JP5634073B2 - 水室内作業装置および水室内作業方法 - Google Patents
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Description
この水室内作業装置では、ベースが一対のウイングを交互に進退変位させることにより、水室を管板面に沿って任意の方向に移動できる。これにより、水室内における作業領域が拡大されるので、水室内作業の作業性が向上する利点がある。
また、この水室内作業装置は、前記クランパが、テーパロッドおよびコッタから成るクランプ機構を備え、且つ、前記クランプ機構が、前記テーパロッドを前記コッタに嵌め合わせることにより前記コッタを拡径して前記伝熱管をクランプすると共に、前記テーパロッドを前記コッタから引き抜くことにより前記コッタを縮径して前記伝熱管のクランプを解除する。
原子力プラント100には、例えば、加圧水型軽水炉原子力発電設備がある(図34参照)。この原子力プラント100では、原子炉容器110、加圧器120、蒸気発生器130およびポンプ140が一次冷却材管150により順に連結されて、一次冷却材の循環経路(一次系循環経路)が構成される。また、蒸気発生器130とタービン(図示省略)との間に二次冷却材の循環経路(二次系循環経路)が構成される。
図1は、この発明の実施の形態にかかる水室内作業装置の設置状態を示す斜視図である。図2は、図1に記載した水室内作業装置を示す斜視図である。図3は、図1に記載した水室内作業装置のベースおよび連結リンクの組立体を示す説明図である。
水室内作業時には、水室内作業装置1が水室131、133内にて管板面137aから懸垂状態で吊り下げられて設置される(図1参照)。この設置状態では、ベース2のクランパ23a、23bが伝熱管132をクランプ保持することにより、ベース2が管板面137aに固定される。また、マニピュレータ4がベース2に対して連結リンク3を介して連結される。したがって、設置状態では、マニピュレータ4が水室131、133の天井(管板面137a)から吊り下げられて保持される。そして、このマニピュレータ4の先端部に、水室内作業に対応したツール5が取り付けられる。なお、水室内作業装置1の設置工程については、後述する。
図7〜図17は、図1に記載した水室内作業装置の設置工程を示すフローチャート(図7)および説明図(図8〜図17)である。水室内作業装置の設置工程では、以下のように、水室内作業装置1が水室131、133内に搬入されて設置される。ここでは、水室内作業装置1が入口側水室131に設置される場合について説明する。
図18は、図1に記載した水室内作業装置のベースの実施例を示す斜視図である。同図は、ベース2および中間リンク3の組立体を示しており、また、ベース2がウイング22a、22bを開いた状態を示している。図19〜図21は、図18に記載したベースを示す正面図(図19)、平面図(図20)および右側面図(図21)である。これらの図は、ベース2が管板面137aにて伝熱管132をクランプしている状態を示している。図22および図23は、図18に記載したベースを示す斜視図(図22)および右側面図(図23)である。同図は、ベース2がウイング22a、22bを閉じた状態を示している。
図24〜図33は、ベースの歩行ロジックを示す説明図である。これらの図は、ベース2が管板面137aを歩行するときのウイング22a、22bおよびクランパ23a、23bの基本動作の実施例を示している。なお、ベース2の歩行ロジックは、この実施例に限定されない。
水室内作業装置1の搬入工程(図7参照)では、ベース設置ステップST2(図7および図10〜図12参照)にて、ベース2(ベース2および中間リンク3の組立体)がすべてのウイング22a、22bを閉じた状態(図22参照)で水室134に搬入されることが好ましい。すると、ベース2がウイング22a、22bを開いた状態(図18参照)で搬入される構成と比較して、組立体2、3がコンパクト化されるので、水室134への搬入作業および管板面137aへの設置作業が容易化される。
以上説明したように、この水室内作業装置1は、管板面137aにある伝熱管132を保持して管板面137aに固定されるベース2と、このベース2に連結されると共に水室130内に吊り下げられて配置されるマニピュレータ4とを備える(図1参照)。そして、ベース2が、マニピュレータ4に連結されるベース本体21と、このベース本体21に対して進退変位できるウイング22a、22bと、このウイング22に配置されると共に伝熱管132に挿入されて伝熱管132をクランプ保持するクランパ23a、23bとを有する(図3および図18〜図23参照)。かかる構成では、ベース2がウイング22a、22bを進退変位させてクランパ23a、23bの保持位置を移動させることにより、管板面137aに沿って移動できる(図6および図24〜図33参照)。したがって、マニピュレータ4の起点となる位置(ベース2の固定位置)を管板面137aにて移動させ得るので、水室131、133内の異なる位置を起点として水室内作業を行い得る。これにより、水室130内における作業領域が拡大されるので、水室内作業の作業性が向上する利点がある。
2 ベース
21 ベース本体
22a、22b ウイング
23a、23b クランパ
231 クランプ機構
232 グリップシリンダ機構
233 メインシリンダ機構
24 ウインチ
3 連結リンク
31 取付面
4 マニピュレータ
41 前段部
42 後段部
5 ツール
10 治具
11 ベース搬入取付治具
12 ワイヤ
13 取付治具
14 治具
16 クレーン装置
100 原子力プラント
110 原子炉容器
120 加圧器
130 蒸気発生器
131 入口側水室
132 伝熱管
133 出口側水室
134 仕切板
135 入口管台
136 出口管台
137 管板
137a 管板面
138 マンホール
140 ポンプ
150 一次冷却材管
Claims (7)
- 蒸気発生器の水室の管板面から吊り下げられると共に遠隔操作により駆動されて水室内作業を行う水室内作業装置であって、
前記管板面にある伝熱管を保持して前記管板面に固定されるベースと、前記ベースに連結されると共に前記水室内に吊り下げられて配置されるマニピュレータとを備え、
前記ベースが、マニピュレータに連結されるベース本体と、複数のウイングと、前記ウイングに配置されると共に前記伝熱管に挿入されて前記伝熱管をクランプ保持するクランパと、前記複数のウイングを前記ベース本体に対して相互に異なる方向に独立してスライド変位させて前記ベース本体から突出および前記ベース本体に収納するスライド機構とを有し、且つ、
すべての前記ウイングが、前記ベース本体の側面から相互に独立して突出および収納可能に前記ベース本体に対して配置されることを特徴とする水室内作業装置。 - 前記クランパが、テーパロッドおよびコッタから成るクランプ機構を備え、且つ、
前記クランプ機構が、前記テーパロッドを前記コッタに嵌め合わせることにより前記コッタを拡径して前記伝熱管をクランプすると共に、前記テーパロッドを前記コッタから引き抜くことにより前記コッタを縮径して前記伝熱管のクランプを解除する請求項1に記載の水室内作業装置。 - 前記ベースと前記マニピュレータとを連結する連結リンクを備え、且つ、前記マニピュレータが基本姿勢の基準軸を前記連結リンクの回転軸に対して所定の傾斜角にて傾斜させて連結される請求項1または2に記載の水室内作業装置。
- 前記マニピュレータが分割構造を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の水室内作業装置。
- マニピュレータを備える水室内作業装置を蒸気発生器の水室の管板面から吊り下げると共に遠隔操作により駆動して水室内作業を行う水室内作業方法であって、
前記水室内作業装置が前記管板面にある伝熱管をクランプ保持するベースを備えると共に前記伝熱管に対するクランプ保持位置を移動させることにより前記管板面に沿って移動し、
前記ベースが、前記マニピュレータに連結されるベース本体と、前記ベース本体に対して相互に異なる方向に独立して進退変位できる複数のウイングと、前記ウイングに配置されると共に前記伝熱管に挿入されて前記伝熱管をクランプ保持するクランパとを有すると共に、すべての前記ウイングが、前記ベース本体の側面から相互に独立して突出および収納可能に前記ベース本体に対して配置され、且つ、
前記ベースが、すべての前記ウイングを閉じた状態で前記水室のマンホールから前記水室に搬入されることを特徴とする水室内作業方法。 - 前記ベースが相互に異なる方向に独立して進退変位できる少なくとも一対の前記ウイングを有し、且つ、水室内作業時にて、前記ベースが前記ウイングを開いた状態で前記伝熱管を保持する請求項5に記載の水室内作業方法。
- 水室内作業装置が前記水室の管板面から吊り下がり前記伝熱管をクランプ保持して移動する時に、前記マニピュレータの重心が前記ベース本体に対して鉛直方向真下に配置される請求項5または6に記載の水室内作業方法。
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