JP5626826B2 - 皮膚貼付用粘着剤組成物及び皮膚貼付剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚貼付用粘着剤組成物、及び当該組成物を用いて形成された粘着剤層を有する皮膚貼付剤に関する。
近年、皮膚疾患部のみでなく全身作用を目的とした経皮吸収性の皮膚貼付剤が、新しいタイプの徐放性製剤として注目されている。
従来、この種の皮膚貼付剤としては、特許文献1に記載された、支持体、粘着剤層、多孔性中空繊維及びセパレーターからなり、該多孔性中空繊維の空隙部分に薬剤(ニコチン)及び低分子固体物質を含有する徐放性貼付剤が知られている。しかしながら、この文献に記載された貼付剤には、含まれる低分子固体物質が粘着剤層において粘着付与剤として機能して、粘着剤層の皮膚への粘着力が大きくなり過ぎるために、貼付剤を皮膚から剥がす際に痛みを伴う場合があるという問題があった。また、薬剤(ニコチン)の経時安定性が悪いという問題もあった。
さらに、特許文献2に記載された、常温で粘着性を示すゴム系粘着剤層を担持体上に設け、該ゴム系粘着剤層に、薬剤(ニコチン)を含有させた膏体層、及び剥離ライナーを有する外用貼付剤も知られている。しかしながら、特許文献2に記載の貼付剤には、ニコチンが常温で液状であるために、ニコチンが粘着剤層において可塑剤として機能し、粘着剤層の皮膚や担持体に対する粘着性(接着性)が低下して、貼付剤から担持体が剥がれたり、貼付剤そのものが皮膚から剥がれ易くなるという問題があった。
特開2004−168734号公報 特開2007−45779号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、良好な皮膚貼付性(保持力、固定力)を有し、剥がす際に痛みを伴わず、剥がした際に糊残りが発生することがない皮膚貼付剤の粘着剤層を形成できる皮膚貼付用粘着剤組成物、及び、この皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有し、薬物の徐放性及び経時安定性に優れる皮膚貼付剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、粘着剤層を有する皮膚貼付剤について鋭意研究を重ねた。その結果、粘着剤層の形成材料として、N−ビニル環状ラクタム単量体及びアクリル系単量体を含み、かつ、カルボキシル基又は水酸基を有する単量体を含まないモノマー組成物を重合して得られるアクリル系共重合体、並びにポリイソシアネート化合物を含有する皮膚貼付用粘着剤組成物を用いると、良好な皮膚貼付性(保持力、固定力)を有し、剥がす際に痛みを伴わず、剥がした際に糊残りが発生することがない粘着剤層を形成できること、並びに、この粘着剤層を有する皮膚貼付剤は、薬物の徐放性及び経時安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、下記(1)〜(6)の皮膚貼付用粘着剤組成物が提供される。
(1)N−ビニル環状ラクタム単量体及びアクリル系単量体を含み、かつカルボキシル基又は水酸基を有する単量体を含まないモノマー組成物を重合して得られるアクリル系共重合体、並びにポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする皮膚貼付用粘着剤組成物。
(2)前記N−ビニル環状ラクタム単量体の配合割合が、モノマー組成物全体に対して10〜40モル%である(1)に記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
(3)前記N−ビニル環状ラクタム単量体が、N−ビニル−2−ピロリドンである(1)又は(2)に記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
(4)前記アクリル系単量体が、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである(1)〜(3)のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
(5)前記ポリイソシアネート化合物におけるイソシアネート基の数が、前記アクリル系共重合体に含まれる環状ラクタムの数に対して、0.03〜3当量である(1)〜(4)のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
(6)前記ポリイソシアネート化合物が、芳香族ポリイソシアネート化合物である(1)〜(5)のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
本発明の第2によれば、下記(7)、(8)の皮膚貼付剤が提供される。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、薬物を含有する薬物貯蔵層とを有する皮膚貼付剤。
(8)(1)〜(6)のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有し、前記粘着剤層に薬物が含有されている皮膚貼付剤。
本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物によれば、良好な皮膚貼付性(保持力、固定力)を有し、剥がす際に痛みを伴わず、剥がした際に糊残りが発生することがない皮膚貼付剤の粘着剤層を形成することができる。
本発明の皮膚貼付剤は、本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有するものであるため、良好な皮膚貼付性を有し、剥がす際に痛みを伴わず、剥がした際に糊残りが発生することが無く、かつ、薬物の徐放性及び経時安定性に優れる。
本発明の皮膚貼付剤(i)の層構成断面図である。 本発明の皮膚貼付剤(ii)の層構成断面図である。
以下、本発明を、1)皮膚貼付用粘着剤組成物、及び、2)皮膚貼付剤に項分けして詳細に説明する。
1)皮膚貼付用粘着剤組成物
本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物は、N−ビニル環状ラクタム単量体及びアクリル系単量体を含み、かつカルボキシル基又は水酸基を有する単量体を含まないモノマー組成物を重合して得られるアクリル系共重合体、並びにポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
本発明に用いるアクリル系共重合体は、(a)N−ビニル環状ラクタム単量体、及び(b)アクリル系単量体を含み、かつ(c)カルボキシル基又は水酸基を有する単量体を含まないモノマー組成物を重合して得られるものである。
(a)N−ビニル環状ラクタム単量体は、環状ラクタム構造を有し、ラクタム構造を構成する窒素原子にビニル基が結合した化合物である。
環状ラクタム構造としては、β−ラクタム構造、γ−ラクタム構造、δ−ラクタム構造、ε−ラクタム構造等が挙げられ、γ−ラクタム構造、δ−ラクタム構造が好ましい。
N−ビニル環状ラクタム単量体の具体例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルバレロラクタム(N−ビニル−2−ピペリドン)、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
N−ビニル環状ラクタム単量体は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、N−ビニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
前記N−ビニル環状ラクタム単量体の配合割合は、モノマー組成物全体に対して、通常5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%である。この範囲の配合割合とすることで、十分な凝集力を有する、均一な組成の共重合体を得ることができる。
(b)アクリル系単量体としては、分子内にカルボキシル基及び水酸基をもたない(メタ)アクリル酸誘導体であれば、特に限定されない。例えば、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アリール基の炭素数が6〜20の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸アミド等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタクリル」を表す。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の所望の効果をさらに良好に発現させる観点から、アルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステルがより好ましく、アクリル酸2−エチルへキシルが特に好ましい。
(c)前記モノマー組成物は、カルボキシル基を有する単量体及び水酸基を有する単量体を含まないものである。したがって、ニコチン等の酸により分解が促進される薬物を含有する場合であっても、薬物の経時安定性に優れる粘着剤層の構成材料となるアクリル系共重合体を得ることができる。
前記モノマー組成物には、所望により、N−ビニル環状ラクタム単量体又はアクリル系単量体と共重合可能であって、カルボキシル基及び水酸基をもたない他の単量体を共重合成分として含んでいてもよい。
かかる他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体;等が挙げられる。
また、前記他の単量体としては、アミノ基等の活性水素を有する基(カルボキシル基及び水酸基を除く)を含んでいてもよい。活性水素を有する基を含む単量体を用いると、得られる皮膚貼付用粘着剤組成物の凝集力がさらに強力になる場合がある。但し、本発明においては、このような活性水素を有する基を含む単量体を用いなくとも、十分な凝集力を有する皮膚貼付用粘着剤組成物を得ることができる。
N−ビニル環状ラクタム単量体、アクリル系単量体、及び所望により他の単量体からなるモノマー組成物を重合する方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を採用できる。なかでも、適当な溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下、モノマー組成物をラジカル重合する方法が簡便であり好ましい。
用いるラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルペルオキシド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤;等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー組成物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましく、0.1〜1質量部の範囲が特に好ましい。
用いる溶媒としては、モノマー組成物に対して不活性なものであれば特に制約はなく、例えば、酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの中でも、反応が円滑に進行することから、酢酸エチル等のエステル系溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は特に制約されないが、通常、反応混合物全体の10〜70質量%である。
得られるアクリル系共重合体の共重合の形態は、特に制限されず、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれであってもよい。
得られるアクリル系共重合体の分子量は、質量平均分子量で20万以上が好ましく、30万〜200万の範囲がより好ましい。質量平均分子量が20万未満では得られる粘着剤層の凝集力に劣り、皮膚から引き剥がす際に糊残りするおそれがある。なお、質量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物は、前記アクリル系共重合体に加えて、架橋剤としてポリイソシアネート化合物を含有する。
用いるポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリジンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの誘導体としては、イソシアヌレート体、ビウレット体、ウレトジオン体等の変性物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネ−トとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、3,3,5−トリメチル−1−イソシアナト−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、1,6−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス(4,4’イソシアナトシクロヘキシル)メタン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
これらのポリイソシアネート化合物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、芳香族ポリイソシアネート化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート系化合物がより好ましい。
用いるポリイソシアネート化合物におけるイソシアネート基の数は、前記アクリル系共重合体に含まれる環状ラクタムの数に対して、0.03〜3当量であることが好ましい。0.03当量より少ないと、十分な凝集力が得られないことがあり、3当量を超えると粘着力が低下することがある。
本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物を調製する方法としては、特に制約はなく、例えば、前記アクリル系共重合体と、ポリイソシアネート化合物とを溶媒中に溶解又は分散する方法;アクリル系共重合体の溶媒溶液と、ポリイソシアネート化合物又はその溶媒溶液を混合する方法;等が挙げられる。
調製に用いる溶媒としては、前記アクリル系共重合体を製造する際に用いる溶媒として例示したのと同様のものが挙げられる。また、前記アクリル系共重合体を合成した際に得られた反応混合物を、アクリル系共重合体としてそのまま用いることもできる。
本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、所望により、他の粘着剤や粘着付与樹脂、従来アクリル系粘着剤に慣用されている各種添加成分等を含有させてもよい。
本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物によれば、後述するように、良好な皮膚貼付性を有し、剥がす際に痛みを伴わず、剥がした際に糊残りが発生しない皮膚貼付剤の粘着剤層を形成することができる。
2)皮膚貼付剤
本発明の皮膚貼付剤は、(i)本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、薬物を含有する薬物貯蔵層とを有する皮膚貼付剤(i)、又は、(ii)本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有し、前記粘着剤層に薬物が含有されている皮膚貼付剤(ii)である。
〔皮膚貼付剤(i)〕
皮膚貼付剤(i)は、粘着剤層と薬物貯蔵層とを有する貼付剤である。
(粘着剤層)
皮膚貼付剤(i)の粘着剤層は、本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成されたものである。
該粘着剤層の形成方法は、例えば、本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物を後述する基材シート又は剥離シートに塗工することにより形成することができる。
本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物を基材シート又は剥離シートに塗工する方法としては、特に限定されない。例えば、ナイフコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター、リップコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター等の公知の塗工装置を用いる方法が挙げられる。
皮膚貼付用粘着剤組成物を塗工した後は、溶媒や低沸点成分を除去するために、60〜150℃の温度で、30秒から5分間加熱して乾燥するのが好ましい。
なお、上記のようにして得られる粘着剤層を複数積層することによって、所望の厚みを有する粘着剤層とすることもできる。
粘着剤層の厚み(乾燥膜厚)は、特に限定されないが、通常5〜1000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは50〜350μmである。
(薬物貯蔵層)
薬物貯蔵層は薬物を含有する層である。
薬物としては、経皮吸収可能な薬物であれば特に制限はない。例えば、ニコチンなどの禁煙治療補助剤;コルチゾン、ハイドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドノゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン等のステロイド系抗炎症剤;サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ジクロフェナック、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェルビナク、ロキソプロフェン等の非ステロイド系抗炎症剤;フェンタニル、ブプレノルフィン等の麻薬性鎮痛剤;ニトログリセリン、イソソルビド等の狭心症薬;ツロブテロール等の気管支拡張薬;リドカイン等の経皮帯状疱疹後疼痛治療剤;ベルゴリド等の抗パーキンソン剤;オキシブチニン等の尿失禁・頻尿治療剤;クロニジン等の抗高血圧剤;塩酸ドネペジル(商品名アリセプト)、リバスチグミン(商品名エクセロン)、イスプロニクリン、塩酸メマンチン、臭化水素酸ガランタミン、レコゾタン塩酸塩等の認知症治療剤;などが挙げられる。これらの薬物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
薬物貯蔵層中の薬物の含有量は、特に制約はないが、通常0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%である。
薬物貯蔵層には、薬物を保持させる目的で、バインダ成分、多孔性の基体等が含まれていてもよい。
バインダ成分としては、高分子成分、充填剤等が挙げられる。
高分子成分としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン重合体、スチレン−ブタジエン重合体、イソプレン重合体、イソブチレン重合体、ブタジエン重合体、シリコーン系重合体、アクリル系重合体、ポリウレタン系重合体等が挙げられる。
これらの高分子は、1種単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;亜鉛酸カルシウム等の亜鉛酸塩;酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物;等が挙げられる。
これらは、1種単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、薬物貯蔵層中には、上記成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば、安定化剤や抗酸化剤、香料、pH調整剤、色素等のその他の成分を添加してもよい。
薬物貯蔵層を形成する方法は、特に限定されない。例えば、(α)粘着剤層上に、前記薬物及び所望によりバインダ成分、他の成分(以下、「薬物等」ということがある。)を含有する薬物貯蔵層形成用組成物を塗工する方法、(β)粘着剤層上に、予め薬物等を含有させた薬物貯蔵層のフィルム又はシートを積層する方法、(γ)粘着剤層上に、薬物貯蔵用の層を形成し、該薬物貯蔵用の層に薬物等を含浸させる方法、等が挙げられる。
これらの中でも、薬物貯蔵層内における薬物等の経時安定性及び薬物の徐放性により優れる皮膚貼付剤を得ることができることから、(β)又は(γ)の方法が好ましく、(β1)粘着剤層上に、薬物等を含浸させた多孔性の基体を積層する方法、又は、(γ1)粘着剤層上に、多孔性の基体を積層し、該多孔性の基体に薬物等を含浸させる方法がより好ましく、(γ1)の方法が特に好ましい。
用いる多孔性の基体としては、安全で薬物等を含浸することができるものであれば特に制約はなく、繊維状物質で構成された基体、発泡性材料で構成された基体、セラミック製多孔質体等のいずれであってもよい。
繊維状物質で構成された基体としては、天然繊維、化学繊維等の繊維、及びこれらの繊維からなる不織布、織布、紙類等が挙げられる。
天然繊維としては、パルプ繊維、コットン繊維、シルク繊維、ウール繊維、麻繊維等が挙げられる。
化学繊維としては、再生繊維、合成繊維等が挙げられる。
再生繊維としては、レーヨン、キュプラ、レーヨン等が挙げられる。
合成繊維としては、ポリプロピレン繊維;ポリエチレン繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、共重合ポリエステル等のポリエステル繊維;ポリエステル繊維等を親水化処理した親水性繊維;ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等のポリオレフィン繊維;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維;ポリアクリロニトリル系繊維;ポリスチレン系繊維;ポリフッ化エチレン系繊維;等が挙げられる。これらの繊維は一種単独で、あるいは二種類以上を混合したものを使用できる。
不織布は紡績、製織、編組によることなく、繊維集合体を化学的手段や、機械的・化学的作用あるいは適当な水分と熱のもとで処理して、繊維相互間を結合したものである。
不織布としては、ケミカルボンド式不織布、機械接合型不織布、紡糸型不織布(スパボンド式不織布)等の乾式不織布や、湿潤状態でウェブの形成が行われる湿式不織布が挙げられる。
不織布の材料としては、上述した天然繊維、化学繊維等が挙げられる。これらの繊維は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
織布は糸を経緯に組み合わせて作った布地である。織布の材料としては、上述した天然繊維、化学繊維等が挙げられる。これらの繊維は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
紙類としては、粘性液体を含浸することができるものであれば、特に限定されず、例えば上質紙、グラシン紙、クラフト紙等を用いることができる。
発泡性材料で構成された基体としては、合成樹脂に発泡剤を含有させておき、発泡剤によりガスを発生させて、連続気泡や独立気泡を形成した発泡樹脂基体や、イソシアネート基を有するプレポリマーと活性水素化合物との反応によって得られる発泡性ポリウレタン基体等が挙げられる。
セラミック製多孔質体としては、特に制約されず、従来公知のものが使用できる。例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、及びこれら二種以上の組み合わせからなる多孔質体等が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、繊維状物質で構成された基体が好ましく、繊維状物質で構成された織布がより好ましい。
また、繊維状物質は、多孔性の中空繊維(多孔性中空繊維)であるのが特に好ましい。多孔性中空繊維とは、繊維軸方向に沿って中空部を有する(ストロー状の)繊維であって、壁面に細孔を有し、かつ、少なくともその細孔の一部が繊維の中空部にまで貫通している繊維をいう。
多孔性中空繊維の単糸の直径は、1〜500μmであるのが好ましく、3〜250μmであるのがより好ましい。
多孔性中空繊維の中空部の空隙率は、3〜90%であるのが好ましく、5〜80%であるのがより好ましい。
多孔性中空繊維の壁面の細孔の空隙率は、0.1〜70%であるのが好ましく、1〜60%であるのがより好ましい。
また、多孔性中空繊維の中空部及び細孔の空隙率の合計は、10〜95%であるのが好ましく、20〜85%であるのがより好ましい。なお、多孔性中空繊維の中空部の空隙率及び細孔の空隙率は、多孔性中空繊維の容積に対する多孔性中空繊維の中空部の容積及び細孔の容積として算出する。ここで、多孔性中空繊維の中空部の容積及び細孔の容積は、水銀圧入法により測定することができる。
多孔性の基体へ薬物等を含浸させる方法としては、多孔性の基体上に薬物等の溶液を塗布する方法、多孔性の基体上に薬物等の溶液を滴下する方法、多孔性の基体上に薬物等の溶液を噴霧する方法、薬物等の溶液中に多孔性の基体を浸漬させる方法等が挙げられる。
薬物等の溶液は、用いる薬物等の種類や使用量等に応じて、適当量の薬物を適当な溶媒(水、アルコール等)に溶解又は分散させて調製することができる。また、この溶液に水溶性高分子等の粘度調整剤を添加してもよい。さらに、用いる薬物等が液状物である場合には、液状の薬物等をそのままで、あるいは適当な溶媒で希釈した希釈液を多孔性の基体に含浸させることもできる。
得られる薬物貯蔵層の平均厚さは、特に制約はないが、通常5〜5000μm、好ましくは10〜500μmである。
なお、薬物貯蔵層は、粘着剤層上に全面に亘って形成されていても、図1(後述)に示すように、粘着剤層上に、部分的(例えば、中央部分のみ)に形成されていてもよい。
本発明の皮膚貼付剤(i)は、少なくとも粘着剤層と薬物貯蔵層を有し、これらの層が隣接してなるものであれば、その層構成に特に制約はなく、粘着剤層と薬物貯蔵層のみからなるものであっても、粘着剤層及び薬物貯蔵層と、その他の層との積層体であってもよい。
その他の層としては、基材シート、剥離シート等が挙げられる。
基材シートは、薬物貯蔵層を保護するために、薬物貯蔵層の粘着剤層と接しない面側に、直接又はその他の層(接着剤層等)を介して設けられる。
用いる基材シートとしては、特に制約はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂からなるフィルム;アルミニウムを蒸着したフィルム、アルミニウム箔を積層したフィルム等の金属層を有するフィルム;グラシン紙、上質紙、クレーコート紙等の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムをラミネートしたラミネート紙;セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、アクリル−スチレン樹脂等で目止め処理を行なった紙;不織布等の多孔質材料からなるシート;等が挙げられる。
基材シートの厚みは特に制限はなく、通常3〜250μm、取り扱いやすさの観点から、10〜200μmが好ましい。
基材シートと薬物貯蔵層の間に接着剤層を形成する場合、接着剤層を構成する接着剤材料(高分子材料)としては、N−ビニル−2−ピロリドン−アクリル酸エステル共重合体、N−ビニル−2−ピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミド、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)等が挙げられる。また、接着剤材料として、本発明の粘着剤組成物を用いることもできる。
接着剤層は、公知の方法により形成することができる。
得られる接着剤層の厚みは特に制約されないが、通常5〜200μmである。
剥離シートは、粘着剤層等の表面を保護する役割を有し、皮膚貼付剤を皮膚に貼付する際には、粘着剤層から剥離されるものである。
用いる剥離シートとしては、特に制約はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種樹脂からなるフィルム;グラシン紙、上質紙、クレーコート紙等の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムをラミネートした紙;セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、アクリル−スチレン樹脂等で目止め処理を行なった紙;等が挙げられる。
剥離シートの粘着剤層と接触する面は、剥離処理されているのが好ましい。
剥離シートの剥離処理の方法は、特に制約されず、従来公知の、オレフィン系樹脂、長鎖アルキル系剥離剤、フッ素系剥離剤、シリコーン系剥離剤等の剥離剤により処理する方法が挙げられる。
本発明の皮膚貼付剤(i)の層構成の好ましい例を図1に示す。
図1に示す皮膚貼付剤10Aは、基材シート5a−接着剤層4a−薬物貯蔵層3−粘着剤層2a−剥離シート1aからなる積層体である。このように、薬物貯蔵層を、接着剤層と粘着剤層とで挟んで密封した構成とすることにより、薬物貯蔵層内の薬物の揮発や劣化を防止することができ、薬物をより確実に皮膚へ移行させることができる。
図1に示す皮膚貼付剤10Aは、例えば、(工程a)剥離シート(図示を省略)に、接着剤層4aを形成し、形成した接着剤層4aに基材シート5aを被覆(ラミネート)して、製造中間体Aを作製し、(工程b)剥離シート1aに、前記のようにして粘着剤層2aを形成し、形成した粘着剤層2a上に、薬物貯蔵層3を形成して、製造中間体Bを作製し、次いで、(工程c)製造中間体Aの剥離シート(図示を省略)を剥離除去して、接着剤層4aと製造中間体Bの薬物貯蔵層3とを圧着して貼り合わせることにより製造することができる。
なお、(工程b)においては、粘着剤層2a上に薬物貯蔵層3を形成する方法としては、前記繊維状物質で構成された基体を粘着剤層2aに貼り合わせた後、該基体に薬物等を含浸させて、薬物貯蔵層3を形成している。
得られた皮膚貼付剤10Aは、剥離シート1aを粘着剤層2aから剥離し、粘着剤層2a側を皮膚に貼付して用いられる。
〔皮膚貼付剤(ii)〕
皮膚貼付剤(ii)は、本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有し、前記粘着剤層に薬物が含有されている皮膚貼付剤である。すなわち、薬物を含有する粘着剤層(薬物含有粘着剤層)を有する皮膚貼付剤である。
薬物含有粘着剤層の形成方法としては、(a)前記皮膚貼付剤(i)の粘着剤層を形成する方法と同様の方法により粘着剤層を形成した後、ダイコーター、リップコーター、グラビアコーター、マイヤーバーコーター、スプレーコーター等の塗布装置を用いて、薬物等を前記粘着剤層に塗布、含浸させる方法、(b)本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物と薬物等とを含有する塗工液を調製し、得られた塗工液を、前記薬物等を粘着剤層に塗布する方法と同様の方法により基材シート又は剥離シート上に塗布し、得られた塗膜を乾燥して、薬物含有粘着剤層(皮膚貼付剤)を形成する方法が挙げられる。
本発明の皮膚貼付剤(ii)の層構成の一例を図2に示す。
図2に示す皮膚貼付剤10Bは、基材シート5b−薬物含有粘着剤層6−剥離シート1bからなる積層体である。
図2に示す皮膚貼付剤10Bは、例えば、剥離シート1b上に、本発明の皮膚貼付用粘着剤組成物と薬物等とを含む塗工液を塗布し、得られた塗膜を乾燥して、薬物含有粘着剤層6を形成し、形成した薬物含有粘着剤層6上に基材シート5bを被覆(ラミネート)して製造することができる。
得られた皮膚貼付剤10Bは、剥離シート1bを薬物含有粘着剤層6から剥離し、薬物含有粘着剤層6側を皮膚に貼付して用いられる。
薬物含有粘着剤層の厚み(乾燥膜厚)は、特に限定されないが、通常5〜1000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは50〜350μmである。
本発明の皮膚貼付剤は、良好な皮膚貼付性を有する。本発明の皮膚貼付剤が良好な皮膚貼付性を有することは、例えば、JIS Z 0237に準じて保持力を測定し、保持力(秒)が長いことで確認することができる。具体的には、試験板(SUS板)の一端に、皮膚貼付剤(試験片)の粘着剤層面を貼り付け、2kgのローラで5往復して圧着する。15分後に、クリープテスター内にセットして40℃で15分間放置し、このものに、鉛直下向きに9.807Nの荷重をかけ、落下するまでの時間(秒)を求める。
また、皮膚貼付剤を被験者の上腕内側部に24時間貼付したときの、該皮膚貼付剤の浮き剥がれの程度を目視観察し、浮き剥がれがないか、又は少ない(固定力に優れる)ことから確認することができる。
本発明の皮膚貼付剤は薬物の徐放性に優れる。本発明の皮膚貼付剤が薬物の徐放性に優れることは、例えば、皮膚貼付剤からの薬物の放出プロファイルを、米国薬局方に記載のパドルオーバーディスク法に準じて測定することにより確認することができる。具体的には、既定の溶出試験機に、pH7.4のリン酸緩衝液:500mLをセットし、皮膚貼付剤を既定のディスクに粘着剤層面が上になるように固定し、液温:32℃、回転数:50rpmにて試験を行い、初期の薬物含有量に対する24時間後の薬物放出率を高速液体クロマトグラフィーにて測定する。本発明の皮膚貼付剤においては、初期の薬物含有量に対する24時間後の薬物放出率が55〜95%、好ましくは60〜90%、より好ましくは65〜85%である。
本発明の皮膚貼付剤は薬物の経時安定性に優れる。本発明の皮膚貼付剤が薬物の経時安定性に優れることは、例えば、皮膚貼付剤を、アルミニウム個装して60℃の恒温槽中に1ヶ月間保存した後も、薬物が多く残存していることから確認することができる。
本発明の皮膚貼付剤は、剥がす際に痛みを伴わない。このことは、例えば、皮膚貼付剤を被験者の皮膚に貼付し、24時間後に該皮膚貼付剤を剥がす際、被験者が痛みを殆ど感じないことで確認することができる。
本発明の皮膚貼付剤は、剥がした際に糊残りが発生しない。このことは、例えば、皮膚貼付剤を被験者の皮膚に貼付し、24時間後に該皮膚貼付剤を剥がす際、糊残りの発生が認められないことで確認することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):70mol%と、N−ビニル−2−ピロリドン(VP):30mol%からなるモノマー組成物を共重合して得た共重合体Pの酢酸エチル溶液(固形分:40%)を用意した。前記共重合体Pの酢酸エチル溶液とトリレンジイソシアネート(TDI)系ポリイソシアネート化合物(東洋インキ製造社製、商品名「オリバインBHS8515」)を、TDI系ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数が、共重合体Pに含まれる環状ラクタムの数に対して、0.1になるように混合して粘着剤組成物を得た。
次に、剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のリリースライナー(リンテック社製、商品名「SP−PET7511」)を用意し、その剥離面に、上記粘着剤組成物を乾燥後の平均厚さが20μmとなるように塗布し、得られた塗膜を90℃、3分間の条件で加熱乾燥して粘着剤層aを形成した。その後、基材シートとして平均厚さ:12μmのPETフィルム(東レ社製、商品名「ルミラー」)を粘着剤層aにラミネートして、中間体Aを作製した。
剥離シートとして、ポリエチレンテレフタラート(PET)製のリリースライナー(リンテック社製、商品名「SP−PET7511」)を用意し、その剥離面に、上記粘着剤組成物を乾燥後の平均厚さが45μmとなるように塗布後、90℃、3分間の条件で加熱乾燥し、粘着剤層を形成した。この粘着剤層を合計7層積層し、平均厚さが315μmの粘着剤層bを形成した。
次に、形成した粘着剤層bと、単糸の太さ18μm、多孔性中空繊維壁面の細孔の空隙率が12%、中空部の空隙率27%、全体の空隙率の合計が39%の多孔性中空繊維の織布(直径30mmの円形状、質量90mg)とを貼り合わせた。次に、織布に、薬物(ニコチン)を、含浸量が17.5mgになるように含浸させ、薬物貯蔵層を形成し、中間体Bを作製した。
その後、中間体Aの剥離シートを引きはがして、露出した粘着剤層aと、中間体Bの薬物貯蔵層とを圧着し(圧着工程)、薬物貯蔵層が中央部に位置するようにして、既定の大きさ(直径:36mm)に裁断し、皮膚貼付剤1を得た。
(実施例2)
実施例1において、共重合体Pに含まれる環状ラクタムの数に対する、TDI系ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数を下記表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤2を製造した。
(実施例3)
実施例1において、TDI系ポリイソシアネート化合物を、キシレンジイソシアネート(XDI)系ポリイソシアネート化合物(綜研化学社製、商品名「TD−75)に変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤3を製造した。
(実施例4)
実施例3において、共重合体Pに含まれる環状ラクタムの数に対する、XDI系ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数を下記表1のように変更した以外は、実施例3と同様にして皮膚貼付剤4を製造した。
(実施例5)
実施例1において、TDI系ポリイソシアネート化合物を、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)系ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートHL」)に変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤5を製造した。
(実施例6)
実施例5において、共重合体Pに含まれる環状ラクタムの数に対する、HMDI系ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数を下記表1のように変更した以外は、実施例5と同様にして皮膚貼付剤6を製造した。
(実施例7)
実施例1において、共重合体Pを、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):90mol%と、N−ビニル−2−ピロリドン(VP):10mol%からなるモノマー組成物を共重合して得られた共重合体Qに変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤7を製造した。
(実施例8)
実施例7において、共重合体Qに含まれる環状ラクタムの数に対する、TDI系ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数を下記表1のように変更した以外は、実施例7と同様にして皮膚貼付剤8を製造した。
(実施例9)
実施例1において、共重合体Pを、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):60mol%と、N−ビニル−2−ピロリドン(VP):40mol%からなるモノマー組成物を共重合して得られた共重合体Rに変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤9を製造した。
(実施例10)
実施例9において、共重合体Rに含まれる環状ラクタムの数に対する、TDI系ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の数を下記表1のように変更した以外は、実施例9と同様にして皮膚貼付剤10を製造した。
(比較例1)
実施例1において、TDI系ポリイソシアネート化合物を添加しない以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤11を製造した。
(比較例2)
実施例1において、TDI系ポリイソシアネート化合物を、多官能アジリジン化合物(トリメチロールプロパン−β−アジリジニルプロピオネート)に変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤12を製造した。
(比較例3)
実施例1において、TDI系ポリイソシアネート化合物を、多官能エポキシ化合物(N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシレンジアミン)に変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤13を製造した。
(比較例4)
実施例1において、TDI系ポリイソシアネート化合物を、多官能金属キレート化合物(アルミニウムトリス(アセチルアセトナート))に変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤14を製造した。
(比較例5)
実施例1において、共重合体Pを、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):90mol%と、アクリル酸(AAc):10mol%からなるモノマー組成物を共重合した共重合体Tに変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤15を製造した。
(比較例6)
実施例1において、共重合体Pを、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA):90mol%と、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA):10mol%からなるモノマー組成物を共重合した共重合体Sに変更した以外は、実施例1と同様にして皮膚貼付剤16を製造した。
Figure 0005626826
実施例1〜10及び比較例1〜6で用いた粘着剤組成物、及び得られた皮膚貼付剤1〜16につき、以下の測定及び評価試験を行った。
<ゲル分率の測定>
各実施例及び各比較例で使用した粘着剤組成物を、剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−PET381038」)上に、乾燥後の平均厚さが45μmとなるようにそれぞれ塗工し、90℃、3分間の条件で加熱乾燥した後、別の剥離シートをさらにその上に貼着し、室温で7日間養生した。
養生後に、剥離シートを剥ぎ取って得られた粘着剤層(100mm×100mm、質量Ag)を、120mm×120mmサイズのナイロン製メッシュ(♯200)で包み込み、これをソックスレー抽出器にセットし、酢酸エチル還流下で16時間抽出処理した。
抽出処理後、ナイロン製メッシュ中に残存する粘着剤を100℃で2時間乾燥し、23℃、50%RHの雰囲気下で3時間以上調湿後、該粘着剤の質量を測定し(Bg)、下式によりゲル分率を算出した。算出結果を下記表2に示す。
Figure 0005626826
<保持力の測定>
各実施例及び各比較例で得られた貼付剤のそれぞれを、室温にて7日間養生し、幅25mm×長さ25mmに裁断し、各貼付剤の基材シート側に幅25mm×長さ75mmのポリエステル基材粘着テープをラミネートして、試験片とした。試験片の貼付剤部分の剥離シートを除去し、JIS Z 0237に準じて、試験板(SUS板)の一端に、試験片の貼付剤部分の粘着剤層面を貼り付け、2kgのローラで5往復して圧着した。圧着して15分後に、クリープテスター内にセットし40℃で15分間放置した。このものに、鉛直下向きに9.807Nの荷重をかけ、落下するまでの時間を求め、保持力(秒)とした。なお、試験は70000秒までとした。測定結果を下記表2に示す。
<固定力評価>
各実施例及び各比較例で得られた貼付剤のそれぞれを、室温にて7日間養生し、各貼付剤を被験者の上腕内側部に24時間貼付したときの、固定力(各貼付剤の浮き剥がれの程度)を下記の5段階の基準に従い、目視観察を行った。なお、本評価は、5人の被験者の評価の平均値により求めた。評価結果を下記表2に示す。
5:上腕内側部に密着し、浮き剥がれが無かった。
4:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が5%未満であった。
3:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が5%以上10%未満であった。
2:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が10%以上20%未満であった。
1:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が20%以上であった。
<痛みの官能試験>
各実施例及び各比較例で得られた貼付剤のそれぞれを、室温にて7日間養生し、各貼付剤を皮膚に貼付し、24時間後に各貼付剤を剥がす際の剥離具合を以下の3段階の基準で評価した。評価結果を下記表2に示す。
◎:剥離する際に痛みを殆ど感じなかった。
○:剥離する際に痛みを若干感じたが許容できる程度であった。
×:剥離する際に痛みを強く感じた。
<糊残り評価>
各実施例及び各比較例で得られた貼付剤のそれぞれを、室温にて7日間養生し、各貼付剤を皮膚に貼付し、24時間後に各貼付剤を剥がす際の糊残りの発生具合を以下の3段階の基準で評価した。評価結果を下記表2に示す。
◎:剥離した際に糊残りの発生は認められなかった。
○:剥離した際に糊残りの発生が若干認められたが許容できる程度であった。
×:剥離した際に糊残りの発生が顕著であった。
<経時安定性試験>
各実施例及び各比較例で得られた貼付剤を、アルミニウム個装して60℃の恒温槽中に1ヵ月間保存し、貼付剤中のニコチン残存量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した。測定結果を下記表2に示す。
<薬物放出試験>
各実施例及び各比較例の貼付剤からのニコチンの放出プロファイルを、米国薬局方に記載のパドルオーバーディスク法に準じて以下のようにして測定した。
既定の溶出試験機に、pH7.4のリン酸緩衝液:500mLをセットし、各実施例及び各比較例の貼付剤を既定のディスクに粘着剤層面が上になるように固定した。次に、液温:32℃、回転数:50rpmにて試験を行い、初期の薬物含有量に対する24時間後の薬物放出率を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。測定結果を下記表2に示す。
Figure 0005626826
表2より、実施例1〜10で用いた粘着剤組成物のゲル分率は、十分に高く、十分な凝集力を有することがわかる。
また、貼付剤1〜10は、保持力、固定力に優れ、剥離する際の痛み、剥離した際の糊残りがなく、経時安定性に優れ、薬物の徐放性を有するものであった。
一方、比較例1〜4で用いた、ポリイソシアネート系化合物を含まない粘着剤組成物のゲル分率は低く、貼付剤11〜14は、保持力、固定力に劣り、剥離する際の痛み、剥離した際の糊残りがあった。
また、比較例5、6の貼付剤15、16は、実施例1〜10の貼付剤1〜10に比して経時安定性に劣っていた。
1a,1b・・・剥離シート、2a・・・粘着剤層、3・・・薬物貯蔵層、4a・・・接着剤層、5a,5b・・・基材シート、6・・・薬物含有粘着剤層、10A,10B・・・皮膚貼付剤

Claims (7)

  1. 粘着剤重合体成分として、N−ビニル環状ラクタム単量体およびアクリル系単量体を含み、かつカルボキシル基または水酸基を有する単量体を含まないモノマー組成物を重合して得られるアクリル系共重合体のみを含有し、さらに、ポリイソシアネート化合物を含む皮膚貼付用粘着剤組成物。
  2. 前記N−ビニル環状ラクタム単量体の配合割合が、モノマー組成物全体に対して10〜40モル%であり、
    前記ポリイソシアネート化合物におけるイソシアネート基の数が、前記アクリル系共重合体に含まれる環状ラクタムの数に対して、0.03〜3当量である請求項1に記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
  3. 前記N−ビニル環状ラクタム単量体が、N−ビニル−2−ピロリドンであり、
    前記アクリル系単量体が、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1又は2記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
  4. 前記アクリル系共重合体の質量平均分子量が、30万〜200万の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
  5. 前記ポリイソシアネート化合物が、芳香族ポリイソシアネート化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、薬物を含有する薬物貯蔵層とを有する皮膚貼付剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の皮膚貼付用粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有し、前記粘着剤層に薬物が含有されている皮膚貼付剤。
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