JP5632589B2 - シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤 - Google Patents
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Description
項1-1.(A)アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)界面活性剤とを含有する、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項1-2.(A)成分として、アラントインを含む、項1-1に記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項1-3.(B)成分として、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1-1又は1-2に記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項1-4.(A)成分の配合量が0.001〜1w/v%である、項1-1乃至1-3のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項1-5.(B)成分の配合量が0.001〜1w/v%である、項1-1乃至1-4のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項1-6.シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズが非イオン性である、項1-1乃至1-5のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項2.(A)アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種と(B)界面活性剤とを併用することを特徴とする、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの該(A)成分の透過性を向上させる方法。
項3.(A)アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有するシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤に、(B)界面活性剤を配合することを特徴とする、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの該(A)成分の透過性を向上させる作用を該点眼剤に付与する方法。
項4. (B)界面活性剤を含有する、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの(A)アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の透過性を向上させるための剤。
項5.シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに対する、アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種のアラントイン類の透過性を向上させる透過性向上物質のスクリーニング方法であって、
(a)アラントイン類を含むコントロール溶液、並びにアラントイン類と被験物質とを含む被験溶液を、試験溶液として各々調製する工程、
(b)上記試験溶液を各々、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの片側面のみに所定時間接触させ、該レンズの上記試験溶液を接触させていない他方の片側面から滲出したアラントイン類の量を測定することにより、各試験溶液のアラントイン類の透過量を求める工程、並びに
(c)上記工程(b)において測定されたアラントイン類の透過量が、コントロール溶液よりも多い被験溶液を選び、該被験溶液に含まれる被験物質を上記透過性向上物質として選択する工程、
を含むスクリーニング方法。
項6.(A)アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種と(B)界面活性剤とを含むシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤を、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと接触させることを特徴とする、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの細菌の付着抑制方法。
項7.シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤に、(A)アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)界面活性剤とを配合することを特徴とする、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの細菌付着を抑制する作用を該点眼剤に付与する方法。
本発明のSHCL用点眼剤は、アラントイン類(以下、単に(A)成分と表記することもある)を含有する。本発明において、アラントイン類とは、アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等。
充血除去剤:テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、アクリノール、セチルピリジニウム、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド等。
ビタミン類:フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロール等。
アミノ酸類:アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、プラノプロフェン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アズレン、アズレンスルホン酸、グアイアズレン、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、甘草等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、フマル酸ケトチフェン、メチル硫酸ネオスチグミン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール、インドメタシン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、紫根、セイヨウトチノキ、及びこれらの塩等。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、リン酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等。
安定化剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等。
キレート剤:エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
香料又は清涼化剤:メントール、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リモネン、リュウノウ等。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよく、また精油(ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等)として配合してもよい。
含水率(%)=(含水した水の重量/含水状態のSHCLの重量)×100
かかる含水率は、ISO18369-4:2006の記載に従って重量測定方法により測定され得る。
前述するように、SHCLへの上記(A)成分の透過性を、上記(B)成分を使用することによって向上させることができる。
前述するように、SHCLへの上記(A)成分の透過性を、上記(B)成分を使用することによって向上させることができる。
また、前述するように、本発明者によって、上記(A)成分がSHCLへの透過性が著しく低いという新たな知見が得られている。そこで、更に、本発明は、SHCLに対するアラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種のアラントイン類の透過性を向上させる透過性向上物質をスクリーニングする方法をも提供する。具体的には、本スクリーニング方法は、下記(a)〜(c)工程を包含する方法である。
(a)アラントイン、その誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種のアラントイン類を含むコントロール溶液、並びにアラントイン類と被験物質とを含む被験溶液を、試験溶液として各々調製する工程、
(b)上記試験溶液を各々、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの片側面のみに所定時間接触させ、該レンズの上記試験溶液を接触させていない他方の片側面から滲出したアラントイン類の量を測定することにより、各試験溶液のアラントイン類の透過量を求める工程、並びに
(c)上記工程(b)において測定されたアラントイン類の透過量が、コントロール溶液よりも多い被験溶液を選び、該被験溶液に含まれる被験物質を上記透過性向上物質として選択する工程。
前述するように、上記(A)成分と(B)成分を含むSHCL用点眼剤を使用することによって、SHCLへの細菌の付着を抑制することができる。
参考試験例1:アラントインのSCL透過性の比較評価
表1で示されるSCLを用いて、アラントインのレンズ透過性について評価した。
試験例1:アラントインのレンズ透過試験
表2に示す点眼剤(実施例1−2及び比較例1)を用いて、アラントインのSHCL透過性について評価した。
塩酸ピリドキシンは、角膜細胞の新陳代謝を促進し、目の疲れを緩和させる作用を発揮することが知られている。そのため、SHCL用点眼剤に塩酸ピリドキシンを配合するにも、アラントイン類を配合する場合と同様に、塩酸ピリドキシンがSHCLを透過して角膜に到達できるように製剤設計することが求められる。そこで、SHCLへの塩酸ピリドキシンの透過性を評価するために、以下の試験を実施した。
以上の結果から、アラントイン類と界面活性剤を併用した点眼剤は、SHCL装用中の眼に適用してもアラントイン類の角膜への到達量を増大でき、アラントイン類に基づく薬理効果を有効に奏し得ることが確認された。また、このような界面活性剤との併用による有効成分のSHCL透過性の向上は、有効成分としてアラントイン類を選択することによって認められる特有の効果であることも確認された。
表4に示す点眼剤(参考例3)を用いて、各種ソフトコンタクトレンズへのStaphylococcus aureus(ATCC No.6538)の付着性について評価した。
表5に示す点眼剤(実施例3−4及び比較例2−3)を用いて、SHCL(レンズA及びD)へのStaphylococcus aureus(ATCC No.6538)の付着性について評価した。
表6に記載の処方で、SHCL用点眼剤(実施例5−16)が調製される。
Claims (9)
- (A)アラントイン、及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、(B)非イオン性界面活性剤とを含有し、(A)成分の配合割合が0.1〜0.3w/v%であり、且つ(B)成分の配合割合が0.01〜1w/v%である、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
- (A)成分として、アラントインを含む、請求項1に記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
- (A)成分に対する(B)成分の配合割合の比率が、該(A)成分の総量100重量部当たり、該(B)成分の総量が0.3〜1000重量部である、請求項1又は2に記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
- 更に(D)緩衝剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
- (D)緩衝剤が、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
- 更に、等張化剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、殺菌剤、ビタミン、アミノ酸、消炎剤、収斂剤、増粘剤、糖、糖アルコール、防腐剤、抗菌剤、pH調節剤、安定化剤、キレート剤、香料、清涼化剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
- シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズが非イオン性である、請求項1〜6のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
- 点眼剤用であって、(B)界面活性剤を0.01〜1w/v%含む、該点眼剤中に0.1〜0.3w/v%含有される(A)アラントイン、及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの透過性を向上させるための剤。
- 点眼剤用であって、(A)アラントイン、及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を0.1〜0.3w/v%と、(B)非イオン性界面活性剤を0.01〜1w/v%とを含有する、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの細菌付着抑制剤。
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