JP5633182B2 - 潤滑剤塗布装置および画像形成装置 - Google Patents
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これとは別に、上記範囲よりも高すぎる場合(例えば0.4以上)には、クリーニングブレード先端が引き摺られて捲れてしまうという問題が生じる。
固形潤滑剤に当接して回転可能なブラシローラを用い、ブラシローラに対して常時接触するように圧縮コイルバネなどの弾性体によって付勢されている固形潤滑剤の一部がブラシローラの回転時に掻き取られることにより感光体や転写ベルトの表面に塗布する構成である(例えば、特許文献1)。
図8は、一例として転写ベルトを対象とした潤滑剤供給機構を用いた場合の潤滑剤の供給初期時(図8(A))と経時変化時(図8(B))とを示す図である。
同図において潤滑剤供給機構は、転写ベルト5Aに接触しながら回転可能なブラシローラで構成された塗布ブラシ13Bと、塗布ブラシ13Bに対して圧縮コイルバネを用いた弾性体13Cが挿嵌されている倒れ防止ガイド13Dに一体化されている固形潤滑剤13Aとを用いて構成されている。なお、図中、符号13Eは、倒れ防止ガイド13Dが挿嵌されている潤滑剤ホルダを示し、符号13Fはバックアップ機能を持つ対向ローラを示している。
2k(L−L0)+M0g (N)・・・(1)
となる。
2k(L−L1)+M1g (N)・・・(2)
となる。
したがって、初期時と経時変化時での当接力の差は、(1)−(2)で
2k(L1−L0)+(M0−M1)g (N)・・・(3)
となる。
L1>L0、M0>M1であるから、(3)式は必ず正となる。
具体的に数値を代入してみると、k=0.02、L=35、L0=20、L1=30、M0=0.1、M1=0.09、g=10とすると、初期当接力は1.6N、初期当接力は1.1N、その差は0.5Nとなり、当接力は経時変化時で30%程度低下することになる。
初期時での異常画像発生を防止するために、初期時での塗布量を低下させると、経時変化時において塗布量が不足し、中間転写ベルトのクリーニング不良やクリーニングブレード捲れといった新たな問題が発生してしまう。
そこで現状では、初期時での異常画像を犠牲にし、初期時での潤滑剤塗布量を多めに設定しており、本来不要な潤滑剤を搭載し、塗布効率が悪い構成となっている。
しかし、塗布された潤滑剤ではなく、塗布される段階での塗布量の変化、換言すれば、塗布効率が変化してしまうことを解消するようにはなっていない。
(1)固形潤滑剤と、
該固形潤滑剤に当接し、これを摺擦することで削り取った潤滑剤を潤滑剤供給対象に供給する供給部材と、
該固形潤滑剤を該供給部材へ押圧する押圧機構とを備えた潤滑剤供給装置において、
前記潤滑剤供給対象に接触して該潤滑剤供給対象に供給された潤滑剤を取り込み可能な構成を備えた潤滑剤塗布量安定化手段を設け、
前記潤滑剤塗布量安定化手段は、前記潤滑剤供給対象の表面に接触可能な発泡部を備えた構成からなり、前記潤滑剤供給対象に供給される潤滑剤の多さに応じて、供給初期時には多く取り込み、経時変化時にはその取り込み量が減少することで該潤滑剤供給対象での潤滑剤供給量を供給初期時と経時変化時とで均等化させ、前記供給部材とともに同一のユニットに纏めて収容されていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
(8)表面にトナー像を担持する転写ベルトと、
固形潤滑剤と、
前期固形潤滑剤に当接し、前期固形潤滑剤に摺擦することで削り取った潤滑剤を前記転写ベルトに供給するブラシと、
前記固形潤滑剤を前記ブラシへ押圧する押圧機構と、
前記転写ベルトの表面に接触可能であって、前記潤滑剤の供給初期時には多く取り込み、経時変化時にはその取り込み量が少なくなることで前記転写ベルト上での潤滑剤供給量を供給初期時と経時変化時とで均等化させる発泡ローラと、
前記ブラシと押圧機構および発泡ローラが纏めて収容されるユニットと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
図1は、本発明による潤滑剤塗布装置が適用される画像形成装置を示す図であり、同図に示す画像形成装置1000は、タンデム方式を用いたカラープリンタである。
図1において画像形成装置は、像担持体として、後述する作像ステーションでの画像を順次1次転写される中間転写ベルト5Aを対象としている。
感光体ドラム1に形成された静電潜像は、現像装置3から供給されるトナーにより可視像化され、後述する転写装置5において可視像の担持体として用いられる中間転写ベルト5Aに対して1次転写装置である転写ローラ6からの転写バイアスを受けることで1次転写される。
フルカラー画像形成時には、各作像ステーションにおいて形成された可視像が順次、中間転写ベルト5Aに転写されて重畳される。
図1に示す構成において中間転写ベルト5Aは、複数のローラのうちの一つが用いられる駆動ローラにより設定されるプロセス速度として、例えば、150mm/secの移動速度が設定されて、図示矢印方向に展張面を移動させるようになっている。
また、符号5Cで示すローラは、図示しないバネなどの弾性体により展張方向に付勢されるテンションローラとして用いられている。
図1に示す構成において用いられる1次転写バイアスは、例えば、+1800Vとされている。また、2次転写ローラ7に対してもバイアス電源10からの給電により2次転写バイアスが印加されるようになっている。
従って、本発明における中間転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内が好ましい。なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm,リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト10の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
クリーニング装置11は、中間転写ベルト5Aに当接するウレタンゴムなどの弾性体で構成されたクリーニングブレード11Aを備えており、クリーニングブレード11Aは揺動可能なブレードホルダ(図示されず)によって接離可能に支持されている。このクリーニングブレード11Aが当接することで中間転写ベルト5A上に残留するトナーを堰き止めて清掃するようになっている。
クリーニングブレード11Aに代えて、導電性ブラシやローラを用いることも可能であり、バイアスを印加することにより中間転写ベルト5Aから静電的に付着物であるトナーを回収する構成とすることができる。
中間転写ベルト5Aから回収されたトナーは、図示しないが、クリーニング装置内に設けられている搬送部材によって装置奥側に搬送されて重力により下方へ落下されるようになっている。トナーが落下する位置にはトナー回収ボトルが配置されており、トナー回収ボトルには図示しないが満杯検知センサが設けられて満杯時での交換を促すように監視できるようになっている。
潤滑剤塗布装置13は、図1に示すように、固形潤滑剤13Aに接触しながら回転することで潤滑剤13Aを削り取り、削り取った潤滑剤13Aを中間転写ベルト5Aの表面に塗布する塗布ブラシ13Bと、塗布ブラシ13Bに向けて固形潤滑剤13Aを押圧付勢する押圧機構に用いられる圧縮コイルバネで構成された弾性体13Cとが備えられている。
中間転写ベルト5Aを挟んで塗布ブラシ13Aと対向する位置にはバックアップ機能を持つ対向ローラ13Fが配置されている。
図2は、潤滑剤塗布装置の詳細を示す図であり、同図において、固形潤滑剤13Aは消費されるに従って、その厚さが減少するのに伴い倒れ防止ガイド13Dが弾性体13Cに押圧されることで潤滑剤ホルダ13E内を移動するが、移動する際に移動方向に対して倒れるのを倒れ防止ガイド部材13Dの摺動により防止されて移動方向の姿勢を一定に保ちながら移動する。
塗布ブラシ13Bは、図示しない駆動機構により回転可能な部材であり、中間転写ベルト5Aの移動方向に沿ってあるいは相反する方向への回転ができるようになっている。また、対向ローラ13Fは、外径がφ16の金属製ローラが用いられ、塗布ブラシ13Bとの食い込み量が1mmに設定されている。
つまり、固形潤滑剤13Aが塗布されない場合、転写紙に転写されなかったトナーにより、摩擦係数が増大し、クリーニングブレード11Aを転写残トナーがすり抜けてクリーニング不良を起こすことがあり、また、クリーニングブレード11Aのエッジが捲れたりする。
さらに、中間転写ベルト10の摩擦係数が高いと、転写紙への転写効率が低下し、画像の一部が抜ける、ぼそつき画像や虫食い画像が発生する問題もある。このような不具合を防止するため、固形潤滑剤13Aを中間転写ベルトに塗布している。
2次転写ローラ7の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなる。そこで、必要な転写性を得るためには、より高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加するため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こるため、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。逆に、2次転写ローラ7の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。
なお、図示しないが、転写後の記録紙Sを除電して転写紙の裏面に付着したトナーを剥落させるようにすることも可能である。
本発明の特徴は、塗布ブラシのように潤滑剤を感光体や中間転写ベルトなどの潤滑剤供給対象に供給される潤滑剤を、供給初期時において取り込むことで過剰な潤滑剤を回収して経時変化時との間での潤滑剤の塗布効率、詳しくは塗布厚さを均等化させる潤滑剤塗布量安定化手段を設けたことにある。
同図において、潤滑剤塗布装置13には、ホルダ13E内に位置する摺動可能な倒れ防止ガイド13Dに装填されている弾性体13Cにより塗布ブラシ13Bに向けて押圧されている固形潤滑剤13Aが備えられている。固形潤滑剤13Aは、図3に示すように、その長手方向、つまり、画像幅方向両側にて弾性体13Cにより押圧されることにより、塗布ブラシ13Bの長手方向である軸方向に沿って均一に押圧されている。
この構成において、特徴となる部材として、図2において符号50で示すように、塗布ブラシ13Bと同じ側で、中間転写ベルト5Aの移動方向において塗布ブラシ13Bの下流側に潤滑剤塗布量安定化手段が設けられている。
潤滑剤塗布量安定化手段50は、SUS等尾金属製芯金の表面にウレタンなどの発泡性弾性体を発泡ゴムローラ(以下、これを符号50で示す)で構成されており、中間転写ベルト5Aの表面に接触して連れ回ることができるようになっている。
従って、経時変化時での潤滑剤の塗布厚さと供給初期時での塗布厚さを均衡化することで初期時および経時変化時での摩擦係数の変化を抑えることができる。
図4からも明らかなように、本実施例によれば、潤滑剤の塗布量が多い場合には回収が促進され、経時変化時においては回収が殆ど行われないことで中間転写ベルト5A表面での潤滑剤の塗布厚さが均衡されるので、摩擦係数の変化がほとんどない結果が得られた。これにより、初期時の過剰な塗布によって引き起こされる転写効率の悪化や画像の一部が抜けてしまう、虫食い現象を防止することができる。
また、回収された潤滑剤は、経時変化時において中間転写ベルト5Aの表面での摩擦係数が高くなった場合に擦り取られることもあるので、中間転写ベルト5Aでの潤滑剤不足を一部でも補うことも期待できる。
図5は、図2に示した潤滑剤塗布装置における要部変形例を示す図であり、同図に示す構成は、潤滑剤塗布量安定化手段としてブラシローラ51を用いたことを特徴としている。
ブラシローラ51は、隣接する繊維間に位置する空間内に潤滑剤を取り込むことができので、潤滑剤の供給初期には繊維間に潤滑剤が取り込まれて堆積し、飽和状態になると取り込み、いわゆる、回収が行われなくなる。
このような構成とすることにより、固形潤滑剤13Aの寿命による交換時には、潤滑剤の供給部と回収部に相当する潤滑剤塗布量安定化手段とを同時に交換できるので、ユニット交換後も中間転写ベルト5Aの摩擦係数の低下を来さないようにでき、安定した摩擦係数の維持が可能となる。
ブラシ部材52は、不動状態の金属板にPET繊維布を両面テープなどにより一体的に接合したものであり、ブラシ繊維間に位置する空間内に潤滑剤を捕捉して回収できるようになっている。
5A 中間転写ベルト
13 潤滑剤塗布装置
13A 固形潤滑剤
13B 塗布ブラシ
13C 弾性体
50 発泡ゴムローラ
51 ブラシローラ
130 ユニット
1000 画像形成装置
Claims (8)
- 固形潤滑剤と、
該固形潤滑剤に当接し、これを摺擦することで削り取った潤滑剤を潤滑剤供給対象に供給する供給部材と、
該固形潤滑剤を該供給部材へ押圧する押圧機構とを備えた潤滑剤供給装置において、
前記潤滑剤供給対象に接触して該潤滑剤供給対象に供給された潤滑剤を取り込み可能な構成を備えた潤滑剤塗布量安定化手段を設け、
前記潤滑剤塗布量安定化手段は、前記潤滑剤供給対象の表面に接触可能な発泡部を備えた構成からなり、前記潤滑剤供給対象に供給される潤滑剤の多さに応じて、供給初期時には多く取り込み、経時変化時にはその取り込み量が減少することで該潤滑剤供給対象での潤滑剤供給量を供給初期時と経時変化時とで均等化させ、前記供給部材とともに同一のユニットに纏めて収容されていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 前記潤滑剤塗布量安定化手段は、前記潤滑剤を取り込み可能な空間を有する部材が用いられ、前記潤滑剤の供給初期時から該空間内で飽和するまでの間、前記潤滑剤を取り込み可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤塗布装置。
- 前記発泡部は前記潤滑剤供給対象の動きに連動可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の潤滑剤塗布装置。
- 前記潤滑剤塗布量安定化手段は、前記潤滑剤供給対象の移動方向において前記供給部材の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の潤滑剤塗布装置。
- 前記潤滑剤塗布量安定化手段は、前記潤滑剤供給対象の移動方向に沿ってもしくは相反する方向に回転可能であることを特徴とする請求項3または4に記載の潤滑剤塗布装置。
- 請求項1乃至5のうちの一つに記載の潤滑剤塗布装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 前記潤滑剤塗布装置における潤滑剤供給対象として潜像担持体もしくは転写体が用いられることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 表面にトナー像を担持する転写ベルトと、
固形潤滑剤と、
前期固形潤滑剤に当接し、前期固形潤滑剤に摺擦することで削り取った潤滑剤を前記転写ベルトに供給するブラシと、
前記固形潤滑剤を前記ブラシへ押圧する押圧機構と、
前記転写ベルトの表面に接触可能であって、前記潤滑剤の供給初期時には多く取り込み、経時変化時にはその取り込み量が少なくなることで前記転写ベルト上での潤滑剤供給量を供給初期時と経時変化時とで均等化させる発泡ローラと、
前記ブラシと押圧機構および発泡ローラが纏めて収容されるユニットと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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