JP5632569B2 - 不快音圧推定システム、不快音圧推定プロセッサ、不快音圧推定方法およびそのコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本願は、音が快適に聴取できたか否かを評価するための技術に関する。より具体的には、本願は、補聴器等において、外部音の周波数ごとの増幅量を調整して個々のユーザにとって適切な大きさの音を得る「フィッティング」のための、音に対する不快音圧を推定するシステム、プロセッサ、方法およびコンピュータプログラムに関する。
近年、高齢化により補聴器を必要とする難聴者が増加している。その数は国内約2000万人、グローバル約5億人といわれている(日本補聴器工業会調べ)。補聴器を使い始める前には、ユーザの聴覚特性に合わせて、周波数ごとの音の増幅量を調整するフィッティングが不可欠である。一般的にフィッティングを1度で完了させることは難しく、ユーザは何回か補聴器販売店に足を運び、再調整を行う必要がある。その要因の一つに、不快音圧(uncomfortable loudness level:UCL)が正しく測定できないことが挙げられる。UCLは、最小可聴閾値(hearing threshold level:HTL)から計算で求められる場合が多い。なぜなら、主観報告による検査では、大きな音を出す必要があり、心理的なストレス・疲労を招くからである。しかし、算出されたUCLには個人差が反映されないという課題があった。
非特許文献1には、主観報告によりUCLを実測する方法が開示されている。主観報告により実測したUCLを以下では主観UCLと呼ぶ場合もある。主観UCLは、オージオメータを用いて、連続音を上昇法(段々と音圧レベルを上げる)を用いてユーザに呈示し、うるさすぎて長時間聞いていられない音圧であるか否かをユーザに報告させる。そして、ユーザが報告した音圧を、主観UCLとする。「主観報告」とは、ユーザが音を聞いた後に、ユーザがその音に対する主観的な感想を報告することである。
また近年、脳の電気的活動を反映する脳波を用いてUCLを推定する技術が開発されている。非特許文献2は、健聴者を対象に、80dBHL以下のうるさくない3連音に対する聴覚誘発電位を用いて、周波数ごとのUCLを推定する技術を開示している。うるさくない音圧の音刺激を短時間聞かせたときの脳波を用いて、短時間で高精度のUCL推定を実現している。
君付隆 他、「聴力に異常のない聴覚過敏患者における内耳機能検査の特徴」、Audiology Japan、 2009年、Vol.52、No.3、P.152−156 足立信夫 他、「3連音刺激に対する事象関連電位に基づく許容音圧推定」、第51回日本生体医工学会論文集、2012年、 01−10−1
しかしながら、非特許文献1、あるいは非特許文献2に開示された方法では、主観報告で実測した、あるいは脳波でUCLを推定するために音刺激を呈示した、耳・周波数のみでしかUCLを測定できなかった。そのため、補聴器で調整が可能な全ての周波数に対して細やかにUCLを求める場合には、膨大な検査時間を必要とした。
本願の限定的でない例示的なある実施形態は、比較的簡便にかつ精度良く、周波数ごとのUCLを推定することができる不快音圧推定システムを提供する。
本発明の一態様に係る不快音圧推定システムは、複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を取得するHTL取得部と、不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を決定するUCL測定点決定部であって、前記少なくとも2つの測定点の各々は、取得した複数の最小可聴閾値のうち、少なくとも、第1最小可聴閾値に関する第1周波数、および、前記第1最小可聴閾値とは異なる大きさを有する第2最小可聴閾値に関する第2周波数を特定する、UCL測定点決定部と、決定した前記少なくとも2つの測定点における不快音圧を測定するUCL測定部と、前記UCL測定点決定部によって決定された前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、聴覚特性に関する所定の基準を算出する算出部と、前記所定の基準を参照して、前記HTL取得部において取得された、各最小可聴閾値に対応する周波数における不快音圧を推定するUCL推定部とを備える。
本発明の一態様に係る不快音圧推定システムによれば、HTLが異なる少なくとも2つの測定点に対してUCLを測定することにより、HTLのみを測定したそれ以外の測定点のUCLを高精度に推定できるため、推定結果に基づいた補聴器調整によりユーザがうるさい思いをしない補聴器フィッティングが実現できる。
本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験におけるHTL測定結果のヒストグラムを例示する図である。 本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験におけるUCL測定結果のヒストグラムを例示する図である。 本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験におけるHTLとUCLの分布を例示する図である。 本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験における参加者ごとのHTLおよびUCLの分布および線形近似直線を例示する図である。 本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験における参加者ごとのHTLおよびUCLの分布および線形近似直線を例示する図である。 本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験における参加者ごとのHTLおよびUCLの分布および線形近似直線を例示する図である。 本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験における参加者ごとのHTLおよびUCLの分布および線形近似直線を例示する図である。 本願発明者らが実施した聴覚特性測定実験における線形近似直線の傾きと切片の分布を例示する図である。 参加者ごとの実測したUCLと線形近似で求めたUCLとの誤差を例示する図である。 線形近似直線を求める際に利用した測定点数と、測定点数ごとの平均誤差を例示する図である。 実施形態1による不快音圧推定システムの実現形態の構成を示す図である。 実施形態1による不快音圧推定システムの実現形態の構成を示す図である。 実施形態1による不快音圧推定システムの実現形態の構成を示す図である。 不快音圧推定システムの利用環境を示す図である。 結果蓄積DBにおける結果蓄積の例を示す図である。 不快音圧推定システムの全体処理の概要を示すフローチャートである。 不快音圧推定システムの全体処理の概要を示すフローチャートである。 不快音圧推定の概要を示す図である。 実施形態2による不快音圧推定システムの実現形態の構成を示す図である。 実施形態2におけるUCL脳波推定部の詳細構成を示す図である。 不快音圧推定システム200の全体処理の概要を示すフローチャートである。 実施形態1および実施形態2のハードウェア構成を示す図である。 国際10−20法の電極位置と、本願発明者らが実施した脳波実験での電極位置を示す図である。
まず、本明細書における用語の定義を説明する。
「不快音圧(uncomfortable loudness level:UCL)」とは、ユーザが不快に感じずに長時間聞いていることのできる最大の音圧である。
「聴覚閾値または最小可聴閾値(hearing threshold level:HTL)」とは、ユーザが聞き取ることのできる最も小さい音の音圧である。
「聴覚特性の測定点」とは、UCLやHTLなどに関する聴覚特性を調べる点(ポイント)であり、左右両方の耳の聴覚特性を測定する場合には、左右どちらの側の耳か、および音の周波数によって規定される(たとえば右耳の1kHz)。左右どちらかの耳を調べる場合には、音の周波数のみによって規定することもできる。単に「測定点」と呼ぶ場合もある。
「事象関連電位(event−related potential:ERP)」とは、何らかの刺激に関連して発生する脳波(electroencephalogram:EEG)の電位の変動である。
「N1成分」とは、音刺激を呈示した時刻から50ms以上150ms以下後の時間範囲に惹起される、事象関連電位における陰性の電位である。
「P2成分」とは、音刺激を呈示した時刻から150ms以上250ms以下後の時間範囲に惹起される、事象関連電位における陽性の電位である。
「音刺激」とは、ユーザに対して呈示する音である。「音を呈示する」とは、純音を出力することである。
「純音」とは、単一の周波数で周期振動を繰り返す、正弦波で表される音である。
「潜時」とは、音刺激が呈示された時刻を起点として陽性成分または陰性成分のピーク電位が出現するまでの時間である。ここで、ピーク電位とは、目標とする時間帯において極大または極小となる電位のピークを意味する。
なお、本明細書においては、事象関連電位の成分を定義するためにある時点から起算した所定時間経過後の時刻を、たとえば「潜時約100ms」と表現している。これは、100msという特定の時刻を中心とした範囲を包含し得ることを意味している。
「事象関連電位(ERP)マニュアル−P300を中心に」(加我君孝ほか編集、篠原出版新社、1995)の30頁に記載の表1によると、一般的に、事象関連電位の波形には、個人ごとに30msから50msの差異(ずれ)が生じる。したがって、本明細書において、「約Xms」又は「Xms付近」という場合、Xmsを中心として30msから50msの幅をその前後に含むもの(たとえば、100ms±30ms、200ms±50ms)として解釈される。
「陰性成分」とは、一般的には、0μVよりも小さい電位をいう。「陽性成分」とは、一般的には、0μVよりも大きい電位をいう。ただし、電位を比較する対象がある場合には、より負の値を有する電位を陰性成分ともいう。また、電位を比較する対象がある場合には、より正の値を有する電位を陽性成分ともいう。
以下、添付の図面を参照しながら、不快音圧推定システムの各実施形態を説明する。
本発明の一態様による不快音圧推定システムは、HTLが異なる少なくとも2つの測定点に対してUCLを測定することにより、HTLのみを測定したそれ以外の測定点を含めてUCLを高精度に推定する。本発明は、本願発明者らが難聴者に対して実施した実験により発見した、難聴者ごとのHTLとUCLとの対応関係に基づく。本発明の実施形態の説明に先立ち、本願発明者らが実施した実験とその実験結果を詳述する。また、本願発明者らが考案した線形近似によるUCL推定方法について述べる。その後で、実施形態として不快音圧推定システムの概要および、その構成と動作について説明する。
(実験概要の説明)
1.実験概要
本願発明者らは、HTL及びUCLに関する難聴者の聴覚特性を調べた。具体的には、補聴器の利用を開始しようとする難聴者に対して、主観報告によりHTLとUCLとを測定した。
その結果、難聴者のUCLは個人差が大きいため、全てのユーザのUCLを共通の基準で求めることはできないことがわかった。
計算によりHTLからUCLを求める場合、通常、測定点ごとのHTLから、その測定点におけるUCLを算出する。これは、従来、測定点ごとのUCLは独立であり、他の測定点(たとえば、反対の耳や異なる周波数)のHTLやUCLとは関連がないと考えられていたからである。しかし、鋭意研究の結果、本発明者らは、測定点が異なっても、HTL及びUCLの関係に難聴者個人の特性が現れることを見出した。具体的には、左右の耳や音の周波数に依存せず、個人ごとのHTLとUCLに線形関係があることを発見した。
この発見に基づき、HTLが異なる少なくとも2つの測定点に対してUCLを実際に測定し、たとえば、最小二乗法によりHTLとUCLとの関係を表す近似式(回帰直線)を求めることで、UCLを測定していない方の耳の測定点や、UCLを測定していない周波数の測定点のUCL値を、HTL値から高精度に推定できることを確認した。
(実験方法の説明)
補聴器の利用を開始しようとする難聴者34名(男性17名、女性17名、27−88歳、平均71.9歳)に対してHTLとUCLに関する聴覚特性を測定する実験を行った。インフォームドコンセントを実施し、実験参加の同意を得た。
HTLおよびUCLは、SPLオージオメータ(D2−36H、DANA JAPAN製)を用いて測定した。測定点は、右耳の250Hz、右耳の500Hz、右耳の1kHz、右耳の2kHz、右耳の4kHz、左耳の250Hz、左耳の500Hz、左耳の1kHz、左耳の2kHz、左耳の4kHzとした。HTLとUCLは測定点ごとに測定した。
SPLオージオメータの出力音圧の上限は120dBSPLであった。音刺激として連続音(途切れや休止のない連続した音)を用いた。まずHTLを測定し、次にUCLを測定した。
HTLは、音刺激の音圧を順に上昇あるいは順に下降させながら測定点ごとに測定した。音が聞こえている間は挙手をさせ、音が聞こえ始める最小の音圧を測定点ごとのHTLとして記録した。UCLは上昇法で測定点ごとに測定した。うるさくて聞いていられないと感じた場合に挙手をさせ、測定点ごとのUCLとして記録した。
以下、実験の結果を述べる。SPLオージオメータの出力音圧の上限である120dBSPL以下の範囲において、HTLまたはUCLが測定できなかった場合は、分析の対象から除外した。
図1は、全ての参加者の周波数ごとのHTLのヒストグラムを示す。図1に示すヒストグラムは、参加者の左耳及び右耳の測定結果を含む。
HTLの平均値±標準偏差は、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHzで、それぞれ、72.7±16.5dBSPL、64.6±15.0dBSPL、61.4±15.6dBSPL、70.4±15.8dBSPL、73.6±19.5dBSPLであった。
図2は、全ての参加者の周波数ごとのUCLのヒストグラムを示す。図2に示すヒストグラムは、参加者の左耳及び右耳の測定結果を含む。UCLの平均値±標準偏差は、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHzでそれぞれ、102.4±11.9dBSPL、99.2±12.3dBSPL、96.3±12.1dBSPL、100.0±11.5dBSPL、101.4±11.8dBSPLであった。
図3に、周波数ごとのHTLとUCLの測定結果の分布を丸印で示す。図3に示す分布は、参加者の左耳及び右耳の測定結果を含む。横軸はHTL、縦軸はUCLで、いずれも単位はdBSPLである。左側から、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHzの結果をそれぞれ示した。また、各格子点に該当した度数を丸印の大きさで示した。
図3より、特にHTLが80dBSPL以下の場合には、同じHTL値であってもUCL値が大きくばらついていることが分かる。同一周波数でかつ同一HTL値におけるUCL値の差の最大値は、50dBであった。これは、「うるさすぎて我慢できない」と感じる音圧は、個人ごとに大きく異なり、HTLからUCLを一律の計算で推定することが難しいことを示している。
また、図3中に、HTLおよびUCLの測定結果と合わせて、Pascoe、 D.P. (1988). (Clinical measurements of the auditory dynamic range and their relation to formulas for hearing aid gain. In Jensen. H. 1. (Ed.) Hearing Aid Fitting: Theoretical and Practical Views 13th Danavox Symposium. Copenhagen: Stougaard.)で報告された、HTLごとのUCL値を、dBSPLの単位に変換し太線で示した。太線と丸印の関係から、ほとんどの参加者のUCL値は、従来研究で報告されたUCL値よりも小さいことが分かる。これらをまとめると、全ての参加者において共通の基準でHTLからUCLを求めることは難しいといえる。
本発明者らは、参加者ごとのdBSPL単位で測定したHTLとUCLの関係に着目した。そして、参加者ごとであれば、測定点(左右耳と周波数)の違いによらず、HTLとUCLの関係が線形近似できることを発見した。この発見は、HTLの異なる2つ以上の測定点(たとえば、右耳の1kHzと左耳の2kHz)においてUCLを測定すれば、HTLのみを測定したそれ以外の測定点(たとえば右耳の250、500、2k、4kHzおよび左耳の250、500、1k、4kHz)におけるUCLが推定できることを示している。この発見に基づき、ユーザにとって負担の大きいUCL測定の測定点の数が削減できる。たとえば、左右耳でHTLが異なる場合では、難聴の程度が軽い側の耳のみUCLを測定すれば、難聴の耳が重い側の耳においてUCLを測定しなくてもHTLからUCLを推定することも可能になる。
図4A〜図4Dに、本発明者らの聴覚特性測定実験で、HTLとUCLが測定できた(120dBSPL以下であった)全ての測定点におけるHTLとUCLの分布を参加者ごとに示す。図3と同様に、横軸はHTL、縦軸はUCLで、いずれも単位はdBSPLである。右耳の結果を白丸、左耳の結果を黒丸で示した。また、それぞれのグラフに、HTLとUCLを近似する線形近似直線を示した。線形近似直線は、HTLとUCLが測定できた測定値を用い、参加者ごとに最小二乗法で求めた。図4A〜図4Dに示されるように、線形近似によって測定点ごとのHTLとUCLがよく近似できていることが分かる。たとえば、図4Bに示した参加者05や参加者15は左右耳で聴力が大きく異なるが、それでもうまく近似できている。これは、測定点ごとのHTL値と、線形近似直線の傾きと切片が分かれば、HTL値に基づいてUCLを推定できることを示している。
図5に参加者ごとの線形近似直線の傾きと切片の分布を示す。80%以上の参加者において、傾きは0.2以上1以下、切片は20dBSPL以上100dBSPL以下であった。なお、参加者25(図4C)は、全ての測定点においてUCLが測定できなかった。
図6に、測定点ごとのHTL値と線形近似直線から推定した推定UCLと、実際に測定したUCLとの平均誤差を参加者ごとに示す。全体の平均誤差は、3.20dBSPLであった。オージオメータの最小目盛りが5dBであることを考慮すると、線形近似により高精度にUCLが推定できるといえる。
図7に、線形近似直線を求める際に利用した測定点の数と、測定点の数ごとの平均推定誤差の関係を示した。図7の横軸は線形近似直線を求める際に利用した測定点の数、縦軸は測定点の数ごとの平均誤差である。測定点数ごとの平均誤差は、それぞれの測定点数において、HTLの値が2種類以上となる測定点の組み合わせを全て抽出し、それぞれの組合せごとに線形近似直線を算出して全ての測定点に対してUCLを推定し、実測したUCLとの平均誤差を平均して求めた。図7から、測定点の数が2の場合でも、平均推定誤差は7dB以下であり、ある程度の精度でUCLを推定できるといえる。また、測定点の数が6以下の場合には、測定点の数が増えるほど平均誤差が低減するが、測定点の数が6より多い場合には、平均誤差に大差がないことが分かる。
以上、本願発明者らが実施した実験により、難聴者ごとのHTLとUCLは、測定点によらず、比例関係(線形近似できる関係)があることが明らかになった。また、HTLが異なる少なくとも2つの測定点で実測したUCL値を用いて、HTLのみを測定したそれ以外の測定点におけるUCLを近似式から推定できることが分かった。具体的には、UCLを求めたい測定点においてあらかじめHTLを測定し、その中からHTL値が異なる2つの測定点を選択する。選択した測定点でのみUCLを実測して線形近似直線を求め、それ以外の測定点のHTLを代入することで、UCLを測定していない測定点を含めてUCLを推定できる。これにより、ユーザがうるさい思いをしない補聴器フィッティングを簡易に実現できる。
(実施形態1)
以下では、まず、不快音圧推定システムの概要を説明する。その後、不快音圧推定装置を含む不快音圧推定システムの構成および動作を説明する。
図8Aは、本実施形態による不快音圧推定システム100の機能ブロックの構成を示す。不快音圧推定システム100は、HTL入力部10と、UCL測定部11と、不快音圧推定装置1と、結果蓄積DB80とを備える。
図8Aに示す不快音圧推定装置1は、UCL測定点決定部30と、近似式算出部31と、近似式取得部32と、UCL推定部33とを備えている。不快音圧推定装置1は、UCL測定点決定部30と、近似式算出部31と、UCL推定部33とを少なくとも備えていればよい。
不快音圧推定装置1は、HTL入力部10、UCL測定部11、および、結果蓄積DB80と、有線又は無線で接続されており、情報を送受信する。
<利用環境>
図9は、本実施形態による不快音圧推定システムの構成および利用環境を示す。図9に示す不快音圧推定システムは、図8Aに示す実施形態1の不快音圧推定システム100のシステム構成に対応する。
不快音圧推定システムは、不快音圧推定装置1と、HTL入力部10と、UCL測定部11とを備えている。
図9に示す不快音圧推定装置1及びUCL測定部11は、一つの筐体に含まれている。不快音圧推定装置1は、HTL入力部10と無線で接続されており、情報を送受信している。HTL入力部10は、例えば、タブレット型端末上で実行されるアプリケーションソフトウエアによって実現されていても良い。また、結果蓄積DB80は、上記の端末が備える記憶装置に蓄積されるものであって良い。
ユーザはHTL入力部10に測定点ごとのHTLを入力する。HTL入力部10は入力されたHTLを受け取り、不快音圧推定装置1に送信する。不快音圧推定装置1は、HTL入力部10で入力されたHTLと、UCL測定部11で測定したUCLとの関係を用いて、所定の基準を算出する。不快音圧推定装置1は、さらに、所定の基準を参照して、HTL入力部10に入力されたHTLを用いて、UCLを推定する。このように、本実施形態の不快音圧推定装置1は、実測したHTLとUCLとから求められる、HTLとUCLとの関係を表す所定の基準(参照式)を用いて、HTLのみが測定された測定点におけるUCLを推定する。以下、各構成要素を説明する。
<HTL入力部10>
HTL入力部10は、測定点ごとに、ユーザのHTLの入力を受け付ける。たとえば、あらかじめ計測した左耳及び右耳、かつ、音の周波数ごとのHTLを入力する。
HTLは、例えば、ユーザの左耳又は右耳と、音の周波数とに対応付けられた情報である。また、片側の耳だけの聴覚特性を測定する場合には、HTLは、音の周波数に対応付けられた情報であってもよい。HTLの単位はdBSPLとすることが望ましい。
本実施形態における測定点は、たとえば、右耳の250Hz、右耳の500Hz、右耳の1kHz、右耳の2kHz、右耳の4kHz、左耳の250Hz、左耳の500Hz、左耳の1kHz、左耳の2kHz、左耳の4kHzとしてもよい。また、補聴器で調整可能な全ての周波数としてもよい。なお、HTLに関しては原則として全ての測定点において測定するものとするが、近い周波数におけるHTL値から補完的に求めてもよい。たとえば、測定点として1.5kHzを設定し、実際に測定した右耳の1kHzおよび2kHzのHTLの平均値を1.5HzにおけるHTLとして用いてもよい。そのような改変例は、本発明の範疇である。
<UCL測定点決定部30>
UCL測定点決定部30は、HTL入力部10から、ユーザの測定点ごとのHTLを受け取る。UCL測定点決定部30は、受け取ったHTLのうち異なる値を有する複数のHTLを選択し、選択した複数のHTLに対応するUCL測定点(UCLを実測する測定点)を決定する。UCL測定点決定部30は、決定したUCL測定点の情報をUCL測定部11に送付する。また、UCL測定点決定部30は、決定した測定点におけるHTLを近似式算出部31に送付する。
UCLを実測する測定点としては、HTL値が2種類以上となる複数の測定点を選択する必要がある。つまり、UCL測定点決定部30で決定する、UCLを実測する複数の測定点におけるHTLの値が全て同じ値であってはならない。
HTL入力部10から受け取った測定点ごとのHTLが3種類以上の値を有する場合、測定点に所定の優先順位をつけて、優先順位の高い測定点から順に選択してもよい。具体的には、会話の聞き取りに重要とされる1kHzに近い周波数(例えば、0.9kHz以上1.1kHz以下の範囲に属する周波数)の測定点ほど優先順位を高く設定してもよい。
このように選択することで、少なくとも優先順位の高い測定点においては実測したUCL値を用いた補聴器フィッティングが実現できる。また、たとえば、所定の音圧範囲に含まれないはずれ値を除いて、入力された測定点ごとのHTLから、HTLの差が大きい2つの測定点を設定してもよい。このように決定することで、線形近似直線における傾きおよび切片の誤差が低減し、UCLの推定精度を向上させることができる。
また、たとえば左右の耳で難聴の程度が所定以上大きく異なる場合(例えば、左右の耳で、HTLに20dBSPL以上の差がある場合)には、難聴の程度が軽い(HTL値が小さい)側の耳からUCL測定点を選択してもよい。図4Bに示した参加者05および参加者15の結果から、難聴の程度が軽い側の耳のUCL値は、難聴の程度が重い側の耳のUCLと比較して小さい場合が多いといえる。このようにUCLを実測する測定点を良聴耳から選択することで、UCLの実測においてユーザは大きな音を聞くことなく難聴耳を含めた両耳のUCLが推定できる。
このようにして、UCL測定点決定部30は、例えば、HTL入力部10から受けた左右耳・周波数ごとのHTLに基づいて、UCLを実測する2つ以上の測定点と、UCLを実測せず推定により求める測定点とを決定することができる。後述するUCL推定部33は、UCL測定部11で測定しなかった測定点におけるUCLを推定することができる。
<UCL測定部11>
UCL測定部11は、決定された測定点におけるUCLを測定する。UCL測定のために、たとえば、UCL測定部11に含まれる出力部から、所定の音圧範囲において、決定した測定点に関する音刺激をユーザに出力する。音刺激は、連続音(途切れや休止がなく連続的な音)としてもよいし、断続音(500ms呈示、500ms休止のように途切れた音)としてもよい。また、音の音圧が段階的に大きくなるような上昇法で、音刺激を出力しても良い。測定されたUCLは、不快音圧推定装置1に送付される。
<近似式算出部31>
近似式算出部31は、UCL測定点決定部30から受けた測定点ごとのHTLと、UCL測定部11から受けた測定点ごとのUCLとに基づいて、ユーザごとのHTL及びUCLの聴覚特性に関する所定の基準を算出する。本実施形態において、所定の基準とは、HTLとUCLとの比例関係の情報である。具体的には、測定点ごとのHTLの差に対するUCLの変化量の比例関係である。たとえば、図4Aから図4Dに示すように、HTLとUCLとの比例関係を規定する一次関数(変数の次数が1の式)である。なお、所定の基準は、一次関数の係数である必要は無く、おおよそ線形で近似される多項式であっても良い。
所定の基準の一例は、HTLとUCLの分布を線形近似する近似式である。近似式の算出は、たとえば最小二乗法を用いて行ってもよい。近似式算出部31は、近似式取得部32に、求めた所定の基準(たとえば、近似式や近似式の係数(傾きや切片))を送付する。
<近似式取得部32>
近似式取得部32は、近似式算出部31が算出した所定の基準を取得する。
図8Bに示すように、近似式取得部32は、近似係数比較部321と、近似式蓄積DB322とを備えても良い。この場合、たとえば、近似係数比較部321は、所定の基準として、近似式の係数を取得し、あらかじめ記憶した所定の範囲と取得した近似式の係数とを比較する。
近似式の係数が所定の範囲を超えた場合に、近似係数比較部321は、UCL測定点決定部30にその情報を送付し、近似式の係数が所定の範囲内の場合にUCL推定部33に近似式の係数を送付してもよい。所定の範囲は、たとえば近似式の傾きが0.2以上1以下、切片が20dBSPL以上100dBSPL以下としてもよい。UCL測定点決定部30は、近似係数比較部321から近似式の係数が所定の範囲を超えたかどうかの情報を受け、超えた場合には、上述の基準でUCLを実測する測定点を少なくとも一つ追加する。
例えば、近似式算出部31は、新たに追加した測定点のUCLと、初めに決定した測定点のUCLとを用いて、近似式を算出する。または、近似式算出部31は、新たに追加した複数の測定点のUCLを用いて、近似式を算出する。近似係数比較部321は、近似式蓄積DB322に所定の基準を蓄積する。なお、近似式取得部32は、近似式算出部31が算出した所定の基準をUCL推定部33に送付するだけでも良い。この場合には、近似式取得部32は省略することも可能である。
<UCL推定部33>
UCL推定部33は、HTL入力部10から測定点ごとのHTLを受け取り、近似式取得部32からUCLを実測した測定点におけるUCL値と、所定の基準とを受け取る。所定の基準の一例は、近似式の傾き及び切片である。
UCL推定部33は、所定の基準を参照して、HTL入力部10から受け取った測定点ごとにUCLを推定する。たとえば、UCL推定部33は、測定点ごとのHTL値を近似式に代入し、測定点ごとのUCLを求める。求めた測定点ごとのUCLを結果蓄積DB80に送付する。なお、UCLを実測した測定点については、近似式取得部32から受けた実測したUCLと、近似式から推定したUCLの両方を送付してもよい。前者と後者は、UCL測定点決定部30において3つ以上の測定点を選択した場合に値が異なる。
また、UCL推定部33は、近似式から推定されたUCLを、実測のUCLに基づいて補正するように構成されていてもよい。例えば、会話の聞き取りに重要とされる1kHz近傍の周波数において実測のUCLを用いたい場合、当該周波数における推定UCLと実測UCLとの差分が0となるように近似式の切片を補正し、これにより、各測定点での推定UCLの値が補正されるように構成されていてもよい。
<結果蓄積DB80>
結果蓄積DB80は、UCL推定部33から受け取った測定点ごとのHTLおよびUCLを蓄積する。たとえば、蓄積する情報の例は、左右耳、周波数で決定される測定点ごとのHTLおよびUCLである。図10は、結果蓄積DB80におけるデータ蓄積の例である。測定点ごとにHTLと、UCLの実測値および推定値を蓄積する場合を例示している。HTLの値が同じ場合(図10でたとえば、右耳1kHzで75dBと、左耳4kHzで75dBの場合)には、推定したUCLの値は同一(98.09dB)になる。
<不快音圧推定システム100の処理>
次に、図11Aを参照しながら、図8Aの不快音圧推定システム100の処理手順を説明する。図11Aは、不快音圧推定システム100の処理の手順を示すフローチャートである。
<ステップS101>
HTL入力部10は、測定点ごとに実測されたユーザのHTLを受け付ける。入力されたHTLは、音の周波数または耳の左右が異なる各測定点と対応付けられている。たとえば、あらかじめ計測したユーザの左耳及び右耳ごと、かつ周波数ごとのdBSPL単位のHTLである。受け付けた測定点ごとのHTLは、少なくとも異なる値を有するHTLを含む。HTL入力部10は、受け付けたHTLの情報を、UCL測定点決定部30に送付する。「測定点」とは、少なくとも音の周波数を含む情報であり、ユーザの左耳及び右耳と音の周波数とを含んでも良い。
<ステップS102>
UCL測定点決定部30は、HTL入力部10からユーザの測定点ごとのHTLを受け取る。UCL測定点決定部30は、受け取ったHTLから、HTLの値が異なる2以上の測定点を決定し、UCL測定部11に送付する。また、UCL測定点決定部30は、決定した測定点におけるHTLを近似式算出部31に送付する。
<ステップS103>
UCL測定部11は、UCL測定点決定部30で決定された測定点におけるUCLを測定する。UCL測定部11は、ユーザがうるさすぎてこれ以上聞き続けられないと感じる音圧をUCLとして測定する。また、実測した測定点ごとのUCLを近似式算出部31に送付する。
<ステップS104>
近似式算出部31は、UCL測定点決定部30から受けた測定点ごとのHTLおよび、UCL測定部11から受けた測定点ごとのUCLを受け付ける。近似式算出部31は、受け取ったHTL値及びUCL値に基づいて、HTLとUCLの分布を線形近似する近似式を算出する。線形近似による近似式は、所定の基準の一例である。図11Cに近似式の一例を示す。図11Cは、縦軸はUCLであり、横軸はHTLを示す。UCL測定点決定部30から受けた実測値A及び実測値Bに対応するHTL値を受け取り、UCL測定部11から実測値A及び実測値Bに対応するUCL値を受け取る。近似式算出部31は、受け取ったHTL値及びUCL値に基づいて、図11Cに点線で示す近似式を算出する。
近似式の算出は、たとえば最小二乗法を用いてもよい。近似式算出部31は、近似式取得部32に求めた近似式の係数を送付する。
<ステップS105>
近似式取得部32に含まれる近似係数比較部321は、近似式算出部31から受けた近似式の係数が、あらかじめ記憶した所定の値の範囲内であったか否かを判定する。
近似式の係数が所定の範囲を超えた場合(ステップS105でNo)は、ステップS106に進み、UCL測定点決定部30に、UCLを実測する測定点を追加するように指示する。
近似式の係数が所定の範囲内の場合(ステップS105でYes)はステップS107へ進み、近似式取得部32に含まれる近似式蓄積DB322に、所定の範囲に含まれる係数を有する近似式を蓄積する。所定の範囲は、たとえば近似式の傾きが0.2以上1以下、切片が20dBSPL以上100dBSPL以下としてもよい。
<ステップS106>
近似式取得部32に含まれる近似係数比較部321は、近似式の係数が所定の範囲を超えたことを、UCL測定点決定部30に送付する。UCL測定点決定部30は、ステップS102で決定したUCLの測定点とは異なる測定点を、追加のUCL測定点として決定する。
なお、UCL測定点決定部30は、S102で決定した測定点と同じ測定点を再度決定してもよい。一般的に、UCLの測定値はばらつくことが多く、予め保持する所定の範囲内の値ではない場合に、UCL測定点決定部30は、S102で決定した測定点と同じ測定点を決定し、同じ測定点におけるUCLを再度実測するようにしてもよい。
<ステップS107>
UCL推定部33は、HTL入力部10から測定点ごとのHTLを受け、近似式取得部32に含まれる近似式蓄積DB322から近似式の傾きと切片に関する係数を受ける。そして、HTL入力部10から受け取った測定点ごとのHTLを近似式に代入し、それぞれのUCLを求める。
具体的には、図11Cに示す推定値AのHTLを受け付け、点線で示すHTLとUCLとの比例関係の情報(近似式)を用いて、推定値AのUCLを推定する。例えば、HTLとUCLとの比例関係の情報を求めるときに用いたHTLと異なるHTLのUCLを推定する。
測定点ごとのHTLとUCLを結果蓄積DB80に送付する。なお、UCLを実測した測定点については、実測したUCLと近似式で求めたUCLの両方を送付してもよい。前者と後者は、UCL測定点決定部30において3つ以上の測定点を選択した場合に値が異なる。
<ステップS108>
結果蓄積DB80は、UCL推定部33から受けたUCL値を、測定点ごとに保存する。
本実施形態の不快音圧推定システム100によれば、HTLが異なる少なくとも2つの測定点に対してUCLを測定することにより、それ以外の測定点のUCLを高精度に推定できる。これにより、ユーザがうるさい思いをする回数が低減された補聴器フィッティングが実現できる。
<不快音圧推定装置1のハードウェア構成>
図15は、本実施形態による不快音圧推定装置1のハードウェア構成の一例を示す。
不快音圧推定装置1は、CPU150と、メモリ151と、オーディオコントローラ152とを備えている。CPU150と、メモリ151と、オーディオコントローラ152とは、互いにバス153で接続されており、相互にデータの送受が可能である。
CPU150は、メモリ151に格納されているコンピュータプログラム154を実行する。コンピュータプログラム154には、上述のフローチャートに示される処理手順が記述されている。不快音圧推定装置1は、このコンピュータプログラム154にしたがって、音刺激の生成、近似式の算出、UCL推定等の、不快音圧推定システム100の全体を制御する処理を行う。
オーディオコントローラ152は、CPU150の命令に従って、それぞれ、呈示すべき音刺激を指定された音圧で音刺激出力部(例えば、ヘッドフォンやスピーカ)を介して出力する。
なお、不快音圧推定装置1は、1つの半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP等のハードウェアとして実現されてもよい。そのようなDSPは、1つの集積回路で上述のCPU150、メモリ151、オーディオコントローラ152の機能を全て実現することが可能である。
上述のコンピュータプログラム154は、CD−ROM等の記録媒体に記録されて製品として市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され得る。図15に示すハードウェアを備えた機器(たとえばPC)は、当該コンピュータプログラム154を読み込むことにより、本実施形態による不快音圧推定装置1として機能し得る。
不快音圧評価装置1の各機能ブロックは、それぞれ、図15に関連して説明したプログラムが実行されることによって、CPU150、メモリ151、オーディオコントローラ152によって全体としてその時々で実現される機能に対応している。
(実施形態1の変形例1)
図8Cに、本実施形態の変形例1による不快音圧推定システム101の機能ブロックの構成を示す。不快音圧推定システム101は、HTL入力部10と、UCL測定部11と、不快音圧推定装置102と、結果蓄積DB80とを備える。また、不快音圧推定装置102は、UCL測定点決定部30と、近似式算出部31と、近似式取得部320と、UCL推定部33とを備える。少なくとも、不快音圧推定装置102は、近似式取得部320とUCL推定部33とを含む不快音圧推定プロセッサ103を備える。近似式取得部320は、ユーザごとに対応付けられた所定の基準を取得する。
実施形態1に係る不快音圧推定システム100とは、近似式取得部32が異なること以外は同じである。近似式取得部320は、近似式算出部31が算出した所定の基準を取得し、UCL推定部33に送付する。実施形態1における近似式取得部32と異なり、近似式取得部320は、近似係数が所定の範囲内にあるか否かの判定を行わない。または、近似式取得部32を省略し、近似式算出部31で算出した所定の基準を直接UCL推定部33に送付しても良い。
次に、図11Bを参照しながら、図8Cの不快音圧推定システム101の処理手順を説明する。図11Bは、不快音圧推定システム101の処理の手順を示すフローチャートである。図11Aに示す不快音圧推定システム100のフローチャートの処理からステップS105及びステップS106の処理を行わないこと以外は、ほぼ同様であるので、簡易に説明する。
<ステップS101>
HTL入力部10は、ユーザの測定点ごとのHTLを受け付ける。このとき、少なくとも2つの測定点において、HTLが互いに異なっている。HTL入力部10は、受け付けたHTLの情報を、UCL測定点決定部30に送付する。
<ステップS102>
UCL測定点決定部30は、HTL入力部10から測定点ごとのHTLを受け付ける。UCL測定点決定部30は、受け付けたHTLから、HTLの値が異なる少なくとも2つの測定点をUCL測定点として決定し、UCL測定部11に送付する。UCL測定点決定部30は、決定した測定点におけるHTLを近似式算出部31に送付する。
<ステップS103>
UCL測定部11は、UCL測定点決定部30で決定された測定点におけるUCLを測定する。測定点ごとのUCLを近似式算出部31に送付する。
<ステップS104>
近似式算出部31は、UCL測定点決定部30から受けた測定点ごとのHTLと、UCL測定部11から受けたUCLを実測した測定点におけるUCLとを用いて、HTL及びUCLに関する所定の基準を算出する。所定の基準とは、例えば、HTLとUCLと比例関係の情報である。好ましくは、所定の基準をユーザと対応付けておく。
<ステップS107>
不快音圧推定プロセッサ103に含まれるUCL推定部33は、HTL入力部10から測定点ごとのHTLを受け取り、近似式算出部31から所定の基準を受け取る。ここで、近似式算出部31から出力された所定の基準は、近似式取得部320において所定の範囲内にあるかどうかの判定にかけられることなく、そのままUCL推定部33へと出力される。なお、近似式取得部320は設けられていなくても良いが、ここでは、不快音圧推定プロセッサ103において近似式算出部31から近似式を受け取る構成要素として近似式取得部320を記載している。UCL推定部33は、所定の基準を参照して、受け取った測定点ごとUCLを推定する。
<ステップS108>
結果蓄積DB80は、UCL推定部33から受けたUCLを、測定点ごとに保存する。
(実施形態2)
実施形態2の不快音圧推定システム200は、一般的にユーザがうるさいと感じない音圧の連発音に対する脳波反応から測定点におけるユーザのUCLを測定する。そして、脳波反応から測定したUCLに基づいて近似式を算出し、HTLのみを測定し脳波でUCLを測定しなかった測定点におけるUCLを推定する。
図12は、本実施形態による不快音圧推定システム200の機能ブロックの構成を示す。不快音圧推定システム200は、HTL入力部10と、UCL脳波測定部20と、不快音圧推定装置2とを備えている。不快音圧推定装置2は、UCL脳波測定点決定部40と、近似式算出部31と、近似式取得部32と、UCL推定部33と、結果蓄積DB80とを備えている。不快音圧推定装置2は、HTL入力部10、UCL脳波測定部20と有線又は無線で接続されている。
本実施形態の不快音圧推定システム200は、実施形態1のUCL測定部11に代えてUCL脳波測定部20を備えている。また、本実施形態の不快音圧推定装置2が、実施形態1による不快音圧推定装置1との相違する点は、UCL測定点決定部30に代えて、UCL脳波測定点決定部40を設けた点にある。その他の構成要素については、実施形態1の不快音圧推定システム100と同様であるので、図12において同じ参照符号を付すとともに、ここでは詳細な説明を省略する。
以下、UCL脳波測定点決定部40および、UCL脳波測定部20を説明する。
<UCL脳波測定点決定部40>
UCL脳波測定点決定部40は、実施形態1のUCL測定点決定部30と同様に、HTL入力部10からユーザの測定点ごとのHTLを受ける。そして、UCL脳波測定部20で測定するUCLの測定点を決定し、UCL脳波測定部20に送付する。また、UCL脳波測定点決定部40は、決定した測定点におけるHTLを近似式算出部31に送付する。
UCL脳波測定点決定部40におけるUCL脳波測定の測定点の選択では、実施例1のUCL測定点決定部30における選択条件に以下の2条件を追加する。(1)UCL脳波測定の際に呈示する音刺激の最小の音圧が聞こえる測定点を選択する。たとえば、呈示する音刺激の最小の音圧が70dBHLの場合、HTLが70dBHLよりも小さい測定点の中からUCL測定点を選択する。(2)同じ周波数の音刺激を繰り返し呈示することによって脳波に生じる慣れの影響を低減するために、異なる周波数の測定点を選択する。
加えて、UCL脳波測定点決定部40は、近似式取得部32から近似式の係数が所定の範囲を超えたかどうかの情報を受け、超えた場合に、上述の基準でUCL脳波測定の測定点を2つ追加する。実施例1のUCL測定点決定部30では、追加する測定点は1つであったが、上述の脳波の慣れの影響を低減するために、UCL脳波測定点決定部40では周波数の異なる2つの測定点を追加することが好ましい。
なお、非特許文献2に記載のように、脳波を指標に測定したUCLには平均で5dB程度の誤差が含まれる。その要因の一つに、脳波に混入したノイズの影響で正しい推定ができない場合があることが挙げられる。そこで、UCL脳波測定点決定部40においてUCLの測定点を追加する場合に、UCL脳波測定部20で測定した測定点を再度選択してもよい。再選択した場合には、過去の結果の続きとして事象関連電位を加算平均してもよい。それによって、脳波のS/Nが向上し、UCL脳波測定の精度が高くなる。
UCL脳波測定部20は、UCL脳波測定点決定部40で決定された測定点におけるUCLを、ユーザの脳波反応に基づいて測定する。測定したUCLを近似式算出部31に送付する。
図13に、UCL脳波測定部20の詳細構成を示す。UCL脳波測定部20は、音刺激群決定部21と、音刺激生成部22と、音刺激出力部23と、生体信号計測部24と、事象関連電位特徴量抽出部25と、UCL判定部26とを備えている。
音刺激群決定部21は、UCL脳波測定点決定部40から測定点の情報を受け取り、ユーザに呈示する複数の音刺激の情報を決定する。複数の音刺激を音刺激群とも表記する。音刺激群の情報は、音刺激群内の音刺激の音圧、音刺激群内の音刺激の持続時間、複数の音刺激間の間隔を含む。
音刺激群は、例えば、連続して呈示される第1音、第2音および第3音を音刺激として含む。また、第1音、第2音および第3音の音圧は漸減するように設定されていてよい。音刺激群内の音刺激の音圧は、一般的にUCLとされるよりも小さい音圧範囲で、たとえば80dBHL、75dBHL、70dBHLのように決定する。
音刺激群の呈示耳および周波数は、たとえば次の制約に基づいてランダムに決定してもよい。直前の音刺激群と同じ周波数の音刺激群は選択しない。音刺激を呈示する耳の左右はランダムな順序で選択することが望ましい。ただし、左右どちらか一方の耳のみに、音刺激群の呈示を4回以上連続させないことが好ましい。こうすることで、同一耳および同一周波数の音刺激群の連続呈示による脳波の慣れ(habituation)の影響が低減し、高精度なUCL判定が実現できる。音刺激の持続時間は、聴覚誘発電位が安定して惹起されるよう、たとえば25ms以上に設定する。また、刺激間間隔は、音刺激の持続時間以上で1秒以下の時間に設定する。たとえば、300msとしてもよいし、200msとしてもよい。音刺激群決定部21は、決定した音刺激の情報を音刺激生成部22に送付する。
音刺激生成部22は、音刺激群決定部21から受けた、音刺激群の呈示耳および周波数、音刺激群内の音刺激の持続時間、刺激間間隔および音圧の情報に基づいて音刺激データを生成する。各音刺激は、たとえば立ち上がりおよび立下りが3msのトーンバースト音とする。
生成された音刺激データに従って、音刺激出力部23は、ユーザに音刺激を出力する。また、音刺激を出力したタイミングで、音刺激生成部22は、生体信号計測部24にトリガ信号を出力する。なお、音刺激生成部22は、音刺激出力部23に生成した音刺激データを送付するだけでも良い。
音刺激データは、たとえば、一つの音刺激群に対して、所定の時間間隔で音圧変化のある複数の音刺激を含む音刺激データを一つだけ作成してもよい。その場合、生体信号計測部24に送付するトリガ信号は、第1音の呈示タイミングだけでもよい。
音刺激出力部23は、ユーザに音刺激を出力する。音刺激生成部22で生成された音刺激データを音刺激として、ユーザに呈示する。音刺激出力部23は、左右それぞれの耳に音刺激生成部22で生成された音刺激を可能な限り正しく出力することが好ましい。たとえば、音刺激出力部23は、周波数特性に歪みが小さいヘッドフォンであってもよいし、スピーカであってもよい。音刺激出力部23は、出力部とも表記する。
生体信号計測部24は、少なくとも2つの電極Aおよび電極Bと接続されている。たとえば、電極Aはユーザのマストイド(図16(b)においてRefとして示す位置)に貼り付けられ、電極Bはユーザの頭皮上の中心部(いわゆるCz)に貼り付けられている。生体信号計測部24は、電極Aと電極Bとの電位差に対応するユーザの脳波を計測する。例えば、図16(a)に示す国際10−20法に基づいて装着した電極を用いて、脳波を計測する。
なお、脳波測定は、より多くの電極を用いて行われても良く、例えば、図16(b)に示すように、丸付き数字1〜5の電極位置に装着したアクティブ電極と、マストイドに装着した基準電極との電位差を脳波として計測することができる。また、瞬目および眼球運動によって、脳波に混入する眼電ノイズを測定するために、右目の上および右目の右の位置(図16(b)において丸付き数字6および7で示す位置)に電極を配置してもよい。
生体信号計測部24は、ユーザの生体信号を計測する脳波計である。ユーザには、少なくとも探査電極及び基準電極を装着させる。生体信号計測部24は、生体信号として、探査電極及び基準電極の電位差に相当する脳波を計測する。脳波データに対して、適切な遮断周波数の周波数フィルタリングを行っても良い。生体信号計測部24は、計測した脳波またはフィルタリングした脳波を事象関連電位特徴量抽出部25に送付する。以下、計測した脳波またはフィルタリングした脳波を、脳波データとも表記する。
周波数フィルタとして、バンドパスフィルタを用いる場合は、たとえば1Hzから20Hzまでを通過させるように遮断周波数を設定してもよい。ユーザはあらかじめ脳波計を装着しているものとする。
事象関連電位特徴量抽出部25は、生体信号計測部24から受けた脳波およびトリガ情報に基づき、トリガ情報を起点に所定区間(たとえば第1音呈示前100msから第3音呈示後400msの区間)の事象関連電位を切り出し、音刺激群決定部21から受けた音刺激群の内容に応じて、第1音から第3音に対する時間周波数成分に対応するウェーブレット係数に関する特徴量をそれぞれ算出する。
ウェーブレット係数に関する特徴量は、音刺激に対する脳波反応(事象関連電位)の時間周波数成分に対応するものであり、これを用いて不快音圧を判定することができる。ウェーブレット係数に関する特徴量から不快音圧を推定する技術は、本出願人による国際公開第2013/057929号に開示されている。ウェーブレット係数に関する特徴量は、例えば、切り出された事象関連電位に対して、連続ウェーブレット変換を実施し、時間ごと周波数ごとのウェーブレット係数を求めることによって得られる。マザーウェーブレットとしては、例えば、メキシカンハット関数(ψ(t)=(1−t^2)exp(−t^2/2))を用いることができる。ただし、ウェーブレット変換は、事象関連電位の時間周波数成分を求める一つの方法であり、ウェーブレット変換に限られず、たとえば短時間フーリエ変換を実施することによって時間周波数成分を求めてもよい。
算出した特徴量と、音刺激群の情報(左右耳、周波数、音圧等)を、UCL判定部26に送付する。ウェーブレット係数に関する特徴量は、たとえば周波数軸および時間軸それぞれについて所定範囲で分割し、分割された範囲について得られた特徴量を平均した値としてもよい。たとえば、周波数軸では2.5Hzから125Hzを9分割するように平均してもよいし、時間軸では50msの時間幅で平均してもよい。たとえば、P2成分として、音刺激の呈示から潜時300ms以下の時間範囲の生体信号を用いても良い。上記の所定範囲を規定するための周波数軸および時間軸の幅は、UCLが推定できる範囲において、細かくしてもよいし、粗くしてもよい。
たとえば、N1成分の事象関連電位は、聴覚刺激の後、50ms以上150ms以下の時間範囲の陰性成分の生体信号としても良い。たとえば、P2成分の事象関連電位は、聴覚刺激の後、150ms以上250ms以下の時間範囲の陽性成分の生体信号としても良い。
UCL判定部26は、事象関連電位特徴量抽出部25が抽出した第1音、第2音、及び第3音の特徴量と、予め特徴量とUCLの値とを対応付けた所定の基準を参照して、測定点ごとのユーザのUCLを判定する。
具体的には、UCL判定部26は、事象関連電位特徴量抽出部25から受けた、第1音から第3音それぞれのウェーブレット係数に関する特徴量からUCLを判定する。UCL判定部26では、あらかじめ用意したウェーブレット特徴量と所定の基準とを利用して、線形判別を実施する。
所定の基準とは、予め特徴量とUCLの値とを対応付けた情報を意味する。所定の基準は、ウェーブレット特徴量とUCLとを対応付けた表であっても良いし、所定の式であっても良い。UCL判定部26は、予め所定の基準を保持する。
所定の基準とは、たとえば、UCL値の教師データである。教師データは、少なくとも2人以上の他者に対して、あらかじめ主観報告によって測定したUCLと、脳波計測によって測定したウェーブレット特徴量から生成する。教師データは、ユーザの難聴の症状に合わせて切り替えてもよい。たとえば伝音性難聴と感音性難聴のような大きな分類でそれぞれ教師データを用意し、切り替えてもよい。また、低音漸傾型や高音漸傾型などのオージオグラムのパターンごとに教師データを用意し、切り替えてもよい。UCL判定部26は、判定したUCLを近似式算出部31に送付する。
<不快音圧推定システム200の処理>
次に、図14を参照しながら図12の不快音圧推定システム200において行われる処理手順を説明する。図14は、不快音圧推定システム200において行われる処理の手順を示すフローチャートである。図11Aに示した不快音圧推定システム100と同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態による不快音圧推定システム200の処理が、実施形態1による不快音圧推定システム100と相違する点は、音刺激に対する脳波反応を指標としたUCL測定に関するステップS201からステップS203を含む点である。
ステップS201において、UCL脳波測定点決定部40は、実施形態1のUCL測定点決定部30と同様に、HTL入力部10からユーザの測定点ごとのHTLを受け取る。そして、UCL脳波測定部20で測定するUCL脳波測定の測定点を決定し、UCL脳波測定部20に送付する。また、UCL脳波測定点決定部40は、決定した測定点におけるHTLを近似式算出部31に送付する。
UCL脳波測定点決定部40におけるUCL脳波測定の測定点の選択は、実施例1のUCL測定点決定部30における選択条件に以下の2条件を追加して行う。(1)脳波測定の際に呈示する音刺激の最小の音圧が聞こえる測定点を選択する。たとえば、呈示する音刺激の最小の音圧が70dBHLの場合、HTLが70dBHLよりも小さい測定点を選択する。(2)同じ周波数の音刺激を繰り返し呈示することによって脳波に生じる慣れの影響を低減するために、異なる周波数の測定点を選択する。
ステップS202において、UCL脳波測定部20は、UCL脳波測定点決定部40で決定された2つ以上の測定点におけるUCLを、ユーザの脳波反応に基づいて測定する。そして測定したUCLを近似式算出部31に送付する。
ステップS105において近似式取得部32(より具体的には、図8Bに示す近似係数比較部321)は、近似式の係数が所定の範囲を超えたことを、UCL脳波測定点決定部40に送付する場合がある。このときステップS203において、UCL脳波測定点決定部40は、UCL脳波測定の測定点として、周波数が異なる測定点を2つ以上追加する。
本実施形態の不快音圧推定システム200によれば、HTLおよび周波数が異なる少なくとも2つの測定点において、音刺激に対する脳波反応を指標にUCLを測定することにより、HTLのみを測定したそれ以外の測定点のUCLを高精度に推定できる。これにより、UCL測定時においてもユーザがうるさい思いをしない補聴器フィッティングが簡易に実現できる。
なお、実施形態1及び2の説明においては、測定点ごとに、HTL入力部10がHTLを受け付け、UCL測定点決定部30あるいはUCL脳波測定点決定部40がUCLを実際に測定する測定点を決定している。ただし、たとえばHTLを測定できた測定点が2つしかない場合には、測定点を決定しなくてもよい。また、たとえば左耳と右耳のHTLが同程度のユーザの場合や、補聴器を片耳だけに装用するユーザ場合には、左右どちらかの耳の聴覚特性が測定できればよいため、測定点として必ずしも右耳又は左耳の情報を含む必要はなく、少なくとも周波数の情報を含めばよい。
ある一態様に係る不快音圧推定システムは、複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を取得するHTL取得部と、不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を決定するUCL測定点決定部であって、前記少なくとも2つの測定点の各々は、取得した複数の最小可聴閾値のうち、少なくとも、第1最小可聴閾値に関する第1周波数、および、前記第1最小可聴閾値とは異なる大きさを有する第2最小可聴閾値に関する第2周波数を特定する、UCL測定点決定部と、決定した前記少なくとも2つの測定点における不快音圧を測定するUCL測定部と、前記UCL測定点決定部によって決定された前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、聴覚特性に関する所定の基準を算出する算出部と、前記所定の基準を参照して、前記HTL取得部において取得された、各最小可聴閾値に対応する周波数における不快音圧を推定するUCL推定部とを備える。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記算出部は、前記所定の基準として、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を示す情報を、前記決定した少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて算出し、前記UCL推定部は、前記比例関係に基づいて、前記決定した少なくとも2つの測定点以外の測定点における不快音圧を推定する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記算出部は、前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を示す近似直線を算出する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記近似直線の傾きと切片に関する係数が、予め保持する所定の範囲内か否かを判定する近似係数比較部をさらに備え、前記近似係数比較部が、前記傾きと前記切片の少なくともいずれかが所定の範囲外と判定した場合に、前記UCL測定点決定部は、前記決定した前記少なくとも2つの測定点と異なる新たな測定点を、前記不快音圧を測定するための測定点として追加し、前記算出部は、前記UCL測定部によって測定された、前記新たな測定点における最小可聴閾値および不快音圧をさらに用いて、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を算出する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記近似直線の傾きと切片に関する係数が、予め保持する所定の範囲内か否かを判定する近似係数比較部をさらに備え、前記近似係数比較部が、前記傾きと前記切片の少なくともいずれかが所定の範囲外と判定した場合に、前記UCL測定部は、前記決定した測定点の不快音圧を再度測定し、前記算出部は、前記UCL測定点決定部で決定した複数の最小可聴閾値と、前記UCL測定部で再度測定した不快音圧を含む複数の不快音圧とを用いて、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を算出する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記傾きに関する所定の範囲は0.2以上1以下、前記切片に関する所定の範囲は20dBSPL以上100dBSPL以下である。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記UCL測定点決定部は、前記HTL取得部から受け付けた複数の最小可聴閾値のうち、0.9kHz以上1.1kHz以下の周波数と対応付けられている最小可聴閾値に対応する測定点を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として優先的に選択する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記UCL測定点決定部は、前記HTL取得部が取得した複数の最小可聴閾値のうち、所定以上の差を有する複数の最小可聴閾値を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として選択する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記HTL取得部は、前記測定点として、音の周波数に加えて、ユーザの左耳又は右耳に対応付けられた最小可聴閾値の情報を取得し、前記UCL測定点決定部は、前記測定点において、前記ユーザの左耳の最小可聴閾値と右耳の最小可聴閾値との差が予め定められた値以上の場合には、前記最小可聴閾値の値が小さい方の耳に対応づけられた測定点を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として選択する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記UCL測定部は、予め保持する所定の音圧以下の音刺激を呈示し、前記音刺激に対する脳波反応の時間周波数成分を抽出し、前記時間周波数成分を判別して不快音圧を測定する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記UCL測定点決定部は、前記呈示される音刺激における最小の音圧以下の最小可聴閾値が示された測定点のうちから、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を選択する。
ある一態様に係るシステムにおいて、前記HTL取得部は、音の周波数及びユーザの左耳又は右耳のいずれであるかによって特定される測定点と対応付けられ、かつ、異なる値を有する複数の最小可聴閾値の情報を取得し、前記UCL測定点決定部は、前記受け付けた複数の最小可聴閾値のうち、異なる値を有する複数の最小可聴閾値を選択し、前記選択した複数の最小可聴閾値に対応する測定点を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として決定する。
ある一態様に係る不快音圧推定プロセッサは、上記の不快音圧推定システムに設けられる不快音圧推定プロセッサであって、前記算出部が算出した、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を示す情報を取得するように構成された近似式取得部と、前記HTL取得部が取得した前記複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を受け取り、前記比例関係を参照して、前記最小可聴閾値に対応する不快音圧を推定するUCL推定部とを備える。
ある一態様に係る不快音圧推定方法は、複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を取得するステップと、不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を決定するステップであって、前記取得した複数の最小可聴閾値のうち、少なくとも2つの互いに値が異なる最小可聴閾値のそれぞれに関連付けられた測定点を、不快音圧を測定するための測定点として決定するステップと、決定した前記少なくとも2つの測定点における不快音圧を測定するステップと、前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、聴覚特性に関する所定の基準を算出するステップと、前記所定の基準を参照して、前記取得した複数の最小可聴閾値から、前記少なくとも2つの測定点以外の測定点における不快音圧を推定するステップとを包含する。
ある一態様に係るコンピュータプログラムは、不快音圧推定装置が備えるコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を取得するステップと、不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を決定するステップであって、前記取得した複数の最小可聴閾値のうち、少なくとも2つの互いに値が異なる最小可聴閾値のそれぞれに関連付けられた測定点を、不快音圧を測定するための測定点として決定するステップと、決定した前記少なくとも2つの測定点における不快音圧を測定するステップと、前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、聴覚特性に関する所定の基準を算出するステップと、前記所定の基準を参照して、前記取得した複数の最小可聴閾値から、前記少なくとも2つの測定点以外の測定点における不快音圧を推定するステップとを実行させる。
本開示による不快音圧推定システムの一態様によれば、HTLが異なる少なくとも2つの測定点に対してUCLを測定することにより、HTLのみを測定したそれ以外の測定点のUCLを高精度に推定できる。これにより、不快音圧推定におけるユーザの手間が格段に低減するとともに、ユーザがうるさい思いをしない補聴器フィッティングが実現できる。また、健聴者に対してもあらかじめ不快音圧を推定することで、テレビやステレオの音響装置における最大音量設定等にも応用可能である。
1、2、102 不快音圧推定装置
10 HTL入力部
11 UCL測定部
20 UCL脳波測定部
21 音刺激群決定部
22 音刺激生成部
23 音刺激出力部
24 生体信号計測部
25 事象関連電位特徴量抽出部
26 UCL判定部
30 UCL測定点決定部
31 近似式算出部
32、320 近似式取得部
321 近似係数比較部
322 近似式蓄積DB
33 UCL推定部
40 UCL脳波測定点決定部
80 結果蓄積DB
100、101、200 不快音圧推定システム

Claims (15)

  1. 複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を取得するHTL取得部と、
    不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を決定するUCL測定点決定部であって、前記少なくとも2つの測定点の各々は、取得した複数の最小可聴閾値のうち、少なくとも、第1最小可聴閾値に関する第1周波数、および、前記第1最小可聴閾値とは異なる大きさを有する第2最小可聴閾値に関する第2周波数を特定する、UCL測定点決定部と、
    決定した前記少なくとも2つの測定点における不快音圧を測定するUCL測定部と、
    前記UCL測定点決定部によって決定された前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、聴覚特性に関する所定の基準を算出する算出部と、
    前記所定の基準を参照して、前記HTL取得部において取得された、各最小可聴閾値に対応する周波数における不快音圧を推定するUCL推定部と
    を備えた、不快音圧推定システム。
  2. 前記算出部は、前記所定の基準として、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を示す情報を、前記決定した少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて算出し、
    前記UCL推定部は、前記比例関係に基づいて、前記決定した少なくとも2つの測定点以外の測定点における不快音圧を推定する、請求項1に記載の不快音圧推定システム。
  3. 前記算出部は、前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を示す近似直線を算出する、請求項2に記載の不快音圧推定システム。
  4. 前記近似直線の傾きと切片に関する係数が、予め保持する所定の範囲内か否かを判定する近似係数比較部をさらに備え、
    前記近似係数比較部が、前記傾きと前記切片の少なくともいずれかが所定の範囲外と判定した場合に、前記UCL測定点決定部は、前記決定した前記少なくとも2つの測定点と異なる新たな測定点を、前記不快音圧を測定するための測定点として追加し、
    前記算出部は、前記UCL測定部によって測定された、前記新たな測定点における最小可聴閾値および不快音圧をさらに用いて、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を算出する、請求項3に記載の不快音圧推定システム。
  5. 前記近似直線の傾きと切片に関する係数が、予め保持する所定の範囲内か否かを判定する近似係数比較部をさらに備え、
    前記近似係数比較部が、前記傾きと前記切片の少なくともいずれかが所定の範囲外と判定した場合に、前記UCL測定部は、前記決定した測定点の不快音圧を再度測定し、
    前記算出部は、前記UCL測定点決定部で決定した複数の最小可聴閾値と、前記UCL測定部で再度測定した不快音圧を含む複数の不快音圧とを用いて、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を算出する、請求項3に記載の不快音圧推定システム。
  6. 前記傾きに関する所定の範囲は0.2以上1以下、前記切片に関する所定の範囲は20dBSPL以上100dBSPL以下である、請求項4または5のいずれかに記載の不快音圧推定システム。
  7. 前記UCL測定点決定部は、前記HTL取得部から受け付けた複数の最小可聴閾値のうち、0.9kHz以上1.1kHz以下の周波数と対応付けられている最小可聴閾値に対応する測定点を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として優先的に選択する、請求項1から6のいずれかに記載の不快音圧推定システム。
  8. 前記UCL測定点決定部は、前記HTL取得部が取得した複数の最小可聴閾値のうち、所定以上の差を有する複数の最小可聴閾値を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として選択する、請求項1から7のいずれかに記載の不快音圧推定システム。
  9. 前記HTL取得部は、前記測定点として、音の周波数に加えて、ユーザの左耳又は右耳に対応付けられた最小可聴閾値の情報を取得し、
    前記UCL測定点決定部は、前記測定点において、前記ユーザの左耳の最小可聴閾値と右耳の最小可聴閾値との差が予め定められた値以上の場合には、前記最小可聴閾値の値が小さい方の耳に対応づけられた測定点を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として選択する、請求項1から8のいずれかに記載の不快音圧推定システム。
  10. 前記UCL測定部は、予め保持する所定の音圧以下の音刺激を呈示し、前記音刺激に対する脳波反応の時間周波数成分を抽出し、前記時間周波数成分を判別して不快音圧を測定する、請求項1から9のいずれかに記載の不快音圧推定システム。
  11. 前記UCL測定点決定部は、前記呈示される音刺激における最小の音圧以下の最小可聴閾値が示された測定点のうちから、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を選択する、請求項10に記載の不快音圧推定システム。
  12. 前記HTL取得部は、音の周波数及びユーザの左耳又は右耳のいずれであるかによって特定される測定点と対応付けられ、かつ、異なる値を有する複数の最小可聴閾値の情報を取得し、
    前記UCL測定点決定部は、前記受け付けた複数の最小可聴閾値のうち、異なる値を有する複数の最小可聴閾値を選択し、前記選択した複数の最小可聴閾値に対応する測定点を、前記不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点として決定する、請求項1から11のいずれかに記載の不快音圧推定システム。
  13. 請求項2に記載の不快音圧推定システムに設けられる不快音圧推定プロセッサであって、
    前記算出部が算出した、前記最小可聴閾値と前記不快音圧との比例関係を示す情報を取得するように構成された近似式取得部と、
    前記HTL取得部が取得した前記複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を受け取り、前記比例関係を参照して、前記最小可聴閾値に対応する不快音圧を推定するUCL推定部とを備えた、不快音圧推定プロセッサ。
  14. 複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を取得するステップと、
    不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を決定するステップであって、前記取得した複数の最小可聴閾値のうち、少なくとも2つの互いに値が異なる最小可聴閾値のそれぞれに関連付けられた測定点を、不快音圧を測定するための測定点として決定するステップと、
    決定した前記少なくとも2つの測定点における不快音圧を測定するステップと、
    前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、聴覚特性に関する所定の基準を算出するステップと、
    前記所定の基準を参照して、前記取得した複数の最小可聴閾値から、前記少なくとも2つの測定点以外の測定点における不快音圧を推定するステップと
    を包含する、不快音圧推定方法。
  15. 不快音圧推定装置が備えるコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、
    複数の周波数の各々における最小可聴閾値の情報を取得するステップと、
    不快音圧を測定するための少なくとも2つの測定点を決定するステップであって、前記取得した複数の最小可聴閾値のうち、少なくとも2つの互いに値が異なる最小可聴閾値のそれぞれに関連付けられた測定点を、不快音圧を測定するための測定点として決定するステップと、
    決定した前記少なくとも2つの測定点における不快音圧を測定するステップと、
    前記少なくとも2つの測定点の各々に関する前記最小可聴閾値および前記不快音圧を用いて、聴覚特性に関する所定の基準を算出するステップと、
    前記所定の基準を参照して、前記取得した複数の最小可聴閾値から、前記少なくとも2つの測定点以外の測定点における不快音圧を推定するステップと
    を実行させる、コンピュータプログラム。
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