を覆う場合)
・モデル7:回路基板30の上面から+Z軸方向に10[mm]離れた位置に、人体の一部72が存在する場合(人体の一部72が回路基板30を覆う場合)
なお、腕等を想定する人体の一部72は、Y軸方向に60[mm]、X軸方向に136[mm]、Z軸方向に50[mm]の大きさを有するものを用いる。また、人体の一部72の配置を回路基板30から1[mm]離れた位置に設定したのは、センサ装置1の実施態様として衣服等が人体と回路基板30との間に介在する場合を想定したからである。
このように本方法では、センサ装置1の近傍の各位置に障害物が存在する場合の各モデルを用いて電磁界シミュレーションを行うことにより、まず、回路基板30上の電流分布と放射パターンとの対応関係を見いだす。次に、本方法では、各モデルの放射パターンに対応する各電流分布をそれぞれ区別できるような回路基板30上の位置を決定する。結果、この決定された位置を電流センサ31を配置する電流検出位置として決定する。
電磁界シミュレーションの結果、実施例2におけるセンサ装置1では、そのアンテナ素子20の設置位置に応じて、3つの位置A、B及びCが電流検出位置に決定される。電流検出位置については、アンテナ素子20から離れた位置において電流分布の変化が区別し易いため、−Y方向の位置Bが決定される。更に、X軸方向での分布を検出するために、+Xの位置Aと、−Xの位置Cと、が決定される。
なお、各電流分布をそれぞれ区別するための回路基板30上の電流検出位置の数は、多いほど精密度が増す一方で、多いほど回路構成が複雑になる等のデメリットが生じる。従って、低消費電力、及び低コストのセンサ装置1を実現するためには、上記電流検出位置の数は、各電流分布をそれぞれ区別する必要最小限の数に決定されることが望ましい。本方法において上記のよう電流検出位置の数が3つに決定されたのは、電流分布の変化が区別し易いアンテナ素子20から離れた位置であってXY平面をカバーする必要最小限の数となるからである。
以下、上記解析モデルにおける電磁界シミュレーションの結果を説明すると共に、3つの電流検出位置A、B及びCについて検証する。
図8は、モデル1におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図9は、モデル1における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。なお、図9等のような電流分布を示すグラフは、利用周波数(2.45[GHz])において略一周期(t=1.09ナノ秒[ns], 1.152[ns], 1.192[ns], 1.25[ns], 1.299[ns], 1.352[ns], 1.401[ns], 1.450[ns], 1.490[ns])における回路基板30表面のスナップショットの平均値を示している。
モデル1、即ち、センサ装置1の近傍に障害物がない状態における放射パターンは、図8に示されるように、XY平面において回路基板30から±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度で放射される。このモデル1の電流分布では、図9に示されるように、アンテナ素子20に近い位置の電流が大きく、アンテナ素子20から離れるにつれ(−Y方向に)電流が徐々に小さくなる。
これにより、位置A、B及びCは、25dB(decibel)マイクロアンペア[dBuA]から3
0[dBuA]の電流分布に属する。よって、位置A、B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内であれば、障害物のない場合の放射パターン、即ち回路基板30から±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度を持つ放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図10は、モデル2におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図11は、モデル2における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル2における放射パターンは、図10に示されるように、障害物の位置と反対側(+Y方向)に強くなり、±X方向には顕著な放射指向性の偏りは見られない。すなわち、回路基板30のアンテナ素子20から離れた端の近傍に障害物が存在する場合には、放射パターンは、その障害物の位置と反対方向に強い特性を有する。
このモデル2の電流分布は、図11に示されるように、障害物に近い領域の電流値がモデル1に較べて小さくなる。これにより、モデル1では25[dBuA]から30[dBuA]の電流値を示していた位置にモデル2では20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布が存在する。結果、位置A及びCは、モデル1と同様に、25[dBuA]から30[dBuA]の電流分布に属し、位置Bは、20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布に属する。
よって、位置A及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、位置Bの電流値が他の位置A及びCの電流値よりも5[dBuA]以上小さい場合には、+Y方向に強い特性を有する放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図12は、モデル3におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図13は、モデル3における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル3における放射パターンは、図12に示されるように、±Y方向には顕著な放射指向性の偏りはなく、障害物と反対方向の−X方向に強くなる。
このモデル3の電流分布は、図13に示されるように、同じYの位置において障害物に近い端部領域よりも逆の他端部領域(−X側)のほうが電流値が小さくなっている箇所が存在する。これにより、位置B及びCは、モデル1と同様に、25[dBuA]から30[dBuA]の電流分布に属し、位置Aは、30[dBuA]から35[dBuA]の電流分布に属する。
よって、位置B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、位置Aの電流値が他の位置B及びCの電流値よりもその差が5[dBuA]を超える程大きい場合には、−X方向に強い特性を有する放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図14は、モデル4におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図15は、モデル4における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル4における放射指向性は、図14に示されるように、±X方向には顕著な放射指向性の偏りはなく、障害物と反対方向の−Y方向に強くなる。但し、モデル2及び3と比べた場合、モデル4の放射パターンの−Y方向への偏りの割合は小さい。これは、アンテナ素子20の近傍に損失性の障害物が存在するために、アンテナの放射効率が著しく低下し絶対利得そのものが低下したことが原因だと考えられる。
このモデル4の電流分布は、図15に示されるように、モデル1に比べて、アンテナ素子20からの−Y方向の距離に応じた電流値減少幅が大きくなる。これにより、25[dBuA]から30[dBuA]の電流値がモデル1よりも+Y方向にずれ、20[dBuA]から25[dBuA]の電流値が広く分布する。これにより、位置A、B及びCは、図15にはグラフ精度の問題により明示されていないが、モデル1と比較してそれぞれ小さい値となっており、かつ、各位置の電流値差は5[dBuA]以内に収まっている。
よって、位置A、B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、各電流値がモデル1のそれよりも小さい場合には、−Y方向に偏りつつその偏りの度合いがモデル2及び3よりも小さい放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
モデル5については、図示しないが、解析モデルが回路基板30上のX軸中央で対称となるアンテナ素子を用いているため、モデル3とX軸方向で逆の結果となる。すなわち、モデル5における放射パターンは、±Y方向には顕著な放射指向性の偏りはなく、障害物と反対方向の+X方向に強くなる。モデル5の電流分布は、同じYの位置において障害物に近い端部領域よりも逆の他端部領域(+X側)のほうが電流値が小さくなっている箇所が存在する。
これにより、位置A及びBの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、位置Cの電流値が他の位置A及びBの電流値よりもその差が5[dBuA]を超える程大きい場合には、+X方向に強い特性を有する放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図16は、モデル6におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図17は、モデル6における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル6における放射パターンは、図16に示されるように、±X方向には顕著な放射指向性の偏りはなく、−Y方向に強くなる。但し、モデル2及び3と比べた場合、モデル6の放射パターンの−Y方向への偏りの割合は小さい。この特性は、モデル6ではセンサ装置1に覆い被さるように障害物が配置されているが、アンテナ素子20の近傍に損失性の障害物が存在するといえるため、モデル4と類似する結果となっていると考えられる。
このモデル6の電流分布は、図17に示されるように、回路基板30の中央部に30[dBuA]から35[dBuA]の電流値が広く分布する。この場合、位置A、B及びCの電流値は、
図17にはグラフ精度の問題により明示されていないが、モデル1と比較してそれぞれ小さい値となっており、かつ、各位置の電流値差は5[dBuA]以内に収まっている。
よって、位置A、B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、各電流値がモデル1のそれよりも小さい場合には、−Y方向に偏りつつその偏りの度合いがモデル2及び3よりも小さい特性を有する放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
なお、上述したように、本方法では、モデル4とモデル6との放射パターンを区別していないが、図14及び16に示すように詳細に見た場合にはモデル4とモデル6との放射パターンはそれぞれ異なる。また、モデル4とモデル6との電流分布についても回路基板30の中央部においてモデル4とモデル6とで異なる。従って、回路基板30の中央部に電流検出位置を更に増やすことにより、モデル4とモデル6との放射パターンを区別するようにしてもよい。
図18は、モデル7におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図19は、モデル7における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル7における放射パターンは、図18に示されるように、±X方向及び±Y方向に顕著な放射パターンの偏りはなく、モデル1の放射パターンと類似する。
このモデル7の電流分布は、図19に示されるように、障害物のないモデル1と差異はない。この場合、位置A、B及びCの電流値は、モデル1と同様であるため、モデル1と同様の放射パターンが現在の放射指向性として特定される。
以上のような電磁界シミュレーションの結果によれば、図5に示されるような各モデルの電流分布と放射パターンとの対応関係を取得することができる。図5の例によれば、上記モデル1及び7が図5の電流分布パターン1及びそれに対応する放射パターンを有する。同様に、上記モデル4及び6が図5の電流分布パターン2に対応し、上記モデル2が図5の電流分布パターン3に対応し、上記モデル3が図5の電流分布パターン4に対応し、上記モデル5が図5の電流分布パターン5に対応する。
また、3つの電流検出位置A、B及びCで検出される電流値を用いることにより、各モデルの電流分布、即ち障害物の位置に応じた各電流分布パターンをそれぞれ推定可能なことを検証することができる。結果、このように決定された電流検出位置に電流センサ31(#1、#2及び#3)をそれぞれ配置し、各電流検出位置で検出される電流値の関係と放射パターンとの関係を電流分布推定部27及び放射パターン特定部28に組み込むことにより、実施例2におけるセンサ装置1を実現することができる。
〔動作例〕
以下、電流分布推定部27及び放射パターン特定部28による電流分布の推定動作及び放射パターンの特定動作について図20を用いて説明する。図20は、実施例2のセンサ装置1における電流分布の推定動作及び放射パターンの特定動作の例を示すフローチャートである。
電流分布推定部27は、算出部33から、各検出電流値の大小関係、各検出電流値の他の検出電流値との差分絶対値、及び各検出電流値をそれぞれ受け、これら情報を用いてまず回路基板30上の現在の電流分布を推定する。以下、電流センサ31(#1)の検出電流値をAとし、電流センサ31(#2)の検出電流値をBとし、電流センサ31(#3)の検出電流値をCとして説明する。
電流分布推定部27は、電流値Aと電流値Bとの差分絶対値が所定値以内か否かを判定する(S101)。この所定値は、電流センサ31で検出される電流値の精度に依存する値であって上記電磁界シミュレーションの結果によれば例えば5[dBuA]に設定される。この所定値は、予め調整可能に電流分布推定部27により保持される。電流分布推定部27は、電流値Aと電流値Bとの差分絶対値が所定値以内であると判定すると(S101;YES)、次に、電流値Bと電流値Cとの差分絶対値が所定値以内か否かを判定する(S102)。なお、(S102)では、電流値Bと電流値Cとを比較するが、電流値Aと電流値Cとを比較するようにしてもよい。
電流分布推定部27は、電流値Bと電流値Cとの差分絶対値が所定値以内であると判定すると(S102;YES)、電流値Cが、障害物のないときに検出される所定電流値I0より小さいか否かを判定する(S103)。この所定電流値I0についても予め調整可能に保持される。ここで、電流分布推定部27は、電流値Cが所定電流値I0以上であると
判定すると(S103;NO)、図5に示す状態1の電流分布パターンであると推定する。
指向性推定部28は、このように推定された状態1の電流分布パターンに対応する放射パターンとして、障害物のない初期状態の放射パターン、即ち±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度で放射される放射パターンを特定する(S111)。なお、図20の例では、電流値Cと所定電流値とを比較しているが、このとき電流値A、B及びCはそれぞれ近似しているため、電流値A又はBと所定電流値とを比較するようにしてもよい。
一方で、電流分布推定部27は、電流値Cが所定電流値I0より小さいと判定すると(
S103;YES)、図5に示す状態2の電流分布パターンであると推定する。指向性推定部28は、このように推定された状態2の電流分布パターンに対応する放射パターンとして、±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度で放射されるが、−Y方向に放射が偏り全体的に放射が弱い放射パターンを特定する(S110)。
また、電流分布推定部27は、電流値Aと電流値Bとの差分絶対値が所定値以内であり(S101;YES)、かつ、電流値Bと電流値Cとの差分絶対値が所定値以内でないと判定すると(S102;NO)、更に、電流値Cが電流値Bよりも大きいか否かを判定する(S104)。ここで、電流値Cが電流値Bよりも大きいと判定すると(S104;YES)、電流分布推定部27は、図5に示す状態5の電流分布パターンであると推定する。指向性推定部28は、このように推定された状態5の電流分布パターンに対応する放射パターンとして、+X方向に放射が強い放射パターンを特定する(S112)。なお、(S104)では、電流値Bと電流値Cとを比較するが、電流値Cと電流値Aとを比較するようにしてもよい。
電流分布推定部27は、上記の判定により電流値Aと電流値Bとの差分絶対値が所定値以下でないと判定すると(S101;NO)、次に、電流値Aが電流値Bより大きいか否かを判定する(S105)。ここで、電流値Aが電流値Bより大きいと判定すると(S105;YES)、電流分布推定部27は、更に、電流値Bと電流値Cとの差分絶対値が所定値以下であるか否かを判定する(S106)。ここで、電流値Bと電流値Cとの差分絶対値が所定値以下であると判定すると(S106;YES)、電流分布推定部27は、図5に示す状態4の電流分布パターンであると推定する。指向性推定部28は、このように推定された状態4の電流分布パターンに対応する放射パターンとして、−X方向に放射が強い放射パターンを特定する(S113)。
一方で、電流分布推定部27は、電流値Bと電流値Cとの差分絶対値が所定値より大きいと判定すると(S106;NO)、電流値Cが電流値Bよりも大きくかつ電流値Aと電
流値Cとの差分絶対値が所定値以下か否かを判定する(S107)。ここで、電流値Cが電流値Bよりも大きくかつ電流値Aと電流値Cとの差分絶対値が所定値以下であると判定すると(S107;YES)、電流分布推定部27は、図5に示す状態3の電流分布パターンであると推定する。指向性推定部28は、このように推定された状態3の電流分布パターンに対応する放射パターンとして、+Y方向に放射が強い放射パターンを特定する(S114)。
なお、電流分布推定部27は、算出部33から取得された各情報により図5に示す状態1から5のいずれかの電流分布パターンにも該当しないと判定すると、電流分布推定不能と判定する(S115、S116)。放射パターン特定部28は、電流推定不能と判定された場合には、放射パターン特定不能と判断する。放射パターン特定不能と判断された場合には、放射パターン特定不能を示す指向性コードが生成され、この指向性コードがBB処理部25へ送られるようにしてもよい。
放射パターン特定部28は、現在の放射パターンを図5に示す状態1から5のいずれか1つに決定した場合には(S110、S111、S112、S113、S114)、その放射パターンに対応する指向性コードを取得する(S120)。放射パターン特定部28は、この指向性コードをBB処理部25へ送る。
図20の動作例では、電流値Aと電流値Bとの比較から処理が開始されたが、電流値Aと電流値Cとの比較から処理が開始されるようにしてもよいし、電流値Bと電流値Cとの比較から処理が開始されるようにしてもよい。また、本実施形態は、各電流値の比較の順番を限定するものではないため、判定可能に替えられてもよい。
〔実施例2における作用及び効果〕
実施例2におけるセンサ装置1では、複数の電流センサ31(#1、#2及び#3)により回路基板30上のその設置位置に応じた高周波電流がそれぞれ検出される。続いて、算出部33が各検出電流値の大小関係、各検出電流値の他の検出電流値との差分絶対値を取得する。電流分布推定部27は、算出部33により算出される各情報及び各検出電流値に基づいて、予め保持される電流分布パターンのいずれか1つを現在の電流分布として推定する。続いて、放射パターン特定部28は、電流分布推定部27により推定された電流分布パターンに対応する放射パターンを特定する。
このように実施例2によれば、アンテナ素子を含む回路基板30上の所定位置で検出された電流値に基づいて障害物に応じて変化する放射パターンを特定することができる。
このような電流分布パターン及び放射パターンの特定は、電磁界シミュレーションによって算出され保持される、検出電流値の関係と電流分布パターンと放射パターンとの対応関係が利用される。更に、電流検出位置についても、予め行われる電磁界シミュレーションにより各放射パターンに対応する電流分布パターンを特定可能な数及び位置がそれぞれ決定される。
これにより、電流センサ30の数を必要最低限とすることができ、簡易な構成による正確な放射パターンの特定を行うことができる。
実施例2によれば、センサ装置10において障害物に応じた指向性の変化を正確に検出することができるため、センサ装置10自らが当該障害物によるシャドーイングを回避して無線通信する回避策を取ることができる。
また、実施例2では、このように特定された放射パターンを示す指向性コードが通信相
手装置へ無線送信される。これにより、通信相手装置は、受信された指向性コードに応じてそのセンサ装置10の障害物に応じた指向性の変化を正確に検出することができる。ひいては、通信相手装置は、その指向性の変化に応じて、当該センサ装置10からデータを受信するための回避策を取ることができる。
以下、実施例3におけるセンサ装置1について説明する。実施例3では、アンテナ素子20の形態及び設置位置が実施例2とは異なる例を示す。
〔装置構成〕
図21は、実施例3におけるセンサ装置1の一部構成例を示す図である。実施例3におけるセンサ装置1は、図21に示すように、アンテナ素子20(#1及び#2)の形態及び設置位置、並びに電流センサ31の数及び設置位置が実施例2と異なる。他の構成については実施例2と同様である。
アンテナ素子20(#1及び#2)は、所定幅を持つ線形状の導体であり、ダイポール型アンテナを形成する。アンテナ素子20(#2)は、回路基板30の上面の+Y方向の端部領域の−X方向に偏った位置に設置される。アンテナ素子20(#1)は、回路基板30の上面の−X方向の端部領域の+Y方向に偏った位置に設置される。実施例3におけるアンテナ素子20は、実施例2と異なりX軸及びY軸のいずれにも非対称となるような位置に取り付けられる。
アンテナ素子20の形態及び設置位置が異なれば、そのアンテナ素子20を含む回路基板30からの放射指向性も変わる。回路基板30からの放射指向性が変われば、アンテナ素子20へ給電することに伴う回路基板30上の電流分布も変わる。よって、実施例3では、電流センサ31の数及び設置位置も実施例2とは異なる。
実施例3におけるセンサ装置1は、4つの電流センサ31(#1、#2、#3及び#4)を備える。各電流センサ31の構成については実施例2と同様である。このような電流センサ31の数及び設置位置については実施例2と同様に電磁界シミュレーションにより決定される。
電流分布推定部27及び放射パターン特定部28は、図22に示す各検出電流値の関係と放射指向性との対応情報を予め保持する。なお、この対応情報は、実施例2と同様に、電磁界シミュレーションにより算出される。電流分布推定部27は、算出部33から送られる、各検出電流値の大小関係、各検出電流値の他の検出電流値との差分絶対値、及び各検出電流値に基づいて、各検出電流値の関係が図22に示す6つの電流分布パターンのうちのいずれのパターンとなるかを判定する。放射パターン特定部28は、電流分布推定部27により推定された電流分布パターンに対応する指向性コードを取得する。
図22は、実施例3における検出電流と放射指向性との対応関係例を示す図である。図22では、電流センサ31(#1)の検出電流値をAとし、電流センサ31(#2)の検出電流値をBとし、電流センサ31(#3)の検出電流値をCとし、電流センサ31(#4)の検出電流値をDとしている。
図22の例によれば、電流分布パターン1が、B、C及びDの各差分が所定値より大きくDがCより大きくCがBより大きい関係を示す。電流分布パターン2が、上記所定値より大きい差分値でAがBより大きい関係を示す。電流分布パターン3が、B、C及びDの差分が上記所定値以内に収まる関係を示す。電流分布パターン4が、B及びCの各差分が上記所定値以内に収まり、上記所定値より大きい差分値でDがB及びCより大きい関係を
示す。電流分布パターン5が、C及びDの差分が上記所定値以内に収まり、上記所定値より大きい差分値でBがC及びDより小さい関係を示す。電流分布パターン6が、B及びCの差分が所定値以内に収まり、上記所定値より大きい差分値でかつ電流分布パターン4のDとB及びCとの差分値よりも大きい差分値でDがB及びCより大きい関係を示す。なお、上記所定値は、実施例2と同様に、電流センサ31で検出される電流値の精度に応じて用いないようにしてもよい。これら図22に示す各電流分布パターン1から6が電流分布推定部27により推定される電流分布に相当する。
〔電流センサの位置の決定方法〕
電流センサ31(#1、#2、#3及び#4)の配置は、実施例2と同様の手法及び解析モデルを用いることにより、障害物による放射指向性変化に対応する電流分布を検出可能な位置に決定される。
電磁界シミュレーションの結果、実施例3におけるセンサ装置1では、4つの位置A、B、C及びDが電流検出位置に決定される。電流検出位置については、電流分布の変化が区別し易い、アンテナ素子20から離れた領域にそれぞれ位置A、B、C及びDが決定される。アンテナ素子20から離れた領域において電流分布の変化が区別し易いのは、実施例2におけるアンテナ素子20の形態と同様である。
以下、上記解析モデルにおける電磁界シミュレーションの結果を説明すると共に、実施例3における4つの電流検出位置A、B、C及びDについて検証する。
図23は、モデル1におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図24は、モデル1における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル1、即ち、センサ装置1の近傍に障害物がない状態における放射パターンは、図23に示されるように、+X方向を0度とし+Y方向を90度としたXY平面における45度方向及びその反対の225度方向にそれぞれ同程度の強度で放射される。このモデル1の電流分布は、図24に示されるように、アンテナ素子20に近い位置が最も大きい電流が流れ、アンテナ素子20から離れるにつれ(315度方向に)電流が徐々に小さくなる。
この場合、位置A及びBが15[dBuA]から20[dBuA]の電流分布に属し、位置Cが20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布に属し、位置Dが25[dBuA]から30[dBuA]の電流分布に属する。よって、位置Cの電流値が位置A及びBの各電流値差よりもその差が5[dBuA]を超える程に大きく、かつ、位置Dの電流値が位置Cの電流値よりもその差が5[dBuA]を超える程に大きい場合には、障害物のない場合の放射パターン、即ち45度方向及び225度方向にそれぞれ同程度の強度を持つ放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図25は、モデル2におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図26は、モデル2における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル2における放射パターンは、図25に示されるように、障害物の位置と反対側(+Y方向)に強くなり、±X方向には顕著な放射指向性の偏りは見られない。このモデル2の電流分布は、図26に示されるように、障害物に近い領域において15[dBuA]から20[dBuA]の電流分布がモデル1よりも広く分布する。
結果、位置A、B及びCは、同一電流分布(15[dBuA]から20[dBuA])に属するため、各位置の電流値差は5[dBuA]以内に収まる。一方、位置Dは、25[dBuA]から30[dBuA]の電流分布に属するため、位置Dの電流値は他の位置A、B及びCの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きくなる。よって、位置A、B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、位置Dの電流値が他の位置A、B及びCの電流値よりもその差が5[d
BuA]を超えて大きい場合には、+Y方向に強い放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図27は、モデル3におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図28は、モデル3における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル3における放射パターンは、図27に示されるように、±Y方向には顕著な放射指向性の偏りはなく、障害物と反対方向の−X方向に強くなる。このモデル3の電流分布は、図28に示されるように、障害物に近い位置(+X方向端部領域)の−Y方向の端部領域において20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布がモデル1及び2に較べて大きく分布する。
この場合、位置B、C及びDは、20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布に属する。よって、位置B、C及びDの各電流値差が5[dBuA]以内に収まる場合には、−X方向に強い放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図29は、モデル4におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図30は、モデル4における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル4における放射指向性は、図29に示されるように、±X方向には顕著な放射指向性の偏りはなく、障害物と反対方向の−Y方向に強くなる。このモデル4の電流分布は、図30に示されるように、モデル1に比べて、アンテナ素子20に近い位置から電流値が減少し始める。これにより、30[dBuA]から35[dBuA]、25[dBuA]から30[dBuA]、20[dBuA]から25[dBuA]の各電流分布がモデル1よりもアンテナに近づく方向にずれている。
これにより、位置A及びBは15[dBuA]から20[dBuA]の電流分布に属し、位置C及びDは20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布に属する。よって、位置C及びDの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、位置C及びDの電流値が位置A及びBの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きい場合に、−Y方向に強い放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図31は、モデル5におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図32は、モデル5における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル5における放射指向性は、図31に示されるように、±Y方向には顕著な放射指向性の偏りはなく、障害物と反対方向の+X方向に強くなる。このモデル5の電流分布は、図32に示されるように、モデル1に比べて、アンテナ素子20から離れる方向の端部領域において15[dBuA]から20[dBuA]、10[dBuA]から15[dBuA]の各電流分布が広く分布する。
結果、位置Dの電流値が位置Cの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きくなり、位置Cの電流値が位置Bの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きくなる。よって、位置B、C及びDの関係によれば、モデル1と同様であるため、モデル1とモデル5とを区別することができない。そこで、位置Aと位置Bとの関係により、モデル5を他のモデルと区別する。他のモデルでは、位置Aと位置Bとの電流値差が5[dBuA]以内に収まるか、又は、位置Aの電流値が位置Bの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて小さくなる。よって、位置Aの電流値が位置Bの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きくなる場合にモデル5と特定することができる。
これにより、位置Aの電流値が位置Bの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きくなる場合に、+X方向に強い放射パターンを特定することができる。
図33は、モデル6におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図34は、モデル6における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル6における放射パターンは、図33に示されるように、モデル1よりも全体的に弱い指向性を有する。こ
のモデル6の電流分布は、図34に示されるように、25[dBuA]から30[dBuA]の電流値が広く分布する。
この場合、位置A、B及びCの電流値は20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布に属し、位置Dの電流値は25[dBuA]から30[dBuA]の電流分布に属する。これにより、モデル6は、位置A、B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、位置Dの電流値が位置A、B及びCの各電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きい場合に相当する。しかしながら、このような位置A、B、C及びDの関係性は、モデル2と同様である。但し、モデル6は、モデル2よりも、位置A、B及びCと位置Dとの電流値差が小さくなる。よって、位置A、B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、位置Dの電流値が位置A、B及びCの各電流値よりもその差がモデル2の差を超えて大きい場合に、45度方向及び225度方向にそれぞれ同程度の強度を持ちかつモデル1よりも全体的に弱い放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図35は、モデル7におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図36は、モデル7における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル7における放射パターンは、図35に示されるようにモデル1の放射パターンと類似する。このモデル7の電流分布についても、図36にはグラフ精度の問題で明示されていないものの、障害物のないモデル1と大きな差異はない。よって、モデル7とモデル1とは区別せず同様の放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
以上のような電磁界シミュレーションの結果によれば、図22に示されるような各モデルの電流分布と放射パターンとの対応関係を取得することができる。図22の例によれば、上記モデル1及び7が図22の電流分布パターン1及びその放射パターンを示す。同様に、上記モデル5が図22の電流分布パターン2を示し、上記モデル3が図22の電流分布パターン3を示し、上記モデル2が図22の電流分布パターン4を示し、上記モデル4が図22の電流分布パターン状態5を示し、上記モデル6が図22の電流分布パターン6を示す。
また、4つの電流検出位置A、B、C及びDで検出される電流値を用いることにより、各モデルの電流分布、即ち障害物の位置に応じた各電流分布パターンをそれぞれ推定可能なことを検証することができる。結果、このように決定された電流検出位置に電流センサ31(#1、#2、#3及び#4)をそれぞれ配置し、各電流検出位置で検出される電流値の関係と放射パターンとの関係を電流分布推定部27及び放射パターン特定部28に組み込むことにより、実施例3におけるセンサ装置1を実現することができる。
なお、上述したように、本方法では、モデル5をその他のモデルと区別するために電流検出位置Aを設けた。しかしながら、放射パターンの特定精度は落ちるものの、電流検出位置Aを設けず、モデル5の場合においてもモデル1と同様の放射パターンを特定するようにしてもよい。このように、放射パターンの特定精度と、回路基板30上の空き領域等の他の問題とのバランスを考慮して、電流センサ31の数及び位置を決めるようにすればよい。
上述のような実施例2とは異なる形態のアンテナ素子20が用いられた場合であっても、電流センサ31の数及び設置位置をそのアンテナ素子20の形態にあわせて決めることにより、実施例2と同様の効果を得ることができる。
以下、実施例4におけるセンサ装置1について説明する。実施例4では、アンテナ素子20の形態及び設置位置が実施例2及び3とは異なる例を示す。
〔装置構成〕
図37は、実施例4におけるセンサ装置1の一部構成例を示す図である。実施例4におけるセンサ装置1は、図37に示すように、アンテナ素子20(#1及び#2)の形態及び設置位置、並びに電流センサ31の設置位置が実施例2と異なる。他の構成については実施例2と同様である。
アンテナ素子20(#1及び#2)は、所定幅を持つL字形状の導体であり、ダイポール型アンテナを形成する。実施例4におけるアンテナ素子20(#1及び#2)は、図37に示すように、回路基板30の上面における−X方向の端部領域に、回路基板30のY軸(長手方向)の中心で対称となるようにそれぞれ取り付けられる。すなわち、実施例4のアンテナ素子20は、実施例2のアンテナ素子20が短いほうの辺の端部領域に設けられたのに対して、長いほうの辺の端部領域に設けられている点で実施例2と異なる。
実施例4におけるセンサ装置1は、3つの電流センサ31(#1、#2及び#3)を備える。電流分布推定部27及び放射パターン特定部28は、図38に示す各検出電流値の関係と放射指向性との対応情報を予め保持する。各電流センサ31の設置位置及び上記対応情報については実施例2及び3と同様に電磁界シミュレーション等により決定される。
図38は、実施例4における検出電流と放射指向性との対応関係例を示す図である。図38では、電流センサ31(#1)の検出電流値をAとし、電流センサ31(#2)の検出電流値をBとし、電流センサ31(#3)の検出電流値をCとしている。
図38の例によれば、電流分布パターン1が、A及びCの差分が所定値以内に収まり、上記所定値より大きい差分値でBがA及びCよりも大きい関係を示す。電流分布パターン2が、A、B及びCが上記所定値以内の差分で近似している関係を示す。電流分布パターン3が、B及びCが上記所定値以内の差分で近似しており、上記所定値より大きい差分値でB及びCがAより大きい関係を示す。電流分布パターン4が、A及びBが上記所定値以内の差分で近似しており、上記所定値より大きい差分値でCがA及びBより小さい関係を示す。これら図38に示す電流分布パターン1から4が電流分布推定部27により推定される電流分布に相当する。
〔電流センサの位置の決定方法〕
実施例4においても、電流センサ31(#1、#2及び#3)の配置は、実施例2及び3と同様の手法及び解析モデルを用いることにより、障害物による放射指向性変化に対応する電流分布を検出できる位置に決定される。
電磁界シミュレーションの結果、実施例4におけるセンサ装置1では、そのアンテナ素子20の形態に応じて、3つの位置A、B及びCが電流検出位置に決定される。電流検出位置については、電流分布の変化が区別し易い、アンテナ素子20から離れた領域にそれぞれ位置A、B及びCが決定される。アンテナ素子20から離れた領域において電流分布の変化が区別し易いのは、実施例2及び3におけるアンテナ素子20の形態と同様である。
以下、上記解析モデルにおける電磁界シミュレーションの結果を説明すると共に、実施例4における3つの電流検出位置A、B及びCについて検証する。
図39は、モデル1におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図40は、モデル1における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル1、即ち、センサ装置1の近傍に障害物がない状態における放射パターンは、図39に示されるように、
XY平面において回路基板30から±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度で放射される。このモデル1の電流分布は、図40に示されるように、アンテナ素子20に近い位置が最も大きい電流が流れ、アンテナ素子20から離れるにつれ(+X方向に)電流が徐々に小さくなる。
結果、位置A及びCが15[dBuA]から20[dBuA]の電流分布に属し、位置Bが20[dBuA]から25[dBuA]の電流分布に属する。よって、位置A及びCの電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、位置Bの電流値が位置A及びCの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて大きい場合には、±X方向及び±Y方向にそれぞれ同程度の強度を持つ放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
図41は、モデル2におけるXY平面の放射パターンを示すグラフである。図42は、モデル2における回路基板30上の電流分布を示すグラフである。モデル2における放射パターンは、図41に示されるように、障害物の位置と反対側(+Y方向)に強くなり、±X方向には顕著な放射指向性の偏りは見られない。このモデル2の電流分布は、図42に示されるように、障害物及びアンテナ素子20から離れた端部領域において大きい電流がモデル1よりも広く分布する。
結果、位置B及びCは、同一電流分布(20[dBuA]から25[dBuA])に属し、位置Aは、15[dBuA]から20[dBuA]に属する。よって、位置B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まり、かつ、位置Aの電流値が他の位置B及びCの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて小さい場合には、+Y方向に強い放射パターンを現在の放射指向性として特定することができる。
このように、実施例4では、アンテナ素子20の位置が−X方向の端部領域でありアンテナ素子20から離れる方向が+X方向であるため、各モデルの電流分布は、実施例2の各電流分布からそれぞれ90度回転させたものに類似する。また、実施例4の放射指向性についても、アンテナ素子20に最も近似する位置に障害物が存在しているときを除き、障害物の位置と反対方向に強い放射特性を有する点では実施例2と類似する。
他のモデル3から7についても実施例2及び3と同様に電磁界シミュレーションを行い、以下のような結果が導かれた。
モデル3は、位置A、B及びCの各電流値差が5[dBuA]以内に収まる関係を有し、障害物の位置とは反対方向の−X方向に強い強度を示す放射パターンを持つ。モデル4は、位置A及びBの電流値差が5[dBuA]以内に収まりかつ位置Cの電流値が位置A及びBの電流値よりもその差が5[dBuA]を超えて小さい関係を有し、障害物の位置とは反対方向の−Y方向に強い強度を示す放射パターンを持つ。モデル5では、位置A、B及びCの各電流値の関係及び放射パターンの方向性がモデル1と同様となる。但し、モデル5では、アンテナ素子の近傍に障害物が存在するため、位置A、B及びCの各電流値はモデル1よりも小さくなり、放射パターンについてもモデル1よりも全体的に弱くなる。モデル6においても、位置A、B及びCの各電流値の関係及び放射パターンの方向性がモデル1と同様となる。モデル6では、位置A、B及びCの各電流値はモデル1と略同様となるが、放射パターンについてはモデル1よりも全体的に弱くなる。モデル7では、位置A、B及びCの各電流値の関係及び放射パターンのいずれもモデル1と類似する。
このような電磁界シミュレーションの結果により、図38に示されるような各モデルの電流分布と放射パターンとの対応関係が取得される。図38の例によれば、上記モデル1、5、6及び7が図38の電流分布パターン1及びそれに対応する放射パターンを示す。同様に、上記モデル2が図38の電流分布パターン3を示し、上記モデル3が図38の電
流分布パターン2を示し、上記モデル4が図38の電流分布パターン4を示す。
このように実施例4では、モデル1、5、6及び7を区別しない形で電流センサ31の数及び位置が決定される。モデル5及び6は、モデル1及び7と較べて放射指向性が弱い。しかし、モデル5及び6は、その指向性において方向の偏りがないため、実施例4では、モデル1及び7と区別しない形が採られる。但し、モデル1、5、6及び7をそれぞれ区別可能に電流センサ31の数及び位置を決定するようにしてもよい。
従って、実施例2及び3とは更に異なる形態のアンテナ素子20が用いられた場合であっても、電流センサ31の数及び設置位置をそのアンテナ素子20の形態にあわせて決めることにより、実施例2及び3と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態によれば、回路基板30上のアンテナ素子20の形態及び位置を制限することなく、障害物に対応した放射指向性の変化を検知することができる。
[その他]
〈ハードウェアの構成要素(Component)及びソフトウェアの構成要素(Component)について〉
ハードウェアの構成要素とは、ハードウェア回路であり、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ゲートアレイ、論理ゲートの組み合わせ、信号処理回路、アナログ回路等がある。
ソフトウェアの構成要素とは、ソフトウェアとして上記処理を実現する部品(断片)であり、そのソフトウェアを実現する言語、開発環境等を限定する概念ではない。ソフトウェアの構成要素としては、例えば、タスク、プロセス、スレッド、ドライバ、ファームウェア、データベース、テーブル、関数、プロシジャ、サブルーチン、プログラムコードの所定の部分、データ構造、配列、変数、パラメータ等がある。これらソフトウェアの構成要素は、1又は複数のメモリ(1または複数のプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等)上で実現される。
なお、上述の各実施形態は、上記各処理部の実現手法を限定するものではない。上記各処理部は、上記ハードウェアの構成要素又はソフトウェアの構成要素若しくはこれらの組み合わせとして、本技術分野の通常の技術者において実現可能な手法により構成されていればよい。
〈付記〉
以上の本実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。各項に開示される態様は、必要に応じて可能な限り組み合わせることができる。
(付記1)
アンテナ素子を含む回路基板と、
前記アンテナ素子への給電により誘起される、前記回路基板上少なくとも一部領域の電流分布を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された電流分布に応じた放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する特定手段と、
を備える無線通信装置。
(付記2)
前記回路基板上の電流を検出する電流検出手段、
を更に備え、
前記推定手段は、前記電流検出手段により検出された電流値を用いて、予め保持される
前記回路基板上の複数の電流分布パターンのうちのいずれか1つを現在の電流分布として推定し、
前記特定手段は、予め保持される前記回路基板上の電流分布の複数パターンのそれぞれに対応する複数の放射パターンのうち、前記推定手段により推定された電流分布に対応する放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信装置。
(付記3)
前記電流検出手段は、前記回路基板上の複数の異なる位置にそれぞれ配置され、各位置の電流値をそれぞれ検出する複数の電流センサであり、
前記推定手段は、
前記回路基板上の異なる位置で検出される各電流値の関係に応じた複数の電流分布パターンを保持し、前記複数の電流センサにより検出された複数の電流値の比較結果を用いることにより、該複数の電流分布パターンのうちのいずれか1つを現在の電流分布と推定する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の無線通信装置。
(付記4)
前記電流検出手段は、
前記回路基板の下面に生体が接触し、かつ、該回路基板の下面以外の各辺から所定位置に生体がそれぞれ存在すると想定した電磁界シミュレーションによって計算される該回路基板上の複数の電流分布パターンに応じて、該回路基板の放射パターンが変化する各電流分布パターンをそれぞれ識別可能な位置の電流を検出する、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の無線通信装置。
(付記5)
前記電流検出手段は、前記アンテナ素子が前記回路基板上の端部領域に設置されている場合には、該アンテナ素子から離れた該回路基板の他端部領域における複数の異なる位置の電流を検出する、
ことを特徴とする付記2から4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(付記6)
アンテナ素子を含む回路基板からの放射指向性を推定する方法において、
前記アンテナ素子への給電により誘起される、前記回路基板上少なくとも一部領域の電流分布を推定する推定ステップと、
前記推定された電流分布に応じた放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する特定ステップと、
を実行する放射指向性推定方法。
(付記7)
前記回路基板上の電流を検出する検出ステップ、
を更に実行し、
前記推定ステップは、前記検出ステップで検出された電流値を用いて、予め保持される前記回路基板上の複数の電流分布パターンのうちのいずれか1つを現在の電流分布として推定し、
前記特定ステップは、予め保持される前記回路基板上の電流分布の複数パターンのそれぞれに対応する複数の放射パターンのうち、前記推定ステップで推定された電流分布に対応する放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する、
ことを特徴とする付記6に記載の放射指向性推定方法。
(付記8)
前記検出ステップは、前記回路基板上の複数の異なる位置の各電流値をそれぞれ検出し、
前記推定ステップは、予め保持される複数の電流分布パターンの中から、前記回路基板上の異なる位置で検出される各電流値の関係に応じたいずれか1つの電流分布パターンを現在の電流分布と推定する、
ことを特徴とする付記6又は7に記載の放射指向性推定方法。
(付記9)
前記検出ステップは、
前記回路基板の下面に生体が接触し、かつ、該回路基板の下面以外の各辺から所定位置に生体がそれぞれ存在すると想定した電磁界シミュレーションによって計算される該回路基板上の複数の電流分布パターンに応じて、該回路基板の放射パターンが変化する各電流分布パターンをそれぞれ識別可能な位置の電流を検出する、
ことを特徴とする付記7又は8に記載の放射指向性推定方法。
(付記10)
前記検出ステップは、前記アンテナ素子が前記回路基板上の端部領域に設置されている場合には、該アンテナ素子から離れた該回路基板の他端部領域における複数の異なる位置の電流を検出する、
ことを特徴とする付記7から9のいずれか1項に記載の放射指向性推定方法。
1 センサ装置
5 ゲートウェイ装置
9 生体
20 アンテナ素子
21 無線通信処理部
25 ベースバンド処理部(BB処理部)
26 無線部(RF部)
27 電流分布推定部
28 放射パターン特定部
30 回路基板
31 電流センサ
33 算出部
37 給電点
41 電流プローブ
42 検波回路
43 増幅回路

Claims (6)

  1. アンテナ素子を含む回路基板と、
    前記アンテナ素子への給電によって当該アンテナ素子から高周波信号が放射されたときにおける前記回路基板上少なくとも一部領域の電流分布を推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された電流分布に応じた放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する特定手段と、
    を備える無線通信装置。
  2. 前記回路基板上の電流を検出する電流検出手段、を更に備え、
    前記推定手段は、前記電流検出手段により検出された電流値を用いて、予め保持される前記回路基板上の複数の電流分布パターンのうちのいずれか1つを現在の電流分布として推定し、
    前記特定手段は、予め保持される前記回路基板上の電流分布の複数パターンのそれぞれに対応する複数の放射パターンのうち、前記推定手段により推定された電流分布に対応する放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記電流検出手段は、前記回路基板上の複数の異なる位置にそれぞれ配置され、各位置の電流値をそれぞれ検出する複数の電流センサであり、
    前記推定手段は、前記回路基板上の異なる位置で検出される各電流値の関係に応じた複数の電流分布パターンを保持し、前記複数の電流センサにより検出された複数の電流値の比較結果を用いることにより、該複数の電流分布パターンのうちのいずれか1つを現在の電流分布と推定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記電流検出手段は、前記回路基板の下面に生体が接触し、かつ、該回路基板の下面以外の各辺から所定位置に生体がそれぞれ存在すると想定した電磁界シミュレーションによって計算される該回路基板上の複数の電流分布パターンのうち該回路基板の放射パターンのそれぞれに対応した電流分布パターンをそれぞれ識別可能な位置の電流を検出する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の無線通信装置。
  5. 前記電流検出手段は、前記アンテナ素子が前記回路基板上の端部領域に設置されている場合には、該アンテナ素子から離れた該回路基板の他端部領域における複数の異なる位置の電流を検出する、
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  6. アンテナ素子を含む回路基板からの放射指向性を推定する方法において、
    前記アンテナ素子への給電によって当該アンテナ素子から高周波信号が放射されたときにおける前記回路基板上少なくとも一部領域の電流分布を推定する推定ステップと、
    前記推定された電流分布に応じた放射パターンを前記回路基板の放射指向性として特定する特定ステップと、
    を実行する放射指向性推定方法。
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