JP2015502709A - ユーザのマルチパス強度プロファイル情報に基づく干渉アラインメントを介してスケジューリング及びofdmによるmu−mimo送信を行う方法 - Google Patents

ユーザのマルチパス強度プロファイル情報に基づく干渉アラインメントを介してスケジューリング及びofdmによるmu−mimo送信を行う方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチパス強度プロファイル情報に基づく干渉アラインメントを介してODFMをスケジューリングする方法及び装置が開示される。【解決手段】一実施形態に係る方法は、ユーザ端末を各自のマルチパス強度プロファイルに基づいてグループにグループ化するステップであって前記グループの少なくとも1つが2つ以上のユーザ端末を有する当該ステップと、MU−MIMO送信のためにユーザ端末グループをスケジューリングするステップと、MIMO送信のために前記ユーザ端末グループにOFDMリソースを割り振るステップと、前記ユーザ端末グループにMU−MIMO送信コードを割り当てるステップと、割り当てられたMU−MIMO送信コードを使用して前記ユーザ端末グループのMU−MIMO送信を行うステップと、を備える。【選択図】図5

Description

[0002]本発明の実施形態は、複数ユーザの多出力多入力(MIMO)ワイヤレス送信システムの分野に関する。
[優先権]
[0001]本特許出願は、2011年11月17日に出願された対応する仮特許出願第61/561,205号、名称「A Method for Scheduling and MU-MIMO Transmission over OFDM via Interference Alignment based on User Multipath Intensity Profile Information」に対する優先権を主張し、参照により同出願を援用する。
[0003]近年のワイヤレス伝送の進歩の多くは、送受信に複数個のアンテナを使用することに依拠している。アンテナを複数使用すると、基本的に、送信のためにワイヤレスシステムで利用できる自由度(DoF)、すなわち、システム内の受信者に同時に送信できるスカラーデータストリームの数を増やすことができる。ここで、DoFを使用して、スペクトル効率(処理量)の向上及び/又はダイバーシティ(ロバスト性)の増大を得ることができる。実際、N個の送信(TX)アンテナでN個の受信(RX)アンテナを持つ1人のユーザに対応するシングルユーザMIMO(SU−MIMO)システムは、ダウンリンクの送信に最高でmin(N,N)のDoFを利用できる可能性がある。それらのDoFを(一定の条件下で)使用して、例えば、min(N,N)と共に線形に増大する倍率ずつ処理量を向上させることができる。そのようなMIMOの利点とDoFの向上が、新しいシステム及び将来のシステムでMIMOを使用する利益の多くの根底にある。
[0004]そのようなDoFを利用するには、しばしば、いくらかのコストがシステムに要求される。そのようなコストの1つは、送信側のアンテナと受信側のアンテナ間のチャネル状態の知識である。そのようなチャネル状態情報(CSI)は、しばしば、送信機(そのCSIをCSITと称する)及び/又は送信機(そのCSIをCSIRと称する)のどちらかが入手できるようにしなければならない。利用できるDoFも、送信側のアンテナと受信側アンテナ間のチャネルが充分に「豊富」であることに応じて決まる。
[0005]例えば、ビットインターリーブ符号化変調(BICM)やD−BLAST等、SU−MIMO CSIRに基づくシステムは、適切なチャネル条件の下で可能な最大のDoF、min(N,N)を達成することができる。そのようなSU−MIMOシステムはCSITを必要としない(すなわちCSITはDoFを向上させないが、状況によってはスペクトル効率はなお向上させることができる)。したがって、そのような条件下では、そのようなSU−MIMOの設計を使用して、対応するスペクトル効率の線形の増大を得ることができる。そのような設計は当業者にはよく理解される。
[0006]同様に、基地局(BS)にN個の送信アンテナを持ち、K台のシングルアンテナユーザ端末(又は機器)(N=1)を備えるマルチユーザMIMO(MU−MIMO)システムは、最高でmin(N,K)のDoFを提供することができる。SU−MIMOの場合と同様に、MU−MIMOを使用して、例えばmin(N,K)に対して線形に処理量を向上させることができる。
[0007]しかし、SU−MIMOと異なり、多くのMU−MIMO技術(実際には、使用され、標準のために研究されている主流MU−MIMO技術のすべてではなくとも大部分)はCSITの知識を必要とする。CSIRに基づくSU−MIMOと同じように、MU−MIMOでは、CSIRを得るために、すなわち送信アンテナと受信機の受信アンテナ間のチャネルを各受信機で推定するために、パイロットトレーニング用のリソースの割振りが必要となる。CSIRに基づくSU−MIMOと異なり、CSITに基づくMU−MIMOでは、送信を行うことが可能になる前に、受信機のCSIを送信機にフィードバックするための追加的なオーバーヘッドが必要となる。
[0008]このオーバーヘッドがあるにも関わらず、MU−MIMOは、多くの受信アンテナや無線周波数(RF)チェーンを増やさずに、また携帯端末やモバイル端末の処理(例えば復号)の複雑性を増大させずにDoFを向上させることができるというSU−MIMOを上回る利点があるために、実用的関心が持たれている。
[0009]CSIのオーバーヘッドの問題は入念に検討しなければならない。オーバーヘッドは、上記のような従来のMIMOを評価する際に見落とされやすい基本的問題である。そのようなCSIに関連するオーバーヘッドは、実際、従来のCSIに依存するMIMOで得られる正味のスペクトル効率の増大を制限する、根本的な「次元数の障害(dimensionality bottleneck)」になる可能性がある。
[0010]特に、N(又はN又はK)を増やすことによってDoFの増大(例えば線形の増大)を利用し続けようとする場合は、送信の計画と受信機における復号のために必要なCSIを得る際のシステムオーバーヘッドの増加にどのように対応するかも考えなくてはならない。そのようなオーバーヘッドには、CSIの推定を支援するパイロットのためのワイヤレス媒体の使用の増加や、そのCSIの推定に関して受信者と送信者間のフィードバックが増加することが含まれる。
[0011]一例として、1つのTXアンテナと1つのRXアンテナ間のCSI(標準化の関係者の中はこの種のCSIを直接のCSIと呼ぶこともある)を定義する複素スカラー値ごとに、固定された割合Fcsiのワイヤレスチャネルリソースがパイロット及び/又はフィードバックに専用であるとする。必要なCSIの次元はN、N及び/又はKのような数量と共に変動するので、CSIシステムに関連する総オーバーヘッドが(例えばN×Fcsiずつ)増大することは容易に理解することができる。例えば、シングルアンテナのユーザ端末がK台あり、各々が送信側アンテナに関してNCSIのスカラー項を持つ場合、送信機が知る必要がある複素スカラー値は合計でKN個になる。CSIの次元の増大に対応するには、より多くのワイヤレスチャネルリソースが必要となり、データ送信のために残るリソース量が減る可能性がある。スペクトル効率の向上でCSIのオーバーヘッドの増大が相殺されない場合には、このオーバーヘッドの増大により処理量の継続的な向上が制限される可能性がある。
[0012]値Fcsiは、多くの場合、システムによって定義されるか、又は時間及び/又は周波数におけるチャネルのコヒーレンスを考慮して必要に応じて定義される。チャネルの時間及び/又は周波数の状態が急速に変化するほど、CSIを推定し、追跡するためにより大きな有効配分のリソースを使用する必要がある可能性がある。
[0013]一例として、周波数分割二重通信(FDD)に基づく3GPP Long Term Evolution(LTE)の設計では、12×14個のOFDMシンボルからなるリソースブロックにある8個のシンボルを使用して、N個の各アンテナのダウンリンクパイロットに対応する。そのようなパイロットについてのシステムオーバーヘッドを単純に考慮し、フィードバック等の他のCSI関連オーバーヘッドを無視すると、Fcsiは8/168=4.76%もの高さになる可能性がある。そのような場合に、N=8で、パイロット構造がアンテナが増えるのに従って線形に増大すると仮定すると、総CSIオーバーヘッドは38%にもなる可能性があり、62%のシンボルが残りのシグナリングのオーバーヘッドとデータ送信に対応するために残る。実際、LTEでは、N=4個のアンテナを超えてパイロット構造を変更する提案が検討されている。しかし、これにはCSIの精度に関する含意もある。それでも、そのようなシステムは無制限のNの増大には明らかに対応できないと思われる。
[0014]このように、符号化されたデータ情報を表すシンボルがより効率的に使用され、MIMOでDoFが増大することでロバスト性及び/又はスペクトル効率は向上するが、正味のスペクトル効率の向上で、CSIのオーバーヘッドに使用されるリソースの配分を埋め合わせなければならない。したがって、シンボルのごく一部、例えば(1−N×Fcsi)しかデータに使用することができないため、正味のスペクトル効率の向上は実際には個々のデータシンボルの効率の向上よりも小さい。
[0015]最近、「ブラインド干渉アラインメント(BIA)」技術と呼ばれる新しい部類の技術が、従来のMU−MIMOシステムのCSIオーバーヘッドの多く必要とせずにDoFを向上できることが実証された。BSにN個の送信アンテナを備え、単一のアクティブアンテナを持つK人のユーザを有するBIAマルチユーザMIMO(MU−MIMO)システムで、CSITを使用せずにKN/(K+N−1)のDoFを達成することができる。したがって、Kが大きくなるにつれて、システムは、従来のMU−MIMO CSITに基づくシステムで達成可能な、CSIに依存するmin(N,K)のDoFの上限に近づくことができる。従来の考え方と過去何十年かに行われてきた憶測の大半を超え、現行のシステムが直面している「次元数の障害」を緩和する可能性をもたらすことから、これは注目すべき結果である。
[0016]そのようなシステムを機能させるためには、送信側のBSとサービスされるK個のユーザ端末との間のチャネルが所定の形で連携して変化することが要件となる(ブラインド干渉アラインメント方式に対して)。この連携した変化は、Chenwei Wang, et al, “Aiming Perfectly in the Dark - Blind Interference Alignment through Staggered Antenna Switching,” Feb. 2010で論じられるように、複数のアンテナモードを備えることによって実現することができる。これは、多くの(物理的な)アンテナ素子を各ユーザ端末で用いるか、又は物理的特性(例えば向きや感度パターン等)を変えることが可能な単一のアンテナ素子を用いることによって実施することができる。ただし、そのような場合はいずれも、システムは、所与の時間スロットに1つのみのモードがアクティブであることを要求する。したがって、各ユーザ端末に1つのRFチェーンがあれば十分であり、それにより、ユーザ端末の1つのアクティブな受信アンテナモード(すなわち、ユーザの単一のRFチェーンを駆動するアンテナ)を時間と共に変化させることができる。すなわち、1つのアクティブな受信アンテナは、(例えば所定の方式でN個のモードを)切り替え可能な多モードアンテナである。RFチェーンを1つにすることにより、復号の複雑性を従来の単一アンテナモードのMU−MIMOシステムと同等に保つことができる。
[0017]これらのモードは、対象とする一人のユーザについて線形に独立したCSIベクトルを生成することができなくてはならない。送信も、所与のモード(システムには未知である)にあるCSIが実質的に一定で、モードごとに異なると想定される適切なコヒーレンス時間間隔に制約しなければならない。
[0018]BIA方式は、K個のユーザ端末に送信されるK個の情報伝達ストリームにまたがって、適切なアンテナモードの切り替えと、組み合わせたデータ送信ベクトルを生成することにより機能する(1つのストリームが1台のユーザ端末を対象とする情報を搬送する)。そのような情報伝達ストリーム自体がベクトルである。ストリームは、様々な算術的な組み合わせで同時に送信され、それにより、アンテナモードの切り替えで得られる追加のDoFを使用する。
[0019]ユーザの受信アンテナの切り替えモードと、情報ストリームがBIA方式で送信される方式との連携は、以下の原則に準拠することにより、DoFを最大化するように設計する。
・任意のユーザ端末を対象とするN次元のシンボルはN個のスロットで送信される。
・そのN個のスロット中、そのユーザ端末のアンテナ切り替えパターンは、ユーザ端末がN個のアンテナモードすべてで(それによりN次元の空間で)自身のシンボルを観察し、したがってそのシンボルを復号できることを保証する。
・一方、残りのユーザ端末のアンテナ切り替えパターンは、そのN次元のシンボルの送信が各自の受信機に1次元の投影のみを投射するようなパターンとする。これは、N次元のシンボルが送信される時に各受信機が同じアンテナモードを使用することを確実にすることによって実現される。
[0020]そのため、N個のスカラーシンボルを復号するために、ユーザ端末1台につき合計で(N+K−1)の受信機次元が必要となる。その結果、この方式では、K台のユーザ端末が(N+K−1)回のチャネル使用ごとに合計でK N個のシンボルを復号し(1台当たりN)、それにより、K N/(N+K−1)の可能な最大のBIA DoFを達成する。
[0021]BIA技術には、使用できる状況に関していくつかの本質的な課題と制限がある。第1に、それらのBIA技術はOFDMを通じて容易に実装することができるが、アンテナモードの切り替えは、最良でもOFDMシンボルの伝送速度で行われる(各ユーザ端末は、1つのOFDMシンボル内ではモードを変化させない)。この方式では、1つのコードワードを送信するのに必要なスロット中はチャネルが変化しないことが必要とされるため、ユーザチャネルで大きなコヒーレンス時間を必要とする可能性がある。すなわち、他のユーザ端末ストリームからの干渉を打ち消すのに十分な時間にわたってチャネルを変化させないことが必要となる。BIA方式で必要とされるよりもコヒーレンス時間が短いということは、干渉ストリームの一部を打ち消すことができず、結果としてDoFが失われることを意味する。より重要な点として、CSIを使用せずにMU−MIMO送信のためにチャネル/ユーザを区別できるように、元のBIA方式ではユーザ端末がアクティブなアンテナモードを切り替える能力を持つことが必要とされる。したがって、そのような方式は、従来型の受信アンテナを1つのみ備える端末では実装することができない。
[0022]マルチパス強度プロファイル情報に基づく干渉アラインメントを介して、ODFMをスケジューリングする方法及び装置が開示される。一実施形態では、方法は、ユーザ端末を各自のマルチパス強度プロファイルに基づいてグループにグループ化するステップであって、グループの少なくとも1つが2つ以上のユーザ端末を有する、ステップと、MU−MIMO送信のためにユーザ端末グループをスケジューリングするステップと、MIMO送信のためにユーザ端末グループにOFDMリソースを割り振るステップと、ユーザ端末グループにMU−MIMO送信コードを割り当てるステップと、割り当てられたMU−MIMO送信コードを使用してユーザ端末グループのMU−MIMO送信を行うステップとを備える。
[0023]本発明は、以下の詳細な説明及び本発明の各種実施形態の添付図面からより完全に理解することができよう。ただし、説明及び図面は、本発明を記載される特定の実施形態に制限するものではなく、説明と理解のみを目的とするものである。
ユーザ端末kからの関連するCSIの処理及びフィードバックを説明する図である。 数種のユーザ端末からの関連するCSI(アップリンクのフィードバックで得られる)、各ユーザ端末ペアに対するコード選択、及び単一ユーザ及び複数ユーザへの送信のためのユーザ端末及びユーザ端末ペア間のリソースの分割を説明する図である。 3人のユーザがいる例を説明する図である。即ち、a)各ユーザのMIPの非ゼロのタップ遅延を、L個の値の集合に対応するL個の成分の多相分解の順位に対応づける表(一番上の表)と、b)それに対応するユーザと多相成分とのペアリングを示す矢印群(一番下の表の各項目から延びている矢印群)と、c)本明細書に記載される技術を使用するMU−MIMO IAコードを介して実現できるDoFと、を示す図である。 L=2及びL=3の多相成分に対応する多相分解のペアを使用してユーザペア(1,2)に図3のDoFを実現するMU−MIMO実装で使用されるリソースブロックセットの例を示す図である。 基地局の動作の高レベル流れ図である。 基地局の設計のブロック図である。 スケジューラの一実施形態のブロック図である。 ユーザ端末の一実施形態のブロック図である。
[0024]本発明の実施形態は、OFDMを通じた機会主義的な干渉アラインメント(IA)を利用して、マルチユーザMIMO(MU−MIMO)送信を支援する新規のスケジューリング及び送信方式を含む。そのようなシステムでは、各々1つの(又は数個の)受信アンテナ素子を持つ複数台のユーザ端末が、同じ送信リソースで同時にユーザ固有のデータストリーム(その少なくとも1つが各ユーザを対象とする)を受信することができる。本発明の実施形態は、MU−MIMO送信を支援するために使用できるブラインド干渉アラインメント(BIA)技術と呼ばれる部類の技術を基盤とする。BIA技術では、伝送及びストリーム間の干渉のアラインメントを、送信機が送信機と受信機間の瞬時的なチャネル状態情報(CSI)を知る必要なしに行うことができる。しかし、BIA MU−MIMO方式では、受信機が数種のアンテナモードを切り替える能力を持つことが必要とされる。
[0025]本明細書に提示されるMU−MIMO方式は、緩慢に変化する各ユーザのチャネルの特徴の知識を基地局(BS)で利用して、各ユーザがモードを切り替える必要なしに、従来のアンテナを使用して機会主義的なMU−MIMO送信を行うことを可能にする。すなわち、本発明の実施形態は、急速に変化するCSITの知識を必要とせずに、また連携されたアンテナモードの切り替えを行う必要なしに、高いDoFを可能にするMU−MIMO方式の必要性に対応する。特に、本発明の実施形態は、MU−MIMO方式の一部類を含み、これは、従来のMU−MIMOシステムの高いCSITオーバーヘッドを伴わず、また異なるアンテナモードを切り替える能力を必要としない。本発明の実施形態は、チャネル/ユーザの区別を可能にするために、時間と共に緩慢に変化するユーザチャネルの特徴、特にユーザのマルチパス強度プロファイル(MIP)の特徴に依拠する。緩慢に変化する各ユーザのマルチパス強度プロファイルの特徴に従い、ユーザ端末は、OFDMプレーンのサブセットに適切に対応付けられた適切に設計された符号化方式を介して、MU−MIMO送信のためのグループに機会主義的に分けられる。
[0026]本発明の実施形態は、アンテナの切り替えに用いられる完全アラインメントのBIAコードの非自明の拡張及び一般化を含み、それにより、各ユーザ端末のマルチパス強度プロファイルについての情報に基づいてMU−MIMO送信のために実際に機会主義的なアラインメントを利用できる事例の範囲とセットを大幅に広げる。本発明の実施形態は、MU−MIMO送信に利用できる干渉アラインメントの状況の広い種類を識別するための体系的な枠組み、各ユーザセットに得られる多重化の利得の点から最良の選択肢を選ぶ技術、OFDMでリソースブロックを割振り、それらのブロックに、選択された選択肢に関連して多重化の利得を達成できるコードを実装する技術を提供する。
[0027]以下の説明では、本発明のより完全な説明を提供するために多数の詳細事項を述べる。ただし、当業者には、本発明はそれらの具体的な詳細を用いずに実施することが可能であることが明らかであろう。他の事例では、本発明を曖昧にするのを避けるために、よく知られる構造及び装置は詳細に示さずにブロック図の形態で示す。
[0028]以下の詳細な説明の一部は、アルゴリズム、及びコンピュータメモリ内のデータビットに対する操作の記号的表現として提示する。そのようなアルゴリズム的な説明や表現は、データ処理技術の当業者が自分の仕事の内容を他の当業者に効果的に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムとは、本発明で、そして一般に、所望の結果をもたらす自己無撞着の一連のステップと認識される。ステップは、物理的数量の物理的な操作を必要とするステップである。通常、必須ではないが、そのような数量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、及びその他の形の操作が可能な電気信号又は磁気信号の形態をとる。時に、主として一般に使用されているという理由から、そのような信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、数等と呼ぶことが利便であることが分かっている。
[0029]ただし、上記及びそれに類する用語はすべて該当する物理的数量に関連付けられ、そのような数量に付される利便な標識に過ぎないことを念頭におかれたい。以下の説明から明らかなように、特に指定しない限り、説明全体を通じて、「処理」又は「演算」又は「計算」又は「判定」又は「表示」等の用語を利用する説明は、コンピュータシステム又はそれに類する電子演算装置、又は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)数量として表されたデータを操作し、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他の同様の情報記憶、伝送、又は表示装置内で同じように物理的数量として表された他のデータに変換する同様の電子演算装置の動作及び処理を指すことが理解されよう。
[0030]本発明は、本明細書に記載の動作を行う装置にも関する。この装置は、要求される目的のために特別に構築しても、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成される汎用コンピュータからなることもできる。そのようなコンピュータプログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、コンピュータ可読記憶媒体は、これらに限定されないが、フレキシブルディスク、光ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク等の任意種類のディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光学カード、又は、電子命令を記憶するのに適し、各々コンピュータシステムバスに結合された任意種類の媒体等である。
[0031]本明細書で提示するアルゴリズム及び表示は、本質的にどの特定のコンピュータ又は他の装置にも関連しない。各種の汎用システムを本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用することができ、又は要求される方法ステップを行うためのより特化した装置を構築することが利便である場合もある。そのような各種システムに要求される構造は、以下の説明から明らかになろう。また、本発明は、特定のプログラミング言語を参照して説明しない。本明細書に記載される本発明の教示を実施するために各種のプログラミング言語を使用できることは理解されよう。
[0032]機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信する機構を含む。例えば、機械可読媒体は、読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置等を含む。
概要
[0033]本発明の実施形態は、セルラーネットワークで使用するための機会主義的なMU−MIMOスケジューリング及び送信方式を使用する。本発明の新規のMU−MIMO方式は、ユーザのマルチパス強度プロファイルの特定の特徴(時間をかけて追跡する必要がある)の知識を利用して、ユーザグループのMU−MIMO送信をスケジュールする。このMU−MIMO送信は、Chenwei Wang, et al., “Aiming Perfectly in the Dark - Blind Interference Alignment through Staggered Antenna Switching,” Feb. 2010のBIA MU−MIMO符号化設計を非自明に一般化したものである新しいコード設計に依拠し、符号化は適切にOFDMプレーンに対応付けられて、高いDoFを実現するために必要な干渉アラインメントを可能にする。本明細書で提案される方式は、2011年9月1日に出願された米国特許出願第13/223,762号、名称「A Method to Deploy Efficient Blind Interference Alignment Using a Combination of Power Allocation and Transmission Architecture」、及び2011年9月21日に出願された米国特許出願第13/239,167号、名称「Method for Efficient MU-MIMO Transmission by Joint Assignments of Architecture and Interference Alignment Schemes using Optimized User-Code Assignments and Code Allocation」に提示されるように、アラインメント構造内で電力の変動を用いるコードと併せて使用することもできる。
本発明により可能になる機会主義的なMU−MIMO方式
[0034]本発明の実施形態は、ユーザのマルチパス強度プロファイルの特徴を使用して、OFDMによる連携MU−MIMO送信のためにユーザグループを形成する。N個のアンテナを備える1台の送信機と多数台のシングルアンテナ受信機端末がある状況を考えたい。N個の送信アンテナとユーザkの単一の受信アンテナ間の有効離散時間1×Nチャネルインパルス応答は、1×Nベクトル列[k][n]で表される。本発明で提案されるMU−MIMO方式は、ユーザのマルチパス強度プロファイル(MIP)の多相分解(PD)を利用する。ユーザkの有効離散時間MIPをb[k][n]とし、そのL個の多相成分を、
Figure 2015502709

とし、すなわち、
Figure 2015502709

となる。すべてのn及びkについてb[k][n]≧0であることにも留意されたい。チャネル応答h[k][n]は、
Figure 2015502709

と表すことができ、
Figure 2015502709

でありE[・]は期待値を表す。実際には、N個のベクトルの部分集合
Figure 2015502709

は、N≦Nのときに確率1で線形に独立する。この条件は、無相関のばらつきを有する離散時間チャネルモデルを含む、一般に使用される多くのモデルで満たされる。N個のトーンを持つOFDMシステムを仮定すると、時間tにおけるユーザkのチャネル応答H[k][f]は、h[k][n]のN点の離散フーリエ変換(DFT)で得られることに留意されたい。
[0035]本明細書に提示される方式は、ユーザのMIPのPDが特定の性質を満たすことを条件にIAを介したMU−MIMO送信を可能にするという意味で機会主義的である。
[0036]説明では下記の定義を繰り返し使用する。
定義1。チャネルh[n]のマルチパス強度プロファイルのL個の成分の多相分解における非ゼロの多相成分の数を、本明細書ではL個の成分の多相分解におけるチャネルの順位と呼ぶ。
[0037]定義1は次の容易に検証可能な性質によって動機づけられる。
[0038]性質1。1×Nのチャネルベクトルh[n]がL個の成分の順位Rの多相分解を有するものとする。任意の整数Jについて、F=JLであるh[n]のF点のDFTをH[f]とする。固定されているが任意の|∈{0,1,...,J−1}について、H[f]をJだけ減じた(周波数)バージョン、すなわちL×Nの行列
H(|)=[H[|] [H[J+|] ... H[(L−1)+|]] (1)
を考える。すると、確率1でRank(H(|))=min{R,N}となる。さらに、H(|)の任意の連続したmin{R,N}個の行からなる次元min{R,N}×Nの部分行列も確率1で順位min{R,N}を有する。
[0039]性質1が示唆するように、チャネルのL成分PDの順位が、帯域幅のL分の1の間隔を空けたOFDMトーンにユーザのチャネルを共に重ねることによって生成される行列の順位を指定する。それらチャネル行列を構成するトーンのグループとそれら行列の順位はどちらも多相成分の数Lの関数であることに留意されたい。一実施形態では、MU−MIMOの設計で、ユーザのペア(又は組(tuple))にまたがるこの順位の変動を利用してユーザ端末をスケジュールし、DoFの利得をもたらすIA可能化コードを設計する。
[0040]以下の提案では、本発明の実施形態に関連する方式で実現される自由度を説明する。
[0041]提案1K1×N個のチャネルh[1][n],h[2][n],...,h[K][n]を考えたい。Nの最小値とL個の多相成分を持つh[K][n]のPDの順位をR[k] とする。任意の整数Jについて
Figure 2015502709

のh[k][n]のF点のDFTをH[k][f]とする。トーンの集合
Figure 2015502709

を考える。
[0042]{L}が互いに素な集合であり、すべてのkについてR[k] >maxj≠k[j] である場合、MU−MIMOコードは、
Figure 2015502709

のDoFでF(|)に構築することができ、ここでI=maxj≠k[j] である。
[0043]図3の表は、4つのアンテナを備える送信機と3人のユーザを伴う例を示す。各ユーザチャネルのMIPは、図の表の一番右の列に示す位置に非ゼロの項を有する。表には、2≦L≦5の場合のL個の成分を持つ各ユーザのチャネルの多相分解(PD)の順位も示す。各ユーザ端末ペアのMU−MIMO送信は、提案1に示される条件が満たされる(L,L)のペアを見つけることによって確立することができる。(1,2)のユーザ端末ペアの場合、そのようなコードの1つを(L=2,L=3)で得ることができる。式(3)により、このコードではDoF=5/4が得られる。別のコードは互いに素なペア(L=4,L=3)に基づき、この場合はDoF=6/5(最初のコードよりも低いDoF)が得られる。同様に、(1,3)のユーザペア(ユーザ3をこのペアの2番目のユーザと識別する)の場合は2つのコードが可能である。1つのコードはセット(L=2,L=5)に基づき(DoF=4/3が得られる)、もう1つのコードは(L=4,L=5)に基づく(DoF=5/4が得られる)。(3,2)のペア(ユーザ3を第1のユーザと識別する)の場合は1つのみのコード、すなわち、セット(L=5,L=3)に基づくコードのみがあり、DoF=5/4が得られる。最後に、この例では、ユーザの3つ組(1,2,3)に対応する3ユーザコードを運用することも可能である。そのようなコードの1つは(L=2,L=3,L=5)に基づき、式(3)を使用するとDoF=7/5が得られ、別のコードは(L=4,L=3,L=5)に基づき、DoF=4/3が得られる。
[0044]そのようなMU−MIMO送信各々に関連するDoFを実現するMU−MIMOコードについては下記の項で詳細に説明し、式(2)の集合に含まれるトーンの部分集合を通じたMU−MIMO送信方式を伴う。図4は、(L=2,L=3)である(1,2)のユーザペアに対応する可能なすべてのそのような部分集合と、|=0に対応する式(2)のトーンの集合を示す。
例示的な実施形態
[0045]本発明の実施形態は、OFDMプレーンを通じたチャネルの変化を、干渉アラインメントに基づく効率的なMU−MIMO送信に利用することが可能な部類のシナリオを含む。本発明の実施形態は、K人のユーザがいる部分IAのMU−MIMO方式、及び機会主義的なIAをより頻繁に利用することを可能にするようなその方式の使用法を特定する方法を提示する。
[0046]特に、本発明の技術は以下を提案する。
・干渉アラインメント(部分アラインメント又は完全アラインメント)を利用できるシナリオを特定する方法。この方法では提案1を利用して、すべての可能な{L}の置換で得られるDoFを調べることにより、任意のユーザの組についてすべてのそのような状況を特定する。
・各ユーザの組に最良のシナリオを選択する方法。これは、例えば、ユーザの組ごとに、最も高い効率が得られる{L}の組み合わせを選択することによる。一実施形態では、これは、式(3)からDoFを最大化する{L}の組み合わせ、又は他の適切な計量値(例えば伝達和や加重和伝送速度)を伴う。
・ユーザのMIPに関する情報に基づいてK人のユーザがいるマルチユーザMIMO送信におけるユーザをスケジュールする方法。これは、まず各ユーザの組に可能な最も高いDoFコードを求めてから、システム規模の公平性の基準に従ってスケジューリングするユーザの組を選択することによって行うことができる。
・コード(例えば関連付けられたDoFを実現する)をスケジュールされた各ユーザペアに割り当てる方法。
[0047]ユーザ端末における典型的な動作を図1にブロック図の形態で示す。図1を参照すると、一実施形態では、ユーザ端末k(充分に大きな集合にある各k)がダウンリンクのパイロットの測定結果を得、その評価を使用して自身のマルチパス強度プロファイルを推定(又は追跡)する。ユーザ端末はその推定値を使用して、支配項の場所と自身のMIPの強度の部分集合を基地局に送り返す。一実施形態では、ユーザはその他の数量も推定する。一実施形態では、そのような数量には、多くの可能な多相分解(L値ごとに1つ)各々に関連付けられたパラメータのセットが含まれる。特に、一実施形態では、ユーザは、1〜L−1の範囲のRのすべての値について、(L個の)多相成分のうち支配R中の電力の相対量を通知する。一実施形態では、それらの数量は、基地局にフィードバックされる(可能性としては、数量の推定及び場合によっては量子化の速度よりも低い速度で)。
[0048]図2は、基地局の動作の一実施形態のデータフロー図であり、複数台のユーザ端末からの(アップリンクのフィードバックからの)該当CSIの処理、各ユーザグループ(例えばペア)へのコード選択、及び単一ユーザ及び複数ユーザへの送信のためのユーザ端末及びユーザ端末グループ間のリソースの区分を示す。図2を参照すると、ユーザ端末の集合からのフィードバックに基づいて、基地局は、(行われる可能性のある)MU−MIMO送信のためにユーザのサブセットを選択する。一実施形態では、スケジューリングのために検討されるユーザの組ごとに、基地局はその組にマルチユーザMIMO送信を選択する。一実施形態では、これは、DoFを最大化する多相分解の組{L}を選択する(例えば提案1のDoF式を使用する)か、又は他の関連する効率の基準(例えば重み付けしたユーザの合計伝送速度)を選択することによって達成される一実施形態では、基地局は、連携MU−MIMO送信を行うユーザのグループを選択する(各組に選択されたMU−MIMO方式を使用する)。一実施形態では、少なくとも2人のユーザからなる少なくとも1つのグループが、OFDMプレーンのサブセットを通じて連携した送信を行うようスケジュールされる。一実施形態では、スケジュールされたグループに関連付けられるLは互いに素である。一実施形態では、このユーザの組の選択は、システム規模の効率の尺度に基づく。そのような一実施形態では、システムによりもたらされる平均のDoFが最大になるように、基地局が動作の配分(リソースの使用量の配分)を各ユーザの組に割振り、同時に各ユーザが公平なリソース使用を得られようにする。特に、一実施形態では、すべての可能な組の組み合わせを最初に検討し、すると各ユーザに動作の配分を割り当てることが作業となる。一実施形態では、そのような配分は、所与の利用量関数を最大にする値を選択することによって得られる。多くの効用関数の選択では、最適な動作の配分の求め方が当技術分野でよく知られている。そのような一実施形態では、効用関数は、すべての送信リソースにわたってシステムが提供する平均DoFに対応する。その場合、任意の凸オプティマイザ(convex optimizer)で最適な動作の配分を求めることができる。実際には、当技術分野でよく知られる単純な準最適アルゴリズムを利用してもよい。基地局における動作の一実施形態は、図5のフローチャートでも論理的に説明する。この処理は、ハードウェア(回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステム又は専用の機械で実行されるもの等)、又はそれらの組み合わせからなる処理ロジックによって行われる。
[0049]図5を参照すると、処理は、処理ロジックが各ユーザからMIP情報を収集することから開始する(処理ブロック501)。次に、ユーザグループごとに、処理ロジックは、任意のユーザグループに最も高いDoF MU−MIMOコードをもたらす{L}の集合を見つける(処理ブロック502)。処理ロジックはまた、シングル/マルチユーザMIMO送信のためにOFDMリソースをユーザグループに割り当て(処理ブロック503)、コード選択パラメータをユーザ端末に同報通信する(処理ブロック504)。その後、処理ロジックは、選択されたコードに基づいてMU−MIMO送信を行う(処理ブロック505)。
[0050]下記の項で説明するコード設計に従うと、一実施形態では、スケジュールされたユーザ端末のセットに対してMU−MIMO送信を可能にするコードを指定する同報通信パラメータは、提案1の{L}集合及び{I}の集合、式(2)の|パラメータ、下記の項の設計で使用されるベクトルp、及びそれらのパラメータを曖昧性なく指定し、したがって送信に使用されるコードを一意に定義する他の代替の指定を含むことに留意されたい。
[0051]本明細書に記載されるMU−MIMO方式の一実施形態では、システム内のOFDMトーンの数Fは、提案1で要求される形態に因数分解することができない。しかし、Fは充分に大きく、そのため、使用されるトーンの周波数が式(1)のトーンと「近く」なる(すなわち式(1)とほぼ同じ帯域幅だけ間隔を空ける)ように形式H(|)の行列を形成するために、チャネルのセットを共にグループ化することができる。
[0052]最後に、当業者には、多くの単純な受信機を用いる実施形態が可能であることが明らかであろう。一実施形態では、各干渉シンボル(別のユーザを対象とするシンボル)に関連するアラインメントブロック2(分離された送信)のスロット(トーン)についての受信機の測定結果を使用して、そのシンボルが送信されるすべての他のスロット(トーン)で生じるそのシンボルからの干渉を強制的にゼロする。これは、MU−MIMO BIAに関連するゼロ強制受信機と同様である(例えば、Chenwei Wang, et al., “Aiming Perfectly in the Dark-Blind Interference Alignment through Staggered Antenna Switching,” Feb. 2010を参照されたい)。そのシンボルの干渉アラインメントの次元数が1より高い場合(アラインメントブロック2のスロットが複数ある場合)は、ゼロ強制に加えて、アラインメントブロック2のスロットを線形に組み合わせて、そのシンボルが現れる他のトーンからの干渉を打ち消す。この線形の組み合わせは、一般には、干渉が生じたトーンと次のトーンとで異なるが、OFDMインデックス及びコードに基づいて容易に求めることができる。
[0053]当業者には、本明細書に提示する実施形態の電力割振りの拡張を考慮する本発明の実施形態は、2011年9月1日出願の米国特許出願第13/223,762号、名称「A Method to Deploy Efficient Blind Interference Alignment Using a Combination of Power Allocation and Transmission Architecture」にBIA方式の場合について提示されるものと同じく、容易に設計できることが明らかであろう。一実施形態では、他のユーザの1人又は複数の効率を(可能性としては小程度に)犠牲にして、1人又は複数のユーザの効率を向上させるために、ユーザ強度プロファイル多相分解に関する「支配」電力比の指標と順位の指標を、可能性としては他のパラメータ(例えばラージスケールSINR)と共に使用して、異なるユーザにまたがるMU−MIMOコード構造における電力の割振りを選択する。また、Chenwei Wang, et al., “Interference Alignment through Staggered Antenna Switching for MIMO BC with no CSIT,” Proc. Asilomar Conf, Nov. 2010に提示されるWang, et al, “Aiming Perfectly in the Dark - Blind Interference Alignment through Staggered Antenna Switching,” Feb. 2010の複数個のアクティブアンテナBIAコードの拡張を利用することにより、複数個の受信アンテナを持つユーザのために、本明細書に提示されるMU−MIMO方式の直接的で単純な拡張を開発することができる。当業者には、N>1個の受信アンテナとN=N個の送信アンテナ(N≧2)を持つユーザ端末を考慮する本発明の実施形態は、受信アンテナが単一である実施形態の単純なMIMOの拡張で容易に生成できることが明らかであろう。
OFDMによるコード構造:リソースの割振り及びコード設計
[0054]提案1に示されるDoF(多重化の利得)を実現するMU−MIMO送信を可能にするために使用できるコード設計の実施形態を説明する。具体的には、互いに素の{L}の集合及び提案1を満たす{R[k] }の集合を仮定して、式(2)のトーンの(適切に選択された)部分集合に対して式(3)のDoFを実現するコード設計の実施形態を説明する。
[0055]BIAコードの要素の一部と、Wang, et al., “Aiming Perfectly in the Dark - Blind Interference Alignment through Staggered Antenna Switching,” Feb. 2010(以下「Wang」と呼ぶ)で使用されるそれらの術語を説明する。WangのA(K,M)BIAコードは、(少なくとも)M個の送信アンテナを持つ送信機を介して、M個の切り替え可能なシングルアンテナモードを各々有するK個のユーザ端末に同時に対応するコードである。(K,M)BIAコードは、T=T+Tスロットの長さであり、T=(M−1)且つT=K(M−1)K−1である。このコードは、K個のユーザ端末各々にJ個のM次元のベクトルシンボルを伝達し、J=(M−1)K−1であり、可能な最大のDoF
Figure 2015502709

をもたらす。
[0056]合計T個のスロットのうち合計T個が「アラインメントブロック1」を構成する(AB−1)。AB−1の各スロットで、送信機は、1台のユーザ端末につき1つのシンボルの割合で、K個のM次元の情報シンボルの(可能性としては増減調整された)和を送信する。(合計Tのうち)残りのT個のスロットは、アラインメントブロック2」(AB−2)に割り振られ(Wang参照)、各M次元のユーザシンボルを送信するために独自に(一度)使用される。その結果、各ユーザシンボルは、正確にM−1個の「AB−1」スロットで(他のユーザのシンボルと共に)送信され、AB−2スロットで独自に一度送信される。AB−1スロットで送信されるユーザシンボルの組み合わせは、各ユーザ端末が自身のM個のアンテナモードの適切なアンテナ切り替えパターンを介して自身のJ個のM次元のシンボルを復号できるように選択することができる。
[0057]任意のシンボルが送信されるM個のスロットの集合(そのうちM−1個がAB−1であり、1つがAB−2である)をそのシンボルのアラインメントブロックと呼ぶ(Wang)。そのスロットからなるブロックで、対象の受信機は、自身のM個のアンテナを循環させ(それにより順位Mの行列を通じてシンボルを観察し)、すべての他の受信機はアンテナモードを固定させ、それにより、生じるシンボル干渉を1次元空間内で揃える。
[0058]次に、提案1に示されるDoFを実現することが可能な(Wangの)(K,M)BIAコードの拡張について説明する。まず、一般的なK人のユーザの場合のコード設計に注目し、次いで2人のユーザの特殊な事例を考える。
[0059]一般的なコード構造は、式(2)の集合を構成するトーンの集合の代替表現として利便に定義することができる。まず、0≦m≦Π−1の変数m、並びに1対1の変換を介してmに関連する他の変数について、(2)の集合F(|)の中でトーンf=|+mjを特定することも可能であることに留意されたい。特に、
pm=[p(m)p(m) ... p(m)] (4)
と定義される関数p(m)を考えたい。ここでp(m)=rem(m,L)であり、
Figure 2015502709

であり、
Figure 2015502709

はxを超えない最も大きな整数を表す。K個の組p(m)からk番目の項目を取り除くことによって生じる(K−1)個の組p[k](m)、すなわち
[k](m)=[p(m) ... pk−1(m) pk+1(m)... p(m)]
も考える。
[0060]提案1の場合、
Figure 2015502709

は互いに素の数の集合であるが、コード構造は、関連するインデックスのK個の組p(m)を介して集合F(|)中で各トーンを特定することによって特定することもできる。その理由は、この場合、式(4)の関数m→p(m)は
Figure 2015502709


Figure 2015502709

の間の1対1の対応付けを定義し、S(N)を使用して集合{0,1,2,...,N−1}を表し、
Figure 2015502709

を使用して直積S(N)×S(N)×L×S(N)を表しているためである。
[0061]この代替のpベクトルに基づく特徴化は非常に利便である。実際、ユーザ端末kについての任意のアラインメントブロック(Wang)(すなわちIAを可能にするためにユーザ端末kのシンボルが配置されるトーンの集合)はL個のpベクトルから構成され、それらはすべて同じp[k]値を有する。特に、ユーザ端末kについてのすべての
Figure 2015502709

個のアラインメントブロックの集合は、
Figure 2015502709

で与えられ、p[k]=[p ... pk−1k+1 ... p]に関連付けられたアラインメントブロックは、
[k](p[k])={[αα... α]; {α=p,∀j≠k},α∈S(L)}
で与えられる。
[0062]表記の便宜上、アラインメントブロックF[k](p[k])で定義されたユーザkの(潜在的な)シンボルをx[k](p[k])とする。
[0063]アラインメントブロック中のL個のトーンすべてがx[k](p[k])を送信するために必要とされる訳ではない。さらに、提案1より、F[k](p[k])、並びにF[k](p[k])にあるL個の連続したトーンのうちR[k] の部分集合を介して形成される部分行列におけるユーザkの行列チャネルの順位はR[k] であることを思い出されたい。その結果、DoFを最大にするために、ユーザ端末kを対象とする各シンボルはR[k] 次元でなければならず、アラインメントブロック中の(L個のスロットのうち)R[k] 個のスロットの部分集合で送信しなければならない。
[0064]また、ユーザ端末kを対象とし、そのようなR[k] 個のスロット(トーン)の集合で送信される各シンボルは、スロットのI=maxj≠k[j] がABタイプの2つのスロットとなるコードで送信されることに留意されたい。これは、対象とならない各受信機、すなわちj≠kとなる受信機jが、そのシンボルを搬送する残りのスロットでそのシンボルから発生する干渉を打ち消すことができるようにするためである。DoFを最大にするには、コードは、AB−1の送信で残りのスロットを使用すべきことが明らかである。すると、この方式では式(3)のDoFが得られることが容易に分かる。特に、ユーザ端末kのシンボルが送信されるR[k] 個のスロットのうちI個は(他の各ユーザでIAを可能にするために)単一シンボル(すなわちAB−2)の送信でなければならないという制約に従うと、それに対応する合計DoFを最大にするK人のユーザの「BIA」コードの長さはT=T+Tとなり、AB−1の長さは
Figure 2015502709

となり、AB−2の長さは
Figure 2015502709

となる。
[0065]このコードは、ユーザ端末kにJ[k][k] 次元のシンボルを送信し、
[k]=T[R[k] −I−1
であり、式(3)のDoFが得られる。
[0066]式(3)のDoFを実現する性質を有するコードは容易に定義することができる。まず、固定されているが任意のユーザkについてp[k]=0に対応するアラインメントブロックを考える。そのブロックは、p[k]=0となるp個の値を有するL個のトーンのチャネルで構成される。また、それらのトーンに関連するp個の値のp個の項目は同値でなく、集合{0,1,...,L−1}にわたる。p[k]=0に対応するアラインメントブロック中の最初のN個のトーン(すなわち最も低いmの値を有するN個のトーン)の(L個の)異なるp値のうちN個のp値をD[k](N)とする。また
[k]={p[k]=[p ... pk−1k+1 ... p];p∈D[j](R[j] −I)∀j≠k}
且つ
[k](p[k])={[α... α];{α=p,∀j≠k},α∈D[k](R[k] )}
とする。
[0067]コードは以下のように定義される。
各k∈{1,2,L,K}について
各p[k]∈X[k]について
[k](p[k])で次元R[k] のベクトルx[k](p[k])を送信する。
[0068]|X[k]|がJ[k]に等しいことは容易に検証することができる。したがって、要求されるように、コードはJ[k]個のシンボルをユーザ端末kに送信し、各々は次元R[k] であり、合計でT=T+Tのスロットを使用し、T及びTは上記のように定義される。ユーザ端末kが、任意のj≠kとなるユーザ端末jを対象とする任意のシンボルから生じるすべての干渉を打ち消すことができることは容易に検証することができる。実際、構造上、ユーザ端末jに対するそのようなシンボルを搬送するI≧R[k] 個のAB−2スロットがあり、そのスロットで、そのシンボルが送信される残りのR[j] −I個の(AB−1)スロットからのシンボルの寄与分をユーザ端末kが打ち消すのに十分である。すべての干渉が除去されると、ユーザ端末kは順位R[k] のチャネルを通じてそのような各シンボルを認識するため、自身の各シンボルを復号することができる(性質1を参照されたい)。
[0069]K=2のユーザ端末を伴う特殊な事例では、D[k](N)={rem(mL2−k,L);0≦m≦N−1}となる。コードは以下のシンボルからなる。
・各n∈D[2](R[2] −R[1] )につき、トーンの集合{p=[n];n∈D[1](R[1] )}を通じてR[1] 次元のベクトルシンボルx[1](n)を送信する。
・各n∈D[1](R[1] −R[2] )につき、トーン{p=[n ];n∈D[2](R[2] )}を通じてR[2] 次元のベクトルシンボルx[2](n)を送信する。
[0070]提案1のDoFを満たす多くの他のコードも構築し、使用することができる。例えば、任意のトーン/ベクトルp=p(全ゼロベクトルとは異なる)を含んでいるK個のアラインメントブロックから開始し、kごとに、関連するp[k](p=pを含んでいるk番目のユーザのアラインメントブロックに対応する)を使用する。そして、p=pに対応するトーンから開始して、N個の連続したトーンの集合に関連付けられたN個のp項目としてD[k](N)を定義することができる(mの値を増分し、最後まで達したら最初の値に戻る)。そのようなコードはいずれも提案1のDoFを実現する。
実施例
[0071]図3は3人のユーザがいる例であり、以下を示している。a)各ユーザのMIPの非ゼロのタップ遅延を、L個の値の集合に対応するL個の成分の多相分解の順位に対応づける(一番上の表)、b)それに対応する、ユーザと多相成分とのペアリング(一番下の表の各項目から延びている矢印のセット)、c)本明細書に記載されるMU−MIMO IAコードを介して実現できるDoF。
[0072]図4は、ユーザペア(1,2)について図3のDoFを実現するMU−MIMOの実装で使用されるリソースブロックのセットの一例である。6つの可能なコードは各々、コード設計の項で説明したコード設計アルゴリズムを適用することによって設計され、設計で異なるpベクトルを使用することに対応する。
基地局及びユーザ端末の実施形態
[0073]図6は、基地局の設計のブロック図である。図6を参照すると、基地局は、T個(ここではTはNを表す)アンテナ634a〜634tを備える。送信プロセッサ620は、1つ又は複数のユーザ端末についてデータソース612からデータを受け取り、各ユーザ端末に1つ又は複数の変調及び符号化方式(MCS)を選択し、ユーザ端末に選択された(1つ又は複数の)MSCに基づいて各ユーザ端末に対するデータを処理(例えば符号化及び変調)し、すべてのユーザ端末にデータシンボルを提供する。一実施形態では、送信プロセッサ620はシステム情報及び制御情報も処理し、オーバーヘッドシンボル及び制御シンボルを提供する。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ630は、データシンボル、制御シンボル、オーバーヘッドシンボル、及び/又は該当する場合は参照シンボルに空間的処理(例えばプレコーディング)を行い、T個の出力シンボルストリームをT個の変調器(MOD)632a〜632tに提供する。各変調器632は、それぞれの出力シンボルストリームを(例えばOFDM等のために)処理して、出力サンプルストリームを得る。一実施形態では、各変調器632はさらに、出力サンプルストリームを処理(例えばアナログ変換、増幅、フィルタリング、及びアップコンバート)して、ダウンリンクの信号を得る。変調器632a〜632tからのT個のダウンリンクの信号は、それぞれT個のアンテナ634a〜634tを介して送信される。
[0074]スケジューラ644は、ダウンリンク及び/又はアップリンクでデータを送信するためにユーザ端末をスケジュールすることができる。上記のように、スケジューラ644は、MU−MIMO送信、OFDMリソース、及びMU−MIMOの送信コードについてユーザ端末のグループ(例えばペア)をスケジュールする。スケジューラ644は、各自のマルチパス強度プロファイルに基づいてグループ化されたユーザ端末グループを送信のためにスケジュールし、MIMO送信のためのOFDMリソースをユーザ端末グループに割り当て、MU−MIMO送信コードをユーザ端末グループに割り当てる。
[0075]一実施形態では、スケジューラは、マルチパス強度プロファイルの主要経路の遅延(及び可能性としては受信電力)に基づいて複数のユーザ端末及びユーザ端末のグループからマルチパス強度プロファイル情報を収集する。一実施形態では、スケジューラ644は、所与のユーザ端末の集合について最も高い自由度のMU−MIMOコードをもたらすL値の集合についての多相分解を特定することによってユーザ端末をグループ化する。一実施形態では、スケジューラ644は、各ユーザ端末グループに動作の配分を割り振る。
[0076]チャネルプロセッサ680は、ULの送信に関連するチャネル処理動作を行う。DLでは、チャネルプロセッサ680を使用して各種の動作を行うことができる。一実施形態では、チャネルプロセッサ680は、ユーザからフィードバックされたユーザMIPの主要な遅延(及び可能性としては電力)を処理し、図2に示すように各ユーザのチャネルに関連する多相順位を生成する。一実施形態では、これらの3つの枠は上記のようにスケジューラ644で行われる。
[0077]基地局では、ユーザ端末からのアップリンクの信号はアンテナ634で受信され、復調器632で処理され、該当する場合はMIMO検出器636で検出され、さらに受信プロセッサ638で処理されて、ユーザ端末から送信された復号後のデータ及び制御情報を得る。プロセッサ638は復号されたデータをデータシンク639に提供し、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ640に提供する。
[0078]コントローラ/プロセッサ640は基地局における動作を指示する。プロセッサ640並びに/又は基地局の他のプロセッサ及びモジュールは、本明細書に記載される技術についての動作及び/又は他の処理を行うか、又は指示する。メモリ642は、基地局のデータ及びプログラムコードを記憶する。
[0079]図7は、スケジューラの一実施形態のブロック図である。図7を参照すると、スケジューラは、ユーザ端末のMIPの主要経路の遅延を含むCSI情報750を受信するユーザペアリング及びペアリング動作の配分モジュール701を含む。一実施形態では、これはアップリンクのフィードバックを介して受信される。モジュール701は、ユーザ端末に依存する他のパラメータ710(例えばQOS)、効用の基準711(例えば比例する公平性/最大の公平性に基づく)、及び/又はスケジューリングの制約を示す情報712(ユーザデータ配信の許容可能な遅延、ユーザデータバッファのサイズ等)も受信する。それらの入力に応答して、モジュール701は、上記の技術を使用して、スケジュールされたペア721の複数のセット及びスケジュールされたペア721ごとに1つの動作の配分722を生成する。リソース割当スケジューリングモジュール702は、スケジュールされたペア721及び動作の配分722並びにリソース及び制約を示す情報712を受け取る。それらの入力に応答して、モジュール702は、上記のようにして、リソースブロックの割振り731を有するスケジュールされたペア731と、スケジュールされたペア731ごとのコード割当732を生成する。
[0080]図8はユーザ端末の一実施形態のブロック図である。図8を参照すると、アンテナ852a〜852rは、基地局からダウンリンクの信号を受信し、受信した信号をそれぞれ復調器(DEMOD)854a〜854rに提供することができる。一実施形態では、各復調器854は、受信した信号を条件付け(例えばフィルタリング、増幅、ダウンコンバート、及びデジタル化)して入力サンプルを得る。一実施形態では、各復調器854はさらに入力サンプルを(例えばOFDM等のために)処理して受信シンボルを得る。MIMO検出器856は、R個の復調器854a〜854rすべてから受信シンボルを取得し、該当する場合は受信シンボルにMIMO検出を行い、検出されたシンボルを提供する。受信プロセッサ858は、基地局からユーザ端末が属するユーザ端末グループに行われたコード割当に基づいて検出シンボルを処理(例えば復調及び復号)し(コード割当はマルチパス強度プロファイル(ユーザ端末のMIPの主要経路の遅延)に基づいて行われる)、ユーザ端末に対応する復号データをデータシンク860に提供し、復号された制御情報及びシステム情報をコントローラ/プロセッサ880に提供する。
[0081]アップリンクでは、ユーザ端末で、送信プロセッサ864がデータソース862からデータを受け取って処理し、基地局のコントローラ/プロセッサ(例えば図6のコントローラ/プロセッサ680)から制御情報を受け取って処理する。一実施形態では、プロセッサ864は、1つ又は複数の参照信号について参照シンボルも生成する。送信プロセッサ864で生成されたシンボルはTX MIMOプロセッサ866でプレコーディングされ、さらに変調器854a〜854rで処理され(例えばSC−FDM、OFDM等のために)、基地局に送信される。
[0082]ユーザ端末は、マルチパス強度プロファイルの主要経路の遅延を追跡するチャネルトラッカ/プロセッサ890も含む。一実施形態では、これは、まずOFDMシンボルの大きなブロック(例えば数百個)にわたってパイロット送信の観測結果を使用してタップ遅延とそれらの電力を推定することによって達成される。これは、従来のパラメトリックモデルや最近の圧縮感知方式を含むいくつかの方式を使用して行うことができる。これらはその後、新しいパイロット観測の結果が入手できるようになるのに従って時間とともに徐々に更新することができる。このタップ遅延電力の推定はその後送信プロセッサ864、TX MIMOプロセッサ866、変調器854a〜854r、及びアンテナ852a〜852rを介して基地局にフィードバックされる。
[0083]一実施形態では、プロセッサ870は、基地局のフィードバックを要求する等、アップリンクのチャネルでフィードバックを実施することにより、MIPの変化を追跡し、MIPのフィードバックをスケジュールする。一実施形態では、プロセッサ870は、以下のような他の重要な機能を行う。
[0084]DL制御情報の解析に基づいて、コントローラ880はMU−MIMOコードを指定する部分を抽出し、それをプロセッサ870に提供し、プロセッサ870はその情報を使用してOFDMの観測結果をアラインメントブロックに対応付け、アラインメントブロックを処理して他のユーザストリームからの干渉を推定し、それにより得られた干渉が抑制された測定結果を再度組み合わせてグループ化し、各グループは、当該ユーザを対象とする送信データベクトルに対応する。そして、その「MIMO」測定結果のグループが復号のために受信プロセッサ858に渡される。この段階で、プロセッサ858は、有効チャネルにSU−MIMOのコヒーレント復号を行うことができる。コヒーレント復号を行うためには、MU−MIMO送信時のDLパイロットに基づくCSIR/チャネルの推定も必要であることに留意されたい。この機能は代わりにプロセッサ870が行ってもよい。
[0085]コントローラ/プロセッサ880は、ユーザ端末における動作を指示する。メモリ842は基地局のデータ及びプログラムコードを記憶する。
[0086]以上の説明を読むことにより当業者には本発明の多くの改変及び変更が明らかになると思われるが、例として図示し、説明した特定の実施形態はいずれも本発明を制限するものではないことを理解されたい。したがって、各種実施形態の詳細の参照は、元来本発明に必須と考えられる特徴のみを述べる特許請求の範囲を制限するものではない。

Claims (27)

  1. 各自のマルチパス強度プロファイルに基づいてユーザ端末をグループ化するステップであって、前記グループの少なくとも1つが2つ以上のユーザ端末を有する、当該ステップと、
    MU−MIMO送信のためにユーザ端末グループをスケジューリングするステップと、
    MIMO送信のために前記ユーザ端末グループにOFDMリソースを割り振るステップと、
    前記ユーザ端末グループにMU−MIMO送信コードを割り当てるステップと、
    割り当てられたMU−MIMO送信コードを使用して前記ユーザ端末グループのMU−MIMO送信を行うステップと、
    を備える方法。
  2. 複数のユーザ端末からマルチパス強度プロファイル情報を収集するステップ、
    をさらに備える請求項1に記載の方法。
  3. 前記ユーザ端末をグループ化するステップが、前記マルチパス強度プロファイル中の主要経路の遅延に基づく、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ユーザ端末をグループ化するステップが、
    所与のユーザ端末のセットについて最も高い自由度(DoF)となるMU−MIMOコードをもたらす、前記マルチパス強度プロファイル中の情報の個別に操作されるL個の成分の多相分解の部分集合を特定するサブステップを含み、各L個の成分の多相分解はLの異なる値に関連付けられ、前記Lは1より大きい整数である、請求項1に記載の方法。
  5. ユーザ端末グループに割り当てられる少なくとも1つのMU−MIMOコードは、K個のユーザ端末のセットに対するものであり、且つ、前記グループの各ユーザ端末の前記マルチパス強度プロファイルの少なくともK個の個別の多相分解に基づくものであり、
    各前記個別の多相分解の多相成分の数はその他の多相分解の成分の数と異なり、前記Kは整数である、請求項1に記載の方法。
  6. ユーザ端末ごと且つ多相分解ごとにユーザ順位を決定するステップ、
    をさらに備える請求項5に記載の方法。
  7. 大きさKのユーザ端末グループごとにユーザ順位のセットを決定し、Kは1より大きく、前記少なくともK個の多相分解の各々に1つのユーザ順位のセットが決定され、大きさKの順位のセットの任意のKに実現可能な最大のDoFを特定するステップ、
    をさらに備える請求項6に記載の方法。
  8. 前記ユーザ端末グループにMU−MIMO送信コードを割り当てるステップが、K台のユーザ端末を含むグループにMU−MIMO送信コードを割り当てるサブステップを含み、
    前記方法は、
    ユーザ順位のセットごとに、大きさKのユーザグループに可能なすべての選択肢の中でK個の多相分解のセットに最大のDoFを実現するコードを選択するステップ、
    をさらに備える、請求項6に記載の方法。
  9. コード選択パラメータをユーザ端末に同報通信するステップ、
    をさらに備える請求項1に記載の方法。
  10. 各ユーザ端末グループに動作の配分を割り振るステップ、
    をさらに備える請求項1に記載の方法。
  11. 各ユーザ端末グループがユーザ端末のペアを含む請求項1に記載の方法。
  12. 複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナに結合され、前記複数のアンテナによって送信される信号の変調を行う複数の変調部と、
    前記複数の変調部に結合され、送信する信号を生成する送信MIMOプロセッサと、
    各自のマルチパス強度プロファイルに基づいてグループ化されたユーザ端末グループを送信のためにスケジューリングし、MIMO送信のために前記ユーザ端末グループにOFDMリソースを割り振り、前記ユーザ端末グループにMU−MIMO送信コードを割り当てるように動作することが可能なスケジューラであって、前記ユーザ端末グループの少なくとも1つは2つ以上のユーザ端末を含む、当該スケジューラと、
    前記スケジューラ及び前記送信MIMOプロセッサに結合され、前記送信MIMOプロセッサ、前記複数の変調部及び前記複数のアンテナに、割り振られたOFDMリソース及び割り当てられたMU−MIMO送信コードを使用して前記ユーザ端末グループのMU−MIMO送信を行わせるコントローラと、
    を備える基地局。
  13. 前記複数のアンテナに結合され、前記複数のアンテナで受信される信号の復調を行う複数の復調部と、
    前記複数の復調部に結合され、前記複数の復調部から信号を受信するMIMO検出器と、
    前記MIMO検出器に結合され、前記MIMO検出器からの信号を処理する受信プロセッサと、
    をさらに備える請求項12に記載の基地局。
  14. 前記スケジューラが、前記複数の復調部、前記MIMO検出器、及び前記受信プロセッサを介して、複数のユーザ端末から前記マルチパス強度プロファイルの情報を収集する請求項13に記載の基地局。
  15. 前記スケジューラが、前記マルチパス強度プロファイル中の主要経路の遅延に基づいてユーザ端末をグループ化する請求項12に記載の基地局。
  16. 前記スケジューラが、所与のユーザ端末のセットについて最も高い自由度(DoF)となるMU−MIMOコードをもたらす、前記マルチパス強度プロファイル中の情報の個別に操作されるL個の成分の多相分解の部分集合を特定することによりユーザ端末をグループ化し、
    各L個の成分の多相分解はLの異なる値に関連付けられ、前記Lは1より大きい整数である、請求項12に記載の基地局。
  17. 前記スケジューラが、少なくとも1つのMU−MIMOコードをユーザ端末グループに割振り、前記少なくとも1つのMU−MIMOコードが、K個のユーザ端末のセットに対するものであり、且つ、前記グループの各ユーザ端末の前記マルチパス強度プロファイルの少なくともK個の個別の多相分解に基づくものであり、
    各前記個別の多相分解の多相成分の数は他の多相分解の成分の数と異なり、前記Kは整数である、請求項12に記載の基地局。
  18. 前記スケジューラが、ユーザ端末ごと且つ多相分解ごとにユーザ順位を決定するように動作可能である請求項17に記載の基地局。
  19. 前記スケジューラが、大きさKのユーザ端末グループごとにユーザ順位のセットを決定するように動作可能であり、
    前記少なくともK個の多相分解の各々に1つのユーザ順位のセットが決定され、前記Kは1より大きく、
    前記スケジューラが、大きさKの順位のセットの任意のKに実現可能な最大のDoFを特定する、請求項18に記載の基地局。
  20. 前記スケジューラが、K台のユーザ端末があるグループにMU−MIMO送信コードを割り当てることを含めて、前記ユーザ端末グループにMU−MIMO送信コードを割り当て、ユーザ順位のセットごとに、大きさKのユーザグループに可能なすべての選択肢の中でK個の多相分解のセットに最大のDoFを実現するコードを選択するように動作可能である請求項18に記載の基地局。
  21. 前記スケジューラが、K個のユーザ端末からなる各グループについて、Kは1より大きい整数であり、LのK個の異なる値を選択し、Lはユーザのマルチパス強度プロファイルの多相分解の成分数であり、前記グループに含まれるK人のユーザ各々に関連付けられたK個の多相分解の順位に基づいてMU−MIMOコードを選択し、各ユーザ端末についてのK個の各順位は、前記ユーザ端末のマルチパス強度プロファイルの主要な電力タップの遅延と、それに関連付けられたL値のL個の成分への多相分解とに基づいて算出される、請求項12に記載の基地局。
  22. 前記複数のアンテナがユーザ端末にコード選択パラメータを同報通信する請求項12に記載の基地局。
  23. 前記スケジューラが、各ユーザ端末グループに動作の配分を割り振るように動作可能である請求項12に記載の基地局。
  24. 各ユーザ端末グループがユーザ端末のペアを含む請求項12に記載の基地局。
  25. 前記スケジューラが、効用の基準、サービス品質(QOS)情報、少なくとも1つの他のユーザ端末パラメータ、からなる群の1つ又は複数に応じて、ユーザ端末をグループ化する、請求項12に記載の基地局。
  26. 1つ又は複数のアンテナと、
    前記1つ又は複数のアンテナに結合され、前記1つ又は複数のアンテナによって送信される信号の変調を行う複数の変調部と、
    前記複数の変調部に結合され、送信する信号を生成する送信MIMOプロセッサと、
    前記送信MIMOプロセッサに結合され、ユーザ端末に関連付けられたマルチパス強度プロファイル中の主要経路の遅延を追跡し、前記送信MIMOプロセッサ、前記複数の変調部及び前記1つ又は複数のアンテナを介して前記遅延をフィードバックさせるチャネルトラッカと、
    前記1つ又は複数のアンテナに結合され、前記1つ又は複数のアンテナで受信された信号の復調を行う複数の復調部と、
    前記複数の復調部に結合され、前記複数の復調部からの信号を受信するMIMO検出器と、
    前記MIMO検出器に結合され、前記MIMO検出器からの信号を処理する受信プロセッサであって、ユーザ端末が属するユーザ端末グループに対して基地局から行われたコード割当に基づいて適切な復号を適用し、前記コード割当は前記マルチパス強度プロファイルに基づいて行われる、当該受信プロセッサと、
    を備えるユーザ端末。
  27. 前記チャネルトラッカが、アップリンクの低伝送速度のフィードバック用チャネルを使用して、前記主要経路の遅延を前記基地局にフィードバックさせる、請求項26に記載のユーザ端末。
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