JP5627080B2 - 通信システム、送信装置、送信制御方法、送信制御プログラム、及びプロセッサ - Google Patents

通信システム、送信装置、送信制御方法、送信制御プログラム、及びプロセッサ Download PDF

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Description

本発明は、通信システム、送信装置、送信制御方法、送信制御プログラム、及びプロセッサに関する。
近年、第4世代の移動通信の標準化が進められており、下り回線(基地局装置から端末装置への通信)の伝送速度の向上を実現する目的で、様々な検討がなされている。その解決策の1つとして、システムの帯域を広帯域化することが考えられるが、システムの帯域を広帯域化することは周波数資源が有限であるので、この解決策には限界がある。そこで、周波数帯域を広げることなく同一時刻、同一周波数を用いて複数の信号を空間多重できるMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)技術が有用な技術として検討されている。MIMO技術は、送受信双方に複数のアンテナを装備し、異なる信号系列を同時に複数の送信アンテナから伝送する空間多重伝送技術である。
この下り回線のMIMO伝送において、複数のアンテナを持つ基地局装置と複数の端末装置が同時に通信を行うMU−MIMO(Multi User−MIMO)は、スループットを向上させる技術として注目を集めている。MU−MIMOでは、基地局装置から複数の端末装置へ同時に信号を送信するので、端末装置間の信号で干渉が生じてしまう。そこで、基地局装置側で、他の端末装置宛の信号による干渉を除去するように、予めプレコーディングを施して伝送する技術が知られている。
プレコーディングとして、例えば、伝搬路をブロックすることによって、ユーザ間干渉の一部を除去し、残ったユーザ間干渉をTHP(Tomlinson−Harashima Precoding)を用いる技術が提案されている(例えば、非特許文献1)。
森 浩樹, 青木 亜秀, 田邉 康彦," THPを用いたマルチユーザMIMO システムにおけるストリーム割り当て方法の提案", 信学総大, B−5−54,Mar.2008.
ところで、引用文献1に記載のプレコーディングでは、THPによって干渉を除去する順序が後の受信装置は、先の受信装置又は干渉を除去しない受信装置と比較して、受信品質が劣化してしまうという欠点があった。
つまり、順序が後の受信装置では誤りが増加し、通信システムの伝送効率が劣化する場合あるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、伝送効率を向上することができる通信システム、送信装置、送信制御方法、送信制御プログラム、及びプロセッサを提供する。
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、複数の受信装置と、前記複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置と、を具備する通信システムであって、前記送信装置は、前記空間多重にTHPに基づくプレコーディングを用い、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記THPにおける信号生成順序を決定し、前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする通信システムである。
(2)また、本発明は、上記の通信システムにおいて、前記信号の信号系列の数に関する情報は、前記受信装置が前記送信装置に通知した信号の信号系列の数を示す情報であることを特徴とする。
(3)また、本発明は、複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置であって前記空間多重にTHPに基づくプレコーディングを用い、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記THPにおける信号生成順序を決定し、前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする送信装置である
(4)また、本発明は、複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置における送信制御方法であって、送信装置が、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定する過程を有し、前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする送信制御方法である。
(5)また、本発明は、複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置のコンピュータに、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定する手段を実行させ、前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とするための送信制御プログラムである。
(6)また、本発明は、複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置におけるプロセッサであって、各受信装置宛の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定し、前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とするプロセッサである。
本発明によれば、通信システムは、伝送効率を向上することができる。
本発明の第1の実施形態に係る通信システムの一例を示す概略図である。 本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る順序決定処理の動作を示すフォローチャートである。 本実施形態に係る端末装置の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る通信システムの一例を示す概略図である。 本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る多重信号生成部の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る信号生成順序の割り当ての一例を示す概略図である。 本実施形態に係る信号生成順序の割り当ての別の一例を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る端末装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る信号生成順序の割り当ての一例を示す概略図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの一例を示す概略図である。この図において、通信システムは、基地局装置a1と複数の端末装置B1〜BNを具備する。なお、図1ではN=3であり、本実施形態ではN=3とするが、本発明はこれに限らず、N=2であってもN>3であってもよい。
基地局装置a1は、K本の送信アンテナa161〜a16Kを備える。なお、図1ではK=4であり、本実施形態ではK=4とするが、本発明はこれに限らず、1<K<4であってもK>4であってもよい。基地局装置a1は、同一時刻で同一周波数を用いて複数の端末装置宛の信号を空間多重して送信する。
端末装置Bn(n=1〜N;端末装置Bn各々を端末装置b1ともいう)は、J本の受信アンテナBn1〜BnJを備え、基地局装置a1から送信された信号を受信する。なお、図1ではJ、J、J=2であり、本実施形態ではJ、J、J=2とするが、本発明はこれに限らず、J、J、J>2であってもよい。また、J=J=Jでなくてもよく、この場合、J、J、Jのいずれかが1であってもよい。
MU−MIMO伝送では、端末装置B1〜BNへの信号間で干渉が生じる。基地局装置a1は、ある端末装置宛の信号に対して、他の端末装置宛の信号による干渉を除去するように、予めプレコーディングを施して伝送する。ここで、基地局装置a1は、端末装置BNのストリーム(信号系列)数(またはランク数とも言う)に基づいて、プレコーディングでの順序を決定する。なお、例えば、ストリーム数が「1」個である端末装置Bnでは、J本のアンテナで同じ信号系列の信号を受信してもよいし、いずれか1本のアンテナで受信してもよい。また、プレコーディングとは、本来送信すべき信号に何らかの処理を加えて、複数の送信信号を空間多重可能な信号に変換することである。
<基地局装置a1について>
図2は、本実施形態に係る基地局装置a1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、基地局装置a1は、受信アンテナa111、無線部a112、上位層部a12、符号化部a131−1〜a131−K、変調部a132−1〜a132−K、多重信号生成部a14、第2の参照信号生成部a151、第1の参照信号生成部a152、フィルタ乗算部a153、信号多重部a154、無線部a155−1〜a155−K、送信アンテナa161〜a16Kを含んで構成される。上位層部a12は、ストリーム数取得部a121、順序決定部a122、アプリケーション部a123、及び順序変更部a124を含んで構成される。多重信号生成部a14は、フィルタ算出部a141、干渉算出部a142、減算部a143−3〜a143−K、Modulo演算部a144−3〜a144−K、フィルタ乗算部a145を含んで構成される。
基地局装置a1は、BT(Block Trianglization)−THPを用いて、信号を空間多重して送信する。
基地局装置a1は、受信アンテナa111を用いて端末装置B1〜BNが送信した信号を受信する。受信アンテナa111で受信された信号は、無線部a112に入力される。
無線部a112は、入力された信号をダウンコンバートしてベースバンド信号を生成し、A/D(Analog to Digital)変換する。無線部a112は、A/D変換した信号を復調し、復調後の情報を上位層部a12に出力する。ここで、無線部a112は、復調後の情報のうち、各端末装置Bnの受信品質情報(CQI;Channel Quality Information)を受信品質取得部a123に出力し、伝搬路情報(CSI;Channel State Information)をフィルタ算出部a141に出力する。なお、各端末装置Bnの受信品質情報は、基地局装置a1からの信号の各端末装置での受信品質を示す情報であり、例えば、基地局装置a1から各端末装置Bnへの距離や基地局と端末の間の障害物の有無、端末が屋内、屋外のいずれに位置するか等に依存する。具体的には、受信品質情報が各端末装置Bnにおける受信SNR(Signal−to−Noise Ratio;信号対雑音比)を表すものである場合には、基地局装置a1近傍に位置する端末装置Bnでは高いSNRで信号が受信されるため、受信品質情報が示す受信品質も高い値となる。逆に、基地局装置a1から離れた場所に位置する端末装置Bnでは、受信品質情報が示す受信品質が低い値となる。
また、無線部a112は、復調後の情報のうち、端末装置Bn各々のストリーム数tを示すストリーム数情報、及び受信アンテナ数Jを示す受信アンテナ数情報をストリーム数取得部a121に出力する。
なお、基地局装置a1は、各端末装置Bnでの受信品質情報及び伝搬路情報に基づいて、各端末装置Bn宛(受信アンテナBn1宛でもある)の情報の符号化率、及び、変調方式を決定する。また、基地局装置a1は、決定した各端末装置Bn宛の情報の符号化率、及び、変調方式を示す制御情報を、各端末装置Bnに送信する。
上位層部a12のストリーム数取得部a121は、無線部a112から入力されたストリーム数情報及び受信アンテナ数情報を取得し、順序決定部a122に出力する。なお、ストリーム数取得部a121は、無線部a112から入力されたストリーム数情報、及び、トラフィック情報或いは各端末装置Bnの受信品質情報等のその他の情報に基づいて、各端末装置Bnのストリーム数tを決定してもよい。この場合、基地局装置a1は、決定したストリーム数tを示すストリーム数情報を、端末装置Bnに通知する。
順序決定部a122は、無線部a112から各端末装置Bnの受信品質情報を入力され、ストリーム数取得部a121からストリーム数情報及び受信アンテナ数情報を入力される。順序決定部a122は、入力された情報に基づいて、空間多重する端末装置Bnと、それらの端末装置Bnの信号生成順序cを決定する(順序決定処理という)。
具体的には、順序決定部a122は、ストリーム数情報が示すストリーム数tが大きい端末装置Bnの信号生成順序cが、ストリーム数tが小さい端末装置Bnの信号生成順序cより、先になるように信号生成順序cを決定する。なお、この場合、順序決定部a122は、ストリーム数tの小さい端末装置Bnの信号生成順序cが、ストリーム数tが大きい端末装置Bnの信号生成順序cより、後になるように信号生成順序cを決定することにもなる。
ここで、順序決定部a122は、ストリーム数tが同じである端末装置Bnが複数ある場合、それらの端末装置Bnについて、受信アンテナ数情報が示す受信アンテナ数Jが少ない端末装置Bnの信号生成順序cが、受信アンテナ数Jが多い端末装置Bnの信号生成順序cより、先になるように信号生成順序cを決定する。
また、順序決定部a122は、ストリーム数tも受信アンテナ数Jも同じである端末装置Bnが複数ある場合、それらの端末装置Bnについて、受信品質情報が示す受信品質が低い端末装置Bnの信号生成順序cが、受信品質が高い端末装置Bnの信号生成順序cより、先になるように信号生成順序cを決定する。
なお、順序決定処理において、受信アンテナ数J及び受信品質に基づく信号生成順序cは、上記の処理に限られない。例えば、順序決定部a122は、受信品質高い端末装置Bnの信号生成順序cが、受信品質が低い端末装置Bnの信号生成順序cより、先になるように信号生成順序cを決定してもよい。また、順序決定部a122は、受信アンテナ数J又は受信品質情報以外の情報に基づいて信号生成順序cを決定してもよく、例えば、ストリーム数tが同じである端末装置Bnをランダムに選択し、選択した順序を信号生成順序cとして決定してもよい。
順序決定部a122は、信号生成順序cを決定した端末装置Bnの識別情報、及び信号生成順序cを示す信号生成順序情報を順序変換部a124及びフィルタ算出部に出力する。
アプリケーション部a123には、ネットワークを介して入力された各端末装置Bn宛の情報を、順序変換部a124に出力する。なお、端末装置Bn宛の情報には、端末装置Bnの識別情報が付与されている。
順序変換部a124は、順序決定部a122から入力された識別情報と識別情報が一致する端末装置Bn宛の情報を選択する。順序変換部a124は、選択した端末装置Bn宛の情報を、順序決定部a122から入力された信号生成順序cに基づいて並び替える。以下、信号生成順序cがm番目の端末装置Bnの情報であって、端末装置Bnのj番目の受信アンテナ宛の情報を、情報D(i=j+Σs≦m−1)と表す。順序変換部a124は、情報Dを符号化部a131−iに出力する。
ここで、順序変換部a124は、端末装置Bnのストリーム数tが受信アンテナ数Jより小さい場合、情報D(i=1〜J−t)を複製し、それぞれ、情報Di+1〜DJnとする。これにより、情報D(i=1〜J−t)の信号が多重されることとなる。
符号化部a131−iは、アプリケーション部a123から入力された端末装置Bn宛の情報Dを、基地局装置a1が決定した符号化率であって端末装置Bn宛の情報の符号化率で符号化する。符号化部a131−nは、それぞれ、符号化した情報dを変調部a132−iに出力する。
変調部a132−iは、符号化部a131−iから入力された情報dを、基地局装置a1が決定した符号化率であって端末装置Bn宛の情報の変調方式で変調する。変調方式には、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)がある。変調部a132−iは、変調後の信号sを、多重信号生成部a14に出力する。
フィルタ算出部a141は、無線部a112から入力された伝搬路情報から伝搬行列Hを生成する。ここで、伝搬行列Hのi行k列要素Hik(k=1〜N)は、基地局装置a1の送信アンテナa16kと、端末装置Bmの受信アンテナBmjとの間の伝搬路推定値である。なお、フィルタ算出部a141は、順序決定部a122から入力された端末装置Bnの識別情報、及び信号生成順序情報に基づいて、要素Hikをiの順序に整列する。
フィルタ算出部a141、生成した伝搬行列Hに乗算した場合に、その行列が下方にブロック三角化される行列Mを算出する。ここで、ブロック三角化とは、行列成分を端末装置b1毎の要素(ブロック)とした場合に、ブロックでの非対角成分(非対角ブロックという)の一方の行列が0であることをいう(式(23)参照)。フィルタ算出部a141は、算出した行列Mをフィルタ係数としてフィルタ乗算部a145及びフィルタ乗算部a153に出力する。
フィルタ算出部a141は、伝搬行列Hに行列Mを乗算した結果の行列Aを示す情報を、干渉算出部a142に出力する。
干渉算出部a142は、フィルタ算出部a141から入力された情報が示す行列Aを用いて、変調部a132−i(i=3〜K)から入力された信号sに対する他の信号s(e≠i)からの干渉信号fを逐次生成する。具体的には、干渉算出部a142は、行列Aを用いて、干渉係数行列C={Diag(A)}−1A−Iを算出する。ここで、Diag(X)は、行列Xの非対角ブロックを0とした行列を表す。
干渉算出部a142は、変調部a132−iから入力された信号sを成分とするベクトルs’を逐次生成する。
干渉算出部a142は、干渉係数行列Cにベクトルs’を乗算することで、干渉信号fを生成する。具体的には、干渉算出部a142は、干渉信号fは、干渉係数行列Cに(s,s,0,0)を乗算した行列のうち第3成分、干渉信号fは、干渉係数行列Cに(s,s,0,0)を乗算した行列のうち第4成分を生成する。
なお、図2の一例では、干渉算出部a142は、信号sを成分とするベクトルs’のみ生成することとなるが、端末装置がN個以上ある場合には、Modulo演算部a144−(J+1)〜a144−(I―J)から信号sJ1+1〜sI―JNを入力されてもよい。この場合、干渉算出部a24−23は、信号s及び信号sJ1+1〜sI―JNを成分とするベクトルs’を逐次生成する。
干渉算出部a142は、生成した干渉信号fを、それぞれ、減算部a143−iに出力する。
減算部a143−iは、変調部a132−iから信号sを入力され、干渉算出部a142から干渉信号fを入力される。減算部a143−iは、信号sから干渉信号fを減算する。減算部a143−iは、減算後の信号s−fをModulo演算部a144−iに出力する。
Modulo演算部a144−iは、減算部a143−iから入力された信号s−fに対して、基地局装置a1が決定した各端末装置Bmの変調方式に基づくModulo演算(非線形演算)を行う。Modulo演算部a144−iは、Modulo演算後の信号s’を干渉算出部a142及びフィルタ乗算部a145に出力する。
フィルタ乗算部a145は、変調部a132−i(i=1〜Jm=1)から入力された信号s(信号s’とする)、及びModulo演算部a144−i(i=Jm=1〜K)から入力された信号s’を成分とするベクトルs’=(s’,s’,・・・,s’)を生成する。フィルタ乗算部a145は、フィルタ算出部a141から入力された情報が示すフィルタ係数に、生成したベクトルs’を乗算する。フィルタ乗算部a246は、乗算後のベクトルの成分の信号を、信号多重部a154に出力する。
第2の参照信号生成部a151は、送信アンテナa16k各々から送信するパイロット信号(参照信号)を生成する。パイロット信号とは、基地局装置a1及び端末装置b1間で既知の(予めその波形を記憶する)信号であり、複数の送信アンテナから送信されたパイロット信号が干渉し合わないように送信アンテナa161〜a164間で直交化される。なお、第2の参照信号生成部a151が生成したパイロット信号は、各端末装置b1において、基地局装置a1に通知する伝搬路情報を推定するために用いられる。第2の参照信号生成部a151は、生成したパイロット信号を信号多重部a154に出力する。
第1の参照信号生成部a152は、パイロット信号を生成する。パイロット信号とは、基地局装置a1及び端末装置b1間で既知の(予めその波形を記憶する)信号であり、複数の送信アンテナから送信されたパイロット信号が干渉し合わないように送信アンテナa161〜a164間で直交化される。なお、第1の参照信号生成部a152が生成したパイロット信号は、各端末装置b1において、空間多重された信号を分離するために用いられる。第1の参照信号生成部a152は、生成したパイロット信号をフィルタ乗算部a153に出力する。
フィルタ乗算部a153は、フィルタ算出部a141から入力された情報が示すフィルタ係数に、第1の参照信号生成部a152から入力されたパイロット信号を乗算する。フィルタ乗算部a153は、乗算後の信号を信号多重部a154に出力する。
信号多重部a154は、フィルタ乗算部a145、第2の参照信号生成部a151、フィルタ乗算部a153から入力された信号を多重する。ここで、第2の参照信号生成部a151から入力されたパイロット信号と、フィルタ乗算部a153から入力された信号とは、例えば、時間領域等で直交化され、多重される。また、信号多重部a154は、端末装置Bm(m≧2)に割り当てた帯域にModulo演算を行ったことを示す剰余演算情報の信号を制御情報の信号に含ませて配置する。なお、本発明はこれに限らず、剰余演算情報に代えて、ストリーム数tが最も小さい端末装置ではないことを示す情報を送信してもよい。
このような信号多重を行った後、信号多重部a154は、信号s’から生成されて出力された信号を、送信アンテナa16iで送信する帯域に配置する。
無線部a155−kは、信号多重部a154から入力された信号をD/A(Digital to Analog)変換する。無線部a155−kは、変換後の信号を、無線周波数にアップコンバートし、送信アンテナa16kを介して、端末装置Bnに送信する。
<順序決定処理について>
以下、順序決定部a122が行う順序決定処理について詳細を説明する。
図3は、本実施形態に係る順序決定処理の動作の一例を示すフォローチャートである。なお、順序決定部a122は、端末装置Bnの識別情報毎に、端末装置情報(端末識別情報、ストリーム数情報、受信アンテナ数情報、及び受信品質情報)を記憶する。
(ステップS101)順序決定部a122は、ストリーム数情報が示すストリーム数tの大きい順序に、端末装置情報を並び替える。その後、ステップS102に進む。
(ステップS102)順序決定部a122は、ストリーム数tの同じ端末装置情報があるか否かを判定する。ストリーム数tの同じ端末装置情報があると判定した場合(YES)、ステップS103に進む。一方、ストリーム数tの同じ端末装置情報がないと判定した場合(NO)、ステップS108に進む。
(ステップS103)順序決定部a122は、ステップS103でストリーム数tが同じと判定した端末装置情報を抽出する。その後、ステップS104に進む。
(ステップS104)順序決定部a122は、ステップS103で抽出した端末装置情報を、ストリーム数t毎に、受信アンテナ数情報が示す受信アンテナ数Jの少ない順序に並び替える。その後、ステップS105に進む。
(ステップS105)順序決定部a122は、受信アンテナ数Jの同じ端末装置情報が複数あるか否かを判定する。受信アンテナ数Jの同じ端末装置情報があると判定した場合(YES)、ステップS106に進む。一方、受信アンテナ数Jの同じ端末装置情報がないと判定した場合(NO)、ステップS108に進む。
(ステップS106)順序決定部a122は、ステップS105で受信アンテナ数Jが同じと判定した端末装置情報を抽出する。その後、ステップS107に進む。
(ステップS107)順序決定部a122は、ステップS106で抽出した端末装置情報を、ストリーム数t及び受信アンテナ数Jに、受信品質が低い順序に並び替える。その後、ステップS108に進む。
(ステップS108)順序決定部a122は、選択数xに初期値「0」を代入する。その後、ステップS109に進む。
(ステップS109)順序決定部a122は、選択数xにx+1を代入する。その後、ステップS110に進む。
(ステップS110)順序決定部a122は、選択数xが奇数である(x=2y−1;yは自然数)か否かを判定する。選択数xが奇数であると判定した場合(YES)、ステップS111に進む。一方、選択数xが奇数でない(x=2y)と判定した場合(NO)、ステップS112に進む。
(ステップS111)順序決定部a122は、ステップS101、S104、及びS107で並び替えた順序が、y番目に大きい端末装置情報に、信号生成順序c=C−y−1を割り当てる。つまり、順序決定部a122は、y番目にストリーム数tが大きい端末装置Bnに、信号生成順序c=C−y−1を割り当てる。なお、Cの値は、ステップS115で決定される。その後、ステップS113に進む。
(ステップS112)順序決定部a122は、ステップS101、S104、及びS107で並び替えた順序が、y番目に小さい端末装置情報に、信号生成順序c=yを割り当てる。つまり、順序決定部a122は、y番目にストリーム数tが小さい端末装置Bnに、信号生成順序c=yを割り当てる。その後、ステップS113に進む。
(ステップS113)順序決定部a122は、ステップS111びステップS112で選択した端末装置情報の受信アンテナ数Jの合計が、送信アンテナ数K以下であるか否かを判定する。受信アンテナ数の合計が送信アンテナ数K以下である場合(YES)、ステップS114に進む。一方、受信アンテナ数の合計が送信アンテナ数Kより大きい場合(NO)、ステップS109に戻る。
(ステップS114)順序決定部a122は、最後に選択した端末装置情報(ステップS111又はステップS112のいずれかで選択した端末装置情報)に割り当てた信号生成順序cを削除することで、この端末装置情報への割り当てをキャンセルする。その後、ステップS115に進む。
(ステップS115)順序決定部a122は、信号生成順序cを割り当てた端末装置情報の数を計数する。順序決定部a122は、計数結果をCに代入する。これにより、順序決定部a122がCを確定し、端末装置情報に対して信号生成順序cの値が割り当てられる。つまり、順序決定部a122は、端末装置情報の識別情報が示す端末装置Bnに対して、信号生成順序cを決定する。その後、動作を終了する。
なお、順序決定部a122が行う順序決定処理は、図3の動作に限られず、ストリーム数tが多い受信装置Bn宛の信号の少なくとも1つを、ストリーム数tが少ない受信装置Bn宛の信号よりも、先の順序に決定する処理であればよい。
図3の順序決定処理によって、例えば、以下のようになる。
図1の通信システムにおいて、端末装置B1、B3のストリーム数がt1、=2であり、端末装置B2のストリーム数がt=1である場合には、順序決定部a122は、次のように、空間多重する端末装置Bn、及び、それらの端末装置Bnの信号生成順序cを決定することとなる。ただし、端末装置B1の受信品質は、端末装置B3の受信品質より高いものとする。
図3において、順序決定部a122は、ステップS101で、端末装置B1、B3、B2の順序、又は、端末装置B3、B1、B2の順序に端末装置情報を並び替える。順序決定部a122は、ステップS103で、端末装置B1、B3の端末装置情報を抽出する。その後、これらの端末装置情報の順序は決まらず、順序決定部a122は、ステップS106で、端末装置B1、B3の端末装置情報を抽出する。順序決定部a122は、ステップS107で、端末装置B3、B1の順序に端末装置情報を並び替える。つまり、順序決定部a122は、端末装置B3、B1、B2の順序に端末装置情報を並び替えることとなる。
順序決定部a122は、ステップS111で、端末装置B2の端末装置情報にc=Cを割り当てる。順序決定部a122は、ステップS113で受信アンテナ数の合計J(=1)が送信アンテナ数K(=4)以下であると判定する。順序決定部a122は、ステップS112で、端末装置B3の端末装置情報にc=1を割り当てる。順序決定部a122は、ステップS113で受信アンテナ数の合計J+J(=3)が送信アンテナ数K(=4)以下であると判定する。順序決定部a122は、ステップS111で、端末装置B1の端末装置情報にc=C−1を割り当てる。順序決定部a122は、ステップS113で受信アンテナ数の合計J+J+J(=5)が送信アンテナ数K(=4)より大きいと判定する。順序決定部a122は、ステップS114で、直近の割り当て(直近のステップS111での割り当て)をキャンセルする。つまり、端末装置B3、B2の端末装置情報に信号生成順序cが割り当てられていることとなる。順序決定部a122は、ステップS115で、計数した結果、C=2とする。したがって、順序決定部a122は、端末装置B3、B2の端末装置情報に対して、それぞれ、信号生成順序「1」、「2」を決定する。
この場合、順序変換部a124は、信号生成順序c=1である端末装置B3の1、2番目の受信アンテナ宛の情報D、Dを、それぞれ、符号化部a131−1、a131−2に出力することとなる。また、順序変換部a124は、信号生成順序c=2である端末装置B2の1番目の受信アンテナ宛の情報Dを複製することとなる。順序変換部a124は、複製した情報を情報Dとし、情報D、Dを、それぞれ、符号化部a131−3、a131−4に出力することとなる。つまり、複製して送信する数が多い端末装置Bn宛の信号は、多重数が少ない端末装置Bnと比較して、iが小さい符号化部a131−iに出力されることとなる。
<多重信号生成部a14での処理について>
図1の通信システム(K=4、N=3、J、J、J=2)では、図2の構成により、多重信号生成部a14での処理は、以下の処理となる。
フィルタ算出部a141は、次式(1)の伝搬行列Hを生成する。
Figure 0005627080
ここで、伝搬行列Hの1、2行の要素Hikは、1番目にストリーム数tが小さい端末装置Bnの伝搬路推定値である。伝搬行列Hの3、4行の要素Hikは、1番目にストリーム数tが大きい端末装置Bnの伝搬路推定値である。
フィルタ算出部a141は、伝搬行列Hを端末装置n毎に抽出する(伝搬行列Hという)。具体的には、フィルタ算出部a141は、次式(2)、(3)を抽出する。
Figure 0005627080
フィルタ算出部a141は、式(4)のように、伝搬行列Hを特異値分解する。
Figure 0005627080
ここで、行列Vは4行4列のユニタリ行列であり、ここで、行列UをU’と定義する。フィルタ算出部a141は、行列Vは行列Vの左半分(1、2列)である4行2列の行列と、左半分(3、4列)である4行2列の行列をそれぞれ行列V1,1と行列V1,2として抽出する。フィルタ算出部a141は、行列V1,2に行列Hを乗算した行列を特異値分解することで、行列V’を算出する。具体的には、フィルタ算出部a141は、次式(5)、(6)を満たすVを算出する。
Figure 0005627080
フィルタ算出部a141は、行列Mを、次式(7)によって算出する。
Figure 0005627080
フィルタ乗算部a145は、式(7)の行列Mをフィルタ係数として、信号に乗算する。
式(7)の行列Mに伝搬路行列Hを乗算する。基地局装置a1において送信信号に式(7)のプレコーディングを行って送信され、伝搬路を介して受信された信号は、端末装置側では、式(7)の行列Mに伝搬路行列Hを乗算された伝搬路と等価な伝搬路を介したものと同じになる。この等価な伝搬路は、次式(8)となる。
Figure 0005627080
式(8)は、基地局装置a1と端末装置b1の間の、フィルタ係数も含めた等価的な伝搬路を表す。また、式(8)は、ブロック三角化されていることを示す。なお、本実施形態では、フィルタ係数として式(8)を用いる場合について説明をしたが、本発明はこれに限らず、フィルタ算出部a145が算出するフィルタ係数は、伝搬路行列Hを乗算したときに、乗算後の行列をブロック三角化するフィルタ係数であればよい。
式(8)の非対角成分は、ストリーム数tが大きい端末装置Bn宛の信号が、ストリーム数tが小さい端末装置Bnに届き、干渉信号となることを示す。干渉算出部a142は、この干渉信号を算出する。具体的には、干渉算出部a142は、次式(9)を用いて干渉信号f、fを算出する。
Figure 0005627080
なお、この場合、次式(10)の関係が満たされる。
Figure 0005627080
式(10)において、ストリーム数tが大きい端末装置Bn宛の信号s、sに対して乗ずる行列(要素はA11、A12、A21、A22)の固有値をd、dとし、ストリーム数tが小さい端末装置Bn宛の信号s、sに対して乗ずる行列(要素はA33、A34、A43、A44)の固有値をd、dとすると、d>d>d>dとなる。したがって、仮に、送信信号s、sとs、sが同じ振幅であった場合、受信信号sの振幅が受信信号sの振幅より大きくなり、受信信号sの振幅が受信信号sの振幅より大きくなる。
減算部a143−3〜a143−4は、それぞれ、干渉算出部a142が算出した干渉信号f、fを信号s、sから減算する。これにより、式(10)の右辺に示すように、送信信号ベクトルsに対して、ブロック対角化された行列を乗じた信号が受信されることとなる。つまり、複数の端末装置宛の信号が互いに干渉し合わないように、空間多重を実現することができる。
Modulo演算部a144−iは、次式(11)で表されるModulo演算を行う。
Figure 0005627080
ここで、Re[u]、およびIm[u]はそれぞれ複素数uの実部、虚部を表している。床関数演算は、w以上の最小の整数を表している。jはj=−1となる虚数単位である。なお、式(4)の第2項目、第3項目は、uの実部と虚部の大きさがτの整数倍であることを示している。なお、τは信号sに施された変調の変調方式によって決まる定数である。例えば、QPSK(quadrature phase−shift keying;四位相偏移変調)ではτ=2√2、16QAM(Quadrature amplitude modulation;直交振幅変調)では、τ=8/√10、64QAMではτ=16/√42である。
基地局装置a1は、Modulo演算を行うことにより、干渉減算後の信号の振幅が所定の幅に収めるように送信信号の振幅を制限することができ、送信電力の増大を抑えることができる。
<端末装置b1について>
図4は、本実施形態に係る端末装置b1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、端末装置b1は、受信アンテナb111−1(Bn1)、b111−2(Bn2)、無線部b112−1、b112−2、信号分離部b113−1、b113−2、制御信号処理部b114−1、b114−2、伝搬路推定部b115、係数推定部b116、MIMO多重分離部b117、剰余判定部b118−1、b118−2、Modulo演算部b119−1、b119−2、復調部b120−1、b120−2、復号部b121−1、b121−2、上位層部b122、無線部b123、及び、送信アンテナb124を含んで構成される。
無線部b112−j(j=1、2)は、受信アンテナb111−jを介して信号を受信する(端末装置Bmが受信する信号が受信信号y)。この信号には、パイロット信号、端末装置Bm宛の情報の信号、及び、制御情報の信号が含まれている。無線部b112−jは、受信した信号をダウンコンバートしてベースバンド信号を生成し、A/D(Analog to Digital)変換する。無線部b112−jは、変換後の信号を信号分離部b113−jに出力する。
信号分離部b113−jは、無線部b112−jから入力された信号分離する。信号分離部b113−jは、分離した信号のうち、制御情報の信号を制御情報受信部b113−jに出力し、パイロット信号を伝搬路推定部b115に出力する。信号分離部b113−jは、分離した信号のうち、自装置宛の情報の信号をMIMO多重分離部b117に出力する。
制御信号処理部b114−jは、信号分離部b113−jから入力された制御情報の信号を復調及び復号する。制御信号処理部b114−jは、復号した制御情報のうち、剰余演算情報及び変調方式を、それぞれ、剰余判定部b118−j及びModulo演算部b119−jに出力する。なお、制御信号処理部b114−jは、復号した制御情報のうち、符号化率及び変調方式の情報を、それぞれ復調部b120−j及び復号部b121−jに出力する(図示せず)。
伝搬路推定部b115は、信号分離部b113−jから入力されたパイロット信号のうち、第2の参照信号生成部a151が生成したパイロット信号に基づいて、アンテナ毎の伝搬路推定値を推定する。また、伝搬路推定部b115は、このパイロット信号を用いて受信品質の測定を行う。なお、この測定は、データ信号とは異なるフレームで送信されたパイロット信号を用いて行ってもよい。伝搬路推定部b115は、推定した伝搬路推定値を示す伝搬路情報、及び測定した受信品質を示す受信品質情報を上位層部b122に出力する。
伝搬路推定部b115は、信号分離部b113−jから入力されたパイロット信号のうち、第1の参照信号生成部a152が生成したパイロット信号に基づいて、自装置宛の信号が経由した等価伝搬路(基地局装置a1で乗算されたフィルタ係数も含めた伝搬路)の伝搬路推定値を推定する。伝搬路推定部b115は、推定した等価伝搬路の伝搬路推定値を示す等価伝搬路推定情報を、係数推定部b116に出力する。
係数推定部b116は、伝搬路推定部b115から入力された等価伝搬路推定情報に基づいて、式(7)のフィルタ係数を算出してMIMO多重分離部b117に出力する。
MIMO多重分離部b117は、伝搬路推定部b115から入力された伝搬路情報に基づいて、伝搬行列Hを生成する。MIMO多重分離部b117は、生成した伝搬行列H及び係数推定部b116から入力されたフィルタ係数に基づいて、信号を抽出する。
具体的には、MIMO多重分離部b117は、式(4)の行列U’、又は、式(6)の行列U’を算出する。なお、基地局装置b3は、各端末装置が端末装置B1であるか又はB2であるかを示す情報を、各端末装置に対して予め送信し、MIMO多重分離部b117は、この情報に基づいて行列U又はU’を算出してもよい。
MIMO多重分離部b117は、算出した行列Un,n、行列U’又は行列U’を信号分離部b113−1、b113−2から入力された信号に乗算する。例えば、式(8)の行列の積HMにU’を乗算した行列は、D’(対角行列)となるので、MIMO多重分離部b117は、D’を除算することで信号を抽出する。以上のように、MIMO多重分離部b117は、各ストリームの信号を抽出する。MIMO多重分離部b117は、抽出した信号を、受信アンテナb111−1、b111−2毎にそれぞれ剰余判定部b118−1、b118−2に出力する。
剰余判定部b118−jは、制御信号処理部b114−jから剰余演算情報が入力された場合、伝搬路補償部b117から入力された信号をModulo演算部b119−jに出力する。一方、剰余判定部b118−jは、制御信号処理部b114−jから剰余演算情報が入力されなかった場合、伝搬路補償部b117−jから入力された信号を復調部b120−jに出力する。この構成により、ストリーム数tが大きい端末装置Bnの剰余判定部b118−jは入力された信号を復調部b120−jに出力し、ストリーム数tが小さい端末装置Bnの剰余判定部b118−jは入力された信号をModulo演算部b119−jに出力することとなる。
なお、本実施形態では、剰余演算情報は、Modulo演算を行ったことを示す情報である場合について説明をした。しかし、本発明はこれに限らず、剰余演算情報は、Modulo演算を行わないことを示す情報であってもよい。この場合、剰余判定部b118−jは、剰余演算情報が入力されない場合には、信号をModulo演算部b119−jに出力し、剰余演算情報が入力された場合には、信号を復調部b120−jに出力する。
Modulo演算部b119−jは、基地局装置a1と同じModulo演算(式(11)で表されるModulo演算)を行う。ここで、Modulo演算部b119−jは、制御信号処理部b114−jから入力された情報が示す変調方式に対応するτを選択し、そのτを用いてModulo演算を行う。Modulo演算部b119−jは、演算後の信号を復調部b120−jに出力する。
復調部b120−jは、剰余判定部b118−j又はModulo演算部b119−jから入力された信号を、制御信号処理部b114−jから入力された情報が示す変調方式を用いて復調する。復調部b120−jは、信号を復調した情報を復号部b121−jに出力する。
復号部b121−jは、復調部b120−jから入力された情報を、制御信号処理部b114−jから入力された情報が示す符号化率に基づいて、復号する。復調部b120−jは、復号した情報を上位層部b122に出力する。
上位層部b122は、復号部b121−jから入力された情報を出力部(図示せず)に出力し、又は入力された情報に基づいて端末装置b1を制御する。上位層部b122は、伝搬路推定部b115から入力された受信品質情報及び伝搬路情報を、基地局装置a1宛の信号として無線部b123に出力する。
無線部b123は、上位層部b122から入力された情報を変調し、変調した信号をD/A変換する。無線部b123は、変換後の信号を、無線周波数にアップコンバートし、送信アンテナb124を介して、基地局装置a1に送信する。
このように、本実施形態では、基地局装置a1は、ストリーム数tが多い受信装置Bn宛の信号の少なくとも1つを、ストリーム数tが少ない受信装置Bn宛の信号よりも、先の順序に決定する。基地局装置a1は、決定した信号生成順序cに従ってプレコーディングした信号を送信する。端末装置Bnは、基地局装置a1が送信した信号を受信する。これにより、本実施形態では、基地局装置a1は、ストリーム数tが多い受信装置Bn宛の信号に対して、ストリーム数tが少ない受信装置Bn宛の信号と比較して、大きな値を乗算することができ、ストリーム数tが多い受信装置Bn宛の信号の受信品質を高くすることができる。したがって、ストリーム数tが多く、送信する情報が多い受信装置Bn宛の信号で誤りが増加することを防止して、伝送効率を向上することができる。
なお、本実施形態では、MIMO多重分離部b117が行列U’又は行列U’を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、基地局装置a2がこれらの行列を算出し、算出した行列の情報を端末装置b2に送信してもよい。この場合、端末装置b2のMIMO多重分離部b117は、受信した行列の情報を用いて信号を抽出する。また、MIMO多重分離部b117は他の処理で信号を抽出してもよい。例えば、他の各端末装置における2つの受信信号をMMSE(Minimum Mean Square Error)やMLD(Maximum Likelihood Detection)で分離してもよい。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、同じストリーム数tの端末装置がある場合に、基地局装置が、それらの端末装置に割り当てる信号生成順序cを時間に応じて切り替える場合について説明をする。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る通信システムの一例を示す概略図である。この図において、通信システムは、基地局装置a2と複数の端末装置B1〜BN(図5ではN=5)を具備する。基地局装置a2は、K本の送信アンテナa161〜a16K(図5ではK=6)を備える。
端末装置Bnは、J本の受信アンテナBn1〜BnJ(図4ではJ〜J=2)を備え、基地局装置a1から送信された信号を受信する。
図6は、本実施形態に係る基地局装置a2の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る基地局装置a2(図6)と第1の実施形態に係る基地局装置a1(図2)とを比較すると、順序決定部a222及び多重信号生成部a24が異なる。しかし、他の構成要素が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
なお、基地局装置a2では、送信アンテナ数がK=6本であるため、それに対応して、符号化部a131−5、a131−6、変調部a132−5、a132−6、無線部a155−5、a155−6、及び送信アンテナa165、a165を備える点が第1の実施形態とは異なる。これらの構成は、符号化部a131−i、変調部a132−i、無線部a155−i、送信アンテナa16kとして、第1の実施形態で説明したので、説明は省略する。
順序決定部a222は、ストリーム数tが同じ端末装置情報に対して、割り当てる信号生成順序cが変化するように、信号生成順序cを割り当てる。具体的には、順序決定部a222は、ストリーム数tが同じ端末装置情報について、予め定めた時間毎に、信号生成順序cが巡回するように、信号生成順序cを割り当てる(図8、図9参照)。
図7は、本実施形態に係る多重信号生成部a24の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る多重信号生成部a24(図7)と第1の実施形態に係る基地局装置a1の多重信号生成部a14(図2)とを比較すると、減算部a143−5、a143−6、及び、Modulo演算部a144−5、a144−6が異なる。これらの構成は、第1の実施形態での減算部a143−i、及び、Modulo演算部a144−iと同じ機能を持つので、説明は省略する。
図8は、本実施形態に係る信号生成順序cの割り当ての一例を示す概略図である。この図は、端末装置B2とB3のストリーム数t、tが同じである場合のものである。順序決定部a222は、ストリーム数tが同じ端末装置B2とB3の端末装置情報に割り当てる信号生成順序2、3を、予め定めた時間単位(例えば、シンボル単位)で交互に入れ替える。
図8に示すように、時刻1では端末装置B2、B3の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序2、3が割り当てられている。また、時刻2では端末装置B2、B3の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序3、2が割り当てられている。時刻3では端末装置B2、B3の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序2、3が割り当てられている。なお、順序決定部a222は、以後の時刻2d+1、2d+2(dは自然数)では、それぞれ、時刻1、2と同じ割り当てをする。
図9は、本実施形態に係る信号生成順序cの割り当ての別の一例を示す概略図である。この図は、端末装置B3、B4、及びB5のストリーム数t、t、及びtが同じである場合のものである。順序決定部a222は、ストリーム数tが同じ端末装置B3、B4、及びB5の端末装置情報に割り当てる信号生成順序2、3、4を、予め定めた時間単位で交互に入れ替える。なお、図9の一例では、順序決定部a222は、信号生成順序2、3、4を巡回して入れ替えているが、本発明は巡回に限られない。また、巡回する場合でも、巡回する順序も端末装置B3、B4、及びB5の順序に限られず、例えば、端末装置B4、B3、B5の順序で信号生成順序2、3、4を巡回して割り当ててもよい。
図9に示すように、時刻1では端末装置B3、B4、B5の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序2、3、4が割り当てられている。また、時刻2では端末装置B3、B4、B5の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序3、4、2が割り当てられている。時刻3では端末装置B3、B4、B5の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序4、3、2が割り当てられている。なお、順序決定部a222は、以後の時刻3d+1、3d+2、3d+3(dは自然数)では、それぞれ、時刻1、2、3と同じ割り当てをする。
このように、本実施形態では、基地局装置a2は、ストリーム数tが同じ端末装置情報に対して、割り当てる信号生成順序cが変化するように、信号生成順序cを割り当てる。これにより、本実施形態では、ストリーム数tが同じ端末装置Bn間で、乗算される値が常に異なり、受信品質の差が大きくなることを防止することができる。
なお、本実施形態において、信号生成順序cを入れ替える時間単位を、シンボル単位とする一例を示した。しかし、本発明はこれに限らず、シンボル単位より長い時間単位であっても短い時間単位であってもよく、例えば、フレーム単位としてもよい。また、信号生成順序cの入れ替えは、予め定めた周波数毎に行ってもよく、例えば、サブキャリア単位、サブキャリアグループ単位で入れ替えてもよい。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、プレコーディングとして、QR−THP(QR−Tomlinson−Harashima Precoding)を用いる場合について説明をする。
上記各実施形態では、プレコーディングによって得られる等価的な伝搬路がユーザごとにブロック対角化された伝搬路行列であった。本実施形態に係るプレコーディングでは、QR分解を用いることにより、1ストリームごとに対角化された伝搬路行列となる。これにより、端末装置の各受信アンテナにおける受信信号は、1つの希望信号成分のみとなり、上記各実施形態のように、各端末装置においてMIMO多重分離の処理をする必要がなくなる。
なお、本実施形態に係る通信システムの一例を示す概略図は、第1の実施形態のもの(図1)と同じであるので、説明は省略する。以下、本実施形態に係る基地局装置を基地局装置a3といい、端末装置を端末装置b3という。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る基地局装置a3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る基地局装置a3(図10)と第1の実施形態に係る基地局装置a1(図2)とを比較すると、順序変換部a324、フィルタ算出部a341、及び、干渉算出部a342が異なる。しかし、他の構成要素が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
なお、基地局装置a3は、減算部a143−2、及びModulo演算部a144−2を備える点が異なる。これらの構成は、第1の実施形態での減算部a143−i、及びModulo演算部a144−iと同じ機能を持つので、説明は省略する。
順序変換部a324は、順序決定部a122から入力された識別情報と識別情報が一致する端末装置Bn宛の情報を選択する。順序変換部a324は、選択した端末装置Bn宛の情報を、順序決定部a122から入力された信号生成順序cに基づいて並び替える。順序変換部a324は、情報Dを符号化部a131−iに出力する。ここで、順序変換部a324は、端末装置Bnのストリーム数tが受信アンテナ数Jより小さい場合、情報Di+1〜DJnは出力しない。ただし、本発明はこれに限らず、順序変換部a324は、順序変換部a124と同様にして、情報Dを複製し、それぞれ、情報Di+1〜DJnとしてもよい。
フィルタ算出部a341は、無線部a112から入力された伝搬路情報から伝搬行列Hを生成する。ここで、フィルタ算出部a341は、順序決定部a122から入力された端末装置Bnの識別情報、及び信号生成順序情報に基づいて、要素Hikをiの順序に整列する。
フィルタ算出部a341は、生成した伝搬行列Hの複素共役転置(エルミート共役)行列HをQR分解して、行列R及び行列Qを算出する。QR分解とは、行列をユニタリ行列Qと上三角行列Rに分解することである。フィルタ算出部a341は、算出した行列Rを示す情報を干渉算出部a342に出力する。
干渉算出部a342は、フィルタ算出部a341から入力された情報が示す行列Rを用いて、順序変換部a124から入力された信号sに対する他の信号s(e≠i)からの干渉信号fを逐次生成する。具体的には、干渉算出部a342は、行列Rを用いて、干渉係数行列C={diag(R)}−1−Iを算出する。
干渉算出部a342は、順序変換部a124から入力された信号s、及びModulo演算部a143−2〜a143−(i−1)から入力された信号s’〜si−1’を成分とするベクトルs’を逐次生成する。干渉算出部a342は、干渉係数行列Cにベクトルs’を乗算することで、干渉信号fを生成する。
干渉算出部a342は、生成した干渉信号fを、それぞれ、減算部a143−iに出力する。
<多重信号生成部a34での処理について>
上記の構成により、多重信号生成部a34での処理は、以下の処理となる。
フィルタ算出部a341は、上記の式(1)の伝搬行列Hを生成する。
フィルタ算出部a341は、伝搬路行列Hを三角化するためのフィルタ係数Qを算出する。具体的には、フィルタ算出部a341は、次式(12)に示すように、伝搬行列Hの複素共役転置行列HをQR分解して、行列R及びフィルタ係数(行列Q)を算出する。
Figure 0005627080
前述のように、フィルタ算出部a341は、この行列Rを用いて干渉係数行列C={diag(R)}−1−Iを算出する。減算部a143−iが出力する減算後の信号s−fは次式(13)で表される。
Figure 0005627080
Modulo演算部a144−iは、次式(14)で表されるModulo演算を行う。
Figure 0005627080
ここで、Re[u]、およびIm[u]はそれぞれ複素数uの実部、虚部を表している。床関数演算は、w以上の最小の整数を表している。jはj=−1となる虚数単位である。なお、式(14)の第2項目、第3項目は、uの実部と虚部の大きさがτの整数倍であることを示している。なお、τは信号sに施された変調の変調方式によって決まる定数である。例えば、QPSK(Quadrature Phase−Shift Keying;四位相偏移変調)ではτ=2√2、16QAM(Quadrature Amplitude modulation;直交振幅変調)では、τ=8/√10、64QAMではτ=16/√42である。
基地局装置a3は、Modulo演算を行うことにより、干渉減算後の信号の振幅が所定の幅に収めるように送信信号の振幅を制限することができ、送信電力の増大を抑えることができる。
Modulo演算部a145−iが出力する信号は、例えば、信号s’が次式(15)で表される。
Figure 0005627080
伝搬路行列Hにフィルタ係数を乗算すると、次式(16)となる。
Figure 0005627080
式(16)は、基地局装置a3と端末装置b3の間の、フィルタ係数も含めた等価的な伝搬路を表す。なお、フィルタ算出部a341のフィルタ係数の算出処理は、QR分解でなくてもよい。つまり、フィルタ算出部a341は、伝搬路行列Hに乗じた場合に三角行列になる行列をフィルタ係数として算出すればよい。
各端末装置Bnのj番目の受信アンテナ宛での受信信号yを成分とする受信信号ベクトルy=(y,y,y,y)は次式(7)で表される。
Figure 0005627080
ここで、QR分解の性質からR44<R33<R22<R11である。前述のように、順序変換部a124は、ストリーム数tが多い端末装置Bnの順序に信号Sを並び替えている。これにより、基地局装置a2は、ストリーム数tが多く、単位時間当たりで送信する情報量が多い端末装置Bn宛の信号sの振幅を大きくし、ストリーム数tが少なく、単位時間当たりで送信する情報量が少ない端末装置Bn宛の信号sの振幅を小さくすることができる。よって、基地局装置a1は、ストリーム数tが多い端末装置a3の誤り率を低減することができ、伝送効率を向上することができる。換言すれば、ストリーム数tが少ない端末装置a3では誤り率が高くなる可能性があるが、その場合でも、ストリーム数tが少ないので通信システム全体としての伝送効率の低下に与える影響を低減できる。
図11は、本実施形態に係る端末装置b3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る端末装置b3(図11)と第1の実施形態に係る端末装置b1(図4)とを比較すると、伝搬路補償部b317が異なる。また、端末装置b3は、端末装置b1の係数推定部b116を備えない点が異なる。
伝搬路補償部b317は、伝搬路推定部b115から入力された伝搬路情報が示す伝搬路推定値に応じて信号を除算することによって、伝搬路補償する。伝搬路補償部b116は、伝搬路補償した信号のうち、受信アンテナb111−jで受信した信号を、剰余判定部b118−jに出力する。
このように、本実施形態では、基地局装置a3は、ストリーム数tが多い受信装置Bn宛の信号の少なくとも1つを、ストリーム数tが少ない受信装置Bn宛の信号よりも、先の順序に決定する。基地局装置a3は、決定した信号生成順序cに従ってプレコーディングした信号を送信する。端末装置Bnは、基地局装置a3が送信した信号を受信する。これにより、本実施形態では、基地局装置a3は、ストリーム数tが多い受信装置Bn宛の信号に対して、ストリーム数tが少ない受信装置Bn宛の信号と比較して、大きな値を乗算することができ、ストリーム数tが多い受信装置Bn宛の信号の受信品質を高くすることができる。したがって、ストリーム数tが多く、送信する情報が多い受信装置Bn宛の信号で誤りが増加することを防止して、伝送効率を向上することができる。
なお、上記第3の実施形態において、順序決定部a122は、先頭又は最後の信号生成順序cを固定し、それ以外の信号生成順序cを受信アンテナ毎又は端末装置毎に入れ替えてもよい。例えば、順序決定部a122は、次のように、パターンを定めておき、予め定められた時間毎にパターンを変更してもよい。
図12は、本実施形態に係る信号生成順序cの割り当ての一例を示す概略図である。この図は、信号生成順序cの先頭(信号生成順序「1」)を固定し、それ以外の信号生成順序cを受信アンテナ毎に入れ替えた2つのパターンを示す図である。
図12に示すように、「パターン1」では、端末装置B1の受信アンテナB11、端末装置B1の受信アンテナB12、端末装置B2の受信アンテナB11の順序で、それぞれ、信号生成順序1、2、3が割り当てられている。
「パターン2」では、端末装置B1の受信アンテナB11、端末装置B2の受信アンテナB11、端末装置B1の受信アンテナB12の順序で、それぞれ、信号生成順序1、2、3が割り当てられている。
上記各実施形態において、順序決定部a122が、並び替えた順序がy番目に大きい端末装置情報に信号生成順序cを割り当て、その後、y番目に小さい端末装置情報に信号生成順序cを割り当てることを繰り返す場合について説明した。しかし、本発明はこれに限らす、順序決定部a122は、y番目に小さい端末装置情報に信号生成順序cを割り当て、その後、y番目に大きい端末装置情報に信号生成順序cを割り当てることを繰り返してもよい。また、順序決定部a122は、交互に割り当てなくてもよい。
このように、順序決定部a122は、ストリーム数が多い端末装置Bn宛の信号の少なくとも1つを、それより、ストリーム数が少ない端末装置Bn宛の信号よりも、先の順序に決定すればよい。
なお、上記実施形態において、順序決定部a122は、ストリーム数tが同じである端末装置Bnが複数ある場合、それらの端末装置Bnに割り当てる信号生成順序cを、以下のように、決定してもよい。
順序決定部a122は、端末装置Bnの伝送速度の小さい順序、データ量の多い順序に選択する。データ量の少ない順序、符号化率、変調多値数が小さい順序、再送回数が多い順序に、信号生成順序cを決定してもよい。
なお、上述した実施形態における基地局装置a1、a2及び端末装置b1、b2の一部、例えば、受信品質取得部a123、プレコーディング決定部123、a223、順序変換部a141、フィルタ算出部a141、a24−12、a24−22、干渉算出部a142、減算部a143−2〜a143−N、Modulo演算部a144−2〜a144−N、フィルタ乗算部a145、a246、及びプレコーディング選択部a240をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、基地局装置a1、a2又は端末装置b1、b2に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における基地局装置a1、a2及び端末装置b1、b2の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。基地局装置a1、a2及び端末装置b1、b2の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
a1、a2、a3・・・基地局装置、B1〜5、b1、b3・・・端末装置、a111・・・受信アンテナ、a112・・・無線部、a12、a22、a32・・・上位層部、a131−1〜a131−N・・・符号化部、a132−1〜a132−N・・・変調部、a14、a24、a34・・・多重信号生成部、a151・・・第2の参照信号生成部、a152・・・第1の参照信号生成部、a153・・・フィルタ乗算部、a154・・・信号多重部、a155−1〜a155−K・・・無線部、a161〜a16K・・・送信アンテナ、a121・・・ストリーム数取得部、a122、a222・・・順序決定部、a123・・・アプリケーション部、a124、a324・・・順序変換部、a141・・・フィルタ算出部、a142・・・干渉算出部、a143−2〜a143−N・・・減算部、a144−2〜a144−N・・・Modulo演算部、a145・・・フィルタ乗算部、B11〜B51、b111−1、b111−2・・・受信アンテナ、b112−1、b112−2・・・無線部、b113−1、b113−2・・・信号分離部、b114−1、b114−2・・・制御信号処理部、b115・・・伝搬路推定部、b116・・・係数推定部、b117・・・MIMO多重分離部、b317・・・伝搬路補償部、b118−1、b118−2・・・剰余判定部、b119−1、b119−2・・・Modulo演算部、b120−1、b120−2・・・復調部、b121−1、b121−2・・・復号部、b122・・・上位層部、b123・・・無線部、b124・・・送信アンテナ

Claims (6)

  1. 複数の受信装置と、前記複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置と、を具備する通信システムであって
    前記送信装置は、前記空間多重にTHPに基づくプレコーディングを用い、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記THPにおける信号生成順序を決定し、
    前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする通信システム。
  2. 前記信号の信号系列の数に関する情報は、前記受信装置が前記送信装置に通知した信号の信号系列の数を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置であって
    前記空間多重にTHPに基づくプレコーディングを用い、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記THPにおける信号生成順序を決定し、
    前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする送信装置。
  4. 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置における送信制御方法であって
    送信装置が、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定する過程を有し、
    前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする送信制御方法。
  5. 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置のコンピュータに、
    各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定する手段を実行させ
    前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とするための送信制御プログラム。
  6. 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置におけるプロセッサであって、
    各受信装置宛の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定し、
    前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とするプロセッサ。
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