JP5634548B2 - ステータの巻線方法、並びにインシュレータ、電動機のステータ、及び電動機 - Google Patents
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Description
しかしながら、巻線機のフォーマの鋭角方向(フォーマがワイヤを押圧する方向)と反対にフォーマの送りを行うと、ワイヤにテンションがかかりにくくなるため、ワイヤにたるみが発生してバタつき、巻線の整列性が悪化する、という問題点があった。
図1はこの発明の実施の形態1における逆曲げしたステータコアを示す図である。
図2はこの発明の実施の形態1におけるステータコアの要部拡大図である。
ステータコア1は、例えば全12個のティース(TEETH1〜12)を有する。各ティースには、インシュレータ2が装着される。なお、ティース数はこれに限るものではない。
また、ステータコア1には、ワイヤ4を巻き付け、渡り線を開始するためのターミナル7を有する。
また、第1〜第3ティース、及び第11ティースには渡り線を行うための端子3を有する。
そして、インシュレータ2が装着された各ティースに、ワイヤ4が巻回される。即ち、ワイヤ4がティースに直接巻回される集中巻線方式である。
なお、図1において、8はワイヤ4の巻き始めを示す。詳細は後述する。
このインシュレータ2は、ティースの形状に応じて、例えば断面略四角形状に形成される。
なお、インシュレータ2は、ステータコア1と一体に成形しても良い。
インシュレータ2は、ティース毎に設けられる。したがって、本実施の形態1では、12個のインシュレータ2を備える。
縦溝5は、ティースの軸方向に形成される。縦溝5にはワイヤ4が挿入され、ワイヤ4をティース軸方向に案内するものである。
なお、縦溝5は、本発明における溝に含まれる。
横溝6は、ワイヤ4の巻線の巻線方向(正回転又は逆回転)に応じて、ティースの周方向の一方側に形成するようにしても良い。図2においては、紙面右側に形成した場合を示す。
なお、これに限らず、横溝6は、ワイヤ4の巻線の巻線方向に両方に対応するよう、ティースの周方向の両方側に形成するようにしても良い。
横溝6の深さ及び幅は、ワイヤ4の外径以上である。
縦溝5及び横溝6の形状は角がR状の凹形状である。
なお、縦溝5及び横溝6の形状はこれに限らず、ワイヤ4が挿入できる形状であれば良い。
図3においては、インシュレータ2にワイヤ4が巻線された状態であって、ステータを正方向に曲げた状態を示している。
図3に示すように、1相目の巻線は、第3ティースの1相目巻き始め8から巻線し、第6ティース、第9ティースを経て、第12ティースの1相目の巻き終り9で終了する。
また、2相目の巻線は、第11ティースの2相目巻き始め10から巻線し、第8ティース、第5ティースを経て、第2ティースの2相目の巻き終り11で終了する。
また、3相目の巻線は、第1ティースの3相目巻き始め12から巻線し、第4ティース、第7ティースを経て、第10ティースの3相目の巻き終り13で終了する。
例えば三相のシングルY結線の場合、1相目はU相のコイルを指す。また、2相目はV相のコイルを指す。また、3相目はW相のコイルを指す。
図3に示すように、渡り線はステータの外径側(図1においては内径側)に設けられている。以下、正方向に曲げた電動機のステータの外径側を「ステータコア1の渡り線側」という。また、正方向に曲げた電動機のステータの内径側を「ティースの端部側」という。
巻線は巻線機により行われる。図4において、巻線機は、ノズル14、フライヤ15、フォーマ16、ガイド17、シャフト18、円柱19を備える。
ノズル14は、フライヤ15に装着される。ノズル14は中空の筒状に形成され、ワイヤ4を繰り出すものである。
フライヤ15は、回転方向21に回転可能である。
フォーマ16は、フライヤ15の回転軸上に配置された円柱19の上に設けられる。フォーマ16は、ガイド17及びシャフト18により、フライヤ15の回転軸上に移動可能である。
このフォーマ16は、送り方向20にワイヤ4を押圧して、巻線位置の位置決めを行うものである。
なお、以下の説明においては、1相目巻き始め8から巻線を行う動作について説明するが、2相目巻き始め10、3相目巻き始め12から巻線を行う場合も同様の動作を行う。
図6はこの発明の実施の形態1における巻線途中を示す図である。
まず、ワイヤ4の端部、又は渡り線として他のティースから渡されたワイヤ4をターミナル7に巻き付ける。そしてワイヤ4を端子3に通す。
そして、縦溝5に、ステータコア1の渡り線側からワイヤ4を挿入して、ワイヤ4をティースの軸方向に案内する。
次に、ステータコア1の渡り線側からティースの端部側に案内されたワイヤ4を、インシュレータ2の端部で周方向へ曲げ、横溝6に引掛ける。
図5に示すように、横溝6を巻き始め8(巻線開始位置)として、ティースの端部側からステータコア1の渡り線側に向かってワイヤ4を巻き付ける。
フォーマ16は、送り方向20、即ちステータコア1の渡り線側の方向に向かって、ワイヤ4を押圧することにより、巻線位置の位置決めを行う。
そして、フライヤ15が回転して、インシュレータ2にノズル14から繰り出されるワイヤ4が巻き付く。
フォーマ16は、巻線開始位置、即ち横溝6から順に、送り方向20に移動する。
これにより、ワイヤ4のたるみをフォーマ16の送りによって低減することができ、ワイヤ4を張った状態で巻線を行うことができる。
よって、巻線の整列性を向上させることができる。
また、インシュレータ2の表面でワイヤ4が滑りやすい巻線の1層目において、巻線乱れを低減することができ、巻線の整列性を向上させることができる。
したがって、巻線の占積率を向上させることができる。
図7はこの発明の実施の形態2におけるステータコアを示す図である。
図7に示すように、本実施の形態2におけるステータコア1は、右側面25の渡り線側に、入り口22、ターミナル24、出口28を有する。
入り口22は、上記実施の形態1における縦溝5に代わるものであり、ワイヤ4をステータコア1の渡り線側からティースの端部側に案内する。
ターミナル24には、ワイヤ4が巻き付けられる。
出口28は、ワイヤ4をインシュレータ2側から渡り線側に通すものである。
この突起23は、上記実施の形態1における横溝6に代わるものであり、ステータコア1の渡り線側から案内されたワイヤ4が引掛けられる。
突起23は、円柱状に立設され、高さがワイヤ4の外径以下である。また、突起23の先端部を丸く加工(R形状)する。
なお、突起23の形状は、これに限るものではなく、ワイヤ4を引掛けるものであれば良い。例えば、略円錐形状でも可能である。
突起23は、巻線開始面となる面に設ける。図7においては、入り口22が形成された右側面25の端部近傍に設けている。左側面26には突起23を設けていない。
まず、ワイヤ4の端部、又は渡り線として他のティースから渡されたワイヤ4をターミナル24に巻き付ける。そしてワイヤ4を入り口22に通す。
そして、ワイヤ4を突起23に向かって案内する。
次に、ステータコア1の渡り線側から突起23に案内されたワイヤ4を、インシュレータ2の端部で周方向へ曲げ、突起23に引掛ける。
このとき、ワイヤ4が巻線の巻線方向に向くように突起23に引掛ける。図7の例では、ワイヤ4を突起23の紙面左側から引掛ける。
以降、上記実施の形態1と同様に、突起23を巻き始め8(巻線開始位置)として、ティースの端部側からステータコア1の渡り線側に向かってワイヤ4を巻き付ける。
さらに、実施の形態2においては、渡り線の入り口22の位置にかかわらず、巻線開始点位置までワイヤ4を案内することが可能となる。
また、ワイヤ4を引掛ける突起23の先端が、R形状を成しているためワイヤ4の皮膜損傷を低減することが可能となる。
図8はこの発明の実施の形態3におけるステータコアを示す図である。
図8に示すように、本実施の形態3におけるステータコア1は、右側面25の渡り線側に、入り口22、ターミナル24、出口28を有する。
本実施の形態2におけるインシュレータ2は、ステータコア1の渡り線側からティースの端部側へワイヤ4を案内する斜め溝27を備えている。
なお、斜め溝27は、本発明における溝に含まれる。
斜め溝27のティース端部側は、上記実施の形態1における横溝6に代わるものであり、ステータコア1の渡り線側から案内されたワイヤ4が引掛けられる。
ターミナル24には、ワイヤ4が巻き付けられる。
出口28は、ワイヤ4をインシュレータ2側から渡り線側に通すものである。
斜め溝27の形状は角がR状の凹形状である。
なお、斜め溝27の形状はこれに限らず、ワイヤ4が挿入できる形状であれば良い。
左側面26には斜め溝27を設けていない。
また、斜め溝27は、巻線の巻線方向に応じた方向に形成される。即ち、ワイヤ4を斜め溝27に挿入して案内したとき、インシュレータ2の端部で、ワイヤ4が巻線の巻線方向に向くように形成する。
まず、ワイヤ4の端部、又は渡り線として他のティースから渡されたワイヤ4をターミナル24に巻き付ける。そしてワイヤ4を入り口22に通す。
そして、斜め溝27に、ステータコア1の渡り線側からワイヤ4を挿入して、ワイヤ4をティースの端部方向に案内する。
次に、ステータコア1の渡り線側からティースの端部側に案内されたワイヤ4を、斜め溝27のティース端部側で引掛ける。
以降、上記実施の形態1と同様に、斜め溝27のティース端部側を巻き始め8(巻線開始位置)として、ティースの端部側からステータコア1の渡り線側に向かってワイヤ4を巻き付ける。
さらに、実施の形態3においては、渡り線の端子3がインシュレータ2の中央に装着してある場合、渡り線からの入り口22が左右にあるため斜め溝27にワイヤ4を挿入しやすい利点がある。
図9はこの発明の実施の形態4における電動機を示す図である。
図9において、本実施の形態4における電動機200は、回転子38、ブラケット39、上記実施の形態1〜3の何れかの電動機のステータを、モールド成形したモールド固定子40、結線部品41(基板)等を備える。
Claims (9)
- ステータコアのティースに装着されたインシュレータに、ワイヤを巻き付けるステータの巻線方法であって、
前記ワイヤを、
前記インシュレータに形成され、且つ、前記ステータコアの渡り線側に位置する入り口部に挿入し、
前記ティースの端部側に位置する前記インシュレータの端部に案内する工程と、
前記インシュレータの端部に案内された前記ワイヤを、
前記インシュレータの前記ワイヤが巻き回される面に立設され、高さ方向と垂直な方向での断面が円状であり、且つ、前記ティースの端部側に位置する突起の側面に沿って曲げて
前記突起に引掛ける工程と、
前記突起を巻き始めとして、
前記ティースの端部側から前記ステータコアの渡り線側に向かって前記ワイヤを巻き付ける工程と
を有することを特徴とするステータの巻線方法。 - 前記突起の高さは、前記ワイヤの外径以下である
ことを特徴とする請求項1記載のステータの巻線方法。 - 前記突起の先端部は、丸い
ことを特徴とする請求項1又は2記載のステータの巻線方法。 - 前記ワイヤを巻き付ける工程は、
前記ティースの軸回りに回転するフライヤから供給される前記ワイヤを、
前記ティースの軸方向に移動するフォーマにより導いて巻線する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のステータの巻線方法。 - ステータコアのティースに装着され、ワイヤが巻き付けられるインシュレータであって、
前記ステータコアの渡り線側に形成され、且つ、前記ワイヤが挿入される入り口部と、
前記ティースの端部側に形成され、前記ワイヤが巻き回される面に立設され、高さ方向と垂直な方向での断面が円状であり、且つ、前記ワイヤが側面に沿って曲げられて引掛けられる突起と
を備えたことを特徴とするインシュレータ。 - 前記突起の高さは、前記ワイヤの外径以下である
ことを特徴とする請求項5記載のインシュレータ。 - 前記突起の先端部は、丸い
ことを特徴とする請求項5又は6記載のインシュレータ。 - ティースを有するステータコアと、
請求項5〜7の何れか一項に記載のインシュレータと、
前記インシュレータに巻き付けられたワイヤと
を備え、
前記ステータコアの渡り線側に位置する前記入り口部から、前記ティースの端部側に案内され、前記ティースの端部側に位置する前記突起に引掛けられた前記ワイヤが、
前記ステータコアの渡り線側に向かって巻き付けられた
ことを特徴とする電動機のステータ。 - 請求項8記載の電動機のステータを備えたことを特徴とする電動機。
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