JP5633717B2 - 抗ウイルス剤 - Google Patents
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Description
1.材料
本発明のアミノ基分子−非硫酸化糖類複合体(以下、本発明の複合体ともいう。)、及び、その他の比較例のアミノ基分子−非硫酸化糖類(以下、比較例の複合体ともいう。)の調製には、以下の表1記載のアミノ基分子と、表2記載の多糖類を用いた。なお、本発明の複合体と比較例の複合体を併せて、単に「複合体」ともいう。
アミノ基分子−糖類複合体の調製は、多糖類の還元末端のアルデヒド基を生成させた後に、そのアルデヒド基をアミノ基分子のアミノ基と還元アミノ化させ、それにより、糖類(H7、H15)とアミノ基分子(P4、P7)とをカップリング(共有結合)させることによって行なった。具体的には、糖類とアミノ基分子を、NaClを含む0.5Mリン酸緩衝液(pH7.7)中で混合した後、還元剤である水素化シアノホウ素ナトリウム(NaCNBH3)を加えて45℃で、48時間(H7P4の場合)又は7日間(H15P7の場合)振とうして還元アミノ化反応を行った。得られた反応液を、0.1M酢酸ナトリウムに対して透析し、脱塩した。脱塩して得られた溶液を試料として、サイズ排除クロマトグラフィー−多角度光散乱分析(SEC−MALLS:Size-Exclusion Chromatography-Multi-Angle Laserlight Scattering)で分析し、前述の還元アミノ化反応溶液の組成(糖類とアミノ基分子とのカップリングの進行の程度)を調べた。
本発明の複合体をより効率良く調製するために、還元アミノ化反応の条件(pH、時間、温度)の検討を行なった。
(1)pHの検討
上記の実施例1の2.に記載の複合体の調製法において、0.5Mリン酸緩衝液(pH7.7)に代えて、0.1M ホウ酸−ホウ砂(pH7又は8)、又は、0.1Mホウ酸−0.1M KCl−0.1M NaOH(pH9、10又は11)を用いて、本発明の複合体(H7P4)の調製を行った。なお、還元アミノ化反応は45℃で90時間行なった。得られた本発明の複合体の生成量(合成量(%))は、SEC−MALLSで測定した。なお、その合成量(%)は、複合体の出発物質のピークも含めたRIピーク全体の総面積値に対する、合成された複合体のRIピーク面積の割合(%)として算出した。その結果を図2Aに示す。図2から分かるように、pH7やpH8のときは、pH9〜11のときと比べて本発明の複合体の生成量が格段に多く、特にpH8のときはその複合体の生成量が最も多かった。
上記の実施例1の2.に記載の複合体の調製法において、還元アミノ化反応の反応時間を16時間又は90時間とし、0.5Mリン酸緩衝液(pH7.7)に代えて、0.1M ホウ酸−ホウ砂(pH7又は8)を用いて本発明の複合体(H7P4)の調製を行なった。その結果を図2Bに示す。図2Bから分かるように、反応時間が16時間のときに比べて、90時間のときは、いずれのpHにおいても、より多くの本発明の複合体が生成された。すなわち、本発明の複合体の生成量は、時間依存的に増加した。
上記の実施例1の2.に記載の本発明の複合体の調製法において、還元アミノ化反応の反応温度を45℃又は80℃として、本発明の複合体(H7P4)の調製を行なった。その結果を図2Cに示す。図2Cから分かるように、45℃のときよりも、80℃のときの方が、より多くの本発明の複合体(H7P4:ポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体)が生成され、また、生成される複合体の分子量(本明細書において、分子量が単一のもののみでない物質については、「分子量」は「平均分子量」を意味する場合がある。)も少し高いことが分かった。
前述の還元アミノ化反応により得られた生成物が、実際に目的とするポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体(H7P4)であるかどうかを確認するために、生成物の分離・分析を行なった。
(1)SEC−MALLS
上記の実施例1の2.に記載の複合体の調製法で得られた反応液を、実施例1の2.と同様の方法にしたがってSEC−MALLSで解析した。その結果を図3Aに示す。図3Aから分かるように、未反応の非硫酸化デキストランの分子量(1×104g/mol)や、未反応のポリリシン(PLL)の分子量(1.5×104g/mol)に相当するRIのピークが確認され、また、反応生成物であるポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体(H7P4)と推定されるピークが14〜15分の位置に見い出された。このピークはAstra V(Version 5.3)を用いて分子量約7×104g/molと算出された。非硫酸化デキストランとポリリシンについて算出された分子量は、理論値と一致していたため、H7P4について算出された分子量の信頼性はきわめて高いと考えられる。H7P4について算出された分子量の数値を考慮すると、このH7P4は、1分子のポリリシン(P4)に約5分子の非硫酸化デキストラン(H7)が結合していることが推定された。
本発明の複合体(H7P4)を実用化するには、大量精製が可能であることが望ましい。そこで、本発明の複合体が大量精製可能であるかどうかを確認した。具体的には、まず、上記の実施例1の2.に記載の調製法で得られた複合体(ポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体)を含む反応液を用意した。次に、Toyopearl HW50のオープンカラム(22mm×870mm)を用いて、溶離液として1/15Mリン酸バッファー(pH7.4)+2M NaClを使用し、0.185ml/minの流速で、前述の反応液からポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体の精製を試みたところ、実際に、本発明の複合体を大量に精製することができた。
糖類(非硫酸化デキストラン:dex)、アミノ基分子(ポリリシン:PLL)、又は複合体(ポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体:PLL−dex)(それぞれ0.5〜20mg/ml)を重水(2H2 16O)640μlに溶解し、内部標準として10μlのアセトンを加えた。JEOL GX-400スペクトロメーター(日本電子株式会社製)を用いて、室温(21−23℃)で1H−NMR測定を行った。得られたシグナルの化学シフトを帰属して複合体の構造を解析した。その結果を図3Bに示す。図3Bから分かるように、1H−NMRスペクトルにおいて、複合体画分中には、非硫酸化デキストランとポリリシンに特徴的なプロトンシグナルが検出された。
PLL(P4)とヒアルロナン(HA)(H15)のモル比を1:20で、前述の還元アミノ化反応により7日間の合成を行い、合成材料と得られた生成物をSEC−MALLSで分析し、分子量を算出した結果を図4に示す。SEC−MALLS解析により、PLL(P4)は平均分子量15kD、ヒアルロナン(HA)は平均分子量約5kDであり、PLL−ヒアルロナン複合体(P4H15)は、50kDaの平均分子量と求められ、平均して約7分子のヒアルロナンがPLL1分子に結合していることが示唆された。
本発明の複合体の活性向上ならびに合成過程の改良に向けて、アミノ基よりも糖鎖の還元末端との反応性の高いヒドラジノ基を有するアミノ基分子を得るために、アミノ基分子PLLのヒドラジノ化を試みた。具体的には、以下のような方法により行なった。
本発明の複合体を含む各種の複合体や、複合体の原料であるアミノ基分子や糖類の抗HIV活性及び細胞毒性を調べるために、以下の実験を行なった。
1.マイクロプレート法(MT−4細胞アッセイ)
まず、サンプル溶液(試料薬剤)として、後述の表3に記載されたものを用意した。各種の複合体の製法は、前述の実施例1の2.記載の方法にしたがった。また、ポジティブコントロールとして、市販されている公知のHIV薬剤(3種類)も用意した。次に、96穴平底培養プレートを2セット用意し、1セットを抗HIV活性測定用とし、別の1セットを細胞毒性測定用とした。10%FCSを添加したRPMI1640培地(以下、単に「培地」ともいう。)で所定の倍率で希釈したサンプル溶液を、前述の両セットのプレートの左端8穴にそれぞれ加えた。残りの穴には培地を100μlずつ入れ、左端の穴から右方向に、8連ピペットで2倍段階希釈を左端から11穴まで行い、左端から12穴目はサンプル濃度を0として細胞増殖及びHIV感染のコントロールとした。なお、サンプル1種類につき、細胞毒性測定用プレートの2列と、抗HIV活性測定用プレートの2列を使用し、サンプルの数に応じて、必要なプレート数を確保した。
サンプルとして、上記表3の実験と同じサンプル溶液を用いて、MAGIC5細胞アッセイを行なった。MAGIC5細胞とは、MAGI細胞(CD4発現HeLa細胞にHIV−1のLTR下流にSV40 largeTの核移行シグナルを付け加えたβ−ガラクトシダーゼを入れた発現ユニットを組み込んだ細胞株)における延長因子(Elongation Factor)1αのプロモーター下流にCCR5を組み込み、ブラストサイジン(Blasticidine)により選択できる発現ベクターをトランスフェクションして得られた、CCR5発現MAGI細胞である(Antimicrob.Agents Chemother. 2001,45, 495-501)。このMAGIC5細胞は、HIV−1の標的細胞への侵入過程において必須なウイルスレセプター分子CD4とコレセプターCXCR4及びCCR5とを発現し、かつ感染したHIV−1のtatの発現によりβ−ガラクトシダーゼを発現する。このMAGIC5細胞を用いたMAGICアッセイでは、T細胞指向性のHIV等のウイルスだけでなく、マクロファージ指向性のHIV等のウイルスの感染価を測定することができる。
まず、ウエルあたり1万個のMAGIC5細胞(国立感染症研究所エイズ研究センターから分与)を96穴平底プレートに撒き、細胞がプレート底面に張り付くまで37℃インキュベーター内で培養した。次いで、培養液を取り除いた後、培養液で2段階希釈(希釈倍数は5倍)したサンプル溶液をそれぞれプレートに添加した。サンプルとしては、前述のMT−4細胞アッセイで用いたものと同じものを用いた。その後、HIV−1 Ba−L株を、100〜200BFU/50μlになるようにDEAE-dextran添加培養液で調整した培養液を前述のプレートに添加した。そのプレートを37℃のCO2インキュベーター(CO2濃度、5%)に入れて48時間培養した。培養後のプレートから培養液を除去し、固定液(1% formaldehyde and 0.2% glutaraldehyde in PBS)を添加した。次いで、そのプレートを室温で5分間インキュベートしてから洗浄し、その後、染色液(4mMフェロシアン化カリウム、2mM MgCl2及び400μg/ml X−gal)を添加して、37℃で1時間インキュベートした。そして、プレートから染色液を取り除いて洗浄し、核が青染した細胞(HIV−1 Ba−L感染細胞)の数を顕微鏡下でカウントした。また、CC(細胞毒性)は目視のみで判定した。すなわち、HIVが感染しても細胞は死なないが、きれいなシートを作らず、個々の細胞もくずれた形状を示す状態を毒性ありと判定した。なおトリパンブルー法で計測すると目視より感度が高いが、その結果は通常、目視での毒性判定と相関する。各サンプルに関するMAGIC5細胞アッセイの結果を表4に示す。
1.材料
(1)N4R5X4/GFP細胞
N4R5X4/GFP細胞(群馬大学大学院医学系研究科より分与)は、ヒトグリオーマ由来のNP−2細胞に、HIV−1のコレセプター遺伝子であるCXCR4遺伝子を導入し、さらに、HIV−1由来のLTRプロモーターの下流に、核局在シグナルが融合したGFP遺伝子を導入し、それらの両遺伝子を安定発現させた細胞である。N4R5X4/GFP細胞にHIV−1が感染すると、LTRプロモーターが活性化されるため、細胞核内にGFPの発現が誘導されることとなる。
マクロファージ指向性のR5型HIV−1としてBaL株(J. Infec. Dis. (1991) 163(1), 78-82参照)を、T細胞指向性のX4型HIV−1としてIIIB株(J. Exp. Med. (1989) 170(4), 1149-1163;Nature. 1986 Dec 11-17;324(6097):572-5)を使用した。BaL株とIIIB株をそれぞれC8166/CCR5細胞に感染させ、その後該細胞を7〜14日間培養した。次いで、その培養液の上清を回収し、0.45mmのポアフィルターでろ過して、得られたBaL株及びIIIB株をそれぞれ−80℃条件化で凍結保存した。
サンプルとして、後述の表5に記載されたものを用意した。各種のアミノ基分子−糖類複合体の製法は、前述の実施例1の2.記載の方法にしたがった。また、ポリリシン(P4)やヒアルロン酸(H15)の硫酸化(sulfated)は、P4やH7やH15をそれぞれ約0.6mgずつ別の小型ナスフラスコ中で3mlのホルムアミドに溶かし、200μlのクロロ硫酸を氷上で滴下した。還流管を付けて5℃で5時間反応させた後、水に対して透析することによって行なった。
硫酸基の導入の確認は、乾固させたサンプルを水に溶かし、1Mの酢酸−ピリジン(pH3.5)中で0.5mA/cm、20分間セルロースアセテート膜電気泳動を行い、トルイジンブルーにより染色して泳動度の変化を確認することによって行なった。なお、「sulfated H○P□」とは、H○とP□との複合体を、先ほどのP4等の硫酸化と同じ方法により硫酸化したものを表す。また、市販されている公知のHIV薬剤であるヘパリン(Wako社製)及び硫酸デキストラン(平均分子量5万;Sigma社製)も、ポジティブコントロールとして用意した。
N4R5X4/GFP細胞アッセイは具体的に以下のような方法で行なった。
まず、N4R5X4/GFP細胞を10% fetal bovine serum 含有Eagle's minimum essential medium(EMEM)培地に浮遊させ、96穴培養プレートの各ウエルに、1ウエル当たり、EMEM培地100μlでN4R5X4/GFP細胞5,000個が含まれるように播種した。その翌日、各サンプルをEMEM/10%FBS培地で段階希釈し、その希釈液10μlを、前述のN4R5X4/GFP細胞と培地を含むウエル中に添加した。37℃で1時間反応させた後、HIV−1 BaL株(マクロファージ指向性のR5型HIV−1であり、硫酸化多糖に耐性を有することが知られる株)あるいはIIIB株(T細胞指向性のX4型HIV−1であり、硫酸化多糖に耐性を有さないことが知られる株)100μlを添加して、いずれかのHIV−1株に感染させた。なお、添加したHIV−1株の濃度は、各ウエル中のGFP陽性細胞数(感染細胞数)が1ウエルあたり50−200個となるような濃度に調整した。HIV−1株の添加から2日後に、各サンプルごとにGFP陽性細胞数(感染細胞数)をカウントし、サンプルを添加していない対照と比較して、感染を50%抑制する濃度(IC50:50% inhibitory concentration)(μg/ml)を算出した。また、各サンプルの50%細胞毒性濃度(CC50:50% cytotoxic concentration)(μg/ml)は、N4R5X4/GFP細胞に対してサンプルを処理し、その2日後にTetraColor ONE(生化学工業株式会社製)を添加してから、37℃で1時間培養後、その培養液のOD450を測定して算出した。その結果を表5に示す。
種々のサンプルを96穴平底培養プレート上に3連で5段階希釈し、それぞれのウエルに、2×105/mlに調整したMT−4細胞含有培地を100μlずつ添加した。次に、それらのウエルの1連に、100×CCID50(50%培養細胞感染単位)/mlの濃度のHIV−1(IIIB)を、別の1連に同濃度の逆転写酵素阻害剤耐性ウイルス(RTr)を、さらに別の1連に同濃度のプロテアーゼ阻害剤耐性ウイルス(PRr)を感染させて、5日間培養した。次いで、それぞれのウエルにMTT[3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-dipheyl tetrazolium bromide]を添加し、MT−4細胞の生細胞のMTTの取り込みを測定した。その測定値を、ウイルス添加に代えてMockを添加した対照と比較することによって、各ウイルス感染を100%抑制する濃度(IC100:100% inhibitory concentration)(μg/ml)を算出した。その結果を表6に示す。
本発明の複合体の抗HIV活性の作用段階が、感染対象細胞への接着・進入過程の段階であるかを調べるために、以下の合胞体形成抑制試験を行なった。
(1)N4R5/GFP細胞
N4R5/GFP細胞は、ヒトグリオーマ由来のNP−2細胞に、HIVの結合部位と報告されているCD4をコードするCD4遺伝子を導入し、さらに、HIV−1由来のLTRプロモーターの下流に、核局在シグナルが融合したGFP遺伝子を導入し、それらの両遺伝子を安定発現させた細胞である。N4R5/GFP細胞にHIV−1が感染すると、LTRプロモーターが活性化されるため、細胞核内にGFPの発現が誘導されることとなる。
HeLa/M−env/Tat細胞は、HeLa細胞に、R5型HIV−1ウイルスのEnv遺伝子とTat遺伝子を導入し、それらの両遺伝子を安定発現させた細胞である。
本発明のアミノ基分子−デキストラン複合体の作用段階が、ウイルスの感染対象細胞への接着・進入段階であるかどうかを調べるために、サンプル溶液としてH7P7を、コントロールとしてDMSOを用いて、以下の方法で合胞体形成試験を行なった。
本発明の複合体のアセチル化又はビオチン化の影響を調べるために、本発明のポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体を用いて以下の実験を行なった。
まず、表7に記載したサンプルを用意した。N−アセチル化は残存アミノ基を0.2M酢酸ナトリウム中で無水酢酸により氷上と室温でそれぞれ30分間反応させる方法により行い、ビオチン化はNHS−ビオチン(PIERCE社のEZ-Link Sulfo-NHS-Biotin)を用いて0.5mMリン酸バッファー中(pH7.4)で未反応アミノ基にビオチン標識を導入する方法により行なった。各サンプルについて、MT−4細胞アッセイ(実施例2の1.参照)及びMAGIC5細胞アッセイ(実施例2の2.参照)を行った結果を表7に示す。
本発明の複合体におけるアミノ基分子の違いによる影響等を調べるために、本発明のポリリシン−非硫酸化デキストラン複合体等を用いて以下の実験を行なった。
まず、表8に記載したサンプルを用意した。各サンプルについて、MT−4細胞アッセイ(実施例2の1.参照)及びMAGIC5細胞アッセイ(実施例2の2.参照)を行った結果を表8に示す。
表8に記載した各サンプルについて、硫酸化多糖耐性ウイルスであるBaL株を用いたアッセイ(実施例3参照)を行なった。その結果を表9に示す。
Claims (5)
- 少なくとも2つ以上のアミノ基を有するアミノ基分子であるポリアミノ酸におけるアミノ基と、非硫酸化糖類又はその誘導体におけるアルデヒド基とを、還元アミノ化により共有結合させて得られ、かつ、共有結合させた後のアミノ基分子が少なくとも1つ以上の遊離のアミノ基を有するアミノ基分子−非硫酸化糖類複合体を含有し、かつ前記糖類がデキストラン、ヒアルロン酸、又はマンノトリオースであり、かつ前記非硫酸化糖類の誘導体がアルキル化糖類、ヒドロキシアルキル化糖類、カルボキシアルキル化糖類、もしくは抗生物質と複合体化した糖類であり、かつ前記ポリアミノ酸を構成するアミノ酸残基がリシンであり、アミノ酸残基の分子数が31〜468である抗HIV剤。
- 非硫酸化糖類が、非硫酸化デキストランである請求項1に記載の抗HIV剤。
- 非硫酸化デキストランが、重量平均分子量4〜25kのデキストランである請求項2に記載の抗HIV剤。
- ポリアミノ酸が、α-ポリリシンである請求項1〜3に記載の抗HIV剤。
- 少なくとも2つ以上のアミノ基を有するアミノ基分子であるポリアミノ酸におけるアミノ基と、非硫酸化糖類又はその誘導体におけるアルデヒド基とを、還元アミノ化により共有結合させて得られ、かつ、共有結合させた後のアミノ基分子が少なくとも1つ以上の遊離のアミノ基を有するアミノ基分子−非硫酸化糖類複合体であり、かつ前記糖類がデキストラン、ヒアルロン酸、又はマンノトリオースであり、かつ前記非硫酸化糖類の誘導体がアルキル化糖類、ヒドロキシアルキル化糖類、カルボキシアルキル化糖類、もしくは抗生物質と複合体化した糖類であり、かつ前記ポリアミノ酸を構成するアミノ酸残基がリシンであり、アミノ酸残基の分子数が31〜468であるアミノ基分子−非硫酸化糖類複合体を、抗HIV剤の製造のために使用する方法。
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