JP5639420B2 - 摩擦圧接用機械構造用鋼および摩擦圧接部品 - Google Patents

摩擦圧接用機械構造用鋼および摩擦圧接部品 Download PDF

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Description

本発明は、摩擦圧接される用途に適した機械構造用の鋼材および摩擦圧接された摩擦圧接部品に関する。
例えば、自動車のエンジン、変速機、差動機などに用いられるピストンピンなどのエンジン部品、歯車、シャフト、コンロッドなどの鋼製の機械構造部品は、近年、省エネルギー化による車体重量の軽量化に伴い、小型化が追求されている。そして、自動車などのエンジンの高出力化に伴い、前記小型化との相乗作用で、これら機械構造部品への負荷は増大しつつある。このため、これらの機械構造部品には、基本的な要求特性である強度、靭性に加えて、衝撃特性、曲げ疲労特性、面圧疲労特性といった各種特性の向上がより求められている。
通常、これら機械構造部品の素材である鋼材には、加工性に優れた鋼材(肌焼き鋼、フェライトとパーライトとの混合組織)が用いられる。この鋼材は、通常、熱間圧延や熱間鍛造による棒材や線材などへの加工後に、冷間鍛造などの冷間加工が施された上で、機械構造部品形状に精密な切削・仕上げ加工が行われている。ここで、上記のように負荷増大に対応した機械構造部品の素材として、素材である機械構造用鋼材の強度、靭性を高くすると、前記冷間鍛造、精密な切削加工が著しく困難となる。したがって、前記高強度、高靭性と冷間鍛造性を兼備した鋼材が求められるが、強度と冷間鍛造性は相反する関係にあり、単一の機械構造用鋼材で、強度と冷間鍛造性とを両立させることは著しく困難である。
このため、前記高強度、高靭性な部品特性と冷間鍛造性を両立させる方策の一つとして、強度、靭性などの前記部品特性が必要な部分に用いる鋼材と、冷間鍛造性が必要な部分に用いる鋼材とをそれぞれ別個に準備し、これら特性が各々異なる両鋼材を互いに接合することによって、複合鋼材あるいは複合鋼部品とし、前記部品特性と冷間鍛造性を両方達成する方法がある。
このような複合鋼材を作製するための、互いの鋼材間あるいは鋼部材間の接合方法としては、大きく分けて溶融接合法と固相接合法に分類される。このうち溶融接合では、互いの鋼材の接合部分が融点以上の高温状態となるため、接合部位で結晶粒の粗大化、気泡の発生など接合欠陥が発生しやすい。また、熱影響部が大きくなり、母材と熱影響部の界面で割れが発生しやすい問題も生じる。一方、固相接合は、互いの鋼材の接合面が固相面同士の接合方法のことであり、溶加材を用いることなく、母材の融点以下の温度で接合することができる。代表的な固相接合法としては摩擦圧接法がある。この摩擦圧接法は、2つの鋼材同士(鋼部材同士)を加圧・回転させながら、接触面(当接面)に摩擦熱を発生させることで、互いの鋼材の接合部分(以下、接合部とも言う)を加熱、軟化した後、この接合部に対するアップセット力(圧接力)を作用させて接合(溶着)する方法である。
このような摩擦圧接法では、半溶融状態に加熱された部分がアップセット力の作用でバリとして接合面から排出されるため、清浄面同士が融点以下の温度で接合されることになる。このため、前記溶融接合法と比較して、接合部位で結晶粒の粗大化、気泡の発生、熱影響部の界面による割れなどが発生しにくい特徴がある。
この鋼材同士の摩擦圧接方法自体は従来から公知であって、例えば、特許文献1などで、この摩擦圧接方法の改良技術が提案されている。即ち、特許文献1では、摩擦圧接方法における、投入エネルギーおよび素材の無駄遣いを抑え、製品の寸法精度、接合強度、機械的性質のばらつきを抑えることが可能であることが開示されている。ただし、この特許文献1には、摩擦圧接方法に適した、素材鋼材に関する記述はない。
一方、このような特徴を有する摩擦圧接法を鋼材同士の接合に適用した場合には、摩擦熱により熱影響を受ける部分(HAZ部)の強度低下や、逆に接合部分の強度増加が問題となる。この接合部分では、摩擦熱による加熱後、周りの母材によって急速に冷却されるため、マルテンサイト相となりやすく、強度が増加しやすいからである。そして、このような熱影響部の強度低下や接合部分の強度増加が大きいと、母材、前記熱影響部、前記接合部分の、摩擦圧接された複合鋼材(複合鋼部品)の部位による強度変動が大きく、疲労強度、衝撃強度などの部品特性だけでなく、冷間鍛造性を低下させることとなる。
このような課題に対して、前記熱影響部の強度低下だけ、あるいは前記接合部分の強度増加だけなど、個別の問題への対応でしかないが、従来から摩擦圧接用の素材鋼材側を改良した技術が種々提案されている。
例えば、特許文献2には、前記熱影響部の強度低下を抑制した、摩擦圧接用の高強度電縫鋼管の製造方法が提案されている。この特許文献2では、C:0.08〜0.23質量%、Si:0.5 質量%以下、Mn:1.8 質量%以下、Nb:0.01〜0.1 質量%、Mo:0.05〜0.60質量%を含有する鋼を、熱間圧延後、摩擦圧接時に析出するMo、Nbの炭窒化物を固溶状態に保つため、熱延鋼板の巻取り温度を450 ℃未満とする。そして、これら固溶状態としたNb、Moを摩擦圧接の際に、炭窒化物として析出させ、析出強化によって熱影響部の軟化を抑制している。
しかし、前記した析出強化は、単に熱影響部だけでなく、通常は互いの鋼材の接合部分にまで及ぶ。この接合部分は、摩擦熱による加熱後、周りの母材によって急速に冷却されるため、マルテンサイト相となりやすく、元々強度が増加しやすい。そこへ、この析出強化も加わった場合は、前記マルテンサイト相化との相乗作用によって、逆に接合部分の強度は顕著に増加してしまう。このような接合部分の強度増加は、前記した衝撃、曲げ疲労、面圧疲労といった負荷が増大した機械構造部品では、使用中の接合部分の脆化を著しく促進させ、割れを発生しやすくする。このため、機械構造部品あるいは機械構造用鋼材としての信頼性を低下させる。
特許文献3には、このような摩擦圧接による接合部分の強度増加を、素材である高炭素熱延鋼材側で抑制する技術が開示されている。この特許文献3では、微量の固溶Nbを含有させることによって、摩擦圧接の高圧力下での急速加熱における、高炭素鋼材のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止し、接合部分の硬さ増加と脆化を抑制している。この場合、固溶Nbは、摩擦圧接後に、NbCとして析出して結晶粒の粗大化防止に寄与している。
本技術のような固溶Nbの利用は、予め焼入れ焼き戻しした鋼材同士を摩擦接合させた時の結晶粒の粗大化によるマルテンサイト変態を抑制する技術である。本技術では、硬さの変動による部品強度の劣化は抑制できるものの、組織は母材と同程度の結晶粒度であり、接合面の改善には十分でない。即ち、圧縮・引張といった単軸の負荷に対しては性能を発揮するものの、冷間鍛造のような多軸の負荷に対しては、摩擦圧接技術の性質上、接合面に沿って破壊が進行しやすいため、割れが発生しやすい問題が生じる。
特開平11−47958号公報 特開平4−116123号公報 特開2002−294404号公報
前記した通り、通常の機械構造部品用の素材である鋼材において、摩擦接合ままで熱影響部の強度低下や接合部分の強度増加を同時に抑制して、母材、前記熱影響部、前記接合部分の各強度変動を最小限に抑え、複合鋼材の冷間鍛造性を維持または向上させる技術は、未だ提案されていない。
前記自動車などのエンジン部品用などの機械構造部品では、製造時のCO2排出量削減、あるいは、歩留まり向上のため、冷間鍛造化が求められている。したがって、摩擦圧接法による複合鋼材(複合鋼部品)にも、このような用途に適用するためは、当然これらの特性向上が求められる。
この点、前記した従来技術が提案するような母材、前記熱影響部、前記接合部分の各強度変動を最小限に抑えるだけでなく、摩擦接合によって、接合部の冷間鍛造性を向上させない限りは、摩擦圧接法による複合鋼材(複合鋼部品)は、前記自動車などのエンジン部品としては信頼性に欠け使用できない。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、摩擦圧接後の冷間鍛造性を向上させることができる摩擦圧接に適した機械構造用鋼材および摩擦圧接部品を提供することをその目的(課題)とする。
本発明は上記課題を有利に解決するためになされたもので、その具体的な手段として下記の内容を要旨とする摩擦圧接用機械構造用鋼材及び摩擦圧接部品を提案するものである。
(1)C:0.05〜0.65質量%、Si:0.02〜0.5質量%、Mn:0.05〜0.9質量%、P:0.03質量%以下(0質量%を含まない)、S:0.002〜0.1質量%、Al:0.005〜0.1質量%、N:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、及びCr:0.08〜0.6質量%、Mo:0.01〜0.04質量%、Cu:0.02〜0.1質量%、Ni:0.04〜0.1質量%のいずれか3種以上、残部は鉄および不可避不純物からなると共に、
1質量%≧Si質量%+Mn質量%+Cr質量%+Mo質量%+Cu質量%+Ni質量%、の関係を満足し、組織がフェライトとパーライトからなることを特徴とする摩擦圧接用機械構造用鋼材。
(2)C:0.05〜0.65質量%、Si:0.02〜0.5質量%、Mn:0.05〜0.9質量%、P:0.03質量%以下(0質量%を含まない)、S:0.002〜0.1質量%、Al:0.005〜0.1質量%、N:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、Cr:0.05〜0.6質量%、Mo:0.01〜0.04質量%、Cu:0.01〜0.1質量%、Ni:0.01〜0.1質量%を含み、
更に他の元素として、Ti:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、Nb:0.009質量%以下(0質量%を含まない)、V:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、B:0.002質量%以下(0質量%を含まない)のいずれか1種、または2種以上を含み、
残部は鉄および不可避不純物からなると共に、
1質量%≧Si質量%+Mn質量%+Cr質量%+Mo質量%+Cu質量%+Ni質量%、の関係を満足し、組織がフェライトとパーライトからなることを特徴とする摩擦圧接用機械構造用鋼材。
(3)更に他の元素として、Ca:0.02質量%以下(0質量%を含まない)、REM:0.02質量%以下(0質量%を含まない)、Li:0.005質量%以下(0質量%を含まない)、Mg:0.005質量%以下(0質量%を含まない)のいずれか1種、または2種以上を含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の摩擦圧接用機械構造用鋼材。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の機械構造用鋼材と相手鋼材を摩擦圧接によって接合し、接合された複合鋼材を冷間鍛造してなることを特徴とする摩擦圧接部品。
本発明によれば、摩擦圧接後における複合鋼材の接合部の冷間鍛造性を向上させることができる摩擦圧接に適した機械構造用鋼材及び摩擦圧接部品を提供することが可能となる。
また、本発明により、自動車などのエンジン部品用などの機械構造部品において、強度及び靭性などが要求される鋼材と冷間鍛造性などが要求される鋼材とを摩擦圧接により接合してなる複合鋼材を用いてその後冷間鍛造した場合においても接合部に割れなどの発生しない品質に優れた摩擦圧接部品を歩留よく安定して製造することができる。
は本発明鋼材(実施例No.1Bの発明例)の400倍の光学顕微鏡により観察された組織(図面代用写真)を示す。 は同本発明鋼材の摩擦圧接後の接合部における400倍の光学顕微鏡により観察された組織(図面代用写真)を示す。 は従来の(実施例No.2Zの比較例)鋼材の摩擦圧接後の接合部における400倍の光学顕微鏡により観察された組織(図面代用写真)を示す。
以下、本発明について詳述する。
先ず、本発明の摩擦圧接用機械構造用鋼材(以下、本発明鋼材と略称する場合がある)は、その化学成分組成を後述する範囲に規定すると共に、Si+Mn+Cr+Mo+Cu+Niの合計添加量を1質量%以下に制限したフェライトとパーライトの2相組織から成るフェライト−パーライト鋼であることを大きな特徴としている。
このことによって、摩擦接合(摩擦圧接)時の接合面が周りの鋼材によって急速に冷却されても、フェライトを析出させることができると共に接合界面積を増加させることができ、接合面とその近傍の硬さの急激な上昇を抑制することが可能となり、摩擦接合後の複合鋼材の冷間鍛造性を向上させることができる。従って、本鋼材の組織は、全面が実質的にフェライトとパーライトからなる組織である必要がある。具体的にはフェライトとパーライトは合計で90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。これに対し、この組織がフェライト単相、パーライト単相、ベイナイト単相、マルテンサイト単相組織では、接合界面積を増加させることができないため、冷間鍛造性を向上させることができない。また、フェライト以外の組織の大部分がベイナイトあるいはマルテンサイトであったとしても、摩擦圧接に伴う軟化によって接合界面積が増加しにくいため、やはり冷間鍛造性を向上させることが困難となる。
通常、摩擦圧接した複合鋼材の接合部は、急速加熱と冷却によって結晶粒の粗大化とマルテンサイト変態による硬さの急激な増加が生じる。そのため、接合部および接合部近傍の強度が著しく増加し、冷間鍛造時の変形抵抗増加および変形能の劣化を招くが、本発明では、フェライトとパーライトからなる2相の鋼組織とすることにより、摩擦接合部にフェライトが析出することと、接合界面積が増加するという冷間鍛造性を向上させる上で重要な作用を発揮する。特に接合界面積の増加は、冷間鍛造性の向上に極めて有効である。
そして、本発明においては前記2相の鋼組織とすることを前提として、さらに、Si+Mn+Cr+Mo+Cu+Niの合計添加量を1質量%以下に制限することにより、この複合鋼材の接合界面積の増加を十分に確保し、冷間鍛造性向上に対して一段と有利な作用を発揮させるものである。
すなわち、まず、摩擦圧接によって圧接部およびその近傍には強い塑性変形が付与されるが、フェライトは軟質組織であるため、特に大きな塑性変形を受ける。本発明鋼材は、フェライトを固溶強化させる上記各元素、つまりSi、Mn、Cr、Mo、Cu及びNiの添加量の合計を1質量%以下にを限定しているため、フェライトは特に軟質であり、相手側の鋼材が摩擦圧接に伴い、食い込んでくる。一方、パーライトは、比較的硬質であるため、あまり塑性変形を受けず、相手側の鋼材も食い込んでこない。この結果、摩擦圧接時の接合界面積が増大することになる。
また、摩擦圧接後は、周りの鋼材によって急速に冷却されたとしても、上記各元素は焼入れ性を向上させる元素でもあり、これらの添加量の合計を1質量%以下に限定しているため、容易にフェライトが析出する。特に相手側の鋼材が食い込んできた部分のフェライト析出が顕著であり、このフェライトが接合界面の強度増加を抑制すると共に、変形能の増加に寄与することができるのである。
なお、この摩擦圧接後の接合面(界面)に接しているフェライトの分率(割合)は冷間鍛造性を良好に維持するためには少なくとも5%以上であることが好ましい。
一方、Si、Mn、Cr、Mo、Cu及びNiはそれぞれ摩擦圧接部の靭性向上や割れ抑制に有効に作用するが、上記の如くこれらの元素はフェライトを固溶強化させると共に、焼入れ性を向上させる元素でもあることから、各元素の合計添加量が多くなると、フェライトの固溶強化作用、焼入れ性向上作用が顕著になり、摩擦圧接部の冷間鍛造性を劣化させてしまう。しかし、合計添加量が1質量%以下の少量であれば、固溶強化、焼入れ性向上作用は十分小さくなるため、冷間鍛造性、変形能を阻害することはなく、それぞれの元素の有効性を発揮させることができるので、本発明では1質量%以下に規定する。これら元素の合計添加量は好ましくは0.9質量%以下、さらに好ましくは0.8質量%以下に制限することが有効である。
次に、本発明鋼材の化学成分組成を構成する各元素の含有量とその限定理由(意義)について説明する。なお、本発明鋼材の化学成分組成は、前記した自動車のエンジン部品などの機械構造部品に要求される強度や靭性特性、これに加えた衝撃特性、曲げ疲労特性、面圧疲労特性などの特性向上のためや、これらの特性向上を意図した前記本発明の鋼組織とするための前提条件となる。
C:0.05〜0.65質量%
Cは、機械構造用部品としての必要強度を確保するための基本元素である。C含有量が少なすぎると、本発明が対象とする機械構造用部品に要求される強度を確保できない。しかし、Cを過剰に含有させると、延性を劣化させ、また鋼材が脆化し、冷間鍛造性が劣化する。このため、C含有量は0.05〜0.65質量%の範囲とし、下限値は好ましくは0.10質量%、より好ましくは0.15質量%とする。また、上限値は好ましくは0.60質量%、より好ましくは0.55質量%とする。
Si:0.02〜0.5質量%
Siは溶製中の鋼の脱酸作用に寄与する。Si含有量が少なすぎると、脱酸が不十分となり、溶製時にガス欠陥が発生しやすくなり、割れが発生しやすくなる。しかし、Siを過剰に含有させると、フェライトを固溶強化させるため、変形能の低下を生じさせる。この傾向はSi含有量が0.5質量%を超えると顕著に見られはじめる。このため、Si含有量は0.02〜0.5質量%の範囲とし、下限値は好ましくは0.05質量%、より好ましくは0.08質量%とする。また、上限値は好ましくは0.45質量%、より好ましくは0.40質量%とする。
Mn:0.05〜0.9質量%
Mnは、溶製中の鋼の脱酸、脱硫元素として有効であり、また、鋼材への熱間加工時の加工性の劣化を抑制する効果を有する。更に、Sと結合することで鋼材の変形能を向上させることにも有効である。Mn含有量が少なすぎるとこれらの効果が得られず、変形能が劣化し、割れが生じやすくなる。一方で、Mnを過剰に含有させると、固溶強化による変形抵抗の増加と変形能の低下をもたらす。また、Pの粒界への偏析を助長し、粒界強度の低下、疲労強度の低下を生じさせる。このため、Mn含有量は0.05〜0.9質量%の範囲とし、下限値は好ましくは0.10質量%、より好ましくは0.15質量%とする。また、上限値は好ましくは0.80質量%、より好ましくは0.70質量%とする。
P:0.03質量%以下(但し0質量%を含まない)
Pは不可避的に混入し、不純物として含有する元素であり、フェライト粒界に偏析し、変形能を劣化させる。また、Pはフェライトを固溶強化させ、変形抵抗を増大させる。従って、変形能の観点からPは極力低減することが望ましいが、極端な低減は製鋼コストの増加を招く。従って、P含有量は0.03質量%以下の低いほど良いが、0質量%とすることは製造上困難であるので、0.03質量%以下(但し0質量%を含まない)と規定する。上限値は好ましくは0.025質量%、より好ましくは0.02質量%とする。
S:0.002〜0.1質量%
Sも不可避的に混入し、不純物として含有する元素であり、Feと結合すると、FeSとして粒界上に膜状に析出するため、変形能を劣化させる。従って、Sは全量をMnと結合させ、MnSとして無害に析出させる必要がある。ただし、このMnSの析出量が増えると、やはり変形能が劣化する。一方で、Sは被削性向上効果があり、S含有量を極端に低減すると被削性を劣化させる。従って、S含有量は変形能と被削性のバランスを考慮して0.002〜0.1質量%の範囲とし、下限値は好ましくは0.005質量%、より好ましくは0.01質量%とし、上限値は好ましくは0.09質量%、より好ましくは0.08質量%とする。
Cr:0.6質量%以下(0質量%を含む)
Crは、摩擦圧接部品の強度を確保し、接合部の靭性を高めるのに有効な元素である。ただし、Cr含有量が過剰になると、旧オーステナイト粒界に炭化物として偏析するため、変形能の低下の原因となる。従って、Cr含有量は0.6質量%以下の添加に限って有効に作用する。好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下とする。
Al:0.005〜0.1質量%
Alは溶製中の鋼の脱酸元素として有効である。Al含有量が少なすぎると、溶製中の脱酸が不十分となり、ガス欠陥が生じやすくなるので、割れが生じやすくなる。一方、Al含有量が過剰になっても、酸化アルミ系の酸化物などの非金属介在物が生成し、被削性を劣化させる。従って、Al含有量は0.005〜0.1質量%の範囲とし、下限値は好ましくは0.008質量%、より好ましくは0.01質量%とし、上限値は好ましくは0.08質量%、より好ましくは0.06質量%とする。
N:0.01質量%以下(但し0質量%を含まない)
Nは、不可避的に混入し、不純物として含有する元素であり、固溶状態として鋼中に存在すると、動的ひずみ時効を発生させることで変形能を劣化させる。また、Nはフェライトを固溶強化させ、変形抵抗を増大させる。従って、変形能の観点からNは極力低減することが望ましいが、極端な低減は製鋼コストの増加を招く。従って、N含有量は0.01質量%以下の低いほど良いが、0質量%とすることは製造上困難であるので、0.01質量%以下(但し0質量%を含まない)と規定する。上限値は好ましくは0.008質量%、より好ましくは0.005質量%とする。
Mo:0.04質量%以下(但し0質量%を含む)
Moは、鋼材の靭性を向上させるのに有効な元素であるが、冷却時のフェライト析出を抑制するため、摩擦圧接後の冷間鍛造性を劣化させるため、0.04質量%以下に限定する必要がある。好ましくは0.03質量%以下、より好ましくは0.02質量%以下に限定することが有効である。
Cu:0.1質量%以下(0質量%を含む)、Ni:0.1質量%以下(0質量%を含む)
Cu、Niはいずれも鋼材をひずみ時効させ、母材や接合部分の強度を向上させ、冷間鍛造性を劣化させるため、それぞれ0.1質量%以下に限定する必要がある。このましくは各々0.08質量%以下、より好ましくは各々0.05質量%以下に限定することが有効である。
Ti:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、Nb:0.009質量%以下(0質量%を含まない)、V:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、B:0.002質量%以下(0質量%を含まない)
これらTi、Nb、V、Bは、いずれも、フェライトを固溶強化させる元素であり、また、窒素あるいは炭素と結合し、析出物を形成することでフェライトを析出強化させる元素でもある。固溶強化、あるいは析出強化されたフェライトは、摩擦圧接時の接合界面積の増加を阻害するため、含有量を制限する必要がある。
すなわち、Tiについては、0.01質量%以下とし、好ましくは0.008質量%以下(0質量%を含まない)、より好ましくは0.005質量%以下(0質量%を含まない)とする。
また、Nbについては0.009質量%以下(0質量%を含まない)とし、好ましくは0.007質量%以下(0質量%を含まない)、より好ましくは0.004質量%以下(0質量%を含まない)とする。
また、Vについては、0.01質量%以下とし、好ましくは0.008質量%以下(0質量%を含まない)、より好ましくは0.005質量%以下(0質量%を含まない)とする。
また、Bについては、0.002質量%以下とし、好ましくは0.0008質量%以下(0質量%を含まない)、より好ましくは0.0005質量%以下(0質量%を含まない)とする。
Ca、REM、Li、Mgの1種又は2種以上
Ca、REM、Li、Mgは、共通して、MnS等の硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼材の変形能を高めると共に、被削性向上に寄与する元素である。そこで、必要に応じて、Ca:0.02質量%以下(0質量%を含まない)、REM:0.02質量%以下(0質量%を含まない)、Li:0.02質量%以下(0質量%を含まない)、Mg:0.02質量%以下(0質量%を含まない)の1種又は2種以上を添加する。
前記効果を有効に発揮させるためには、Ca、REMは0.0005質量%以上の添加が好ましく、より好ましくは各々0.001質量%以上、更に好ましくは各々0.0015質量%以上添加する。同じく、Li、Mgは0.0001質量%以上の添加が好ましく、より好ましくは各々0.0002質量%以上、更に好ましくは各々0.0003質量%以上添加する。一方、これらを過剰に添加してもその効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できず経済的に不利である。そのため、Ca、REMは各々0.02質量%以下の添加が好ましく、より好ましくは各々0.01質量%以下、更に好ましくは各々0.005質量%以下添加する。同じく、Li、Mgは各々0.02質量%以下の添加が好ましく、より好ましくは各々0.0025質量%以下、更に好ましくは各々0.001質量%以下添加する。
次に、本発明鋼材組織の製造方法については、前述の本発明の2相鋼組織を形成するためには、フェライト−パーライト組織を得るための一般的な製造方法でよく、代表的には以下の条件で製造することができる。圧延温度を1000℃以上、500℃までの冷却速度を1℃/s以下とすることが推奨される。
次いで、本発明が対象とする摩擦圧接による複合鋼材は、市販の摩擦圧接機により摩擦圧接が可能であれば、目的とする前記機械構造部品に応じて、本発明の鋼材に対して、種々の鋼種の相手鋼材が選択できる。また、本発明の鋼材形状や複合材形状も、目的とする前記機械構造部品に応じて種々の形状が選択できる。例えば、本発明の鋼材同士を摩擦圧接しても良く、また、相手材をB鋼やSCr420Hなどの機械構造用合金鋼、V添加鋼などとして、切削性や強度などの種々の特性を基準に選択して組み合わせても良い。また、形状も、摩擦圧接する鋼材同士の形状が異なっていても、同じあるいは類似であっても勿論良く、棒材同士の組み合わせ、頭部(円形材、角形材、傘状材、リング状材など)と軸となる棒材との組み合わせなど、自由に複合材形状が選択できる。
これら摩擦圧接による複合鋼材は、主として、摩擦圧接ままで使用されるが、接合される鋼材が合金鋼の場合は、浸炭、窒化、浸炭窒化などの表面硬化処理を施され、次いで、合金鋼側だけが焼戻し処理されて、機械構造部品とされることも許容される。なお、機械構造部品としての用途に応じて、公知の防錆処理や防錆被覆などの適当な表面処理が施されても良い。
(実施例)
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、当然ながらこの実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
表1〜3に示す種々の成分組成の鋼材を製造した。同表において表1の鋼種No.1Aから表2の鋼種No.2Jまでと表3No.3A〜3Mが発明例(本発明の実施例)であり、表2の鋼種No.2K以降2Zまでが比較例である。同表において本発明の規定範囲を満足する発明例かそれともこれを満足しない比較例に該当するかどうかの判断を容易とすべく、成分組成の右側に数式、数式の判定及び成分判定の欄を設け、各鋼種の成分に基づく数式の値と、数式及び成分判定の判定結果を〇、×で表示した。なお、数式とは1質量%≧Si質量%+Mn質量%+Cr質量%+Mo質量%+Cu質量%+Ni質量%の右辺の値のことである。
Figure 0005639420
Figure 0005639420
Figure 0005639420
そして、機械構造部品を模擬して、これら鋼材を、同一鋼材(S35C)及びこれと異なる合金鋼材(SCr420H)に、各々摩擦圧接して複合材とした。そして、このようにして得られた複合鋼材の冷間鍛造性(鍛造後の割れ発生の有無)観察し、評価した結果を表4、5に示す。総合判定の欄は上記両鋼材ともに割れが無い場合を「〇」とし、両鋼材ともに割れが有る場合を「×」として表示した。同表4、5には摩擦圧接前の鋼組織におけるフェライトとパーライトの分率及び摩擦圧接後の接合面に接しているフェライトの分率も合せて示している。
Figure 0005639420
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以下、本実施例における試験条件、測定及び評価の方法などにつき詳説する。
(A)試験鋼材の製造条件:
溶解・鋳造:供試鋼150kgを真空誘導炉で溶解し、上面:φ245mm×下面:φ210mm×長さ:480mmのインゴットに鋳造した。
ビレット鍛造:このインゴットを1200℃に加熱して、ビレット(155mm角)に熱間鍛造し、冷却した
切断、溶接:この鍛造ビレットの端部を切断し、ダミービレット(155mm角×9〜10m長さ)を溶接した。
熱間圧延:このダミービレット溶接後のビレットを1000℃に加熱後、Φ80mmの丸棒に圧延し、0.5℃/sで冷却した。
なお、ダミービレットで溶接しているのは実機のラインで試験鋼材を圧延するためである。
(B)フェライトとパーライトとの平均面積比の測定方法
前記熱処理後の各丸棒を長手方向の中心で切断し、切断面(長手方向に対して90°方向の径方向断面)を樹脂に埋め込み、エメリー紙、ダイヤモンドバフで試料表面を鏡面研磨後、表面をナイタールでエッチングした。これを光学顕微鏡を用い、D/4位置を倍率400倍で観察し、5箇所写真撮影した。この撮影写真を、Image Pro Plusを用い、画像を2値化し、フェライト粒(相)を白色、パーライト粒(相)を黒色とした。そして、これら画像の各粒(相)のそれぞれの最大直径から、各視野におけるフェライトとパーライトの平均面積を求めた。そして、この両者の平均面積の視野全体に対する割合をフェライト−パーライト分率とした。
(C) 摩擦圧接試験
前記熱処理後の各丸棒の長手方向に沿って、D/4位置からφ20mm×100mmLの棒材(試験片)を切出した。自動摩擦圧接機として日東制機(株)製の製品名FF-4511-Cを用い、ブレーキ法によって摩擦圧接した。即ち、前記切出した棒材同士、および前記切出した棒材の相手材を同一鋼材、一般的な合金鋼(SCr420H)として、各々長手方向に端部同士を突き合わせた丸棒複合鋼材(鋼部品)として、各々摩擦圧接した。摩擦圧接は、各例とも共通して下記の条件に従って行った。
(D)摩擦圧接条件
摩擦圧力:80MPa、摩擦時間:7sec、
アップセット圧力(接合部への丸棒両端部からの加圧力):160MPa、
アップセット時間(接合部への加圧時間):7sec、
回転数:1600rpm、
全寄りしろ:5〜12mm(当初の丸棒長さからの縮み量)
(E)摩擦圧接後の組織評価
摩擦圧接部のフェライト相の同定、大きさの評価は以下のように行なった。
(1)摩擦圧接後サンプルを圧接面の水平方向中心で切断
(2)樹脂に埋め込み、エメリー紙、ダイヤモンドバフ、電解研磨で試料表面を鏡面研磨
(3)電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用い、加速電圧20kV、観察倍率2000倍で観察・画像撮影
(4)結晶方位解析装置(EBSP)を用い、画像解析
(5)BCCをフェライトとし、その面積率を算出
(F)冷間鍛造性評価
Φ20mm×約200mmLの前記摩擦接合品(丸棒複合鋼材)の中央位置から、圧縮方向と接合面が平行となり、接合面が試験片の中央として、Φ10×15mmLの圧縮試験片を切り出した。
この試験片を、1600tプレスを用い、端面を拘束した状態で、室温で、ひずみ速度10/secの冷間鍛造により試験片の軸方向に圧縮率50%まで圧縮して、機械構造用部品の加工試験品(冷間鍛造材)を作製した。なお、加工ひずみ速度は、加工中(塑性変形中)のひずみ速度の平均値とした。なお、圧縮率は、機械構造用鋼の圧縮方向長をH0、圧縮後(機械構造用部品)の圧縮方向長をHとして表したとき、(H0−H)/H0×100で算出される。試験後、実体顕微鏡を用い、20倍で表面状態を観察し、割れの無い冷間鍛造材を冷間加工性に優れるものとし、冷間鍛造により割れの発生が有る冷間鍛造材を冷間加工性に劣るものとして、前記表4、5に割れの有無を示すともにこれに基づく評価の結果(総合判定)を〇、×で記入した。
これら実施例の結果を示す表4、5から、本発明例である鋼種No.1A〜2Jについては本発明に規定する各元素の成分範囲及びSi+Mn+Cr+Mo+Cu+Niの合計添加量の制限を満たすフェライト及びパーライトからなる2相組織の摩擦圧接用機械構造用鋼材であることから、これを同一鋼材または異なる鋼材を相手先として摩擦圧接して複合鋼材とした場合、いずれも冷間鍛造による割れの発生がなく優れた冷間鍛造性をしており、摩擦圧接用部品の製造にすこぶる適した鋼材であることが分かる。
一方、鋼種No.2Z〜3Mの比較例は、フェライト及びパーライトからなる2相組織の鋼材であるものの、本発明に規定する各元素の成分範囲または上記特定元素の合計添加量の制限を満足していないため、同様に摩擦圧接して複合鋼材とした場合、いずれも、冷間鍛造によるに割れの発生が認められ、摩擦圧接用部品の製造に適さないことが判明する。
なお、比較例のNo.2K及び2LはCが下限未満及び上限超え、No.2M及び2NはSi が下限未満及び上限超え、No.2O及び2PはMnが下限未満及び上限超え、No.2QはPが上限超え、No.2RはSが上限超え、No.2SはCrが上限超え、No.2TはMoが上限超え、No.2UはCuが上限超え、No.2VはNiが上限超え、No.2W及び2XはAlが下限未満及び上限超え、No.2YはNが上限超え、さらにNo.2ZはSi質量%+Mn質量%+Cr質量%+Mo質量%+Cu質量%+Ni質量%の値が上限超えで、それぞれ本発明の規定、制限範囲を外れたものである。
また、図1及び2は、本発明鋼材の代表的な例(実施例に示したNo1Bの本発明例)における摩擦圧接前の顕微鏡写真と、この鋼材と異なる合金鋼材(SCr420H)を摩擦圧接した後の複合鋼材の接合部の顕微鏡写真であり、写真における白っぽい部分がフェライト(粒)で黒っぽい部分がパーライト(粒)を示している。表4の測定結果から明かだが、これら図1、2からもこの本発明鋼材はフェライトとパーライトの分率が100%の鋼組織となっている様子、及び摩擦圧接後の接合部(接合面)のフェライト分率26%程度の組織なっている様子を伺い知ることができる。
図3は従来の代表的な例(実施例に示したNo.2Zの比較例)と上記鋼材とやはり異なる合金鋼材(SCr420H)を摩擦圧接した後の複合鋼材の接合部の顕微鏡写真であるが、図2の本発明例の場合とは異なり、
接合部(接合面)のフェライトはほとんど存在していない様子が知れ、これは表4の測定結果(フェライト分率:0%)に符号することが分かる。

Claims (4)

  1. C:0.05〜0.65質量%、Si:0.02〜0.5質量%、Mn:0.05〜0.9質量%、P:0.03質量%以下(0質量%を含まない)、S:0.002〜0.1質量%、Al:0.005〜0.1質量%、N:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、及びCr:0.08〜0.6質量%、Mo:0.01〜0.04質量%、Cu:0.02〜0.1質量%、Ni:0.04〜0.1質量%のいずれか3種以上、残部は鉄および不可避不純物からなると共に、
    1質量%≧Si質量%+Mn質量%+Cr質量%+Mo質量%+Cu質量%+Ni質量%、の関係を満足し、組織がフェライトとパーライトからなることを特徴とする摩擦圧接用機械構造用鋼材。
  2. C:0.05〜0.65質量%、Si:0.02〜0.5質量%、Mn:0.05〜0.9質量%、P:0.03質量%以下(0質量%を含まない)、S:0.002〜0.1質量%、Al:0.005〜0.1質量%、N:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、Cr:0.05〜0.6質量%、Mo:0.01〜0.04質量%、Cu:0.01〜0.1質量%、Ni:0.01〜0.1質量%を含み、
    更に他の元素として、Ti:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、Nb:0.009質量%以下(0質量%を含まない)、V:0.01質量%以下(0質量%を含まない)、B:0.002質量%以下(0質量%を含まない)のいずれか1種、または2種以上を含み、
    残部は鉄および不可避不純物からなると共に、
    1質量%≧Si質量%+Mn質量%+Cr質量%+Mo質量%+Cu質量%+Ni質量%、の関係を満足し、組織がフェライトとパーライトからなることを特徴とする摩擦圧接用機械構造用鋼材。
  3. 更に他の元素として、Ca:0.02質量%以下(0質量%を含まない)、REM:0.02質量%以下(0質量%を含まない)、Li:0.005質量%以下(0質量%を含まない)、Mg:0.005質量%以下(0質量%を含まない)のいずれか1種、または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦圧接用機械構造用鋼材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の機械構造用鋼材と相手鋼材を摩擦圧接によって接合し、接合された複合鋼材を冷間鍛造してなることを特徴とする摩擦圧接部品。
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