JP5626629B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記第1移動手段は、上記キャップ部材を移動させることで該キャップ部材と上記記録ヘッドとを相対移動させるものであり、上記第2移動手段は、上記ワイパー部材を移動させることで該ワイパー部材と上記記録ヘッドとを相対移動させるものであり、上記ワイパー部材を上記キャップ部材に固定するとともに、上記第1移動手段と上記第2移動手段とを単一の移動手段で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記単一の移動手段は、上記キャップ部材を所定の移動経路に沿って往復移動させるものであり、上記所定の移動経路は、上記被覆位置と上記非被覆位置との間で上記キャップ部材を上記記録ヘッドの吐出面に対して接離させる第1移動経路部と、上記ワイパー部材が該記録ヘッドの吐出面を摺擦するように該記録ヘッドの吐出面に沿って該キャップ部材を移動させる第2移動経路部とから構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記インク受部は、上面が開口していて内部にインクを収容するインク収容室を有し、該インク収容室の側壁は、上記被覆状態のときに該記録ヘッドと当接して高さが低くなり、かつ、上記非被覆状態のときに該記録ヘッドとの当接が解除されて元の高さに戻るように変形可能に構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記インク受部には、インク吸収体が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記インク受部は、そのインク収容室が上記キャップ内部と連通していて、上記被覆状態のときに上記記録ヘッドの外壁に当接して該インク収容室が密閉状態となる構成を有し、上記吸引手段により上記インク収容室内のインクを上記キャップ部材内のインクとともに吸引可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記ワイパー部材は、上記記録ヘッドの吐出面に当接して撓んだ状態となり、その状態で該吐出面を摺擦することにより該吐出面上の不要なインクを払拭するワイパーブレードであり、上記第2移動手段は、上記ワイパー部材が上記記録ヘッドの吐出面の終端に到達する直前に、該ワイパー部材の撓みが小さくなるように該ワイパー部材と該記録ヘッドとを相対移動させ、上記ワイパー部材が当接したまま上記記録ヘッドの吐出面の終端を通過するように該ワイパー部材と該記録ヘッドとを相対移動させることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記記録ヘッドの吐出面が鉛直面に対して略平行となる状態で記録材に対してインク液滴を吐出するように構成されており、上記被覆状態のときにも、上記記録ヘッドの吐出面が鉛直面に対して平行となるように構成されていることを特徴とするものである。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について、画像形成装置としてのインクジェット記録装置であるシリアル型プリンタを例にとって、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態1に係るインクジェットプリンタの要部を示す概略構成図である。
図2は、本インクジェットプリンタの記録ヘッド周囲の構成を、記録ヘッドの吐出方向(水平方向)から見たときの概略構成図である。
このインクジェットプリンタにおいて、プリンタ側部に位置する2つの本体側板60間に横架したガイドロッド61に対してガイドブッシュ(軸受け)3aを介してキャリッジ3が摺動自在に保持されている。キャリッジ3は、主走査モータ4に接続された駆動プーリ6Aと従動プーリ6Bとの間に架け渡されたタイミングベルト5の移動に伴ってガイドロッド61に沿った方向(主走査方向)に移動する。
また、キャリッジ3には、光を透過する透過部と透過しない非透過部とが交互に直線状に配列されたリニアエンコーダシート42が設けられており、このリニアエンコーダシート42の透過部と非透過部を検出する透過型フォトセンサからなる図示しないエンコーダセンサが設けられている。このエンコーダセンサの検知結果に基づいて、キャリッジ3の主走査方向位置を把握することができる。
図3は、メンテナンスユニット100を示す斜視図である。
メンテナンスユニット100は、記録ヘッド7A,7Bの吐出性能の回復、維持や、非稼働中に記録ヘッドのノズルの保湿を行うためのものである。メンテナンスユニット100は、記録ヘッド7A,7Bをキャッピングするキャッピング部110と、メンテナンスのために記録ヘッド7A,7Bから吐出させるイングを受ける空吐出部120と、キャッピング部110及び空吐出部120並びに後述の吸引ポンプに対して駆動力を伝達する駆動部130とを有する。メンテナンスユニット100は、図2中右側の本体側板60に位置決めされた状態でネジ固定されている。図3においては、キャリッジ3上の記録ヘッド7A,7Bが紙面前方からメンテナンスユニット100に対向するように位置することになる。
キャッピング部110は、2つのキャップ111A,111Bを有し、非稼働中に、2つの記録ヘッド7A,7Bのノズル面をそれぞれキャップ111A,111Bで被覆してノズルの保湿を行う。また、キャッピング部110は、キャップ111Bで被覆した状態の記録ヘッドのノズルから記録ヘッド内のインクを吸い出すノズル吸引処理を行ってインク詰まり等を解消し、記録ヘッド7A,7Bの吐出性能の回復、維持する処理も行う。更に、本実施形態1において、キャッピング部110は、ノズル吸引処理後のノズル面をワイパー部材でワイピングするワイピング処理も行う。キャップ111A,111Bは、ラック113に対して水平方向(図中前後方向)へスライド移動可能に取り付けられており、そのスライド移動範囲はラック113に設けられたガイド溝113aによって制限されている。キャップ111A,111Bは、上下2つの圧縮バネ118によってラック113から図中前方へ付勢されている。
ノズル吸引処理を行うためのキャップ111Bは、その開口とは反対側の背面部に吸引口が設けられており、その吸引口に吸引管114の一端が接続されている。この吸引管114の他端には、吸引手段としての吸引ポンプ150が接続されている。図5(a)に示すように、ラック113に搭載されたキャップ111Bとの対向位置にいずれかの記録ヘッド7A,7Bが位置するとき、駆動部130からの駆動力を受けてキャップ移動用カム135を回転させると、図5(b)に示すように、ラック113が記録ヘッド7A,7Bに向けて移動し、最終的にはキャップ111Bの縁部111aが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆状態にする。その後、吸引ポンプ150を駆動して吸引動作を実行することにより、キャップ111Bと記録ヘッド7A,7Bのノズル面との吸着力が高まってキャップ内部の密閉性が高まるとともにキャップ内部が負圧となり、記録ヘッド内のインクがノズルから吸い出される。吸い出されたインクは、吸引ポンプ150の吸引力によってキャップ111Bの吸引口から吸引管114を通って廃液タンク151に送られる。
一方、ラック113が前進位置にある時、図5(b)に示すように、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接したキャップ111Bは、キャップ用圧縮バネ118の付勢力に抗してラック113内側へ押し込まれた後退位置に位置することになる。キャップ111Bがラック113に対して後退位置に位置するとき、大気開放弁116は、そのキャップ用圧縮バネ118の背面に当接し、大気開放用圧縮バネ117の付勢力に抗してラック113内側へ押し込まれる。よって、ラック113が前進位置にある時には、図5(b)に示すように、キャップ111Bの開口はノズル面に密着し、かつ、そのキャップ背面に設けられた大気開放孔111bは大気開放弁116によって閉塞された状態になるので、キャップ内は密閉状態になる。これにより、ノズル吸引処理が可能な状態になる。
駆動部130は、キャッピング部110及び空吐出部120での処理に必要な駆動力を、これらに伝達するためのものである。駆動部130は、キャッピング部110のフレーム部112(図6では説明のため図示を省略してある。)に取り付けられている。駆動部130は、駆動源であるステッピングモータ131と、ステッピングモータ131で発生した駆動力を伝達するためのギヤ列132と、ギヤ列132によって伝達された駆動力によって回転駆動する駆動シャフト133とを備えている。ステッピングモータ131は、正逆回転駆動可能な構成であり、図示しない制御部によりその回転方向、回転位置、回転角速度が制御される。駆動シャフト133の一端側は、キャッピング部110のフレーム部112の内部へ挿通されている。
図10(a)〜(c)は、メンテナンスユニット100における吸引用のキャップ111Bを水平方向から見たときの構成及び動作を説明するための模式図である。なお、図10では、2つのキャップ用圧縮バネ118が1つのバネとして図示されている。
図11(a)〜(c)は、キャップ移動用カム135の回転角(回転位置)と、キャッピング部110の状態との関係を示す説明図である。
しかも、本実施形態1においては、デキャップ前に大気開放するための構成として、キャップ111Bに設けられた連通孔である大気開放孔111bを塞ぐための蓋部材としての大気開放弁116を設け、この大気開放弁116で大気開放孔111bを塞いで大気開放孔111bを閉塞状態とし、また、大気開放孔111bを塞いでいる大気開放弁116を退避させることで大気開放孔111bを開放状態にする構成を採用している。このような構成を採用したことで、圧縮変形により連通孔を閉塞状態にし、また圧縮変形を復元させることにより連通孔を開放状態にするような従来の構成よりも、インク吸引処理時におけるキャップ内部の高い密閉性を確保することができ、インク吸引処理を安定、確実に行うことができる。
更に、本実施形態1においては、キャップ111Bを被覆位置と非被覆位置との間で移動させる第1移動手段としての駆動部130により、その移動動作に連動して、ワイパー部材140が記録ヘッド7A,7Bに対して相対移動するように構成されている。しかも、キャップ111Bを移動させて非被覆位置に位置させた時、これに連動して移動するワイパー部材140は、第2移動手段としてのフレーム駆動機構によるワイピング移動開始位置に位置するようになる。したがって、インク吸引処理を終えた後、駆動部130によりキャップ111Bを被覆位置から非被覆位置へ移動させる動作を行うだけで、ワイパー部材140を移動させて行うワイピング処理を開始することが可能となる。よって、インク吸引処理を終えてからワイピング処理を開始するまでの間の移動動作が少なく、処理時間の短縮化を図ることができる。
次に、本発明の他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について、画像形成装置としてのインクジェット記録装置であるシリアル型プリンタを例にとって、添付図面を参照して説明する。
なお、本実施形態2のプリンタは、メンテナンスユニットの構成を除いて、上記実施形態1のものと同様であるため、以下の説明では、上記実施形態1との共通点の説明は省略する。
本実施形態2におけるキャッピング部210は、上記実施形態1と同様に、2つのキャップ211A,211Bを有し、そのうちの1つが吸引用のキャップ211Bとして使用される。ただし、本実施形態2のキャップ211Bには、上記実施形態1で設けられていた大気開放孔は設けられておらず、したがってその大気開放孔を塞ぐための大気開放弁も設けられている。そのため、インク吸引処理後のデキャップ前にキャップ111Bの内部に残ったインクを吸い出すことができない。しかしながら、本実施形態2のキャップ211Bは、その下部が記録ヘッド7A,7Bの下方まで迫り出したインク受部211cを有し、その鉛直方向断面が図12に示すように略L字型に形成されている。このインク受部211cが設けられていることで、インク吸引処理後のデキャップ時にキャップ111Bの内部に残ったインクが流れ出ても、そのインクをインク受部211cに収容し、機内汚染を防止している。
図14は、ラック213が、前進位置(被覆位置)、後退位置(非被覆位置=ワイピング動作開始位置)、ワイピング動作終了位置のそれぞれに位置するときのガイドレール234上における被ガイド部213aの位置I,II,IIIを示す説明図である。
長時間放置後に画像形成を行う場合などにおいては、ノズル抜けの可能性が高く、印字前にメンテナンス処理を実施する場合がある。この場合の手順としては、まず、プリンタの制御部は、ステッピングモータ231の回転位置(回転角)に基づき、ラック213が前進位置(被覆位置)に位置してキャップ211Bが被覆状態であることを確認する(S41)。このとき、ガイドレール234上の被ガイド部213aは、図14に示すキャッピング位置Iに位置する。ステッピングモータ231の回転位置(回転角)は、例えば、ステッピングモータ231のモータ軸に突起部を設けるとともに、その突起部が通過する回転軌道を通るように透過型の光学センサを配置し、その光学センサが突起部によって光路を遮られたことを検知したタイミングを見て把握することができる。
連続印字中にヘッドタンクの負圧が強くなりすぎてノズルからのインク吐出負荷が大きくなった場合などにおいては、連続印字中にメンテナンス処理を実施する場合がある。この場合の手順としては、まず、プリンタの制御部は、ステッピングモータ231の回転位置(回転角)に基づき、ラック213が後退位置(非被覆位置)に位置してキャップ211Bが非被覆状態であることを確認する(S51)。すなわち、ガイドレール234上の被ガイド部213aが、図14に示すデキャップ位置IIに位置していることを確認する。その後、制御部は、主走査モータ4を制御して、記録ヘッド7A,7Bをキャッピング部110のL字型キャップ211Bと対向する位置までキャリッジ3を主走査方向に移動させる(S52)。そして、制御部は、ステッピングモータ231を正転駆動して(S53)、ラック213を上昇させると、これによりガイドレール234上の被ガイド部213aは、図14に示すデキャップ位置IIからキャッピング位置Iへ移動する。これにより、ラック213が前進位置(被覆位置)に位置してキャップ211Bにより記録ヘッド7A,7Bが被覆状態となる。
印字後は、ゴミ等のノズルへの不純物侵入防止とインク固着によるノズル詰まり防止の保湿のため、キャッピングを実施し、マシンを停止状態にさせる。この場合の手順としては、まず、プリンタの制御部は、ステッピングモータ231の回転位置(回転角)に基づき、ラック213が後退位置(非被覆位置)に位置してキャップ211Bが非被覆状態であることを確認する(S61)。すなわち、ガイドレール234上の被ガイド部213aが、図14に示すデキャップ位置IIに位置していることを確認する。その後、制御部は、主走査モータ4を制御して、記録ヘッド7A,7Bのそれぞれがキャッピング部110の各キャップ211A,211Bそれぞれに対向する位置まで、キャリッジ3を主走査方向に移動させる(S62)。そして、制御部は、ステッピングモータ231を正転駆動して(S63)、ラック213を上昇させると、これによりガイドレール234上の被ガイド部213aは、図14に示すデキャップ位置IIからキャッピング位置Iへ移動する。これにより、ラック213が前進位置(被覆位置)に位置して2つのキャップ211A,211Bにより各記録ヘッド7A,7Bがそれぞれ被覆状態となる。
次に、上記実施形態2におけるL字型キャップ211Bの一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図17(a)及び(b)は、本変形例1におけるL字型キャップ311Bの概略構成を示す説明図である。
本変形例1におけるL字型キャップ311Bは、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に対向する開口及び記録ヘッド7A,7Bの下面に対向するインク受部311cの開口の縁部311aがジャバラ形状となっている点で、上記実施形態2のものと異なっている。このジャバラ状縁部311aの材質としては、例えば軟質なシリコンゴムを用いることができる。本変形例1では、L字型キャップ311Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆位置に位置すると、図17(b)に示すように、ジャバラ状縁部311aが圧縮された状態となり、L字型キャップ311Bの開口が記録ヘッド7A,7Bのノズル面によって高いシール性をもって閉塞される。一方、L字型キャップ311Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面から離間して非被覆位置に位置すると、図17(a)に示すように、圧縮されていたジャバラ状縁部311aが復元された状態となる。これにより、L字型キャップ311Bの本体内の容積及びインク受部311cのインク収容室内の容積が、いずれも被覆状態のときよりも広くなる。
次に、上記実施形態2におけるL字型キャップ211Bの他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図18は、本変形例2におけるL字型キャップ411Bの概略構成を示す説明図である。
本変形例2におけるL字型キャップ411Bは、その本体内の空間並びにインク受部411cのインク収容室内に、インクを吸収、保持可能なL字型の吸収体419が設けられている点で、上記実施形態2のものと異なっている。この吸収体419は、図18に示すように、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に対向する鉛直部が、L字型キャップ411Bの本体の開口縁部よりも外側(ノズル面側)に突出しないように構成されている。これにより、L字型キャップ411Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆位置に位置しても、吸収体419の鉛直部はノズル面に非接触の状態となり、吸収体419がインク吸引処理の妨げになることはない。一方、インク受部411cのインク収容室内に配置される吸収体419の水平部は、インク収容室よりも高い位置に位置するように構成されている。この水平部の吸収体部分は、柔らかくて弾性力の高い材質のものを用い、L字型キャップ411Bが記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して被覆位置に位置したときに圧縮変形してL字型キャップ411Bの開口縁部によるシール性を妨げないようにする。なお、吸収体419は、全体が一体形成されたものであっても複数部材を組み合わせて構成されたものでもよい。
次に、上記実施形態2におけるL字型キャップ211Bの更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図19(a)は、本変形例3におけるL字型キャップ511Bの上面図であり、図19(b)は、このL字型キャップ511Bの側面図であり、図19(c)は、このL字型キャップ511Bを記録ヘッド7A,7Bとともに図示した斜視図である。
本変形例3におけるL字型キャップ511Bは、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接するワイパー部材の当接端部の幅W1がノズル面の幅W2よりも広く、かつ、インク受部のインク収容室の幅W3よりも狭くなるように、構成されている。このような構成を実現するため、本変形例3では、ワイパー部材540が、L字型キャップ511Bへの取付端部の幅よりもノズル面に当接する当接端部の幅W1の方が広くなるような台形状に形成されたものを用いている。なお、台形状に限らず、段付き長方形状などの他の形状であってもよい。また、本変形例3では、L字型キャップ511Bの本体内部とインク受部511c内のインク収容室とが連通した構成であるため、被覆状態のときにそのインク収容室の開口が記録ヘッド7A,7Bの下面で塞がれるように構成する必要がある。そのため、本変形例3においては、図19(c)に示すように、記録ヘッド7A,7Bの下面形状がインク収容室の開口を塞ぐことができるようになっている。
しかも、本変形例3によれば、ワイパー部材540の当接端部の幅W1はノズル面の幅W2よりも広く形成されているため、ノズル面全域をワイパー部材540によってワイピングすることができる。なお、本変形例3では、ワイパー部材540の当接端部の幅W1はノズル面の幅W2よりも広く形成しているが、ワイパー部材540の当接端部の幅W1は各記録ヘッドのノズル面に形成された2つのノズル列をワイピングできる幅であれば、ノズル面の幅W2よりも狭く形成してもよい。この場合、記録ヘッド7A,7Bの下面形状は、一般的な長方形状のものを使用することが可能である。
次に、上記実施形態2におけるラック613の移動経路の一変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図20(a)及び(b)は、本変形例4におけるキャッピング部610の動作を模式的に表した説明図である。
本変形例4においては、上記実施形態2と同様、ステッピングモータ231の回転により上下動するラック613の移動経路はガイドレール634によって規制されている。本変形例4のガイドレール634の下端は、図示のように、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接しているワイパー部材640をノズル面から離れる方向へ変位させるように曲げられている。これにより、ワイパー部材640は、ワイピング動作開始位置より下方へ移動し、ノズル面に撓んだ状態で当接しながらノズル面に沿って移動し、そのノズル面の下端近傍でノズル面から離れる方向へ変位し、ノズル面下端の下方まで抜ける。このようにノズル面の下端近傍でノズル面から離れる方向へワイパー部材640が変位することで、ワイパー部材640がノズル面下端を抜ける際のワイパー部材640の撓み量が小さくなる。その結果、ワイパー部材640がノズル面下端を抜ける際にその撓みが復元することでインクが飛散する不具合の発生を抑制することができる。
また、本実施形態2(各変形例を含む。)において、駆動部230,630は、キャップ211B,311B,411B,511B,611Bを移動させてキャップと記録ヘッド7A,7Bとを相対移動させるものであり、ワイピング処理のための上記第2移動手段は、ワイパー部材240,340,440,540,640を移動させてワイパー部材と記録ヘッド7A,7Bとを相対移動させるものであり、ワイパー部材240,340,440,540,640はキャップ211B,311B,411B,511B,611Bに固定されていて、駆動部230,630は上記第2移動手段としても機能する。これにより、部品点数の削減を実現でき、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態2(各変形例を含む。)において、駆動部230,630は、キャップ211B,311B,411B,511B,611Bを所定の移動経路に沿って往復移動させるものであり、この所定の移動経路は、キャッピング位置Iとデキャップ位置IIとの間でキャップ211B,311B,411B,511B,611Bを記録ヘッド7A,7Bのノズル面に対して接離させる第1移動経路部と、ワイパー部材240,340,440,540,640が記録ヘッド7A,7Bのノズル面を摺擦するように記録ヘッド7A,7Bのノズル面に沿ってキャップを移動させる第2移動経路部とから構成されている。これにより、ガイドレールを利用した簡易な構成により、単一の移動手段で、デキャップ動作及びワイピング動作を実現できる。
また、本実施形態2(各変形例を含む。)においては、被覆状態のときに記録ヘッド7A,7Bのノズル面が鉛直方向真下以外の方向、具体的には水平方向を向くように構成されており、ノズル面の下端の下方に位置する箇所にインク受部211c,311c,411c,511cが設けられており、駆動部230,630は、ノズル面の上端が始端となりかつノズル面の下端が終端となるように、ワイパー部材240,340,440,540,640を移動させる。これにより、ワイパー部材240,340,440,540,640がノズル面から除去したインクがワイパー部材から下方へ落ちたとしても、これをインク受部211c,311c,411c,511cで受けとめて、機内にインクが飛散するのを抑制できる。
また、変形例1において、インク受部311cは、上面が開口していて内部にインクを収容するインク収容室を有しており、そのインク収容室の側壁となるジャバラ状縁部311aは、被覆状態のときに記録ヘッド7A,7Bと当接して高さが低くなり、かつ、非被覆状態のときに記録ヘッド7A,7Bとの当接が解除されて元の高さに戻るように変形可能に構成されている。これにより、インク収容室内に収容したインクがこぼれにくい。
また、変形例2においては、インク受部411cにインク吸収体419が設けられているので、インク受部411c内に溜まったインク界面にインクが飛び込んできたときにインクが跳ねたり、プリンタの振動等によってインク受部411c内のインクが波打ってこれによりインクがインク収容室外へ飛び出したりする事態が抑制され、機内にインクが飛散するのを更に抑制できる。
また、変形例3においては、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接するワイパー部材540の当接端部の幅W1が、ノズル面の幅W2よりも広く、かつ、インク受部511cのインク収容室の幅W3よりも狭いので、ノズル面全域をワイパー部材540によってワイピングすることができるとともに、そのワイピング処理終了時にワイパー部材540の当接端部が跳ね上がってインクを下方へ飛翔させたとしてもインク収容室で飛翔インクを安定して受け取ることができる。
また、本実施形態2(各変形例を含む。)において、インク受部211c,311c,411c,511cは、そのインク収容室がキャップ内部と連通していて、被覆状態のときに記録ヘッド7A,7Bの外壁に当接してインク収容室が密閉状態となる構成を有しており、吸引ポンプ150によりインク収容室内のインクをキャップ211B,311B,411B,511B,611B内のインクとともに吸引可能に構成されている。このような構成により、ノズルからインクを吸い出すインク吸引処理と、インク吸引処理後にキャップ内に残ったインクを除去する処理とを、単一の吸引ポンプ150で実現することができる。
また、変形例4において、ワイパー部材640は、記録ヘッド7A,7Bのノズル面に当接して撓んだ状態となり、その状態でノズル面を摺擦することによりノズル面上の不要なインクを払拭するワイパーブレードであり、駆動部630は、ワイパー部材640が記録ヘッド7A,7Bのノズル面の終端に到達する直前に、ワイパー部材640の撓みが小さくなるようにワイパー部材640と記録ヘッド7A,7Bとを相対移動させ、ワイパー部材640が当接したまま記録ヘッド7A,7Bのノズル面の終端を通過するようにワイパー部材640と記録ヘッド7A,7Bとを相対移動させる。これにより、ワイパー部材640がノズル面下端を抜ける際のワイパー部材640の撓み量が小さくなるので、ワイパー部材640がノズル面下端を抜ける際にその撓みが復元することでインクが飛散するという不具合の発生を抑制することができる。
また、上記実施形態(各変形例を含む。)に係るインクジェットプリンタは、記録ヘッド7A,7Bのノズル面が鉛直面に対して略平行となる状態で用紙12に対してインク液滴を吐出するように構成された、いわゆる水平吐出型の画像形成装置であり、被覆状態のときにも記録ヘッド7A,7Bのノズル面が鉛直面に対して平行となるように構成される。上述した各種効果は、このような水平吐出型の画像形成装置において特に有益である。
また、上述した説明では、異なる色のインクを吐出する吐出口の列を1つの記録ヘッドのノズル面上に2つ設けた画像形成装置を例示したが、記録ヘッドのノズル面とワイパー部材とを主走査方向とは異なる方向に沿って相対移動させてワイピング処理を行う画像形成装置であれば、同様に適用される。
7A,7B 記録ヘッド
100 メンテナンスユニット
110,210,610 キャッピング部
111A,111B,211A,211B,311B,411B,511B,611B キャップ
111a 縁部
111b 大気開放孔
112 フレーム部
113,213,613 ラック
116 大気開放弁
120 空吐出部
130,230,630 駆動部
131,231 ステッピングモータ
140,240,340,440,540,640 ワイパー部材
150 吸引ポンプ
151 廃液タンク
211c,311c,411c,511c インク受部
213a 被ガイド部
232 駆動ギヤ
233 被駆動歯列
234,634 ガイドレール
311a ジャバラ状縁部
419 吸収体
Claims (8)
- 記録材に対して吐出面上の吐出口からインク液滴を吐出する記録ヘッドと、
該記録ヘッドの吐出面を被覆するためのキャップ部材と、
該キャップ部材により該記録ヘッドの吐出面を被覆する被覆状態となる被覆位置と被覆しない非被覆状態となる非被覆位置との間で該キャップ部材と該記録ヘッドとを相対移動させる第1移動手段と、
該キャップ部材に設けられた吸引口から該キャップ部材の内部を吸引する吸引手段と、
該記録ヘッドの吐出面を摺擦して該吐出面上の不要なインクを除去するワイパー部材と、
該記録ヘッドの吐出面に沿って該吐出面の始端側から終端側に向けて該ワイパー部材と該記録ヘッドとを相対移動させるワイピング移動を行う第2移動手段とを備え、
上記被覆状態のときに上記記録ヘッドの吐出面が鉛直方向真下以外の方向を向くように構成された画像形成装置において、
上記被覆状態のときに下端となる上記吐出面の端部の下方に位置する箇所にインク受部を有し、
上記第2移動手段は、上記被覆状態のときに上端となる上記吐出面の端部が始端となり、かつ、該被覆状態のときに下端となる該吐出面の端部が終端となるように、上記ワイパー部材と上記記録ヘッドとを相対移動させるものであり、
上記第1移動手段は、上記キャップ部材及び上記記録ヘッドを上記被覆位置から上記非被覆位置へ相対移動させる動作に連動して、該キャップ部材及び該記録ヘッドが該非被覆位置に位置した時に上記ワイパー部材及び該記録ヘッドが上記第2移動手段による上記ワイピング移動の開始位置に位置するように、該ワイパー部材と該記録ヘッドとを相対移動させるものであり、
上記記録ヘッドの吐出面に当接する上記ワイパー部材の当接端部の幅は、該吐出面の幅よりも広く、かつ、上記インク受部のインク収容室の幅よりも狭いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記第1移動手段は、上記キャップ部材を移動させることで該キャップ部材と上記記録ヘッドとを相対移動させるものであり、
上記第2移動手段は、上記ワイパー部材を移動させることで該ワイパー部材と上記記録ヘッドとを相対移動させるものであり、
上記ワイパー部材を上記キャップ部材に固定するとともに、上記第1移動手段と上記第2移動手段とを単一の移動手段で構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記単一の移動手段は、上記キャップ部材を所定の移動経路に沿って往復移動させるものであり、
上記所定の移動経路は、上記被覆位置と上記非被覆位置との間で上記キャップ部材を上記記録ヘッドの吐出面に対して接離させる第1移動経路部と、上記ワイパー部材が該記録ヘッドの吐出面を摺擦するように該記録ヘッドの吐出面に沿って該キャップ部材を移動させる第2移動経路部とから構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記インク受部は、上面が開口していて内部にインクを収容するインク収容室を有し、
該インク収容室の側壁は、上記被覆状態のときに該記録ヘッドと当接して高さが低くなり、かつ、上記非被覆状態のときに該記録ヘッドとの当接が解除されて元の高さに戻るように変形可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記インク受部には、インク吸収体が設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記インク受部は、そのインク収容室が上記キャップ内部と連通していて、上記被覆状態のときに上記記録ヘッドの外壁に当接して該インク収容室が密閉状態となる構成を有し、
上記吸引手段により上記インク収容室内のインクを上記キャップ部材内のインクとともに吸引可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記ワイパー部材は、上記記録ヘッドの吐出面に当接して撓んだ状態となり、その状態で該吐出面を摺擦することにより該吐出面上の不要なインクを払拭するワイパーブレードであり、
上記第2移動手段は、上記ワイパー部材が上記記録ヘッドの吐出面の終端に到達する直前に、該ワイパー部材の撓みが小さくなるように該ワイパー部材と該記録ヘッドとを相対移動させ、上記ワイパー部材が当接したまま上記記録ヘッドの吐出面の終端を通過するように該ワイパー部材と該記録ヘッドとを相対移動させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記記録ヘッドの吐出面が鉛直面に対して略平行となる状態で記録材に対してインク液滴を吐出するように構成されており、
上記被覆状態のときにも、上記記録ヘッドの吐出面が鉛直面に対して平行となるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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