JP6151807B1 - Mu−mimoにおける復調用参照信号を用いた移動局間干渉電力及び雑音電力の推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダウンリンクMU-MIMOにおいて、受信側におけるDM-RSを用いた干渉雑音電力の推定方法を提供する。【解決手段】ダウンリンク信号を受信するステップと、ダウンリンク信号の所定位置にあるDM-RSを取り出すステップと、取り出したDM-RSのチャネル推定値を測定するステップと、DM-RSの対のうちの1つの信号と、他のDM-RSの対のうちの1つの信号との間で、チャネル推定値の第1の平均値を算出するステップと、DM-RSの対のうちの他の1つの信号と、他のDM-RSの対のうちの他の1つの信号との間で、チャネル推定値の第2の平均値を算出するステップと、第1の平均値と前記第2の平均値との分散値を算出して、干渉雑音電力を決定するステップと、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、MU-MIMO(マルチユーザMIMO)の受信側における干渉雑音電力の推定方法に関し、特に、逆拡散前の復調用参照信号を用いた干渉雑音電力の推定方法に関する。
無線通信の送信及び受信に複数のアンテナを用いて、複数のデータを空間的に多重して通信を行うMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送が実現されている。MIMO伝送には、1移動局に対するピークデータレートの増大を目的としたSU-MIMO(シングルユーザMIMO)と複数の移動局に対するスループット増大を目的としたMU-MIMOがある。
MU-MIMOは、主に、1つ又は複数の基地局が複数の移動局に対して信号を同時に送信するダウンリンクMU-MIMOとして利用される。ここでは、1基地局によるダウンリンクMU-MIMOのみを考えるとする。1基地局によるダウンリンクMU-MIMOでは、1つの基地局が複数の移動局に対して、同一周波数かつ同一時間の無線リソースを用いてMIMO伝送を行う。
MIMO伝送においては、空間多重されたデータ信号が複数の送信アンテナから送信され、無線伝搬路上で複数のデータ信号が混在したまま受信アンテナで受信される。このため、受信側において、受信信号をデータ毎の信号に分離する必要がある。線形信号処理を用いる方法として、最小二乗誤差法(Minimum Mean Square Error: MMSE)を用いる方法があり、少ない計算量で高い効果が得られるため、一般に広く使用されている。
MMSEを用いた受信信号分離アルゴリズムは、伝搬路のチャネル情報、及び干渉雑音電力の推定値を用いる。移動局において、チャネル情報及び干渉雑音電力の推定は、基地局から送信される参照信号を用いて行われる。OFDMシステムにおける参照信号を用いた干渉雑音電力の推定方法の例として、特許文献1を挙げる。
特開2014−135640号公報
ダウンリンクMU-MIMOでは、複数の移動局に対して信号を送信するため、移動局間の干渉が発生する。移動局間の干渉を抑制する手段の1つとして、基地局側における送信アンテナウェイト制御(指向性制御)がある。送信アンテナウェイト制御では、受信側において移動局間干渉が0となるようなウェイトが予めデータ信号に掛けられる。このようなウェイトは、基地局−移動局間のチャネル情報に基づく。複信方式がFDDの場合、チャネル情報は移動局において測定されて、移動局から基地局にフィードバック情報としてフィードバックされる。一方、TDDの場合、移動局からのアップリンク信号を基地局が測定することでチャネル情報を得ることができる。
しかし、送信アンテナウェイト制御におけるウェイト生成の精度が劣化すると、移動局間干渉を完全に抑制することはできない。例えば、FDDにおいて、移動局からフィードバックされるチャネル情報のフィードバック遅延が大きい場合、ウェイト制御に使用されたチャネル情報とウェイト制御された信号を送信する際の伝搬路の実際のチャネル情報が異なり、干渉抑制効果が低下する。また、時間軸、周波数軸上のウェイト制御粒度が粗い場合、チャネルの時間変動が大きい環境や周波数選択性フェージング環境下において、正確なウェイトが適用されず、移動局間干渉が残留してしまう。
ダウンリンクMU-MIMOにおいて、干渉雑音電力推定を行う場合、このような移動局間の残留干渉を含めて正確に推定することが重要となる。干渉雑音電力の推定は、ダウンリンク信号に含まれる復調用参照信号(DeModulation-RS: DM-RS)を用いて行われる。DM-RSは、疑似雑音信号に直交符号を掛けて(即ち、拡散して)、コード多重される。一般的には、DM-RSを用いた推定では、逆拡散後の干渉雑音電力を推定する。逆拡散後においては、各移動局データ間の干渉が消滅するため、推定された干渉雑音電力に移動局間残留干渉は含まれず、正確な干渉雑音電力の推定はできない。
このため、逆拡散前の干渉雑音電力を推定することで、移動局間残留干渉を含めた干渉雑音電力を推定することができる。
本発明は、ダウンリンクMU-MIMOにおいて、受信側におけるDM-RSを用いた干渉雑音電力の推定方法を提供することを目的とする。
本発明は、ダウンリンク信号が復調用参照信号を含み、前記復調用参照信号は時間軸上で隣接する第1のシンボル位置と第2のシンボル位置に配置されて1つの対を形成し、前記復調用参照信号の対は前記第1のシンボル位置と前記第2のシンボル位置において周波数軸上で分散配置され、前記復調用参照信号の対は空間多重レイヤ間でコード多重される、OFDMを用いたダウンリンクMU-MIMOシステムにおいて、移動局が、移動局間干渉電力及び雑音電力を算出する方法であって、基地局から前記ダウンリンク信号を受信するステップと、前記ダウンリンク信号の所定位置にある前記復調用参照信号を取り出すステップと、前記取り出した復調用参照信号のチャネル推定値を測定するステップと、前記復調用参照信号の対のうちの1つの信号と、前記復調用参照信号の対と周波数軸上で最も近い他の復調用参照信号の対のうちの1つの信号との間で、前記チャネル推定値の第1の平均値を算出するステップと、前記復調用参照信号の対のうちの他の1つの信号と、前記他の復調用参照信号の対のうちの他の1つの信号との間で、前記チャネル推定値の第2の平均値を算出するステップと、前記第1の平均値と前記第2の平均値との分散を算出して、干渉雑音電力を決定するステップと、を有する。
本発明に係る干渉雑音電力の推定方法において、移動局間残留干渉を含めた干渉雑音電力を推定することができる。
本発明が適用されるダウンリンクMU-MIMOシステムの例を示す図である。 参照信号の配置構成の例を示す図である。 参照信号のその他の配置構成の例を示す図である。 本発明における雑音電力推定方法の適用例を示す図である。 本発明における干渉電力推定方法の適用例を示す図である。 本発明における雑音電力推定方法のフローチャートを示す図である。 本発明における干渉電力推定方法のフローチャートを示す図である。
以下図面を参照して、ダウンリンクMU-MIMOにおける受信側干渉雑音電力の推定方法について説明する。しかしながら、本発明が、図面又は以下に記載される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
まず、ダウンリンクMU-MIMOについて説明する。ダウンリンクMU-MIMOは、MIMO技術のうちで、1又は複数の基地局から複数の信号を複数の移動局(マルチユーザ)に同時に送信する技術である。複数の移動局に対し、同一時間、同一周波数で信号を送信するため、移動局では、受信した信号の中から自局向け信号を分離する必要がある。移動局間干渉がない場合、自局向け信号を完全に分離することができる。このため、基地局では、移動局間干渉を抑制するために、予めウェイト制御を行った信号を送信する。
ダウンリンクMU-MIMOとして、1つの基地局から複数の移動局に信号送信する単一基地局MIMOと、複数の基地局が複数の移動局に信号送信する基地局間協調MU-MIMOが想定される。ここでは、単一基地局によるMU-MIMOを想定するものであるが、ここで提供する技術を基地局間協調MU-MIMOに適用することも可能である。
想定するダウンリンクMU-MIMOシステムについて、図1を用いて説明する。本図において、参照番号11はダウンリンクMU-MIMOシステム、12は基地局(BS)、13は送信部、14はウェイト制御部、15〜18はMIMO用アンテナ#1〜#4、21は基地局12とダウンリンクMU-MIMO通信を行う1つの移動局(MS#1)、22はMS#1(21)のMIMO用アンテナ、23は受信部、24は基地局12とダウンリンクMU-MIMO通信を行う他の1つの移動局(MS#2)、25はMS#2(24)のMIMO用アンテナ、26は受信部である。
図1において、基地局12は、4つのMIMOアンテナ15〜18を有し、2つの移動局MS#1(21)とMS#2(24)は、それぞれ2つのMIMOアンテナ22、25を有し、基地局12と各移動局との間では、2×2MIMO通信を行う。ウェイト制御を行わない場合は、基地局12のMIMO用アンテナ#1(15)、アンテナ#2(16)は、MS#1(21)向け信号を送信するアンテナペア#1を構成し、アンテナ#3(17)、アンテナ#4(18)は、MS#2(24)向け信号を送信するアンテナペア#2を構成する。
図1に示す単一基地局によるMU-MIMOシステムは1つの例であり、例えば、基地局のアンテナ数を6として、3つの移動局に対して2×2MIMO通信を行うMU-MIMOシステムとすることもできる。あるいは、基地局のアンテナ数を8、各移動局のアンテナ数を4として、4×4MIMO通信を行う2つの移動局を想定することもできる。
基地局12の送信部13からは各アンテナから送信されるデータ信号S1 (1)、S2 (1)、S1 (2)、S2 (2)が出力される。ここで、Sk (n)は、MS#nに対するストリーム#k番目のデータ信号を表す。各データ信号は、ウェイト制御部14においてウェイト制御されて、各アンテナから出力される。MS#1(21)向けデータ信号S1 (1)、S2 (1)には、ウェイトW1がかけられ、MS#2(24)向けデータ信号S1 (2)、S2 (2)には、ウェイトW2がかけられる。
ウェイトは、基地局と各移動局間の伝搬路のチャネル情報に基づき決定される。このようなチャネル情報は、FDD方式においては、移動局から基地局にフィードバックされる。MS#1(21)から基地局12に、フィードバックチャネル31を介して、チャネル情報がフィードバックされ、MS#2(24)から基地局12に、フィードバックチャネル32を介して、チャネル情報がフィードバックされる。各移動局向けデータ信号に最適なウェイトW1、W2をかけることで、データ信号における移動局間干渉を除去することができる。
まず、ウェイト制御を行わない場合について、簡単に説明する。ウェイト制御を行わない場合、移動局における受信信号ベクトルは、次式で表される。
ここで、yは受信信号ベクトル、Hは伝搬路のチャネル行列、sは基地局で送信される送信信号ベクトル、nは雑音である。送信信号ベクトルsは、
で表され、s(1)はMS#1(21)向けデータ信号ベクトル、s(2)はMS#2(24)向けデータ信号ベクトルである。また、チャネル行列Hは、
で表される。ここで、Hnは、基地局とMS#nとの間のチャネルである。また、Hnxは、基地局のアンテナペア#xとMS#nとの間のチャネルであり、あるいは、アンテナ#2×x-1、#2×xとMS#nとの間のチャネルである。
従って、受信信号ベクトルは、
となる。MS#1(21)で受信される信号には、移動局間干渉成分H12s(2)が残り、MS#2(24)で受信される信号には、移動局間干渉成分H21s(1)が残ることになる。このような移動局間干渉成分は、信号の復調精度を劣化させて、スループットを低下させる。
移動局間干渉を抑制するため、基地局において、送信信号に予め送信ウェイトをかけて送信するウェイト制御を行う。ここでは、ブロック対角化手法を用いる。コンポジットチャネルH’(=HWBD)の非対角ブロックが0となるような送信ウェイトWBDを予め生成する。即ち、
となる送信ウェイトWBD=[W1 W2]を生成する。送信信号に送信ウェイトWBDをかけて送信すると、受信信号ベクトルは、
となり、移動局間干渉成分を除去することができる。
しかし、ウェイト生成の精度が劣化すると、移動局間干渉成分を完全に除去することはできずに、干渉成分が残ってしまう。例えば、移動局で測定されたチャネル情報がフィードバックされる場合、移動局におけるチャネル推定精度が低いとき、正確なウェイト生成ができない。また、フィードバック可能な情報量は制限されるため、チャネル情報の量子化精度もウェイト生成精度に影響する。さらに、周波数軸、時間軸でのウェイト制御粒度が粗い場合、ウェイトは、周波数選択性フェージングやチャネルの時間変動に正確に追従できない。また、チャネル情報をフィードバックする場合において、フィードバック遅延が大きいとき、ウェイト制御時にチャネル状態が変動しているため、生成されたウェイトが適切に反映されず、移動局間干渉が生じてしまう。
1つの例として、フィードバック遅延が受信信号ベクトルに及ぼす影響について説明する。時間tにおいて移動局でチャネル推定を行い、その結果を基地局にフィードバックする。フィードバックされたチャネル情報に基づき生成された送信ウェイトはWBD(t)となる。ここで、WBD(t)は、時間tにおけるチャネル情報に基づいて生成されたウェイトを意味する。一方、時間tにおいて測定されたチャネル情報が、フィードバックされて、基地局において送信ウェイトとしてウェイト制御が行われる時間をt+Δtとすると、そのときのチャネル状態はH(t+Δt)となる。この際の移動局における受信信号ベクトルは、以下となる。
式(7)のように、非対角成分が0とならず、移動局間干渉が残ることになる。
ここで、移動局においてチャネル推定などを行うため、基地局から送信される参照信号(Reference Signal: RS)の配置構成について説明する。図2は、3GPP LTE Rel. 10のExtended CPに基づくチャネル配置構成の例である。図2は、1つのサブフレームの構成例を示し、0、5番目以外のサブフレームを表す。ここでは、周波数方向に12のサブキャリア、時間方向に12のOFDMシンボルで構成されている。1サブキャリアと1OFDMシンボルで構成される要素をリソースエレメントと呼ぶ。先頭の3OFDMシンボルは、制御信号を伝送する制御領域として使用され、残りは、主にデータ信号を伝送するデータ領域として使用される。
制御領域において、時間方向に隣接する2つのリソースエレメントから構成される参照信号のペアRS1とRS2を配置する。RS1とRS2は、周波数方向に交互に離間して配置される。図2では、3サブキャリア毎に配置されている。RS1とRS2は、セル固有参照信号(Cell-specific RS: CRS)により構成される。CRSは、主に、制御信号の復調に使用される。RS1は、CRSのPort#0とPort#2のペアで構成され、RS2は、CRSのPort#1とPort#3のペアで構成される。
データ領域において、時間方向に隣接する2つのリソースエレメントから構成される参照信号のペアRS3を配置する。RS3は、復調用参照信号(DeModulation-RS: DM-RS)により構成される。DM-RSは、主に、ユーザデータ信号の復調に使用される。RS3の位置において、DM-RSのPort#7のペアとPort#8のペアがコード多重(CDM)される。また、RS3は、周波数方向に離間して配置される。
図3は、0、5番目におけるサブフレーム構成の例を表す。ここでは、図2に示す参照信号の配置に加えて、データ領域において、参照信号ペアRS4、RS5を配置する。RS4とRS5は、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information-RS: CSI-RS)により構成される。CSI-RS は、主に、リンクアダプテーションのために使用される。RS4において、CSI-RSのPort#17のペアとPort#18のペアがコード多重(CDM)される。RS5において、CSI-RSのPort#15のペアとPort#16のペアがコード多重(CDM)される。
以下、DM-RSを用いたユーザデータ信号の復調方法について説明する。DM-RSは、データストリーム毎に送信される。それぞれのDM-RSは、周波数、時間、またはコードにより直交して、多重化される。また、PDSCH(即ち、ユーザデータ信号)と同じ送信ウェイトが掛けられて送信される。
1移動局当たりの送信ストリーム数を1とする。参照信号Pに直交符号([+1 +1]、[-1 +1])をかけて拡散処理し、コード多重する。
ここで、拡散されたp1、p2の各ペアは、リソースエレメントの時間方向に隣接し、p1とp2はレイヤ方向に多重される。データ信号にウェイト行列をかけた後に伝搬チャネルを経由した実効チャネル(コンポジットチャネル)は次のように表される。
各移動局の受信アンテナ数を1とすると、h’1はMS#1の受信チャネル、h’2はMS#2の受信チャネルである。
時間方向に隣接する2つのリソースエレメント間でチャネル状態が変わらないと仮定すると、MS#1の受信信号は、次のように表される。
h’11、h’12は、隣接するリソースエレメント間で同一となる。DM-RSが配置されるサブキャリア番号をk、隣接する2つのOFDMシンボル番号をl、l+1とすると、式(10)は、
となる。
MS#1において、式(10)で表される受信信号に、式(8)でDM-RSの拡散に用いた直交符号をかけることで(逆拡散処理)、DM-RSによるチャネル推定を行う。
ここで、*は複素共役である。
PDSCHとDM-RSには、同じウェイトが適用され、また、同じ伝搬チャネルを経由するため、PDSCH(即ち、データ信号)の受信信号は次となる。
MS#1において、ウェイト制御によるブロック対角化が理想的に動作すると、h’12は0となる。このため、式(12)で算出されたチャネル推定値h’’11で受信信号を除算することで、データを取り出すことができる。
受信側における受信信号分離アルゴリズムとして、一般的にMMSEアルゴリズムが利用されている。MMSEアルゴリズムは、受信信号ベクトルに受信ウェイトをかけることにより、希望信号電力に対する干渉及び雑音の電力比が最大となるようにする。以下に、MMSEアルゴリズムを説明する。受信信号ベクトルyは、式(1)と同様に、次式で表される。
ここで、Hはチャネル情報であり、MU-MIMOにおいてウェイト制御を行う場合は、ウェイトをかけたコンポジットチャネルとなる。nは干渉成分を含む雑音であり、干渉+雑音を無相関なガウス性雑音とみなす。
受信信号ベクトルyに次の受信ウェイト行列をかける。
Pnは、干渉雑音電力を表す。ウェイト適用後の受信信号ベクトルは、次となる。
式(17)で示したように、MMSE受信アルゴリズムを用いたデータ受信処理では、干渉雑音電力の推定値が必要となる。また、データ受信処理後におけるターボ復号処理時にも尤度情報として干渉雑音電力の推定値が必要となる。干渉雑音電力の推定値は、データ受信処理、ターボ復号処理における性能に影響するため、干渉雑音電力の正確な推定が必要となる。
干渉雑音電力推定の一般的な方法について説明する。CRSまたはCSI-RSを用いた推定は、CRSまたはCSI-RSが、データチャネルであるPDSCHと同じ干渉及び雑音を受けるSU-MIMOにおいては有効となる。しかし、MU-MIMOにおいては、CRSとCSI-RSは、PDSCHと異なる干渉電力を受けるため、正確な干渉雑音電力推定はできない。また、DM-RSを用いた推定においては、逆拡散後の干渉雑音電力が推定される。逆拡散後では、ストリーム間の干渉が消滅する。このため、干渉雑音電力推定値に移動局間残留干渉が含まれないため、干渉雑音電力推定値は正確なものとはならず、この結果、MU-MIMOにおける大きな特性劣化となる。
そこで、ダウンリンクMU-MIMOにおいて、DM-RSの逆拡散前のチャネル推定値を用いて干渉雑音電力を推定する方法を提案する。逆拡散前であるため、移動局間残留干渉を含む干渉雑音電力が推定されることになる。
提案する方法を適用する際に前提とするシステムは、DM-RSを空間多重レイヤ間でコード多重させているOFDMを用いるダウンリンクMU-MIMOシステムである。DM-RSは、周波数選択性フェージングに対応するため、周波数軸上において分散配置されている。また、時間軸上で隣接する2つのリソースエレメントで構成される。
DM-RSに位置するOFDMシンボルを用いてデータチャネルにおける干渉雑音電力を推定する。受信側では、OFDMシンボルに同期しているとする。干渉雑音電力推定の処理フローは次となる。
1.DM-RS位置の信号を取り出す。ただし、DM-RS位置は、システムにより異なる。
2.周波数軸上で分散配置されたDM-RSのうち、互いに隣のDM-RSの逆拡散前のチャネル推定値の平均値を求める。ここで、時間軸上で隣接するDM-RSのチャネル状態は変わらないものと仮定する。
3.チャネル推定値の平均値から分散値を計算し、干渉と雑音の電力を推定する。ここでは、チャネル状態の変わらない2つの推定値の差分をとることで、干渉成分と雑音成分を取り出す。
まず、逆拡散前のチャネル推定値から雑音成分のみを取り出す方法について説明する。図4に示すように、サブキャリ番号kとk+3において隣接したシンボル番号lとl+1のリソースエレメントにある2つのDM-RSのペアを考える。各リソースエレメントの逆拡散前の受信信号は、式(13)から、次となる。
図4のように、該当する4つのリソースエレメントのうち、対角にある2つのリソースエレメントのチャネル推定値の平均を計算する。即ち、y(k, l)とy(k+3,l+1)の平均とy(k, l+1)とy(k+3,l)の平均を計算する。
この2つの平均値の差分をとり、2つの平均間の分散値D1を算出する。
隣接する2つのシンボル間でチャネル状態が変わらないと仮定すると、h’11(k, l)= h’11(k, l+1)、h’11(k+3, l)= h’11(k+3, l+1)、h’12(k, l)= h’12(k, l+1)、h’12(k+3, l)= h’12(k+3, l+1)であり、式(20)は、次となる。
電力次元とするため、式(21)の振幅を二乗とする。
これにより逆拡散前のチャネル推定値から雑音成分のみを取り出すことができる。
次に、逆拡散前のチャネル推定値から干渉成分のみを取り出す方法について、図5を用いて説明する。図4と同様に、サブキャリ番号kとk+3において隣接したシンボル番号lとl+1のリソースエレメントにある2つのDM-RSのペアを考える。各リソースエレメントの逆拡散前の受信信号は、式(18)に示される。
図5のように、該当する4つのリソースエレメントのうち、同じシンボル位置にある2つのリソースエレメントのチャネル推定値の平均を計算する。即ち、y(k, l)とy(k+3,l)の平均とy(k, l+1)とy(k+3,l+1)の平均を計算する。
この2つの平均値の差分をとり、2つの平均間の分散値D2を算出する。
隣接する2つのシンボル間でチャネル状態が変わらないとすると、式(24)は、次となる。
分散値D2を1/2とし、電力次元とするために、振幅を二乗とする。
これにより逆拡散前のチャネル推定値から干渉成分のみを取り出すことができる。なお、式(18)〜(26)で示される処理は、DM-RSを式(8)に示される直交符号により拡散した場合に適用される。DM-RSを異なる直交符号により拡散した場合、その直交符号に整合させた処理が適用される。
式(22)、(26)で算出された雑音及び干渉電力をデータ領域のデータ信号の復調に使用する。上で説明したように、k及びk+3サブキャリア、l及びl+1シンボルに配置されたDM-RS(RS3)を用いて干渉と雑音電力が推定された場合、1例として、k〜k+2サブキャリ、l-1〜l+1シンボル位置の9リソースエレメントのうち、RS3位置を除くリソースエレメントに算出された干渉と雑音電力を適用する。また、k+1及びk+4サブキャリア、l+6及びl+7シンボルに配置されたDM-RS(RS3)を用いて干渉と雑音電力が推定された場合、k+1〜k+3サブキャリ、l+2〜l+7シンボル位置の18リソースエレメントのうち、RS3、RS4、RS5位置を除くリソースエレメントに算出された干渉と雑音電力を適用する。各リソースエレメントでは、算出されたチャネル情報、干渉雑音電力を用いて、信号の復調が行われる。
図4で示された雑音電力推定方法の簡単なフローチャートを図6に示す。S11において、移動局がダウンリンク信号を受信する。S12において、DM-RS位置の信号を取り出す。S13において、取り出した信号のチャネル推定値を測定する。S14において、y(k, l)とy(k+3,l+1)のチャネル推定値の平均を算出し、S15において、y(k, l+1)とy(k+3,l)のチャネル推定値の平均を算出する。S16において、算出した2つの平均の差分を計算する。
図5で示された干渉電力推定方法の簡単なフローチャートを図7に示す。S21において、移動局がダウンリンク信号を受信する。S22において、DM-RS位置の信号を取り出す。S23において、取り出した信号のチャネル推定値を測定する。S24において、y(k, l)とy(k+3,l)のチャネル推定値の平均を算出し、S25において、y(k, l+1)とy(k+3,l+1)のチャネル推定値の平均を算出する。S26において、算出した2つの平均の差分を計算する。

Claims (3)

  1. ダウンリンク信号が復調用参照信号を含み、前記復調用参照信号は時間軸上で隣接する第1のシンボル位置と第2のシンボル位置に配置されて1つの対を形成し、前記復調用参照信号の対は前記第1のシンボル位置と前記第2のシンボル位置において周波数軸上で分散配置され、前記復調用参照信号の対は空間多重レイヤ間でコード多重される、OFDMを用いたダウンリンクMU-MIMOシステムにおいて、移動局が、移動局間干渉電力及び雑音電力を算出する方法であって、
    基地局から前記ダウンリンク信号を受信するステップと、
    前記ダウンリンク信号の所定位置にある前記復調用参照信号を取り出すステップと、
    前記取り出した復調用参照信号のチャネル推定値を測定するステップと、
    前記復調用参照信号の対のうちの1つの信号と、前記復調用参照信号の対と周波数軸上で最も近い他の復調用参照信号の対のうちの1つの信号との間で、前記チャネル推定値の第1の平均値を算出するステップと、
    前記復調用参照信号の対のうちの他の1つの信号と、前記他の復調用参照信号の対のうちの他の1つの信号との間で、前記チャネル推定値の第2の平均値を算出するステップと、
    前記第1の平均値と前記第2の平均値との分散を算出して、干渉雑音電力を決定するステップと、
    を有する、移動局間干渉電力及び雑音電力算出方法。
  2. 前記第1の平均値を算出するステップは、前記復調用参照信号の対のうちの前記第1のシンボル位置にある信号と、前記他の復調用参照信号の対のうちの前記第2のシンボル位置にある信号との間で、前記チャネル推定値の平均値を算出し、
    前記第2の平均値を算出するステップは、前記復調用参照信号の対のうちの前記第2のシンボル位置にある信号と、前記他の復調用参照信号の対のうちの前記第1のシンボル位置にある信号との間で、前記チャネル推定値の平均値を算出し、
    前記第1の平均値と前記第2の平均値とを用いて算出された前記差分の二乗を雑音電力とする、請求項1に記載の移動局間干渉電力及び雑音電力算出方法。
  3. 前記第1の平均値を算出するステップは、前記復調用参照信号の対のうちの前記第1のシンボル位置にある信号と、前記他の復調用参照信号の対のうちの前記第1のシンボル位置にある信号との間で、前記チャネル推定値の平均値を算出し、
    前記第2の平均値を算出するステップは、前記復調用参照信号の対のうちの前記第2のシンボル位置にある信号と、前記他の復調用参照信号の対のうちの前記第2のシンボル位置にある信号との間で、前記チャネル推定値の平均値を算出し、
    前記第1の平均値と前記第2の平均値とを用いて算出された前記差分の二乗を移動局間干渉電力とする、請求項1または2に記載の移動局間干渉電力及び雑音電力算出方法。
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