JP5631533B2 - 遺伝子発現技術 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、遺伝子発現技術に関する。
発明の背景
この明細書中のる前の公開された文書のリストまたは論考は、前記文書が技術水準の一部分であるか、あるいは共通の一般的知識であるという承認であるとして理解すべきではない。
シャペロンとして知られているタンパク質のクラスは、下記の文献に規定されているように、他のポリペプチドの不安定なコンフォーマーに結合し、そうでなければ安定化し、そして制御された結合および解放により、その正しい運命をin vivo促進し、フォールディング、オリゴマーのアセンブリー、特定の細胞下区画への輸送、または分解による廃棄を促進するタンパク質である: Hard、1996、Nature 381、571-580。
BiP (また、GRP78、すなわち、酵母におけるIg重鎖結合性タンパク質およびKar2pとして知られている) は、hsp 70ファミリーの豊富に存在する約70 kDのシャペロンであり、これは小胞体 (ER) 中に存在し、他の機能の中で、分泌系における輸送を促進しかつタンパク質をフォールディングする働きをする。
タンパク質ジサルファイドイソメラーゼ (PDI) はシャペロンタンパク質であり、これはタンパク質の翻訳後のプロセシング間のジサルファイド結合形成の触媒反応に関係するER中に存在する。
天然のタンパク質および外来タンパク質の両方の分泌の研究により、ERからゴルジへのトランシットが速度限定段階であることが示された。通常のタンパク質とのBiPの転移性関連およびタンパク質の突然変異体またはミスフォルド形態とのいっそう安定な相互作用を、証拠は指摘している。その結果、BiPはフォールディング前駆体を安定化し、そして変性および非集合タンパク質の輸送を防止することにおいて二重の役割を演ずることができる。RobinsonおよびWittrup、1995、Biotechnol. Prog. 11、171-177は、BiP (Kar2p) に対する外来タンパク質分泌の作用およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) におけるPDIタンパク質レベルを検査し、そして外来分泌タンパク質の延長した構成的発現が可溶性BiPおよびPDIを検出不可能なレベルに減少させることをウェスタン分析により発見した。異種タンパク質分泌の結果としてのERシャペロンおよびフォルダーゼ (foldase) レベルの低下は、酵母の発現/分泌系を改良する試みに対する重要な指示を有する。
シャペロンの発現は多数の機構、例えば、変性タンパク質の応答 (UPR) により調節される。
組換え技術を使用して、多数のPDI遺伝子コピーは宿主細胞におけるPDIタンパク質レベルを増加させることが示された (Farquhar 他、1991、Gene 108、81-89) 。
PDIをコードする遺伝子および異種ジサルファイド結合タンパク質の共発現は、異種タンパク質の産生を増加させる手段として、WO 93/25676 (1993年12月23日公開) において最初に示唆された。WO 93/25676において、アンチスタシンおよびダニ抗凝固タンパク質の組換え発現をPDIとの共発現により増加させることができることが報告されている。
この方法は、他の型のタンパク質の組換え発現を増加させるために利用されてきている。
Robinson 他、1994、Bio/Technology 12、381-384に報告されているように、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) における組換え体の追加のPDI遺伝子コピーを使用してヒト血小板由来増殖因子 (PDGF) Bホモダイマーの組換え発現を10倍増加させ、そしてシゾサッカロマイセス・ポンベ (Schizosaccharomyces pombe) 酸性ホスファターゼを4倍増加させることができた。
Hayano 他、1995、FEBS Letters 377、505-511には、酵母におけるヒトリゾチームおよびPDIの共発現が記載されている。機能的リゾチームの産生および分泌のほぼ30〜60%の増加が観測された。
Shusta 他、1998、Nature Biotechnology 16、773-777において、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) における一本鎖抗体フラグメント (scFv) の組換え発現を宿主細胞におけるPDIの過剰発現により2〜8倍増加させることができることが報告されている。
BaoおよびFukuhara、2001、Gene 272、103-110において、酵母クライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) における組換えヒト血清アルブミン (rHSA) の発現および分泌が酵母PDI遺伝子 (KIPDII) の追加の組換えコピーとの共発現により15倍以上増加させることができることが報告されている。
PDI遺伝子および異種タンパク質の遺伝子の両方を含んでなる共形質転換された酵母を産生するために、WO 93/25676において、2つの遺伝子を染色体的に組込むことができることが教示されている; 1つを染色体的に組込むことができ、そして1つをプラスミド上に存在させることができる; 各遺伝子は異なるプラスミド上に導入することができる; または両方の遺伝子を同一プラスミド上に導入することができる。WO 93/25676において、下記の事実が例示されている: PDI遺伝子の染色体的に組込まれた追加のコピーを有する酵母菌株におけるプラスミドpKH4α2からのアンチスタシンの発現 (実施例16および17); ベクターK991からのアンチスタシンの発現、追加のPDI遺伝子コピーはYEp24と命名するマルチコピー酵母シャトルベクター上に存在する (Botstein 他、1979、Gene 8、17-24) (実施例20); およびそれぞれGAL10およびGAL1プロモーターの制御下の酵母シャトルベクターpC1/1からのアンチスタシンおよびPDI遺伝子の両方の発現 (Rosenberg 他、1984、Nature 312、77-80) 。
事実、RobinsonおよびWittrup、1995、前掲、において、また、GAL10-GAL1遺伝子間領域を使用してエリトロポイエチンを発現させ、そして緊密に抑制可能な、誘導可能な初代を使用して異種タンパク質の分泌のための産生酵母菌株を構築すべきであり、そうでなければ大規模発酵槽を充填するために必要な細胞増殖の多数の世代後に、持続した分泌のマイナスの作用 (すなわち、検出可能なBiPおよびPDIの低下) が優勢になるであろうことが結論されている。
この分野における引き続く研究において、組換えタンパク質産生を最大にする手掛かりとして、トランスジーンの染色体の組込みが同定された。
Robinson 他、1994、前掲、は、追加の染色体的に組込まれたPDI遺伝子コピーを使用してPDGFおよびシゾサッカロマイセス・ポンベ (S. pombe) 酸性ホスファターゼの発現の増加を観測した。Robinson 他は、PDIタンパク質を増加させるためにマルチコピー2μmの発現ベクターを使用する試みが異種タンパク質分泌に対して有害な作用を有したことを報告した。
Hayano 他、1995、前掲、は、各々別々の線状化組込みベクター上で酵母宿主の中にヒトリゾチームおよびPDIの遺伝子を導入し、これにより染色体組込みを発生させることを記載した。
Shusta 他、前掲、は、酵母系において、宿主染色体中へのトランスジーンの組込みと、エピソームの発現ベクターの使用との間の選択が分泌に大きく影響を与えることがあること、およびParekhおよびWittrup、1977、Biotechnol. Prog. 13、117-122を参照して、δ組込みベクターを使用する宿主染色体中へのscFv遺伝子の安定な組込みが2μmに基づく発現プラスミドの使用よりもすぐれることを報告した。以前にParekhおよびWittrup、前掲、が教示しているように、ウシ膵臓トリプシンインヒビター (BPTI) は2μmに基づく発現プラスミドよりもδ組込みベクターを使用して1桁増加された。2μmに基づく発現プラスミドは、分泌された異種タンパク質の産生に対して反産生的であると言われた。
BaoおよびFukuhara、2001、前掲、が報告しているように、「KlPDI1遺伝子はrHSA発現カセットを担持するマルチコピーベクター中に直接導入できると最初に考えられた。しかしながら、このような構築物は酵母の増殖およびプラスミドの安定性に激しく影響を与えることが発見された。これはマルチコピーベクター上のKlPDI1遺伝子がクライベロマイセス・ラクチス (K. lactis) 細胞の増殖に対して有害であるという以前の発見を確証した (Bao 他、2000) 」 。
Bao 他、2000、Yeast 16、329-341において、BaoおよびFukuharaの上に引用した一節中に言及されているように、KlPDI1遺伝子はクライベロマイセス・ラクチス (K. lactis) においてマルチコピープラスミド、pKan707上に導入されたこと、およびプラスミドの存在は菌株の増殖を悪くすることが報告されている。Bao 他は、KlPDI1遺伝子の過剰発現がクライベロマイセス・ラクチス (K. lactis) 細胞に対して毒性であることを結論した。Bao 他における以前の発見に照らして見て、BaoおよびFukuharaは、宿主染色体上へのKlPDI1の単一重複を導入することを選択した。
このバックグラウンドに抗して、我々は、先行技術における示唆と反対に、シャペロンタンパク質および異種タンパク質の遺伝子を酵母中の2μmのファミリーマルチコピープラスミド上で共発現させるとき、異種タンパク質の産生が実質的に増加することを以前に驚くべきことには証明した。
この出願の優先権主張の基づく、我々の以前の出願 (WO 2005/061718として公開された) には、下記の工程を含んでなる、異種タンパク質を製造する方法が開示されている:
(a) 2μmファミリープラスミドを含んでなる宿主細胞を準備し、前記プラスミドはシャペロンタンパク質配列をコードする遺伝子と、異種タンパク質をコードする遺伝子とを含んでなり、
(b) シャペロンタンパク質をコードする遺伝子および異種タンパク質をコードする遺伝子の発現を可能とする条件下に、宿主細胞を培地中で培養し、
(c) こうして発現された異種タンパク質を培地から精製し、そして
(d) 必要に応じてこうして精製されたタンパク質を凍結乾燥する。
前述したように、Bao 他、2000、Yeast 16、329-341において、クライベロマイセス・ラクチス (K. lactis) PDI遺伝子KlPDI1遺伝子の発現はクライベロマイセス・ラクチス (K. lactis) 細胞に対して毒性であることが報告されている。このバックグラウンドに抗して、Bao 他に報告されている有害作用なしにPDIおよび2つの異なるシャペロンを過剰発現させることができるばかりでなく、かつまた2つの異なるシャペロンを同一細胞において組換え的に過剰発現させることができ、そして毒性であるよりはむしろ、異種タンパク質を含むタンパク質をシャペロンのいずれかの個々の発現により得られるレベルよりも高いレベルでタンパク質の発現を増加させることができることを我々は驚くべきことには発見した。これは期待されなかった。
反対に、Bao 他 の教示に照らして見ると、2つのシャペロンの過剰発現は1つの過剰発現よりもなおいっそう毒性であることが考えられるであろう。その上、この出願の下記においてまた報告する、いくつかの初期の発見に照らして見ると、単一シャペロンとの共発現により得られる異種タンパク質の発現の増加は使用した細胞系について可能である最大レベルであろうことが期待された。したがって、2つの異なるシャペロンとタンパク質との共発現により、タンパク質発現のなおそれ以上の増加が得られることを発見したことは特に驚くべきことであった。
発明の要約
したがって、本発明の第1の面において、下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質、例えば、異種タンパク質を製造する方法が提供される: 第1 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第1 組換え遺伝子、第2 シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第2 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第3遺伝子 (必要に応じて第3遺伝子は組換えである) を含んでなる宿主細胞を準備し、ここで第1 シャペロンおよび第2 シャペロンは異なり、そして宿主細胞を培地中で培養して第1 、第2 および第3遺伝子の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培地中で培養する。
必要に応じて、こうして発現された所望のタンパク質は培養した宿主細胞または培地から精製するか、あるいはしないことができる。
必要に応じて、こうして精製された所望のタンパク質は凍結乾燥するか、あるいはしないことができる。
この方法は、精製された所望のタンパク質を担体または希釈剤と配合し、必要に応じてこうして配合されたタンパク質を前述の方法において単位投与形態で提供するか、あるいはしないことができる。
用語 「組換え遺伝子」 は、「単独に」 発現可能な配列として独立して動作してコード化タンパク質を産生する核酸配列または、選択的に、宿主内の内因的配列と組合わせて動作して (例えば、内因的配列と異なる核酸配列を産生するように内因的配列中に組込むことによって) ターゲットタンパク質の発現を増加させる核酸配列を包含する。
「組換え遺伝子」 は典型的には使用する関係において天然に存在しない遺伝子である。例えば、組込み部位において、宿主生物の染色体中に組込まれた遺伝子は、組込み部位に天然に存在しない配列を含んでなる場合、「組換え遺伝子」 と呼ぶことができる。こうして、「組換え遺伝子」は遺伝子のコーディング領域、調節領域または任意の他の領域に非自然配列を含んでなるか、あるいはそうでないことができ、または天然に存在するが、遺伝子配列が天然に存在しない組込み部位において宿主生物の染色体中に導入された遺伝子配列を含んでなるか、あるいはそうでないことができる。同一の問題が、必要な変更を加えて、プラスミド中への「組換え遺伝子」の挿入に適用される。
用語 「染色体的に組込む」 および 「宿主細胞の染色体中に組込む」は、この分野において十分に認識された用語である。疑いを回避するために、これらの用語は、天然に存在するプラスミド以外の、宿主細胞中に天然に存在する遺伝可能な核物質中のポリヌクレオチド配列の組込みを包含する。こうして、「宿主細胞の染色体中に組込まれた」ポリヌクレオチド配列は、原核 (例えば、細菌) 細胞の染色体中に、または真核細胞のゲノムの任意の部分中に、例えば、染色体 (例えば、染色体の1つ) 、ミトコンドリアゲノムまたは葉緑体ゲノムを包含する核遺伝物質中に組込むか、あるいは組込まないことができる。
第1 シャペロンおよび第2 シャペロンは、後述する特別に列挙するシャペロンの1つであるか、あるいはそうでないことができ、同一宿主細胞において共発現されたとき、所望のタンパク質の発現の増加に少なくとも加法的効果を提供するシャペロンの組合わせである。「加法的効果」 とは、同一系に比較して、第1 組換え遺伝子および第2 組換え遺伝子が第3遺伝子と同時に共発現されるとき、宿主細胞における所望のタンパク質の発現レベルがより高いことを意味し、ここで (i) 第1 組換え遺伝子は第2 組換え遺伝子の発現の非存在において第3遺伝子と共発現され、そして (ii) 第2 組換え遺伝子は第2 組換え遺伝子の発現の非存在において第3遺伝子と共発現される。
用語 「シャペロン」 は、本明細書において使用するとき、そうでなければ他のポリペプチドの不安定なコンフォーマーに結合し、安定化し、そして制御された結合および解放により、その正しい運命をin vivo促進し、フォールディング、オリゴマーのアセンブリー、特定の細胞下区画への輸送、または分解による廃棄を促進するタンパク質を意味する。したがって、シャペロンは、また、タンパク質のフォールディングに関係するタンパク質またはシャペロン活性を有するタンパク質であるか、あるいは変性タンパク質応答に関係づけられる。この型のシャペロンタンパク質は、この分野において知られており、例えば、下記において知られている: スタンフォード・ゲノム・データベース (Stanford Genome Database) (SGD) 、http://db.yeastgenome.orgまたはhttp://www.yeastgenome.org。
好ましいシャペロンは真核生物のシャペロンであり、ことに好ましいシャペロンは酵母シャペロンであり、下記を包含する: AHA1、CCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、CPR3、CPR6、ERO1、EUG1、FMO1、HCH1、HSP10、HSP12、HSP104、HSP26、HSP30、HSP42、HSP60、HSP78、HSP82、JEM1、MDJ1、MDJ2、MPD1、MPD2、PDI1、PFD1、ABC1、APJ1、ATP11、ATP12、BTT1、CDC37、CPR7、HSC82、KAR2、LHS1、MGE1、MRS11、NOB1、ECM10、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSC1、SSE2、SIL1、SLS1、ORM1、ORM2、PER1、PTC2、PSE1、UB14およびHAC1またはトランケーテッド無イントロンHAC1 (Valkonen 他 2003、Applied Environ. Micro. 69、2065) ならびにTIM9、PAM18 (また、TIM14として知られている) およびTCP1 (また、CCT1として知られている) 。
本発明の実施において有用なシャペロンは、下記のものであるか、あるいはそうでないことができる:
・熱ショックタンパク質、例えば、タンパク質のhsp70ファミリーのメンバーであるタンパク質 (例えば、Kar2p、SSAおよびSSBタンパク質、例えば、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSB1およびSSB2によりコードされるタンパク質) 、HSP99-ファミリーのメンバーであるタンパク質、またはHSP40-ファミリーのメンバーであるタンパク質またはそれらの機構に関係するタンパク質 (例えば、Sil1p) 、例えば、DNA-JおよびDNA-J様タンパク質 (例えば、Jem1p、Mdj2p);
・タンパク質のカリオフェリン/インポーティンファミリーのメンバーであるタンパク質、例えば、カリオフェリン/インポーティンタンパク質のαまたはβファミリー、例えば、カリオフェリンβタンパク質PSE1;
・下記の文献に開示されているORMDLファミリーのメンバーであるタンパク質: Hjelmqvist 他、2002、Genome Biology 3 (6) 、research 0027.1-0027.16、例えば、Orm2p。
・小胞体中にまたは分泌経路中のどこかに、例えば、ゴルジ中に自然に位置するタンパク質。例えば、小胞体 (ER) の内腔において自然に作用するタンパク質、特に分泌細胞、例えば、PDI;
・ER中に定着されているトランスメンブランタンパク質であるタンパク質、例えば、下記の文献に記載されているORDMファミリーのメンバー (例えば、Orm2p): Hjelmqvist 他、前掲;
・細胞質ゾル中で作用するタンパク質、例えば、hsp70タンパク質、例えば、SSAおよびSSBタンパク質、例えば、タンパク質産生SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSB1およびSSB2 ;
・核、核膜および/または細胞質中で作用するタンパク質、例えば、Pse1p;
・細胞の生存可能性に対して「必須」であるタンパク質、例えば、PDI、またはCCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、ERO1、HSP10、HSP60、PDI1、CDC37、KAR2、MGE1、MRS11、NOB1、SSC1、TIM9、PAM18またはTCP1から選択される遺伝子によりコードされるタンパク質、または必須カリオフェリンタンパク質であるタンパク質、例えば、Pse1p;
・スルフヒドリル酸化またはジサルファイド結合の形成、破壊または異性化に関係するタンパク質、またはタンパク質中のチオジサルファイド交換反応を、特に分泌および細胞表面のタンパク質の生合成間に、触媒するタンパク質、例えば、タンパク質ジサルファイドイソメラーゼ (例えば、Pdi1p、Mpd1p) 、相同体 (例えば、Eug1p) および/または関係するタンパク質 (例えば、Mpd2p、Fmo1p、Ero1p);
・タンパク質の合成、集合またはフォールディングに関係するタンパク質、例えば、PDIおよびSsa1p;
・成熟タンパク質よりむしろ変性タンパク質に優先的にまたは独占的に結合するタンパク質、例えば、hsp70タンパク質、例えば、SSAおよびSSBタンパク質、例えば、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSB1およびSSB2 によりコードされるタンパク質;
・細胞質ゾル中の前駆体タンパク質の凝集を防止するタンパク質、例えば、hsp70タンパク質、例えば、SSAおよびSSBタンパク質、例えば、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSB1およびSSB2 によりコードされるタンパク質;
・損傷を受けたタンパク質に結合し、安定化するタンパク質、例えば、Ssa1p。
・変性タンパク質の応答に関係するか、あるいは変性タンパク質の応答を誘導する因子 (例えば、ツニコマイシンまたはジチオスレイトール) に対する抵抗を増加させるタンパク質、例えば、下記の文献に記載されているORDMファミリーのメンバー (例えば、Orm2p): Hjelmqvist 他、前掲またはストレスに対する応答に関係するタンパク質 (例えば、Ubj4p);
・タンパク質のフォールディングおよび/または変性タンパク質の応答に直接関係するコ-シャペロンおよび/またはタンパク質であるタンパク質 (例えば、hsp104p、Mdj1p);
・高分子の核細胞質輸送に関係するタンパク質、例えば、Pse1p;
・核位置配列および核輸出配列を認識しかつ核孔複合化と相互作用することによって核膜を横切る高分子の輸送を仲介するタンパク質、例えば、PSE1;
・下記の文献に記載されているように、スクランブルリボヌクレアーゼのRNAに対してリボヌクレアーゼ活性を再活性化することができるタンパク質、例えば、PDI: EP 0 746およびHillson 他、1984、Methods Enzymol. 107、281-292;
・酸性pI (例えば、4.0〜4.5) を有するタンパク質、例えば、PDI;
・Hsp70ファミリーであり、そして必要に応じてN-末端のATP結合性ドメインおよびC-末端のペプチド結合性ドメインを有するタンパク質、例えば、Ssa1p;
・ペプチジル-プロリルシス-トランスフェラーゼであるタンパク質 (例えば、Cpr3p、Cpr6p);
・既知のシャペロンの相同体であるタンパク質 (例えば、Hsp10p);
・ミトコンドリアシャペロンであるタンパク質 (例えば、Cpr3p);
・細胞質または核シャペロンであるタンパク質 (例えば、Cns1p);
・膜結合シャペロンであるタンパク質 (例えば、Orm2p、Fmo1p);
・シャペロンアクチベーター活性またはシャペロン調節活性を有するタンパク質 (例えば、Aha1p、Hac1p、Hch1p);
・未熟形態のポリペプチドに一時的に結合して適切なフォールディング輸送および/または分泌を引き起こすタンパク質、例えば、小胞体中への効率よい転位を必要とするタンパク質 (例えば、Lhs1p) または細胞内のそれらの作用部位を必要とするタンパク質 (例えば、Pse1p);
・タンパク質複合体の集合および/またはリボソーム集合に関係するタンパク質 (例えば、Atp11p、Pse1p、Nob1p);
・シャペロンT-複合体のタンパク質 (例えば、Cct2p);
・プレフォルジン (prefoldin) 複合体のタンパク質 (例えば、Pfd1p);
・ミトコンドリア膜間空間タンパク質、例えば、Tim9p;
・MrsI1p/Tim10pと複合体をin vivo形成するタンパク質、例えば、Tim9p;
・ポリトピック内膜タンパク質の移入および挿入に関係するタンパク質、例えば、Tim9p;
・入るタンパク質の凝集を防止できるタンパク質、例えば、Tim9p;
・プレ配列トランスロカーゼに関連するミトコンドリア移入の機能的構成成分であることができるタンパク質 (Ssc1p、Tim44p、Mge1pおよびPam16pと一緒に) 、例えば、Pam18p;
・Ssc1pのATPアーゼ活性を刺激して、例えば、ミトコンドリア移入を推進することができるタンパク質、例えば、Pam18p;
・Jドメインを含有するタンパク質、例えば、Pam18p;
・細胞質ゾルにおけるタンパク質のフォールディングを仲介する、シャペロン含有T-複合体のαサブユニットとして作用することができるタンパク質、例えば、Tcp1p;
・アクチン細胞骨格の維持においてある役割を演ずることができるタンパク質、例えば、Tcp1p; または
・ドロソフィラ・メラノガステル (Drosophila melanogaster) またはマウス無尾複合体ポリペプチドであるか、あるいはそれに対して相同的であるタンパク質、例えば、Tcp1p。
好ましいシャペロンは、タンパク質ジサルファイドイソメラーゼ (PDI) であるか、あるいは小胞体 (ER) の内腔内のジサルファイド結合の形成を触媒する等しい能力を有する、それらのフラグメントまたは変異型である。「PDI」 とは、下記の文献に記載されているように、スクランブルリボヌクレアーゼのRNAに対してリボヌクレアーゼ活性を再活性化する能力を有するタンパク質を包含する: EP 0 746 611およびHillson 他、1984、Methods Enzymol. 107、281-292。
PDIは典型的にはチオール:ジサルファイド交換反応を触媒する酵素であり、そして分泌細胞におけるER内腔の主要なレジデントタンパク質成分である。多数の証拠が示唆するように、PDIは分泌タンパク質生合成においてある役割を演じ (Freedman、1984、Trends Biochem. Sci. 9、438-41) 、そしてこれはその場の直接的架橋研究により支持される (RothおよびPierce、1987、Biochemistry 26、4179-82) 。PDIを欠如するミクロソーム膜が共翻訳タンパク質ジサルファイドにおける特異的欠陥を示すという発見 (BulleidおよびFreedman、1988、Nature 335、649-51) は、酵素が分泌および細胞表面のタンパク質の生合成間に自然ジサルファイド結合の触媒として機能することを意味する。
この役割は酵素のin vitro触媒特性について知られているものと一致する; この酵素は正味のタンパク質ジサルファイド形成、破壊および異性化に導くチオール:ジサルファイド交換反応を触媒し、そして典型的にはポリペプチドのフォールディングおよび広範な種類の還元され、変性されたタンパク質基質における自然ジサルファイド結合の形成を触媒することができる (Freedman 他、1989、Biochem. Soc. Symp. 55、167-192) 。イソメラーゼ活性を欠如する突然変異体PDIはタンパク質のフォールディングを促進するので、PDIはまたシャペロンとして機能する (Hayano 他、1995、FEBS Letters 377、505-511) 。最近、ジサルファイド異性化ではなく、スルフヒドリル酸化はサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) におけるタンパク質ジサルファイドイソメラーゼの主な機能であることが報告された (Solovyov 他、J. Biol. Chem. 278 (33) 34095-34100) 。
この酵素のDNAおよびアミノ酸配列はいくつかの種について知られており (Scherens 他、1991、Yeast 7、185-193; Farquhar 他、1991、Gene 108、81-89; EP 074661; EP 0293793; EP 0509841) そして哺乳動物肝から均質に精製された酵素の活性機構についての情報が増加しつつある (Creighton 他、1980、J. Mol. Biol. 142、43-62; Freedman 他、1988、Biochem. Soc. Trans. 16、96-9; Gilbert、1989、Biochemistry 28、7298-7305; LundstromおよびHolmgren、1990、J. Biol. Chem. 265、9114-9120; HawkinsおよびFreedman、1990、Biochem. J. 275、335-339) 。細胞におけるタンパク質フォールディング、集合および転位のメディエーターとして現在関係づけられる多数のタンパク質因子 (Rothman、1989、Cell 59、591-601) のうちで、PDIは十分に規定された触媒活性を有する。
宿主における内因的PDI遺伝子の欠失および不活性化は、生存不能宿主の産生を生ずる。換言すると、内因的PDI遺伝子は「必須」遺伝子である。
PDIは哺乳動物組織から容易に単離され、そして均質な酵素は特徴的に酸性のpI (4〜4.5) を有するホモダイマー (2×57 kD) である (Hillson 他、1984、前掲) 。また、この酵素は下記から精製された: コムギおよび藻クラミドモナス・レインハルジイ (Chlamydomonas reinhardii) (Kaska 他、1990、Biochem. J. 268、63-68) 、ラット (Edman 他、1985、Nature 317、267-270) 、ウシ (Yamauchi 他、1987、Biochem. Biophys. Res. Comm. 146、1485-1492) 、ヒト (Pihlajaniemi 他、1987、EMBO J. 6、643-9) 、酵母 (Scherens 他、前掲; Farquhar 他、前掲) およびヒヨコ (Parkkonen 他、1988、Biochemistry J. 256、1005-1011) 。これらの脊椎動物種からのタンパク質は全体を通じて高度の配列保存を示し、そしてすべてはラットPDI配列において最初に注目されたいくつかの全体的特徴を示す (Edman 他、1985、前掲) 。
PDI配列は、ヒトからの配列および酵母種、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からの配列を包含する。
酵母のタンパク質ジサルファイドイソメラーゼ前駆体、PDI1は、ゲンバンク (Genbank) 受け入れ番号CAA 42373またはBAA 00723として見出すことができ、そしてWO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されているように522アミノ酸配列を有する。
別の酵母タンパク質ジサルファイドイソメラーゼ配列はゲンバンク (Genbank) 受け入れ番号CAA 38402として見出すことができ、これはWO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されているように530アミノ酸配列を有する。
WO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 中のこれらの配列のアラインメント (最初にゲンバンク (Genbank) 受け入れ番号CAA 42373またはBAA 00723の配列、第2 にゲンバンク (Genbank) 受け入れ番号CAA 38402の配列) は、これらの2つの配列間の差が位置114 (ボールドフェースの強調されている) における単一アミノ酸であること、およびゲンバンク (Genbank) 受け入れ番号CAA 38402の配列により規定される配列が位置561〜513に追加のアミノ酸EADAEAEAを含有することをを示す。
上記PDI配列の変異型およびフラグメント、および他の天然に存在するPDI配列の変異型を、また、本発明に含める。PDIの関係において、「変異型」 は、1または2以上の位置において、保存的または非保存的、アミノ酸の挿入、欠失または置換を有するタンパク質を意味し、ただしこのような変化は基本的性質、例えば、酵素活性 (活性の型および特異的活性) 、熱安定性、ある種のpH範囲における活性 (pH安定性) が有意に変化されていないタンパク質を生ずる。この関係において、「有意に」 は当業者が言うように、変異型の性質がなお異なるか、あるいは異ないことができるが、もとのタンパク質の性質にわたって明らかであることを意味する。
「保存的置換」 とは、組合わせ、例えば、下記を意味する: Val、Ile、Leu、Ala、Met; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr、Gly、Ala; Lys、Arg、His; およびPhe、Tyr、Trp。好ましい保存的置換は下記を包含する: Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg; およびPhe、Tyr。
「変異型」 は、典型的には、それが由来するポリペプチドに対して少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、しかもより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%の配列の同一性を有する。
2つのポリペプチド間の配列の同一性%は、後述するように、適当なコンピュータプログラムを使用して決定ことができる。このような変異型は自然であるか、あるいはそうでないことがあり、またはこの分野においてよく知られているように、タンパク質操作法および位置指定突変異誘発により作ることができる。
PDIの関係において、「フラグメント」 は1または2以上の位置において欠失されているタンパク質を意味する。こうして、フラグメントは、完全な成熟PDIタンパク質の完全な配列の最大5、10、20、30、40または50%、典型的には60%まで、典型的には60%まで、より典型的には70%まで、好ましくは80%まで、より好ましくは90%まで、さらにより好ましくは95%まで、しかもより好ましくは99%までを含んでなるか、あるいはそうでないことができる。PDIタンパク質の特に好ましいフラグメントは、所望のタンパク質の1または2以上の全ドメインを含んでなる。
PDIの変異型またはフラグメントは、宿主細胞において組換え的に発現されるとき、宿主細胞、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 中の内因的にコード化されたPDI遺伝子の欠失を補足できるタンパク質であるか、あるいはないことができ、そして、例えば、PDIの天然に存在する相同体、例えば、他の生物、例えば、他の酵母または他の真菌、または他の真核生物、例えば、ヒトまたは他の脊椎動物によりコードされるか、あるいは植物によりコードされる相同体であるか、あるいはないことができる。
第1 シャペロンがPDI、特に哺乳動物または酵母のPDIである場合、1つの態様において、第2 シャペロンは下記のタンパク質ではない: hsp70シャペロンタンパク質 (例えば、酵母KAT2、HSP70、BiP、SSA1〜4、SSB1、SSD1 または真核生物のhsp70タンパク質、例えば、HSP68、HSP72、HSP73、HSC70、クラスリンアンコーティングATPアーゼ、IgG重鎖結合性タンパク質 (BiP) 、グルコース調節タンパク質75、78および80 (CPR75、CRP78およびCRP80) およびその他) 。詳しくは、1つの態様において、第2 シャペロンがKAR2であるとき、第1 シャペロンは酵母PDIではない。詳しくは、他の態様において、第2 シャペロンが哺乳動物BiPであるとき、第1 シャペロンは哺乳動物PDIではない。
選択的に、第1 シャペロンおよび第2 シャペロンが、それぞれ、例えば、PDI、特に前述した哺乳動物または酵母PDI、およびhsp70シャペロンタンパク質である場合、所望のタンパク質は下記から選択するか、あるいはしないことができる異種タンパク質であることができる:
・哺乳動物遺伝子産物、例えば、酵素、サイトカイン、増殖因子、ホルモン、ワクチン、抗生物質およびその他; エリトロポイエチン、インスリン、ソマトトロピン、成長ホルモン放出因子、血小板由来増殖因子、内皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子α、トランスフォーミング増殖因子β、表皮増殖因子、繊維芽細胞増殖因子、神経増殖因子、インスリン様増殖因子I、インスリン様増殖因子II、凝固因子VIII、スーパーオキシドジスムターゼ、α-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン-5、インターロイキン-6、顆粒球コロニー刺激因子、多由来コロニー刺激活性、顆粒球マクロファージ刺激因子、マクロファージコロニー刺激因子、T細胞増殖因子、リンホトキシンおよびその他; またはヒト遺伝子産物
・ワクチンとして使用することができる任意の遺伝子産物、例えば、下記の任意の構造的、膜関連、膜結合または分泌遺伝子産物; 哺乳動物の病原体、例えば、哺乳動物を感染または攻撃するウイルス、細菌、単細胞または多細胞の寄生生物、特にウイルス、例えば、ヒト免疫不全ウイルス (HIV) 、斑点熱リケッチア (R. rickettsii) 、ワクシニア、赤痢菌、ポリオウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、A型肝炎、B型肝炎、デング熱ウイルス、日本脳炎、帯状疱疹 (Varicella zoster) 、サイトメガロウイルス、A型肝炎、ロタウイルスならびにウイルス疾病、例えば、下記に対するワクチン、ライム病、麻疹、黄熱病、おたふくかぜ、狂犬病、疱疹、インフルエンザ、パラインフルエンザおよびその他; または細菌、例えば、ビブリオ・コレレ (Vibrio cholerae) 、サルモネラ・ティフィ (Salmonella typhi) 、百日咳菌 (Bordetella pertussis) 、ストレプトコッカス・ニューモニアエ (Streptococcus pneumoniae) 、インフルエンザ菌 (Haemophilus influenzae) 、クロストリジウム・テタニ (Clostridium tetani) 、ジフテリア菌 (Corynebacterium diphteriae) 、マイコバクテリウム・レプレ (Mycobacterium leprae) 、淋菌 (Neisseria gonrrhaeae) 、髄膜炎菌 (Neisseria meningitides) 、コクシジオイデス・イミチス (Coccidioides immits) およびその他。
他の好ましいシャペロンは、遺伝子SSA1によりコードされるタンパク質の配列を含んでなるタンパク質、または同等のシャペロン様活性を有するそのフラグメントまたは変異型である。SSA1は、また、YG100として知られており、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) ゲノム中の染色体I上に位置し、そして1.93 kbpの大きさである。
遺伝子SSA1によりコードされるタンパク質の1つの発表されたタンパク質配列は、WO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 中に記載されている。
SSA1の発表されたコーディング配列はWO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 中に記載されているが、この配列は同一タンパク質産物をコードする別のヌクレオチド配列を得るようにデジェネレイト置換により修飾できることが理解されるであろう。
タンパク質Ssa1pはタンパク質のHsp70ファミリーに属し、そして細胞質ゾル中に存在する。Hsp70類は多数のシャペロン活性を実施する能力を有する; タンパク質の合成、集合およびフォールディングを促進し; ポリペプチドの種々の細胞内位置への転位、およびタンパク質凝集物の分解能を仲介する (BeckerおよびCraig、1994、Eur. J. Biochem. 219、11-23) 。Hsp70遺伝子は高度に保存され、N-末端のATP結合性ドメインおよびC-末端のペプチド結合性ドメインを有する。Hsp70タンパク質は、主として変性した、タンパク質のペプチド主鎖と相互作用する。hsp70タンパク質による結合および解放はATP依存的プロセスであり、そしてhsp70のコンフォメーション変化により達成される (BeckerおよびCraig、1994、前掲) 。
細胞質ゾルのhsp70タンパク質は、特にタンパク質の合成、フォールディングおよび分泌に関係する (BeckerおよびCraig、1994、前掲) 。サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) において、細胞質ゾルのhsp70タンパク質は2つのグループに分割された: SSA (SSA1〜4) およびSSB (1および2) タンパク質、これらは互いに機能的に区別される。SSAファミリーは、このグループからの少なくとも1つのタンパク質が細胞の生存可能性を維持するために活性でなくてはならないことににおいて「必須」である (BeckerおよびCraig、1994、前掲) 。細胞質ゾルのhsp70タンパク質は変性されたタンパク質に対して優先的に結合するが、成熟タンパク質に結合しない。
これが示唆するように、細胞質ゾルのhsp70タンパク質は、細胞質ゾル中で多分子の複合体に集合する前および/またはそれらが種々のオルガネラに転位する前に、前駆体タンパク質を変性された状態に維持することによって、前駆体タンパク質の凝集を防止する (BeckerおよびCraig、1994、前掲) 。SSAタンパク質は、特に翻訳後の生合成および小胞体およびミトコンドリア中への前駆体の転位に関係する (Kim 他、1998、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95、12860-12865; Ngosuwan 他、32003、J. Biol. Chem. 278 (9) 、7034-042) 。Ssc1pは損傷を受けたタンパク質に結合し、それらを部分的に変性された形態で安定化し、リフォールディングまたは分解の発生を可能とする (BeckerおよびCraig、1994、前掲; GloverおよびLindquist、1994、Cell 94、73-82) 。
Demolder 他、1994、J. Biotechnol. 32、179-189において、酵母中のSSA1の過剰発現はヒトインターフェロン-βをコードする組換え体の染色体的に組込まれた遺伝子の発現を増加させることが報告されている。SSA1およびヒトインターフェロン-βが同一プラスミド上の組換え遺伝子によりコードされるべき場合、異種遺伝子の発現の増加を達成できることは示唆されていない。事実、酵母中のシャペロンの過剰発現の分野におけるいっそう最近の発展に照らして見て (例えば、Robinson 他、1994、前掲; Hayano 他、1995、前掲; Shusta 他、1998、前掲; ParekhおよびWittrup、1997、前掲; BaoおよびFukuhara、2001、前掲; およびBaoおよびFukuhara、2000、前掲) 、当業者は2μmファミリープラスミドからSSA1および異種タンパク質の両方の発現をまったくしたくなくなり、特に異種タンパク質の発現レベルを増加させるために2μmファミリープラスミドからSSA1および異種タンパク質の両方をほとんど発現したくなくなるであろう。
遺伝子SSA1によりコードされるタンパク質の配列を含んでなる変異型およびフラグメントは、また、本発明に含まれる。遺伝子SSA1によりコードされるタンパク質の関係において、「変異型」 は、保存的または非保存的、アミノ酸の挿入、欠失または置換を有する1または2以上の位置以外において自然Ssc1pの配列を有するタンパク質を意味し、ただしこのような変化は基本的性質、例えば、酵素活性 (活性の型および特異的活性) 、熱安定性、ある種のpH範囲における活性 (pH安定性) が有意に変化されていないタンパク質を生ずる。この関係において、「有意に」 は当業者が言うように、変異型の性質がなお異なることができるが、もとのタンパク質の性質にわたって明らかであることを意味する。
「保存的置換」 とは、組合わせ、例えば、下記を意味する: Val、Ile、Leu、Ala、Met; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr、Gly、Ala; Lys、Arg、His; およびPhe、Tyr、Trp。好ましい保存的置換は下記を包含する: Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg; およびPhe、Tyr。
Ssc1pの 「変異型」 は、典型的には、自然Ssc1pの配列に対して少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、しかもより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%の配列の同一性を有する。
2つのポリペプチド間の配列の同一性%は、後述するように、適当なコンピュータプログラムを使用して決定ことができる。このような変異型は自然であるか、あるいはそうでないことがあり、またはこの分野においてよく知られているように、タンパク質操作法および位置指定突然変異誘発により作ることができる。
Ssc1pの関係において、「フラグメント」 は欠失されている1または2以上の位置以外の自然Ssc1pの配列を有するタンパク質を意味する。こうして、フラグメントは、完全な成熟Ssc1pタンパク質の完全な配列の最大5、10、20、30、40または50%、典型的には60%まで、典型的には60%まで、より典型的には70%まで、好ましくは80%まで、より好ましくは90%まで、さらにより好ましくは95%まで、しかもより好ましくは99%までを含んでなるか、あるいはそうでないことができる。SSA1タンパク質の特に好ましいフラグメントは、所望のタンパク質の1または2以上の全ドメインを含んでなる。
Ssc1pの変異型またはフラグメントは、宿主細胞、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) において組換え的に発現されるとき、宿主細胞中の内因的にコード化されたSsc1p遺伝子 (またはその相同体) の欠失を補足できるタンパク質であるか、あるいはないことができ、そして、例えば、Ssc1pの天然に存在する相同体、例えば、他の生物、例えば、他の酵母または他の真菌、または他の真核生物、例えば、ヒトまたは他の脊椎動物によりコードされるか、あるいは植物によりコードされる相同体であるか、あるいはないことができる。
他の好ましいシャペロンは、遺伝子PSE1によりコードされるタンパク質の配列を含んでなるタンパク質、または同等のシャペロン様活性を有するそのフラグメントまたは変異型である。
PSE1は、また、KAP121として知られており、染色体XIII上に位置する必須遺伝子である。
タンパク質Pse1pについて発表されたタンパク質配列は、WO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 中に記載されている。
PSE1の発表されたコーディング配列はWO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 中に記載されているが、この配列は同一タンパク質産物をコードする別のヌクレオチド配列を得るようにデジェネレイト置換により修飾できることが理解されるであろう。
PSE1遺伝子は3.25 kbpの大きさである。Pse1pは高分子の核-細胞質輸送に関係づけられる (SeedorfおよびSilver、1997、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94、8590-8595) 。このプロセスは、核膜中に埋め込まれかつ核プロリンから構成された核孔複合体 (NPC) を介して起こる (RyanおよびWente、2000、Curr. Opin. Cell Biol. 12、361-371) 。タンパク質は、核移入、核局在化配列 (NLS) および輸出、核輸出配列 (NES) に要求される情報を含有する特異的配列を有する (Pemberton 他、1998、Curr. Opin. Cell Biol. 10、392-399) 。Pse1pはカリオフェリン/インポーティン、すなわち、タンパク質の1グループであり、これはαまたはβファミリーに分割された。
カリオフェリンはNLSおよびNESを認識することによって核膜を横切る高分子の輸送を仲介し、そしてNPCと相互作用する (SeedorfおよびSilver、1997、前掲; Pemberton 他、1998、前掲; RyanおよびWente、2000、前掲) 可溶性輸送因子である。核孔を通る転位は、小さいGTP結合性タンパク質、Ranにより触媒される、GTP加水分解により推進される (SeedorfおよびSilver、1997、前掲) 。Pse1pはカリオフェリンβとして同定された。14のカリオフェリンβタンパク質がサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) において同定され、それらのうちで4つのみが「必須」である。これは多分複数のカリオフェリンが単一高分子の輸送を仲介するためである (Isoyama 他、2001、J. Biol. Chem. 276 (24) 、21863-21869) 。Pse1pは核に、核膜において局在化し、そしてある程度まで細胞質に局在化する。
これが示唆するように、タンパク質はその輸送機能の一部分として核を出入りする (SeedorfおよびSilver、1997、前掲) 。Pse1pは転写因子 (Isoyama 他、2001、前掲; Ueta 他、J. Biol. Chem. 278 (50) 、50120-50127) 、ヒストン (Mosammaparast 他、2002、J. Biol. Chem. 277(50) 、862-868) 、およびリボソームへの集合前のリボソームタンパク質 (Pemberton 他、1998、前掲) の核移入に関係づけられる。また、それは核からのmRNAの輸出を仲介する。カリオフェリンはRNA結合性タンパク質上に見出される明確なNESを認識し、それに結合し、RNAを被覆した後、NESは核から輸出される (SeedorfおよびSilver、1997、Pemberton 他、1998、前掲) 。
高分子の核細胞質輸送は適切な進行のために必須であるが、細胞周期、核輸送因子、例えば、Pse1pは増殖制御のために新規な候補のターゲットである (SeedorfおよびSilver、1997、前掲) 。
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) におけるPse1p (タンパク質分泌エンハンサー) の過剰発現は、1レパートリーの生物学的に活性なタンパク質の内因的タンパク質分泌レベルを増加させることが示された (Chow 他、1992、J. Cell. Sci. 101 (3) 、709-719) 。Pse1pおよび異種タンパク質の両方が同一プラスミド上の組換え遺伝子をコードする場合、異種遺伝子の発現レベルを増加させることができるという示唆は存在しない。事実、酵母中のシャペロンの過剰発現の分野におけるいっそう最近の発展に照らして見て (例えば、Robinson 他、1994、前掲; Hayano 他、1995、前掲; Shusta 他、1998、前掲; ParekhおよびWittrup、1997、前掲; BaoおよびFukuhara、2001、前掲; およびBaoおよびFukuhara、2000、前掲) 、当業者は2μmファミリープラスミドからPSE1および異種タンパク質の両方の発現をまったくしたくなくなり、特に異種タンパク質の発現レベルを増加させるために2μmファミリープラスミドからPSE1および異種タンパク質の両方をほとんど発現したくなくなるであろう。
Pse1pの変異型およびフラグメントは、また、本発明に含まれる。Pse1pの関係において、「変異型」 は、保存的または非保存的、アミノ酸の挿入、欠失または置換を有する1または2以上の位置以外において自然Pse1pの配列を有するタンパク質を意味し、ただしこのような変化は基本的性質、例えば、酵素活性 (活性の型および特異的活性) 、熱安定性、ある種のpH範囲における活性 (pH安定性) が有意に変化されていないタンパク質を生ずる。この関係において、「有意に」 は当業者が言うように、変異型の性質がなお異なることができるが、もとのタンパク質の性質にわたって明らかであることを意味する。
「保存的置換」 とは、組合わせ、例えば、下記を意味する: Val、Ile、Leu、Ala、Met; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr、Gly、Ala; Lys、Arg、His; およびPhe、Tyr、Trp。好ましい保存的置換は下記を包含する: Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg; およびPhe、Tyr。
Pse1pの 「変異型」 は、典型的には、自然Pse1pの配列に対して少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、しかもより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%の配列の同一性を有する。
2つのポリペプチド間の配列の同一性%は、後述するように、適当なコンピュータプログラムを使用して決定ことができる。このような変異型は自然であるか、あるいはそうでないことがあり、またはこの分野においてよく知られているように、タンパク質操作法および位置指定突然変異誘発により作ることができる。
Pse1pの関係において、「フラグメント」 は欠失されている1または2以上の位置以外の自然Pse1pの配列を有するタンパク質を意味する。こうして、フラグメントは、完全な成熟Pse1pタンパク質の完全な配列の最大5、10、20、30、40または50%、典型的には60%まで、典型的には60%まで、より典型的には70%まで、好ましくは80%まで、より好ましくは90%まで、さらにより好ましくは95%まで、しかもより好ましくは99%までを含んでなるか、あるいはそうでないことができる。Pse1pタンパク質の特に好ましいフラグメントは、所望のタンパク質の1または2以上の全ドメインを含んでなる。
Pse1pの変異型またはフラグメントは、宿主細胞、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) において組換え的に発現されるとき、宿主細胞中の内因的PSE1遺伝子の欠失を補足できるタンパク質であるか、あるいはないことができ、そして、例えば、Pse1pの天然に存在する相同体、例えば、他の生物、例えば、他の酵母または他の真菌、または他の真核生物、例えば、ヒトまたは他の脊椎動物によりコードされるか、あるいは植物によりコードされる相同体であるか、あるいはないことができる。
他の好ましいシャペロンは、ORM2遺伝子によりコードされるタンパク質の配列を含んでなるタンパク質、または同等のシャペロン様活性を有するそのフラグメントまたは変異型である。
ORM2は、また、YLR350Wとして知られており、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) ゲノムの染色体XII (位置828729〜829379) 上に位置し、そして酵母タンパク質Orm1pに対する類似性を有する進化的に保存されたタンパク質をコードする。Hjelmqvist 他、2002、Genome Biology 3 (6) 、research 0027.1-0027.16において、ORM2は3つのヒト遺伝子 (ORMDL1、ORMDL2およびORMDL3) ならびにミトコンドリア、植物、ショウジョウバエ (Drosophila) 、尾索類および脊椎動物における相同体を含んでなる遺伝子ファミリーに属することが報告されている。ORMDL遺伝子はタンパク質小胞体 (ER) 中に定着された膜貫通タンパク質をコードすることが報告されている。
タンパク質Orm2pは、変性されたタンパク質の応答を誘導する因子に対する抵抗性のために要求される。Hjelmqvist 他、2002 (前掲) において、2つのサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) ORMDL相同体 (ORM1およびORM2) の二重ノックアウトは成長速度を減少させかつツニカマイシンおよびジチオスレイトールに対する活性を増強させることが報告されている。
Orm2pの1つの発表された配列は、WO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 中に記載されている。
上記タンパク質はWO 2005/061718 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 中に記載されているようにコーディングヌクレオチド配列によりサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) においてコードされるが、この配列は同一タンパク質産物をコードする別のヌクレオチド配列を得るようにデジェネレイト置換により修飾できることが理解されるであろう。
Orm2pの変異型およびフラグメントは、また、本発明に含まれる。Orm2pの関係において、「変異型」 は、保存的または非保存的、アミノ酸の挿入、欠失または置換を有する1または2以上の位置以外において自然Orm2pの配列を有するタンパク質を意味し、ただしこのような変化は基本的性質、例えば、酵素活性 (活性の型および特異的活性) 、熱安定性、ある種のpH範囲における活性 (pH安定性) が有意に変化されていないタンパク質を生ずる。この関係において、「有意に」 は当業者が言うように、変異型の性質がなお異なることができるが、もとのタンパク質の性質にわたって明らかであることを意味する。
「保存的置換」 とは、組合わせ、例えば、下記を意味する: Val、Ile、Leu、Ala、Met; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr、Gly、Ala; Lys、Arg、His; およびPhe、Tyr、Trp。好ましい保存的置換は下記を包含する: Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg; およびPhe、Tyr。
Orm2pの 「変異型」 は、典型的には、自然Orm2pの配列に対して少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、しかもより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%の配列の同一性を有する。
2つのポリペプチド間の配列の同一性%は、後述するように、適当なコンピュータプログラムを使用して決定ことができる。このような変異型は自然であるか、あるいはそうでないことがあり、またはこの分野においてよく知られているように、タンパク質操作法および位置指定突然変異誘発により作ることができる。
Orm2pの関係において、「フラグメント」 は欠失されている1または2以上の位置以外の自然Orm2pの配列を有するタンパク質を意味する。こうして、フラグメントは、完全な成熟Orm2pタンパク質の完全な配列の最大5、10、20、30、40または50%、典型的には60%まで、典型的には60%まで、より典型的には70%まで、好ましくは80%まで、より好ましくは90%まで、さらにより好ましくは95%まで、しかもより好ましくは99%までを含んでなるか、あるいはそうでないことができる。Orm2pタンパク質の特に好ましいフラグメントは、所望のタンパク質の1または2以上の全ドメインを含んでなる。
Orm2pの変異型またはフラグメントは、宿主細胞、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) において組換え的に発現されるとき、宿主細胞中の内因的ORM2遺伝子の欠失を補足できるタンパク質であるか、あるいはないことができ、そして、例えば、Orm2pの天然に存在する相同体、例えば、他の生物、例えば、他の酵母または他の真菌、または他の真核生物、例えば、ヒトまたは他の脊椎動物によりコードされるか、あるいは植物によりコードされる相同体であるか、あるいはないことができる。
シャペロンの配列を含んでなるタンパク質をコードする遺伝子は、特にORF類と調節領域との組合わせについて強調する、異種タンパク質をコードする遺伝子のために後述する方法に類似する方法で形成するか、あるいはしないことができる。
こうして、1つの好ましいシャペロンはタンパク質ジサルファイドイソメラーゼである; 他の好ましいシャペロンはOrm2pまたはそのフラグメントまたは変異型である。特に好ましい態様において、第1 シャペロンおよび第2 シャペロンはタンパク質ジサルファイドイソメラーゼおよびOrm2pまたはそのフラグメントまたは変異型である。
それぞれ第1 シャペロンおよび第2 シャペロンのそれ以上の好ましい組合わせは、下記の遺伝子によりコードされるか、あるいはされないことができる: AHA1およびCCT2; AHA1およびCCT3; AHA1およびCCT4; AHA1およびCCT5; AHA1およびCCT6; AHA1およびCCT7; AHA1およびCCT8; AHA1およびCNS1; AHA1およびCPR3; AHA1およびCPR6; AHA1およびERO1; AHA1およびEUG1; AHA1およびFMO1; AHA1およびHCH1; AHA1およびHSP10; AHA1およびHSP12; AHA1およびHSP104; AHA1およびHSP26; AHA1およびHSP30; AHA1およびHSP42; AHA1およびHSP60; AHA1およびHSP78; AHA1およびHSP82; AHA1およびJEM1; AHA1およびMDJ1; AHA1およびMDJ2; AHA1およびMPD1; AHA1およびMPD2; AHA1およびPDI1; AHA1およびPFD1; AHA1およびABC1; AHA1およびAPJ1; AHA1およびATP11; AHA1およびATP12; AHA1およびBTT1; AHA1およびCDC37; AHA1およびCPR7; AHA1およびHSC82; AHA1およびKAR2; AHA1およびLHS1; AHA1およびMGE1; AHA1およびMRS11; AHA1およびNOB1; AHA1およびECM10; AHA1およびSSA1; AHA1およびSSA2; AHA1およびSSA3; AHA1およびSSA4; AHA1およびSSC1; AHA1およびSSE2; AHA1およびSIL1; AHA1およびSLS1; AHA1およびORM1; AHA1およびORM2; AHA1およびPER1; AHA1およびPTC2; AHA1およびPSE1; AHA1およびUBI4; AHA1およびHACE またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CCT2およびCCT3; CCT2およびCCT4; CCT2およびCCT5; CCT2およびCCT6; CCT2およびCCT7; CCT2およびCCT8; CCT2およびCNS1; CCT2およびCPR3; CCT2およびCPR6; CCT2およびERO1; CCT2およびEUG1; CCT2およびFMO1; CCT2およびHCH1; CCT2およびHSP10; CCT2およびHSP12; CCT2およびHSP104; CCT2およびHSP26; CCT2およびHSP30; CCT2およびHSP42; CCT2およびHSP60; CCT2およびHSP78; CCT2およびHSP82; CCT2およびJEM1; CCT2およびMDJ1; CCT2およびMDJ2; CCT2およびMPD1; CCT2およびMPD2; CCT2およびPDI1; CCT2およびPFD1; CCT2およびABC1; CCT2およびAPJ1; CCT2およびATP11; CCT2およびATP12; CCT2およびBTT1; CCT2およびCDC37; CCT2およびCPR7; CCT2およびHSC82; CCT2およびKAR2; CCT2およびLHS1; CCT2およびMGE1; CCT2およびMRS11; CCT2およびNOB1; CCT2およびECM10; CCT2およびSSA1; CCT2およびSSA2; CCT2およびSSA3; CCT2およびSSA4; CCT2およびSSC1; CCT2およびSSE2; CCT2およびSIL1; CCT2およびSLS1; CCT2およびORM1; CCT2およびORM2; CCT2およびPER1; CCT2およびPTC2; CCT2およびPSE1; CCT2およびUBI4; CCT2およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CCT3およびCCT4; CCT3およびCCT5; CCT3およびCCT6; CCT3およびCCT7; CCT3およびCCT8; CCT3およびCNS1; CCT3およびCPR3; CCT3およびCPR6; CCT3およびERO1; CCT3およびEUG1; CCT3およびFMO1; CCT3およびHCH1; CCT3およびHSP10; CCT3およびHSP12; CCT3およびHSP104; CCT3およびHSP26; CCT3およびHSP30; CCT3およびHSP42; CCT3およびHSP60; CCT3およびHSP78; CCT3およびHSP82; CCT3およびJEM1; CCT3およびMDJ1; CCT3およびMDJ2; CCT3およびMPD1; CCT3およびMPD2; CCT3およびPDI1; CCT3およびPFD1; CCT3およびABC1; CCT3およびAPJ1; CCT3およびATP11; CCT3およびATP12; CCT3およびBTT1; CCT3およびCDC37; CCT3およびCPR7; CCT3およびHSC82; CCT3およびKAR2; CCT3およびLHS1; CCT3およびMGE1; CCT3およびMRS11; CCT3およびNOB1; CCT3およびECM10; CCT3およびSSA1; CCT3およびSSA2; CCT3およびSSA3; CCT3およびSSA4; CCT3およびSSC1; CCT3およびSSE2; CCT3およびSIL1; CCT3およびSLS1; CCT3およびORM1; CCT3およびORM2; CCT3およびPER1; CCT3およびPTC2; CCT3およびPSE1; CCT3およびUBI4; CCT3およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CCT4およびCCT5; CCT4およびCCT6; CCT4およびCCT7; CCT4およびCCT8; CCT4およびCNS1; CCT4およびCPR3; CCT4およびCPR6; CCT4およびERO1; CCT4およびEUG1; CCT4およびFMO1; CCT4およびHCH1; CCT4およびHSP10; CCT4およびHSP12; CCT4およびHSP104; CCT4およびHSP26; CCT4およびHSP30; CCT4およびHSP42; CCT4およびHSP60; CCT4およびHSP78; CCT4およびHSP82; CCT4およびJEM1; CCT4およびMDJ1; CCT4およびMDJ2; CCT4およびMPD1; CCT4およびMPD2; CCT4およびPDI1; CCT4およびPFD1; CCT4およびABC1; CCT4およびAPJ1; CCT4およびATP11; CCT4およびATP12; CCT4およびBTT1; CCT4およびCDC37; CCT4およびCPR7; CCT4およびHSC82; CCT4およびKAR2; CCT4およびLHS1; CCT4およびMGE1; CCT4およびMRS11; CCT4およびNOB1; CCT4およびECM10; CCT4およびSSA1; CCT4およびSSA2; CCT4およびSSA3; CCT4およびSSA4; CCT4およびSSC1; CCT4およびSSE2; CCT4およびSIL1; CCT4およびSLS1; CCT4およびORM1; CCT4およびORM2; CCT4およびPER1; CCT4およびPTC2; CCT4およびPSE1; CCT4およびUBI4; CCT4およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CCT5およびCCT6; CCT5およびCCT7; CCT5およびCCT8; CCT5およびCNS1; CCT5およびCPR3; CCT5およびCPR6; CCT5およびERO1; CCT5およびEUG1; CCT5およびFMO1; CCT5およびHCH1; CCT5およびHSP10; CCT5およびHSP12; CCT5およびHSP104; CCT5およびHSP26; CCT5およびHSP30; CCT5およびHSP42; CCT5およびHSP60; CCT5およびHSP78; CCT5およびHSP82; CCT5およびJEM1; CCT5およびMDJ1; CCT5およびMDJ2; CCT5およびMPD1; CCT5およびMPD2; CCT5およびPDI1; CCT5およびPFD1; CCT5およびABC1; CCT5およびAPJ1; CCT5およびATP11; CCT5およびATP12; CCT5およびBTT1; CCT5およびCDC37; CCT5およびCPR7; CCT5およびHSC82; CCT5およびKAR2; CCT5およびLHS1; CCT5およびMGE1; CCT5およびMRS11; CCT5およびNOB1; CCT5およびECM10; CCT5およびSSA1; CCT5およびSSA2; CCT5およびSSA3; CCT5およびSSA4; CCT5およびSSC1; CCT5およびSSE2; CCT5およびSIL1; CCT5およびSLS1; CCT5およびORM1; CCT5およびORM2; CCT5およびPER1; CCT5およびPTC2; CCT5およびPSE1; CCT5およびUBI4; CCT5およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CCT6およびCCT7; CCT6およびCCT8; CCT6およびCNS1; CCT6およびCPR3; CCT6およびCPR6; CCT6およびERO1; CCT6およびEUG1; CCT6およびFMO1; CCT6およびHCH1; CCT6およびHSP10; CCT6およびHSP12; CCT6およびHSP104; CCT6およびHSP26; CCT6およびHSP30; CCT6およびHSP42; CCT6およびHSP60; CCT6およびHSP78; CCT6およびHSP82; CCT6およびJEM1; CCT6およびMDJ1; CCT6およびMDJ2; CCT6およびMPD1; CCT6およびMPD2; CCT6およびPDI1; CCT6およびPFD1; CCT6およびABC1; CCT6およびAPJ1; CCT6およびATP11; CCT6およびATP12; CCT6およびBTT1; CCT6およびCDC37; CCT6およびCPR7; CCT6およびHSC82; CCT6およびKAR2; CCT6およびLHS1; CCT6およびMGE1; CCT6およびMRS11; CCT6およびNOB1; CCT6およびECM10; CCT6およびSSA1; CCT6およびSSA2; CCT6およびSSA3; CCT6およびSSA4; CCT6およびSSC1; CCT6およびSSE2; CCT6およびSIL1; CCT6およびSLS1; CCT6およびORM1; CCT6およびORM2; CCT6およびPER1; CCT6およびPTC2; CCT6およびPSE1; CCT6およびUBI4; CCT6およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CCT7およびCCT8; CCT7およびCNS1; CCT7およびCPR3; CCT7およびCPR6; CCT7およびERO1; CCT7およびEUG1; CCT7およびFMO1; CCT7およびHCH1; CCT7およびHSP10; CCT7およびHSP12; CCT7およびHSP104; CCT7およびHSP26; CCT7およびHSP30; CCT7およびHSP42; CCT7およびHSP60; CCT7およびHSP78; CCT7およびHSP82; CCT7およびJEM1; CCT7およびMDJ1; CCT7およびMDJ2; CCT7およびMPD1; CCT7およびMPD2; CCT7およびPDI1; CCT7およびPFD1; CCT7およびABC1; CCT7およびAPJ1; CCT7およびATP11; CCT7およびATP12; CCT7およびBTT1; CCT7およびCDC37; CCT7およびCPR7; CCT7およびHSC82; CCT7およびKAR2; CCT7およびLHS1; CCT7およびMGE1; CCT7およびMRS11; CCT7およびNOB1; CCT7およびECM10; CCT7およびSSA1; CCT7およびSSA2; CCT7およびSSA3; CCT7およびSSA4; CCT7およびSSC1; CCT7およびSSE2; CCT7およびSIL1; CCT7およびSLS1; CCT7およびORM1; CCT7およびORM2; CCT7およびPER1; CCT7およびPTC2; CCT7およびPSE1; CCT7およびUBI4; CCT7およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CCT8およびCNS1; CCT8およびCPR3; CCT8およびCPR6; CCT8およびERO1; CCT8およびEUG1; CCT8およびFMO1; CCT8およびHCH1; CCT8およびHSP10; CCT8およびHSP12; CCT8およびHSP104; CCT8およびHSP26; CCT8およびHSP30; CCT8およびHSP42; CCT8およびHSP60; CCT8およびHSP78; CCT8およびHSP82; CCT8およびJEM1; CCT8およびMDJ1; CCT8およびMDJ2; CCT8およびMPD1; CCT8およびMPD2; CCT8およびPDI1; CCT8およびPFD1; CCT8およびABC1; CCT8およびAPJ1; CCT8およびATP11; CCT8およびATP12; CCT8およびBTT1; CCT8およびCDC37; CCT8およびCPR7; CCT8およびHSC82; CCT8およびKAR2; CCT8およびLHS1; CCT8およびMGE1; CCT8およびMRS11; CCT8およびNOB1; CCT8およびECM10; CCT8およびSSA1; CCT8およびSSA2; CCT8およびSSA3; CCT8およびSSA4; CCT8およびSSC1; CCT8およびSSE2; CCT8およびSIL1; CCT8およびSLS1; CCT8およびORM1; CCT8およびORM2; CCT8およびPER1; CCT8およびPTC2; CCT8およびPSE1; CCT8およびUBI4; CCT8およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CNS1およびCPR3; CNS1およびCPR6; CNS1およびERO1; CNS1およびEUG1; CNS1およびFMO1; CNS1およびHCH1; CNS1およびHSP10; CNS1およびHSP12; CNS1およびHSP104; CNS1およびHSP26; CNS1およびHSP30; CNS1およびHSP42; CNS1およびHSP60; CNS1およびHSP78; CNS1およびHSP82; CNS1およびJEM1; CNS1およびMDJ1; CNS1およびMDJ2; CNS1およびMPD1; CNS1およびMPD2; CNS1およびPDI1; CNS1およびPFD1; CNS1およびABC1; CNS1およびAPJ1; CNS1およびATP11; CNS1およびATP12; CNS1およびBTT1; CNS1およびCDC37; CNS1およびCPR7; CNS1およびHSC82; CNS1およびKAR2; CNS1およびLHS1; CNS1およびMGE1; CNS1およびMRS11; CNS1およびNOB1; CNS1およびECM10; CNS1およびSSA1; CNS1およびSSA2; CNS1およびSSA3; CNS1およびSSA4; CNS1およびSSC1; CNS1およびSSE2; CNS1およびSIL1; CNS1およびSLS1; CNS1およびORM1; CNS1およびORM2; CNS1およびPER1; CNS1およびPTC2; CNS1およびPSE1; CNS1およびUBI4; CNS1およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CPR3およびCPR6; CPR3およびERO1; CPR3およびEUG1; CPR3およびFMO1; CPR3およびHCH1; CPR3およびHSP10; CPR3およびHSP12; CPR3およびHSP104; CPR3およびHSP26; CPR3およびHSP30; CPR3およびHSP42; CPR3およびHSP60; CPR3およびHSP78; CPR3およびHSP82; CPR3およびJEM1; CPR3およびMDJ1; CPR3およびMDJ2; CPR3およびMPD1; CPR3およびMPD2; CPR3およびPDI1; CPR3およびPFD1; CPR3およびABC1; CPR3およびAPJ1; CPR3およびATP11; CPR3およびATP12; CPR3およびBTT1; CPR3およびCDC37; CPR3およびCPR7; CPR3およびHSC82; CPR3およびKAR2; CPR3およびLHS1; CPR3およびMGE1; CPR3およびMRS11; CPR3およびNOB1; CPR3およびECM10; CPR3およびSSA1; CPR3およびSSA2; CPR3およびSSA3; CPR3およびSSA4; CPR3およびSSC1; CPR3およびSSE2; CPR3およびSIL1; CPR3およびSLS1; CPR3およびORM1; CPR3およびORM2; CPR3およびPER1; CPR3およびPTC2; CPR3およびPSE1; CPR3およびUBI4; CPR3およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
CPR6およびERO1; CPR6およびEUG1; CPR6およびFMO1; CPR6およびHCH1; CPR6およびHSP10; CPR6およびHSP12; CPR6およびHSP104; CPR6およびHSP26; CPR6およびHSP30; CPR6およびHSP42; CPR6およびHSP60; CPR6およびHSP78; CPR6およびHSP82; CPR6およびJEM1; CPR6およびMDJ1; CPR6およびMDJ2; CPR6およびMPD1; CPR6およびMPD2; CPR6およびPDI1; CPR6およびPFD1; CPR6およびABC1; CPR6およびAPJ1; CPR6およびATP11; CPR6およびATP12; CPR6およびBTT1; CPR6およびCDC37; CPR6およびCPR7; CPR6およびHSC82; CPR6およびKAR2; CPR6およびLHS1; CPR6およびMGE1; CPR6およびMRS11; CPR6およびNOB1; CPR6およびECM10; CPR6およびSSA1; CPR6およびSSA2; CPR6およびSSA3; CPR6およびSSA4; CPR6およびSSC1; CPR6およびSSE2; CPR6およびSIL1; CPR6およびSLS1; CPR6およびORM1; CPR6およびORM2; CPR6およびPER1; CPR6およびPTC2; CPR6およびPSE1; CPR6およびUBI4; CPR6およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
ERO1およびEUG1; ERO1およびFMO1; ERO1およびHCH1; ERO1およびHSP10; ERO1およびHSP12; ERO1およびHSP104; ERO1およびHSP26; ERO1およびHSP30; ERO1およびHSP42; ERO1およびHSP60; ERO1およびHSP78; ERO1およびHSP82; ERO1およびJEM1; ERO1およびMDJ1; ERO1およびMDJ2; ERO1およびMPD1; ERO1およびMPD2; ERO1およびPDI1; ERO1およびPFD1; ERO1およびABC1; ERO1およびAPJ1; ERO1およびATP11; ERO1およびATP12; ERO1およびBTT1; ERO1およびCDC37; ERO1およびCPR7; ERO1およびHSC82; ERO1およびKAR2; ERO1およびLHS1; ERO1およびMGE1; ERO1およびMRS11; ERO1およびNOB1; ERO1およびECM10; ERO1およびSSA1; ERO1およびSSA2; ERO1およびSSA3; ERO1およびSSA4; ERO1およびSSC1; ERO1およびSSE2; ERO1およびSIL1; ERO1およびSLS1; ERO1およびORM1; ERO1およびORM2; ERO1およびPER1; ERO1およびPTC2; ERO1およびPSE1; ERO1およびUBI4; ERO1およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
EUG1およびFMO1; EUG1およびHCH1; EUG1およびHSP10; EUG1およびHSP12; EUG1およびHSP104; EUG1およびHSP26; EUG1およびHSP30; EUG1およびHSP42; EUG1およびHSP60; EUG1およびHSP78; EUG1およびHSP82; EUG1およびJEM1; EUG1およびMDJ1; EUG1およびMDJ2; EUG1およびMPD1; EUG1およびMPD2; EUG1およびPDI1; EUG1およびPFD1; EUG1およびABC1; EUG1およびAPJ1; EUG1およびATP11; EUG1およびATP12; EUG1およびBTT1; EUG1およびCDC37; EUG1およびCPR7; EUG1およびHSC82; EUG1およびKAR2; EUG1およびLHS1; EUG1およびMGE1; EUG1およびMRS11; EUG1およびNOB1; EUG1およびECM10; EUG1およびSSA1; EUG1およびSSA2; EUG1およびSSA3; EUG1およびSSA4; EUG1およびSSC1; EUG1およびSSE2; EUG1およびSIL1; EUG1およびSLS1; EUG1およびORM1; EUG1およびORM2; EUG1およびPER1; EUG1およびPTC2; EUG1およびPSE1; EUG1およびUBI4; EUG1およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
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HSP10およびHSP12; HSP10およびHSP104; HSP10およびHSP26; HSP10およびHSP30; HSP10およびHSP42; HSP10およびHSP60; HSP10およびHSP78; HSP10およびHSP82; HSP10およびJEM1; HSP10およびMDJ1; HSP10およびMDJ2; HSP10およびMPD1; HSP10およびMPD2; HSP10およびPDI1; HSP10およびPFD1; HSP10およびABC1; HSP10およびAPJ1; HSP10およびATP11; HSP10およびATP12; HSP10およびBTT1; HSP10およびCDC37; HSP10およびCPR7; HSP10およびHSC82; HSP10およびKAR2; HSP10およびLHS1; HSP10およびMGE1; HSP10およびMRS11; HSP10およびNOB1; HSP10およびECM10; HSP10およびSSA1; HSP10およびSSA2; HSP10およびSSA3; HSP10およびSSA4; HSP10およびSSC1; HSP10およびSSE2; HSP10およびSIL1; HSP10およびSLS1; HSP10およびORM1; HSP10およびORM2; HSP10およびPER1; HSP10およびPTC2; HSP10およびPSE1; HSP10およびUBI4; HSP10およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
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HSP26およびHSP30; HSP26およびHSP42; HSP26およびHSP60; HSP26およびHSP78; HSP26およびHSP82; HSP26およびJEM1; HSP26およびMDJ1; HSP26およびMDJ2; HSP26およびMPD1; HSP26およびMPD2; HSP26およびPDI1; HSP26およびPFD1; HSP26およびABC1; HSP26およびAPJ1; HSP26およびATP11; HSP26およびATP12; HSP26およびBTT1; HSP26およびCDC37; HSP26およびCPR7; HSP26およびHSC82; HSP26およびKAR2; HSP26およびLHS1; HSP26およびMGE1; HSP26およびMRS11; HSP26およびNOB1; HSP26およびECM10; HSP26およびSSA1; HSP26およびSSA2; HSP26およびSSA3; HSP26およびSSA4; HSP26およびSSC1; HSP26およびSSE2; HSP26およびSIL1; HSP26およびSLS1; HSP26およびORM1; HSP26およびORM2; HSP26およびPER1; HSP26およびPTC2; HSP26およびPSE1; HSP26およびUBI4; HSP26およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
HSP30およびHSP42; HSP30およびHSP60; HSP30およびHSP78; HSP30およびHSP82; HSP30およびJEM1; HSP30およびMDJ1; HSP30およびMDJ2; HSP30およびMPD1; HSP30およびMPD2; HSP30およびPDI1; HSP30およびPFD1; HSP30およびABC1; HSP30およびAPJ1; HSP30およびATP11; HSP30およびATP12; HSP30およびBTT1; HSP30およびCDC37; HSP30およびCPR7; HSP30およびHSC82; HSP30およびKAR2; HSP30およびLHS1; HSP30およびMGE1; HSP30およびMRS11; HSP30およびNOB1; HSP30およびECM10; HSP30およびSSA1; HSP30およびSSA2; HSP30およびSSA3; HSP30およびSSA4; HSP30およびSSC1; HSP30およびSSE2; HSP30およびSIL1; HSP30およびSLS1; HSP30およびORM1; HSP30およびORM2; HSP30およびPER1; HSP30およびPTC2; HSP30およびPSE1; HSP30およびUBI4; HSP30およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
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PSE1およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1; UBI4およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1; TIM9およびAHA1; TIM9およびCCT2; TIM9およびCCT3; TIM9およびCCT4; TIM9およびCCT5; TIM9およびCCT6; TIM9およびCCT7; TIM9およびCCT8; TIM9およびCNS1; TIM9およびCPR3; TIM9およびCPR6; TIM9およびERO1; TIM9およびEUG1; TIM9およびFMO1; TIM9およびHCH1; TIM9およびHSP10; TIM9およびHSP12; TIM9およびHSP104; TIM9およびHSP26; TIM9およびHSP30; TIM9およびHSP42; TIM9およびHSP60; TIM9およびHSP78; TIM9およびHSP82; TIM9およびJEM1; TIM9およびMDJ1; TIM9およびMDJ2; TIM9およびMPD1; TIM9およびMPD2; TIM9およびPDI1; TIM9およびPFD1; TIM9およびABC1; TIM9およびAPJ1; TIM9およびATP11; TIM9およびATP12; TIM9およびBTT1; TIM9およびCDC37; TIM9およびCPR7; TIM9およびHSC82; TIM9およびKAR2; TIM9およびLHS1; TIM9およびMGE1; TIM9およびMRS11; TIM9およびNOB1; TIM9およびECM10; TIM9およびSSA1; TIM9およびSSA2; TIM9およびSSA3; TIM9およびSSA4; TIM9およびSSC1; TIM9およびSSE2; TIM9およびSIL1; TIM9およびSLS1; TIM9およびORM1; TIM9およびORM2; TIM9およびPER1; TIM9およびPTC2; TIM9およびPSE1; TIM9およびUBI4; TIM9およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1;
PAM18およびAHA1; PAM18およびCCT2; PAM18およびCCT3; PAM18およびCCT4; PAM18およびCCT5; PAM18およびCCT6; PAM18およびCCT7; PAM18およびCCT8; PAM18およびCNS1; PAM18およびCPR3; PAM18およびCPR6; PAM18およびERO1; PAM18およびEUG1; PAM18およびFMO1; PAM18およびHCH1; PAM18およびHSP10; PAM18およびHSP12; PAM18およびHSP104; PAM18およびHSP26; PAM18およびHSP30; PAM18およびHSP42; PAM18およびHSP60; PAM18およびHSP78; PAM18およびHSP82; PAM18およびJEM1; PAM18およびMDJ1; PAM18およびMDJ2; PAM18およびMPD1; PAM18およびMPD2; PAM18およびPDI1; PAM18およびPFD1; PAM18およびABC1; PAM18およびAPJ1; PAM18およびATP11; PAM18およびATP12; PAM18およびBTT1; PAM18およびCDC37; PAM18およびCPR7;
PAM18およびHSC82; PAM18およびKAR2; PAM18およびLHS1; PAM18およびMGE1; PAM18およびMRS11; PAM18およびNOB1; PAM18およびECM10; PAM18およびSSA1; PAM18およびSSA2; PAM18およびSSA3; PAM18およびSSA4; PAM18およびSSC1; PAM18およびSSE2; PAM18およびSIL1; PAM18およびSLS1; PAM18およびORM1; PAM18およびORM2; PAM18およびPER1; PAM18およびPTC2; PAM18およびPSE1; PAM18およびUBI4; PAM18およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1; TCP1およびAHA1; TCP1およびCCT2; TCP1およびCCT3; TCP1およびCCT4; TCP1およびCCT5; TCP1およびCCT6; TCP1およびCCT7; TCP1およびCCT8; TCP1およびCNS1; TCP1およびCPR3; TCP1およびCPR6; TCP1およびERO1; TCP1およびEUG1; TCP1およびFMO1; TCP1およびHCH1; TCP1およびHSP10; TCP1およびHSP12; TCP1およびHSP104; TCP1およびHSP26; TCP1およびHSP30; TCP1およびHSP42; TCP1およびHSP60; TCP1およびHSP78;
TCP1およびHSP82; TCP1およびJEM1; TCP1およびMDJ1; TCP1およびMDJ2; TCP1およびMPD1; TCP1およびMPD2; TCP1およびPDI1; TCP1およびPFD1; TCP1およびABC1; TCP1およびAPJ1; TCP1およびATP11; TCP1およびATP12; TCP1およびBTT1; TCP1およびCDC37; TCP1およびCPR7; TCP1およびHSC82; TCP1およびKAR2; TCP1およびLHS1; TCP1およびMGE1; TCP1およびMRS11; TCP1およびNOB1; TCP1およびECM10; TCP1およびSSA1; TCP1およびSSA2; TCP1およびSSA3; TCP1およびSSA4; TCP1およびSSC1; TCP1およびSSE2; TCP1およびSIL1; TCP1およびSLS1; TCP1およびORM1; TCP1およびORM2; TCP1およびPER1; TCP1およびPTC2; TCP1およびPSE1; TCP1およびUBI4; TCP1およびHAC1 またはトランケーテッド無イントロンHAC1; TIM9およびPAM18; TIM9およびTCP1; またはPAM18およびTCP1。
第1 、第2 および第3組換え遺伝子は宿主細胞内のプラスミド (これは前述の2μmファミリープラスミドであるか、あるいはないことができる) 上に各々個々に存在するか、あるいはしないことができ、そして宿主細胞のゲノム内の染色体的に組込まれているか、あるいはいないことができる。プラスミドと染色体的に組込まれた第1 、第2 および第3組換え遺伝子との任意の組合わせを使用できることが理解されるであろう。例えば、第1 、第2 および第3組換え遺伝子は宿主細胞内のプラスミド上に各々個々に存在するか、あるいはしないことができ、そしてプラスミドは同一プラスミドまたは異なるプラスミドであるか、あるいはないことができる。
あるいは、第1 組換え遺伝子はプラスミド上に存在するか、あるいはしないことができ、そして第2 組換え遺伝子は宿主細胞のゲノム内の染色体的に組込まれているか、あるいはいないことができる。あるいは、第1 および第2 組換え遺伝子はプラスミド上に存在するか、あるいはしないことができ、そして第3 組換え遺伝子は宿主細胞のゲノム内の染色体的に組込まれているか、あるいはいないことができる。あるいは、第1 および第2 組換え遺伝子はプラスミド上に存在するか、あるいはしないことができ、そして第2組換え遺伝子は宿主細胞のゲノム内の染色体的に組込まれているか、あるいはいないことができる。あるいは、第1 および第2 組換え遺伝子は宿主細胞のゲノム内の染色体的に組込まれているか、あるいはいないことができ、そして第3組換え遺伝子はプラスミド上に存在するか、あるいはしないことができる。あるいは、第1 、第2 および第3組換え遺伝子は各々個々に宿主細胞のゲノム内の染色体的に組込まれているか、あるいはいないことができる。
この目的に使用するプラスミドは、下記において規定するような、プラスミド、例えば、2μmファミリープラスミドであるか、あるいはないことができる。こうして、1つの態様において、本発明の第1 面に従う方法は、第1 、第2 および第3組換え遺伝子のすべてが2μmファミリープラスミド上に存在する宿主細胞を含まない。
したがって、第2 面として、本発明は、また、異なるシャペロンをコードする2つの異なる (第1 および第2 組換え遺伝子) を含んでなるプラスミドを提供する。1つの好ましい態様において、プラスミドは異種タンパク質、例えば、前述の異種タンパク質をコードする遺伝子 (第3組換え遺伝子) をさらに含んでなるか、あるいは含まないことができる。本発明の第2 面に従うプラスミドは、2μmファミリープラスミドであるか、あるいはないことができる。
本発明の第3面は、所望のタンパク質、例えば、異種タンパク質、例えば、真菌 (必要に応じて酵母) または脊椎動物のタンパク質の産生を増加させる発現ベクターとして、本発明の第2面のプラスミドの使用を提供する。所望のタンパク質は組換え遺伝子によりコードされるか、あるいはされないことができ、ここで組換え遺伝子はプラスミドの一部分として存在するか、あるいは宿主細胞中の異なるプラスミド上に存在するか、あるいは宿主細胞の染色体中に組込まれたトランスジーンとして宿主細胞中に存在する。
本発明の第4面は、上において規定したプラスミドを含んでなる宿主細胞を提供する。宿主細胞は所望の異種タンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでなるか、あるいは含まないことができる。所望の異種タンパク質をコードする組換え遺伝子 (「第3組換え遺伝子」) が第1 および第2 シャペロンをコードする同一プラスミドの一部分として存在しない場合、宿主細胞は異なるプラスミド上に、または宿主細胞の染色体染色体的に組込まれトランスジーンとして存在するか、あるいはしないことができる。
第5面として、本発明は、第1 、第2 および第3組換え遺伝子を含んでなる宿主細胞を提供する。第1 、第2 および第3組換え遺伝子は宿主細胞内のプラスミド (これは2μmファミリープラスミドであるか、あるいはないことができる) 上に各々個々に存在するか、あるいはしないことができ、そして宿主細胞のゲノム染色体的に組込まれているか、あるいはいないことができる。前述したように、プラスミドと染色体的に組込まれた第1 、第2 および第3組換え遺伝子との任意の組合わせを使用できることが理解されるであろう。こうして、宿主細胞はプラスミド上に第1 、第2 および第3組換え遺伝子を各々個々に含んでなるか、あるいは含まないことができ、そしてこのプラスミドは同一プラスミドまたは異なるプラスミドであるか、あるいはないことができる。選択的に、宿主細胞はプラスミド上に第1 組換え遺伝子、および宿主細胞のゲノム内に染色体的に組込まれた第2 および第3組換え遺伝子を含んでなるか、あるいは含まないことができる。
あるいは、宿主細胞はプラスミド上に第1 および第2 組換え遺伝子、および宿主細胞のゲノム内に染色体的に組込まれた第3組換え遺伝子を含んでなるか、あるいは含まないことができる。選択的に、宿主細胞はプラスミド上に第1 および第3 組換え遺伝子、および宿主細胞のゲノム内に染色体的に組込まれた第2組換え遺伝子を含んでなるか、あるいは含まないことができる。選択的に、宿主細胞は宿主細胞のゲノム内に染色体的に組込まれた第1 および第2 組換え遺伝子、およびプラスミド上に存在する第3 組換え遺伝子を含んでなるか、あるいは含まないことができる。選択的に、宿主細胞は宿主細胞のゲノム内に染色体的に組込まれた第1 、第2 および第3組換え遺伝子を含んでなるか、あるいは含まないことができる。
2μmファミリープラスミド
本発明書の目的に対して、プラスミドは2μmファミリープラスミドであるか、あるいはないことができる。発芽酵母のある種の密接に関係する種は、天然に存在する環状二本鎖DNAプラスミドを含有することが示された。これらのプラスミドは、集合的に2μmファミリープラスミドと命名し、下記を包含する: ジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) (以前にはジゴサッカロマイセス・ビスポルス (Zygosaccharomyces bisporus) として分類されていた) からのプラスミドpSR1、pSB3およびpSB4、ジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) からのプラスミドpSB1およびpBS2、ジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) からのプラスミドpSM1、クライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) からのプラスミドpKD1、ピキア・メンブラネファシエンス (Pichia membranaefaciens) からの命名されていないプラスミド (以後において「pPM1」) および2μmプラスミド (例えば、第1図に示す) およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) からの変異型 (例えば、Scp1、Scp2およびScp3) (Volker 他、1989、Microbiological Reviews 53、299; Murray 他、1988、J. Mol. Biol. 200、601; Painting 他、1984、J. Applied Bacteriology 56、331) 。
プラスミドのファミリーとして、これらの分子は1連の共通の特徴を有し、それらはプラスミドの対抗する側に2つの逆方向反復を有し、約6 kbp (範囲4757〜6615 bp) の大きさ、3つのオープンリーディングフレームを有し、それらの1つはサイト特異的リコンビナーゼ (FLP) および自律的に複製する配列 (ARS) をコードし、この配列は、また、複製起点 (ori) として知られおり、逆方向領域の1つの端に密接する。(Futcher、1988、Yeast 4、27; Murray 他、前掲; およびToh-e 他、1986、Basic Life Sci. 40、425) 。認識可能なDNA配列の相同性が欠如するにかかわらず、それらが共有する分子構造および3つのオープンリーディングフレームの機能の保存はファミリーメンバー間の共通の祖先の因果関係を証明した。
上記の天然に存在する2μmファミリープラスミドは本発明において使用できるか、あるいはできないことがあるが、本発明は天然に存在する2μmファミリープラスミドの使用に限定されない。本発明の目的に対して、2μmファミリープラスミドは下記において規定するようなものであるか、あるいはないことができる。
2μmファミリープラスミドは環状二本鎖DNAプラスミドである。典型的には、それは小さく、例えば、3,000〜10,000 bp、必要に応じて4,500〜7,000 bpであり、組換え的に挿入された配列を排除する。
典型的には、2μmファミリープラスミドは、少なくとも3つのオープンリーディングフレーム (「ORF」) を含んでなり、これらのオープンリーディングフレームの各々はマルチコピープラスミドとして2μmファミリープラスミドの安定な維持において機能するタンパク質をコードする。3つのORFによりコードされるタンパク質は、FLP、REP1およびREP2と表示することができる。2μmファミリープラスミドがFLP、REP1およびREP2をコードするすべての3つのORFを含まない場合、1または2以上のミッシングタンパク質をコードするORFは、他のプラスミド上でまたは染色体的組込みにより、トランスで供給されるべきである。
「FLP」 タンパク質は、FLPにより認識される逆方向反復配列間の部位特異的組換えを触媒することができるタンパク質である。逆方向反復配列はFLP組換えターゲット (FRT) 部位と命名され、そして各々は典型的にはより大きい逆方向反復の一部分として存在する (下文参照) 。好ましいFLPタンパク質は、例えば、下記の文献に記載されているように、プラスミドpSR1、pSB1、pSB2、pSB3、pSB4、pSM1、pKD1、pPM1および2μmプラスミドの1つによりコードされる: Volker 他、前掲; Murray 他、前掲; およびPainting 他、前掲。これらのFLPの変異型およびフラグメントは、また、本発明に含まれる。「フラグメント」 および「変異型」は、同一FRT配列間の部位特異的組換えを触媒する自然タンパク質の能力を保持するものである。
通常、このような変異型およびフラグメントは、プラスミドpSR1、pSB1、pSB2、pSB3、pSB4、pSM1、pKD1、pPM1および2μmプラスミドの1つによりコードされるFLPタンパク質に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%以上の相同性を有するであろう。異なるFLPタンパク質は、異なるFRT配列の特異性を有することができる。典型的なFRT部位は、逆方向反復配列によりフランクされたコアヌクレオチド配列を含んでなるか、あるいは含まないことができる。2μmプラスミドにおいて、FRTコア配列は8ヌクレオチド長さであり、そしてフランキング逆方向反復配列は13ヌクレオチド長さである (Volkert 他、前掲) 。しかしながら、任意の所定のFLPタンパク質により認識されるFRT部位は、2μmプラスミドFRT部位と異なるか、あるいは異ならないことができる。
REP1およびREP2は細胞分裂間にプラスミドコピーのポジショニングに関係づけられるタンパク質であり、そしてまたFLP発現の調節においてある役割を有するか、あるいはそれをもたないことがある。異なる2μmファミリープラスミドからのREP1タンパク質間でかなりの配列のダイバージェンスが観測されたが、異なる2μmファミリープラスミドからのREP2タンパク質間で配列のアラインメントは不可能であった。好ましいREP1およびREP2タンパク質は、例えば、下記の文献に記載されているように、プラスミドpSR1、pSB1、pSB2、pSB3、pSB4、pSM1、pKD1、pPM1および2μmプラスミドの1つによりコードされるREP1およびREP2タンパク質である: Volker 他、前掲; Murray 他、前掲; およびPainting 他、前掲。
これらのREP1およびREP2タンパク質の変異型およびフラグメントは、また、本発明に含まれる。REP1およびREP2の「フラグメント」 および「変異型」は、自然ORFの代わりにプラスミドによりコードされるとき、適当な酵母集団内のプラスミドの安定なマルチコピーの維持を実質的に崩壊しないものである。REP1およびREP2のこのような変異型およびフラグメントは、通常、プラスミドpSR1、pSB1、pSB2、pSB3、pSB4、pSM1、pKD1、pPM1および2μmプラスミドの1つによりコードされる、それぞれREP1およびREP2タンパク質に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%以上の相同性を有するであろう。
プラスミド上のORFによりコードされるREP1およびREP2タンパク質は適合性でなくてはならない。REP1およびREP2タンパク質は、同一の天然に存在する2μmファミリープラスミド、例えば、プラスミドpSR1、pSB1、pSB2、pSB3、pSB4、pSM1、pKD1、pPM1および2μmプラスミドによりコードされるREP1およびREP2タンパク質の配列、またはそれらの変異型またはフラグメントを有することが好ましい。
典型的には、2μmファミリープラスミドは2つの逆方向反復配列を含んでなる。逆方向反復は各々がFRT部位を含有するかぎり、任意の大きさであることができる。典型的には、逆方向反復は高度に相同的である。逆方向反復は50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%以上より大きい配列の同一性を共有することができるか、あるいはそうでないことがある。典型的には、逆方向反復の各々は200〜300 bp、300〜400 bp、400〜500 bp、500〜600 bp、600〜700 bp、700〜800 bp、800〜900 bpまたは900〜1000 bpの長さを有するか、あるいはそうでないことがある。特に好ましい逆方向反復は下記のプラスミドの逆方向反復である: プラスミドpSR1 (959 bp) 、pSB1 (675 bp) 、pSB2 (477 bp) 、pSB3 (391 bp) 、pSM1 (352 bp) 、pKD1 (346 bp) 、2μmプラスミド (599 bp) 、pSB4またはpPM1。
逆方向反復の配列は変化するか、あるいはしないことがある。しかしながら、各逆方向反復中のFRT部位の配列は、プラスミドによりコードされるFLPタンパク質の特異性と適合性であり、これによりコード化されたFLPタンパク質がプラスミドの逆方向反復配列間の部位特異的組換えを触媒するように作用すべきである。逆方向反復配列間の組換え (およびこうしてプラスミドでFRT部位を認識するFLPタンパク質の能力) は、この分野において知られている方法により決定できる。例えば、FLP発現に好適な条件下の酵母細胞中のプラスミドをプラスミドの制限プロファイルの変化についてアッセイすることができ、このような変化はプラスミドの他の領域に関するプラスミドのある領域の向きから生ずるであろう。制限プロファイルの変化の検出は、FLPタンパク質がプラスミド中のFRT部位を認識することができ、したがって各逆方向反復中のFRT部位がプラスミドによりコードされるFLPタンパク質の特異性と適合性であることを示す。
特に好ましい態様において、FRT部位を含む、逆方向反復の配列は、FLPタンパク質をコードするORFと同一の2μmファミリープラスミド、例えば、pSR1、pSB1、pSB2、pSB3、pSB4、pSM1、pKD1、pPM1および2μmプラスミドに由来する。
逆方向反復間で規定される2つの領域 (例えば、2μmプラスミド中のULおよびUSとして規定される領域) がほぼ同様な大きさであり、外因的に導入された配列、例えば、トランスジーンを排除するように、逆方向反復は典型的には2μmファミリープラスミドで位置決定される。例えば、2つの領域は他の領域の長さと少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%以上、100%まで等しい長さを有するか、あるいはそうでないことがある。
典型的には、2μmファミリープラスミドは、FLPをコードするORFと、1つの逆方向反復 (次の節に記載する他の逆方向反復と区別するために任意に「IR1」と命名する) とを含んでなり、前記1つの逆方向反復は、例えば、2μmプラスミドにおいて見られるように、逆方向のコーディング配列をもたない、FLP ORFの遠位末端にIR1が存在するような方法で並置されている。この関係において「遠位末端」は、プロモーターがその転写を開始する末端に対して反対のFLP ORFの末端を意味する。好ましい態様において、FLP ORFの遠位末端はIR1とオーバーラップする。
典型的には、2μmファミリープラスミドは、REP2をコードするORFと、他の逆方向反復 (次の節に記載するIR1と区別するために任意に「IR2」と命名する) とを含んでなり、前記他の逆方向反復は、例えば、2μmプラスミドにおいて見られるように、逆方向のコーディング配列をもたない、REP2 ORFの遠位末端にIR2が存在するような方法で並置されている。この関係において「遠位末端」は、プロモーターがその転写を開始する末端に対して反対のREP2 ORFの末端を意味する。
1つの態様において、REP2およびFLPをコードするORFは、2μmファミリープラスミドの逆方向反復間の2つの領域の同一領域上に存在するか、あるいはしないことがあり、前記同一領域は2つの領域より大きいあるいは小さいことができる (2つの領域間になんらかの不等性が存在する場合) 。
1つの態様において、REP2およびFLPをコードするORFは拡散プロモーターから転写されるか、あるいはされないことがある。
典型的には、逆方向反復間で規定される2つの領域 (例えば、2μmプラスミド中のULおよびUSとして規定される領域) は、マルチコピープラスミドとして2μmファミリープラスミドの安定な維持において機能するタンパク質をコードする、2以下の内因的遺伝子を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。こうして、好ましい態様において、逆方向反復間で規定されるプラスミドの1つの領域は、内因的コーディング配列として、FLPおよびREP2; FLPおよびREP1; またはREP1およびREP2をコードするORF以下を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
2μmファミリープラスミドは典型的には複製起点 (また、自律的に複製する配列 - 「ARS」) を含んでなり、これは典型的には二方向性である。任意の適当なARS配列が存在することができる。酵母染色体の複製起点に典型的であるコンセンサス配列は適当であるか、あるいはないことがある (Broach 他、1982、Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 47、1165-1174; Williamson、1985、Yeast 1、1-14) 。好ましいARSはpSR1、pSB1、pSB2、pSB3、pSB4、pSM1、pKD1、pPM1および2μmプラスミドから単離されたものを包含する。
こうして、好ましい2μmファミリープラスミドは、FLP、REP1およびREP2をコードするORF、各逆方向反復がコード化FLPタンパク質と適合性であるFRTを含んでなる2つの逆方向反復配列、およびARS配列を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。好ましくは、FRT部位はコード化FLPタンパク質の配列が同一である2μmファミリープラスミドに由来する。より好ましくは、コード化REP1およびREP2タンパク質の配列は互いに同一の2μmファミリープラスミドに由来する。さらにより好ましくは、FRT部位はコード化FLP、REP1およびREP2タンパク質の配列と同一の2μmファミリープラスミドに由来する。しかもより好ましくは、FLP、REP1およびREP2をコードするORFの配列、および逆方向反復の配列 (FRT部位を含む) は同一2μmファミリープラスミドに由来する。さらに、ARS部位はFLP、REP1およびREP2の1または2以上のORFと同一の2μmファミリープラスミド、および逆方向反復の配列 (FRT部位を含む) に由来する。
用語 「に由来する」 は、それらが由来する配列と同一の配列を有する配列を包含する。しかしながら、上に規定した、それらの変異型およびフラグメントもまた含まれる。例えば、2μmプラスミドのFLP遺伝子に由来する配列を有するFLP遺伝子は、天然に存在する遺伝子のそれに比較して修飾されたプロモーターまたは他の調節配列であるか、あるいはないことがある。さらにまたは選択的に、2μmプラスミドのFLP遺伝子に由来する配列を有するFLP遺伝子は、オープンリーディングフレーム中の修飾されたヌクレオチド配列であるか、あるいはないことがあり、前記ヌクレオチド配列は天然に存在する遺伝子と同一のタンパク質をコードするか、あるいはしないことがあるか、あるいは修飾されたFLPタンパク質をコードするか、あるいはしないことがある。同一の考察が特定の源に由来する配列を有する2μmファミリープラスミド上の他の配列に適用される。
必要に応じて、2μmファミリープラスミドは、Volkert 他、前掲において規定されているように、2μmプラスミドのSTB領域 (また、REP3として知られている) に由来する領域を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。本発明の2μmファミリープラスミド中のSTB領域は、2またはそれ以上の直列反復配列、例えば、3、4、5または6配列を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。選択的に、直列反復配列は存在しないことができる。直列反復は任意の大きさ、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 bp以上の長さであることができる。直列反復が同一であることは必須ではない。わずかの変動は許容することができる。REP1およびREP2 ORFのいずれかまたは両方からのSTB領域を選択することは好ましいか、あるいはそうでないことがある。STB領域はシス作用性因子であることが考えられ、好ましくは転写されない。
必要に応じて、2μmファミリープラスミドは、マルチコピープラスミドとして2μmファミリープラスミドの安定な維持において機能するタンパク質をコードする、追加のORFを含んでなるか、あるいはそうでないことがある。この追加のタンパク質をRAFまたはDと表示することができる。こうして、RAFまたはD遺伝子は2μmプラスミドまたはpSM1によりコードされるRAFまたはD遺伝子のORFのタンパク質産物、またはその変異型およびフラグメントをコードするために適当な配列を含んでなることができる。
こうして、2μmプラスミドまたはpSM1のRAFまたはD遺伝子のタンパク質産物の変異型またはフラグメントは、また、本発明に含まれる。2μmプラスミドまたはpSM1のRAFまたはD遺伝子のタンパク質産物の「フラグメント」または「変異型」は、自然ORFの代わりに2μmプラスミドまたはpSM1によりコードされるとき、適当な酵母集団内のプラスミドの安定なマルチコピーの維持を崩壊しないものである。このような変異型およびフラグメントは、通常、2μmプラスミドまたはpSM1によりコードされるRAFまたはD遺伝子ORFに対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%以上の相同性を有するであろう。
天然に存在する2μmファミリープラスミドは好ましいか、あるいはそうでないことがある。天然に存在する2μmファミリープラスミドは上に規定した特徴を有する任意のプラスミドであり、前記プラスミドは酵母中に天然に存在することが見出されたプラスミド、すなわち、異種配列を含むように修飾されていないプラスミドである。
必要に応じて、天然に存在する2μmファミリープラスミドは下記から選択される: pSR1 (受け入れ番号X02398) 、pSB3 (受け入れ番号X02608) またはpSB4、ジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) から得られる; pSB1またはpSB2 (受け入れ番号NC 002055またはM18274) 両方はジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) から得られる; pSM1 (受け入れ番号NC 002054) ジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) から得られる; pKD1 (受け入れ番号X03961) クライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) から得られる; ピキア・メンブラネファシエンス (Pichia membranaefaciens) から得られるpPM1; または、好ましくは、2μmプラスミド (受け入れ番号NC 001398またはJ01347) サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) から得られる。この節における受け入れ番号はNCBI寄託物を意味する。
2μmプラスミド (第1図) は6,318 bpの二本鎖DNAプラスミドであり、これは60〜100コピー/一倍体ゲノムにおいてほとんどのサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 菌株において内因的である。2μmプラスミドは、2つの599 bpの逆方向反復配列により分離された、小さいユニーク (US) 領域および大きいユニーク (UL) 領域を含んでなる。逆方向反復配列の部位特異的組換えは、プラスミドのA型およびB型間のin vivo 相互転換を生ずる (VolkertおよびBroach、1986、Cell 46、541) 。2μmの2つの型はそれらのユニーク領域の相対的向きのみが異なる。
サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) からクローニングした2μmプラスミド (また、Scp1として知られている) のDNA配列決定は6,318 bpの大きさを与える (HartleyおよびDonelson、1980、Nature 286、860) が、STBとして知られている領域において、それぞれ125 bpおよび220 bpの小さい欠失の結果として、2μm、Scp2およびScp3の他のわずかに小さい変異型が存在することが知られている (Cameron 他、1977、Nucl. Acids Res. 4、1429; Kikuchi、1983、Cell 35、487; およびLivingstonおよびHahne、1979、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76、3727) 。
1つの研究において、世界中からの自然サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) の約80%は2μmに対して相同的であるDNAを含有した (サザンブロット分析による) (Hollenberg、1982、Current Topics in Microbiology and Immunobiology 96、119) 。さらに、変動 (遺伝的形態) がサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) およびサッカロマイセス・カールスバーゲンシス (S. carlsbergensis) の中に見出される2μmプラスミドの自然集団内で発生し、NCBI配列 (受け入れ番号NC 001398) は1例である。
2μmプラスミドは核局在化を有し、高いレベルの有糸分裂安定性を表示する (Mead 他、1986、Molecular and General Genetics 205、417) 。2μmプラスミドの固有の安定性はプラスミドコード化コピー数の増幅および分配機構から生じ、これらはキメラベクターの発生間に弱体化することがある (FutcherおよびCox、1984、J. Bacteriol. 157、285; BachmairおよびRuls、1984、Monaishefie fur Chemie 115、1229) 。2μmプラスミドを含有する酵母菌株は [cir+] として知られているが、2μmプラスミドを含有しない酵母菌株は [cir0] として知られている。
2μmプラスミドのUS領域はREP2およびFLP遺伝子を含有し、そしてUL領域はREP1およびD (また、RAFとして知られている) 遺伝子、STB遺伝子座および複製起点を含有する (BroachおよびHicks、1980、Cell 21、510; SuttonおよびBroach、1985、Mol. Cell. Biol. 5、2770) 。Flpリコンビナーゼは逆方向反復内のFRT部位 (Flp認識ターゲット) に結合して部位特異的組換えを仲介し、これはin vivo における自然プラスミドの増幅およびプラスミドコピー数の制御のために必須である (Senecoff 他、1985、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82、7270; Jayaram、1985、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82、5875) 。
2μmファミリープラスミドのコピー数はFlpリコンビナーゼ活性により有意に影響を受けることがある (Sleep 他、2001、Yeast 18、403; RoseおよびBroach、1990、Methods Enzymol. 185、234) 。Rep1およびRep2タンパク質はプラスミドの分離を仲介するが、それらの作用モードは不明瞭である (Sengupta 他、2001、J. Bacteriol. 183、2306) 。また、それらはFLP遺伝子の転写を抑制する (Reynolds 他、Mol. Cell. Biol. 7、3566) 。
2μmプラスミドのFLPおよびREP2遺伝子は分岐プロモーターから転写され、それらの間の規定された介在配列は明らかに存在しない。両方のFLPおよびREP2転写物は、翻訳停止コドン後に、それぞれ24 bpおよび178 bpにおいて、逆方向反復配列内の同一配列モチーフで停止する (SuttonおよびBroach、1985、Mol. Cell. Biol. 5、2770) 。
FLPの場合において、C-末端のコーディング配列もまた逆方向反復配列内に存在する。さらに、2つの逆方向反復配列は599 bpにわたって高度に保存され、これは効率よいプラスミドのin vivo複製および増幅に対して有利であると考えられるが、FRT部位 (65 bpより小さい) のみが部位特異的組換えに対して必須である (Senecoff 他、1985、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82、7270; Jayaram、1985、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82、5875; Meyer-Leon 他、1984、Cold Spring Harbor Symposia On Quantitative Biology 49、797) 。Flpの主要な触媒残基はアルギニン-308およびチロシン-343 (これは必須である) であり、ここで鎖切断はヒスチジン-309およびヒスチジン-345により促進される (Prasad 他、1987、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84、2189; Chen 他、1992、Cell 69、647; Grainge 他、2001、J. Mol. Biol. 314、717) 。
2つの機能的ドメインはRep2に記載されている。Rep1結合性ドメインからの残基15〜58、および残基59〜296は自己アソシエーションおよびSTB結合性領域を含有する (Sengupta 他、2001、J. Bacteriol. 183、2306) 。
2μmプラスミドの必須の機能的領域の多数を欠如するが、機能的シス因子ABSおよびSTBを保持する、2μmのキメラまたは大きい欠失突然変異誘導体は、細胞分裂因子において母と娘との間を効率よく分解することができない。このようなプラスミドは、これらの機能がトランスで供給される場合、例えば、宿主、例えば、[cir+] 宿主内に機能的2μmプラスミドが準備されることによって、それが可能である。
以前において、問題の遺伝子は2μmプラスミドのUL領域の中に挿入された。例えば、下記を参照のこと: EP 0 286 42におけるプラスミドpSAC3U1およびWO 2005/061718の第2図に示すプラスミド、これはβ-ラクタマーゼ遺伝子 (アンピシリン耐性のため) 、LEU2選択可能なマーカーおよびオリゴヌクレオチドリンカーを含み、後者の2つは2μm様区別ベクター、pSAC3のUL領域内のユニークSnaBI部位の中に挿入されている (EP 0 286 424参照) 。アンピシリン耐性遺伝子を含有するXbaI部位間の大腸菌 (E. coli) DNAは、酵母中への形質転換後にWO 2005/061718の第2図に示すプラスミドから失われている。これは下記の文献に記載されており: ChineryおよびHinchliffe、1989、Curr. Genet. 16、21およびEP 0 286 424、ここでこれらの型のベクターは「壊変ベクター」と表示されている。それ以上のポリヌクレオチドの挿入はリンカー内のNotI部位において行うことができる (Sleep 他、1991、Biotechnology (N Y) 、9、183) 。
2μmプラスミド中の選択的挿入部位はこの分野において知られており、そして下記のプラスミド中の部位を包含する: RoseおよびBroach (1990、Methods Enzymol. 185、234-279) に記載されているプラスミド、例えば、プラスミドpCV19、pCV20、CVneo、これらはFLP中のEcoRIにおける挿入を利用する、プラスミドpCV21、pGT41およびpYE、これらは挿入部位としてD中のEcoRIにおける挿入を利用する、プラスミドpHKB52、これは挿入部位としてD中のPstIにおける挿入を利用する、プラスミドpJDB248、これは挿入部位としてD中のPstIおよびD中のEcoRIにおける挿入を利用する、プラスミドpJDB219、ここでD中のPstIおよびFLP中のEcoRIを挿入部位として使用する、プラスミドG18、プラスミドpAB18、これはFLP中のClaIにおける挿入を利用する、プラスミドpGT39およびpA3、プラスミドpYT11、pYT14およびpYT11-LEU、これらは挿入部位としてD中のPstIを使用する、およびプラスミドPTY39、これは挿入部位としてFLP中のEcoRIを使用する。
他の2μmプラスミドは下記を包含する: pSAC3、pSAC3U1、pSAC3U2、pSAC300、pSAC310、pSAC3C1、pSAC3PL1、pSAC3SL4およびpSAC3SC1、これらはEP 0 286 424およびChineryおよびHinchliffe 、1989、Curr. Genet. 16、21-25に記載されており、これには、また、PstI、EagIおよびSnaBIが適当な2μm挿入部位として記載されている。さらに、2μmプラスミドは下記を包含する: pAYE255、pAYE316、pAYE443、pAYE533 (Kerry-Williams 他、1998、Yeast 14、161-169) 、pDB2244 (WO 00/44772) およびpAYE329 (Sleep 他、2001、Yeast 18、403-421) 。
1つの好ましい態様において、1または2以上の遺伝子を2μmファミリープラスミド中にARS配列付近の非転写領域内に挿入する。例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) から得られる2μmプラスミドにおいて、ARS配列付近の非転写領はD遺伝子の末端からARS配列の開始まで拡張する。SnaBI (複製配列ARSの由来付近) は下記の文献に記載されている: ChineryおよびHinchliffe、1989、Curr. Genet. 16、21-25。当業者は認識するように、ChineryおよびHinchliffeに記載されているSnaBIに隣接する位置における非転写領域において、また、遺伝子を挿入することができる。
他の好ましい態様において、2μmファミリープラスミド中のREP2およびFLP遺伝子の各々はそれらに隣接して逆方向反復を有し、そしてREP2遺伝子またはFLP遺伝子のいずれかの最後の機能的コドンの後の第1 塩基と、前記遺伝子に隣接する逆方向反復中のFRT部位の前の最後の塩基との間の領域内において2μmファミリープラスミド中に1または2以上の遺伝子を挿入する。REP2遺伝子またはFLP遺伝子のいずれかの最後の機能的コドンは、その遺伝子のオープンリーディングフレーム中のコドンであり、このコドンは、停止コドンによるその置換が、ここにおいて規定するように、プラスミドのマルチコピー安定性の許容されえない喪失に導く遺伝子のプロモーターからさらに下流に存在する。ポリヌクレオチド配列の挿入、欠失または置換の挿入による、いずれかの遺伝子中の最後の機能的コドンより下流の任意の点におけるREP2およびFLP遺伝子の崩壊は、プラスミドのマルチコピー安定性の許容されえない喪失に導かないであろう。
例えば、2μmプラスミドのREP2遺伝子はコドン59後に崩壊させることができ、そしてFLP遺伝子はコドン344後に崩壊させることができ、各々はプラスミドのマルチコピー安定性を喪失しない。他の2μmファミリープラスミド中の同等の遺伝子における最後の機能的コドンは、次のようにして日常的に決定することができる。すなわち、FLP遺伝子またはREP2遺伝子のいずれかにおけるプラスミドを突然変異させ、次いで本明細書に記載する試験によりプラスミドがマルチコピー安定性を保持しているかどうかを決定する。こうして、本発明のいずれかの面に従い1または2以上の組換え遺伝子を担持するために、WO 2005/061719において規定されているようにプラスミド挿入部位を使用できるか、あるいはしないことができる。
下記の文献に記載されているような試験を使用して、プラスミドがマルチコピー安定性を有するかどうかを決定することができる: ChineryおよびHinchliffe、1989、Curr. Genet. 16、21-25。非選択培地 (YPD、またYEPDと表示される) 中で増殖しない酵母 (ChineryおよびHinchliffe、1989、Curr. Genet. 16、21-25において規定されている) について、他の適当な非選択培地を使用できる。プラスミド安定性は、規定した世代数後、選択可能なマーカーに対するプロトトロフィーを残留する細胞の百分率として規定することができる。世代数は、対照プラスミド、例えば、pSAC35またはpSAC310間の差を示すために、またはこのような対照プラスミドに対して匹敵する安定性示すために十分であることが好ましい。
世代数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100以上であることができる。より高い世代数は好ましい。許容されるプラスミド安定性は、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または実質的に100%であることができる。より高い百分率は好ましい。当業者は認識するように、非選択培地上で増殖させたとき、プラスミドは100%より低い安定性を有するが、そのプラスミドは、選択培地中で培養するとき、なお使用できる。例えば、実施例に記載されているプラスミドpDB2711は、WO 2005/061719の実施例2の試験に従い決定したとき、わずかに10%安定性であるが、選択的増殖条件下に震蘯フラスコ培養において組換えトランスフェリン生産性を15倍増加させる。
1または2以上の遺伝子の挿入は、REP2遺伝子の最後の機能的コドン後の最初の塩基と、前記遺伝子に隣接する逆方向反復中のFRT部位前の最後の塩基との間において、好ましくは逆方向反復の最初の塩基と、FRT部位前の最後の塩基との間において、より好ましくはREP2遺伝子の翻訳停止コドン後でありかつFRT部位前である位置において起こることがあるか、あるいはないことがある。
追加的にまたは選択的に、1または2以上の遺伝子の挿入は、FLP遺伝子の最後の機能的コドン後の最初の塩基と、前記遺伝子に隣接する逆方向反復中のFRT部位前の最後の塩基との間において、好ましくは逆方向反復の最初の塩基と、FRT部位前の最後の塩基との間において、より好ましくはFLPコーディング配列の末端後の最初の塩基と、FRT部位前の最後の塩基との間において、例えば、FLPコーディング配列の末端後の最初の塩基において起こることがあるか、あるいはないことがある。
1つの好ましい態様において、2μmファミリープラスミドがサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) の2μmプラスミドに基づく場合、それはこの分野において知られている壊変ベクターである (例えば、EP 286 424参照、その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) 。壊変ベクターは下記を含んでなる2μmプラスミドベクターであるか、あるいはないことがある: 組換えにより喪失させることを意図するDNA配列、3つの2μm FRT部位、それらのうちで1対の部位は直接的向きにあり、そして他の2つの対は間接的向きにある、および問題のDNA配列 (例えば、大腸菌 (E. coli) の複製起点および細菌の選択可能なマーカー) 、喪失すべき前記配列は間接的向きにある前記部位間に位置する。
こうして、喪失すべき配列は選択可能なマーカーDNA配列を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
好ましい壊変ベクターは下記を追加的に担持する完全な2μmプラスミドであるか、あるいはないことがある: (i) 細菌宿主におけるベクターの発現に必要な細菌のプラスミドDNA配列; (ii) 余分の2μm FRT部位; および酵母の形質転換のための選択可能なマーカーDNA配列; 前記細菌のプラスミドDNA配列は存在し、そして余分のFRT部位は制限部位、例えば、XbaIにおいてつくられ、2μmプラスミドの2つの逆方向反復配列のうちの1つにおいて、前記余分のFRT部位は前記1つ反復配列の内因的FRT部位に関して直接的向きにあり、そして細菌のプラスミドDNA配列は前記1つの反復配列の余分のFRT部位と内因的FRT部位との間にサンドイッチ状にはさまれている。好ましい壊変ベクターにおいて、すべての細菌のプラスミドDNA配列は前述のようにサンドイッチ状にはさまれているか、あるいはそうでないことがある。特に好ましい2μmプラスミドベクターは、EP 286 424に示されているpSAC3の立体配置を実質的に有する。
用語 「壊変ベクター」 は、本明細書において使用するとき、米国特許第6,451,559号 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) において規定されているプラスミドを包含する。こうして、壊変ベクターは、非酵母ポリペプチドをコードするDNA配列以外の、細菌 (特に大腸菌 (E. coli)) 複製起点、より好ましくは細菌 (特に大腸菌 (E. coli)) 配列を含有しない2μmベクターであるか、あるいはないことがあり、そして好ましくは非酵母ポリペプチドをコードするDNA配列以外の、前記ベクター中のすべてのDNAは酵母由来DNAである。
所望のタンパク質およびこの特許出願により規定される他のタンパク質
用語 「タンパク質」 および「所望のタンパク質」は、本明細書において使用するとき、すべての天然に存在しないタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを包含する。本発明の目的に対して、「異種タンパク質」は、上に記載した「組換え遺伝子」によりコードされるタンパク質である。「異種タンパク質」は、配列が下記のタンパク質と同一であるタンパク質であるか、あるいはそうでないことがある: 使用する発現系中に天然に存在する1または2以上の他の遺伝子によりコードされるタンパク質 (「発現系」 とは、「組換え遺伝子」が染色体的に組込まれている宿主細胞ゲノム (典型的には染色体) 、または「組換え遺伝子」がプラスミドによりコードされるプラスミドの意味を包含する) 。
例えば、2μmファミリープラスミド上に担持されている「組換え遺伝子」によりコードされる「異種タンパク質」の関係において、 「異種タンパク質」 は2μmファミリープラスミドにより自然にコードされないタンパク質であるか、あるいはそうでないことがあり、そして、また、 「非2μmファミリープラスミド」 として記載することができる。便宜上、用語 「異種タンパク質」 および 「非2μmファミリープラスミド」 は、この出願において同義的に使用される。
したがって、必要に応じて、2μmプラスミドによりコードされるとき、異種タンパク質は下記の任意の1つによりコードされるFLP、REP1、REP2またはRAF/Dタンパク質ではない: ジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Z. rouxii) から得られるpSR1、pSR3またはpSR4; ジゴサッカロマイセス・バイリイ (Z. bailii) から得られるpSR1またはpSR2; ジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Z. fermentati) から得られるpSM1; クライベロマイセス・ドロスフィラルム (K. drosphilarum) から得られるpKD1; ピキア・メンブラネファシエンス (P. membranaefaciens) から得られるpPM1; またはサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) から得られる2μmプラスミド。
所望の異種タンパク質または他のタンパク質をコードする遺伝子は、オープンリーディングフレーム (「ORF」) と表示する、異種タンパク質 (典型的には任意の所定の生物のための標準的コドン使用頻度に従う) をコードするポリヌクレオチド配列を含んでなる。この遺伝子は、オープンリーディングフレームをコードしないいくつかのポリヌクレオチド配列 (「非コーディング領域」 と命名する) をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
遺伝子中の非コーディング領域は、ORFに作用可能に連鎖された、1または2以上の調節配列を含有するか、あるいはそうでないことがあり、前記調節配列はオープンリーディングフレームの転写および/または生ずる転写物の翻訳を可能とする。
用語 「調節配列」 は、それがに作用可能に連鎖されたORFの発現 (すなわち、転写および/または翻訳) をモジュレートする (すなわち、促進または減少させる) 配列を意味する。典型的には、調節領域はプロモーター、ターミネーター、リボソーム結合部位およびその他を包含する。当業者は認識するように、調節領域の選択は意図する発現系に依存する。例えば、プロモーターは構成的または誘導可能であるか、あるいはそうでないことがあり、そして細胞型特異的または組織型特異的であるか、あるいはそうでないことがある。
適当な調節領域は下記の長さであるか、あるいはそうでないことがある: 5 bp、10 bp、15 bp、20 bp、25 bp、30 bp、40 bp、45 bp、50 bp、60 bp、70 bp、80 bp、90 bp、100 bp、120 bp、140 bp、160 bp、180 bp、200 bp、220 bp、240 bp、260 bp、280 bp、300 bp、350 bp、400 bp、450 bp、500 bp、550 bp、600 bp、650 bp、700 bp、750 bp、800 bp、850 bp、900 bp、950 bp、1000 bp、1100 bp、1200 bp、1300 bp、1400 bp、1500 bpまたはそれより大きい。
当業者は認識するように、シャペロン、例えば、PDIをコードする遺伝子は、非コーディング領域および/または調節領域をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。このような非コーディング領域および調節領域は、通常シャペロンORFに関連する自然の非コーディング領域および/または調節領域に限定されない。
発現系が酵母、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) である場合、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) に適当なプロモーターは下記に関連するものを包含する: PGK1遺伝子、GAL1またはGAL10遺伝子、TEF1、TEF2、PYK1、PMA1、CYC1、PHO5、TRP1、ADH1、ADH2、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、グルコキナーゼ、α-接合因子フェロモンおよびa-接合因子フェロモンの遺伝子、PRB1プロモーター、PRA1プロモーター、GPD1プロモーター、および下記を包含するハイブリッドプロモーター: 5’ 調節領域の一部分と他のプロモーターの5’ 調節領域の一部分または上流の活性化部位とのハイブリッド (例えば、EP-A -258 067のプロモーター) 。
適当な転写停止シグナルはこの分野においてよく知られている。宿主細胞が真核生物である場合、転写停止シグナルは必要に応じて真核生物遺伝子の3’ フランキング配列に由来し、この遺伝子は転写停止およびポリアデニル化に適当なシグナルを含有する。適当な3’ フランキング配列は、使用する発現制御配列に自然に連鎖された遺伝子のそれであるか、あるいはないことがあり、すなわち、プロモーターに対応するか、あるいはしないことがある。選択的に、それらは異なることができる。その場合において、かつ酵母が必要に応じてサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) である場合、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) ADH1、ADH2、CYC1またはPGK1遺伝子の停止シグナルは好ましい。
遺伝子、例えば、シャペロン (例えば、PDI) または所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする遺伝子のプロモーターおよびオープンリーディングフレームは転写停止配列によりフランクされており、こうして転写停止配列がプロモーターおよびオープンリーディングフレームの両方の上流および下流に位置して、隣接する遺伝子、例えば、2μm遺伝子中への転写リードスルーおよびその逆を防止することが有益であるか、あるいはそうでないことがある。
1つの態様において、酵母、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) において好適な調節配列は下記を包含する: 酵母プロモーター (例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) PRB1プロモーター) 、EP 431 889に教示されている; および転写ターミネーター、必要に応じてサッカロマイセス (Saccharomyces) ADH1からのターミネーター、EP 60 057に教示されている。必要に応じて、ベクターは少なくとも2つの転写停止コドンを組込んでいる。
非コーディング領域は翻訳停止コドン、例えば、UAA、UAGまたはUGAをコードする2以上のDNA配列を組込んでいて、翻訳リードスルーを最小にし、こうして伸長した非天然の融合タンパク質の産生を回避することが有益であるか、あるいはそうでないことがある。翻訳停止コドンUAAは好ましい。
用語 「作用可能に連鎖された」 は、調節領域が意図する方法でORFに対して作用を発揮できる関係をORFと形成するように、調節領域が遺伝子中の非コーディング領域内に位置することをその意味の中に含む。こうして、ORFに「作用可能に連鎖された」調節領域は、調節配列と適合する条件下に、意図する方法でORFの転写および/または翻訳に影響を及ぼすことができるような方法で位置する。
1つの態様において、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は分泌される。その場合において、分泌リーダー配列、例えば、自然HSA分泌リーダーの 大部分と、WO 90/01063に教示されているサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) α-接合因子分泌リーダーの小さい部分とを含んでなる分泌リーダー配列をコードする配列は、オープンリーディングフレーム中に含まれるか、あるいはそうでないことがある。
選択的に、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は細胞内に存在するか、あるいはそうでないことがある。
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は、真核生物のタンパク質の配列、またはそのフラグメントまたは変異型を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。適当な真核生物は、真菌、植物および動物を包含する。1つの態様において、異種タンパク質は、真菌タンパク質、例えば、酵母タンパク質であるか、あるいはそうでないことがある。他の好ましい態様において、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は動物タンパク質であるか、あるいはそうでないことがある。典型的な動物は脊椎動物および無脊椎動物を包含する。典型的な脊椎動物は哺乳動物、例えば、ヒトおよび非ヒト動物を包含する。
こうして、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は酵母タンパク質の配列を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。特に異種タンパク質をコードする遺伝子を2μmファミリープラスミド中に組込む場合、所望のタンパク質は、例えば、2μmファミリープラスミドが由来する同一宿主からの酵母タンパク質を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。当業者は認識するように、本発明の方法、使用またはプラスミドは、2以上の異種タンパク質、2以上のシャペロン、または2以上の異種タンパク質および2以上のシャペロンをコードするDNA配列を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
他の態様において、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は下記のタンパク質であるか、あるいはそうでないことがある: アルブミン、モノクローナル抗体、エトポシド、血清タンパク質 (例えば、血液凝固因子) 、アンチスタシン、ダニ抗凝固タンパク質、トランスフェリン、ラクトフェリン、エンドスタチン、アンギオスタチン、コラーゲン、免疫グロブリンまたは免疫グロブリンに基づく分子またはいずれかのフラグメント (例えば、a Small Modular ImmunoPharmaceticalTM (“SMIP”) またはdAd、Fab’ フラグメント、F(ab’)2、scAb、scFvまたはscFvフラグメント) 、クリニッツ型ドメインタンパク質 (例えば、WO 03/066824に記載されているもの、アルブミン融合物をもつか、あるいはもたない) 、インターフェロン、インターロイキン、IL10、IL11またはIL2、インターフェロンα種および亜種、インターフェロンβ種および亜種、インターフェロンγ種および亜種、レプチン、CNTF、CNFTAx15、IL1-レセプターアンタゴニスト、エリトロポイエチン (EPO) およびEPO模倣物、トロンボポイエチン (TPO) およびTPO模倣物、プロサプチド、シアノビリン-N、5-ヘリックス、T20ペプチド、T1249ペプチド、HIV gp41、HIV gp120、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、tPA、ヒルジン、血小板由来増殖因子、脳下垂体ホルモン、プロインスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、インスリン様増殖因子、カルシトニン、成長ホルモン、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、FGF、前および活性形態の両方の凝固因子、以下を包むが、これらに限定されない:プラスミノーゲン、フィブリノゲン、トロンビン、プレトロンビン、プロトロンビン、フォン・ウィルブランド因子、α1-抗トリプシン、プラスミノーゲンアクチベーター、因子VII、因子VIII、因子IX、因子Xおよび因子XIII、神経増殖因子、LACI、血小板由来内皮細胞増殖因子 (PD-ECGF) 、グルコースオキシダーゼ、血清コリンステラーゼ、アプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質、インターαトリプシンインヒビターアンチトロンビンIII、アポリポタンパク質種、タンパク質C、タンパク質S、代謝物、抗生物質、上記のいずれかの変異型またはフラグメント。
「変異型」は、上に列挙したタンパク質の関係において、1または2以上の位置において、保存的または非保存的、アミノ酸の挿入、欠失または置換が存在するタンパク質を意味し、ただしただしこのような変化は基本的性質、例えば、酵素活性 (活性の型および特異的活性) 、熱安定性、ある種のpH範囲における活性 (pH安定性) が有意に変化されていないタンパク質を生ずる。この関係において、「有意に」 は当業者が言うように、変異型の性質がなお異なることができるが、もとのタンパク質の性質にわたって明らかであることを意味する。
「保存的置換」 とは、組合わせ、例えば、下記を意味する: Val、Ile、Leu、Ala、Met; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr、Gly、Ala; Lys、Arg、His; およびPhe、Tyr、Trp。好ましい保存的置換は下記を包含する: Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg; およびPhe、Tyr。
「変異型」 は、典型的には、それが由来するポリペプチドに対して少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、しかもより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%の配列の同一性を有する。
2つのポリペプチド間の配列の同一性%は、適当なコンピュータプログラム、例えば、GAPプログラム (the University of Wisconsin Genetic Computing Group) を使用して決定することができ、そして同一性%は配列が最適に整列されたポリペプチドに関して計算されることが理解されるであろう。
アラインメントはクルスタル (Clustal) Wプログラムを使用して選択的に実施することができる (Thompson 他 (1994) Nucleic Acids Res. 22 (22) 、4673-80) 。使用するパラメーターは次の通りであるであるか、あるいはそうでないことがある:
・高速対方法アラインメントパラメーター: K個の要素からなる集合 (語) サイズ; 1、ウィンドウサイズ; 5、ギャップペナルティー; 3、上部対角線の数; 5。スコアリング法: x %。
・多重アラインメントパラメーター: ギャップオープンペナルティー; 10、ギャップエクステンションペナルティー; 0.05。
・スコアリングマトリックス: BLOSUM。
このような変異型は自然であるか、あるいはこの分野においてよく知られているようにタンパク質操作法および位置指定突然変異誘発を使用してつくることができるか、あるいはそうでないことがある。
上に列挙したタンパク質の関係において、「フラグメント」 は1または2以上の位置において欠失されているタンパク質を意味する。こうして、フラグメントは、完全な成熟ポリペプチドの完全な配列の最大5、10、20、30、40または50%を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。典型的には、フラグメントは60%まで、より典型的には70%まで、好ましくは80%まで、より好ましくは90%まで、さらにより好ましくは95%まで、しかもより好ましくは99%までを含んでなるか、あるいはそうでないことがある。タンパク質の特に好ましいフラグメントは、タンパク質の1または2以上の全ドメインを含んでなる。
1つの特に好ましい態様において、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) はアルブミンまたはその変異型またはフラグメントを含んでなる。
「アルブミン」 とは、任意の源から得られるアルブミンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質を包含する。典型的には、源は哺乳動物である。1つの好ましい態様において、血清アルブミンはヒト血清アルブミン (「HSA」) である。用語 「ヒト血清アルブミン」 は、ヒトにおいて天然に存在するアミノ酸配列、およびその変異型を有する血清アルブミンの意味を含む。必要に応じて、アルブミンはWO 90/13653に開示されているアミノ酸配列またはその変異型を有する。HSAコーディング配列はヒト遺伝子に対応するcDNAを単離する既知の方法により得ることができ、そして、また、例えば、EP 73 646およびEP 286 424に開示されている。
他の好ましい態様において、「アルブミン」はウシ血清アルブミンの配列を含んでなる。用語 「ウシ血清アルブミン」 は、雌牛中に天然に存在するアミノ酸配列を有する血清アルブミン、例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P02769から得られるもの、および下記において規定する変異型を包含する。また、用語 「ウシ血清アルブミン」 は、下記において規定するような、全長のウシ血清アルブミンのフラグメントまたはそれらの変異型の意味を含む。
他の好ましい態様において、アルブミンは下記からの血清アルブミンの1つに由来するアルブミンの配列を含んでなる: イヌ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P49822参照) 、ブタ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P08835参照) 、ヤギ (例えば、シグマ (Sigma) から製品No. A2514またはA4164として入手可能である) 、シチメンチョウ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号O73860参照) 、ヒヒ (例えば、シグマ (Sigma) から製品No. A1516として入手可能である) 、ネコ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P49064参照) 、ニワトリ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P19121参照) 、オバルブミン (例えば、ニワトリのオバルブミン) (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P01012参照) 、ロバ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P39090参照) 、モルモット (例えば、シグマ (Sigma) から製品No. A3060、A2639、O5483またはA6539として入手可能である) 、ハムスター (例えば、シグマ (Sigma) から製品No. A5409として入手可能である) 、ウマ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P35747参照) 、アカゲザル (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号Q28522参照) 、マウス (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号O89020参照) 、ハト (例えば、Kahn 他、2002、Int. J. Biol. Macromol. 30 (3-4) 、171-8により規定されている) 、ウサギ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P49065参照) 、ラット (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P3653参照) およびヒツジ (例えば、スイスプロット (Swissprot) 受け入れ番号P14639参照) そして下記において規定するそれらの変異型およびフラグメントを包含する。
アルブミンの多数の天然に存在する突然変異体の形態が知られている。多数は下記の文献に記載されている: Peters、1996、All About Albumins: Biochemistry, Genetics and Medical Applications、Academic Press, Inc.、カリフォルニア州サンディゴ、p. 170-181。上において規定した変異型は、これらの天然に存在する突然変異体の1つであるか、あるいはそうでないことがある。
「変異型アルブミン」は、1または2以上の位置において、保存的または非保存的、アミノ酸の挿入、欠失または置換が存在するアルブミンタンパク質を意味し、ただしこのような変化は少なくとも1つの基本的性質、例えば、結合活性 (例えば、ビリルビンに対する、活性の型および特異的活性) 、オスモル濃度 (膠質浸透圧、コロイド浸透圧) 、ある種のpH範囲における挙動 (pH安定性) が有意に変化されていないアルブミンタンパク質を生ずる。この関係において、「有意に」 は当業者が言うように、変異型の性質がなお異なるか、あるいは異ないことができるが、もとのタンパク質の性質にわたって明らかであることを意味する。
「保存的置換」 とは、組合わせ、例えば、下記を意味する: Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg; およびPhe、Tyr。このような変異型は、この分野においてよく知られている技術、例えば、米国特許第4,302,386号 (Stevens、1981年10月24日発行) (引用することによって本明細書の一部とされる) に開示されているような位置指定突然変異誘発によりつくることができるか、あるいはそうでないことがある。
典型的には、アルブミン変異型は、天然に存在するアルブミンに対して40%より大きい、通常少なくとも50%、より典型的には少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、なおより好ましくは少なくとも90%、なおさらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%以上の配列の同一性を有する。2つのポリペプチド間の配列の同一性%は、適当なコンピュータプログラム、例えば、GAPプログラム (the University of Wisconsin Genetic Computing Group) を使用して決定することができ、そして同一性%は配列が最適に整列されたポリペプチドに関して計算されることが理解されるであろう。アラインメントはクルスタル (Clustal) Wプログラムを使用して選択的に実施することができる (Thompson 他、1994) 。使用するパラメーターは次の通りであるであるか、あるいはそうでないことがある:
高速対方法アラインメントパラメーター: K個の要素からなる集合 (語) サイズ; 1、ウィンドウサイズ; 5、ギャップペナルティー; 3、上部対角線の数; 5。スコアリング法: x %。多重アラインメントパラメーター: ギャップオープンペナルティー; 10、ギャップエクステンションペナルティー; 0.05。スコアリングマトリックス: BLOSUM。
上において使用した用語 「フラグメント」 は、本明細書において使用するとき、少なくとも1つの基本的性質、例えば、結合活性 (例えば、ビリルビンに対する、活性の型および特異的活性) 、オスモル濃度 (膠質浸透圧、コロイド浸透圧) 、ある種のpH範囲における挙動 (pH安定性) が有意に変化されていないかぎり、全長のアルブミンの任意のフラグメントまたはその変異型を包含する。この関係において、「有意に」 は当業者が言うように、変異型の性質がなお異なるか、あるいは異ないことができるが、もとのタンパク質の性質にわたって明らかであることを意味する。フラグメントは典型的には活性レベル50アミノ酸長さであろう。フラグメントはアルブミンの少なくとも1つの全サブドメインを含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
HSAのドメインは組換えタンパク質として発現され (Dockal M. 他、1999、J. Biol. Chem. 274、29303-28310) 、ドメインIはアミノ酸1〜197から成るとして規定され、ドメインIIはアミノ酸189〜385から成るとして規定され、そしてドメインIIIはアミノ酸381〜585から成るとして規定される。ドメインIおよびIIの間、およびドメインIIおよびIIIの間に存在する伸長したα-ヘリックス構造 (h10-hI) のために、ドメインの部分的オーバーラップが存在する (Peters、1996、前掲、表2〜4) 。また、HASは6つのサブドメインを含んでなる (サブドメインIA、IB、IIA、IIB、IIIAおよびIIIB) 。
サブドメインIAはアミノ酸6〜105を含んでなり、サブドメインIAはアミノ酸6〜105を含んでなり、サブドメインIBはアミノ酸120〜177を含んでなり、サブドメインIIAはアミノ酸200〜291を含んでなり、サブドメインIIBはアミノ酸316〜369を含んでなり、サブドメインIIIAはアミノ酸392〜491を含んでなり、そしてサブドメインIIIBはアミノ酸512〜583を含んでなる。フラグメントは、上に規定した1または2以上のドメインまたはサブドメイン、またはこれらのドメインおよび/またはサブドメインの任意の組合わせの全体または一部分を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
特に好ましい態様において、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) はトランスフェリンの配列またはその変異型またはフラグメントを含んでなる。用語 「トランスフェリン」 は、本明細書において使用するとき、下記のすべてのメンバーを包含する: トランスフェリンファミリー (Testa、Proteins of iron metabolism、CRC Press、2002; HarrisおよびAisen、Iron carriers and iron proteins Vol. 5、Physical Bioinorganic Chemistry、VCH、1991) およびそれらの誘導体、例えば、トランスフェリン、突然変異体トランスフェリン (Mason 他、1993、Biochemistry 32、5472; Mason 他、1998、Biochem. J. 330 (1) 、35) 、トランケーテッドトランスフェリン、トランスフェリンローブ (Mason 他、1996、Protein Expr. Purif. 8、119; Mason 他、1991、Protein Expr. Purif. 2、214) 、ラクトフェリン、突然変異体ラクトフェリン、トランケーテッドラクトフェリン、ラクトフェリンローブまたは上記の任意の他のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に対する融合物 (Shin 他、1995、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92、2820; Ali 他、1999、J. Biol. Chem. 274、24066; Mason 他、2002、Biochemistry 41、9488) 。
トランスフェリンはヒトトランスフェリンであるか、あるいはそうでないことがある。用語 「ヒトトランスフェリン」 は、ヒトに由来するトランスフェリンと区別不可能であるか、あるいはその変異型またはフラグメントである物質を意味するために本明細書において使用する。「変異型」は、保存的または非保存的、挿入、欠失または置換を包含し、ここでこのような変化はトランスフェリンの有用なリガンド結合性または免疫原性を実質的に変更しない。
トランスフェリンの突然変異体は本発明に含まれる。このような突然変異体は、修飾された (例えば、減少した) グルコシル化を表示するか、あるいはしないことがある。トランスフェリン分子のN-結合グルコシル化パターンは、アミノ酸グルコシル化コンセンサス配列、例えば、N-X-S/TをN、XまたはS/Tの任意のまたはすべての位置において付加/除去することによって、修飾することができる。トランスフェリン突然変異体は、金属イオンおよび/または他のタンパク質、例えば、トランスフェリンレセプターに対するそれらの自然の結合性を変更するか、あるいはしないことがある。この方法で修飾されたトランスフェリン突然変異体の1例は下記において例示されている。
また、ヒトトランスフェリンおよびヒトトランスフェリンアナローグの天然に存在する多形体変異型が包含される。一般に、ヒトトランスフェリンの変異型またはフラグメントは、ヒトトランスフェリンのリガンド結合活性 (例えば、鉄結合性) の5%、10%、15%、20%、30%、40%または50% (w/w)を有するであろう。トランスフェリンまたは被検試料の鉄結合活性は、それらの無鉄状態および完全に鉄を負荷した状態におけるタンパク質についての470 nm/280 nmの吸収比により分光光度測定的に決定することができる。特記しない限り、試薬は無鉄であるべきである。0.1 M クエン酸塩、0.1 M 酢酸塩、10 mM EDTA pH 4.5に対する透析により、鉄はトランスフェリンまたは被検試料から除去することができる。タンパク質は、100 mM HEPES、10 mM NaHCO3 pH 8.0中でほぼ20 mg/mlであるべきである。
280 nmにおける吸収が分光光度測定的に正確に決定できる (0%の鉄結合) であるように、水中に希釈したアポトランスフェリンの470 nm/280 nmの吸収比を測定する (Calbiochem、CN Biosciences、英国ノッティンガム) 。2 mlの1 M NaOH中に191 mgのニトリロトリ酢酸を溶解し、次いで2 mlの0.5 M 塩化第二鉄を添加することによって、20 mM ニトリロトリ酢酸鉄 (FeNTA) を調製する。脱イオン水で50 mlに希釈する。十分に過剰量の新しく調製した20 mM FeNTAを添加し、次いでハロ-トランスフェリン調製物を100 mM HEPES、10 mM NaHCO3 pH 8.0に対して完全に透析してFeNTAを除去することによって、アポ-トランスフェリンに鉄を完全に負荷した (100 %の鉄結合) 後、470 nm/280 nmにおいて吸収比を測定する。被験試料を使用してこの手順を反復し、これにより最初に鉄が除去され、そして最終比を対照と比較する。
追加的に、上記のいずれかを含んでなる単一または複数の異種融合物、またはアルブミン、トランスフェリンまたは免疫グロブリンまたはこれらのいずれかの変異型またはフラグメントに対する単一または複数の異種融合物を使用するか、あるいはしないことができる。このような融合物は下記を包含する: アルブミンN-末端融合物、アルブミンC-末端融合物および共-N-末端およびC-末端アルブミン融合物 (WO 01/79271において例示されている) 、そしてトランスフェリンN-末端融合物、トランスフェリンC-末端融合物および共-N-末端およびC-末端トランスフェリン融合物。
フラグメント融合物の例は下記の文献に記載されている: 米国特許出願US 2003/0221201およびUS 2003/0226155; Shin 他、1995、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92、2820; Ali 他、1999、J. Biol. Chem. 274、24066; Mason 他、2002、Biochemistry 41、9488、それらの内容は引用することによって本明細書の一部とされる。
また、当業者は理解するように、任意の他の遺伝子または変異型のオープンリーディングフレーム、または一部分またはいずれかを、本発明の使用とともにオープンリーディングフレームとして利用することができる。例えば、オープンリーディングフレームは下記をコードするか、あるいはしないことがある: 任意の配列を含んでなるタンパク質、例えば、自然タンパク質 (例えば、チモーゲンを包含する) 、または自然タンパク質の変異型またはフラグメント (これは、例えば、ドメインであるか、あるいはそうでないことがある) ; または完全に合成のタンパク質; または異なるタンパク質 (自然または合成) の単一または複数の融合物。
このようなタンパク質は、下記において提供されているリストから選択することができるが、これらに限定されない: WO 01/79258、WO 01/ 79271、WO 01/78442、WO 01/79443、WO 01/79444およびWO 01/79480、またはそれらの変異型またはフラグメント; それらの開示は引用することによって本明細書の一部とされる。これらの特許出願はアルブミンについての融合相手の関係においてタンパク質のリストを提供するが、本発明はそれらに限定されず、本発明の目的に対して、必要なポリペプチドとして、その中に列挙されたタンパク質の任意のものを単独で、または下記についての融合相手として提供するか、あるいはしないことがある: アルブミン、免疫グロブリンのFc領域、トランスフェリン、ラクトフェリンまたは他のタンパク質または必要なポリペプチドとして上記の任意のフラグメントまたは変異型。
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は、治療的に活性なタンパク質であるか、あるいはそうでないことがある。換言すると、それは個体、例えば、ヒトに対して認識された医学的効果を有するか、あるいはそうでないことがある。多数の異なる型の治療的に活性なタンパク質この分野においてよく知られている。
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は、診断技術において有用であるか、あるいはそうでないことがある。多数の異なる型の診断的に有用なタンパク質この分野においてよく知られている。
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は、健康管理に関係しないタンパク質であるか、あるいはそうでないことがある。それは、例えば、工業的、家庭的または栄養的 (食料品または添加物) 因子として実用性を有するタンパク質であるか、あるいはそうでないことがある。工業的、家庭的または栄養的実用性を有するタンパク質この分野においてよく知られている。
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は、宿主細胞、例えば、酵母細胞において分泌を引き起こすために有効なリーダー配列を含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
多数の自然または人工的ポリペプチドのシグナル配列 (また、分泌プロ領域と呼ぶ) は、宿主細胞からの分泌のために使用され、または開発されてきている。
シグナル配列は、タンパク質を細胞から周囲の媒質中にまたは、ある場合において、周辺質空間中に輸出する細胞機構に対して、新生タンパク質を向ける。シグナル配列は、通常、必ずしもそうではないが、一次翻訳産物のN-末端に位置し、そして、一般に、必ずしもそうではないが、分泌プロセス間に、タンパク質を切断して、「成熟」タンパク質を生ずる。
いくつかのタンパク質の場合において、シグナル配列の除去後に、最初に分泌される実在物は、「プロ」配列と呼ばれる追加のアミノ酸をそのN-末端に含み、中間的実在物は「プロタンパク質」と呼ばれる。これらのプロ配列は、最終タンパク質がフォールディングされ、機能的となるのを促進するか、あるいはしないことがあり、次いで通常切断される。ある場合において、プロ領域はプレ-プロ-領域を切断するための切断部位を単に提供し、そして他の機能を有することは知られていない。
細胞からのタンパク質の分泌間に、または細胞が周囲の媒質または周辺質空間の中に輸出された後に、プロ配列を除去することができる。
タンパク質分泌を指令するポリペプチド配列は、シグナル配列 (すなわち、プレ配列) またはプレ-プロ分泌配列であるかどうかにかかわらず、リーダー配列と呼ばれる。タンパク質の分泌は、翻訳、転位および翻訳後のプロセシングを包含する動的プロセスであり、そしてこれらの段階の1または2以上は、他の段階が開始または完結される前に、必ずしも完結される必要はない。
真核生物種、例えば、酵母サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 、ジゴサッカロマイセス (Zygosaccharomyces) 種、クライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) およびピキア・パストリス (Pichia pastoris) におけるタンパク質の産生のために、既知のリーダー配列は下記からのリーダー配列を包含する: サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 酸性ホスファターゼタンパク質 (Pho5p) (EP 366 400参照) 、インベルターゼタンパク質 (Suc2p) (Smith 他、1985、Science 229、1219-1224参照) および熱ショックタンパク質-150 (Hsp150p) (WO 95/33833参照) 。
さらに、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 接合因子α-1タンパク質 (MFα-1) からおよびヒトリゾチームおよびヒト血清アルブミン (HSA) タンパク質からのリーダー配列は使用されてきており、後者はことに使用されてきているが、もっぱらヒトアルブミンの分泌のためにではない。WO 90/01063には、MFα-1およびHSAリーダー配列の融合物が開示されており、これはMFα-1リーダー配列に関してヒトアルブミンの汚染フラグメントの産生を有利に減少させる。また、修飾されたリーダー配列はWO 2004/009819およびこの出願の実施例に開示されている; 読者は理解するように、それらのリーダー配列はトランスフェリン以外のタンパク質とともに使用できる。さらに、自然トランスフェリンリーダー配列は、トランスフェリンおよび他の異種タンパク質の分泌を指令するために使用されるか、あるいはされないことがある。
本発明に従い組換え的に発現されたシャペロンがタンパク質ジサルファイドイソメラーゼである場合、必要に応じて所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) はジサルファイド結合をその自然形態で含んでなるか、あるいはそうでないことがある。任意のジサルファイド結合は分子内および/または分子間に存在するか、あるいはそうでないことがある。
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は、商業的に有用なタンパク質、例えば、治療的、診断的、工業的、家庭的または栄養的に有用なタンパク質であるか、あるいはそうでないことがある。いくつかのタンパク質、例えば、異種的に発現されたタンパク質は細胞との相互作用に意図され、ここでそれらは細胞活性に対して有益な効果を発生させるために発現される。これらのタンパク質は、それら自身の権利で、商業的に有用であるわけではない。商業的に有用なタンパク質は、それらが発現される細胞のex vivo実用性を有するタンパク質である。それにもかかわらず、訓練した読者は理解するように、商業的に有用なタンパク質は、また、それ (例えば、異種タンパク質) を発現する宿主細胞に対して生物学的作用を有するか、あるいはそうでないことがあるが、その作用はタンパク質をその中で発現させる主要なまたは唯一の理由ではない。
商業的に有用なタンパク質は、代謝物または抗生物質、およびその他として有用であるタンパク質を包含する。
1つの態様において、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) はβ-ラクタマーゼではないことが好ましい。他の態様において、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) はアンチスタシンではないことが好ましい。しかしながら、読者は理解するように、これらの但し書きのいずれもβ-ラクタマーゼまたはアンチスタシンをコードする遺伝子が宿主細胞中にまたは本発明のプラスミド上に存在することを排除せず、単に所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする遺伝子はβ-ラクタマーゼおよび/またはアンチスタシン以外のタンパク質をコードする。
本発明の実施において有用なプラスミドは、特記しない限り、任意の型のプラスミドであることができる。本発明の目的に対して、「プラスミド」に対する言及は、また、他の型のベクターに対する言及を包含する。それを使用する宿主細胞系に基づいて適当なプラスミドを選択することが適当であることがある。
多数のプラスミドおよび他のベクターは、種々の発現系の形質転換のために知られており、下記を使用する系を包含する: 例えば、組換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された、細菌 (例えば、バシラス・サチリス (Bacillus subtilis) または大腸菌 (Escherichia coli)); 例えば、酵母発現ベクターで形質転換された、酵母 (例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) またはピキア・パストリス (Pichia pastoris)); 例えば、ウイルス発現ベクターで形質転換された、昆虫細胞系; 例えば、ウイルスまたは細菌の発現ベクターで形質転換された、植物細胞系; 細胞培養、トランスジーンにおけるまたは遺伝子治療として、例えば、アデノウイルス発現ベクターで形質転換された、動物細胞系。
典型的な原核生物のベクタープラスミドは次の通りである: pUC18、pUC19、pBR322およびpBR329 (入手先: Biorad Laboratories、米国カリフォルニア州リッチモンド); pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pDR540およびpRIT5 (入手先: Pharmacia、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ); pBSベクター、ファージスクリプト (Phagescript) ベクター、ブルースクリプト (Bluscript) ベクター、pNH8A、pNH16A、pNH18A、pNH46A (入手先: Stratagene Cloning Systems、米国92037カリフォルニア州ラジョラ) 。
典型的な哺乳動物細胞ベクタープラスミドはpSVL (入手先: Pharmacia、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ) である。このベクターはクローニングされた遺伝子の発現を推進するためにSV40後期プロモーターを使用し、発現の最高レベルはT抗原産生性細胞、例えば、COS-1細胞において見出される。誘導可能な哺乳動物発現ベクターの1例はpMSG (入手先: 同様にPharmacia、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ) である。このベクターは、クローニングされた遺伝子の発現を推進するために、マウス乳房腫瘍ウイルスの長い末端反復のグルココルチコイド誘導可能なプロモーターを使用する。
有用な酵母プラスミドベクターは、2μmファミリープラスミド (前述) ならびにpRS403-406およびpRS413-416 (これは一般にStratagene Cloning Systems、米国92037カリフォルニア州ラジョラから入手可能である) を包含する。プラスミドpRS404、pRS405およびpRS406は酵母組込みプラスミド (YIps) であり、そして酵母選択可能なマーカーHIS3、TRP1、LEU2およびURA3を組込んでいる。プラスミドpRS413-416は酵母動原体プラスミド (YCps) である。他のYIpsおよびYCpsプラスミドを使用することもできる。
本発明のいずれかの面において使用するためのプラスミドは、この分野においてよく知られている技術、例えば、下記の文献に記載されている技術を使用して必要な配列 (例えば、シャペロンをコードする1または2以上の遺伝子および/または異種タンパク質をコードする1または2以上の遺伝子) を挿入することより、この分野において知られているプラスミド、例えば、2μmファミリープラスミドを修飾することによって製造することができる: Sambrook 他、Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2001、第3版、その内容は引用することによって本明細書の一部とされる。例えば、1つのこのような方法は付着末端を介する結合を包含する。適合性付着末端は、適当な制限酵素の作用により、挿入のためにDNAフラグメントおよびプラスミド上に発生させることができる。これらの末端は相補的塩基対合に通して急速にアニールし、そして残りのニックはDNAリガーゼの作用により閉じることができる。
他の方法は、合成二本鎖オリゴヌクレオチドのリンカーおよびアダプターを使用する。平滑末端をもつDNAフラグメントは、突起する3’ 末端を除去し、そして凹形3’ 末端を充填するバクテリオファージT4 DNAポリメラーゼまたは大腸菌 (E. coli) DNAポリメラーゼIにより、平滑末端をもつDNAフラグメントを発生させる。規定された制限酵素のための認識配列を含有する、合成リンカーおよび平滑末端の二本鎖DNAの片を、T4 DNAリガーゼにより平滑末端DNAフラグメントに結合する。それらを引き続いて適当な制限酵素で消化して付着末端をつくり、適合性末端を有する発現ベクターに結合する。また、アダプターは化学的に合成されたDNAフラグメントであり、このフラグメントは結合に使用した1つの平滑末端を含有するが、また1つの予備形成した付着末端を有する。選択的に、必要に応じて付着末端を含有する1または2以上の合成二本鎖オリゴヌクレオチドの存在または非存在下にDNAリガーゼの作用により、1または2以上のDNAフラグメントを一緒に結合することができる。
種々の制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する合成リンカーは多数の源から入手可能である (例えば、Sigma-Genosys Ltd、英国ケンブリッジ、パムプシフォード、ロンドン・ロード) 。
プラスミド (例えば、2μmファミリープラスミド) 中の適当な挿入部位は前述の部位を包含するが、これらに限定されない。
宿主細胞
本発明は、また、本発明のいずれかの面に従う組換え遺伝子および/またはプラスミドを含んでなる宿主細胞を提供する。宿主細胞は任意の型の細胞であることができる。多数の適当な宿主細胞発現系は既知であり、下記を包含する: 細菌 (例えば、大腸菌 (E. coli) およびバシラス・サチリス (Bacillus subtilis)) 、酵母 (例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 、ピキア・パストリス (Pichia pastoris) およびクライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis)) 、フィラメント状真菌 (例えば、アスペルギルス (Aspergillus)) 、植物細胞、全植物、動物細胞および昆虫細胞。細菌および酵母の宿主細胞は好ましいか、あるいはそうでないことがある。細菌宿主細胞はクローニングの目的に有用である。酵母宿主細胞はプラスミド中に存在する遺伝子の発現に有用である。
1つの態様において、酵母細胞、例えば、下記のメンバーであるか、あるいはそうでないことがある: サッカロマイセス (Saccharomyces) 、クライベロマイセス (Kluyveromayces) 、アルクスラ (Arxula) 、ヤロウィア (Yarrowia) 、カンジダ (Candida) 、シゾサッカロマイセス (Schizosaccharomyces) 、デバリオマイセス (Debaryomyces) 、キサントフィロマイセス (Xanthophyllomyces) 、ゲオトリクム (Geotrichum) 、アシュブヤ (Ashbya) 、ホルテア (Hortaea) 、シュワンニオマイセス (Schwanniomyces) 、トリコスポロン (Trichosporon) 、キサントフィロマイセス (Xanthophyllomyces) またはピキア (Pichia) 属。
酵母、例えば、下記の酵母は好ましいか、あるいはそうでないことがある: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 、クライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) 、ピキア・パストリス (Pichia pastoris) 、ピキア・メンブラネファシエンス (P. membranaefaciens) 、ジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) 、ジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) 、ジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) 、クライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) 、ピキア・メタノリカ (Pichia methanolica) 、ハンゼヌラ・ポリモルファ (Hansenula polymorpha) (またピキア・アウグスタ (Pichia augusta) として知られている) 、アルクスラ・アデニニボランス (Arxula adeninivorans) 、ヤロウィア・リポリチカ (Yarrowia lipolytica) 、カンジダ・ボイディニイ (Candida boidinii) 、カンジダ・ウチリス (Candida utilis) 、シゾサッカロマイセス・ポンベ (Schizosaccharomyces pombe) 。
他の適当な酵母は下記を包含するか、あるいはそうでないことがある: デバリオマイセス・ハンセニイ (Debaryomyces hansenii) 、キサントフィロマイセス・デンドロルホウス (Xanthophyllomyces dendrohous) 、ゲトリカム・カンジヅム (Geotricum candidum) 、アシュブヤ・ゴッシピイ (Ashbya gossypii) 、ホルテア・ウェルネッキイ (Hortaea werneckii) 、シュワンニオマイセス・オクシデンタリス (Schwanniomyces occidentalis) 、トリコスポロン・ドメスチクム (Trichosporon domesticum) および/またはキサントフィロマイセス・デンドロルホウス (Xanthophyllomyces dendrohous) 。
下記の文献に記載されているように、例えば、遺伝子コーディング配列の崩壊により、タンパク質のO-グルコシル化に関係する1または2以上のタンパク質マンノシルトランスフェラーゼを欠如する酵母を使用することは特に好都合であるか、あるいはそうでないことがある: WO 2004/083245、その内容は引用することによって本明細書の一部とされる。
他の態様において、宿主細胞は動物細胞であるか、あるいはそうでないことがある。例えば、動物細胞は哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞型であるか、あるいはそうでないことがある。
宿主細胞型は、使用するプラスミド型との適合性について選択するか、あるいはしないことがある。1つの酵母型から得られるプラスミドは、他の酵母型において維持することができる (Irie 他、1991、Gene 108 (1) 、139-144; Irie 他、1991、Molec. Gen. Genet. 225 (2) 、257-265) 。例えば、ジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) からのpSR1をサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 中で維持することができる。必要に応じて、宿主細胞は2μmファミリープラスミドと適合性である (下記のプラスミドの完全な説明については上を参照) 。
例えば、プラスミドがpSR1、pSR3およびpSR4に基づく場合、適当な酵母はジゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) である; プラスミドがpSR1またはpSR2に基づく場合、適当な酵母はジゴサッカロマイセス・バイリイ (Zygosaccharomyces bailii) である; プラスミドがpSR1に基づく場合、適当な酵母はジゴサッカロマイセス・フェルメンタチ (Zygosaccharomyces fermentati) である; プラスミドがpKD1に基づく場合、適当な酵母はクライベロマイセス・ドロスフィラルム (Kluyveromayces drosphilarum) である ; プラスミドがpPM1に基づく場合、適当な酵母はピキア・メンブラネファシエンス (Pichia membranaefaciens) である; プラスミドが2μmプラスミドに基づく場合、適当な酵母はサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) またはサッカロマイセス・カールスバーゲンシス (Saccharomyces carlsbergensis) である。プラスミドは2μmプラスミドに基づき、そして酵母細胞はサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) であることが特に好ましい。
本発明の2μmファミリープラスミドは、それが天然に存在するプラスミドに由来する配列を有する遺伝子FLP、REP1およびREP2の1つ、2つまたは好ましくは3つを含んでなる場合、天然に存在するプラスミド「に基づく」と言うことができる。
例えば、遺伝子コーディング配列の崩壊により、タンパク質のO-グルコシル化に関係する1または2以上のタンパク質マンノシルトランスフェラーゼを欠如する酵母を使用することは特に好都合であるか、あるいはそうでないことがある。
組換え発現されたタンパク質は、産生性宿主細胞による望ましくない翻訳後の修飾に付すことができる。例えば、アルブミンタンパク質配列はN-結合グルコシル化のための部位を含有せず、そしてO-結合グルコシル化により、事実、修飾されることは報告されてきていない。しかしながら、多数の酵母種において産生された組換えヒトアルブミン (「rHA」) は、一般にマンノースを含む、O-結合グルコシル化により修飾できることが発見された。マンノシル化アルブミンはラクトンコンカナバリンAに結合することができる。
酵母による産生されるマンノシル化アルブミンの量は、1または2以上のPMT遺伝子を欠如する酵母菌株を使用して減少させることができる (WO 94/04687) 。これを達成する最も好都合な方法は、減少レベルのPmtタンパク質の1つが産生されるように、そのゲノムが欠如した酵母をつくることである。例えば、Pmtがほとんどまたはまったく産生されないように、コーディング配列または調節領域 (またはPMT遺伝子の1つの発現を調節する他の遺伝子) 中に欠失、挿入または転位は存在するか、あるいはしないことがある。選択的に、抗Pmt遺伝子、例えば、抗Pmt抗体を産生するように酵母を形質転換することができるであろう。
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 以外の酵母を使用する場合、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) のPMT遺伝子と同等の遺伝子の1または2以上の崩壊は、例えば、ピキア・パストリス (Pichia pastoris) またはクライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) において、また有益である。サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) から単離されたPMT1 (または他のPMT遺伝子) の配列は、他の真菌種における同様な酵素活性をコードする遺伝子の同定または崩壊に使用されるか、あるいはされないことがある。クライベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) のPMT1相同体のクローニングはWO 94/04687に記載されている。
酵母は、それぞれ下記において教示されているように、HSP150および/またはYAP3遺伝子の欠失を有するか、あるいはそうでないことがある: WO 95/33833およびWO 95/23857。
上に規定したプラスミドは標準的技術により宿主の中に導入できるか、あるいはそうでないことがある。原核生物の宿主の形質転換に関して、例えば、下記の文献を参照のこと: Cohen 他、1972、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69、2110およびSambrook 他、2001、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー。酵母細胞の形質転換は下記の文献に記載されている: Sherman 他、1985、Methods In Yeast Genetics, A Laboratory Manual、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー。
また、Beggs、1978、Nature 275、104-109の方法は有用である。サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) の形質転換法は下記の文献に記載されている: EP 251 744、EP 258 067およびWO 90/01063、それらのすべては引用することによって本明細書の一部とされる。脊椎動物細胞、このような細胞形質転換に有用な試薬、例えば、リン酸カルシウムおよびDEAE-デキストランまたはリボソーム配合物は、下記から入手可能である: ストラタジーン・クローニング・システム (Stratagene Cloning System) またはライフ・テクノロジー・インコーポレーテッド (Life Technologies Inc.) 、米国20877マリーランド州ガイサーバーグ。
また、エレクトロポレーションは細胞の形質転換に有用であり、そして酵母細胞、細菌細胞および脊椎動物細胞の形質転換についてこの分野においてよく知られている。エレクトロポレーションによる酵母の形質転換法は下記の文献に記載されている: BeckerおよびGuarente、1990、Methods Enzymol. 194、182。
一般に、プラスミドを使用する場合、それは宿主のすべてを形質転換せず、したがって形質転換された宿主細胞を選択することが必要であろう。こうして、プラスミドは選択可能なマーカーを含んでなるか、あるいはそうでないことがあり、ここで選択可能なマーカーは細菌の選択可能なマーカーおよび/または酵母の選択可能なマーカーを包含するが、これらに限定されない。典型的な細菌の選択可能なマーカーはβ-ラクタマーゼ遺伝子であるが、多数の他の選択可能なマーカーはこの分野において知られている。酵母の選択可能なマーカーは下記を包含する: LEU2、TRP1、HIS3、HIS4、URA3、URA5、SFA1、ADE2、MET15、LYS5、LYS2、ILV2、FBA1、PSE1、PDI1およびPGK1。
当業者は理解するように、その染色体の欠失または不活性化が生存不能な宿主を生ずる任意の遺伝子、いわゆる「必須」遺伝子は、下記の文献においてpgk1酵母菌株中のPGK1について証明されているように、機能的遺伝子がプラスミド上に準備されている場合、選択可能なマーカーとして使用することができる: PiperおよびCurran、1990、Curr. Genet. 17、119。適当な「必須」遺伝子産物 (例えば、PDI1、PSE1、PGK1またはFBA1遺伝子、およびこの出願のどこかに記載されている他の遺伝子) は、欠失または不活性化されるとき、栄養要求性的 (生合成的) 必要条件を生ずることがなく、宿主細胞中のプラスミド上で選択可能なマーカーとして使用することができ、ここで宿主細胞は、プラスミドの非存在において、その遺伝子を産生することができず、特定の選択的条件下に細胞を培養することを必要とするという欠点なしに、プラスミドの安定性を達成することができない。
「栄養要求的 (生合成的) 必要条件」とは、栄養および成長培地への他の添加または改変により補足することができる欠陥を包含する。しかしながら、機能的Pgk1pまたはFba1pを発現するすることができない細胞は成長培地へのある種の添加により補足することができ、そしてこのような遺伝子産物は本発明による好ましい「必須タンパク質」ではない。したがって、本発明の関係において「必須マーカー遺伝子」は、宿主細胞において欠失または不活性化されるとき、成長培地への添加または改変により補足することができない欠陥を生じ、ここで添加または改変が、例えば、ポリヌクレオチドであることが期待され、このポリヌクレオチドは「必須」マーカー遺伝子の産物、または「必須」マーカー遺伝子それ自体の産物を発現する宿主細胞の能力を回復することができる。
したがって、本発明により提供され、本発明の方法において使用され、または本発明の宿主細胞中に含まれるプラスミドは、2以上の選択可能なマーカーを含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
1つの選択技術は、形質転換された細胞において選択可能な特性をコードする、必要な制御因子を有する、DNA配列マーカーを発現ベクター中に取込むことを含む。これらのマーカーは下記を包含する: 真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418またはネオマイシン耐性遺伝子、および大腸菌 (E. coli) および他の細菌における培養のためのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシリン (すなわち、β-ラクタマーゼ) 耐性遺伝子。選択的に、このような選択可能な特性のための遺伝子は、必要な宿主細胞の共形質転換のために使用される他のベクター上に存在することができる。
形質転換された細胞を首尾よく同定する他の方法は、プラスミドの導入から生ずる細胞を増殖させ、必要に応じて組換えポリペプチドの発現を可能とする (すなわち、ここでポリペプチドはプラスミド上のポリヌクレオチド配列によりコードされるが、宿主により自然に産生されない) 。例えば、下記の文献に記載されている方法またはこの分野において普通のDNAおよびRNA分析法により、細胞を収集し、溶解し、それらのDNAまたはRNA内容物を組換え配列の存在について検査することができる: Southern、1975、J. Mol. Biol. 98、503またはBerent 他、Biotech. 3、208。選択的に、形質転換された細胞の培養上清中のポリヌクレオチドの存在は、抗体を使用して検出できる。
組換えDNAの存在について直接アッセイすることに加えて、組換えDNAがタンパク質の発現を指令できるとき、形質転換の成功はよく知られている免疫学的方法により確証することができる。例えば、発現ベクターで首尾よく形質転換された細胞は適当な抗原性を表示するタンパク質を産生する。形質転換されたことが推測される細胞の試料を収集し、適当な抗体を使用してタンパク質についてアッセイする。
こうして、形質転換された宿主細胞それら自体に加えて、本発明において、また、それらの細胞培養物、必要に応じてモノクローナル (クローン的に均質な) 培養物、または栄養培地中の、モノクローナル培養物に由来する培養物が考えられる。選択的に、形質転換された細胞は、工業的/商業的または薬学的の有用な生成物を表すか、あるいはそうでないことがあり、そしてそれ以上精製しないで使用できるか、あるいは培地から精製し、必要に応じてそれらの意図する工業的/商業的または薬学的使用に適当な方法で担体または希釈剤と配合し、そして必要に応じてその使用に適当な方法で包装しかつ提供することができる。例えば、全細胞を固定化する; または細胞培養物をプロセス、収穫物または他の必要なターゲット上に/中に噴霧するために使用することができる。同様に、全細胞、例えば、酵母細胞を広範な種類の用途、例えば、芳香物質、香味剤および医薬のためのカプセルとして使用することができる。
形質転換された細胞は、この分野において知られている十分な時間および適当な条件下に、本明細書に記載する教示にかんがみて培養して、1または2以上の組換えシャペロンおよび所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) の発現を可能とするか、あるいはしないことができる。
培地は非選択的培地であることができるか、あるいはプラスミドの維持に対して選択的圧力を加えるか、あるいはしないことがある。
こうして産生された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は、細胞内に、または分泌される場合、培地および/または宿主細胞の周辺質空間中に存在するか、あるいはしないことがある。
タンパク質の回収および配合
培養した細胞または培地から、こうして発現された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を精製する工程は必要に応じて細胞固定化、細胞分離および/または細胞破壊を含んでなるが、常に細胞固定化、細胞分離および/または細胞破壊の1または2以上の工程と異なる少なくとも1つの他の精製工程を含んでなる。
細胞固定化技術、例えば、アルギン酸カルシウムビーズを使用する細胞の包装はこの分野においてよく知られている。同様に、細胞分離技術、例えば、遠心、濾過 (例えば、クロス・フローフィルター、拡張ベッドクロマトグラフィーおよびその他はこの分野においてよく知られている。同様に、細胞破壊法は、ビードミリング、超音波処理、酵素暴露およびその他を包含し、この分野においてよく知られている。
少なくとも1つの他の精製工程は、この分野において知られているタンパク質精製に適当な、任意の他の工程であることができる。例えば、組換え発現されたアルブミンを回収する精製技術は下記の文献に記載されている: WO 92/04367、マトリックス由来色素の除去; EP 464 590、酵母由来着色剤の除去; EP 319 067、アルカリ性沈降および引き続く親油性相に対するアルブミンの適用; およびWO 96/37515、US 5,728,553およびWO 00/44772、これらには完全な精製プロセスが記載されている; それらのすべては引用することによって本明細書の一部とされる。
アルブミン以外のタンパク質は、このようなタンパク質の精製に有効であることが見出された任意の技術により、培地から精製することができる。
適当な方法は下記を包含する: 硫酸アンモニウムまたはエタノール沈降、酸性または溶媒抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、濃縮、希釈、pH調節、透析濾過、限外濾過、高性能液体クロマトグラフィー (「HPLC」) 、逆相HPLC、伝導度調節およびその他。
1つの態様において、任意の1または2以上の前述の技術を使用して、こうして単離されたタンパク質を商業的または工業的に許容されるレベルの純度にさらに精製することができる。商業的または工業的に許容されるレベルの純度とは、少なくとも下記の濃度のタンパク質を提供することを包含する: 0.01 g/l、0.02 g/l、0.03 g/l、 0.04 g/l、 0.05 g/l、 0.06 g/l、 0.07 g/l、 0.08 g/l、 0.09 g/l、0.1 g/l、 0.2 g/l、 0.3 g/l、 0.4 g/l、 0.5 g/l、 0.6 g/l、 0.7 g/l、 0.8 g/l、 0.9 g/l、1 g/l、2 g/l、3 g/l、4 g/l、5 g/l、6 g/l、7 g/l、8 g/l、9 g/l、10 g/l、15 g/l、20 g/l、25 g/l、30 g/l、40 g/l、50 g/l、60 g/l、70 g/l、80 g/l、90 g/l、100 g/l、150 g/l、200 g/l、250 g/l、300 g/l、350 g/l、400 g/l、500 g/l、600 g/l、700 g/l、800 g/l、900 g/l、1000 g/l以上。
所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は薬学的に許容されるレベルの純度を達成するように精製することが好ましい。タンパク質は本質的に無発熱物質性であり、そしてタンパク質の活性に関連しない医学的作用を引き起さないで薬学的に有効な量で投与できる場合、タンパク質は薬学的に許容されるレベルの純度を有する。
生ずる所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は任意のその実用性のために使用することができ、ここでアルブミンの場合において、実用性は重症の熱傷、ショックおよび血液喪失を治療するために患者に静脈内投与すること、培地の補充、および他のタンパク質の配合のための賦形剤として使用することを包含する。
本発明の方法により得られた治療的、診断的、工業的、家庭的または栄養的に有効な所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) は単独で提供または投与することができるが、それを1種または2種以上の許容される担体または希釈剤と一緒に、配合物 (例えば、医薬処方物、特に治療的および/または診断的に有効なタンパク質の場合において) として提供することが可能である。1種または2種以上の担体または希釈剤は所望のタンパク質と適合性であり、そして処方物を受容体に投与することを意図する場合、その受容体に対して有害でないという意味において「許容され」なくてはならない。典型的には、担体または希釈剤は、無菌でありかつ無発熱物質性である水または生理的食塩水である。
必要に応じて、こうして配合されたタンパク質は単位投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤、注射可能な溶液またはその他の形態で提供されるであろう。
第6の面において、本発明は、下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) 、例えば、本発明の前の面において上に規定したタンパク質を製造する方法を提供する: Orm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型をコードする第1 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第2遺伝子、必要に応じて第2 組換え遺伝子を含んでなる宿主細胞を準備し、必要に応じてただし第1 遺伝子および第2遺伝子の両方は宿主細胞内で同一2μmファミリープラスミド上に存在せず; そして第1 遺伝子および第2遺伝子の発現を可能とする条件下に培地中で宿主細胞を培養する。
この方法は下記の工程をさらに含んでなることができる: こうして発現された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を培養した宿主細胞または培地から精製し; そして必要に応じてこうして精製されたタンパク質を凍結乾燥し; そして必要に応じて精製された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を担体または希釈剤と配合し; そして必要に応じてこうして配合されたタンパク質を単位投与形態で提供する。
前述の方法において、宿主細胞はOrm2pに対する選択的シャペロンの配列またはその変異型を含んでなるタンパク質をコードする組換え遺伝子をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
本発明の第6の面における第1 遺伝子および第2遺伝子の一方または両方はプラスミドから、および必要に応じて同一プラスミドから発現される組換え遺伝子であることができ、ただし両方の遺伝子はプラスミドから発現される場合、プラスミドは2μmファミリープラスミドではない。Orm2pに対する選択的シャペロンの配列またはその変異型を含んでなるタンパク質をコードするそれ以上の組換え遺伝子は、また、プラスミドから、必要に応じて同一プラスミドから、第1 および第2 組換え遺伝子の一方または両方として発現させるか、あるいはそうでないことがある。
第1 遺伝子および第2遺伝子の両方が同一プラスミドから共発現される組換え遺伝子である場合を除外して、いずれかの1つは2μmファミリープラスミド、例えば、2μmプラスミドから個々に発現されるか、あるいはそうでないことがある。選択的に、本発明の第6の面の第1 遺伝子および第2遺伝子の1つまたは両方は宿主細胞の染色体中に組込まれるか、あるいはそうでないことがある。Orm2pに対する選択的シャペロンの配列またはその変異型を含んでなるタンパク質をコードするそれ以上の組換え遺伝子は、第1 遺伝子および第2遺伝子がプラスミドから発現されるか、あるいは染色体的に組込まれるか否かにかかわらず、宿主細胞の染色体中に組込まれるか、あるいはそうでないことがある。
本発明は、また、第7の面において上に規定した宿主細胞を提供し、ここで宿主細胞はOrm2pの配列を含んでなるタンパク質またはその変異型をコードする第1 組換え遺伝子および所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする第2遺伝子、必要に応じて第2 組換え遺伝子を含んでなり、必要に応じてただし第1 遺伝子および第2遺伝子の両方は宿主細胞内で同一2μmファミリープラスミド上に存在しない。
本発明は、また、第8の面において、核酸配列および宿主細胞内遺伝子の共発現 (しかし同一2μmファミリープラスミドからのこれらの遺伝子の共発現を含まない) により、宿主細胞中の遺伝子、例えば、組換え遺伝子によりコードされる所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) の宿主細胞 (例えば、上に規定した宿主細胞) における産生を増加するために、タンパク質Orm2pまたはその変異型をコードする核酸配列使用を提供する。
核酸配列および所望のタンパク質をコードする遺伝子の一方または両方は、宿主細胞内のプラスミドから、そして必要に応じて同一プラスミドから発現されるか、あるいはそうでないことがある。前述の方法において、宿主細胞はOrm2pに対して選択的シャペロンまたはその変異型をコードする組換え遺伝子を含んでなり、ここで組換え遺伝子は宿主細胞内のプラスミド上に、必要に応じて同一プラスミド上に、核酸配列および所望のタンパク質をコードする遺伝子の一方または両方として存在するか、あるいはそうでないことがある。適当なプラスミドは上に記載した2μmファミリープラスミド、例えば、2μmプラスミドを包含する。
第9の面において、本発明は、また、異種タンパク質をコードする組換え遺伝子およびOrm2pまたはその変異型をコードする遺伝子を同一プラスミド上に装備することによって、異種タンパク質の産生を増加させるための発現ベクターとしてプラスミドを使用することを提供し、必要に応じてただしプラスミドは2μmファミリープラスミドではない。プラスミドは、前述の方法でOrm2pに対して選択的シャペロンまたはその変異型をコードする遺伝子をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
したがって、第10の面において、本発明は、また、タンパク質Orm2pまたはその変異型をコードする第1 遺伝子および、上に記載した、異種タンパク質をコードする第2遺伝子を含んでなるプラスミド、必要に応じて発現プラスミドを提供し、必要に応じてただしプラスミドは2μmファミリープラスミドではない。プラスミドは、Orm2pに対して選択的シャペロンまたはその変異型をコードする第3遺伝子をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。好ましい態様において、第3遺伝子はタンパク質ジサルファイドイソメラーゼの配列を含んでなるタンパク質をコードする。
また、プラスミドの非存在において 「必須」 タンパク質を産生しない宿主細胞中でプラスミドを安定に維持するために、「必須」 タンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードするプラスミド担持遺伝子を使用できることを我々は証明した。これは選択した培養条件において生物の遺伝的安定性を保証し、これにより個々の培養物の再現性および信頼性を改良し、さらにプラスミド喪失による産生性を減少しないで延長した培養を可能とするという利点を有する。
好ましい 「必須」 タンパク質はシャペロンであり、ここでシャペロンはそれ以上の利点を提供するか、あるいはしないことがあり、プラスミドの安定性を増加させる選択可能なマーカーとして作用するだけでなく、その発現は宿主細胞内で組換え遺伝子によりコードされる1種または2種以上の所望のタンパク質、例えば、異種タンパク質の発現を増加させる。この系はプラスミドが担持する組換え遺伝子の数を最小にすることができるので、有利である。例えば、典型的な先行技術のプラスミドは、宿主細胞培養プロセス間におけるプラスミドの安定な維持を可能とするマーカー遺伝子 (例えば、前述の遺伝子) を担持する。このようなマーカー遺伝子は、必要な効果を達成するために要求されるそれ以上の遺伝子に加えて、プラスミド上に保持することが必要である。しかしながら、プラスミドが外因的DNA配列を取込む能力は制限され、したがって必要な効果を達成するために要求される配列の挿入数を最小にすることが好都合である。その上、いくつかのマーカー遺伝子 (例えば、栄養要求性マーカー遺伝子) は、マーカー遺伝子の作用を得るために特定の条件下に培養プロセスを実施することを必要とする。このような特定の条件は細胞増殖またはタンパク質産生のために最適でないことがあるか、あるいは非効率的または不当に費用がかかる増殖系の使用を要求することがある。
こうして、プラスミドの安定性を増加させるために、プラスミド担持遺伝子として 「必須」 タンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする組換え遺伝子を使用することが可能であり、ここでプラスミドはプラスミドの非存在下に 「必須」 タンパク質を産生できない宿主細胞内に存在する。理解されるように、タンパク質が 「必須」 であるか否かという問題はタンパク質を使用する系に依存するであろう; 1つの宿主生物において 「必須」 ではないタンパク質は、その同一宿主において1または2以上の他の遺伝子が欠失され、崩壊され、不活性化され、修飾されまたは影響を受けるとき、「必須」 となり、これにより、上に記載したように、「必須」 プラスミド担持遺伝子として使用することが可能である; 同様に、タンパク質が 「必須」 であるか否かは、細胞を培養する、ある種の物理的条件、例えば、pH、温度および/または酸素レベルに依存することがある。
「必須タンパク質」 は、宿主細胞中のそれをコードする1または2以上の遺伝子が欠失または不活性化されるとき、栄養要求性 (生合成) 必要条件を発生する宿主細胞を生じないタンパク質であることが好ましい。「栄養要求性 (生合成) 必要条件」 とは、成長培地に対する添加または改変、特に成長培地の栄養成分添加、またはそれに対する改変により、補足できる欠陥を包含する。こうして、「必須タンパク質」 は、それをコードする遺伝子が宿主細胞において不活性化される場合、栄養要求性突然変異体、すなわち、突然変異体生物を産生する栄養要求性マーカータンパク質であり、ここで栄養要求性生物は、増殖しかつ生存するために、正常 (非突然変異) の菌株が要求しない特定の追加の栄養を要求する - 「必須タンパク質」 は栄養要求性マーカータンパク質ではないことが好ましい。
したがって、「必須タンパク質」 をコードする 「必須マーカー遺伝子」 は、本発明の関係において、宿主細胞中で欠失または不活性化されるとき、成長培地に対する添加または改変、典型的には栄養の添加または改変により補足することができない欠陥を生ずる遺伝子であり、ただしそれらの添加または改変は、例えば、ポリヌクレオチドであり、ここでこのポリヌクレオチドは 「必須」マーカー遺伝子の産物または「必須」マーカー遺伝子それ自体の産物を発現する宿主細胞の能力を回復することができる。換言すると、「必須タンパク質」は、事実、宿主細胞による栄養の代謝転化に関係するタンパク質ではないことが好ましいか、あるいはそうでないことがある。この系の利点は、「必須マーカー遺伝子」を宿主細胞中のプラスミド上で使用できるということであり、ここで宿主細胞は、プラスミドの非存在下に、その遺伝子産物を産生することができず、細胞を特定の選択的 (例えば、選択的栄養) 条件下に培養するという欠点なしに、プラスミドの安定性を増加させることができない。
したがって、宿主細胞は、プラスミドの安定性を喪失しないで、特定のマーカー遺伝子に適合させる必要がない条件下に培養できる。この系を使用して産生された宿主細胞は、非選択培地、例えば、複合培地または濃縮培地中で、非選択増殖条件 (例えば、pH、温度および/または酸素レベル) 下に培養することができ、ここでこれらの培地および条件は、栄養要求性および他のマーカー遺伝子にこれらの作用を与えるために普通に使用されている最少培地および/または特別に適合された増殖条件よりも、いっそう経済的なおよび/またはいっそう支持的成長培地/条件であることができる。
細胞は、欠失されたまたはそうでなければ不活性化された 「必須」 タンパク質をコードする1または2以上の遺伝子の1または2以上の内因的コピーを有するか、あるいはそうでないことがある。
「必須タンパク質」 が 「必須」 シャペロンである場合、これは選択増殖条件を必要としないでプラスミドの安定性を改良し、そして宿主細胞における所望のタンパク質、例えば、内因的にコード化されたタンパク質または異種タンパク質の産生増加させるという利点を提供できるので特に好ましい。また、この系は、宿主細胞によるタンパク質産生を増加させるために 「必須」 シャペロンの過剰発現を使用するように選択する場合、プラスミドが担持することが必要である組換え遺伝子のコピー数を最小にするという利点を有する。
本発明のこの面において使用するために好ましい「必須タンパク質」 は下記を包含する: 遺伝子PDI1およびPSE1によりコードされる 「必須」 シャペロン、ここでこれらのタンパク質をコードする1または2以上の内因的遺伝子が宿主細胞中で欠失または不活性化されるとき、これらの遺伝子は栄養要求性 (生合成) 必要条件を発生する宿主細胞を生じない。
好ましい 「必須」 シャペロンは真核生物のシャペロンであり、ことに好ましい 「必須」 シャペロンは下記から選択される遺伝子によりコードされるタンパク質の配列を含んでなるシャペロンを包含する酵母シャペロンである: CCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、FMO1 (ジアミドの非存在において) HSP10、HSP60、PDI1、CDC37、KAR2、MGE1、MRS11、NOB1、SSC1、PSE1、TIM9、PAM18およびTCP1。
突然変異してFMO1を不活性化する宿主細胞は、酸化体ジアミドの存在下の増殖により補足されることができることが認められる (TrandおよびKaiser、1998、Molecular Cell 1、161-170) が、ジアミドは栄養要求性突然変異に関して前述の型の 「栄養」 添加ではない。ジアミドは成長培地の普通に使用される成分ではなく、そしてFMO1遺伝子を含んでなるプラスミドで形質転換されたFMO1突然変異体は、プラスミドの安定性を喪失しないで、濃縮培地中で増殖させることができる。
したがって、第11の面において、本発明は、また、プラスミド (例えば、本発明の前の面により規定されるプラスミド) を含んでなる宿主細胞を提供し、ここでプラスミドは 「必須」 タンパク質、例えば、シャペロンをコードする遺伝子を含んでなり、ここでこのプラスミドの非存在下に、宿主細胞は 「必須」 タンパク質を産生することができない。好ましくは、プラスミドの非存在下に、宿主細胞は生存不能である。典型的には、宿主細胞は、染色体的にコード化された (またはそうでなければ内因的) 遺伝子から 「必須」 タンパク質の機能的コピーを産生できないように、遺伝的に修飾されている。宿主細胞は、異種タンパク質、例えば、本発明の前の面に関して前述したタンパク質をコードする組換え遺伝子をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。
本発明は、また、第12の面において、唯一の酵母の選択可能なマーカーとして、必要に応じて唯一の選択可能なマーカーとして、「必須」 タンパク質、例えば、「必須」 シャペロンをコードする遺伝子を含んでなるプラスミドを提供する。このプラスミドは、異種タンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。プラスミドは2μmファミリープラスミドであるか、あるいはそうでないことがある。
本発明は、また、第13の面において、下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を製造する方法を提供する: プラスミドを含んでなる宿主細胞を準備し、このプラスミドは 「必須」 タンパク質、例えば、シャペロンをコードする遺伝子を含んでなり、ここでこのプラスミドの非存在下に、宿主細胞は 「必須」 タンパク質を産生することができず、そしてここで宿主細胞は所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする遺伝子、例えば、組換え遺伝子をさらに含んでなり; 「必須」 タンパク質および所望のタンパク質の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培地中で培養し; そして必要に応じてこうして発現された所望のタンパク質を培地から精製し; そして必要に応じてこうして精製されたタンパク質を凍結乾燥する。こうして、本発明の方法において使用する宿主細胞は、本発明の第11の面に従う宿主細胞であるか、あるいはそうでないことがあり、および/または宿主細胞は本発明の第12の面に従うプラスミドで形質転換することができるか、あるいはしないことができる。
この方法は下記の工程をさらに含んでなることができる: 前述の方法において、精製された所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を担体または希釈剤と配合し、そして必要に応じてこうして配合されたタンパク質を単位投与形態で提供する。
1つの好ましい態様において、工程 「「必須」 タンパク質および所望のタンパク質の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培地中で培養する」 は、「必須」 タンパク質をコードする遺伝子の存在以外の、プラスミド上の遺伝子の存在に対して選択的であることに特別に適合しない培地中で細胞を培養することを包含する。こうして、1つの態様において、宿主細胞を培養する工程は、「必須」 タンパク質の存在について選択するために特別に適合しない、非選択培地、例えば、複合培地または濃縮培地中でおよび/または条件 (例えば、pH、温度および/または酸素レベル) 下に実施するか、あるいはしないことがある。
培地が 「必須」 タンパク質の発現を防止するように変性されていない宿主細胞の増殖を最大するか、あるいはそうでなければ可能とするために通常準備される生成物、典型的には栄養生成物を宿主細胞から欠如させるために特別に適合しない場合、培地は本発明の目的に対して非選択的であるとして記載される。例えば、「試験培地」 中で増殖する第1 宿主細胞型におけるプラスミドの安定性を 「試験培地」 中で増殖する第2 宿主細胞型におけるプラスミドの安定性と比較する場合、各細胞型が5、10、15、20、25または30世代増殖するとき、培地 (「試験培地」) は本発明の目的に対して非選択培地であることができ、ここで
(i) 第1 宿主細胞型は本発明の第11の面に従う宿主細胞である;
(ii) 第2 宿主細胞型は本発明の第11の面に従う宿主細胞であり、ただしそれはプラスミドの非存在下に 「必須」 タンパク質を産生する宿主細胞の能力を回復するように修飾されている (これはちょうどプラスミドが存在しないときでさえ、第2 宿主細胞型が 「必須」 タンパク質を産生できるように、それが 「必須」 タンパク質をコードするプラスミドを含有しないということではない);
次いで第2細胞型において観測されるプラスミドの安定性は、第1 細胞型において観測されるプラスミドの安定性の99%、98%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%以下である。こうして、この態様において、非選択的条件下に増殖させるにかかわらず、本発明の第13の面に従う方法にとって、5、10、15、20、25または30世代後に実質的に100%のプラスミドの安定性を表示する第1 細胞を産生することが好ましい。
本発明の第14の面は、また、ポリヌクレオチドをプラスミド中に組込んで修飾されたプラスミドを産生することによって、特に非選択的条件下に、宿主細胞中のプラスミドの安定性を増加させるために、 「必須」 タンパク質 (上に規定した) をコードするポリヌクレオチドの使用を提供し、ここで宿主細胞は修飾されたプラスミドの非存在下に 「必須」 タンパク質を産生することができない。安定性の増加は、非選択的条件下に少なくとも5世代間増殖させたとき、 「必須」 タンパク質を産生するように修飾された同一宿主細胞における非修飾プラスミドの安定性のレベルの少なくとも1% (すなわち、1.01倍) 、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100% (すなわち、2倍) 、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍以上であるか、あるいはそうでないことがある。
本発明の第14の面の1つの態様において、プラスミドはそれ以上の所望の異種タンパク質、例えば、本発明の前の面に関して上に規定したタンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでなるか、あるいはそうでないことがある。その場合において、例えば、このプラスミドを含んでなる宿主細胞を非選択的条件下に増殖させるとき、所望の異種タンパク質の産生性を改良するために、このプラスミドを使用するか、あるいはしないことがある。
1つの好ましい態様において、 「必須」 タンパク質はシャペロンであり、そして宿主細胞におけるプラスミドの安定性を増加させると同時に、所望のタンパク質産物を産生する宿主細胞の能力を増加させるために使用するか、あるいはしないことがある。所望のタンパク質産物は内因的コード化タンパク質であるか、あるいは本発明の前の面における規定された異種タンパク質であるか、あるいはそうでないことがある。タンパク質産物が異種タンパク質である場合、それは宿主細胞の染色体中に組込まれた組換え遺伝子によりコードされるか、あるいは宿主細胞中のプラスミド、例えば、上に規定した 「必須」 タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでなる修飾されたプラスミド上に存在する遺伝子によりコードされるか、あるいはそうでないことがある。
また、1または2以上のシャペロンの発現レベルを制御するプロモーターを修飾することによって、本発明の他の態様に従う組換え的に提供されたシャペロンの作用をモジュレートできることを我々は発見した。驚くべきことには、ある場合において、より短いプロモーターは所望のタンパク質の発現を増加させることを我々は発見した。理論に拘束されないで、その理由は、既に高いレベルで所望のタンパク質を発現する宿主細胞における組換えシャペロンの発現が、細胞に所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をそれら自体過負荷させ、これにより所望のタンパク質の産生をほとんど、あるいはまったく増加させないことにあると我々は考える。それらの場合において、トランケーテッドプロモーターを有する組換えシャペロン遺伝子を提供することは有益であるか、あるいはそうでないことがある。
したがって、本発明の第15の面において、シャペロン (例えば、前述のシャペロン) をコードするコーディング配列に作用可能に接続されているプロモーター配列を含んでなるポリヌクレオチド (例えば、上に規定したプラスミド) を提供し、このポリヌクレオチドは、宿主細胞内ポリヌクレオチド配列の発現により宿主細胞 (例えば、前述の宿主細胞) ににおける所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) 、例えば、前述のタンパク質の発現を増加させるために使用され、ここでこのプロモーターはコーディング配列がその天然に存在するプロモーターに作用可能に接続されている場合において達成されるよりも、変更された、例えば、より高いまたはより低いレベルのシャペロンの発現を達成することを特徴とする。
本発明は、また、第16の面において、下記の工程を含んでなる、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) を製造する方法を提供する: 前述の方法において、シャペロンをコードするコーディング配列に作用可能に接続されたプロモーター配列を含んでなる組換え遺伝子を含んでなる宿主細胞を準備し、ここでこのプロモーターはコーディング配列がその天然に存在するプロモーターに作用可能に接続されている場合に達成されるよりも低いレベルのシャペロンの発現を達成することを特徴とし、そして宿主細胞は所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) をコードする遺伝子、例えば、組換え遺伝子さらに含んでなり; シャペロンおよび所望のタンパク質の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培養し; 必要に応じてこうして発現された所望のタンパク質を培養した細胞または培地から精製し; そしてさらに必要に応じてこうして精製されたタンパク質を凍結乾燥し; そして必要に応じてさらに精製された所望のタンパク質を担体または希釈剤と配合し; そして必要に応じてこうして配合されたタンパク質を単位投与形態で提供する。
この出願の実施例から明らかなように、組換え的に発現されたPDIとトランスフェリンに基づくタンパク質との組合わせは驚くほどに高いレベルのトランスフェリンの発現を提供する。例えば、染色体的にコード化された組換えPDI遺伝子を含む系におけるトランスフェリンの発現は、2倍の増加 (染色体的にコード化された組換えPDI遺伝子が存在しない対照に比較して) を提供した。この増加は、組換えトランスフェリン遺伝子の代わりにヒトアルブミンをコードする組換え遺伝子を含んでなる同等の系よりも5倍大きかった。
宿主は任意の細胞型、例えば、原核細胞 (例えば、細菌細胞、例えば、大腸菌 (E. coli)) または真核細胞であることができる。好ましい真核細胞は、真菌細胞、例えば、酵母細胞、および哺乳動物細胞を包含する。典型的な酵母細胞は前述した通りである。典型的な哺乳動物細胞はヒト細胞を包含する。
前述の宿主細胞を培養して、組換え体トランスフェリンに基づくタンパク質を産生することができる。こうして産生されたトランスフェリンに基づくタンパク質は、例えば、この分野において知られている技術および/または前述の技術を使用して、培養物から単離し、必要に応じて薬学上許容される純度のレベルに精製することができる。精製されたトランスフェリンに基づくタンパク質は薬学上許容される担体または希釈剤と配合し、そして単位投与形態で提供することができる。
次に、下記の非限定的実施例および図面を参照して、本発明をさらに例示する。
図面の簡単な説明
図1は、典型的な2μmプラスミドの地図を示す。
図2は、PDI1が過剰発現した組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) 分泌の増加のロケット免疫電気泳動 (RIE) 決定の結果を示す。冷凍保存した酵母ストックを10 ml BMMD震蘯フラスコ培養において4日間増殖させ、上清を5 μl/ウェルで負荷した。ヤギポリクローナル抗トランスフェリン (ヒト) 抗血清 (Calbiochem) を40 μl/ロケット免疫電気泳動ゲル (50 ml) において使用した。A = 対照菌株 [pSAC35] 、二重反復実験フラスコ; B =対照菌株 [pDB2536] 、二重反復実験フラスコ; C =対照菌株 [pDB2711] 、40倍の水性希釈物に対して純粋; D =対照菌株 [pDB2931] 、二重反復実験フラスコ; E =対照菌株 [pDB2929] 、40倍の水性希釈物に対して純粋。
図3は、PDI1が過剰発現したおよび過剰発現しない組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) 分泌のRIE分析の結果を示す。冷凍保存した酵母ストックを10 ml BMMD震蘯フラスコ培養において4日間増殖させ、上清を5 μl/ウェルで負荷した。各菌株の2つの個々の培養物からの上清から、二重反復実験の負荷を実施した。ヤギポリクローナル抗トランスフェリン (ヒト) 抗血清 (Calbiochem) を40 μl/ロケット免疫電気泳動ゲル (50 ml) において使用した。A = 対照菌株 [pSAC35] ; B =対照菌株 [pDB2536]; C =対照菌株 [pDB2711]; D =対照菌株 [pDB2931]; E =対照菌株 [pDB2929] 。
図4は、PDI1が過剰発現したおよび過剰発現しない組換えトランスフェリン分泌のSDS-PAGE分析の結果を示す。BMMD震蘯フラスコの培養物を4日間増殖させ、そして10 μlの上清を非還元性SDS-PAGE (4〜12% NuPAGE(商標)、MOPS緩衝液、InVitrogen) 上でGelCode(商標)試薬 (Pierce) により分析した。1 = シーブルー・プラス (SeeBlue Plus) 2マーカー (InVitrogen); 2 = pDB2536; 3 = pDB2536; 4 = pDB2711; 5 = pDB2711; 6 = pDB2931; 7 = pDB2931; 8 = pDB2929; 9 = pDB2929; 10 = pSAC35対照。
図5は、PDI1の追加の組込まれたコピーを有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からの組換えトランスフェリン分泌のRIE分析を示す。5日のBMMD震蘯フラスコ培養の上清を5 μl/ウェルで負荷した。菌株は下記を含有した: 1) pSAC35 (陰性対照); 2) pDB2536 (組換え非グルコシル化トランスフェリン (N413Q、N611Q)); または3) pDB2506 (pDB2536と同一であるが、トランスフェリンORFは位置413および611においてN→Qを含まないトランスフェリン、すなわち、組換えグルコシル化トランスフェリンをコードする) 。各ウェルは個々のトランスフェリンに由来する試料を含有した。標準は100、50、20、10、5および2 mg/lにおけるヒト血漿ホロ-トランスフェリン (Calbiochem) であった。
図6は、震蘯フラスコ培養において増殖させた菌株A [pDB2536] および菌株A [pDB2506] からの組換えトランスフェリン分泌のRIE分析を示す。5日のBMMDまたはYEPD震蘯フラスコ培養の上清を二重反復実験において5 μl/ウェルで負荷した。
図7は、震蘯フラスコ培養において増殖させた菌株A [pDB2536] および菌株A [pDB2506] からの組換えトランスフェリン分泌のSDS-PAGE分析を示す。培養物をBMMD中で5日間増殖させ、30 mlの上清をSDS-PAGE (4〜12% NuPAGETM、MOPS緩衝液、InVitrogen) 上で分析し、GeCode青色試薬 (Pierce) で染色した。1) 菌株A [pDB2536] 形質転換体1; 2) 菌株A [pDB2536] 形質転換体2; 3) 菌株A [pSAC35] 対照; 4) 菌株A [pDB2506] 形質転換体1; 5) シーブルー・プラス (SeeBlue Plus) 2タンパク質標準 (概算分子量のみ) 。
図8は、異なるPDI1コピー数を有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株から分泌された組換えトランスフェリンのRIEを示す。3日のBMMD震蘯フラスコ培養の上清を5 ml/ウェルにおいて負荷した。ヤギポリクローナル抗トランスフェリン (ヒト) 抗血清 (Calbiochem) を30 ml/ロケット免疫電気泳動ゲル (50 ml) で使用した。 (A) サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 対照菌株 [pDB2711] または [pDB2712] からの上清; (B) 菌株A [pDB2536] からの上清; (C) 対照菌株 [pDB2536] からの上清。
図9は、異なるPDI1コピー数を有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株から分泌された組換えトランスフェリンのSDS-PAGE分析を示す。30 mlの3日のBMMD震蘯フラスコ培養の上清/レーンを負荷した後、4〜12% NuPAGE還元性ゲルをMOPS緩衝液 (InVitrogen) で展開した; (レーン1) 対照菌株 [pDB2536] からの上清; (レーン2) 菌株A [pDB2536] からの上清; (レーン3〜6) 対照菌株 [pDB2711] または [pDB2712] からの上清; (レーン7) 分子量マーカー (シーブルー・プラス (SeeBlue Plus) 2、InVitrogen参照) 。
図10は、追加のPDI1遺伝子の共発現を含むか、あるいは含まない異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) から分泌された組換えトランスフェリンのRIEを示す。10 mlのYEPD震蘯フラスコに酵母を接種し、30℃において4日間インキュベートした。5 μl/ウェルの培養上清をロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。血漿Tf標準濃度をμg/mlで表す。20 μlのヤギ抗Tf/50 mlのアガロース。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。
図11は、異なる長さのプロモーターを有するPDI1遺伝子と共発現させたときの異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株におけるrHA発現のRIE分析を示す。10 mlのYEPD震蘯フラスコに酵母を接種し、30℃において4日間インキュベートした。4 μl/ウェルの培養上清をロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。rHA標準濃度をμg/mlで表す。400 μlのヤギ抗HA (5 mlの水中に再懸濁させたSigma製品A-1151) /50 mlのアガロース。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。
図12は、異なる長さのプロモーターを有するPDI1遺伝子と共発現させたときの異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株におけるrHA発現のRIE分析を示す。10 mlのYEPD震蘯フラスコに酵母を接種し、30℃において4日間インキュベートした。4 μl/ウェルの培養上清をロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。rHA標準濃度をμg/mlで表す。400 μlのヤギ抗HA (5 mlの水中に再懸濁させたSigma製品A-1151) /50 mlのアガロース。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。
図13は、共発現されたPDI1を含むおよび含まないrHA融合タンパク質のRIE分析を示す。10 mlのBMMD震蘯フラスコにアルブミン融合発現プラスミドで形質転換したYBX7を接種し、30℃において4日間インキュベートした。4 μl/ウェルの培養上清をロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。rHA標準濃度をμg/mlで表す。200 μlのヤギ抗HA (5 mlの水中に再懸濁させたSigma製品A-1151) /50 mlのアガロース。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。
図14は、発現プラスミド上に存在するPDI1を含むおよび含まない組換えアルブミン融合物の分泌のSDS-PAGE分析を示す。10 mlのBMMD震蘯フラスコに酵母を接種し、30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。30 μlの上清を非還元性SDS-PAGEで分析した (4〜12% NuPAGE(商標)、MES緩衝液、InVitrogen) 、GelCode(商標) Blue試薬 (Pierce) を使用した。1 = シーブルー・プラス (SeeBlue Plus) 2マーカー (InVitrogen); 2 = 1 μgのrHA; 3 = アンギオスタチン-rHA; 4 = アンギオスタチン-rHA + PDI1; 5 = エンドスタチン-rHA; 6 = エンドスタチン-rHA + PDI1; 7 = DX-890-(GGS)4GG-rHA; 8 = DX-890-(GGS)4GG-rHA + PDI1; 9 = DPI-14-(GGS)4GG-rHA; 10 = DPI-14-(GGS)4GG-rHA + PDI1; 11 = AxokineTM (CNTFAX15)- (GGS)4GG-rHA (Lambert 他、2001、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98、4652-4657); 15 = AxokineTM (CNTFAX15)- (GGS)4GG-rHA + PDI1。
図15は、2μmに基づくプラスミドからのORM2共発現を含むサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌の増加を証明するRIE分析を示す。4日の震蘯フラスコ培養の上清を5 μl/ウェルで負荷した。標準は25、20、15、10および5mg/lにおけるヒト血漿ホロ-トランスフェリン (Calbiochem) であり、5 μl/ウェルで負荷した。ヤギポリクローナル抗トランスフェリン (ヒト) 抗血清 (Calbiochem) を20 μl/ロケット免疫電気泳動ゲル (50 ml) において使用した。
図16は、2μmに基づくプラスミドからのPSE1共発現を含むサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌の増加を証明するRIE分析を示す。4日の震蘯フラスコ培養の上清を5 μl/ウェルで負荷した。標準は25、20、15、10および5mg/lにおけるヒト血漿ホロ-トランスフェリン (Calbiochem) であり、5 μl/ウェルで負荷した。ヤギポリクローナル抗トランスフェリン (ヒト) 抗血清 (Calbiochem) を20 μl/ロケット免疫電気泳動ゲル (50 ml) において使用した。
図17は、2μmに基づくプラスミドからのSSA1共発現を含むサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌の増加を証明するRIE分析を示す。4日の震蘯フラスコ培養の上清を5 μl/ウェルで負荷した。標準は25、20、15、10および5mg/lにおけるヒト血漿ホロ-トランスフェリン (Calbiochem) であり、5 μl/ウェルで負荷した。ヤギポリクローナル抗トランスフェリン (ヒト) 抗血清 (Calbiochem) を20 μl/ロケット免疫電気泳動ゲル (50 ml) において使用した。
図18は、RIEの結果を示す。1.41 kbのNotI/PstI pdi1::TRP1でトリプトファンプロトトロフィーに形質転換したDXY1 trp1Δ [pDB2976] 、DXY1 trp1Δ [pDB2977] 、DXY1 trp1Δ [pDB2978] 、DXY1 trp1Δ [pDB2979] 、DXY1 trp1Δ [pDB2980] またはDXY1 trp1Δ [pDB2981] を10 mlのYEPD震蘯フラスコに接種した。pdi1::TRP1崩壊性DNAフラグメントをpDB3078から単離した。形質転換体を30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。4 μl/ウェルの培養上清をロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。rHA標準濃度をμg/mlで表す。700 μlのヤギ抗HA (5 mlの水中に再懸濁させたSigma製品A-1151) /50 mlのアガロース。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。
図19は、RIEの結果を示す。DXY1 [pDB2244] 、DXY1 [pDB2976] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2976] 、DXY1 [pDB2978] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2978] 、DXY1 [pDB2980] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2980] 、DXY1 [pDB2977] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2977] 、DXY1 [pDB2979] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2979] 、DXY1 [pDB2981] およびDXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2981] を10 mlのYEPD震蘯フラスコに接種し、そして30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。4 μl/ウェルの培養上清をロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。rHA標準濃度をμg/mlで表す。800 μlのヤギ抗HA (5 mlの水中に再懸濁させたSigma製品A-1151) /50 mlのアガロース。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。それ以上の分析のために選択した単離物を示す (*) 。
図20A〜図20Cは、実施例6に記載する、長いプロモーターを有するSKQ2nおよびS288c遺伝子配列の配列アラインメントを示す。
図21〜図33は、種々のプラスミド地図を示す。
図34は、pDB3175〜pDB3178を含有するDXY1およびDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1からのYEPD震蘯フラスコ培養上清のロケット免疫電気泳動を示す。DXY1 [pAYE316] 、DXY1 [pAYE3175] 、DXY1 [pAYE3176] 、DXY1 [pAYE3177] 、DXY1 [pAYE3178] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3175] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3176] 、DXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3177] およびDXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3178] を10 mlのYEPD震蘯フラスコに接種し、30℃、200 rpmにおいて4日間増殖させた。5 μl/ウェルの培養上清を50 mlのロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。rHA標準濃度は、300、200、150、100および50μg/mlであった。600 μlのヤギ抗HA (5 mlの水中に再懸濁させたSigma製品A-1151) /50 mlのアガロース。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。
図35は、pDB3179〜pDB3182を含有するDXY1およびDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1からのYEPD震蘯フラスコ培養上清のロケット免疫電気泳動を示す。DXY1 [pAYE2931] 、DXY1 [pAYE3179] 、DXY1 [pAYE3180] 、DXY1 [pAYE3181] 、DXY1 [pAYE3182] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3179] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3180] 、DXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3181] およびDXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pAYE3182] を10 mlのYEPD震蘯フラスコに接種し、30℃、200 rpmにおいて4日間増殖させた。5 μl/ウェルの培養上清を50 mlのロケット免疫電気泳動ゲルに負荷した。血漿トランスフェリン標準濃度は、100、50、20、10および5μg/mlであった。40 μlのヤギポリクローナル抗ヒトトランスフェリン抗血清 (Calbiochem) /50 mlのアガロースを使用した。プレシピンをクーマッシーブルーで染色した。
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からの組換えヒトトランスフェリン突然変異体 (N413Q、N611Q) の分泌を例示するために、2つの型の発現カセットを使用した。1つの型は、修飾されたHAS(pre)/MFα1(pro) リーダー配列 (「修飾された融合リーダー」 配列と命名する) を使用する。発現カセットの第2 型は、修飾されたHAS(pre) リーダー配列のみを使用する。
「修飾された融合リーダー」 配列の24アミノ酸配列は、MKWVFIVSILFLFSSAYSRSLDKRである。
修飾されたHAS(pre) リーダー配列の18アミノ酸配列は、MKWVFIVSILFLFSSAYSである。
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) PDI遺伝子、PDI1の追加のコピーを含むおよび含まない2μm発現ベクターを使用して、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) において、これらの2つのカセットを使用するトランスフェリン (N413Q、N611Q) の発現を研究した。
実施例1発現プラスミドの構築
プラスミドpDB2515、pDB2529、pDB2536、pDB2688、pDB2690、pDB2711、pDB2921、pDB2928、pDB2929、pDB2930、pDB2931、pDB2932およびpDB2690を、WO 2005/061718の実施例1 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されているようにして構築した。
実施例2トランスフェリンの発現
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 対照菌株をすべてのトランスフェリン (N413Q、N611Q) 発現プラスミドでロイシンプロトトロフィーに形質転換し、そして冷凍保存したストックを調製した。
菌株を200 rpmで震蘯する50 mlのコニカルフラスコ内の10 mlのBMMD培養中で30℃において4日間培養した。培養上清中に分泌された組換えトランスフェリンの力価を下記により比較した: ロケット免疫電気泳動 (下記の文献に記載されているRIE、Weeke B.、1976、“Rocket immunoelectrophoresis” In N. H. Azelsen、J. KrollおよびB. Weeke [編者] 、A manual of quantitative immunoelectrophoresis, Methods and applications. Universitetsforlaget, Oslo, Norway) 、逆相高性能液体クロマトグラフィー (RP-HPLC) (表1) および非還元性SDSポリアクリルアミド電気泳動、コロイド状クーマッシーブルー染色による染色 (SDS-PAGE) 。サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) PDI1が過剰発現されるとき分泌される組換えトランスフェリンの増加は、10倍より大きいと推定された。
RP-HPLC分析 (WO 2005/061718の実施例2 に記載されている方法を使用する、その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) により、トランスフェリン分泌の増加は修飾された融合リーダー配列について18倍であり、そして修飾されたHAS-preリーダー配列について15倍であると決定された (表1) 。
図4は、追加のPDI1を含むおよび含まないサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株により分泌された組換えトランスフェリンのSDS-PAGE比較を示す。
Figure 0005631533
RIE分析において、 PDI1の追加のコピーの存在下のトランスフェリン分泌の増加はほぼ15倍であることが示された (第2図) 。RIE分析により、増加は修飾された融合リーダー配列についてよりも修飾されたHAS-preリーダー配列についてわずかにより大きいように見えた (図3) 。
実施例3PDIの染色体の過剰発現
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株Aを選択して、プラスミドpDB2506からの組換えグルコシル化トランスフェリンおよびプラスミドpDB2536からの組換え非グルコシル化トランスフェリン (N413Q、N611Q) の発現を研究した。菌株Aは下記の特徴を有する:
・追加の染色体的に組込まれたPDI1遺伝子が宿主PDI1染色体位置に組込まれていた;
・URA3遺伝子とアンピシリン耐性遺伝子を含有する細菌DNA配列とが、また、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) ゲノム中に上記遺伝子の挿入部位に組込まれていた。
対照菌株は上記挿入をもたなかった。
対照菌株 [cir0] および菌株A [cir0] を、pDB2506 (組換えトランスフェリン) 、pDB2536 (組換え非グルコシル化トランスフェリン (N413Q、N611Q)) またはpSAC35 (対照) でロイシンプロトトロフィーに形質転換した。形質転換体をBMMD寒天上で選択した。
BMMD震蘯フラスコ培養中のトランスフェリン分泌の相対レベルを、ロケット免疫電気泳動 (RIE) により各菌株/プラスミドの組合わせについて決定した。第5図は、両方の菌株がグルコシル化組換えトランスフェリンおよび非グルコシル化組換えトランスフェリンの両方を培養上清中に分泌したことを示す。
それぞれ菌株A [pDB2506] および菌株A [pDB2536] からの分泌されたグルコシル化組換えトランスフェリンおよび非グルコシル化組換えトランスフェリンの両方のレベルは、対照菌株から分泌されたレベルよりも高いように見えた。
それゆえ、少なくとも震蘯フラスコ培養において、菌株AのPDI1遺伝子座において宿主ゲノム中に組込まれたPDI1は増強されたトランスフェリン分泌を有する。
さらに、対照菌株 [pDB2536] および菌株A [pDB2536] の間において観測されたトランスフェリン分泌の増加は、RIEにより少なくとも100%であるように見えた。対照的に、対照菌株 [pDB2536] および菌株A [pDB2536] の間におけるrHAモノマー分泌の増加は、ほぼ20%であった (データは示されてない) 。したがって、菌株AにおけるPDI1の追加のコピーのためのトランスフェリン分泌の増加は、17のジサルファイド結合をもつrHAに比較して、トランスフェリンが19のジサルファイド結合を有することを考慮すると、驚くほど大きい。PDI1遺伝子の追加のコピーは、トランスフェリンファミリーからのタンパク質およびそれらの誘導体のサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からの分泌のために特に有益であることがある。
菌株A [pDB2506] および菌株A [pDB2536] から分泌されたトランスフェリンのレベルを、BMMDおよびYEPDにおいて増殖した形質転換体についてRIEにより比較した (第6図) 。結果により、BMMD (2〜5 mg/lの血清トランスフェリン当量) に比較してYEPD (10〜20 mg/lの血清トランスフェリン当量) 中の増殖により、非グルコシル化組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) およびグルコシル化組換えトランスフェリンの両方の力価の2倍より大きい増加が達成されたことが示された。YEPDにおいて観測されたグルコシル化および非グルコシル化トランスフェリンの両方の力価の増加が示唆するように、両方のトランスフェリン発現プラスミドは非選択的増殖条件下に十分に安定であり、YEPD中の増殖から通常生ずる、期待される増加したバイオマスがグルコシル化および非グルコシル化トランスフェリン産生の増加に転換されることを可能とした。
BMMD震蘯フラスコ培養において増殖した菌株A [pDB2536] からの分泌された非グルコシル化トランスフェリン (N413Q、N611Q) および菌株A [pDB2506] から分泌されたグルコシル化トランスフェリンのSDS-PAGE分析を、第7図に示す。菌株A [pDB2536] の試料は、菌株A [pSAC35] 対照に比較して、追加のタンパク質バンドを明瞭に示した。この余分のバンドは、対照菌株 [pSAC35] から分泌された組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) について期待された位置に移動した。菌株A [pDB2536] の培養上清は、トランスフェリンについて期待された位置に拡散タンパク質バンドを含有するように見えた。これが示唆するように、分泌された組換えトランスフェリンは、多分Asp413および/またはAsp611における超マンノシル化のために、異種であった。
実施例4pDB2711を含有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 対照菌株からのトランスフェリン分泌とサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株Aからのトランスフェリン分泌との比較
プラスミドpDB2711は上に記載した通りである。また、プラスミドpDB2712 (WO 2005/061718の第22図) をpDB2711に対して反対方向にNotIカセットを使用して産生した。
対照菌株サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) [cir0] を、pDB2711およびpDB2712でロイシンプロトトロフィーに形質転換した。形質転換体をBMMD寒天上で選択し、そして対照菌株 [pDB2711] の冷凍保存したトレハロースを調製した。
対照菌株 [pDB2711] 、対照菌株 [pDB2712] 、菌株A [pDB2536] 、対照菌株 [pDB2536] および選択的対照菌株 [pDB2536] による組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) の分泌を、両方のBMMDおよびYEPD震蘯フラスコ培養において比較した。RIEにおいて、PDI1の2つの染色体コピーを有する菌株A [pDB2536] およびPDI1遺伝子の単一の染色体コピーを有する対照菌株 [pDB2536] に比較して、多数のエピソームPDI1コピーを有する対照菌株 [pDB2711] から、組換えトランスフェリン分泌の有意な増加が達成されることが示された (第8図) 。対照菌株 [pDB2711] および対照菌株 [pDB2712] は、培地の中に同様なレベルのrTf (N413Q、N611Q) を分泌するように見えた。
BMMDおよびYEPDの両方の培地における対照菌株 [pDB2711] および対照菌株 [pDB2712] 形質転換体において、分泌レベルは比較的一定であり、非選択的条件下においてさえ高いレベルのトランスフェリン分泌のためにプラスミドの安定性は十分であることが示唆された。これは組換えPDGF-BBおよびHSAに関する以前に発表されたデータと対照的であり、ここでマルチコピー2μmプラスミド中へのPDI1の導入は宿主に対して有害であることが示された。
Figure 0005631533
BMMD震蘯フラスコ培養における対照菌株 [pDB2711] 、対照菌株 [pDB2712] 、菌株A [pDB2536] 、対照菌株 [pDB2536] および選択的対照菌株 [pDB2536] から分泌されたトランスフェリンの還元性SDS-PAGE分析を第9図に示す。これは、トランスフェリン (N413Q、N611Q) について期待される位置における照菌株 [pDB2711] および対照菌株 [pDB2712] からのすべての試料における豊富なタンパク質バンドを示す。異なる菌株からのトランスフェリン (N413Q、N611Q) バンドの相対菌株強度により、菌株A [pDB2536] は対照菌株 [pDB2536] および選択的対照菌株 [pDB2536] より多く産生するが、対照菌株 [pDB2711] および対照菌株 [pDB2712] からの分泌のなおより大きい劇的な増加が存在することが示唆された。
観測された組換えトランスフェリン分泌の増加は、これらの菌株におけるPDI1遺伝子の増加に付随した。これが示唆するように、Pdi1pレベルは対照菌株、菌株Aおよび選択的対照菌株におけるトランスフェリン分泌を制限し、そしてPDI1コピー数の増加はトランスフェリン分泌おの増加の原因となった。PDI1コピー数の増加はPDI1の定常状態の発現レベルを増加させるので、Pdi1p活性の量を増加させる。PDI1遺伝子のコピー数を増加させないで、これを達成できる多数の別の方法が存在し、例えば、転写速度を増加することによって、例えば、 より高い効率のプロモーターを使用するか、あるいはPDI1 mRNAのクリアランス速度を減少することによって、定常状態のPDI1 mRNAのレベルを増加できるであろう。選択的に、タンパク質の操作を使用してPdi1pタンパク質の比活性または代謝回転数を増強することができる。
高い細胞密度の発酵において、照菌株 [pDB2711] の組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) 産生をGP-HPLC分析およびSDS-PAGE分析の両方によりほぼ3 g/lにおいて測定した (表2) 。この産生レベルは対照菌株、選択的対照菌株およびpDB2536を含有する菌株Aよりも数倍高い。さらに、ヒトにおける治療的使用のためのタンパク質を製造するために、発現系、例えば、対照菌株 [pDB2711] は、細菌のDNA配列を含有しないので、菌株Aの使用を超えた利点を有する。
結論
酵母ゲノム中に組込まれたPDI1遺伝子の追加のコピーを含有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株中で、マルチコピー発現プラスミド (pDB2536) からの組換えトランスフェリンの分泌を研究した。また、マルチコピー発現プラスミドで形質転換したサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) においてトランスフェリン分泌を研究し、ここでPDI1遺伝子をマルチコピーエピソームのトランスフェリン発現プラスミド (pDB2711) 中に挿入した。
内因的PDI1遺伝子座においてゲノム中に組込まれたPDI1遺伝子の追加のコピーを有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株は、PDI1の単一コピーを含有する菌株に比較して、増強されたレベルで組換えトランスフェリンおよび非グルコシル化トランスフェリン (N413Q、N611Q) を分泌した。pDB2711を使用することによって、PDI1コピー数のそれ以上の増加が達成された。pDB2711で形質転換された菌株の高い細胞密度の発酵において、SDS-PAGEおよびGP-HPLC分析により測定して、組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) はほぼ3 g/lで分泌された。したがって、PDI1遺伝子コピー数の増加は、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) から分泌される組換えトランスフェリンの量を大きく増加させた。
下記の結論を引き出せる:
1. pDB2536 (非グルコシル化トランスフェリン (N413Q、N611Q)) およびpDB2506 (グルコシル化トランスフェリン) からの組換えトランスフェリンの発現の震蘯フラスコ分析において、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株Aは対照菌株よりも高いレベルで両方の組換えトランスフェリンを培養上清の中に分泌した。これはPDI1遺伝子座に組込まれたPDI1の余分のコピーに起因した。
2. マルチコピー発現プラスミド上にPDI1遺伝子を含有する対照菌株 [pDB2711] は、震蘯フラスコ培養および高い細胞密度の発酵の両方において、菌株A [pDB2536] に比較して組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) 分泌を数倍増加させた。
3. 酵母、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) におけるPDI1コピー数の増大は、所望のタンパク質 (例えば、所望の異種タンパク質) 、例えば、トランスフェリンファミリーからのタンパク質の産生において有利であろう。
4. PDI1遺伝子の追加のコピーを含有するpSAC35に基づくプラスミドは、トランスフェリンファミリーからのタンパク質、それらの誘導体、例えば、融合物、突然変異体、ドメインおよびトランケーテッド形態の産生において有利であろう。
実施例52μm様プラスミド中へのPDI1遺伝子の挿入は種々の異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株からの組換えトランスフェリンの分泌を増加させた
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株JRY188 cir- (National Collection of Yeast Cultures) およびMT302/28B cir+ (Finnis 他、1993、Eur. J. Biochem. 212、201-210) を、下記の文献に記載されているように、Yep351-GAL-FLP1からのFLPのガラクトース誘導過剰発現により、キュアリングして自然2μmプラスミドを除去して、それぞれサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株JRY188 cir0およびMT302/28B cir0をつくった: RoseおよびBroach、1990、Meth. Enzymol. 185、234-279。
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株JRY188 cir0、MT302/28B cir0、S150-2B cir0 (Zealey 他、1988、Molec. Gen. Genet. 211、155-159) のすべてを、pDB2931 (WO 2005/061718の第14図) およびpDB2929 (WO 2005/061718の第12図) でロイシンプロトトロフィーに形質転換した。形質転換体をロイシンを欠如する適当に補充した最少培地上で選択した。各菌株の形質転換体を50 mlの震蘯フラスコ内の10 mlのYEPDの中に接種し、軌道震蘯器中で30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。培養上清を収集し、組換えトランスフェリン力価をロケット免疫電気泳動により比較した (第10図) 。これらの結果が例示するように、すべての酵母菌株からの上清中のトランスフェリン力価は、PDI1が2μmプラスミド (pDB2929) 上に存在するとき、それが存在しないとき (pDB2931) よりも高かった。
実施例6同一2μm様プラスミド上に種々の異種タンパク質のための種々のPDI1遺伝子および発現カセットを含有する発現ベクターの構築
PCR増幅およびYIplac211中へのPDI1遺伝子のクローニング
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) S288cおよびサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) SKQ2nからのPDI1遺伝子をPCRにより増幅して、プロモーター配列を含有する異なる長さの5’-非翻訳領域をもつフラグメントをつくった。YIplac211のEcoRIおよびBamHI部位の中へのPCR生成物のクローニングを可能とするように、PCRプライマーを設計した (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) 。また、追加の制限エンドヌクレアーゼ部位をPCRプライマー中に組込んで引き続くクローニングを促進した。表3は構築されたプラスミドを記載し、そして表4はPDI1遺伝子の増幅に使用したPCRプライマーを記載する。これらのYIplac211に基づくプラスミド内のPDI1プロモーターにおける差を表3に記載する。
pDB2939 (WO 2005/061718の第27図) を次のようにして製造した。オリゴヌクレオチドプライマーDS248およびDS250 (表5) を使用してサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) S288cゲノムDNAからのPDI1遺伝子をPCR増幅し、次いでPCR生成物をEcoRIおよびBamHIで消化し、そしてEcoRIおよびBamHIで切断したYIplac211 (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) 中にほぼ1.98 kbのフラグメントをクローニングした。pDB2939のDNA配列決定により、DS248配列内からのミッシング 「G」 が同定され、これを表4においてボールドフェースでマークする。PDI1遺伝子の配列決定に使用したオリゴヌクレオチドプライマーを表5に列挙し、そして発表されたS288c PDI1遺伝子配列から設計した (座標50221〜48653からの染色体III上のPDI1/YCL043C + 1000塩基対の上流配列および1000塩基対の下流の配列 (http://www.yeastgenome.org/ Genebank Accession number NC001135))。
Figure 0005631533
Figure 0005631533
Figure 0005631533
表3および表4に記載されているPCRプライマーを使用し、そしてそれぞれほぼ1.90 bpおよび1.85 bpのEcoRI-BamHIフラグメントをYIplac211中にクローニングすることによって、プラスミドpDB2941 (WO 2005/061718の第28図) およびpDB2942 (WO 2005/061718の第29図) を同様に構築した。正しいDNA配列は、pDB2941およびpDB2942中のPDI1遺伝子について確認された。
pMA3a:C7 (US 6,291,205) (またクローンC7として知られている) からのPDI1遺伝子を含有するプラスミドDNAから、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) SKQ2n PDI1遺伝子配列をPCR増幅した (CrouzetおよびTuite、1987、前掲; Farquhar 他、1991、前掲) 。オリゴヌクレオチドプライマーDS248およびDS250 (表3および表4) を使用して、SKQ2n PDI1遺伝子を増幅した。ほぼ2.01 kbのPCR生成物をEcoRIおよびBamHIで消化し、そしてEcoRIおよびBamHIで切断したYIplac211 (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) の中にほぼ1.98 kbのフラグメントを結合して、プラスミドpDB2943 (WO 2005/061718の第30図) を生成した。
SKQ2n PDI1配列の5’ 末端は、EcoRI、SacI、SnaBI、PacI、FseI、SftIおよびSmaI部位を含むように延長された平滑末端のSpeI部位に類似し、3’ 末端はSmaI、SnaBIおよびBamHIを含むように延長された平滑末端のBsu361部位に類似した。PDI1プロモーターの長さはほぼ210 bpである。表5に記載するオリゴヌクレオチドプライマーを使用してPDI1フラグメントについて、全DNA配列を決定した。これにより、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株SKQ2n (NCBI受け入れ番号CAA38402) PDIタンパク質のコーディング配列であるが、位置114にセリン残基 (以前に発表されたアルギニン残基ではない) をもつコーディング配列の存在が確認された。同様に、pDB2939中のサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) S288c配列におけるのと同一方法において、pDB2943は、また、DS248配列内からのミッシング 「G」 を有し、これを表4においてボールドフェースでマークする。
同様に、表3および表4に記載されているPCRプライマーを使用し、それぞれほぼ1.94 kbおよび1.87 kbのEcoRI-BamHIフラグメントをYIplac211中にクローニングすることによって、プラスミドpDB2963 (WO 2005/061718の第31図) およびpDB2945 (WO 2005/061718の第32図) を構築した。期待したDNA配列はpDB2963およびpDB2945中のPDI1遺伝子について確認され、セリンコドンはアミノ酸114の位置に存在する。
異なるPDI1遺伝子がREP2の後のXcmI部位に挿入されているpSAC35に基づくrHA発現プラスミドの構築
rHAを異なるPDI1遺伝子と共発現させるために、pSAC35に基づくプラスミドを構築した (表6) 。
Figure 0005631533
pDB2243 (WO 2005/061718の第3図、WO 00/44772に記載されている) からのrHA発現カセットをまず2,992 bpのNotIフラグメント上で単離し、引き続いてこれをpDB2688 (WO 2005/061718の第4図) のNotI部位中にクローニングしてpDB2693 (WO 2005/061718の第34図) を生成した。pDB2693をSnaBIで消化し、仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで処理し、そしてpDB2943、pDB2963、pDB2945、pDB2939、pDB2941およびpDB2942からのPDI1遺伝子を含有するSnaBIと結合した。これにより、プラスミドpDB2976〜pDB2987 (WO 2005/061718の第35図〜第46図) が生成した。REP2と同じ向きに転写されたPDI1を 「向きA」 と表示するが、REP2に対して反対の向きに転写されたPDI1を 「向きB」 と表示する (表6) 。
異なるPDI1遺伝子がREP2の後のXcmI部位に挿入されているpSAC35に基づくトランスフェリン発現プラスミドの構築
組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) を異なるPDI1遺伝子と共発現させるために、pSAC35に基づくプラスミドを構築した (表7) 。
Figure 0005631533
これを達成するために、rHA発現のためのNotI発現カセットをまずNotI消化およびベクター主鎖の環状化によりpDB2976、pDB2978およびpDB2980から欠失させた。これにより、表7に記載されているプラスミドpDB3081 (WO 2005/061718の第47図) 、pDB3083 (WO 2005/061718の第48図) およびpDB3084 (WO 2005/061718の第49図) が産生された。
Figure 0005631533
トランスフェリン遺伝子からの転写がLEU2と同一方向にあるように、pDB2928 (WO 2005/061718の第11図) からの3,256 bpのフラグメントをpDB3081、pDB3083およびpDB3084のNotI部位中にクローニングした。これにより、表7に記載されているプラスミドpDB3085 (WO 2005/061718の第50図) 、pDB3086 (WO 2005/061718の第51図) およびpDB3087 (WO 2005/061718の第52図) が産生された。
実施例72μm様プラスミド中のPDI1遺伝子の挿入および最適化は種々の異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株による組換えヒト血清アルブミンの分泌を増加させた
サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株JRY188 cir0、MT302/28B cir0、S150-2B cir0、CB11-63 cir0 (すべては前述した) 、AH22 cir0 (Mead 他、1986、Molec. Gen. Genet. 205、417-421) およびDS569 cir0 (Sleep 他、1991、Bio/Techniques 9、183-187) を、変更された酢酸リチウム法 (Sigma yeast transformation kit、YEAST-1、protocol 2; (Ito 他、1983、J. Bacteriol. 153、163; Eible、1982、Biotechniques 13、18)) により、pDB2244、pDB2976 (WO 2005/061718の第35図) 、pDB2978 (WO 2005/061718の第37図) またはpDB2980 (WO 2005/061718の第37図) でロイシンプロトトロフィーに形質転換した。適当な補助物質を含むBMMD寒天平板上で形質転換体を選択し、引き続いて補助物質を含むBMMD寒天平板上でパッチング (patch out) した。
各菌株の形質転換体を50 mlの震蘯フラスコ内の10 mlのYEPDに接種し、軌道震蘯器中で30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。培養上清を収集し、組換えアルブミン力価をロケット免疫電気泳動による比較した (第11図および第12図) 。これらの結果が示すように、すべての酵母菌株からの培養上清中のアルブミン力価は、PDIが存在しないとき (pDB2244) よりもPDIが存在するとき、より高かかった。プラスミド上にPDIが存在しない培養上清中でアルブミン力価は酵母菌株を発現宿主として選択することに依存するが、試験したほとんどの例において、長いプロモーター (約210 bp) を有するPDIが2μmプラスミド中に存在するとき (pDB2976) 、発現の最大増加が観測された。例えば、調節部位を欠失するために、短縮によりPDIプロモーターを修飾することは改良の調節に影響を与えた。1つの酵母菌株 (高いrHA産生性菌株 (DS569) として知られている) について、より短いプロモーターは最適な発現のために好ましかった。
実施例82μmに基づくプラスミド上のPDIは組換えアルブミン融合物の分泌を増強した
組換えアルブミン融合物の発現に対する長いプロモーター (約210 bp) とのサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) SKQ2n PDI遺伝子の共発現の影響を研究した。
下記表9において規定するプラスミドを、WO 2005/061718の実施例9 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載するように発生させた。
Figure 0005631533
変更された酢酸リチウム法 (Sigma yeast transformation kit、YEAST-1、protocol 2; (Ito 他、1983、J. Bacteriol. 153、163; Eible、1982、Biotechniques 13、18)) により、前の実施例において使用したのと同一の対照酵母菌株をロイシンプロトトロフィーに形質転換した。形質転換体をBMMD寒天平板上で選択し、引き続いてBMMD寒天平板上でパッチングした。冷凍保存したトレハロースストックを10 mlのBMMD震蘯フラスコ培養 (24時間、30℃、200 rpm) から調製した。
各菌株の形質転換体を50 mlの震蘯フラスコ内の10 mlのYEPDに接種し、軌道震蘯器中で30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。培養上清を収集し、組換えアルブミン力価をロケット免疫電気泳動による比較した (第13図) 。これらの結果が示すように、酵母菌株からの培養上清中のアルブミン力価は、PDIが存在しないときよりもPDIが存在するとき、より高かかった。
ロケット免疫電気泳動により検出されたアルブミン融合物の発現の増加を、SDS-PAGE分析によりさらに研究した。種々のアルブミン融合物を発現するYBX7のBMMD震蘯フラスコ培養を、軌道震蘯器中で30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。培養上清の試料をSDS-PAGEにより分析した (第14図) 。研究するアルブミン融合物について期待されるサイズのタンパク質バンドが多量に増加することが観察された。
実施例92μmに基づくプラスミド上のサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) ORM2および組換えトランスフェリンの共発現
2μmに基づくプラスミドからトランスフェリンおよびORM2遺伝子が共発現されるときにおける、トランスフェリン分泌に対する作用を研究するために、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) の対照菌株および菌株A (実施例3に記載するような) を選択した。プラスミドpDB3090、pDB3092およびpDB3093 (rTf (N413Q、N611Q) およびORM2のための発現カセットを含有する) ならびに対照プラスミドpDB2931 (ORM2をもたないrTf (N413Q、N611Q) 発現カセットを含有する) により、対照菌株および菌株Aをロイシンプロトトロフィーに形質転換した。これらのプラスミドの構築はWO 2005/061718の実施例10 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されている。形質転換体をBMMD寒天上で選択し、そして引き続く分析のためにBMMD寒天上でパッチングした。
トランスフェリン分泌に対するORM2の共発現の作用を研究するために、ORM2/トランスフェリン共発現プラスミドを含有する菌株を、10 mlの選択 (BMMD) および非選択 (YEPD) 液体培地に接種した。次いで震蘯フラスコ培養を30℃において震蘯 (200 rpm) させながら4日間インキュベートした。トランスフェリン分泌の相対レベルをロケットゲル免疫電気泳動 (RIE) により決定した (第15図) 。
対照菌株 [pDB3090] および対照菌株 [pDB3092] から分泌されたトランスフェリンのレベルは、両方のBMMDおよびYEPS培地において対照菌株 [pDB2931] からのレベルより大きかった。すべての菌株A形質転換体からのトランスフェリン分泌は、同一培地中で増殖させた対照菌株の形質転換体より高かかった。菌株Aはゲノム中に追加のPDIコピーを含有し、このコピーはトランスフェリン分泌を増強した。したがって、菌株Aにおいて、ORM2およびPDIの発現の増加は、トランスフェリン分泌に対して累積効果を有した。
実施例102μmに基づくプラスミド上のサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) PSE1および組換えトランスフェリンの共発現
プラスミドpDB3097およびpDB3098 (rTf (N413Q、N611Q) およびPSE1のための発現カセットを含有する) ならびに対照プラスミドpDB2931 (PSE1をもたないrTf (N413Q、N611Q) 発現カセットを含有する) により、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 対照菌株をロイシンプロトトロフィーに形質転換した。これらのプラスミドの構築はWO 2005/061718の実施例11 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されている。形質転換体をBMMD寒天上で選択し、そして引き続く分析のためにBMMD寒天上でパッチングした。
トランスフェリン分泌に対するPSE1の共発現の作用を研究するために、10 mlの選択 (BMMD) 液体培地を含有するフラスコにPSE1/トランスフェリン共発現プラスミドを含有する菌株を接種した。次いで震蘯フラスコ培養を30℃において震蘯 (200 rpm) させながら4日間インキュベートした。トランスフェリン分泌の相対レベルをロケットゲル免疫電気泳動 (RIE) により決定した (第16図) 。
対照菌株 [pDB3097] および対照菌株 [pDB3098] から分泌されたトランスフェリンのレベルは、BMMD培地において対照菌株 [pDB2931] からのレベルより大きかった。したがって、2μmに基づくプラスミドからのPSE1の発現はサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌を増強した。トランスフェリン分泌は、pDB3097およびpDB3098中のREP2遺伝子に関して両方向に転写されたPSE1遺伝子で改良された。
実施例112μmに基づくプラスミド上のサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) SSA1および組換えトランスフェリンの共発現
プラスミドpDB3094およびpDB3095 (rTf (N413Q、N611Q) およびSSA1のための発現カセットを含有する) ならびに対照プラスミドpDB2931 (SSA1をもたないrTf (N413Q、N611Q) 発現カセットを含有する) により、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 対照菌株をロイシンプロトトロフィーに形質転換した。これらのプラスミドの構築はWO 2005/061718の実施例12 (その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) に記載されている。形質転換体をBMMD寒天上で選択し、そして引き続く分析のためにBMMD寒天上でパッチングした。
トランスフェリン分泌に対するSSA1の共発現の作用を研究するために、10 mlの選択 (BMMD) 液体培地を含有するフラスコにSSA1/トランスフェリン共発現プラスミドを含有する菌株を接種した。震蘯フラスコ培養を30℃において震蘯 (200 rpm) させながら4日間インキュベートした。トランスフェリン分泌の相対レベルをロケットゲル免疫電気泳動 (RIE) により決定した (第17図) 。
対照菌株 [pDB3095]から分泌されたトランスフェリンのレベルは、BMMD培地において対照菌株 [pDB2931] および対照菌株 [pDB3094] からのレベルより大きかった。したがって、2μmに基づくプラスミドからのSSA1の発現はサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌を増強した。トランスフェリン分泌は、pDB3094中のREP2遺伝子に関して反対方向に転写されたSSA1遺伝子で改良された。
実施例122μmに基づくプラスミド上のPDI1遺伝子と組合わせた、PDI1遺伝子の崩壊は組換えアルブミンの分泌およびプラスミドの安定性を増強した
酵母PDI1コーディング領域より上流の領域および酵母PDI1コーディング領域より下流の他の領域を増幅するために、表10に列挙されている一本鎖オリゴヌクレオチドDNAプライマーを設計した。
Figure 0005631533
テンプレートとしてゲノムDNA由来S288cを使用して、プライマーDS299およびDS300はPCRによりPDI1の5’ 領を増幅したが、プライマーDS301およびDS302はPCRによりPDI1の3’ 領域を増幅した。PCR条件は次の通りであった: 1 μlのS288cテンプレートDNA (0.01 ng/μl、0.1 ng/μl、1 ng/μl、10 ng/μlおよび100 ng/μlにおいて) 、5 μlの10×緩衝液 (Fast Start Taq + Mg (Roche)) 、1 μlの10 mM 各dNTP、5 μlの各プライマー (2 μM) 、0.4 μlの高速開始 (Fast Start) Taq、H2Oで50 μlとした。パーキン・エルマー (Perkin Elmer) サーマルサイクラー9700を使用して、各PCRを実施した。条件は次の通りであった: 変性、95℃において4分間 [HOLD] 、次いで [CYCLE] 変性、95℃において30秒間、アニール、45℃において30秒間、延長、72℃において45秒間、20サイクル、次いで [HOLD] 72℃、10分間および次いで [HOLD] 4℃。0.22 kbpのPDI1 5’ PCR生成物をNotIおよびHindIIIで切断したが、0.34 kbpのPDI1 3’ PCR生成物をHindIIIおよびPstIで切断した。
プラスミドpMCS5 (Hoheisel、1994、Biotechniques 17、456-460) (WO 2005/061718の第85図) をHindIIIで完全に消化し、T4 DNAポリメラーゼ + 各dNTPで平滑末端とし、再結合してpDB2964 (WO 2005/061718の第86図) をつくった。
プラスミドpDB2964をHindIIIで消化し、仔ウシ腸ホスファターゼで処理し、NotIおよびHindIIIで消化した0.22 kbpのPDI1 5’ PCR生成物およびHindIIIおよびPstIで切断した0.34 kbpのPDI1 3’ PCR生成物と結合してpDB3069 (WO 2005/061718の第87図) をつくり、これを前方向および逆方向万能プライマーおよびDNA配列決定プライマーDS303、DS304、DS305およびDS306 (表11) を使用して配列決定した。
プライマーDS234およびDS235 (表12) を使用してYIplac204 (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) からの修飾されたTRP1マーカー遺伝子を増幅し、PCR生成物の両方の末端にHindIII制限部位を取込んだ。PCR条件は次の通りであった: 1 μlのテンプレートYIplac204 (0.01 ng/μl、0.1 ng/μl、1 ng/μl、10 ng/μlおよび100 ng/μlにおいて) 、5 μlの10×緩衝液 (Fast Start Taq + Mg (Roche)) 、1 μlの10 mM 各dNTP、5 μlの各プライマー (2 μM) 、0.4 μlの高速開始 (Fast Start) Taq、H2Oで50 μlとした。
パーキン・エルマー (Perkin Elmer) サーマルサイクラー9700を使用して、各PCRを実施した。条件は次の通りであった: 変性、95℃において4分間 [HOLD] 、次いで [CYCLE] 変性、95℃において30秒間、アニール、45℃において30秒間、延長、72℃において45秒間、20サイクル、次いで [HOLD] 72℃、10分間および次いで [HOLD] 4℃。0.86 kbpのPCR生成物をHindIIIで切断し、pMCS5のHindIII部位中にクローニングしてpDB2778 (WO 2005/061718の第88図) をつくった。制限酵素を使用する消化および万能前方向および逆方向プライマーならびにDS236、DS237、DS238およびDS239 (表11) を使用する配列決定により、修飾されたTRP1遺伝子の配列が正しいことが確認された。
Figure 0005631533
HindIIIを使用する消化によりpDB2778から0.86 kbpのTRP1遺伝子を単離し、そしてpDB3069のHindIII部位中にクローニングしてpDB3078 (WO 2005/061718の第8図) およびpDB3079 (WO 2005/061718の第90図) をつくった。pDB3078またはpDB3079からNotI/PstIで消化することによって、1.41 kbpのpdi1::TRP1崩壊性DNAフラグメントを単離した。
いったんtrp1Δがつくられたとき、TRP1マーカー遺伝子 (pDB2778) に対する相同性がゲノム中に残留せず、こうして構築物を含有する将来のTRP1とTRP1遺伝子座との間の相同的組換えを防止する方法で、TRP1欠失 (trp1Δ) を取込んだ酵母菌株を構築した。選択した宿主菌株のゲノムから自然TRP1配列の完全な除去を達成するために、組込み性ベクターYIplac204 (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) 上に存在するTRP1マーカー遺伝子の外側のTRP1遺伝子の5’ UTRおよび3’ UTRの領域を増幅するように、オリゴヌクレオチドを設計した。内部のHindIII、PstIおよびXbaI部位が位置指定突然変異誘発により除去されていることにおいて、YIplac204 TRP1マーカー遺伝子は自然/染色体TRP1遺伝子と異なる (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) 。
PDI1遺伝子およびわずかに102 bpのTRP1プロモーターを含有する、1.453 kbpの平滑末端ゲノムフラグメントEcoRIフラグメントから、YIplac204修飾TRP1マーカー遺伝子を構築した (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) 。これは比較的短いプロモーター配列であるが、trp1栄養要求性突然変異体を補足するために明らかに十分であった (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) 。TRP1 ORFの開始に対して102 bp 5’ に位置する、EcoRI部位より上流のDNA配列のみを使用して、5’ UTRをつくった。3’ UTRが翻訳停止コドンより85 bp下流に存在するように選択した機能的修飾TRP1マーカーの3’ 末端の外側に存在するかぎり、3’ UTRの選択は重大ではなかった。
後のクローニング工程において使用すべきPCR生成物の末端に制限酵素部位がPCR増幅間に負荷されるように、TRP1遺伝子の5’ UTRおよび3’ UTR領域を増幅するために、一本鎖オリゴヌクレオチドDNAプライマーを設計しかつ構築した。テンプレートとしてS288cゲノムDNAを使用して、プライマーDS230およびDS231 (表12) はPCRによりTRP1の5’ 領域を増幅したが、プライマーDS232およびDS233 (表12) はPCRによりTRP1の3’ 領域を増幅した。
PCR条件は次の通りであった: 1 μlのS288cテンプレートDNA (0.01 ng/μl、0.1 ng/μl、1 ng/μl、10 ng/μlおよび100 ng/μlにおいて) 、5 μlの10×緩衝液 (Fast Start Taq + Mg (Roche)) 、1 μlの10 mM 各dNTP、5 μlの各プライマー (2 μM) 、0.4 μlの高速開始 (Fast Start) Taq、H2Oで50 μlとした。パーキン・エルマー (Perkin Elmer) サーマルサイクラー9700を使用して、各PCRを実施した。条件は次の通りであった: 変性、95℃において4分間 [HOLD] 、次いで [CYCLE] 変性、95℃において30秒間、アニール、45℃において30秒間、延長、72℃において45秒間、20サイクル、次いで [HOLD] 72℃、10分間および次いで [HOLD] 4℃。
0.19 kbpのTRP1 5’ UTR PCR生成物をEcoRIおよびHindIIIで切断したが、0.2 kbpのTRP1 3’ UTR PCR生成物をBamHIおよびHindIIIで切断し、そしてBamHI/ EcoRIで線状化したpAYE505中に結合してpDB2777 (WO 2005/061718の第91図) をつくった。pAYE505の構築はWO 95/33833に記載されている。プラスミド主鎖からプライミングしかつクローニングされたインサートを配列決定するように設計された、前方向および逆方向プライマーを使用するDNA配列決定により、両方の場合において、TRP1遺伝子のクローニングされた5’ および3’ UTR配列が期待されたDNA配列を有することが確認された。プラスミドpDB2777は、TRP1の5’ および3’ UTRに由来する配列の融合物を含んでなるTRP1崩壊性フラグメントを含有した。EcoRIを使用する完全な消化により、0.383 kbpのTRP1崩壊性フラグメントをpDB2777から切除した。
変更された酢酸リチウム法 (Sigma yeast transformation kit、YEAST-1、protocol 2; (Ito 他、1983、J. Bacteriol. 153、163; Eible、1982、Biotechniques 13、18)) により、アルブミン発現プラスミドpDB2244を使用して、酵母菌株DXY1 (Kerry-Williams 他、Yeast 14、161-169) をロイシンプロトトロフィーに形質転換して、酵母菌株DXY1 [pDB2244] をつくった。アルブミン発現プラスミドpDB2244の構築はWO 00/44772に記載されている。形質転換体をBMMD寒天平板上で選択し、引き続いてBMMD寒天平板上でパッチングした。冷凍保存したトレハロースストックを10 mlのBMMD震蘯フラスコ培養 (24時間、30℃、200 rpm) から調製した。
下記の文献に記載されているように、カウンター選択的トリプトファンアナローグ、5-フルオロアントラニル酸 (5-FFA) を使用して、pDB2777からの0.383 kbpのEcoRI TRP1崩壊性フラグメントで酵母菌株DXY1 [pDB2244] をトリプトファン独立栄養性に形質転換した: Toyn 他、2000、Yeast 16、553-560。5-FFAの毒性作用に対して耐性であるコロニーを取り上げ、第2 ラウンドの5-FFA平板上にストリークして、コロニーが事実5-FFAに対して耐性であることを確認し、バックグラウンドの増殖から選択した。次いで、増殖するコロニーをBMMDおよびBMMD + トリプトファン上に再パッチングして、どれがトリプトファン栄養要求性であるかを同定した。
引き続いてリプトファン栄養要求性であることが示されたコロニーを選択し、YCplac22 (GietzおよびSugino、1988、Gene 74、527-534) で形質転換してさらに分析してどの単離物がtrp1であるかを確認した。
TRP1遺伝子座を横切るPCR増幅を使用して、trp1表現型がこの領域における欠失のためであることを確認した。5-FFAに対して耐性として同定され、トリプトファンを添加しない最少培地上で増殖できない単離物から、ゲノムDNAを調製した。プライマーCED005およびCED006 (表12) のPCR増幅を次のようにして達成した: 1 μlのテンプレートゲノムDNA、5 μlの10×緩衝液 (Fast Start Taq + Mg (Roche)) 、1 μlの10 mM 各dNTP、5 μlの各プライマー (2 μM) 、0.4 μlの高速開始 (Fast Start) Taq、H2Oで50 μlとした。パーキン・エルマー (Perkin Elmer) サーマルサイクラー9700を使用して、各PCRを実施した。
条件は次の通りであった: 変性、95℃において10分間 [HOLD] 、次いで [CYCLE] 変性、95℃において30秒間、アニール、55℃において30秒間、延長、72℃において120秒間、40サイクル、次いで [HOLD] 72℃、10分間および次いで [HOLD] 4℃。野生型TRP1遺伝子座のPCR増幅により、1.34 kbpのサイズのPCR生成物が生じたが、欠失されたTRP1領域を横切る増幅により、0.50 kbpだけ小さい0.84 kbpのPCR生成物が生じた。PCR分析により、DXY1由来trp1菌株 (DXY1 trp1Δ[pDB2244]) が期待される欠失事象を有するとして同定された。
酵母菌株DXY1 trp1Δ[pDB2244] を、下記の文献に記載されているように、キュアリングして発現プラスミドpDB2244を除去した: Sleep 他、1991、Bio/Techniques 9、183-187。酵母菌株DXY1 trp1Δ cir0を、変更された酢酸リチウム法 (Sigma yeast transformation kit、YEAST-1、protocol 2; (Ito 他、1983、J. Bacteriol. 153、163; Eible、1982、Biotechniques 13、18)) により、pDB2244、pDB2976、pDB2978、pDB2979、pDB2980またはpDB2981でロイシンプロトトロフィーに形質転換した。トリプトファンを補充したBMMD寒天平板上で形質転換体を選択し、引き続いてトリプトファンを補充したBMMD寒天平板上でパッチングした。10 mlのトリプトファンを補充したBMMD震蘯フラスコ培養 (24時間、30℃、200 rpm) から、冷凍保存したトレハロースストックを調製した。
変更された酢酸リチウム法 (Sigma yeast transformation kit、YEAST-1、protocol 2; (Ito 他、1983、J. Bacteriol. 153、163; Eible、1982、Biotechniques 13、18)) により、酵母菌株DXY1 trp1Δ[pDB2976] 、DXY1 trp1Δ[pDB2977] 、DXY1 trp1Δ[pDB2978] 、DXY1 trp1Δ[pDB2979] 、DXY1 trp1Δ[pDB2980] およびDXY1 trp1Δ[pDB2981] をトリプトファンプロトトロフィーに形質転換した。1.41 kbpのpdi1::TRP1崩壊性DNAフラグメントをpDB3078からNotI/PstIで消化することによって単離した。形質転換体をBMMD寒天平板上で選択し、引き続いてBMMD寒天平板上でパッチングした。
各菌株からの6つの形質転換体を50 mlの震蘯フラスコ内の10 mlのYEPDに接種し、軌道震蘯器中で30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。培養上清および細胞バイオマスを収集した。トリプトファンプロトトロフおよびDXY1 [pDB2244] からゲノムDNAを調製した (Lee、1992、Biotechniques 12、677) 。プライマーDS236およびDS303 (表11および表12) を使用するPCRによるゲノムPDI1遺伝子座の増幅は次のようにして達成した: 1 μlのテンプレートゲノムDNA、5 μlの10×緩衝液 (Fast Start Taq + Mg (Roche)) 、1 μlの10 mM 各dNTP、5 μlの各プライマー (2 μM) 、0.4 μlの高速開始 (Fast Start) Taq、H2Oで50 μlとした。
パーキン・エルマー (Perkin Elmer) サーマルサイクラー9700を使用して、各PCRを実施した。条件は次の通りであった: 変性、95℃において4分間 [HOLD] 、次いで [CYCLE] 変性、95℃において30秒間、アニール、50℃において30秒間、延長、72℃において60秒間、30サイクル、次いで [HOLD] 72℃、10分間および次いで [HOLD] 4℃。野生型TRP1遺伝子座のPCR増幅により、PCR生成物は生じなかったが、欠失されたTRP1領域を横切る増幅により、0.65 kbpのPCR生成物が生じた。PCR分析により、試験した36の潜在的pdi1::TRP1菌株は期待するpdi1::TRP1欠失を有した。
組換えアルブミンの力価をロケット免疫電気泳動により比較した。各グループ内で、DXY1 trp1Δ[pDB2976] 、DXY1 trp1Δ[pDB2978] 、DXY1 trp1Δ[pDB2980] 、DXY1 trp1Δ[pDB2977] およびDXY1 trp1Δ[pDB2979] のすべての6つのpdi1::TRP1崩壊物は非常に類似するrHA産生性を有した。DXY1 trp1Δ[pDB2981] の6つのpdi1::TRP1崩壊物のみが、rHA発現力価の変動を示した。第18図に示す6つのpdi1::TRP1崩壊物をYEPD寒天上に広げて単一のコロニーを単離し、次いでBMMD寒天上に再パッチングした。
DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2976] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2978] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2980] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2977] 、DXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2979] およびDXY1 trp1Δ pdi1::TRP1 [pDB2981] の3つの単細胞単離物をDXY1 [pDB2244] 、DXY1 [pDB2976] 、DXY1 [pDB2978] 、DXY1 [pDB2980] 、DXY1 [pDB2977] 、DXY1 [pDB2979] およびDXY1 [pDB2981] と一緒に50 mlの震蘯フラスコ内の10 mlのYEPDに接種し、軌道震蘯器中で30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。
培養上清を収集し、組換えアルブミン力価をロケット免疫電気泳動により比較した (第19図) 。第19図に示す13の野生型PDI1およびpdi1::TRP1崩壊物をYEPD寒天上に広げて単一のコロニーを単離した。次いで各菌株からの100の単細胞コロニーをBMMD寒天または ヤギ抗HSA抗体を含有するYEPD寒天上に再パッチングして、組換えアルブミンの発現を検出し (Sleep 他、1991、Bio/Techniques 9、183-187) そして各コロニーのLeu+/rHA+、Leu+/rHA-、Leu-/rHA+またはLeu-/rHA-表現型を記録した (表12) 。
Figure 0005631533
このデータが示すように、非選択培地、例えば、例示された濃縮培地中でさえ、染色体的にコード化されたPDIをもたない宿主菌株上でPDI1遺伝子を選択可能なマーカーとして使用するとき、プラスミド保持は増加される。
実施例132μm UL領域におけるSnaBI/NotI部位からの組換えヒトアルブミンまたはトランスフェリン (N413Q、N611Q) とのPDI1の共発現のためのpSAC35に基づく発現ベクターpDB3175〜pDB3182の構築
pSAC35に基づく発現ベクター、pAYE316 (Sleep 他、1991、Bio/Techniques (N Y) 9、183-187) からのNotI発現カセット (組換えヒトアルブミンの分泌のために設計した) を大腸菌 (E. coli) クローニングベクターpBST(+) (Sleep 他、2001、Yeast 18、403-421) のユニークNotI部位中にクローニングしてプラスミドpQC262eを生成させた。引き続いてオリゴヌクレオチドLRE49 (表13) を使用する位置指定突然変異誘発 (Kunkel 他、1987、Methods Enzymol. 154、367-382) により、pQC262e修飾して、発現カセットのADH1ターミネーター領域におけるNotI部位より直ぐ上流にユニークAsp7181部位を導入した。
Figure 0005631533
これはプラスミドpAYE560を生成した (第21図) 。pDB2952 (WO 2005/061718の第46図、その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) からの1.96 bpのSmaIフラグメント上で、長い (約210 bp) プロモーターをもつサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) SKQ2n PDI1遺伝子を単離した。pDB2952 PDI1フラグメントをpAYE560のユニークAsp7181部位中にクローニングし、ここでpAYE560はAsp7181で消化し、T4 DNAポリメラーゼを使用して3’ 凹所を充填し、そして平滑末端生成物を仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで処理されていた。これにより、rHAと同一方向に転写されたPDI1遺伝子をもつプラスミドpDB3171 (第22図) およびPDI1遺伝子およびrHA遺伝子の収束転写をもつpDB3172 (第23図) が生成した。
NotIおよび仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで消化したpSAC35の中に、pDB3171からの約5.1 kbのrHA→PDI1→NotI発現カセットをクローニングすることによって、pDB3175およびpDB3176 (第24図および第25図) を生成させた。NotIおよび仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで消化したpSAC35の中に、pDB3172からの約5.1 kbのNotI rHA→←PDI1発現カセットをクローニングすることによって、pDB3177およびpDB3178 (第26図および第27図) を生成させた。
組換え非グルコシル化トランスフェリン (N413Q、N611Q) と、長い (約210 bp) プロモーターをもつサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) SKQ2n PDI1遺伝子との共発現のためのNotI発現カセットを構築するために、pDB3171からの約6.1 kbのAflII-SphIフラグメントをpDB2928 (WO 2005/061718の第11図、その内容は引用することによって本明細書の一部とされる) からの約2.4 kbのAflII-SphIフラグメントと結合し、こうしてrHAコーディング配列および隣接する配列をトランスフェリン (N413Q、N611Q) 分泌のための配列で置換した。これにより、rTf (N413Q、N611Q)と同一方向に転写されたPDI1遺伝子をもつプラスミドpDB3173 (第28図) およびPDI1およびrTf (N413Q、N611Q) 遺伝子の収束する転写をもつpDB3174 (第29図) が生成した。
NotIおよび仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで消化したpSAC35の中に、pDB3173からの約5.2 kbのrTf→PDI1→NotI発現カセットをクローニングすることによって、pDB3179およびpDB3180 (第30図および第31図) を生成させた。NotIおよび仔ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで消化したpSAC35の中に、pDB3174からの約5.2 kbのNotI rTf→←PDI1発現カセットをクローニングすることによって、pDB3181およびpDB3182 (第32図および第33図) を生成させた。
Figure 0005631533
DXY1 Δtrp1、pDB3175〜pDB3182を含有するDXY1 Δtrp1および推定上のpdi1::TRP1崩壊物を50 mlの震蘯フラスコ内の10 mlのYEPD中に接種し、軌道震蘯器中で30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。診断PCRにおいてテンプレートDNAとして引き続いて使用するために、バイオマスからゲノムDNAを調製した (Lee、1992、Biotechniques 12、677) 。
0.5 μlのテンプレートゲノムDNA、2.5 μlの10×緩衝液 (Fast Start Taq + Mg (Roche)) 、0.5 μlの10 mM 各dNTP、2.5 μlの各プライマー (2 μM) 、0.2 μlの高速開始 (Fast Start) Taqをっ混合し、H2Oで25 μlとした。次のようにしてサーマルサイクラー (DyadTM DNA Engine Peltier) (GRI) を使用して、各PCRを実施した: 変性、95℃において4分間、次いで25サイクルの95℃において30秒間、55℃において30秒間および72℃において1分間、次いでエクステンション、72℃において10分間。pdi1遺伝子座において組込まれたTRP1遺伝子を含有するDNAから、約810 bpのPCR生成物のみが増幅された。pDB3175〜pDB3182を含有するDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1は首尾よく同定された。期待されるように、対照DXY1 Δtrp1またはpDB3175〜pDB3182を含有するDXY1 Δtrp1から、PCR生成物は発生しなかった。
プラスミドの安定性およびYEPD震蘯フラスコ培養における組換えヒトアルブミンまたはトランスフェリン (N413Q、N611Q) の分泌について、pDB3175〜pDB3182を含有するDXY1を、pDB3175〜pDB3182を含有するDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1と比較した。10 mlのYEPD震蘯フラスコに上記菌株を接種し、30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。試料をYEPD寒天平板上に広げ、単一コロニーに増殖させた。50のランダムに選択したコロニーを反復してBMMDおよびYEPD平板上にパッチングし、30℃においてインキュベートした。プラスミドの安定性を両方の培地上で増殖できるコロニーの百分率として記録した。
表16および表17に示す結果から証明されるように、プラスミドpDB3175〜pDB3182のすべては、SnaBI/NotI部位においてクローニングされたPDI1遺伝子およびrTf/rHA遺伝子の相対的向きに無関係に、DXY1中の安定性が100%より低かった。しかしながら、pDB3175〜pDB3182を含有するDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1のすべての場合において、100%のプラスミドの安定性が決定された。それゆえ、pSAC35に基づくベクターのSnaBI/NotI部位における唯一の選択可能なマーカーとしてPDI1を使用すると、濃縮培地において100%のプラスミドの安定性が生じた。
表15: 菌株DXY1およびDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1中のUL領域中のSnaBI/NotI部位に組換えアルブミン遺伝子およびサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) PDI1遺伝子を含有するpSAC35に基づく発現ベクターのプラスミドの安定性。DXY1 [pDB3175] 、DXY1 [pDB3176] 、DXY1 [pDB3177] 、DXY1 [pDB3178] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3175] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3176] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3177] およびDXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3178] を10 mlのYEPD震蘯フラスコに接種し、30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。試料をYEPD寒天平板上に広げ、単一コロニーに増殖させた。50のランダムに選択したコロニーを反復してBMMDおよびYEPD平板上にパッチングし、30℃においてインキュベートした。プラスミドの安定性を両方の培地上で増殖できるコロニーの百分率として記録した。
Figure 0005631533
表16: 菌株DXY1およびDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1中のUL領域中のSnaBI/NotI部位に組換えトランスフェリン遺伝子およびサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) PDI1遺伝子を含有するpSAC35に基づく発現ベクターのプラスミドの安定性。DXY1 [pDB3179] 、DXY1 [pDB3180] 、DXY1 [pDB3181] 、DXY1 [pDB3182] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3179] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3180] 、DXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3181] およびDXY1Δtrp1 pdi1::TRP1 [pDB3182] を10 mlのYEPD震蘯フラスコに接種し、30℃、200 rpmにおいて4日間インキュベートした。試料をYEPD寒天平板上に広げ、単一コロニーに増殖させた。50のランダムに選択したコロニーを反復してBMMDおよびYEPD平板上にパッチングし、30℃においてインキュベートした。プラスミドの安定性を両方の培地上で増殖できるコロニーの百分率として記録した。
Figure 0005631533
組換えヒトアルブミンおよびトランスフェリン (N413Q、N611Q) の分泌について、pDB3175〜pDB3182を含有するDXY1を、pDB3175〜pDB3182を含有するDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1と比較した。第34図は、プラスミドの安定性を100%に増加させる (表16) TRP1によるゲノムPDI1遺伝子の崩壊後に、SnaBI部位に挿入されたPDI1についての組換えヒトアルブミン力価の減少を示す。しかしながら、これはゲノム中のPDI1の崩壊後の遺伝的安定性の増加により補償されるより多く、これは異種タンパク質の分泌の再現性および信頼性を増加させ、首尾一貫したタンパク質産生、ことに延長した培養、例えば、充填および抜き出し発酵または連続的培養発酵キャンペーンにおける使用にいっそう有効な工業的生物を生ずる。
さらに、PDI1がpSAC35のREP2後のXcmI部位に位置したとき (実施例12) 、プラスミドの安定性を増加させるためのTRP1によるゲノムPDI1遺伝子の崩壊に、rHA力価の有意な増加は存在しなかった (表13) 。これが示唆するように、rHAを発現する2μmに基づくプラスミド上のPDI1のためのSnaBI部位に比較して、XcmI部位は好ましかった (必須ではない) 。しかしながら、組換えタンパク質の分泌の増加が観測されるように、PDI1発現は、例えば、PDI1プロモーターの長さを変更することによって、モジュレートすることができる (実施例7) 。
上記実験において、長いPDI1プロモーターを使用し、これは密接に関係する高rHA産生性菌株DS569における最適なrHAの分泌に好ましいプロモーター長さではなく、ここで短いプロモーターはrHA分泌を増加させた。pSAC35のREP2後にXcmI部位にPDI1プロモーターを含有するDXY1 [pDB2977] におけるゲノムPDI1崩壊の場合において (第19図) 、分析は3つの個々の単離物を含み (第34図に示すような単一単離物の三重反復実験ではない) そしてrHA力価が減少しないことを証明した。さらに、一貫性および生産性の増加はゲノムPDI1遺伝子の崩壊後のこれらの培養物について明らかに証明された。
第35図において、組換えトランスフェリン分泌の大きい増加は、pSAC35に基づくベクター上にPDI1を含まないDXY1 [pDB2931] (これそれ自体100%の安定性ではない) と、SnaBI/NotI部位にPDI1をもつプラスミドpDB3175〜pDB3182を含有する菌株との間において観測された。プラスミドpDB3175〜pDB3182を含有するDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1において、プラスミド上のPDI1は唯一の選択可能なマーカーとして作用し、改良された遺伝的安定性を生じ (表17参照) 、ここで組換えトランスフェリン分泌を減少させないで、100%のプラスミドの安定性が観察された。それゆえ、PDI1をトランスフェリン発現ベクター上に配置し、ゲノム中のPDI1を崩壊させることによって、全体の効果は組換えトランスフェリンの分泌を増加させかつまた産生生物の遺伝的安定性を改良することであった。
図1は、典型的な2μmプラスミドの地図を示す。 図2は、PDI1が過剰発現した組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) 分泌の増加のロケット免疫電気泳動 (RIE) 決定の結果を示す。 図3は、PDI1が過剰発現したおよび過剰発現しない組換えトランスフェリン (N413Q、N611Q) 分泌のRIE分析の結果を示す。 図4は、PDI1が過剰発現したおよび過剰発現しない組換えトランスフェリン分泌のSDS-PAGE分析の結果を示す。 図5は、PDI1の追加の組込まれたコピーを有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からの組換えトランスフェリン分泌のRIE分析を示す。 図6は、震蘯フラスコ培養において増殖させた菌株A [pDB2536] および菌株A [pDB2506] からの組換えトランスフェリン分泌のRIE分析を示す。
図7は、震蘯フラスコ培養において増殖させた菌株A [pDB2536] および菌株A [pDB2506] からの組換えトランスフェリン分泌のSDS-PAGE分析を示す。 図8は、異なるPDI1コピー数を有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株から分泌された組換えトランスフェリンのRIEを示す。 図9は、異なるPDI1コピー数を有するサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株から分泌された組換えトランスフェリンのSDS-PAGE分析を示す。 第10図は、追加のPDI1遺伝子の共発現を含むか、あるいは含まない異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) から分泌された組換えトランスフェリンのRIEを示す。
図11は、異なる長さのプロモーターを有するPDI1遺伝子と共発現させたときの異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株におけるrHA発現のRIE分析を示す。 図12は、異なる長さのプロモーターを有するPDI1遺伝子と共発現させたときの異なるサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 菌株におけるrHA発現のRIE分析を示す。 図13は、共発現されたPDI1を含むおよび含まないrHA融合タンパク質のRIE分析を示す。 図14は、発現プラスミド上に存在するPDI1を含むおよび含まない組換えアルブミン融合物の分泌のSDS-PAGE分析を示す。
図15は、2μmに基づくプラスミドからのORM2共発現を含むサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌の増加を証明するRIE分析を示す。 図16は、2μmに基づくプラスミドからのPSE1共発現を含むサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌の増加を証明するRIE分析を示す。 図17は、2μmに基づくプラスミドからのSSA1共発現を含むサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) からのトランスフェリン分泌の増加を証明するRIE分析を示す。
図18は、RIEの結果を示す。 図19は、RIEの結果を示す。 図20Aは、実施例6に記載する、長いプロモーターを有するSKQ2nおよびS288c遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図20Bは、実施例6に記載する、長いプロモーターを有するSKQ2nおよびS288c遺伝子配列の配列アラインメントを示す。 図20Cは、実施例6に記載する、長いプロモーターを有するSKQ2nおよびS288c遺伝子配列の配列アラインメントを示す。
図21は、プラスミドpAYE560の制限酵素地図を示す。 図22は、プラスミドpDB3171の制限酵素地図を示す。 図23は、プラスミドpDB3172の制限酵素地図を示す。 図24は、プラスミドpDB3175の制限酵素地図を示す。 図25は、プラスミドpDB3176の制限酵素地図を示す。 図26は、プラスミドpDB3177の制限酵素地図を示す。 図27は、プラスミドpDB3178の制限酵素地図を示す。 図28は、プラスミドpDB3173の制限酵素地図を示す。 図29は、プラスミドpDB3174の制限酵素地図を示す。 図30は、プラスミドpDB3179の制限酵素地図を示す。
図31は、プラスミドpDB3180の制限酵素地図を示す。 図32は、プラスミドpDB3181の制限酵素地図を示す。 図33は、プラスミドpDB3182の制限酵素地図を示す。 図34は、pDB3175〜pDB3178を含有するDXY1およびDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1からのYEPD震蘯フラスコ培養上清のロケット免疫電気泳動を示す。 図35は、pDB3179〜pDB3182を含有するDXY1およびDXY1 Δtrp1 pdi1::TRP1からのYEPD震蘯フラスコ培養上清のロケット免疫電気泳動を示す。

Claims (38)

  1. 酵母宿主細胞中で、そのシャペロンをコードする遺伝子を欠失するか、あるいは不活性化するとき、該宿主細胞が培養において生存不能であり、そして培地への添加または培地の改変により欠陥を補足することができないという意味において、酵母宿主細胞の生存可能性に対して必須であるシャペロンをコードする遺伝子を、唯一の酵母選択可能なマーカーとして含んでなるプラスミドであって、該必須シャペロンが、PDI1もしくはPSE1またはこれらの任意の1つの変異型(この変異型はアミノ酸の保存的置換により得られるものであり、元のタンパク質に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、元のタンパク質のシャペロン活性を保持しているものである)である、プラスミド。
  2. 必須シャペロンが酵母シャペロンである、請求項1に記載のプラスミド。
  3. 必須シャペロンがサッカロミセス・セレビシエ由来のシャペロンであり、該シャペロンがPDI1またはその変異型(この変異型はアミノ酸の保存的置換により得られるものであり、元のタンパク質に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、元のタンパク質のシャペロン活性を保持しているものである)の配列を含んでなる、請求項2に記載のプラスミド。
  4. 所望の異種タンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスミド。
  5. 2μmファミリープラスミドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスミド。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラスミドを含んでなる酵母宿主細胞であって、前記プラスミドの非存在下において宿主細胞が生存不能であり、成長培地中で宿主細胞を増殖させ、前記成長培地に栄養を添加するか、あるいは前記培地を改変することによって生存可能とすることができない、宿主細胞。
  7. 前記プラスミドが、当該宿主に天然に存在する1又は複数の他の遺伝子によってコードされるタンパク質とは異なる配列を有する所望の異種タンパク質をコードする遺伝子を含む、請求項6に記載の宿主細胞。
  8. 所望の異種タンパク質が、非−酵母タンパク質である、請求項7に記載の宿主細胞。
  9. 第1シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第1組換え遺伝子と、第2シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第2組換え遺伝子とを含んでなるプラスミドを含んでなる酵母宿主細胞であって、ここで前記プラスミドによってコードされる第1シャペロンが、宿主細胞中で、そのシャペロンをコードする遺伝子を欠失するか、あるいは不活性化するとき、該宿主細胞が培養において生存不能であり、そして培地への添加または培地の改変により欠陥を補足することができないという意味において、該宿主細胞の生存可能性に対して必須であり、前記プラスミドの非存在下に、宿主細胞が前記第1シャペロンを産生せず、前記第1シャペロンが、PDI1もしくはPSE1またはこれらの任意の1つの変異型(この変異型はアミノ酸の保存的置換により得られるものであり、元のタンパク質に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、元のタンパク質のシャペロン活性を保持しているものである)である、宿主細胞。
  10. 所望の異種タンパク質の製造方法において、
    (a)第1シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第1組換え遺伝子、第2シャペロンタンパク質の配列を含んでなるタンパク質をコードする第2組換え遺伝子、及び所望の異種タンパク質をコードする第3組換え遺伝子、を含んでなる宿主細胞を用意し、ここで、前記第1シャペロンと第2シャペロンは異なるものであり;そして
    (b)前記宿主細胞を培地中で培養して前記第1遺伝子、第2遺伝子及び第3遺伝子の発現を得る;
    ことを含んでなり、前記宿主細胞が請求項9に記載の宿主細胞である、方法。
  11. 所望の組換えタンパク質を製造する方法において、
    プラスミドを含んでなる酵母宿主細胞を準備し、前記プラスミドは、宿主細胞中で、そのシャペロンをコードする遺伝子を欠失するか、あるいは不活性化するとき、該宿主細胞が培養において生存不能であり、そして培地への添加または培地の改変により欠陥を補足することができないという意味において酵母宿主細胞の生存のために必須であるシャペロン(「必須シャペロン」)をコードする第1組換え遺伝子を含んでなり、そしてここで、前記プラスミドの非存在下には、酵母宿主細胞はその必須シャペロンを産生することができず、該必須シャペロンが、PDI1もしくはPSE1またはこれらの任意の1つの変異型(この変異型はアミノ酸の保存的置換により得られるものであり、元のタンパク質に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、元のタンパク質のシャペロン活性を保持しているものである)であり、そしてさらに、酵母宿主細胞は所望のタンパク質をコードする遺伝子を含んでなり;
    前記必須シャペロンおよび所望のタンパク質の発現を可能とする条件下に酵母宿主細胞を培地中で培養する;
    ことを含んでなる、方法。
  12. 発現された所望のタンパク質を、培養した宿主細胞または培地から単離し;そして/または
    こうして単離された所望のタンパク質を商業的に許容される純度に精製し;そして/または
    こうして精製されたタンパク質を凍結乾燥するか、あるいは精製された所望のタンパク質を薬学上許容される担体または希釈剤と配合し;そして/または
    こうして配合された所望のタンパク質を単位投与形態で提供する;
    ことをさらに含んでなる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記宿主細胞が、請求項6〜9のいずれか1項に記載の宿主細胞である、請求項11または12に記載の方法。
  14. 所望の異種タンパク質の製造方法において、
    (a)請求項6〜8のいずれか1項に記載の宿主細胞を準備し、そして
    (b)必須シャペロンおよび所望のタンパク質の発現を可能とする条件下に宿主細胞を培地中で培養する、
    工程を含んでなる、方法。
  15. ポリヌクレオチドをプラスミド中に組込んで修飾されたプラスミドを産生することによって酵母宿主細胞中のプラスミドの安定性を増加させるための、該宿主細胞の生存可能性に対して必須であるシャペロン(「必須シャペロン」)をコードする配列を含んでなるポリヌクレオチドの使用であって、ここで宿主細胞はプラスミドの非存在下に前記必須シャペロンを産生することができず、該必須シャペロンが、PDI1もしくはPSE1またはこれらの任意の1つの変異型(この変異型はアミノ酸の保存的置換により得られるものであり、元のタンパク質に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、元のタンパク質のシャペロン活性を保持しているものである)である、使用。
  16. 前記プラスミドが2μmファミリープラスミドである、請求項15に記載の使用。
  17. 前記プラスミドが所望の異種タンパク質をコードする遺伝子をさらに含んでなる、請求項15または16に記載の使用。
  18. 前記必須シャペロンがサッカロミセス・セレビシエ由来のシャペロンである、請求項15〜17のいずれか1項に記載の使用。
  19. 前記必須シャペロンがサッカロミセス・セレビシエ由来のシャペロンであり、該シャペロンがPDI1またはその変異型(この変異型はアミノ酸の保存的置換により得られるものであり、元のタンパク質に対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ、元のタンパク質のシャペロン活性を保持しているものである)の配列を含んでなる、請求項15〜17のいずれか1項に記載の使用。
  20. 同時に、宿主細胞中のプラスミドの安定性を増加させ、かつ、タンパク質産物を産生する宿主細胞の能力を増加させるための、請求項15〜19のいずれか一項に記載の使用。
  21. 前記宿主細胞が、非選択培地において培養される、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
  22. 非選択培地が、富培地または複合培地である、請求項21に記載の方法。
  23. 請求項4または5に記載のプラスミドにおいて、異種タンパク質が、
    (i)宿主細胞からの分泌を生じさせるのに有効なリーダー配列を含んでなり;そして/又は
    (ii)真核生物タンパク質、そのフラグメントまたは変異型であり;そして/又は
    (iii)治療的、診断的、工業的、家庭的または栄養的に有用なタンパク質であり;そして/又は
    (iv)アルブミン、モノクローナル抗体、血清タンパク質、アンチスタシン、ダニ抗凝固ペプチド、トランスフェリン、ラクトフェリン、エンドスタチン、アンギオスタチン、コラーゲン、免疫グロブリン、dAb、Fab、F(ab’)2、scAb、scFv、クニッツ型ドメインタンパク質、インターフェロン、インターロイキン、IL10、IL11、IL12、インターフェロンα種、インターフェロンβ種、インターフェロンγ種、レプチン、CNTF、CNTFAX15 (AxokineTM) 、IL1-レセプターアンタゴニスト、エリトロポイエチン (EPO) およびEPO模倣物、トロンボポイエチン (TPO) およびTPO模倣物、シノビリン-N、5-ヘリックス、T20ペプチド、T1249ペプチド、HIV gp41、HIV gp120、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、tPA、ヒルジン、血小板由来増殖因子、副甲状腺ホルモン、プロインスリン、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、インスリン様増殖因子、カルシトニン、成長ホルモン、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、FGF、前形態および活性形態の両方の凝固因子、プラスミノーゲン、フィブリノゲン、トロンビン、プレトロンビン、プロトロンビン、フォン・ウィルブランド因子、α1-抗トリプシン、プラスミノーゲンアクチベーター、神経増殖因子、LACI、血小板由来内皮細胞増殖因子 (PD-ECGF) 、グルコースオキシダーゼ、血清コリンエステラーゼ、アプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質、インターαトリプシンインヒビター、アンチトロンビンIII、アポリポタンパク質種、タンパク質C、タンパク質S、代謝物、抗生物質、または上記のいずれかの変異型またはフラグメント、から選択される配列を含んでなり;そして/又は
    (v)アルブミンまたはその変異型またはフラグメントの配列を含んでなり;そして/または
    (vi)トランスフェリンファミリーのメンバーまたはそれらの変異型またはフラグメントの配列を含んでなり;そして/又は
    (vii)他のタンパク質の配列に直接的または間接的に融合した融合タンパク質を含んでなる;
    前記プラスミド。
  24. 酵母宿主細胞が、サッカロマイセス (Saccharomyces)属のメンバーである、請求項23に記載のプラスミド。
  25. 宿主細胞が、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)である、請求項24に記載のプラスミド。
  26. 前記プラスミドが2μmプラスミドであり、そして宿主細胞がサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)である、請求項24に記載のプラスミド。
  27. 請求項10〜14、21および22のいずれか1項に記載の方法において、異種タンパク質が、
    (i)宿主細胞からの分泌を生じさせるのに有効なリーダー配列を含んでなり;そして/又は
    (ii)真核生物タンパク質、そのフラグメントまたは変異型であり;そして/又は
    (iii)治療的、診断的、工業的、家庭的または栄養的に有用なタンパク質であり;そして/又は
    (iv)アルブミン、モノクローナル抗体、血清タンパク質、アンチスタシン、ダニ抗凝固ペプチド、トランスフェリン、ラクトフェリン、エンドスタチン、アンギオスタチン、コラーゲン、免疫グロブリン、dAb、Fab、F(ab’)2、scAb、scFv、クニッツ型ドメインタンパク質、インターフェロン、インターロイキン、IL10、IL11、IL12、インターフェロンα種、インターフェロンβ種、インターフェロンγ種、レプチン、CNTF、CNTFAX15 (AxokineTM) 、IL1-レセプターアンタゴニスト、エリトロポイエチン (EPO) およびEPO模倣物、トロンボポイエチン (TPO) およびTPO模倣物、シノビリン-N、5-ヘリックス、T20ペプチド、T1249ペプチド、HIV gp41、HIV gp120、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、tPA、ヒルジン、血小板由来増殖因子、副甲状腺ホルモン、プロインスリン、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、インスリン様増殖因子、カルシトニン、成長ホルモン、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、FGF、前形態および活性形態の両方の凝固因子、プラスミノーゲン、フィブリノゲン、トロンビン、プレトロンビン、プロトロンビン、フォン・ウィルブランド因子、α1-抗トリプシン、プラスミノーゲンアクチベーター、神経増殖因子、LACI、血小板由来内皮細胞増殖因子 (PD-ECGF) 、グルコースオキシダーゼ、血清コリンエステラーゼ、アプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質、インターαトリプシンインヒビター、アンチトロンビンIII、アポリポタンパク質種、タンパク質C、タンパク質S、代謝物、抗生物質、または上記のいずれかの変異型またはフラグメント、から選択される配列を含んでなり;そして/又は
    (v)アルブミンまたはその変異型またはフラグメントの配列を含んでなり;そして/または
    (vi)トランスフェリンファミリーのメンバーまたはそれらの変異型またはフラグメントの配列を含んでなり;そして/又は
    (vii)他のタンパク質の配列に直接的または間接的に融合した融合タンパク質を含んでなる;
    前記方法。
  28. 真核生物タンパク質が脊椎動物タンパク質である、請求項27に記載の方法。
  29. 酵母宿主細胞が、サッカロマイセス (Saccharomyces)属のメンバーである、請求項10〜14、21、22および27のいずれか一項に記載の方法。
  30. 宿主細胞が、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記プラスミドが2μmプラスミドであり、そして宿主細胞がサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)である、請求項29に記載の方法。
  32. 前記宿主細胞が、非選択培地において培養される、請求項15〜20のいずれか1項に記載の使用。
  33. 非選択培地が、富培地または複合培地である、請求項32に記載の使用。
  34. 請求項15〜20、32および33のいずれか1項に記載の使用において、異種タンパク質が、
    (i)宿主細胞からの分泌を生じさせるのに有効なリーダー配列を含んでなり;そして/又は
    (ii)真核生物タンパク質、そのフラグメントまたは変異型であり;そして/又は
    (iii)治療的、診断的、工業的、家庭的または栄養的に有用なタンパク質であり;そして/又は
    (iv)アルブミン、モノクローナル抗体、血清タンパク質、アンチスタシン、ダニ抗凝固ペプチド、トランスフェリン、ラクトフェリン、エンドスタチン、アンギオスタチン、コラーゲン、免疫グロブリン、dAb、Fab、F(ab’)2、scAb、scFv、クニッツ型ドメインタンパク質、インターフェロン、インターロイキン、IL10、IL11、IL12、インターフェロンα種、インターフェロンβ種、インターフェロンγ種、レプチン、CNTF、CNTFAX15 (AxokineTM) 、IL1-レセプターアンタゴニスト、エリトロポイエチン (EPO) およびEPO模倣物、トロンボポイエチン (TPO) およびTPO模倣物、シノビリン-N、5-ヘリックス、T20ペプチド、T1249ペプチド、HIV gp41、HIV gp120、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、tPA、ヒルジン、血小板由来増殖因子、副甲状腺ホルモン、プロインスリン、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、インスリン様増殖因子、カルシトニン、成長ホルモン、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、FGF、前形態および活性形態の両方の凝固因子、プラスミノーゲン、フィブリノゲン、トロンビン、プレトロンビン、プロトロンビン、フォン・ウィルブランド因子、α1-抗トリプシン、プラスミノーゲンアクチベーター、神経増殖因子、LACI、血小板由来内皮細胞増殖因子 (PD-ECGF) 、グルコースオキシダーゼ、血清コリンエステラーゼ、アプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質、インターαトリプシンインヒビター、アンチトロンビンIII、アポリポタンパク質種、タンパク質C、タンパク質S、代謝物、抗生物質、または上記のいずれかの変異型またはフラグメント、から選択される配列を含んでなり;そして/又は
    (v)アルブミンまたはその変異型またはフラグメントの配列を含んでなり;そして/または
    (vi)トランスフェリンファミリーのメンバーまたはそれらの変異型またはフラグメントの配列を含んでなり;そして/又は
    (vii)他のタンパク質の配列に直接的または間接的に融合した融合タンパク質を含んでなる;
    前記使用。
  35. 真核生物タンパク質が脊椎動物タンパク質である、請求項34に記載の使用。
  36. 酵母宿主細胞が、サッカロマイセス (Saccharomyces)属のメンバーである、請求項15〜20および32〜34のいずれか一項に記載の使用。
  37. 宿主細胞が、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)である、請求項36に記載の使用。
  38. 前記プラスミドが2μmプラスミドであり、そして宿主細胞がサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)である、請求項36に記載の使用。
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