JP5637826B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ベルト式の無段変速機において、そのプライマリ油室への作動油の供給を制御して変速比を制御する装置に関するものである。
従来、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間にベルトを巻き掛け、両プーリに設けられた油室の供給油量/油圧を制御することにより、変速制御とベルト挟圧制御とを行うベルト式無段変速機が知られている。この無段変速機を制御する場合、プライマリ油室への作動油量をレシオコントロール弁(流量制御弁)で制御することによって、変速比を制御すると共に、セカンダリ油室への供給油圧を挟圧コントロール弁(圧力制御弁)で制御することによって、ベルト挟圧を制御している。
一般に、減速状態から車両停止に至る場合、車両停止までの間に最大変速比(最Low)状態まで戻す必要があるため、プライマリ油室から作動油を急速に排出する制御を実施する。しかし、車両停止後もプライマリ油室から作動油を排出し続けると、プライマリ油室の油圧が低くなり過ぎ、次に発進しようとしてプライマリ油室へ作動油を供給する際、油圧の立ち上がりが遅れ、ベルト滑りや発進のもたつき感が発生する可能性がある。そこで、従来では、最Low状態での停車時にプライマリ油室の油圧が抜けるのを防止するため、プライマリ油室への作動油の供給を、流量制御(変速制御)から圧力制御(閉じ込み制御)へ切り替えるものが知られている。この閉じ込み制御は、プライマリ油室の油圧を所定圧に調圧し、変速比を保持するものである。
ところで、減速中に何らかの原因により運転者の足がアクセルペダルに引っ掛かったりして、アクセルペダルとブレーキペダルの両方を踏みながら減速する場合がある。プレーキペダルによる制動力がアクセルペダルによる加速力より勝った場合には、通常の減速時と同様に、Low戻りのためにプライマリ油室の作動油を急速に排出する制御を行う。しかし、アクセルペダルを踏み込んでいるため、車両停止前にトルクコンバータに内蔵されたロックアップがOFFすると同時に予期しないエンジン回転の吹き上がりが発生し、入力トルクが増加してベルト滑りが発生する可能性がある。
図8は、アクセルペダルとブレーキペダルの両方を踏みながら減速して停車に至る場合の、ブレーキペダル、アクセルペダル、エンジン(プライマリプーリ)回転数、車速、ダウンシフト用指令デューティ比、変速比の各時間変化を示している。
時刻t1でブレーキペダルが踏み込まれ、やや遅れて時刻t2でアクセルペダルが踏み込まれたとする。プレーキペダルによる制動力がアクセルペダルによる加速力より勝っている場合には、エンジン回転数、車速は漸次減少し、Low戻りのためにダウンシフト用指令デューティ比は増加する方向にフィードバック制御される。それに伴い、プライマリ油室から作動油が排出され、変速比は増大する。時刻t3でトルクコンバータのロックアップがOFFすると、エンジン回転数とプライマリプーリの回転数とが乖離する。やがて、時刻t4で変速比は最Lowへ戻ると共に、ダウンシフト用指令デューティ比は最大値近傍となり、車両が停止した時点(時刻t5)でダウンシフト用指令デューティ比は0%、つまり閉じ込み制御が開始される。
アクセルペダルを踏み込まない通常の減速時には、上述の制御で問題はないが、アクセルペダルを踏みながら減速した場合には、ロックアップOFFと共にエンジン回転が吹き上がり、トルクコンバータによるトルク増幅作用により入力トルクが増加する。しかし、この時点ではダウンシフト指令デューティ比はほぼ最大値であり、プライマリ油室から作動油がほぼドレーンされた状態であるため、プライマリプーリ側でベルト滑りが発生する。
特許文献1には、極低車速領域において、不要なアップシフトの抑制とベルト滑りの発生の抑制とを図る無段変速機が提案されている。その変速制御は、変速比が最大であって、エンジン始動後の初回発進時には緩デューティダウン制御を実行し、エンジン始動後の初回発進時でない場合にはデューティダウン制御を実行し、車両が停車中である場合には閉じ込み制御を実行し、極低車速での走行中でない場合は変速フィードバック制御を実行するものである。
しかし、特許文献1では、エンジン始動後の初回発進時か否かによってデューティダウンの速度を変更しているだけで、ブレーキペダルとアクセルペダルとが両踏みされた状態における減速時の制御については全く開示されていない。特に、アクセルペダルを踏みながら減速すると、ロックアップOFF時に入力トルクの増幅作用によりプライマリプーリにベルト滑りが発生するという課題、及びその解決方法が開示されていない。
特開2010−112471号公報
本発明の目的は、ブレーキペダルとアクセルペダルとが両踏みされた状態における減速時に、プライマリプーリでのベルト滑りを抑制できる無段変速機の変速制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、エンジンによる駆動力がロックアップ機能を有するトルクコンバータを介してベルト式無段変速機へ伝達される車両であって、前記無段変速機のプライマリプーリの油室への作動油を変速用ソレノイド弁により流量制御することによって変速比を制御すると共に、前記無段変速機のセカンダリプーリの油室への作動油を挟圧コントロール弁により圧力制御することによってベルト挟圧を制御する車両において、車速を検出する車速検出手段と、ブレーキペダルの踏み込みを検出する手段と、アクセルペダルの踏み込みを検出する手段と、前記ブレーキペダル及びアクセルペダルの両方が踏み込まれた状態における減速走行時において、前記変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号を、前記アクセルペダルの踏み込みを検出しない場合における前記変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号より低い値に制限する手段と、停車直前の低車速において、プライマリプーリの油室への作動油を流量制御から圧力制御に切り換えて閉じ込み制御を実行する手段とを備え、前記両踏み状態における閉じ込み制御の開始車速を、前記アクセルペダルの踏み込みを検出しない場合における閉じ込み制御の開始車速より高い車速に設定したことを特徴とする無段変速機の変速制御装置を提供する。
ブレーキペダルとアクセルペダルの両踏み状態における減速時には、ロックアップOFF時にエンジン回転の吹き上がりによりプライマリプーリにベルト滑りが発生することがある。そこで、本発明では、両踏み時における変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号を、アクセルペダルを踏み込んでいない時における変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号より低い値(以下、ガード値と呼ぶ)に制限する。そのため、減速中のプライマリプーリからの排出油量が制限され、ロックアップOFF時にエンジン回転が吹き上がっても、プライマリプーリでのベルト滑りを抑制でき、ベルトの劣化を防止できる。
さらに、本発明では、停車直前の低車速において閉じ込み制御を実行する手段を備え、両踏み状態における閉じ込み制御の開始車速を、アクセルペダルの踏み込みを検出しない場合における閉じ込み制御の開始車速より高い車速に設定している。アクセルペダルを踏み込まずに減速〜停車に至る場合には、停車と同時に閉じ込み制御を開始するのが一般的であるが、アクセルペダルを踏み込んだ状態で減速〜停車に至る場合には、入力トルクの増大によりベルト滑りが発生する可能性があるので、閉じ込み制御を通常より早く開始することで、ベルト滑りを防止することができる。
両踏み状態におけるガード値を、車両の減速度が大きいほど低い値に設定してもよい。ガード値を減速度に関係なく一定値としてもよいが、急減速時のように減速度が大きい場合には、ロックアップOFFが早まり、ベルト滑りが発生する可能性がある。そこで、両踏み状態におけるガード値を車両の減速度が大きいほど低い値に設定することで、プライマリプーリからの排出油量を抑制し、プライマリプーリでのベルト滑りを抑制する。なお、ガード値の設定は、車両の減速度のほか、アクセルペダルの踏み込み量によって変更してもよい。
本発明におけるブレーキペダルとアクセルペダルの両踏み状態は、不用意に両踏みする場合のほか、運転者が意識的に両踏みする場合も含む。
以上のように、本発明によれば、ブレーキペダルとアクセルペダルの両踏み状態における減速時に、変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号を、アクセルペダルを踏み込んでいない時における変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号より低いガード値に制限すると共に、両踏み状態における閉じ込み制御の開始車速を、アクセルペダルを踏み込んでいない場合における閉じ込み制御の開始車速より高い車速に設定したので、プライマリプーリからの排出油量が制限され、ロックアップOFF時に入力トルクが増加しても、プライマリプーリでのベルト滑りを抑制できる。
本発明に係る車両の構成を示すスケルトン図である。 無段変速機の要部の油圧回路図である。 図2のアップシフト時における油圧作用図である。 図2のダウンシフト時における油圧作用図である。 図2の閉じ込み時における油圧作用図である。 本発明のアクセルペダルとブレーキペダルの両踏み状態での減速時における、ブレーキペダル、アクセルペダル、エンジン(プライマリプーリ)回転数、車速、ダウンシフト用指令デューティ比、変速比の各時間変化を示す図である。 本発明に係る無段変速機の制御方法の一例のフローチャート図である。 従来のアクセルペダルとブレーキペダルの両踏み状態での減速時における、ブレーキペダル、アクセルペダル、エンジン(プライマリプーリ)回転数、車速、ダウンシフト用指令デューティ比、変速比の各時間変化を示す図である。
図1は本発明に係る無段変速機を搭載した車両の構成の一例を示す。エンジン1の出力軸1aは、無段変速機2を介してドライブシャフト32に接続されている。無段変速機2には、ロックアップクラッチ3aを持つトルクコンバータ3、変速装置4、油圧制御装置7及びエンジン1により駆動されるオイルポンプ6などが設けられている。
無段変速機2は、トルクコンバータ3のタービン軸5の回転を正逆切り替えてプライマリ軸10に伝達する前後進切替装置8、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ21及び両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15を有する変速装置4、セカンダリ軸20の動力をドライブシャフト32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。Vベルト15は、連続した張力帯とこの張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトに限るものではなく、チェーンベルトなどの他のベルトを用いてもよい。
前後進切替装置8は、遊星歯車機構80と逆転ブレーキB1と直結クラッチC1とで構成されている。逆転ブレーキB1と直結クラッチC1は、それぞれ湿式多板式のブレーキ及びクラッチである。遊星歯車機構80のサンギヤ81が入力部材であるタービン軸5に連結され、リングギヤ82が出力部材であるプライマリ軸10に連結されている。遊星歯車機構80はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキB1はピニオンギヤ83を支えるキャリア84とトランスミッションケースとの間に設けられ、直結クラッチC1はキャリア84とサンギヤ81との間に設けられている。直結クラッチC1を解放して逆転ブレーキB1を締結すると、タービン軸5の回転が逆転され、かつ減速されてプライマリ軸10へ伝えられ、セカンダリ軸20を経てドライブシャフト32がエンジン回転方向と同方向に回転するため、前進走行状態となる。逆に、逆転ブレーキB1を解放して直結クラッチC1を締結すると、キャリア84とサンギヤ81とが一体に回転するので、タービン軸5とプライマリ軸10とが直結され、セカンダリ軸20を経てドライブシャフト32がエンジン回転方向と逆方向に回転するため、後進走行状態となる。
変速装置4のプライマリプーリ11は、プライマリ軸10に固定された固定シーブ11aと、プライマリ軸10上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bとを備えている。可動シーブ11bの背後には、プライマリ軸10に固定されたシリンダ12が設けられ、可動シーブ11bとシリンダ12との間にプライマリ油室13が形成されている。プライマリ油室13へ供給される作動油を後述するレシオコントロール弁76,77で流量制御することにより、変速制御が実施される。
セカンダリプーリ21は、セカンダリ軸20に固定された固定シーブ21aと、セカンダリ軸20上に軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bとを備えている。可動シーブ21bの背後には、セカンダリ軸20に固定されたピストン22が設けられ、可動シーブ21bとピストン22との間にセカンダリ油室23が形成されている。セカンダリ油室23への供給油圧(セカンダリ圧)を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト挟圧力が与えられる。なお、セカンダリ油室23には初期挟圧力を与えるバイアススプリング24が配置されている。なお、セカンダリ油室23の油圧は、後述する油圧センサ108(図2参照)で検出される。
セカンダリ軸20の一方の端部はエンジン側に向かって延び、この端部に出力ギヤ27が固定されている。出力ギヤ27はデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びるドライブシャフト32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
無段変速機2は電子制御装置100によって制御される。電子制御装置100には、エンジン回転数センサ101、セカンダリプーリ回転数センサ(車速センサ)102、スロットル開度(又はアクセル開度)センサ103、シフトポジションセンサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、ブレーキ信号センサ106、CVTの作動油温センサ107、及びセカンダリ圧を検出する油圧センサ108からそれぞれ検出信号が入力されている。センサとしては、他のセンサを追加してもよい。プライマリプーリ回転数センサ105及びセカンダリプーリ回転数センサ102の検出信号により、変速比を検出できる。
電子制御装置100は、油圧制御装置7に内蔵されたソレノイド弁を制御している。油圧制御装置7は、オイルポンプ6、プライマリ油室13、セカンダリ油室23、逆転ブレーキB1、直結クラッチC1と配管を介して接続されている。電子制御装置100は、車速とスロットル開度とに応じて予め設定された変速マップに従って目標プライマリ回転数を決定し、油圧制御装置7内のアップシフト用ソレノイド弁72,ダウンシフト用ソレノイド弁73を制御することによって、プライマリ油室13への供給油量を調整し、プライマリ回転数を目標値へと変速制御すると共に、リニアソレノイド弁71を制御することによって、セカンダリ油室23の油圧(ベルト挟圧力)をベルト滑りを発生させない値へと制御している。さらに、油圧制御装置7は、リニアソレノイド弁71を用いて逆転ブレーキB1及び直結クラッチC1への供給油圧を制御する機能も有している。
図2は油圧制御装置7の一部の油圧回路図である。図2において、71はリニアソレノイド弁、72はアップシフト用ソレノイド弁、73はダウンシフト用ソレノイド弁、76はアップシフト用レシオコントロール弁、77はダウンシフト用レシオコントロール弁、78はレシオチェック弁、79は挟圧コントロール弁である。また、リニアソレノイド弁71はセカンダリプーリ21の油室23の圧力制御(ベルト挟圧制御)、ライン圧の調圧制御、逆転ブレーキB1及び直結クラッチC1の過渡制御等に使用される。ソレノイド弁72はアップシフト用信号圧Pupを発生するデューティソレノイド弁であり、ソレノイド弁73はダウンシフト用信号圧Pdnを発生するデューティソレノイド弁である。本実施形態では、リニアソレノイド弁71は常開型のリニアソレノイド弁、ソレノイド弁72,73は共に常閉型のソレノイド弁を使用している。
アップシフト用レシオコントロール弁76及びダウンシフト用レシオコントロール弁77は、アップシフト用信号圧Pupとダウンシフト用信号圧Pdnとの相対関係によってバルブ開口面積を変化させ、プライマリ油室13への作動油量を調整する流量制御弁である。すなわち、アップシフト用レシオコントロール弁76は、スプリング76aによって一方向に付勢されたスプール76bを備えており、スプリング76aが収容された一端側の信号ポート76cに信号圧Pdnが入力されている。スプリング荷重と対向する他端側の信号ポート76dに信号圧Pupが入力されている。中間部の入力ポート76eにはライン圧PL が供給されており、出力ポート76fはプライマリプーリ11の油室13と接続されている。入力ポート76eとドレーンポート76gとの間には、後述するレシオチェック弁78のポート78hと接続されたポート76hが形成され、出力ポート76fと信号ポート76dとの間には、ダウンシフト用レシオコントロール弁77のポート77f及びレシオチェック弁78のポート78dと接続されたポート76iが形成されている。
ダウンシフト用レシオコントロール弁77は、スプリング77aによって一方向に付勢されたスプール77bを備えており、スプリング77aが収容された一端側の信号ポート77cに信号圧Pupが入力されている。スプリング荷重と対向する他端側の信号ポート77dに信号圧Pdnが入力されている。中間部には、ドレーンポート77eと、アップシフト用レシオコントロール弁76のポート76iと接続されたポート77fと、レシオチェック弁78のポート78fと接続されたポート77gとが順に形成されている。
レシオチェック弁78は、閉じ込み制御の際に、プライマリプーリ11の油室13の油圧を流量制御から圧力制御に切り替えて、プライマリ圧をセカンダリ圧との比率に応じた所定圧に保持するための圧力制御弁である。レシオチェック弁78は、スプリング78aによって一方向に付勢されたスプール78bを備えており、スプリング78aが収容された一端側の信号ポート78cにセカンダリ油室23の油圧が入力されている。スプリング荷重と対向する他端側の信号ポート78dには、プライマリ油室13の油圧がアップシフト用レシオコントロール弁76のポート76f,76iを介して入力されている。なお、セカンダリ圧が入力される信号ポート78cの受圧面積に比べて、プライマリ圧が入力される信号ポート78dの受圧面積の方がα倍だけ大きい。入力ポート78eにはライン圧PL が供給されており、出力ポート78fはダウンシフト用レシオコントロール弁77のポート77gと接続されている。さらに、出力ポート78fとドレーンポート78gとの間には、アップシフト用レシオコントロール弁76のポート76hと接続されたポート78hが形成されている。
閉じ込み制御時(車両停止時)には、両方のソレノイド弁72,73がOFFされるため、アップシフト用レシオコントロール弁76は図2の右側位置、ダウンシフト用レシオコントロール弁77は図2の左側位置となる。セカンダリ圧による荷重とスプリング荷重との和が、プライマリ圧による荷重のα倍に比べて相対的に大きい時には、レシオチェック弁78は図2の左側位置にあり、レシオチェック弁78の入力ポート78eに供給されたライン圧PL は、出力ポート78fからダウンシフト用レシオコントロール弁77のポート77g,77f、アップシフト用レシオコントロール弁76のポート76i,76fを介してプライマリ油室13へ供給される。逆に、プライマリ圧による荷重のα倍が、セカンダリ圧による荷重とスプリング荷重との和に比べて相対的に大きい時には、レシオチェック弁78は図2の右側位置に切り替わる。そのため、プライマリ圧は、出力ポート78f、ポート78hから、アップシフト用レシオコントロール弁76のポート76h,76gを介してドレーンされる。実際には、レシオチェック弁78のスプール78bは、出力ポート78fと入力ポート78eとを接続する位置と、出力ポート78fとポート78hとを接続する位置との中間位置でバランスされる。このようにレシオチェック弁78は、プライマリ圧とセカンダリ圧との比率が所定の関係となるようにプライマリ圧を制御し、所定の変速比に保持することができる。なお、レシオチェック弁78とプライマリ油室13とを結ぶ供給油路は、アップシフト用レシオコントロール弁76及びダウンシフト用レシオコントロール弁77を経由しており、ポート78fと77g間の油路に小径なオリフィス90(図2参照)が設定されている。これらオリフィス90の作用により、変速制御から閉じ込み制御への切替時に急変速するのを防止している。
挟圧コントロール弁79は、セカンダリプーリ21の作動油室23の油圧(セカンダリ圧)を制御するための弁である。スプリング79fによって一方向に付勢されたスプール79gを備え、スプリング荷重と対向する一端側の信号ポート79aにソレノイドモジュレータ弁73から一定圧Psmが供給されている。入力ポート79bにはライン圧PL が供給されており、出力ポート79cはセカンダリプーリ21の作動油室23と接続され、セカンダリ圧はポート79dにフィードバックされている。スプリング79fが収容された他端側の信号ポート79eにはリニアソレノイド弁71からソレノイド圧Psls が供給される。ポート79hはドレーンポートである。そのため、信号ポート79eに入力されたソレノイド圧Psls を所定の増幅度で増幅した油圧を、セカンダリ圧としてセカンダリプーリ21の作動油室23に供給することができる。作動油室23の油圧(セカンダリ圧)は油圧センサ108によって検出され、エンジントルクに応じたセカンダリ圧(ベルト挟圧)に制御される。
図3はアップシフト時、図4はダウンシフト時、図5は閉じ込み時における各油圧の作用状態を示す。図中、太線は油圧が作用した油路を表している。アップシフト時には、アップシフト用ソレノイド弁72がON(デューティ比)、ダウンシフト用ソレノイド弁73がOFF(0%)となるので、図3に示すようにレシオコントロール弁76の入力ポートと出力ポートとが連通される。そのため、ライン圧PL はレシオコントロール弁76を介してプライマリ油室13に供給され、High側へ変速される。ダウンシフト時には、ダウンシフト用ソレノイド弁73がON(デューティ比)、アップシフト用ソレノイド弁72がOFF(0%)となるので、図4に示すようにプライマリ油室13の作動油は両レシオコントロール弁76、77を経由して排出され、Low側へ変速される。さらに、閉じ込み時には、上述のようにレシオチェック弁78によって調圧された油圧がプライマリ油室13に供給される。
次に、本発明にかかる無段変速機の変速制御方法について、図6のタイムチャートを参照しながら説明する。図6は、アクセルペダルとブレーキペダルの両方を踏みながら減速して停車に至る場合の、ブレーキペダル、アクセルペダル、エンジン(プライマリプーリ)回転数、車速、ダウンシフト用指令デューティ比、変速比の各時間変化を示している。
図6の時刻t1でブレーキペダルが踏み込まれ、やや遅れて時刻t2でアクセルペダルが踏み込まれたとする。プレーキペダルによる制動力がアクセルペダルによる加速力より勝っている場合には、エンジン回転数、車速は漸次減少し、Low戻りのためにダウンシフト用指令デューティ比は増加するようフィードバック制御される。それに伴い、変速比は徐々に増大する。しかし、本発明では時刻t2でアクセルペダルが踏み込まれた後、ダウンシフト用ソレノイド弁73への指令デューティ比の上限を所定の変速ガード値に制限する。もし、アクセルペダルが踏み込まれた時点で既に指令デューティ比がガード値を越えている場合には、ガード値までデューティ比を下げ、アクセルペダルが踏み込まれた時点で指令デューティ比がガード値より低い場合には、ガード値まで指令デューティ比が上昇するのを許す。
時刻t3でトルクコンバータのロックアップがOFFすると、エンジン回転数が上昇し、プライマリプーリの回転数と乖離する。やがて、時刻t5で車速が所定の閉じ込み車速(例えば2〜3km/h)以下になると、アップシフト用ソレノイド弁72だけでなく、ダウンシフト用ソレノイド弁73への指令デューティ比も0%とし、閉じ込み制御を開始する。この閉じ込み車速は、アクセルペダルを踏み込まずに減速〜停止した時の閉じ込み車速(例えば0km/h)より高いので、閉じ込み制御を通常より早期に開始できる。閉じ込み制御では、それまでレシオコントロール弁76,77を介して排油されていたプライマリ油室13に、レシオチェック弁78を介して油圧が供給される。レシオチェック弁78は圧力制御弁であり、セカンダリ油圧とプライマリ油圧との油圧バランスによってプライマリ油圧が調圧される。
上述のようにロックアップOFFと共にエンジン回転が上昇し、入力トルクが増加するため、プライマリプーリ側でベルト滑りが発生する可能性があるが、本発明ではプライマリ油室からの作動油の排出を、ダウンシフト用ソレノイド弁73への指令デューティ比にガード値を設けて制限しているので、変速速度が抑制され、プライマリプーリからの排油速度が抑制される。そのため、入力トルクの増加があっても、プライマリプーリでのベルト滑りを防止できる。さらに、閉じ込み制御を早期に開始するため、プライマリ油室13に調圧された油圧が供給され、ベルト滑りを確実に防止できる。
図7は、本発明に係る無段変速機の変速制御方法の一例を示すフローチャート図である。まず、最初にブレーキペダルの踏み込み(ステップS1)とアクセルペダルの踏み込み(ステップS2)とを検出する。ブレーキペダルのみが踏み込まれた場合には、通常の変速制御と同様に、閉じ込み車速(閉じ込み制御を開始する車速)をA値に設定し、変速ガード値を設けない(ステップS3)。なお、A値は0km/h又はその近傍値に設定される。一方、ブレーキペダルとアクセルペダルの両方が踏み込まれた場合には、減速度を設定値と比較し(ステップS4)、減速度が設定値より大きい場合には、閉じ込み車速をB値に、変速ガード値をγ値に設定する(ステップS5)。一方、減速度が設定値以下の場合には、閉じ込み車速をB値に、変速ガード値をβ値に設定する(ステップS6)。B値は2〜3km/h程度の低車速値に設定される。
ここで、A、B、β、γの各値は以下のような関係にある。
B>A , 100%>β>γ
つまり、ブレーキペダルのみが踏み込まれた時には変速ガード値を設定せずにダウンシフト用指令デューティ比をフィードバック制御し、ブレーキペダルとアクセルペダルの両方が踏み込まれた時に変速ガード値β、γを設定することで、ブレーキペダルのみが踏み込まれた時に比べてLow方向への変速速度を制限し、プライマリプーリでのベルト滑りを抑制している。また、ブレーキペダルとアクセルペダルの両方が踏み込まれた時の閉じ込み車速Bを、ブレーキペダルのみが踏み込まれた時の閉じ込み車速Aより高い値とすることで、閉じ込み制御を早期に開始し、ベルト滑りを抑制している。なお、ステップS4で減速度の大小により変速ガード値を変更したが、このステップは任意である。また、減速度に応じて閉じ込み車速(B値)を変更してもよい。具体的には、減速度が大きい場合に、閉じ込み車速を高い値に設定してもよい。
次に、ダウンシフト用ソレノイド弁への指令デューティ比がガード値より高いかどうかを判定し(ステップS7)、高い場合にはデューティ比をガード値に制限し(ステップS8)、低い場合にはそのデューティ比をそのまま出力する(ステップS9)。次に、現車速を閉じ込み車速A,Bと比較し(ステップS10)、車速が閉じ込み車速より低くなれば、ダウンシフト用ソレノイド弁への指令デューティ比を0%とし、閉じ込み制御を開始する(ステップS11)。
本実施例では、流量制御弁として2個のレシオコントロール弁76、77を設け、両方のコントロール弁に対してアップシフト用ソレノイド弁72とダウンシフト用ソレノイド弁73とからそれぞれ信号圧を対向して入力することで、プライマリ油室13の作動油を流量制御する例を示したが、単一の流量制御弁を用い、その両端にアップシフト用ソレノイド弁72とダウンシフト用ソレノイド弁73の信号圧を対向して入力することで、プライマリ油室13の作動油を流量制御してもよい。また、閉じ込み時にはレシオチェック弁78に油路を切り換えて圧力制御する例を示したが、これに限るものではなく、例えば特許文献1のように一方のレシオコントロール弁77を介して圧力制御することも可能である。
1 エンジン
2 無段変速機
3 トルクコンバータ
3a ロックアップクラッチ
7 油圧制御装置
11 プライマリプーリ
13 プライマリ油室
21 セカンダリプーリ
23 セカンダリ油室
71 リニアソレノイド弁
72 アップシフト用ソレノイド弁
73 ダウンシフト用ソレノイド弁
76 アップシフト用レシオコントロール弁(流量制御弁)
77 ダウンシフト用レシオコントロール弁(流量制御弁)
78 レシオチェック弁(圧力制御弁)
79 挟圧コントロール弁
90 オリフィス
100 電子制御装置

Claims (2)

  1. エンジンによる駆動力がロックアップ機能を有するトルクコンバータを介してベルト式無段変速機へ伝達される車両であって、
    前記無段変速機のプライマリプーリの油室への作動油を変速用ソレノイド弁により流量制御することによって変速比を制御すると共に、
    前記無段変速機のセカンダリプーリの油室への作動油を挟圧コントロール弁により圧力制御することによってベルト挟圧を制御する車両において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    ブレーキペダルの踏み込みを検出する手段と、
    アクセルペダルの踏み込みを検出する手段と、
    前記ブレーキペダル及びアクセルペダルの両方が踏み込まれた状態における減速走行時において、前記変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号を、前記アクセルペダルの踏み込みを検出しない場合における前記変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号より低い値に制限する手段と、
    停車直前の低車速において、プライマリプーリの油室への作動油を流量制御から圧力制御に切り換えて閉じ込み制御を実行する手段とを備え、
    前記両踏み状態における閉じ込み制御の開始車速を、前記アクセルペダルの踏み込みを検出しない場合における閉じ込み制御の開始車速より高い車速に設定したことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記ブレーキペダル及びアクセルペダルの両方が踏み込まれた状態における前記変速用ソレノイド弁のダウンシフト側への最大指令信号を、車両の減速度が大きいほど低い値に設定したことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
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