JP5636876B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1〜3には、大気圧環境にて活性化ガスを生成するためのプラズマを発生させるための装置が開示されている。
例えば、特許文献1及び2は、いわゆるストリップライン型のプラズマ発生装置であり、対向配置された導体間に設けられた微小隙間にマイクロ波を供給し、これによって微小隙間において放電を生じさせてプラズマを発生させている。
ところが、ストリップライン型のプラズマ発生装置をアレイ化した場合には、隣り合うストリップライン型のプラズマ発生装置の筐体(導体)同士が近接することから、マイクロ波の伝播に影響が生じ、良好なプラズマが発生しない恐れもある。
導体の体積増加によって導体の熱容量が増大するため、本発明によれば、放電隙間においてプラズマが発生した場合であっても、当該プラズマに起因する熱を外部に放熱しやすくなり、プラズマに起因した熱的損傷を受け難くなる。
また、本発明によれば、内部導体と外部導体との間に供給される対象ガスの全ては、放電隙間を通過することになるため、全ての対象ガスがプラズマを通過することとなる。したがって、一部の対象ガスがプラズマを通過する場合と比較して、活性種を効率的に生成することができ、活性化ガスの生成効率が向上する。
図1は、本実施形態のプラズマ発生装置の概略構成図であり、(a)が側断面図、(b)が(a)のA−A線断面図である。
本実施形態のプラズマ発生装置S1は、供給されるマイクロ波を用いて大気圧環境においてプラズマを発生するものである。そして、本実施形態のプラズマ発生装置S1にて発生されたプラズマによって対象ガスを活性化されて活性化ガスが生成される。
この連結部1aは、図1(a)に示すように、一端側には内部導体1b及び外部導体1cが連結されており、他端側には同軸導波管1にマイクロ波を給電(供給)する同軸ケーブルCが連結されている。
これによって、電源装置及び同軸ケーブルCとして汎用品を用いることができるため、本実施形態のプラズマ発生装置S1の周辺機器のコストを低減し、本実施形態のプラズマ発生装置S1を使用しやすいものとなる。
このため、本実施形態のプラズマ発生装置S1においては、同軸導波管1のインピーダンスが同軸ケーブルCと同様に50Ωとなるように、同軸導波管1の内部導体1bの外径と外部導体1cの内径との比が設定されている。
つまり、内部導体1b及び外部導体1cは、拡径される際にも、同軸導波管1の内部導体1bの外径と外部導体1cの内径との比が一定となるように(すなわちインピーダンス50Ωを保つように)拡径角度が設定されている。
なお、対象ガスGは、プラズマ生成用ガスとしても用いられる。このような対象ガスGとしては、例えば、アルゴン(Ar)ガスあるいは酸素(O2)ガスが用いられる。
つまり、本実施形態のプラズマ発生装置S1では、内部導体1bと外部導体1cとに挟まれた空間が、本発明における導波空間、並びに、プラズマ発生用ガス及び対象ガスの流路空間とされている。
この中間円板2は、電流が流れる金属材料(例えばアルミニウム)によって形成されており、外部導体1cの開放端を閉鎖するように、外部導体1c及び内部導体1bに接続されて固定されている。
なお、この放電隙間10によって中間円板2は、中央部2aと外周部2bとに二分されている。そして、中央部2aが内部導体1bに接続され、外周部2bが外部導体1cに接続されている。
より詳細に説明すると、マイクロ波が放電隙間10に到達すると、中間円板2の中央部2aと外周部2bとの間に電位差が生じ、中間円板2と外周部2bとが近接していることから放電隙間10における電界強度が局所的に増大して放電に至る。
これらの誘電体20は、中間円板2の中央部2aと外周部2bとの間の電位差によって沿面放電を引き起こし、これによって放電隙間10において放電される電界強度の低下を図るためのものである。
この誘電体20は、例えば、フェノール樹脂から形成することができる。
この同軸共鳴器3は、円柱状の内部導体3aと、当該内部導体3aと同心円状に配置される外部導体3bとを備えている。
この同軸調整用ネジ4は、同軸共鳴器3の外部導体3bに螺合されると共に、その先端が外部導体3bを貫通して内部導体3aに当接している。
また、同軸共鳴器3の内部導体3aと同軸導波管1の内部導体1bとが一体的に接続され、同軸共鳴器3の外部導体3bと同軸導波管1の外部導体1cとが一体的に接続されているため、上述のように同軸共鳴器3の内部導体3aと外部導体3bとの相対位置関係が調節されることによって、同軸導波管1の内部導体1bと外部導体1cとの相対位置関係が調節される。
なお、当該スペーサ5は、共鳴空間の長さがマイクロ波を共鳴させる条件に合うように用いられるものであり、同軸共鳴器3そのものがマイクロ波を共鳴可能な場合には使用しない。
そして、共鳴空間の長さを微調整可能なように様々な厚みのスペーサ5が容易されており、当該スペーサ5は、不図示の締結具によって同軸共鳴器3の外部導体3bに固定される。
しかしながら、本実施形態のプラズマ発生装置S1においては、加工誤差や共鳴空間に同軸調節用ネジ4が配置されていることに起因して、マイクロ波が共鳴しない場合がある。
このような場合に、スペーサ5を用いることによって、共鳴空間の長さを調節することで、同軸共鳴器3において確実にマイクロ波を共鳴させることができる。
この結果、同軸導波管1から同軸共鳴器3にマイクロ波が抜けやすくなり、放電隙間10においてマイクロ波を通過させやすくすることができる。
このノズル6は、開口径が同軸導波管1の導波空間及び同軸共鳴器3の導波空間を導波されるマイクロ波を反射する大きさに設定されている。
そして、プラズマが発生した状態で対象ガスGが放電隙間10を通過することによって、放電隙間10を通過する対象ガスGが活性化されて活性化ガスとなる。
この活性化ガスは、同軸共鳴器3の内部を抜けてノズル6を介して本実施形態のプラズマ発生装置S1の外部に放出される。
導体の体積増加によって導体の熱容量が増大するため、本実施形態のプラズマ発生装置S1によれば、放電隙間10においてプラズマが発生した場合であっても、当該プラズマに起因する熱を外部に放熱しやすくなり、プラズマに起因した熱的損傷を受け難くなる。
また、本実施形態のプラズマ発生装置S1によれば、同軸導波管1の内部導体1bと外部導体1cとの間に供給される対象ガスGの全ては、放電隙間10を通過することになるため、全ての対象ガスGがプラズマを通過することとなる。したがって、一部の対象ガスがプラズマを通過する場合と比較して、活性種を効率的に生成することができ、活性化ガスの生成効率が向上する。
このため、共通軸Lを中心として、その周方向に均等に活性化ガスを生成することができる。ノズル6の開口から放出される活性化ガスの流量分布を均一化することが可能となる。
このため、誘電体20による沿面放電によって、放電隙間10にて放電が生じる電界強度を低下させることができる。よって、本実施形態のプラズマ発生装置S1の省電力化を図ることができる。
このため、プラズマが発生する領域の導体の体積をより増やすことができ、プラズマに起因した熱的損傷をより受け難くなる。
このため、マイクロ波が同軸導波管1と同軸ケーブルCとの境界で反射することを抑止し、電力損失を低減することが可能となる。
中間円板2においては、放電隙間10が狭く、インピーダンスが同軸導波管1よりも高くなり、これによってマイクロ波が反射しやすくなる。これに対して、同軸共鳴器3を設置することによって中間円板2と同軸共鳴器3を含む合成インピーダンスが低下し、マイクロ波が中間円板2に形成された放電隙間10を通過しやすくなる。このため、放電隙間10における電界強度を確実に増大させ、安定してプラズマを発生させることが可能となる。
このため、確実に同軸共鳴器3においてマイクロ波を共鳴させることが可能となり、確実にマイクロ波が中間円板2の放電隙間10を通過することとなる。
このため、よりマイクロ波が中間円板2の放電隙間10を通過しやすくなる。
このため、活性化された対象ガスを放出しつつ、マイクロ波がプラズマ発生装置S1の外部に漏出することを防止することができる。
なお、本実施形態のプラズマ発生装置S1では、ノズル6をマイクロ波が通過できない円形導波管から構成することで、マイクロ波を同軸共鳴器3に戻し、これによってマイクロ波を共鳴させている。つまり、ノズル6は、マイクロ波に対する同軸共鳴器3の閉鎖端として機能している。
このように、本実施形態のプラズマ発生装置S1においては、ノズル6がマイクロ波に対する同軸共鳴器3の閉鎖端として機能しているため、別途同軸共鳴器3の閉鎖端を設けていない。
すなわち、本実施形態のプラズマ発生装置S1によれば、ノズル6を設置することによって、同軸共鳴器3のマイクロ波に対する閉鎖端を省略することが可能となっている。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
また、同軸導波管1Aの共通軸Lに対して屈曲した部位の管径は、共通軸Lに沿う部位の管径よりも小さく設定されており、本実施形態のプラズマ発生装置S2においても、同軸導波管1Aは、インピーダンスを保って中間円板2に向けて拡径されている。
このため、図2に示すように、管径の大きな部位に共通軸L方向から直接冷却液を供給することができ、冷却液流路30の確保が容易となる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、マイクロ波以外の電波を用いてプラズマを発生させても良い。これに伴い、例えば、プラズマ発生装置の内部を負圧環境としても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ガス導入管Kから冷却ガス等の対象ガスとは異なるガスを、対象ガスと一緒に供給するようにしても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、同軸導波管1,1A、中間円板2、同軸共鳴器3、ノズル6の断面形状が他の形状であっても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、同軸共鳴器3を省略する構成を採用することもできる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、マイクロ波の電圧を増大させることにより、誘電体20を設けることなくプラズマを発生させることも可能である。
Claims (7)
- 対象ガスを活性化させるプラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、
内部導体及び当該内部導体を囲う筒状の外部導体を有し、前記内部導体と前記外部導体との間を導波空間並びにプラズマ発生用ガス及び前記対象ガスの流路空間とする同軸導波管と、
前記外部導体の開放端を閉鎖する閉鎖部材と、
前記閉鎖部材を貫通して設けられると共に前記導波空間にて導波される電波が供給されることにより放電が生じる放電隙間と、
前記同軸導波管と反対側から前記放電隙間と接続され、前記放電隙間に供給される電波の周波数を共鳴周波数とする共鳴器と、
前記共鳴器の共鳴空間の長さを調節することにより前記共鳴周波数を調節するスペーサと
を備える
ことを特徴とするプラズマ発生装置。 - 前記放電隙間は、前記外部導体と同心円とされた環状形状を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生装置。
- 前記放電隙間に配置される誘電体を備えることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ発生装置。
- 前記同軸導波管は、前記閉鎖部材に向けて拡径されていることを特徴とする請求項1〜
3いずれかに記載のプラズマ発生装置。 - 前記同軸導波管のインピーダンスは、当該同軸導波管に前記電波を供給するケーブルのインピーダンスと同一に設定されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のプラズマ発生装置。
- 前記共鳴器のインピーダンスは、前記同軸導波管のインピーダンスと同一に設定されていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のプラズマ発生装置。
- 前記対象ガスの放出端に設けられ、開口径が前記導波空間にて導波される電波を反射する大きさに設定されたノズルを備えることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のプラズマ発生装置。
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