JP5637558B2 - 回線等化装置及び回線等化方法 - Google Patents

回線等化装置及び回線等化方法 Download PDF

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Description

本発明は、回線等化装置及び回線等化方法に関し、特に、音声及びその他の伝送回線の周波数特性を補正するのに適した回線等化装置及び回線等化方法に関する。
従来の回線等化装置では、入力される信号の周波数帯域を複数に分割し、分割して得られる複数の周波数帯域に対して、各々の周波数帯域に対応する複数のイコライザを使用して周波数特性を検出し、これら複数のイコライザのゲインのみを調整して周波数特性を補正する方法が用いられている。このような方法では、マイコン等を利用して自動的にゲインを調整する方法を適用することができる。
また、周波数特性を検出する方法として、例えば下記の特許文献1に記載されているように、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)演算を使用する方法も用いられている。
特許文献1に記載の回線等化器100は、図7に示すように、4線式の伝送回線の特性を補正するものであり、設定処理期間において、各回線101A、101B間に抵抗減衰器102が接続される。下り回線101Aには、A/D変換器111A、デジタルフィルタ112A、切換スイッチ113A及びD/A変換器114Aが接続される。また、上り回線101Bは、A/D変換器114B、切換スイッチ113B、デジタルフィルタ112B及びD/A変換器111Bが接続される。
下り回線101Aの切換スイッチ113Aの常開端子には発振器115が接続され、上り回線101Bの切換スイッチ113Bの常開端子には、レベルメータ116が接続される。そして、このレベルメータ116にフーリエ演算部117が接続される。さらに、回線等化器100内には、発振器115の起動停止制御、各切換スイッチ113A、113Bの切換状態制御、レベルメータ116からの信号レベルの読込み、フーリエ演算部117に対するデータ供給等の処理業務を行う制御部118が設けられる。
制御部118は、外部から周波数特性の設定処理開始の指令を受けると、切換スイッチ113A及び113Bを常閉端子側から常開端子側へ切換えるとともに、発振器115及びレベルメータ116を起動させる。発振器115は、予め定められた所定の周波数範囲(下限周波数fL〜上限周波数fH)内で周波数f及び信号レベルが変化できる試験信号を出力する。試験信号は、D/A変換器114A、抵抗減衰器102及びA/D変換器114Bを介してレベルメータ116に入力される。
レベルメータ116は、入力された試験信号の信号レベルの平均値を算出する。発振器115から出力された試験信号の周波数fは、任意に変更できるので、算出された信号レベルは、周波数fの関数として求めることができる。したがって、レベルメータ116からフーリエ演算部117へ伝送されるレベルデータは、周波数fの関数となるので、抵抗減衰器102までの伝送回線101の周波数特性を求めることができる。
フーリエ演算部117は、レベルメータ116から入力された周波数特性に対して1/2の逆フーリエ変換特性を演算する。
ここで、回線等化器100では、測定すべきM個の周波数ポイントを所定の周波数範囲内で定め、M個の各周波数fL〜fHにおける信号レベルをレベルメータ116で求めてその逆特性を求める。そして、この逆特性の信号レベルに対して離散的逆フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)手法を用い、図8に示すような周波数特性を算出する。制御部118は、このようにして得られた逆フーリエ変換特性をデジタルフィルタ112A及び112Bに設定する。
このように、デジタルフィルタ112A及び112Bに対して周波数特性を設定することにより、伝送回線101の特性を補正することができる。
特許第3173924号公報
しかし、特許文献1に記載の回線等化器では、所定の周波数範囲内に測定すべきM個の周波数ポイントを設定する必要があるため、M個の周波数ポイント分のデジタルフィルタが必要となってしまうという問題があった。また、このような方法は、周波数帯域を複数に分割し、複数の周波数帯域に対応する複数のイコライザを使用して周波数特性を補正する手段の一つに過ぎない。
さらに、特許文献1に記載の回線等化器では、IDFT手法を用いて演算を行う必要があるため、処理時間が長くなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、回路構成を簡略化し、処理時間を高速化することが可能な回線等化装置及び回線等化方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、伝送回線の周波数特性を補正する回線等化装置であって、入力信号に対してFFT処理を行い、所定の周波数範囲で周波数特性を解析するFFT解析部と、前記周波数特性から前記周波数範囲内の最大のピークとなる第1のピーク成分を検出する第1のピーク値検出部と、前記第1のピーク成分を解析し、該第1のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第1のイコライザ特性を設定するための第1のパラメータを取得するとともに、該第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性の周波数特性を生成する第1の解析部と、前記第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性を設定し、前記入力信号に対して前記第1のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行う第1のイコライザと、前記FFT解析部により得られる周波数特性と、前記第1のイコライザ特性の周波数特性との差分により周波数特性差分データを生成する周波数差分演算部と、前記周波数特性差分データから前記周波数範囲内の最大のピークとなる第2のピーク成分を検出する第2のピーク値検出部と、前記第2のピーク成分を解析し、該第2のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第2のイコライザ特性を設定するための第2のパラメータを取得する第2の解析部と、前記第2のパラメータに基づき前記第2のイコライザ特性を設定し、前記第1のイコライザから出力される信号に対して前記第2のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行う第2のイコライザとを備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、入力信号の周波数特性からピーク成分を検出し、このピーク成分を除去するようなイコライザ特性を用いてピーク成分を除去するとともに、入力信号の周波数特性とイコライザ特性との差分を算出して得られる周波数特性から次のピーク成分を検出し、ピーク成分を除去するため、入力信号の周波数範囲を分割することなく、全ての周波数範囲について等化処理を行うことができ、回路構成を簡略化させることが可能となる。
また、IDFT等の演算を行わないため、等化処理に要する時間を高速化することが可能となる。
上記回線等化装置において、前記周波数特性におけるピーク成分の有無を判断するピーク値判断部と、前記ピーク値判断部による判断の結果、前記周波数特性にピーク成分が存在しないと判断した場合に、前記周波数特性に基づき擬似的なピーク成分を有する擬似ピークデータを生成する擬似ピーク値生成部とをさらに備え、前記擬似ピーク値生成部は、前記入力信号に含まれる周波数成分の最大周波数において、前記周波数特性を折り返すことにより前記擬似ピークデータを生成し、前記第1のピーク値検出部は、前記ピーク値判断部により前記周波数特性にピーク成分が存在すると判断された場合に、前記周波数特性から前記第1のピーク成分を検出し、前記ピーク値判断部により前記周波数特性にピーク成分が存在しないと判断された場合に、前記擬似ピークデータから前記第1のピーク成分を検出することができる。
そして、本発明によれば、入力信号の周波数特性にピーク成分が存在しない場合に、擬似的にピーク成分を生成し、生成されたピーク成分を除去するため、ピーク成分が存在しない入力信号に対しても、等化処理を行うことが可能となる。
上記回線等化装置において、前記擬似ピーク値生成部は、前記折り返した周波数特性に内接する二次曲線を擬似ピークデータとすることができる。
そして、本発明によれば、イコライザにおけるイコライザ特性が極付近で鋭利な特性とならないため、イコライザ特性に与える影響を軽減し、特性誤差を小さくすることが可能となる。
上記回線等化装置において、前記第2のピーク値検出部は、前記ピーク成分に対する閾値を設定し、ゲイン量が前記閾値を超える成分をピーク成分として検出することを特徴とすることができる。
上記回線等化装置において、前記閾値は、変更可能とすることができる。
そして、本発明によれば、閾値を変更可能とすることにより、回線等化装置における等化特性の精度や信号の遅延、位相特性等を考慮して、ピーク成分を検出することが可能となる。
上記回線等化装置において、前記周波数差分演算部、前記第2のピーク値検出部及び前記第2の解析部からなる解析ブロックと、前記第2のイコライザとを複数備え、前記第2の解析部は、さらに、前記第2のパラメータに基づき前記第2のイコライザ特性の周波数特性を生成し、前記周波数差分演算部は、前段の周波数差分演算部で生成された周波数特性差分データと、前記第2のイコライザ特性の周波数特性との差分により周波数特性差分データを生成することができる。
そして、本発明によれば、周波数特性差分データとイコライザ特性の周波数特性との差分を繰り返し算出することにより、入力信号に含まれる複数のピーク成分を順次除去することが可能となる。
上記回線等化装置において、前記FFT解析部は、前記解析を繰り返し行い、解析結果を積算又は平均化することができる。
そして、本発明によれば、FFT解析部による解析結果を積算又は平均化するため、入力信号に含まれる白色雑音等の雑音の影響を抑え、解析精度を向上させることが可能となる。
上記回線等化装置において、前記FFT解析部は、前記入力信号の周波数特性を補正する周波数補正データに基づきFFT処理を行うことができる。
そして、本発明によれば、周波数補正データに基づきFFT処理を行うため、以降の処理において、入力信号に対して予め設定された特性を考慮する必要がなくなり、設定された特性によるピーク成分の誤検出を防ぐことが可能となる。
また、本発明は、伝送回線の周波数特性を補正する回線等化方法であって、入力信号に対してFFT処理を行い、所定の周波数範囲で周波数特性を解析し、前記周波数特性から前記周波数範囲内の最大のピークとなる第1のピーク成分を検出し、前記第1のピーク成分を解析し、該第1のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第1のイコライザ特性を設定するための第1のパラメータを取得するとともに、該第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性の周波数特性を生成し、前記第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性を設定し、前記入力信号に対して前記第1のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行い、前記解析により得られる周波数特性と、前記第1のイコライザ特性の周波数特性との差分により周波数特性差分データを生成し、前記周波数特性差分データから前記周波数範囲内の最大のピークとなる第2のピーク成分を検出し、前記第2のピーク成分を解析し、該第2のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第2のイコライザ特性を設定するための第2のパラメータを取得し、前記第2のパラメータに基づき前記第2のイコライザ特性を設定し、前記第1のイコライザから出力される信号に対して前記第2のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行うことを特徴とする。
そして、本発明によれば、前記発明と同様に、回路構成を簡略化させることが可能となるとともに、等化処理に要する時間を高速化することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、回路構成を簡略化し、処理時間を高速化することが可能になる。
本発明に係る回線等化装置の一実施の形態を示すブロック図である。 3段のイコライザを用いた場合の回線等化装置の構成の一例を示すブロック図である。 生成データを生成する方法について説明するための略線図である。 回線等化装置の動作について説明するための略線図である。 帯域幅の算出方法について説明するための略線図である。 本発明に係る回線等化装置の他の実施形態を示すブロック図である。 従来の回線等化器の構成の一例を示すブロック図である。 IDFT手法を用いて算出した周波数特性結果を示す略線図である。
次に、発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる回線等化装置の一実施の形態を示し、この回線等化装置1は、イコライザ解析ブロック101、102、・・・、10n-1、FFT(Fast Fourier Transform)解析部11、ピーク値判断部12、擬似ピーク値生成部13、ピーク値検出部14、イコライザ解析部15、イコライザ161、162、・・・、16nを備える。
FFT解析部11は、外部から音声信号等の入力信号aと、使用する回線で伝送可能な周波数範囲を示す回線特性範囲データpとが入力され、回線特性範囲データpに基づき入力信号aに対してFFT処理を施し、入力信号aの周波数特性を解析する。そして、FFT解析部11は、解析により得られた周波数特性データbを出力する。
ピーク値判断部12は、FFT解析部11から出力された周波数特性データbに基づき、入力信号aの周波数範囲内のピーク成分の有無を判断し、判断の結果に応じたピーク成分の有無を示すピーク値判断結果データdを出力する。また、ピーク値判断部12は、ピーク成分が無いと判断した場合に、擬似ピーク信号生成部13における処理を開始するための擬似ピーク値生成開始情報cを出力する。
擬似ピーク値生成部13は、ピーク値判断部12から擬似ピーク値生成開始情報cを受け取った場合に、回線特性範囲データpが示す周波数範囲内の最大周波数を擬似的なピークとする擬似ピーク値生成データ(以下、「生成データ」とする)eを生成して出力する。尚、生成データeの詳細については、後述する。
ピーク値検出部14は、ピーク値判断部12から出力されたピーク値判断結果データdに基づき、FFT解析部11からの周波数特性データb及び擬似ピーク値生成部13からの生成データeの何れか一方のデータからピーク成分を検出する。そして、ピーク値検出部14は、検出したピーク成分の周波数を示すデータと、周波数特性データb及び生成データeのうち検出に使用した何れかのデータとからなるデータfを出力する。
また、ピーク値検出部14は、ピーク値判断結果データdが「ピーク成分なし」を示す場合に、後述するピーク値検出部181によるピーク成分の検出処理を行わないように制御するための制御信号q1を出力する。
イコライザ解析部15は、ピーク値検出部14から出力されたデータfに基づきピーク成分のゲイン量及び帯域幅(選択度)を算出し、算出結果をパラメータとしたイコライザ解析データg1を出力する。また、イコライザ解析部15は、算出結果に基づき、イコライザ161におけるイコライザ特性の周波数特性データである解析データh1を出力する。
イコライザ161は、イコライザ解析部15からのイコライザ解析データg1に基づきイコライザ特性を設定し、入力信号aに対してフィルタ演算等のイコライザ処理を施した信号kを出力する。
イコライザ解析ブロック101、102、・・・、10n-1は、周波数差分演算部171、172、・・・、17n-1、ピーク値検出部181、182、・・・、18n-1及びイコライザ解析部191、192、・・・、19n-1で構成される。
周波数差分演算部171は、イコライザ解析部15からの解析データh1と周波数特性データbとの差分を演算し、周波数特性差分データi1を出力する。
ピーク値検出部181は、周波数差分演算部171からの周波数特性差分データi1内のピーク成分のゲイン量と、ゲイン量に対して予め設定された閾値とを比較することにより、ピーク成分の検出処理を行う。ピーク値検出部181は、周波数特性差分データi1内のピーク値が閾値よりも大きい場合に、ピーク成分を検出し、検出したピーク成分の周波数を示すデータ及び周波数特性差分データi1からなるデータj1を出力する。また、ピーク値検出部181は、周波数特性差分データi1内のピーク値が閾値よりも小さい場合に、ピーク成分を検出せず、データj1の代わりにピーク成分が存在しないことを示すデータを出力する。
また、ピーク値検出部181は、ピーク成分を検出しない場合に、後述するピーク値検出部182によるピーク成分の検出処理を行わないように制御するための制御信号q2を出力する。
イコライザ解析部191は、ピーク値検出部181から出力されたデータj1に基づきピーク成分のゲイン量及び帯域幅(選択度)を算出し、算出結果をパラメータとしたイコライザ解析データg2を出力する。また、イコライザ解析部191は、算出結果に基づき、イコライザ162におけるイコライザ特性の周波数特性データである解析データh2を出力する。
さらに、イコライザ解析部191は、ピーク成分が存在しないことを示すデータを受け取った場合には、各種パラメータの算出を行わずに、イコライザ特性がフラットになるようなイコライザ解析データg2を出力するとともに、フラットなイコライザ特性となる解析データh2を出力する。
イコライザ162は、イコライザ解析部191からのイコライザ解析データg2に基づきイコライザ特性を設定し、イコライザ161から出力された信号kに対してフィルタ演算等のイコライザ処理を施した信号mを出力する。
イコライザ解析ブロック102は、周波数差分演算部172、ピーク値検出部182及びイコライザ解析部192により、イコライザ解析ブロック101における処理と同様の処理を行い、解析データh2に基づきイコライザ163による処理に必要なイコライザ解析データg3を出力する。また、イコライザ解析ブロック102は、次段のイコライザ解析ブロック103での処理に必要な解析データを出力する。
以下、同様にして、次段のイコライザ解析ブロック103、・・・、10n-1は、イコライザ解析データg4、・・・、gnを出力するとともに、解析データh4、・・・、hn-1を出力する。尚、最終段のイコライザ解析ブロック10n-1については、解析データを出力しない。
また、イコライザ164、・・・、16nは、イコライザ解析ブロック103、・・・、10n-1からのイコライザ解析データg4、・・・、gnに基づき、イコライザ163、・・・、16n-1から出力された信号に対してイコライザ処理を施し、最終段のイコライザ16nから出力信号nを出力する。
次に、上記構成を有する回線等化装置1の動作について、図2〜図4を参照しながら説明する。ここでは、説明が煩雑となるのを防ぐため、図2に示すように、3段のイコライザ161〜163を用いた場合を例にとって説明する。
回線等化装置1に入力信号aが入力されると、入力信号aは、FFT解析部11及びイコライザ161に供給される。また、回線等化装置1には、使用する回線で伝送可能な周波数範囲を示す回線特性範囲データpが供給され、FFT解析部11に入力される。
FFT解析部11は、回線特性範囲データpが示す周波数範囲について、入力信号aに対してFFT処理を施すことにより周波数特性データbを生成し、ピーク値判断部12、ピーク値検出部14及び周波数差分演算部171に対して出力する。
このとき、入力信号aに対するFFT処理を繰り返し行い、得られる周波数特性データbを積算又は平均化すると好ましい。これは、入力信号aに含まれる白色雑音等の雑音の影響を抑え、解析精度を向上させることができるためである。
ピーク値判断部12は、入力された周波数特性データbに基づきピーク成分の有無を判断する。例えば、周波数特性データbの各周波数における減衰量等の変化量により、ピーク成分の有無を判断する。また、例えば、周波数特性データbのピーク値に対して予め閾値を設定し、この閾値以上の成分が存在する場合に「ピーク成分あり」と判断し、閾値以上の成分が存在しない場合に「ピーク成分なし」と判断する。ピーク値判断部12は、判断結果に応じたピーク値判断結果データdを生成し、ピーク値検出部14に対して出力する。また、ピーク値判断部12は、ピーク成分が存在しないと判断した場合に、擬似ピーク値生成開始情報cを生成し、擬似ピーク値生成部13に対して出力する。
擬似ピーク値生成部13は、擬似ピーク値生成開始情報cが入力されると、回線特性範囲データpが示す周波数範囲内の最大周波数を擬似的なピークとする生成データeを生成し、ピーク値検出部14に対して出力する。
ここで、擬似ピーク値生成部13による生成データeの生成方法について、図3を参照して詳細に説明する。尚、図3は、ピーク成分が存在しない周波数特性データbから生成データeを生成する方法について説明するためのグラフである。
ピーク値判断部12において、ピーク成分が存在しないと判断される場合の入力信号aは、一般に、図3(a)に示すように、周波数が高くなるに従ってゲイン量が単調に減衰する。即ち、入力信号aに含まれる周波数成分のうち、最大周波数におけるゲイン量の絶対値が最も大きい値となる。
そこで、このような入力信号aが入力された場合、擬似ピーク値生成部13は、図3(b)に示すように、入力信号aの最大周波数でデータを折り返したデータを生成する。これにより、FFT処理における周波数範囲内にピーク成分を有するようなデータが生成される。
このとき、図3(c)に示すように、折り返すことで生成されたデータに内接する二次曲線を算出し、図3(d)に示すような生成データeとすると好ましい。これは、イコライザ161におけるイコライザ特性が極付近で鋭利な特性とならないようにするためであり、イコライザ特性に与える影響を軽減し、特性誤差を小さくすることができるからである。
尚、入力信号aによっては、入力信号aに含まれる周波数成分の最大周波数が、FFT処理の対象となる周波数範囲における最大周波数未満の場合と、周波数範囲における最大周波数と同じ又はそれ以上の場合とが考えられる。入力信号aに含まれる周波数成分の最大周波数が、FFT処理における周波数範囲の最大周波数未満の場合は、入力信号aの最大周波数でデータを折り返すことにより、周波数範囲内にピーク成分が生成される。
一方、入力信号aに含まれる周波数成分の最大周波数が、FFT処理における周波数範囲の最大周波数と同じ又はそれ以上の場合は、周波数範囲の最大周波数でデータを折り返してもピーク成分が出現しない。しかし、通常の伝送回線の場合、一般に、周波数が高くなるに従ってゲイン量が減衰する特性であるので、このような場合には、周波数範囲の最大周波数における成分をピーク成分とすることができる。
説明は図2に戻り、ピーク値検出部14は、周波数特性データb、ピーク値判断結果データd及び生成データeが入力され、ピーク値判断結果データdが「ピーク成分あり」を示す場合には、周波数特性データbからピーク成分を検出し、「ピーク成分なし」を示す場合には、生成データeからピーク成分を検出する。そして、ピーク値検出部14は、検出したピーク成分の周波数を示すデータと、周波数特性データb及び生成データeのうち検出に使用した何れかのデータとからなるデータfをイコライザ解析部15に対して出力する。尚、周波数特性データbに含まれるピーク成分が複数存在する場合、ピーク値検出部14は、複数のピーク成分のゲイン量に基づき、ゲイン量の絶対値が最も大きいピーク成分を検出する。
また、ピーク値検出部14は、ピーク値判断結果データdが「ピーク成分なし」を示す場合に、制御信号q1をピーク値検出部181に対して出力する。
尚、ピーク値検出部14においてピーク成分を検出する際には、例えばゲイン量に対して予め閾値を設定し、この閾値を超えるゲイン量を有する成分のみをピーク成分として検出するようにしてもよい。
イコライザ解析部15は、入力されたデータfに基づき、ピーク成分の周波数におけるゲイン量及び帯域幅(選択度)を算出する。帯域幅(選択度)は、例えば、ピーク成分の周波数におけるゲイン量に対してゲイン量がdB換算で1/2となる周波数の幅に基づき算出することができる。そして、イコライザ解析部15は、このピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅(選択度)をパラメータとした、イコライザ161によるイコライザ特性を決定するためのイコライザ解析データg1を生成し、イコライザ161に対して出力する。
また、イコライザ解析部15は、ピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅(選択度)をパラメータとして得られる、イコライザ161におけるイコライザ特性の周波数特性データである解析データh1を生成し、周波数差分演算部171に対して出力する。
イコライザ161は、入力されたイコライザ解析データg1に含まれるパラメータに基づき、検出されたピーク成分を除去するような逆特性のイコライザ特性を設定し、入力信号aに対してイコライザ処理を施す。これにより、検出されたピーク成分を除去した信号kを生成し、イコライザ162に対して出力する。
周波数差分演算部171は、周波数特性データb及び解析データh1が入力され、イコライザ161におけるイコライザ特性の周波数特性である解析データh1と周波数特性データbとの差分を算出して周波数特性差分データi1を生成し、ピーク値検出部181及び周波数差分演算部172に対して出力する。
ピーク値検出部181は、入力された周波数特性差分データi1のゲイン量に対する閾値が予め設定され、入力された周波数特性差分データi1内のピーク成分のゲイン量と閾値とを比較する。比較の結果、入力された周波数特性差分データi1内に閾値よりも大きいゲイン量を有するピーク成分が存在する場合は、このピーク成分の周波数を示すデータと、周波数特性差分データi1とを含むデータj1をイコライザ解析部191に対して出力する。一方、入力された周波数特性差分データi1内に閾値よりも大きいゲイン量を有するピーク成分が存在しない場合は、データj1の代わりにピーク成分が存在しないことを示すデータをイコライザ解析部191に対して出力する。
また、ピーク成分を検出しない場合、ピーク値検出部181は、制御信号q2をピーク値検出部182に対して出力する。
尚、周波数特性差分データi1に含まれるピーク成分が複数存在する場合、ピーク値検出部181は、複数のピーク成分のゲイン量に基づき、ゲイン量の絶対値が最も大きいピーク成分を検出する。
また、ピーク値検出部14から制御信号q1を受け取った場合には、周波数特性差分データi1内にピーク成分が存在しないため、ピーク値検出部181は、ピーク成分の検出処理を行わず、データj1の代わりにピーク成分が存在しないことを示すデータをイコライザ解析部191に対して出力する。
ピーク値検出部181に設定される閾値は、この回線等化装置1における等化特性の精度や信号の遅延、位相特性等を考慮して、適宜設定することができる。例えば、等化特性が高い精度を必要とする場合には、閾値をより低く設定し、高い精度を必要としない場合には、閾値をより高く設定すると好ましい。
イコライザ解析部191は、入力されたデータj1に基づき、ピーク成分の周波数におけるゲイン量と、ピーク成分の周波数におけるゲイン量に対してゲイン量がdB換算で例えば1/2となる帯域幅(選択度)とを算出する。そして、イコライザ解析部191は、このピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅(選択度)をパラメータとした、イコライザ162によるイコライザ特性を決定するためのイコライザ解析データg2を生成し、イコライザ162に対して出力する。
また、イコライザ解析部191は、ピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅(選択度)をパラメータとして得られる、イコライザ162におけるイコライザ特性の周波数特性データである解析データh2を生成し、周波数差分演算部172に対して出力する。
さらに、イコライザ解析部191は、ピーク成分が存在しないことを示すデータを受け取った場合には、各種パラメータの算出を行わずに、イコライザ特性がフラットになるようなイコライザ解析データg2を出力するとともに、フラットなイコライザ特性となる解析データh2を出力する。
イコライザ特性がフラットになるようなイコライザ解析データg2は、例えば、ゲイン量を「1(0dB)」とするデータである。イコライザ特性をフラットにするには、全ての周波数範囲におけるゲイン量を「1(0dB)」とすればよいので、周波数や帯域幅(選択度)等のパラメータが不要となる。
イコライザ162は、入力されたイコライザ解析データg2に含まれるパラメータに基づき、検出されたピーク成分を除去するような逆特性のイコライザ特性を設定し、信号kに対してイコライザ処理を施す。これにより、検出されたピーク成分を除去した信号mを生成し、イコライザ163に対して出力する。
また、イコライザ162は、ゲイン量が「1(0dB)」であるイコライザ解析データg2を受け取った場合には、全ての周波数範囲においてゲイン量が「1(0dB)」となるイコライザ特性を設定し、信号kを信号mとしてそのままイコライザ163に対して出力する。
周波数差分演算部172は、周波数特性差分データi1及び解析データh2が入力され、イコライザ162におけるイコライザ特性の周波数特性である解析データh2と周波数特性差分データi1との差分を算出して周波数特性差分データi2を生成し、ピーク値検出部182に対して出力する。
ピーク値検出部182は、入力された周波数特性差分データi2のゲイン量に対する閾値が予め設定され、入力された周波数特性差分データi2内のピーク成分のゲイン量と閾値とを比較する。比較の結果、入力された周波数特性差分データi2内に閾値よりも大きいゲイン量を有するピーク成分が存在する場合は、このピーク成分の周波数を示すデータと、周波数特性差分データi2とを含むデータj2をイコライザ解析部192に対して出力する。一方、入力された周波数特性差分データi2内に閾値よりも大きいゲイン量を有するピーク成分が存在しない場合は、データj2の代わりにピーク成分が存在しないことを示すデータをイコライザ解析部192に対して出力する。
尚、周波数特性差分データi2に含まれるピーク成分が複数存在する場合、ピーク値検出部182は、複数のピーク成分のゲイン量に基づき、ゲイン量の絶対値が最も大きいピーク成分を検出する。
また、ピーク値検出部181から制御信号q2を受け取った場合には、周波数特性差分データi2内にピーク成分が存在しないため、ピーク値検出部182は、ピーク成分の検出処理を行わず、データj2の代わりにピーク成分が存在しないことを示すデータをイコライザ解析部192に対して出力する。
ピーク値検出部182に設定される閾値は、ピーク値検出部181に設定される閾値と同様に、回線等化装置1における等化特性の精度や信号の遅延、位相特性等を考慮して、適宜設定することができる。
イコライザ解析部192は、入力されたデータj2に基づき、ピーク成分の周波数におけるゲイン量と、ピーク成分の周波数におけるゲイン量に対してゲイン量がdB換算で例えば1/2となる帯域幅(選択度)とを算出する。そして、イコライザ解析部192は、このピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅(選択度)をパラメータとした、イコライザ163によるイコライザ特性を決定するためのイコライザ解析データg3を生成し、イコライザ163に対して出力する。
また、イコライザ解析部192は、ピーク成分が存在しないことを示すデータを受け取った場合には、各種パラメータの算出を行わずに、例えばゲイン量を「1(0dB)」とした、イコライザ特性がフラットになるようなイコライザ解析データg3を出力する。
イコライザ163は、入力されたイコライザ解析データg3に含まれるパラメータに基づき、検出されたピーク成分を除去するような逆特性のイコライザ特性を設定し、信号mに対してイコライザ処理を施す。これにより、検出されたピーク成分を除去した出力信号nを生成し、外部に出力する。
また、イコライザ163は、ゲイン量が「1(0dB)」であるイコライザ解析データg3を受け取った場合には、全ての周波数範囲においてゲイン量が「1(0dB)」となるイコライザ特性を設定し、信号mを出力信号nとしてそのまま外部に出力する。
次に、上述した回線等化装置1の動作について、図4及び図5を用いてより具体的に説明する。尚、図4は、回線等化装置1による等化処理について説明するための図であり、図5は、ピーク成分から帯域幅を算出する方法について説明するための図である。
例えば、2つのピーク成分A及びBを有する入力信号aが入力された場合について考える。図4(a)に示すデータは、入力信号aに対してFFT処理が施された際に得られる周波数特性データbを示す。この例では、入力信号aが周波数fA及びfBにおいて、ゲイン量の絶対値がGA及びGBとなるピーク成分A及びBを有しているものとする。
先ず、回線等化装置1に入力信号aが入力されると、FFT解析部11によるFFT処理により、図4(a)に示すような複数のピーク成分A及びBを有する周波数特性データbが得られる。この例では、複数のピーク成分A及びBが存在するので、ピーク値検出部14において、これらのピーク成分A及びBのゲイン量GA及びGBの絶対値が比較され、ゲイン量が高いピーク成分Bが検出されることになり、検出されたピーク成分Bの周波数fBが導出される。
次に、イコライザ解析部15において、検出されたピーク成分Bの周波数fB及びゲイン量GBに基づき帯域幅(選択度)が算出される。例えば、図5に示すように、周波数fBにおけるゲイン量GBに対して、ゲイン量が1/2となる周波数範囲が帯域幅(選択度)として算出される。そして、このようにして得られたピーク成分Bの周波数、ゲイン量及び帯域幅(選択度)をパラメータとしてイコライザ特性の周波数特性である解析データh1が生成される。
次に、周波数差分演算部171において、上述のようにして生成された解析データh1と周波数特性データbとの差分が演算されることにより、図4(b)に示すように、周波数特性データbからピーク成分Bが除去される。
尚、図4(b)に示すグラフにおいて、点線で示されるデータがピーク成分Bを除去する前の周波数特性データbであり、実線で示されるデータが、ピーク成分Bが除去された周波数特性差分データi1である。この周波数特性差分データi1は、イコライザ161において入力信号aに対してイコライザ処理が施された信号kをFFT処理により周波数特性データに変換したものと同等のデータとなる。
次に、上述と同様にして、ピーク値検出部181において、周波数特性差分データi1に対するピーク成分の検出処理が行われ、ピーク成分Aのゲイン量と閾値とが比較される。この例では、ピーク成分Aのゲイン量が閾値よりも大きいので、ピーク成分Aがピーク成分として検出され、検出されたピーク成分Aの周波数fAが導出される。
次に、イコライザ解析部191において、検出されたピーク成分Aの周波数fA及びゲイン量GAに基づき帯域幅(選択度)が算出され、ピーク成分Aの周波数、ゲイン量及び帯域幅(選択度)をパラメータとして解析データh2が生成される。
そして、周波数差分演算部172において、解析データh2と周波数特性差分データi1との差分が演算されることにより、図4(c)に示すように、周波数特性差分データi1からピーク成分Aが除去される。
尚、図4(c)に示すグラフにおいて、実線で示されるデータが、ピーク成分Aが除去された周波数特性差分データi2であり、イコライザ162において信号kに対してイコライザ処理が施された信号mをFFT処理により周波数特性データに変換したものと同等のデータとなる。
次に、ピーク値検出部182において、周波数特性差分データi2についてピーク検出が行われる。この例では、閾値よりも大きいゲイン量のピーク成分が存在しないため、ピーク成分が検出されない。従って、イコライザ解析部192において、ゲイン量を「1(0dB)」とした、イコライザ特性がフラットになるようなイコライザ解析データg3が出力され、イコライザ163においては、全ての周波数範囲においてゲイン量が「1(0dB)」となるイコライザ特性が設定され、信号mが出力信号nとしてそのまま出力される。
また、例えば、図3(d)に示すように、周波数fXにピーク成分を有する生成データeのピーク成分を除去する場合について考える。この場合には、イコライザ解析部15において、生成データeから得られるピーク成分のパラメータに基づき解析データh1が生成されるが、イコライザ特性の周波数特性データである解析データh1の特性は、パラメータに基づいて生成されるため、生成データeのピーク成分と完全に一致するとは限らない。そのため、周波数差分演算部171において生成データeと解析データh1との差分を算出した場合には、周波数fYにおいて生成データeと解析データh1との誤差をピーク成分とする周波数特性差分データi1が生成される。
従って、次のイコライザ解析ブロック102では、この周波数fYにおけるピーク成分についてピーク検出処理を行い、このピーク成分が閾値を超えていれば、ピーク成分を除去する処理を行う。同様にして、次のイコライザ解析ブロック103において、周波数特性差分データi1と解析データh2との差分の誤差により出現する周波数fZにおけるピーク成分についても、ピーク成分を除去する処理を行う。そして、この処理を繰り返し行うことにより、周波数特性がフラットとなる信号を出力することができる。
このようにして、各イコライザ解析ブロック101、102、・・・、10n-1において、周波数特性データb又は前段から入力される周波数特性差分データi1、i2、・・・、in-1とイコライザ特性の周波数特性データとの差分を順次求めることにより、入力信号aに含まれるピーク成分を除去することができる。
尚、回線等化装置1に設けられるイコライザ解析ブロック101、102、・・・、10n-1及びイコライザ161、・・・、16nの数は、この回線等化装置1における等化特性の精度や信号の遅延、位相特性等に影響する。例えば、イコライザ解析ブロック101、102、・・・、10n-1及びイコライザ161、・・・、16nの数を多くするほど、不要なピーク成分を多く除去できるため、等化特性の精度を向上させることができるが、信号の遅延が発生する。一方、例えば、イコライザ解析ブロック101、102、・・・、10n-1及びイコライザ161、・・・、16nの数を少なくするほど、信号遅延等の影響が少なくなるが、除去できるピーク成分の数が少なくなるため、等化特性の精度が低下する。従って、イコライザ解析ブロック101、102、・・・、10n-1及びイコライザ161、・・・、16nの数は、必要となる等化特性の精度や信号遅延等を考慮して決定すると好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、入力信号の周波数特性からピーク成分を検出し、このピーク成分を除去するようなイコライザ特性を用いてピーク成分を除去するとともに、入力信号の周波数特性とイコライザ特性との差分を算出して得られる周波数特性から次のピーク成分を順次検出し、同様にしてピーク成分を除去する。従って、入力信号の周波数範囲を分割することなく、全ての周波数範囲について等化処理を行うことができるため、分割された周波数範囲毎に等化回路を構成する必要がなく、回路構成を簡略化させることができる。
また、本実施の形態によれば、入力信号の周波数特性が単調な減衰特性である場合等、ピーク成分が存在しない場合に、擬似的にピーク成分を生成し、生成されたピーク成分を除去するため、ピーク成分が存在しない入力信号に対しても、等化処理を行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、等化処理の際にIDFT等の演算を行わないため、等化処理に要する時間を高速化することができる。
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。
回線等化装置に対する入力信号は、例えば、低域成分や高域成分等の周波数成分を予め増幅又は減衰させる等、所定の特性が予め設定された状態で入力される場合がある。このような入力信号は、予め所定の周波数成分にピーク成分を有する場合があると考えられる。そのため、この入力信号に対して上述した等化処理を行うと、予め設定された特性をピーク成分として誤って検出してしまい、所定の特性を持たせた状態で信号を伝送することができなくなってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、入力信号に対して予め設定された特性を考慮した等化処理を行うことにより、予め設定された特性によるピーク成分の誤検出を防ぐ。
本実施の形態に係る回線等化装置の構成について、図6を参照しながら説明する。尚、図1に示す実施の形態による回線等化装置1と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
FFT解析部20は、入力信号a及び回線特性範囲データpに加え、入力信号aの周波数特性を補正するための周波数補正データrが入力され、回線特性範囲データpが示す周波数範囲について、入力信号aに対してFFT処理を施す。このとき、FFT解析部20は、周波数補正データrに基づき、入力信号aに対して予め設定された周波数特性を考慮してFFT処理を行い、周波数特性を解析する。そして、FFT解析部20は、解析により得られた周波数特性データbを出力する。
次に、本実施の形態に係る回線等化装置の動作について説明する。
FFT解析部20には、所定の周波数特性が予め設定された入力信号aと、使用する回線で伝送可能な周波数範囲を示す回線特性範囲データpと、入力信号aの周波数特性を補正するための周波数補正データrとが入力される。
周波数補正データrは、入力信号aに対して予め設定された特性を打ち消すように周波数特性を補正するためのデータである。例えば、入力信号aの低域成分が予め増幅されている場合、周波数補正データrは、低域成分を減衰させるように補正するデータとなる。また、例えば、入力信号aの高域成分が予め減衰されている場合、周波数補正データrは、高域成分を増幅させるように補正するデータとなる。
FFT解析部20は、回線特性範囲データpが示す周波数範囲について、入力信号aに対してFFT処理を施した後、周波数補正データrを用いて補正した周波数特性データbを生成する。こうすることにより、以降の処理においては、入力信号aに対して予め設定された特性を考慮する必要がなくなるため、設定された特性によるピーク成分を誤って検出することなく、通常と同様の処理を行うことができる。
このように、本発明に係る他の実施形態によれば、入力信号に対して予め設定された特性を補正するための周波数補正データを用いてFFT処理を行うようにしているため、ピーク成分の誤検出を防ぐことができる。
以上、本発明の一実施の形態及び他の実施形態について説明したが、本発明は、上述した本発明の一実施の形態及び他の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
1 回線等化装置
10(101、102、・・・、10n-1) イコライザ解析ブロック
11、20 FFT解析部
12 ピーク値判断部
13 擬似ピーク値生成部
14 ピーク値検出部
15 イコライザ解析部
16(161、162、・・・、16n) イコライザ
17(171、172、・・・、17n-1) 周波数差分演算部
18(181、182、・・・、18n-1) ピーク値検出部
19(191、192、・・・、19n-1) イコライザ解析部

Claims (9)

  1. 伝送回線の周波数特性を補正する回線等化装置であって、
    入力信号に対してFFT処理を行い、所定の周波数範囲で周波数特性を解析するFFT解析部と、
    前記周波数特性から前記周波数範囲内の最大のピークとなる第1のピーク成分を検出する第1のピーク値検出部と、
    前記第1のピーク成分を解析し、該第1のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第1のイコライザ特性を設定するための第1のパラメータを取得するとともに、該第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性の周波数特性を生成する第1の解析部と、
    前記第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性を設定し、前記入力信号に対して前記第1のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行う第1のイコライザと、
    前記FFT解析部により得られる周波数特性と、前記第1のイコライザ特性の周波数特性との差分により周波数特性差分データを生成する周波数差分演算部と、
    前記周波数特性差分データから前記周波数範囲内の最大のピークとなる第2のピーク成分を検出する第2のピーク値検出部と、
    前記第2のピーク成分を解析し、該第2のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第2のイコライザ特性を設定するための第2のパラメータを取得する第2の解析部と、
    前記第2のパラメータに基づき前記第2のイコライザ特性を設定し、前記第1のイコライザから出力される信号に対して前記第2のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行う第2のイコライザと
    を備えることを特徴とする回線等化装置。
  2. 前記周波数特性におけるピーク成分の有無を判断するピーク値判断部と、
    前記ピーク値判断部による判断の結果、前記周波数特性にピーク成分が存在しないと判断した場合に、前記周波数特性に基づき擬似的なピーク成分を有する擬似ピークデータを生成する擬似ピーク値生成部と
    をさらに備え、
    前記擬似ピーク値生成部は、
    前記入力信号に含まれる周波数成分の最大周波数において、前記周波数特性を折り返すことにより前記擬似ピークデータを生成し、
    前記第1のピーク値検出部は、
    前記ピーク値判断部により前記周波数特性にピーク成分が存在すると判断された場合に、前記周波数特性から前記第1のピーク成分を検出し、
    前記ピーク値判断部により前記周波数特性にピーク成分が存在しないと判断された場合に、前記擬似ピークデータから前記第1のピーク成分を検出することを特徴とする請求項1に記載の回線等化装置。
  3. 前記擬似ピーク値生成部は、
    前記折り返した周波数特性に内接する二次曲線を擬似ピークデータとすることを特徴とする請求項2に記載の回線等化装置。
  4. 前記第2のピーク値検出部は、
    前記ピーク成分に対する閾値を設定し、
    ゲイン量が前記閾値を超える成分をピーク成分として検出することを特徴とする請求項1に記載の回線等化装置。
  5. 前記閾値は、変更可能であることを特徴とする請求項4に記載の回線等化装置。
  6. 前記周波数差分演算部、前記第2のピーク値検出部及び前記第2の解析部からなる解析ブロックと、
    前記第2のイコライザと
    を複数備え、
    前記第2の解析部は、
    さらに、前記第2のパラメータに基づき前記第2のイコライザ特性の周波数特性を生成し、
    前記周波数差分演算部は、
    前段の周波数差分演算部で生成された周波数特性差分データと、前記第2のイコライザ特性の周波数特性との差分により周波数特性差分データを生成することを特徴とする請求項1に記載の回線等化装置。
  7. 前記FFT解析部は、前記解析を繰り返し行い、解析結果を積算又は平均化することを特徴とする請求項1に記載の回線等化装置。
  8. 前記FFT解析部は、前記入力信号の周波数特性を補正する周波数補正データに基づきFFT処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の回線等化装置。
  9. 伝送回線の周波数特性を補正する回線等化方法であって、
    入力信号に対してFFT処理を行い、所定の周波数範囲で周波数特性を解析し、
    前記周波数特性から前記周波数範囲内の最大のピークとなる第1のピーク成分を検出し、
    前記第1のピーク成分を解析し、該第1のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第1のイコライザ特性を設定するための第1のパラメータを取得するとともに、該第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性の周波数特性を生成し、
    前記第1のパラメータに基づき前記第1のイコライザ特性を設定し、前記入力信号に対して前記第1のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行い、
    前記解析により得られる周波数特性と、前記第1のイコライザ特性の周波数特性との差分により周波数特性差分データを生成し、
    前記周波数特性差分データから前記周波数範囲内の最大のピークとなる第2のピーク成分を検出し、
    前記第2のピーク成分を解析し、該第2のピーク成分の周波数、ゲイン量及び帯域幅を含む、第2のイコライザ特性を設定するための第2のパラメータを取得し、
    前記第2のパラメータに基づき前記第2のイコライザ特性を設定し、前記第1のイコライザから出力される信号に対して前記第2のパラメータの逆特性を生成するイコライザ処理を行うことを特徴とする回線等化方法。
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