JP5634648B1 - 無接触でビーム半径を決定する方法及びシステム - Google Patents

無接触でビーム半径を決定する方法及びシステム Download PDF

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Abstract

本発明は放射線ビーム(20)の半径r0を測定する方法に関する。当該方法は、以下の段階を有することを特徴とする。放射線ビーム(20)の線源(2)が、ある周波数(f)で周期的に熱によって標準部材を励起することで、前記標準部材の周期的熱励起が実現される段階。センサ(3)が、前記周期的熱励起に応じる前記標準部材の一部の周期的熱応答を測定する段階。プロセッサ(4)が、前記周期的な熱的励起と前記周期的熱応答との間での位相シフト(φ)を決定する段階。前記線源(2)が複数の周波数(f)で前記標準部材を励起し、前記プロセッサ(4)が各周波数(f)についての位相シフトを決定することで、複数の位相シフト(φ)が決定される。前記プロセッサ(4)は、このようにして決定された前記複数の位相シフト(φ)のおかげで前記位相シフト(φ)の最小値φminを決定し、かつ、式r0=Δ/g(φmin)によって前記ビーム(20)の半径r0を決定する。ここで、Δは前記標準部材の厚さで、かつ、gは熱放射線ビーム(20)の種類に依存する関数である。

Description

本発明は、放射線ビームの半径を測定する方法に関する。
本発明はまた、当該方法を実行するシステムにも関する。
たとえば出力測定システムに係るカメラ又は機械システムを用いて放射線ビームの半径(ひいては直径)を測定する方法は既知である。
しかしこれらの方法は、高価な光学材料を必要とし、かつ/又は、概して実行するのに時間がかかる。さらにカメラのセンサはたとえば、数mmのオーダーのかなり小さな直径を有するので、大きなサイズのビームの測定を実行できない。
本発明はこれらの問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
この目的のため、本発明による放射線ビームの半径r0を測定する方法が提案される。当該方法は、以下の段階を有することを特徴とする。
− 放射線ビームの線源が、ある周波数で周期的に熱によって標準部材を励起することで、前記標準部材の周期的熱励起が実現される段階。
− センサが、前記周期的熱励起に応じる前記標準部材の一部の周期的熱応答を測定する段階。
− プロセッサが、前記周期的な熱的励起と前記周期的熱応答との間での位相シフトを決定する段階。
前記線源が複数の周波数で前記標準部材を励起し、前記プロセッサが各周波数についての位相シフトを決定することで、複数の位相シフトが決定される。前記プロセッサは、このようにして決定された前記複数の位相シフトによって前記位相シフト(φ)の最小値φminを決定し、かつ、式r0=Δ/g(φmin)によって前記ビーム(20)の半径r0を決定する。ここで、Δは前記標準部材の厚さで、かつ、gは熱放射線ビーム(20)の種類に依存する関数である。
本発明は、以下の特性を単独で又は考えられる組み合わせで用いることによって有利となるように完成される。
− 前記関数gは多項式であり、前記多項式の係数は熱放射線ビームの種類に依存する。
− 前記プロセッサは、式r0=(100・Δ)/(0.227・φmin 3+57.856・φmin 2+5688.2・φmin+208620)によって前記ビームの半径r0(単位mm)を決定する。ここでΔは前記標準部材の厚さである(単位μm)。
− 前記熱放射線ビームが均一なビームであるとき、前記プロセッサは、次式によって前記ビームの半径r0を決定する。
1.68<r0/Δ<10の場合、r0=Δ/(0.0032φmin 3+0.7405φmin 2+64.894φmin+2163.3)
1.68<r0/Δ<20の場合、r0=Δ/(6×10-5φmin +0.0196φmin 3+2.2587φmin 2+125.58φmin+3046)
1.68<r0/Δ<100の場合、r0=Δ/(2×10-6φmin 5+0.0007φmin +0.0947φmin 3+6.8299φmin 2+261.57φmin+4627.7)
ここでΔは前記標準部材の厚さである(単位μm)。
− 前記線源は、前記標準部材を正弦的周期で励起する。
− 1.5・Δ≦r0≦20・Δの関係が成立する。
本発明はまた当該方法を実行するシステムにも関する。
本発明は多くの利点を有する。
本発明は、安価な装置によって単純かつ迅速に前記放射線ビームの半径の測定(ひいては前記ビームの直径の決定)を行うことを可能にする。
本発明は、前記標準部材の厚さが正確にわかっていることしか要求しない。前記標準部材の熱伝導率、熱容量、又は密度を知る必要はない。
前記標準部材は、任意の形状−たとえば管又は平板−でかつ任意の均一な材料で構成されて良いので、如何なる特別な電気及び/若しくは磁気特性、光透過率、又は、音響インピーダンス特性を有することを必要としない。
前記測定の条件の1つは、前記標準部材が流体中に存在する、又は、前記標準部材が熱伝導率の低い基板上に設けられる、すなわちより具体的には前記標準部材よりもはるかに低い熱浸透率を有する透明媒体(たとえば空気)によって取り囲まれることである(熱拡散率とは、ある物体又は媒質が熱エネルギーの供給を受けるときに、その物体又は媒質が温度を変化させる能力の考慮を考慮する量で、W.s0.5/m2.Kの単位で表される)。しかしこの条件は本発明を限定するものではない。
ビームの半径を測定するために本発明による方法を実行することが可能なシステムを概略的に表している。 本発明によるビームの半径を測定する方法の主な段階を概略的に示している。 周期的熱励起を受ける標準部材の表面温度曲線を表している。 厚さ300μmのシートにビームサイズr0=3mmのビームを用いた場合の位相シフトの最小値及び感度係数に対する熱拡散率の影響を表している。(a)拡散率が0.1[×10-5m2/s]に等しい場合、(b)拡散率が1[×10-5m2/s]に等しい場合、及び(c)拡散率が10[×10-5m2/s]に等しい場合である。 厚さ600μmのシートにビームサイズr0=3mmのビームを用いた場合の位相シフトの最小値及び感度係数に対するレーザービームのエネルギーの空間分布の影響を表している。 熱ビームの半径の各異なる値での位相シフトの最小値と標準部材の厚さとの関係を示すグラフである。 厚さが300μmで熱拡散率が10-5m2/sのシートについて位相シフトの最小値と感度係数に対する比r0/Δの影響を表す。(a)比r0/Δが1に等しい場合、(b)比r0/Δが1.5に等しい場合、(c)比r0/Δが2に等しい場合、(d)比r0/Δが5に等しい場合、(e)比r0/Δが20に等しい場合、(f)比r0/Δが100に等しい場合である。 熱ビームにおけるエネルギーのガウス分布を表している。 ステンレス鋼の標準部材での励起周波数に対する熱応答の位相シフト測定を示している。 チタンの標準部材での励起周波数に対する熱応答の位相シフト測定を示している。 タングステンの標準部材での励起周波数に対する熱応答の位相シフト測定を示している。
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以降の説明から明らかになる。以降の説明は、非限定的で純粋な例示であり、添付図面を参照しながら読まれるべきである。
図中、同様の素子は同一の参照番号を有する。
図1は、厚さΔが正確にわかっている標準部材1によってビーム20の半径r0を測定する方法を実行することが可能な本発明によるシステムを概略的に表している。当該方法の主な段階は図2において概略的に示されている。
標準部材1は、任意の形状−たとえば管又は平板−でかつ任意の均一な材料(つまり非複合材料)で構成されて良い。材料は、如何なる特別な電気及び/若しくは磁気伝導率、光透過率、又は、音響インピーダンス特性を有する必要はない(これにもかかわらず、材料は励起波長で吸収性を示さなければならないことに留意して欲しい)。材料はたとえば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、タングステン、又はこれらの合金、又は炭素であって良いが、これらに限定されない。
標準部材1は流体中に存在して良いし、又は、熱伝導率の低い基板上に設けられる、すなわちより具体的にはその層よりもはるかに低い熱浸透率を有する透明媒体(たとえば空気)によって取り囲まれても良い。標準部材1と熱伝導率の低い媒質との間での熱浸透率の比は1000のオーダーである。
当該システムは主として、
− 半径r0が決定される放射線ビーム20の線源2(ビーム20は標準部材1を加熱できなければならないので、標準部材は使用されるビーム20の波長に対して不透明でなければならない)、
− 熱励起に応じた標準部材からの熱応答用のセンサ3、及び、
− プロセッサ4
を有する。
線源2は放射線ビーム20の任意の線源であって良い。しかし放射線ビーム20の半径r0の測定を可能にするため、ビーム20は標準部材1を加熱できなければならない。非限定的な例として、線源2はレーザーダイオードのレーザーであって良い。
ビーム20内におけるエネルギーE(r)の分布はたとえば以下のようなものであって良い。
− 環状すなわち、E(r)=(1-r/2r0)2・(1+r/2r0)2、0<r<2r0、ここでr0はビーム20の半径である。
− ガウス関数状すなわち、E(r)=exp[-(r/r0)2]、又は、
− 均一すなわち、E(r)=1、0<r<r0
これは、本説明を読み進めることでより詳細にわかるように、線源2は、標準部材を周期的−たとえば正弦的−に励起するために変調される。たとえば線源2が連続的である場合、変調は線源外部のシステムによって発生されて良い。
励起に応じて、標準部材1は熱応答を有する。センサ3は熱応答の測定に適している。センサ3の感度ピークは、測定が実行される温度に依存する。
よって標準部材1の熱応答は以下であって良いが、以下に限定されない。
− 標準部材1の熱膨張、
− 標準部材1の表面の反射率の変化、つまり入射エネルギーに対する反射エネルギーの比で一般的にはデシベル又はパーセントで表される。
− 標準部材の放射率の変化、つまり標準部材が放射するエネルギーと黒体が同一温度で放射するエネルギーとの間での比で0〜1の値をとる。
− 輝度の変化、つまり所与の表面(m2)に対して計算された光強度で一般的には平方メートルあたりのカンデラ(cd/m2)で表される。
− 他
非限定的例として、標準部材の熱膨張及び/又は標準部材の表面の反射率及び/又は標準部材の輝度の変化を測定するため、センサは光学又は音響センサであって良い。
非限定的例である図1の例は、標準部材1の輝度の変化を特徴として有する熱応答を測定する光学センサ3を記載している。よってセンサ3は、2〜11μm(中赤外)での感度を有するHgCdZnTeセンサである。その理由は、測定は20℃〜数百℃(典型的には200℃)の範囲の温度で実行されるからである。図1では、センサ3は、スペクトル帯域幅が3〜11μmで応答時間が7秒のVIGOブランドのセンサである。
プロセッサ4は従来、本発明による方法を実行するすべてのメモリ記憶装置、処理手段、及び計算手段を含む。プロセッサ4は特に、以降で詳述するように位相シフトを測定する当業者に既知の同期検出増幅装置を含んで良い。同期検出増幅装置以外の計算手段も当然のこととして可能である。
標準部材1の熱励起と該熱励起に対する標準部材の熱応答との間での位相シフトを測定することを可能にするため、プロセッサ4は、一方でセンサ3と接続し、かつ、他方で補助センサ5と接続する。それにより標準部材1の励起が直接的に観測される。センサ5は有利となるようにシリコンフォトダイオードである。補助センサ5によって標準部材1の励起を直接的に観測することによって、厚さを計算する際に線源2に起因する寄生位相シフトを考慮する必要がなくなる。上述の寄生位相シフトはたとえば以下に起因することが考えられる。
− 線源2の発生装置21の電気信号と線源2のレーザー22によるビーム20の放出との間での位相シフト、
− 線源のレーザー22によるビーム20の放出と標準部材1の実際の励起との間での位相シフト、
− 他
プロセッサ4は線源にも接続するが、線源2に起因する位相シフトが厚さを測定する際に考慮される場合には、補助センサには接続しなくて良いことに留意して欲しい。ビーム20の半径r0を測定することが可能な方法によると、段階S1の間、標準部材1の周期的熱励起を実現するため、線源2は標準部材1をビーム20による加熱によって周期的に励起する。
図3の曲線C1によって示されているように、周期的励起はたとえば正弦的に実行される。しかし周期的励起は、たとえば周期的方形波励起又は他の励起であって良い。たとえば励起周波数fが1秒の場合での図3の曲線C1がプロットされる。
これは図3の曲線C2でわかるように、センサ3は、周期的熱励起に応じた標準部材1の周期的熱応答を測定する。熱応答とはたとえばここでは、標準部材1の温度変化に起因する標準部材の輝度の変化である。
段階S3の間では、プロセッサ4は、周期的熱励起と周期的熱応答との間での位相シフト−つまりたとえば曲線C1の上部と曲線C2の対応する上部との間のギャップ−を実験的に決定する。
線源2は、複数の周波数fで標準部材1を励起する(複数の周波数fとは典型的には約15の周波数で、周波数は標準部材1に依存してたとえば1Hz〜10kHzである)。プロセッサ4は各励起周波数fでの位相シフトを決定する。それにより複数の位相シフトφが決定される。
段階S4の間、プロセッサ4は、決定された複数の位相シフトによって位相シフトφの最小値φminを決定する。最小値φminを得るために用いられる、プロセッサ4によって決定される複数の位相シフトからのφmin補間方法−たとえば多項式補間又は他の方法−は、当業者には既知である。
φminの決定は、半径r0の決定にとって重要である。
本願発明者等は全く思いがけず、図4に図示されているように、φminの値が、標準部材の熱特性の変化に独立で、かつ、以降で説明するように半径r0の決定を可能にすることを実際に発見した。
予備段階
図4は、当業者に既知である式(E1)によって位相曲線φ(f)を表す。
Figure 0005634648
ここで、
Figure 0005634648
Figure 0005634648
である。
式中、ξは独立変数で、cは質量熱容量[J/kg・K]で、ρは密度[kg/m3]で、kは熱伝導率[W/m・K]で、Rは標準部材と媒体との間でのとり得る熱抵抗[m2K・W-1]で、αは励起波長での標準部材の吸収係数[m-1]で、指数cとsはそれぞれ標準部材と媒体に対応する。
どのようにして各パラメータが図4の位相曲線φ(f)(ひいてはこの曲線からこれらのパラメータを抽出する可能性)に影響を及ぼすのかをより良く理解するため、標準部材1の熱物理パラメータの各々について感度の数値解析が行われる。
還元された感度係数Xが定義され、かつ、以下のモデル化によって得られる。
Xφ,χ=χ(∂φ/∂χ)
各感度係数Xは、どのようにして位相が、パラメータχの所与の相対変化について修正されるのかを示している。位相φがその変化に敏感な場合にはパラメータχを特定することによってのみ可能であることが実際にわかる。
以下のχパラメータについての感度係数Xも図4にプロットされる。
− 標準部材1の厚さΔ、
− 熱放射線ビーム20の半径r0、
− 標準部材1の熱伝導率kc、及び、
− 標準部材1の熱容量ccρc
よって図4の曲線が、たとえば標準部材の熱拡散率−つまり標準部材が一の地点から他の地点へ伝熱によって熱を伝える能力を評価する物理量−の様々な数値によってプロットされた。熱拡散率は、バルクの熱容量に対する熱伝導率の比に等しく、単位m2/sで表され、かつ、一般的にはaと表記される。図4では、熱拡散率は、0.1×10-5m2/s(図4(a))、1×10-5m2/s(図4(b))、及び10×10-5m2/s(図4(c))と仮定する。
図4では、熱拡散率として現れる標準部材1の熱的特性の変化は特に、拡散率が増大するときには位相シフト曲線φをより高い周波数領域へ並進させるが、位相シフトの最小値φminは常に熱拡散率に対して独立で、かつ、常に同一の値を有することがわかる。
φminを与える励起周波数の値では、感度係数Xφ,kc及びXφ,ccρcはゼロになる、つまりこの周波数では、位相は標準部材1の熱伝導率kcにも標準部材1のピーク容量ccρcにも依存しないことがわかる。他方、励起周波数のこの値では、φminは標準部材1の厚さΔと熱放射線ビーム20の半径r0に依存する(対応する感度がゼロではなく、かつ、実際には相関するためである。このことは、φminの値は比Δ/r0に依存することを意味する)。図5に図示されているように、最小値φminを与える励起周波数とその絶対値は特に、(環状、ガウス関数状、又は均一なビーム内でのエネルギー分布についての)ビーム形状に従って変化するが、拡散率に対しては独立したままである(なぜなら対応する感度Xφ,kc及びXφ,ccρcがゼロではないからである)。
換言すると、厚さΔが既知であるため、ビーム20の半径r0の値をφminから決定することが可能である。これは、標準部材1の熱伝導率kcもその熱容量ccρcを知らなくても可能である。
現在、位相シフト最小値φmin及び/又は厚さΔの関数としてビーム20の半径r0の値を直接与える解析式は存在しない。
従って当該方法の予備段階中に、図4による複数の曲線が、各異なる厚さ及び半径r0の数値についての(E1)による数値計算からプロットされる。
得られた複数のφminの数値から図6の曲線がプロットされる。たとえばガウス関数状熱ビーム20の3つの半径r0の数値−つまり10mm、1mm、及び100μm−についてそれぞれ得られる数値φminに従って厚さΔの値が得られる(ここでビームの空間分布が異なれば曲線も異なるということを思い出して欲しい)。
数値的に得られた図6の曲線は、各異なるr0の値で平行であることがわかる。このことから、位相φminは比Δ/r0に依存することが推定される。
図6の曲線は数値的に得られる。しかし上述の予備段階中でも、図6の点線で示されているように数値的に得られた前記曲線のうちの一を近似する解析関数gを発見することが可能である(図6は、10mmに等しいr0についてプロットされた曲線を近似する次数3の多項式近似の例である)。
それにより近似関数g(φmin)が、図6の数値曲線のうちの一からΔ/r0= g(φmin)となるように決定される。ここでgは、熱放射線ビーム20の種類に依存する関数である。
関数gは、図6の曲線のうちの一からの解析的近似であると仮定して良い。
限定ではないが、関数gは多項式で(図6参照)、多項式の係数は熱放射線ビーム20の種類に依存することが好ましい。多項式の次数は任意の次数−たとえば5,4又は3−であって良い(比r0/Δが大きくなればなるほど、良好な精度を得るために高次の多項式を用いることが必要となる)。
よってこの近似はたとえば、式Δ/r0=α・φmin 3+β・φmin 2+γ・φmin+δによってなされて良い。ここで4つの変数の組(α,β,γ,δ)は、熱放射線ビームの種類に依存する。Δはμmの単位で表される。r0はmmの単位で表される。
たとえば熱放射線ビーム20が図6に図示されているようにガウス関数型であるとき、gは次式で与えられる。
Δ/r0=(0.227φmin 3+57.856φmin 2+5688.2φmin+208620)/100
他の例によると、熱放射線ビームが均一型であるとき、
1.68<r0/Δ<10の場合、Δ/r0=0.0032φmin 3+0.7405φmin 2+64.894φmin+2163.3
1.68<r0/Δ<20の場合、Δ/r0=6×10-5φmin +0.0196φmin 3+2.2587φmin 2+125.58φmin+3046
1.68<r0/Δ<100の場合、Δ/r0=2×10-6φmin 5+0.0007φmin +0.0947φmin 3+6.8299φmin 2+261.57φmin+4627.7
である。
図6の曲線のうちの一からの近似関数gの決定は、当該方法を実行する前の段階中に実行されるが、従来技術のような標準部材に対する校正段階には対応しない。
特に図4の曲線は、関係式(E1)から数値的に得られる。φminの数値を取得する図6の曲線は、図からわかるように、標準部材1の材料特性に独立する。
図4の曲線と図6の曲線の生成及び補間によるgの決定は、従来の処理手段及び計算手段−たとえばプロセッサ4とは限らない−によって実行されて良い。
gを決定する上述の予備段階の後、本発明による方法の例についての一連の記載に戻る。
一旦当該方法が、標準部材1での複数の位相シフトφによって段階S4の間に最小値φminを決定すると、プロセッサ4は、段階S5の間に、式r0=Δ/g(φmin)によってr0を決定して良い。
先述の例では、熱放射線ビーム20がガウス関数型であるとき、プロセッサ4は、段階S5中に、式r0=(100・Δ)/(0.227・φmin 3+57.856・φmin 2+5688.2・φmin+208620)によって半径r0(単位mm)を決定する。ここでΔは標準部材1の厚さ(単位μm)である。
また熱放射線ビームが均一型であるとき、プロセッサ4は、次式によって半径r0(単位mm)を決定する。
1.68<r0/Δ<10の場合、r0=Δ/(0.0032φmin 3+0.7405φmin 2+64.894φmin+2163.3)
1.68<r0/Δ<20の場合、r0=Δ/(6×10-5φmin +0.0196φmin 3+2.2587φmin 2+125.58φmin+3046)
1.68<r0/Δ<100の場合、r0=Δ/(2×10-6φmin 5+0.0007φmin +0.0947φmin 3+6.8299φmin 2+261.57φmin+4627.7)
ここでΔは前記標準部材の厚さである(単位μm)。
図7は、各異なるr0/Δの比について、熱拡散率がa=10-5m2/sで厚さΔが300μmの標準部材1の位相シフトシミュレーションの結果を示している。
図7では、上述の比が1に等しい場合(図7(a))、感度係数Xφ,kc及びXφ,ccρcには最小値が存在しない。拡散率に独立する極値の発生は、比r0/Δが1.5付近(図7(b))になってから始まっている。比r0/Δの値が増大し続けるとき、層の厚さに対する最小値の感度は失われる。半径r0が厚さΔの100倍よりも大きくなるとき(図7(f))、最小値の抽出はほぼ不可能になる。従って、

1.5・Δ≦r0≦20・Δ

という関係が存在する。
図9に図示されているように、以下についての測定が行われた。
− 厚さが100〜400μmのステンレス鋼シートの形態を有する標準部材(図9A)
− 厚さが1.3mmに等しい(r0=2.07mm)チタン板の形態を有する標準部材(図9B)
− 厚さが1mmに等しい(r0=2.07mm)タングステン板の形態を有する標準部材(図9C)
励起周波数の大きすぎる領域は、当然のことだが考慮されてはならない。
図9の場合、半径r0の測定で得られた精度は2%〜10%の範囲である。値は概ね約5%を含む。

Claims (9)

  1. 放射線ビームの半径r0を測定する方法であって:
    放射線ビームの線源が、ある周波数で周期的に熱によって標準部材を励起することで、前記標準部材の周期的熱励起が実現される段階;
    センサが、前記周期的熱励起に応じる前記標準部材からの周期的熱応答を測定する段階;
    プロセッサが、前記周期的な熱的励起と前記周期的熱応答との間での位相シフトを決定する段階;
    を有し、
    前記線源が複数の周波数で前記標準部材を励起し、前記プロセッサが各周波数についての位相シフトを決定することで、複数の位相シフトが決定され、
    前記プロセッサは、前記の決定された前記複数の位相シフトによって前記位相シフト(φ)の最小値φminを決定し、かつ、式r0=Δ/g(φmin)によって前記ビームの半径r0を決定し、Δは前記標準部材の厚さで、かつ、gは熱放射線ビームの種類に依存する関数である、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記関数gが多項式であり、前記多項式の係数は熱放射線ビームの種類に依存する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱放射線ビームがガウス関数型であるとき、前記プロセッサは、式r0=(100・Δ)/(0.227・φmin 3+57.856・φmin 2+5688.2・φmin+208620)によって前記ビームの半径r0(単位mm)を決定し、ここでΔは前記標準部材の厚さである(単位μm)、請求項2に記載の方法。
  4. 前記熱放射線ビームが均一なビームであるとき、前記プロセッサは、
    1.68<r0/Δ<10の場合、r0=Δ/(0.0032φmin 3+0.7405φmin 2+64.894φmin+2163.3)
    1.68<r0/Δ<20の場合、r0=Δ/(6×10-5φmin +0.0196φmin 3+2.2587φmin 2+125.58φmin+3046)
    1.68<r0/Δ<100の場合、r0=Δ/(2×10-6φmin 5+0.0007φmin +0.0947φmin 3+6.8299φmin 2+261.57φmin+4627.7)
    によって前記ビームの半径r0を決定し、ここでΔは前記標準部材の厚さである(単位μm)、請求項1に記載の方法。
  5. 前記線源が前記標準部材を正弦的周期で励起する、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法。
  6. 1.5・Δ≦r0≦20・Δの関係が成立する、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の方法。
  7. 放射線ビームの半径r0を測定するシステムであって:
    周期的に熱によって標準部材を励起することで、前記標準部材の周期的熱励起を実現する放射線ビームの線源;
    前記周期的熱励起に応じる前記標準部材からの周期的熱応答を測定するセンサ;
    複数の周波数の各々について前記周期的な熱的励起と前記周期的熱応答との間での位相シフトを決定し、
    前記の決定された位相シフトの最小値φminを決定し、かつ、
    式r0=Δ/g(φmin)によって前記ビームの直径r0を決定する、
    プロセッサ;
    を有し、
    Δは前記標準部材の厚さで、かつ、gは熱放射線ビームの種類に依存する関数である、
    ことを特徴とするシステム。
  8. 前記線源がレーザー又はレーザーダイオードである、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記センサが光学又は音響センサである、請求項7又は8に記載のシステム。
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